ウルトロピカルな⭐️GT(ゲーム&トレジャー)島宇宙

南の島と上空の宇宙宮殿を舞台にTRPGや特撮ヒーローなどのおしゃべりブログ。今はFFゲームブックの攻略や懐古および新作情報や私的研鑽メイン。思い出したようにD&Dに触れたりも。

ネコの武闘家の話

@モンクと忍者の関係性

 

 

アスト「さて、久々のTRPG研鑽記事だ。今年はネコ科年なので、昨年からのモンク話と、マウ連合君主国のネコを組み合わせた天命、ワンダラー(求道者)について、話をしよう」

 

ダイアンナ「ネコ忍者の話になるのか?」

 

アスト「TRPGにおける忍者って、どういう立ち位置か作品によって異なるんだよな。盗賊の上級職というのが一般的だと思うが、体術を駆使した武闘家の一種と見なすことも可能だし、これに陰陽道的な忍術を組み合わせる魔法職の要素も加わる。例えば、D&Dでも3版では盗賊のヴァリエーション、4版以降では武道の流派の一種として扱われているわけで、昔は忍者といえば暗殺者、今は東洋の神秘的な道の探求者としてイメージ付けが為されている感じだ」

 

リバT『80年代は、忍者という職業の技術的な側面、理解しがたい者への恐ろしさが強調され、90年代に入って東洋文化への内面的な理解、精神論が深く掘り下げられるようになったようですね』

 

アスト「アメコミなんかに根差すアメリカのフィクションでは、忍者ってキャラは悪の組織の下請けとして暗躍する戦闘員集団なんだな。そこから正義のヒーローとして忍者を捉え直した作品が『ティーンエイジ・ミュータント・ニンジャ・タートルズ』だと考えられる。特殊薬品の作用で人型ミュータントに変身した4匹の亀が、人間の忍者ハマト・ヨシの飼いネズミがミュータント化した師匠スプリンター(あるいはハマト・ヨシ自身がネズミ人間に変身したという異解釈設定もある)の下で修行して、悪の組織フット団と戦うのが大筋だ」

 

ダイアンナ「亀の忍者かあ。鈍重な亀のイメージと、忍者ってミスマッチじゃないかい?」

 

アスト「忍者ってイメージが暗いだろう? でも、亀の忍者って設定にすると、コミカルな感じが生まれて、それまでの忍者イメージを払拭したエポックメイキングな作品に化けたんだな。84年にコミックが連載開始されて、亀忍者のネーミングは陽気なイタリア人風味にキャラ付けされて、87年のアニメ版では青のバンダナのレオナルド、赤のラファエロ、橙のミケランジェロ、紫のドナテロと戦隊風味のカラーリング分けがされた。それにヒロイン役の人間女性エイプリル・オニールと、ボーイフレンドの忍者見習い的なサポート役ケイシー・ジョーンズが加わる集団アクション活劇となる。90年からは実写映画3部作も作られ、日本で本格的に知られるようになるのは、その辺りからだな」

 

ダイアンナ「なるほど。人間のままだったら暗さが付きまとう忍者設定を亀のミュータントが派手に戦う形で昇華して、アメリカ風味の明るい忍者にブラッシュアップしたわけだ」

 

アスト「その後、90年代に入ってパワーレンジャーのブームが起こり、そこでも宇宙忍者のエイリアンレンジャーが登場して、パワーレンジャーもニンジェッティの能力を会得した。その後、亀ニンジャのタートルズパワーレンジャーが共演したりするエピソードもあって、忍者ヒーローというのがアメリカでもメジャー化する流れが定着した。黒ずくめの忍者装束も、作品によってはカラフルにアレンジされたりな」

 

リバT『忍者の本来持つ厳格なシリアスさを師匠キャラに持たせ、主人公の若者は明るく軽く忍者修行を行うポップな忍者ということですね』

 

アスト「そして、アメリカンスタイルのポップな忍者の流行を、同時並行的に吸収して相互影響を与え合ったのが日本の戦隊のカクレンジャーハリケンジャーニンニンジャーの流れだな」

 

リバT『カクレンジャーは1994年、ハリケンジャーは2002年、そしてニンニンジャーは2015年。およそ10年ごとに忍者モチーフ戦隊は作られています』

 

アスト「そして、忍者モチーフは、元祖の恐竜モチーフと並んで、パワーレンジャーでも人気シリーズとして力を入れて扱われているわけだ。敵戦闘員として扱われた忍者が、ヒーローとして扱われていく流れがTRPGにも影響しているんじゃないかなあ」

 

@拳法ものの系譜


アスト「日本だと、中国拳法と忍者は別ジャンルだが、アメリカでは同じ東洋ゆかりの武術ということで混同されて扱われることも多い。戦隊絡みだと、1993年のダイレンジャーと2007年のゲキレンジャーが中国拳法モチーフ戦隊だ」

