ウルトロピカルな⭐️GT(ゲーム&トレジャー)島宇宙

南の島と上空の宇宙宮殿を舞台にTRPGや特撮ヒーローなどのおしゃべりブログ。今はFFゲームブックの攻略や懐古および新作情報や私的研鑽メイン。思い出したようにD&Dに触れたりも。

パグマイアの海賊の話

★海賊サプリ購入

 

 

リバT『グランドマスターNOVAから、このデータが送られて参りました』

 

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アスト「ほう。それが噂の海賊サプリか」

 

ダイアンナ「それさえあれば、あたしたちも新たな時空海賊船を手に入れて、宇宙の海を駆け巡ることができるんだね」

 

リバT『いえ。時空の海も、宇宙の海も無理です。このサプリで航海できるのは、パグマイア王国とマウ連合君主国の南に広がる〈酸の海〉です。さすがにD&Dと違って、パグマウの世界には多元宇宙や時空を越えた冒険ガイドはまだ用意されておりませんので、クラシックD&Dで言えば、ようやく青箱エキスパートレベルの頃合いでしょうか。要するに、こういうシナリオならOKかも、という段階ですね』

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アスト「なるほど、青箱か。多元宇宙の冒険は、緑箱コンパニオンルールで初めて登場するものな」

 

リバT『ええ。エキスパートレベルで頑張って冒険を続けた結果、領地を獲得して、城を建て、コンパニオンレベルに達すると君主として領地経営に勤しむ。そしてマスターレベルになるにつれて、イモータルへの道が見えてくる。これがクラシックD&Dの壮大なキャンペーン世界観です。ただし、パグマウの世界では君主になる道は開かれておりませんし、その辺のレベルになると冒険活動を引退することが推奨されておりますが』

 

ダイアンナ「あたしたちは、アステロイド宮殿の女王と王だから、コンパニオンレベルと言ってもいいのだろうな」

 

リバT『形式的にはそうですね。だけど、国民はいないので税収はなく、領地経営の仕事もしておらず、せいぜい魔法使いの研究の手伝いと称した談話をしている程度。時代劇の侍で言うところの「部屋住み」という名の居候に相当する立場かと』

 

アスト「居候だと? 人聞きが悪いな。食客と呼んで欲しいものだぜ」

 

ダイアンナ「部屋住み? 居候? 食客? 言葉の意味がよく分からないな」

 

リバT『家族や親族でもないのに、他人の家で食事や生活の面倒を無償で見てもらっている立場の者を総じて居候と言いますね。ドラえもんオバQなどの非日常な存在も、たびたび居候とされていますが、人格を持たない獣の場合はペットと称されることも』

 

アスト「つまり、ケイP一族だな」

 

リバT『いいえ。ケイP一族は当初こそ、花粉症ガールに拾われたドゴラ幼生体としてペット扱いでしたが、グランドマスターNOVAと契約を交わしてアシスタントモンスターという役職を得て、立派に働いております。言わば、雇われ奉公人の立場ですね。奉公人を居候とは呼びません』

 

ダイアンナ「食客は?」

 

リバT『居候の中でも、主人に忠義を尽くし、自身の持つ特殊な技術や才能を提供することで、居場所を獲得し得た者のことを指す場合が多いようですね』

 

アスト「奉公人とは違うのか?」

 

リバT『奉公人は正式な契約を結んで、恒常的な雇用関係にありますが、食客は不安定な雇用になりがちですね。一宿一飯の恩義という言葉もありますが、ヤクザ者や一介の旅人が地元の有力者の庇護に預かり、仁義に基づいて住まわせてもらっている身。主人は親切心で面倒を見ることもありますが、向上心に溢れた若者を世話することで地元の名士として尊敬されるという名誉欲を満たすこともできれば、労働力の助けにもなりますし、世話した若者が出世することで将来のコネにもつながる。顔の広い有力者なら食客の才能を活かす術や知恵を持ち合わせて有効利用できるかもしれない』

 

アスト「もしくは便利に使い捨て可能な駒扱いか」

 

リバT『まあ、どのような主人に当たるか次第ですね。それに有能な食客を使い捨てる者はまずいません。無能だから、せめて主人のためにこれぐらいの犠牲を払って忠義を示せ、とか、働かざる者、食うべからず、という世界です』

 

ダイアンナ「力や心意気ある者なら、逆に外道な主人を見限るケースもありそうだね」

 

アスト「その辺が武侠・任侠ドラマの人間関係をあれこれ想像するにも役立ちそうだな」

 

