@魔法話の続き
ダイアンナ「紅蓮火とジャンが帰って来ないんだが」
アスト「まあ、宇宙のどこかでテキトーに戦って、その後、拳で分かり合って、そのうちひょっこり帰ってくるんじゃないの? オレたちはオレたちのペースで行動しようぜ」
リバT『そうですね。では、ウルトラマンZとギャラクシーファイトの話を』
アスト「Zの話は、セレブロが無事に捕獲されたとか、ハルキと救出されたヨウコ先輩がウルトラタッチもどきのメダル授与で正体明かし変身したとか、みんなでご唱和したとか、ハルキがZと分離せずに宇宙に旅立ったとか、散ったと思われたベリアロクさんも無事だったとか、いろいろ語ることもあるだろうが、最終総集編とか見てから、まとめようぜ」
ダイアンナ「ギャラファイは?」
アスト「トレギアが、ベリアルみたいにアブタロスの勧誘を受けたって話だろう? 気になるのはその続きだ。2人の未来が変わるということは、ゼロさん以降のニュージェネレーションの歴史がいろいろ歪む。特に影響が大きそうなのは、ゼロさん、ジード、ルーブ、タイガ、そしてZかな。それと、ベリアルが帝国を築かなければ、ウルティメイト・フォース・ゼロだって結成されなくなるし、オーブもサンダーブレスターになれなくなるし、ベリアロクさんも生まれなくなるかもしれない。トレギアの影響力はまだまだ小さいが、ベリアルの影響力は実に大きなものがあるんだなあと実感するものの、それも次回の話を見ないと、何とも言えん」
リバT『いずれにせよ、改変された時間軸というのは、世界の外で改変前と改変後の両方を観察できる者でないと語れないということですね』
アスト「改変前の記憶が残っている特異点的なキャラを除けばな。さて、今回はウルトラ話でなくて、パグマイア&マウの魔法話の続きだ。これもさっさと片付けてしまわないと、次に進めないからな」
ダイアンナ「では、アーティザンとマンサーの1レベル呪文残り14個の話を始めるとしよう」
@まずは攻撃呪文
ダイアンナ「魔法使いと言えば、攻撃呪文と考える者も多いから、そこから始めるぞ。犬の1レベル呪文は2つ、マジックミサイルとサンダーウェイブだ」
アスト「マジックミサイルはお馴染みだな。パグマイアでは、3発の魔法の矢で固定だったと思うが」
リバT『D&Dではレベルによって矢の数が増えますが、パグマイアはそういう変動がありません。1発のダメージがD4+1なので、期待値3.5点。3本で約10点。最大ダメージは15点となります』
アスト「サンダーウェイブは雷鳴波か。クラシックD&Dにはないが、どんな呪文だ?」
リバT『今のD&Dにはありますが、自身を起点として15フィート周囲に2D8ダメージを与える範囲攻撃呪文です。周りに味方がいなくて、敵に囲まれた状態では有効かと』
アスト「ええと、魔法使いが単独で敵に囲まれている状態というのは、かなり詰んでいるのではないか?」
ダイアンナ「パーティーを組まず、単独行動派の魔法使いなら非常に重宝するんだろうなあ。敵が3体いれば、3体全てに期待値9点、最大16点のダメージというのは、マジックミサイルよりもかなり強力だ」
アスト「逆に言えば、普通にパーティー組んでいる魔法使いにとっては、結構使い勝手が悪い呪文ってことだな。この呪文を使いこなすために、前衛に特攻をかます魔法使いは個性的だが、そのために防御力をどう確保するかなど、考えることがいろいろありそうだ」
ダイアンナ「隠密行動が得意な魔法使いが、敵陣に密かに忍び込んで、奇襲攻撃で周囲のザコ一掃。その後、瞬間移動で悠々と脱出とか、イメージできなくもないが」