ダイアンナ「2010年代にはなかったのか?」

アスト「なかったんだな。まあ、モチーフとしては、道場があって、師匠がいて、対立流派があって、修行があるという意味で、忍者ものと拳法ものは題材が被るということかもしれん。すると、忍者の方がモチーフとしてヴァリエーション展開しやすいと思われる。拳法ものは70年代から80年代にブームを巻き起こしたが、ドラゴンボール以降、時代のエポックメイキングを生み出すことはできなかったと見られる」

ダイアンナ「どうしてだ?」

アスト「そんなのオレが知るか! と言いたいが、NOVAが一つ仮説を用意している。要は、バトル物の比重が、自分で体を鍛えて自らの拳で悪を討つ作品から、ポケモンみたいな従者を召喚して、育成したモンスターで敵を倒す作品に切り替わった流れが90年代からあって、忍者ものはその召喚バトルに対応できるのに対し、拳法ものは対応できないから、という考え方だな」

リバT『それには異論があります。拳法もののエポックメイキングは、90年代の対戦格闘ゲームに移ったのでは? そこからストリートファイター2や、Gガンダムなんかが当時のエポックメイキング作品と考えることもできますが』

アスト「なるほど。確かに、それらは重要な作品だな。しかし、Gガンダムは、ガンダムを召喚するという意味で、ポケモンに通じる要素を先立って投入しているし、スト2のような対戦格闘ゲームは、その後、革新的な後継作品を現代につないでいるだろうか?」

ダイアンナ「忍者は諜報活動などでサイバー時代にも対応できそうだが、拳法はオンラインの時代に何をもってアイデンティティーを保つか苦労しそうでもある」

アスト「ドラマジャンルでなく、アクションのフレーバーとしては中国拳法も素材として使いようがあるけど、忍者ほどの対応力は持たないと思われる。いや、別に忍者VS中国拳法という話を狙っているわけではないんだが」

リバT『そう言えば、今年は80年代の傑作コミック・アニメ「うる星やつら」のリメイクが話題に上がっていますね。同じ作者の「らんま1/2」は中国拳法を題材にしているのでは?』

アスト「らんまかあ。言われてみれば確かに。TVアニメは89年から92年で、原作マンガが96年まで続いたのに比べて、意外と短かったんだなあ、と思いきや、93年から96年まではOVAで展開していたのかあ。全然知らなかったや。らんまと言えば、メインヒロインのあかねよりもシャンプーの方がオレの好みだったなあ。あかねとシャンプーがカップリングすると、スーパーイナズマキックを放てる声優つながりだが、そんなことはどうでもいい。大事なのは、シャンプーがネコに変身する武闘家少女という点。らんまのメインヒロインは、女らんまかシャンプーとオレは考える。変身能力を持たない日常娘は、『刺身のつま』みたいな物だとNOVAは言っていたんだが、どういう意味か分かるか?」

リバT『メインを引き立てる介添役という意味にも、端役とも受け取られますね。褒めてるのか、貶してるのかも定かではありませんが』

アスト「うる星で言うところの、メインヒロイン・ラムに対するしのぶ枠だな、あかねは。あと、こういうラブコメは、三角関係や四角関係が発生して、互いの好きの想いがこじれてややこしくなるのが定番中の定番と言えるのに、ラブコメを好きと言っている人間が三角関係を構想できずに、キャラの引き出しが極めて少ないのは、致命的な資質のなさと考えるが、当の作者が女の子と1対1の恋愛にのみ執着していて、それが満たされないから男で代替行為にしようとかトチ狂ったらしい、とNOVAが言っていた」

ダイアンナ「誰の話をしているのかは知らんが、アストはあたしが男だったから、イヤだと言うのか?」

アスト「まさか。『お前はオレの翔花ちゃんだ』って言ったろう? それに、オレのために男を捨てて、女になったお前を、そこまで惚れ込まれたんじゃあ、オレだって覚悟を決めるしかないじゃないか」

ダイアンナ「アスト……」

アスト「アニー……」

ダイアンナ&アスト『ふたりは……さくら色』


リバT『……って、いきなり何を口走っているんですか? 読者さんが呆れていますよ』

アスト「だって、仕方ないじゃないか。言葉が勝手に動いたんだからよ。大体、スパロボ30サクラ大戦合体攻撃ネタの3つのうち、2つをやっていて、残り1つをやらないんじゃあ、遠からず読者さんのお叱りを受けると思ってな」

ダイアンナ「そんな酔狂な読者がいるのか怪しいものだが、とにかく、このネタはこれで終わりだ。恥ずかしい。そんなことよりも、早く本題に入れ。今回はネコの武闘家の話じゃなかったのか?」