★アストの立ち位置


リバT『最後に部屋住みとは、旗本の次男坊、三男坊なんかに見られがちですね。家督は長男が基本的に相続しますが、長男が事故や病気で亡くなった場合に、予備として弟たちに権限が回ってくることもあります。あるいは、どこぞの名家の跡取り娘(男児がいない)の入り婿になって縁戚関係をつなげるケースもありますが。アストさんのように」

アスト「へっ? オレが?」

リバT『お忘れですか? うちのクイーンは、諸事情を経てグランドマスターNOVAの娘の分身の花粉症ガール4号として認められるに至っております。言わば、義理の養女扱いの親族であって、居候の定義とも少し異なります。まあ、現代社会では、親の脛かじりの働かないニートをもパラサイトとか居候と称するケースもありますが、そう呼ばれたくなければ、寄生ではなく、共生関係、WinWinになるべく努力と誠意は示さないと』

アスト「ニート扱いされるのは不服だが、今の理屈だと、魔法使いの訳あり隠し娘の夫になるのかな、オレは」

リバT『そういう縁ですから、悪縁として切り捨てられないよう、精進を期待します』

アスト「有能さを示せばいいってことだろう? 魔法使いの研究活動、TRPGに関するお宝話の整理で役立つことを証明してやるさ」

リバT『はい。では、海賊サプリをしっかりチェックして下さいませ』

アスト「……今から150ページ越えのルールを読み込めってか」

リバT『後ろ3分の1は、海洋冒険のシナリオ3部作ですから、今回は読まなくてもいいですよ。テーマは「お上の命で海賊だ!」とのことですが』

アスト「お上の命って何だよ? 海賊ってもっと自由な連中じゃないのかよ!?」

リバT『海に出たら自由ですが、そのためには〈酸の海〉を渡れるよう防腐処置を施した特別なプラスチック製の船が必要なのです。それを作る技術は、パグマイア王国のウォータードッグ港か、マウ連合のレックス君主国にしか現状ございません。プレイヤーキャラは基本的に、その犬猫どちらかの海洋都市の有力者に雇われて、船を預けられて南の海洋探検、そしてお宝探しに励んで、未知の海の開拓競争で国の威信を高める仕事が推奨されています』

ダイアンナ「海賊と言っても、完全な無法者ってわけじゃないんだね」

リバT『自由といっても、後ろ盾となるパトロンは必要ですからね。自由気ままが望みなら、完全に自立・独立した海賊企業を立ち上げるしかないのでしょうが、自立・独立と言っても、営業努力は自分でしないとなりません。無法者にも無法者のシノギが必要です。まあ、欲しいものは奪いとるという生き方をするにしても、世界の全てを敵に回すわけにはいきませんからね。自由に生きるにせよ、それを維持するサポーター、世話役の利益や快を提供できてこそ、自由を認めてもらえるわけで、誰の助けにもならないヤクザな生き方が通用する世界はどこにもありません』

アスト「文字どおりのヤクザも、親分子分の関係性で成り立っているからな。個人間の仁義や、親分のためなら命も投げ出す覚悟とか、渡世の義理とか、公的なお上の庇護とは別のしがらみがついて回る世界だ」

リバT『もっとも、海の上では自分たちの船が中心の小世界ですから。今回の海賊サプリの掲げるテーマは「自ら選びとった家族という仲間(選択の仲間)」「危険な航海に挑む冒険心」「その報酬となるお宝への憧れ」です』

ダイアンナ「仲間のために、危険をものともせず、お宝へのロマンを求めて広い海原を愛船に乗って駆け巡るってことかい」

リバT『そう。自分のためではなく、自分の家族ともいうべき仲間のためです。ですから、海賊にとって何よりも罪なのは裏切りなのです。仲間を信頼できなければ、同じ船に乗って危険を乗り越えることはできませんからね。信頼関係の構築に必要なことって何でしょう?』

アスト「そりゃあ、約束事をきちんと守る。己の分や節度をしっかり弁える。相手の大切なものを踏みにじらないなどかね」

リバT『人としての基本ですね。約束を守らない無責任さ、分や節度を弁えないワガママさ、人の大切なものを平気で傷つける攻撃性あるいは悪意なき鈍感さは、容易く人間関係を破壊します』

アスト「確かに、自分の大切なものを傷つけそうな奴には、近くにいて欲しくないもんな。約束に無頓着とか、やけに馴れ馴れしいとか、距離感がおかしいとか他の欠点は玉に瑕って言えることもあるが(他に長所や魅力があるなら)、やはり人の大切なものを傷つけがちな相手は、仲間というよりも敵にしか見えない」