アスト「そんな戦術が使える魔法使いは、それなりにレベルが上がっているはずだよな。もっとクレバーなやり方があるはずだが」
リバT『敵の魔法使いが使う呪文と考えれば、脅威ですね。最後の1人、ラスボスだと思って、パーティーで囲んだら、サンダーウェイブで手痛い反撃を受けたとか』
アスト「ああ、敵の魔法使い用の呪文と考えれば、プレイヤーキャラとは違う戦術も考えられるのか。確かに、魔法使いが戦場で孤立するような局面は、プレイヤー側だとゲームに負けかけている状態で物語的には望ましくないが、DM側だとよくあるシチュエーション、敵なら『死なばもろとも、全員道連れにしてやるわ、ハハハ』と自暴自棄に高笑いしても許される、と」
ダイアンナ「次に猫の1レベル攻撃呪文だが、こちらも2つ。インフリクト・ウーンズと、アンナチュラル・リビュークだ」
アスト「ええと、前者は確か、僧侶系のキュア・ウーンズの逆呪文じゃなかったか?」
リバT『そうです。パグマイアの聖職者シェパードも同じ呪文が使えますね。接触した相手に2D10の[死霊]ダメージを与えます。ただ、日本語での訳語が異なっていて、シェパード版は「傷付与」、マウのマンサー版は「負傷加害」となっています』
アスト「ダメージ量は期待値11で、最大20点と強力だが、相手に接触しないといけないのがデメリットだな。これもプレイヤーキャラ向きじゃない、と。もう一つのアンナチュラルは聞き慣れない呪文名だが?」
リバT『「自然ならざる叱責」と訳しますね。現D&Dの基本ルールにもありませんでしたが、どこかのサプリメント出典かもしれません。一応、攻撃呪文というか反撃呪文という形ですね。敵が術者にダメージを与えた場合、即座にリアクションで使うタイプの呪文です』
ダイアンナ「ダメージを受けた瞬間、『この罰当たりめ。お前は天に唾した。報いを受けるがいい』と言い放って、相手に2D8の反撃[熱]ダメージを与える、と。一応、相手は【敏捷力】セーブでダメージを半減することもできるんだが」
アスト「そう聞くと、マンサーって魔法使いというよりも、ダークプリーストみたいなキャラに思えて来るな。少なくとも、呪文の傾向は完全に邪神の使徒って感じじゃないか」
ダイアンナ「ただ、マンサーの1レベル攻撃呪文は、積極的に自分で攻撃を仕掛けるタイプではなくて、敵に接近されたり、攻撃されたときの自己防衛手段として活用するタイプだな。ふだんは基礎呪文のエルドリッチ・ブラストを連発して、戦況が不利になった時の応戦手段として、インフリクトやリビュークで状況打開を図る形か」
@その他の戦闘用呪文
アスト「攻撃呪文以外に戦いに使える呪文はあるだろう?」
ダイアンナ「犬にはな」
アスト「猫にはないのか?」
ダイアンナ「少なくとも1レベルにはない」
アスト「意外と、マンサーって戦い向きではないんだな」
ダイアンナ「とりあえず、アーティザンの1レベルには防御用の呪文が2つある。マジックアーマーとシールドだ」
アスト「魔法の鎧と盾だな。どう違うんだ?」
ダイアンナ「マジックアーマーの方は8時間の間、ディフェンス・クラス(DC)が+2されて、軽装鎧しか着れないはずのアーティザンも中装鎧並みの防御力を持てるようになる」
アスト「布鎧から鎖帷子並みになるということだな」
ダイアンナ「シールドはリアクション専用だな。敵から攻撃された際、とっさにDCを+5できて、しかも1ラウンド有効なので、アーティザンが前衛に出て、サンダーウェイブを撃ちたくなった際に重宝しそうだ」
アスト「マジックアーマーと併用すれば、アーティザンの瞬間防御力は重装甲の戦士すら凌駕する感じだな。マンサーには防御魔法はないのか?」
