★いきなりピンチなあらすじ
私の名前は粉杉晶華。花粉症ガールよ。
お供のリバTちゃんといっしょに、このアステロイド監視所に遊びに、もといNOVAちゃんに頼まれて、ハイラスおじさんへの挨拶に来たら、いきなり殺人鬼ケイソンさんに襲われて大ピンチ。
え? どうしてケイソンさんがここにいるかって?
そんなの私が知るか。
え? そもそもケイソンって誰かって?
あなたはもしかして、NOVAちゃんのブログの素人ね。
ケイソンさんは、私がまだ生まれたばかりの翔花だった頃、初めて戦った相手なの。
昭和ライダー最初の対戦相手は蜘蛛男。
平成ライダー最初の対戦相手はズ・グムン・バ。
令和ライダー最初の対戦相手は腹筋崩壊太郎の変身したべローサマギア。
そして、花粉症ガール最初の対戦相手は殺人鬼ケイソンなのは、基本知識と言えるわね。
もしも興味があるのなら、この記事を読むといいわ。
まあ、今だと「殺人鬼ケイソン」でググっても、NOVAちゃんのブログに行き着けるみたいだけど。
……って、そんなにのんびり説明している場合じゃなかった。
このピンチ、どうやって乗り越えたらいいの?
★復活ケイソンの正体は?
ケイソン『ケケケケケイソーン!』
晶華「ホッケーマスクを被って、ボディアーマーをまとったマッチョな怪人。片手に持った物騒な鉈(ナタ)。そして何よりも特徴的な鳴き声。これは、どう見てもケイソンさんで間違いない。すると、その中身はもしかして1983年、昭和時代から来た少年NOVAちゃんかしら? どう思う、リバTちゃん?」
リバT『のんびり、状況分析している場合じゃないと考えますが、ミストレス』
晶華「キャッ……っと可愛らしく悲鳴を上げて、でも花粉分解っと」
ケイソンの攻撃。
しかし、晶華は素早く身をかわした。
晶華「確かに、いきなりケイソンさんが出てきたときはビックリもしたけど、よく考えたら、私は前に勝っているのよね。あれから私も成長しているんだし、今さら負ける道理はないわ。ただ、中身が昔のNOVAちゃんだったら、攻撃していいのかどうか迷う。まずは説得するのが筋だと思うのよ」
リバT『説得と言っても、どのように?』
晶華「簡単よ。まず、接近して隣のマスに入る。すると、説得コマンドが出るから、それを選べば……って出ないじゃない、説得コマンド」
リバT『これはスパロボみたいなシミュレーションゲームではありませんから』
晶華「いいえ、もしかすると相手のHPを減らしてからじゃないと、説得コマンドが出ないのかもしれないわ。だから、慌てず騒がず、距離をとって、くらえ、花粉症バスター!」
ケイソン『ケケケケケイピーッ♪』
リバT『何だか通用しないどころか、むしろ喜んでいるようにも思えるのですが』
晶華「しかも、鳴き声が少し変わった? だったら、これならどう! 炎の精霊力を込めた花粉症バスター・烈火弾! 昔のケイソンさんだったら、これで燃えるはず!」
ケイソン『ケピピピンッ!』
リバT『こ、これは何ということでしょう! 殺人鬼のまとったボディアーマーが炎の力を吸収している?』
晶華「どうやら、昔のケイソンそのままじゃないみたいね。しかも、鳴き声から推察するに、もしかして、もしかすると……」
リバT『まさか、そのようなことが……』
晶華「確かめてみるわ。シーダーウィップ生成! これで鉈の届かない距離から攻撃すると……」
ケイソン『ニュルニュルニュルルン!』
リバT『鞭に対抗するかのように、ボディアーマーから触手が出て来ました!』
晶華「間違いないわ。花粉症バスターを餌として喜び、炎を吸収し、触手さえ生み出し、しかも特徴的な鳴き声。このケイソンさんの正体は、KPちゃんよ。しかも、アーマーの色が迷彩柄のグリーンってことは……」
リバT『サブロー兄さんでしょうか』
晶華「つまり、MK3ちゃんね。さあ、正体が分かったから、こういう悪ふざけはやめて、大人しくしなさい、KPちゃん」
ケイソン『ケピニュルン、ケピニュルン、ケピニュルン……』
晶華「ちょ、ちょっと~、こっちのいうことをちっとも聞かず、触手をうねらせて連続攻撃なんて、そんなの聞いてないわよ~。ここは良い子も見るかもしれない健全なブログなのに、触手で女の子を襲うなんて……ええい、花粉分解、花粉分解、花粉分解!」
リバT『さすがはミストレス。連続花粉分解で触手を次々とかわしてみせるなんて』
晶華「ハァハァ。だけど、この回避技も消耗が激しいみたい。少し休まないと」
ケイソン『ケピーンッ!』
晶華「しまった! 実体化した瞬間で、今は無防備。これじゃあ、かわせない!」
BASHIIING!
晶華「キャーーーーッ!」
リバT『大丈夫ですか、ミストレス!?』
晶華「触手ムチに弾き飛ばされて、大ダメージってところね(涙目)。リナ老師に受け身を習っていなければ、敢えなく意識を失ってバタンキュー状態だったけど……。こうなったら、こっちも本気で戦わないといけないみたいね。リバTちゃん、アーマーになって」
リバT『それはできません』
晶華「どうしてよ。リバTちゃんはKPちゃんの妹でしょ。だったら、ドゴランアーマーにもなれるはず」
リバT『理論上は可能です。しかし、私めの中にはバットクイーンが封印されているので、それを装着するということは、ミストレスが再びバットクイーンと融合してしまうことを意味します。せっかく分離して、闇から解放されたミストレスがもう一度、闇に堕ちることをグランドマスターNOVAは望みません。それは最後の手段であるべきです』
晶華「そんなことを言っている場合? 私が闇堕ちしたら……NOVAちゃんはむしろ喜ぶんじゃないかな? 闇を抱いて光となるサンダーブレスターさんが好きなんだし」
リバT『今、ミストレスが闇堕ちしたら、グランドマスターの妄魔時王フラグが立つわけで、それは本来、私めの望むところですが、決してグランドマスターは望まないでしょう。私めはグランドマスターの望まない道を選びたくはありません。ならば、今、私めにできることをするのみ』
晶華「何をするつもり?」
リバT『ミストレス、見て下さい。私めの……変身!』
普段のリバTは、手のひらサイズの自由の女神型カプセルである。
しかし、一度危機が訪れると、体内のドゴラン細胞が異常活性し、等身大のリバT・スタチューモードに拡大するのだ。では、そのプロセスを歌付きで見てみよう。
リバT『新たな~星の力で~憧れの~私描くよ~。チュインクル、チュインクル、リバT×3回。スターチューインクル、スターチューインクル、リバT、Ah~♪』
晶華「すごい。プリキュアの変身ソングに乗って、リバTちゃんが大きくなっていく。ここは動画が見られないので、変身プロセスが映像化できないのが残念だけど」
スタチュー・リバT『宇宙を解放する自由の閃き! スタチュー・リバT、いざ戦闘開始します!』
ケイソン『ケケケケケイソーン!』
S・リバT『サブローお兄さま。何の悪霊に取り憑かれたにせよ、主君たるミストレスに刃を向けるとは、我ら誇り高きケイP一族の名折れ。この触手に誓って、必ずや成敗してみせますわ』
(当記事 完。次話「テンタクル・ウォーズ」につづく)