リバT『なお、愛に飢えている人間は、誰かの大切なものを傷つけることで、自らの欲求不満を解消したり、その相手の関心を自らに引き寄せようとしたりするケースもあるそうですね』

アスト「愛ゆえに、他人を傷つけるって、ひねくれた考え方だな」

ダイアンナ「愛は強烈な感情だからね。相思相愛ならいいが、考えがズレているのに気づかないまま独り善がりに走ると、過剰な愛は闇堕ちの元になる」

アスト「その点、オレたちの愛は健全って奴だな」

ダイアンナ「アスト……」

アスト「アニー……」

ダイアンナ&アスト『ふたりは……プリキュア


リバT『そんなわけないでしょう!? 歴代プリキュアに、キュアダイヤモンドとキュアアースはいても、おふたりがプリキュアになった事実は当ブログではございません。そんな愛情合体攻撃の天丼よりも、海賊サプリの話に戻しますよ』


★新たな職業


リバT『今回のサプリは、クルセイダー、ガンドッグ、トーピード、ミスティック、アルカリスト、ライマーと6つの新たな天命(職業)が用意されていて、それに応じた天命特技もさぞかしいっぱい用意されているんだろうなあ、ワクワクとグランドマスターNOVAは購入前に考えておりました』

アスト「過去形かよ」

リバT『ええ。その期待は脆くも崩れ去りました。天命特技はおおよそ基本ルールの物を使用して、データ面では大して増えておらず、ルールを流し見したときはガッカリだったそうです』

ダイアンナ「期待が大きすぎたんだね」

リバT『ええ。例えば、イヌの聖戦士であるクルセイダーは、イヌの戦士ガーディアンかイヌの聖職者シェパードの天命特技のどちらか1つを選んで習得します。クルセイダーならではの新たな特技は用意されていないのです』

アスト「どちらか片方だけか。両方から選べると、美味しいんだけどな」

リバT『戦士と僧侶の力を合わせ持つのなら、良いのですけどね。実際には戦士方面に特化したクルセイダーと、僧侶方面に特化したクルセイダーの二択です』

アスト「だったら、ただの戦士や僧侶と何も変わらない気がするな」

リバT『戦士型クルセイダーは、ほぼ戦士ですね。大きな違いは、イヌの戦士ガーディアンが筋力重視なのに対し、クルセイダーは耐久力重視という点ぐらいでしょうか。一応、初期習得技能が僧侶寄りな面がある(〈宗教知識〉とか〈治療〉とか)という違いもあるのですけどね』

アスト「それでも、概ねは同じだと」

リバT『一方で、僧侶型クルセイダーは、従来のD&Dのクレリックに近いですね。イヌの僧侶シェパードは軍用武器や重装鎧が装備できず、そこそこ前衛もこなせるクレリックと違って、後衛職って感じですが、クルセイダーは戦神のプリーストって感じで、武器をバリバリ使いこなすタイプ。結論、戦士型クルセイダーはただの戦士と大差ないけど、僧侶型クルセイダーはパグマイアのシェパードと異なる重武装前衛型の回復役として機能する。僧侶型の方が、違いが出ていい、とのこと』


アスト「ガンドッグは?」

リバT『天命特技はハンター(犬のレンジャー)かラッター(犬の盗賊)のどちらかですが、こちらは新たな特技《銃使い》を習得していますので変化が感じられますね』

ダイアンナ「銃って強いのかい?」

リバT『射出武器のダメージはスリングD4、ショートボウD6、ロングボウD8、クロスボウD10となっています。それに対して、銃はホイールロックD8、フリントロックD10、ブランダーバスD12でして、総じて銃の方がダメージが大きいようですね。あと、銃のメリットは弓が両手武器なのに対し、片手用武器である点。一方、射程距離は弓の方が上です』

ダイアンナ「銃の方が射程は短い、と?」

リバT『長射程のライフル型はデータがありませんので。データ化されているハンドガンタイプは最大射程が100フィートほど。一方、弓は最大射程が300から600フィートとなっており、遠隔狙撃は弓兵の十八番ということですね。あと、銃は発射音が大きいので、こっそり撃つことは不可能です』

アスト「消音装置は付いていないんだな。音を消す魔法でもかけない限りは」

リバT『それに、銃の所持はパグマウの世界では犯罪です。剣や弓を持ち歩いていても、この世界では普通ですが、火薬は一般に普及していませんので、街中で銃器を見せびらかすと官憲を敵に回すことになります』