ダイアンナ「2レベル魔法には、マジックアーマーがあるんだがな。少なくとも、1レベル時点では攻防共にアーティザンの方が優秀に思える」
アスト「だったら、マンサーの見せ場は戦闘以外ってことか?」
ダイアンナ「さあ、どうだろうか。先にアーティザンの方から確認してみようか」
@アーティザンの1レベル非戦闘呪文
ダイアンナ「アーティザンの1レベル呪文は、残り3つ。グリース、フォッグ・クラウド、フローティング・ディスクだ」
アスト「フローティング・ディスクは以前、クラシックD&Dの魔法話で解説したな」
ダイアンナ「もう半年以上も前の話か。何だか懐かしいぞ」
アスト「グリースと、フォッグ・クラウドはクラシックD&Dにはなかったので、解説を頼む」
ダイアンナ「うむ。グリースは『油脂』だな。10フィート四方の地面を滑りやすくして、相手を伏せ状態にさせる」
アスト「つまり、転倒させるってことだな。転倒した相手は攻撃が不利になって、相手からの近接攻撃が有利になる。これって、戦闘にも活用できるんじゃないか?」
リバT『ソード・ワールドにおけるスネアみたいなものですね。確かに、戦闘補助呪文と解釈することも可能。敵を転ばせて、味方でフルボッコにすることもできそうです。効果範囲が10フィート四方というのも美味しいですね。基本的に10フィートって戦闘マップの1マス分なので、味方を巻き込まずに敵だけ転ばせることが可能ですから。しかも、その敵の周囲を味方で囲んで動けなくしてやれば、敵は脂塗れの地面から離脱できず、何度も転倒する可能性が。そして、転んだ状態から起きようとするたびに機会攻撃を誘発するので、ボス敵の足元にグリースを仕掛けて、周囲を取り囲めば、相当に有利な状態で戦えます』(後日訂正:戦闘マップの1マス分は5フィート。つまり、10フィート四方は2×2の4マス分に相当し、その分、周囲を囲むことは困難になる。まあ、敵を壁際や部屋の角に追い詰めることで、似た状態を作ることは可能だけど)
アスト「マップとフィギュアを用いた戦闘だと、うまく活用すれば、ルールブックの記述以上の効果を発揮しそうだな」
ダイアンナ「狭い橋の上で、敵が渡って来ようとしている時に、グリースを仕掛けると面白いことになりそうだ」
アスト「工夫次第で遊び甲斐のある呪文ということだな。もう一つのフォッグ・クラウドは?」
ダイアンナ「『濃霧』だな。濃い霧を発生させて、視認性を極めて悪くする。半径20フィートの範囲では視界が働きにくくなるので、敵の弓兵を霧で包むことで、飛び道具攻撃を不利にしたりすることが可能」
アスト「パッと見、非戦闘呪文のように思えて、戦闘にも活用可能なのがアーティザンの1レベル呪文なんだな」
ダイアンナ「思ったよりも、トリッキーな使い方ができそうなので、研鑽していて良かったぞ」
@マンサーの1レベル非戦闘呪文
アスト「さあ。マンサーの呪文は、アーティザンみたいに有効活用できるんだろうか?」
ダイアンナ「残り5つもあるからな。ええと、イリュージョナル・スクリプト、サイレント・イメージ、ダークネス、ディテクト・マジック、フォールス・ライフの5種類だが」
アスト「オレのクラシックD&D知識では、ダークネスとディテクト・マジックの2つだけが分かる。確か、ダークネス(暗闇)はライト(光)の逆呪文なんだが、マンサーはライトの呪文は使えないのか?」
リバT『ライトは、僧侶系のシェパード用呪文ですね。アーティザンもマンサーも使えません』
アスト「明かりの呪文も使えないとは、どっちも意外と不便なんだな」
ダイアンナ「アーティザンも、ダークネスが2レベル呪文で使えるんだけど、闇が使えるのに光が使えないのは、理不尽なものを感じる」