アスト「おっと、シャンプーちゃんの名前を出して、ネコの武闘家につながるな、と狙っていたら、勢い余って大暴投って奴だ。これもスパロボ脳なNOVAが悪い」

ダイアンナ「ダディーのせいにしているなッ!」


@そして求道者


アスト「ずいぶんと回り道をした気分だが、ネコD&DマウのワンダラーはD&D5版のモンクに基づく職業。しかし、そこに忍者要素はほぼない」

ダイアンナ「だったら、ここまで忍者云々の話をしていたのは何だったんだ?」

アスト「いや、オレもネコの忍者の話をしたくてたまらなかったんだが、これはずばり忍者じゃーという職業がマウにはないんだ。例えば、盗賊職のフットパッド(快盗)とワンダラーを組み合わせたら、何となく忍者っぽくなるかなあ、と思ったりもしたが、無理やり感が強い。とにかく、マウのワンダラーを忍者と見なすには無理がある、という結論だ。こいつはただの武闘家であって、忍者ではない、と。困ったことに」

ダイアンナ「だったら、武闘家でいいじゃないか。忍者から切り離して考えろよ」

アスト「だったら、この記事を読めば、ほぼ話が終わってしまうんだよ」

https://white.ap.teacup.com/wngjob/259.html


アスト「マウのワンダラーは、HPがD8で決まり、《武道》の秘奥で素手戦闘の能力を高め、《護身術》の秘奥で鎧なしでの防御力(DC)を高めることができ、《内なる獣》の秘奥でD&Dモンクの『気』みたいな技が使え、《明鏡止水》の秘奥で冷静沈着さを保って敵から操られたりしない。はい、説明終了。D&Dモンクに比べると、育成ヴァリエーションが少なくて、意外とつまらないなあ、と感じた次第」

ダイアンナ「ここまで話して結論がそれかよ? もっとフォローとか何かないのか? 新年早々、満を持して、つまらないという結論の話をして、お前は満足なのか? ネコRPGに申し訳ないと思わないのか?」

アスト「これがD&Dモンクだと、面白いヴァリエーション展開ができるんだよ。3レベルになったモンクは、3つの門派から1つの道を選ぶことになる。武術の道に専念する『開手門』、忍びの道に専念する『暗影門』、元素魔術の技を会得する『四大門』と道が分かれて、それぞれの能力を解説するだけで充実した研鑽になるんだが、マウのワンダラーにはそこまでの広がりはない」

ダイアンナ「ワンダラーは、開手門に相当するのかな?」

アスト「いや、開手門だって派手な技を習得するんだよ。相手をパンチ1発で15フィート(5メートルほど)吹き飛ばしたり、気合いで自分のHPを回復したり、究極の技として相手のHPを瞬時にゼロにする激震掌を放ったりするのがD&Dモンクの開手門なんだが、ネコの武闘家はそこまで派手な成長はできないんだ」

ダイアンナ「それはつまり、ネコの武闘家は、D&Dモンクの劣化コピーということにならないか?」

アスト「そうなるな。一応、武闘家にとって憧れの境地とも言うべき『明鏡止水』は、開手門にもワンダラーにもあるんだが、同名の技でも効果に差がある。ワンダラー版の明鏡止水は精神耐性を高めて、恐怖や誘惑にさらされないというもので受動的。一方、開手門の明鏡止水は防護呪文サンクチュアリ(聖域)を発動させる」

ダイアンナ「どんな効果の呪文なんだ?」

アスト「対呪文セーブに成功しない限り、相手は術者を直接狙って攻撃できない。術者側から攻撃したり、呪文を掛けたりすると解除されるが、サンクチュアリが持続している間は、敵の攻撃にさらされることはないんだ(ファイヤーボールのような範囲呪文に巻き込まれる可能性はある)」

ダイアンナ「つまり、D&D版の明鏡止水は、敵の直接攻撃を防ぐ不可侵のオーラということか」

アスト「だから明鏡止水を発動させて、敵の軍勢の真っ只中に飛び込み、群がる敵の間を気の力で高めた移動速度で駆け抜け、本陣のボスのところに斬り込むようなアクションも可能なんだ」

ダイアンナ「そういう単騎特攻は自殺行為じゃないか」

アスト「当然、ボスはモンクの高い攻撃力で瞬殺して、大将首を取った宣言してから、あとは悠々と離脱する策を考えればいい。要はD&Dのモンクの方が、ネコのワンダラーよりもよほど派手なアクションができるよってことなんだ」

リバT『その能力はレベル11になって身につくものですね。一方、パグマイアやマウはレベル10までが推奨レベル。駆け出し冒険者から神話伝承の英雄までをプレイ可能なD&Dに比べると、パグマウは地に足ついた冒険を扱うルールで、それこそ多元宇宙まで冒険できる可能性のあるD&Dと、最近ようやく海洋冒険のルールが加わったパグマウを同列に論じるのはいかがかと?』

ダイアンナ「パグマウも展開が続けば、そういう神話レベルの英雄プレイが楽しめる拡張ルールが出るのか、そういうのはD&Dに任せて、あくまでCD&Dにおけるエキスパートレベル(成長して城持ち領主レベルになったら引退して、新たな冒険者に道を譲るプレイスタイル)で手頃な冒険に重心を置き続けるのか、どっちになるんだろうねえ」

(当記事 完)