ダイアンナ「つまり、銃をちらつかせるだけで、アウトローっぽいってことだね」

リバT『さらに銃の火薬音が鳴り響くと、魅力のセービングスローに成功しない限り、聴覚消失および恐怖状態に陥ります。銃使いを除いて、敵も味方も知的生物は全て』

ダイアンナ「つまり、恐怖をもたらす魔法の効果があるわけだな。銃の発射音は」

アスト「ちょっと待てよ。味方も巻き込むのか!?」

リバT『ええ。味方も銃声には本能的にビビります。もっとも、銃使いの仲間は慣れているので、判定に有利が得られますが。判定難易度は魅力で15以上。ボーナスがなければ成功率3割ですね』

アスト「有利なら、2回振って大きい出目をとるから成功率5割にはできるが、味方も巻き込む恐怖効果かあ。銃って、恐ろしいんだなあ」

ダイアンナ「まさに派手に行くぜ、だね。野郎ども、ビビってんじゃねえぞってか」


リバT『トーピードはネコの銃使いですね。こちらはチャンピオンもしくはフットパッドの特技を選びます』

アスト「戦士か、盗賊だったな」

リバT『さらに暗殺者っぽい資質を持っていて《武道》も選べますね。同じ銃使いのガンドッグが派手に行くなら、トーピードは静かに仕事するのがポリシーで、銃にこだわりを持っているわけでもありません』

ダイアンナ「あくまで便利な仕事道具の一つってことか」

リバT『素手で戦って、武闘家か? と思っていたら、不意に銃を取り出してズドンと撃つとかですね』

アスト「そいつは卑怯っぽいな。好きなノリだぜ」


リバT『ミスティックはネコの魔法キャラで、海魔道士と呼ばれていますが、別に海魔法という呪文体系が用意されているわけではありません』

ダイアンナ「だったら、どんな魔法を使うんだい?」

リバT『ネコの僧侶系ミニスターの術ですね。ミニスターは自然に働きかけるドルイド的な術を使いますが、他に音を駆使して感情に働きかける呪文が特徴です』

アスト「だったら、ミニスターとは何が違うんだ?」

リバT『ミスティックが習得する特技は、トラッカーもしくはワンダラーなんです』

アスト「トラッカーは邪霊狩りのレンジャーで、ワンダラーは武闘家か。つまり、ミスティックは前衛もできる?」

リバT『その通り。つまり、精霊魔法の使える武闘家だったり、野外の隠密能力を持った術師だったりするんですね』

アスト「それこそ忍術の使える忍者っぽいキャラができるじゃないか」

リバT『海賊忍者を名乗ることもできそうですね』

ダイアンナ「まさか、公式に海賊忍者が出てくるとはね🏴‍☠️🥷」

リバT『いえ、別に公式ではないのですが。それでも、ネコと海賊と忍者は、ハロウィンでの定番コスプレの一種かも』



アスト「とにかく、残りはアルカリストとライマーだな」

リバT『いえ。それは今回は割愛します。その2職は犬猫じゃなくて、それぞれがトカゲ専用、鳥専用なので、そちらの異種族の解説と合わせた方がいいかと考えますので』

アスト「そうか。じゃあ、海賊の解説はリバTの仕事だな」

リバT『え? アストさんに後を任せるつもりでしたのに……』

アスト「オレは、モンクの流派研究に専念したいんだ。ラブコ武流の発展のためにもな」

リバT『その流派、まだ続いていたのですか』

アスト「当然だ。2022年、令和4年は後世の歴史家が『ラブコ武流の創設年』として、語り伝えることであろう。今から100年前の1922年が、原作マンガ版サザエさんの誕生年だと知られているようにな」

リバT『いえ、その事実は初めて知りましたが。サザエさんが今年で100歳ですと?』

アスト「原作スタートが1946年で、その時点で23歳から24歳になる設定だからな。永遠の24歳と言えば、サザエさんのことだ」

ダイアンナ「本当は100歳なのに、24歳で時間を止めているとは、そのサザエとやら、なかなか凄い魔女と見た」

リバT『しかし、どうして、この話の流れで唐突にサザエさんの名前が出て来るのですか!?』

アスト「そりゃあ、海賊と言えば、海。海の一家といえば、サザエさんだろう。すなわち、サザエさん一家は海賊だったのよ。ちょうど、ネコのタマもいるしな」

リバT『強引すぎて、オチが上手く付けられそうにないので、今回はこれにて終了にいたします』

アスト「海賊しようと街まで出かけたサザエさんの歌を考えたが、これもオチが付けられそうにないな」

(当記事 完)