リバT『光の魔法は、パグマイアの世界では僧侶系の特権みたいですね。さすが、ヒトの神は偉大です』
アスト「とにかく、ダークネスはフォッグ・クラウド以上に、相手の視界を確実に封じるわけで、だけど共に視覚を使った判定を不利にするだけ。違いはどこにあるんだろう?」
リバT『霧は屋外で使った場合、強い風に吹き流される可能性がありますね。さらに霧は場所に掛けるので移動不能ですが、暗闇はアイテムに掛けて持ち運びすることも可能』
ダイアンナ「とは言え、明かりを持ち運ぶのは便利だけど、暗闇を持ち歩いても活用しにくいと思うんだけどな」
アスト「自分が視覚に頼らない感知手段を持っているなら、自分だけ相手を察知できて、相手には自分が視認できない状態を作ることで有利に立ち回れるわけだ。ともあれ、ディテクト・マジックは、犬の基礎呪文スメル・マジックとの違いを以前に語ったので、もういいだろう」
ダイアンナ「だったら、残り3つだな。まず、イリュージョナル・スクリプト、『幻影の文字』だ。特定人物にだけ読めるメッセージを10日間だけ残すことができる」
アスト「NPCにメッセージを送ったり、NPCからメッセージを受け取ったりする局面なら、使えそうな呪文だけど、問題はシナリオ中にそういう局面が発生するかどうかだな。プレイヤーよりも、DMの方が扱うのに向いた呪文かもしれん」
リバT『あるいは、特定の誰かだけに分かる悪口というのもありかもしれません。他の人には「礼儀正しい文面の手紙」のように見えて、その特定個人に対してだけは「痛烈な悪口」で激怒させるという。だけど、周りの人物は彼がどうして怒っているのか理解できず、単に怒りっぽい人物に誤解させるような陰謀劇とか』
アスト「それって、もの凄く回りくどくない?」
リバT『猫らしい陰謀シナリオに活用できそうですね』
アスト「そんな面倒くさいシナリオ、やりたくねえ」
ダイアンナ「次のサイレント・イメージは『音なき幻像』。要するに、視覚のみに影響する幻影呪文だな」
アスト「マンサーは、死霊系の呪文と幻影系の呪文が得意らしい。一応、『灯りの幻』を映し出すことで、擬似的なライトの呪文になったりしないかな?」
リバT『シェパード呪文のライトは持続時間が1時間ですが、サイレント・イメージは持続時間が10分しかないので、完全に代用することは難しいですね』
アスト「とにかく、幻術系の呪文は、プレイヤーの発想力で使い勝手が変わるからな。アーティザンよりもマンサーの方がプレイ難易度が高いことは納得できた」
ダイアンナ「最後のフォールス・ライフ、『偽りの生命』は扱いやすそうだぞ。自分のスタミナ(HP)が1時間の間、D4+4点加算される。つまり死ににくくなる」
アスト「HPを補強できるのは、打たれ弱い魔法使いキャラにとっては、ありがたいが、基本的にマンサーの呪文って、直接攻撃よりも搦め手で攻めるトリッキーな物が多いなあ。世界観もそうだけど、初心者向きのパグマイアに比べて、猫のマンサーは素人が扱いやすい職業とはとても言えない」
ダイアンナ「だけど、戦闘は基本的にエルドリッチ・ブラストを連発していれば良くて、1レベル呪文の方はディテクト・マジックとサイレント・イメージだけを活用して、調査と幻術で遊ぶといいんじゃないかな。それから、アンナチュラル・リビュークの『やられたらやり返す』戦法も楽しそうだ。単純なキャラじゃない分、奥の深さを味わえるキャラのような気がする」
アスト「ともあれ、今年の魔法の研鑽はこれで終わりだな。宿題が片付いたみたいで、気分はハッピーだぜ。メリー・クリスマス♪ と言って、今回の記事はここまでだ」
(当記事 完)