ウルトロピカルな⭐️GT(ゲーム&トレジャー)島宇宙

南の島と上空の宇宙宮殿を舞台にTRPGや特撮ヒーローなどのおしゃべりブログ。今はFFゲームブックの攻略や懐古および新作情報や私的研鑽メイン。思い出したようにD&Dに触れたりも。

「盗賊都市」攻略感想(1)

FF5冊めの都市冒険

 

アスト「とりあえず、『盗賊都市』をクリアして、ザンバー・ボーンを倒したぞ」

 

ダイアンナ「ザンバー・ボーンってどんな奴だ?」

 

アスト「こんな奴だ」

 

ダイアンナ「ドクロ頭の死神っぽい奴だな。この邪悪な敵に支配された盗賊都市を解放する話か?」

 

アスト「いや違う。盗賊都市の支配者はアズール卿で、ザンバー・ボーンは人里離れた塔に棲むアンデッド。盗賊都市ポート・ブラックサンドには、ザンバー・ボーンを倒すための協力を善の魔術師ニカデマスさんに要請するために向かうんだが、冒険の中心は盗賊都市の探索で、ザンバー・ボーン退治は話のきっかけと終盤のおまけみたいなものだな」

 

リバT『ポート・ブラックサンドはFFシリーズで最も有名な都市で、都市ガイドのサプリメントも発売されています』

アスト「『あの悪名高いポート・ブラックサンドのような』という表現が、オールドTRPGファンの間では定型句になっているとも聞く。ソーサリー・シリーズの『城砦都市カーレ』に匹敵するタイタン世界の代表的都市だな」

リバT『カーレについては、こちらも参照できますね』

アスト「ソーサリーもそのうち復刻することを期待するが、スティーブ・ジャクソンの期待の新作は予想されていたソーサリーの続編ではなさそうだな」

 

リバT『タイトルが「サラモニスの秘密」ですからね。どちらかと言えば、舞台的に「バルサスの要塞」の続編的なニュアンスかも』

 

アスト「サラモニスは、バルサス所縁の街だからな。ソーサリーの舞台とは、大陸からして違う」

 

ダイアンナ「別作品の話もいいが、『盗賊都市』の話に戻してくれないか? あたしはFF素人なんだから、一気に話を広げられても付いて行けん」

 

アスト「おお、悪かったな」

 

ダイアンナ「それで『盗賊都市』をクリアするのに、何回死んだ?」

 

アスト「いやいや、昔クリアしたことのあるゲームなのに、そうそう何度も死ぬかよ。一発でクリアしたぜ。まあ、多少のチート技は使わせてもらったがな」

 

ダイアンナ「チート技だと?」

 

アスト「初期の能力がこうなんだよ」

 

技術点9、体力点21、運点12

 

アスト「技術点が少し低かったが、まあ、それなりに楽しくプレイできたんだよ。だけど、後半が厳しかったので、金貨20枚で鎖帷子を購入したんだな。それで『技術点+2』になったんだが、FFシリーズでは原技術点が滅多に上昇しない仕様なんだな。だから、厳密にルールを運用すると、現技術点9を+2の11にはできないと解釈すべきなんだが、高い金を払って購入した鎖帷子なので『戦闘時だけ技術点を11にできる』と独自解釈した。これで終盤の技術点11のムーン・ドッグに打ち勝つことができた。こうしないと、技術点9での攻略は難しいからな。だったら最初から技術点は11か12にしてプレイを始めた方がマシだ」

 

リバT『技術点が原点以上に増やせないルールは、冒険中に手に入れた武器での強化に制限が加わりますからね。「原技術点を増やせる」か「攻撃時のサイコロに+修正を加える」という記述があれば、悩むことはないのですが』

 

アスト「とりあえず、鎖帷子の+2ボーナスを個人的に採用して、後は終盤の即死罠をチート回避(見なかったことにする)で免れて、一発クリアだ。何にせよ、本作はアイテム集めが重要なものの、間違ったルートでアイテムが手に入らないという仕掛けは少ないので、探索をわざとスルーしない限りはアイテム獲得ルートはほぼ一本道でクリアしやすい仕様だ。ただし、『お金を出して購入するアイテムなのに金が十分貯まっていなくて買えなかった』ということはあり得るな。都市冒険なので、所持金が結構重要になる冒険と言える」

 

リバT『ダンジョン内で買い物する機会よりも、都市で買い物する機会の方が圧倒的に多いですからね』

 

アスト「火吹山やバルサスでは、ギャンブルする機会があっても、そもそも所持金を増やしても仕方ない感じだが、今作ではギャンブルで金を増やす必然性というものが明確にあるわけで、お金の価値というものを堪能できる舞台だ」

 

恒例の死亡ORバッドエンドイベント

 

アスト「では、クリア後の楽しみの一つとして、死亡イベントのチェックをしていくか」

 

ダイアンナ「いきなり、それかよ」

 

アスト「メメント・モリ(死を忘れるな)って奴だな。どうも訃報続きの世相で強く生きるためにも、ゲームブックの命の重さ軽さを確認する儀式と思えばいい。本作のバッドエンド・パラグラフはこんな感じだ」

 

・9:ザンバー・ボーンの弱点を間違えて使用。命を吸い取られて下僕アンデッド化。

・56:多勢の衛兵に捕まり、都市の地下牢に投獄されて任務失敗。

・59:老魔女の術で無力化されて殺害。シチューの材料にされる。

・70:ザンバー・ボーンの幻術を見抜けずに奇襲される。命を吸い取られて下僕アンデッド化。

・129:ザンバー・ボーンの弱点を間違えて使用。命を吸い取られて下僕アンデッド化。

・142:石弓の毒矢に刺さって死亡。

・203:ザンバー・ボーンに銀の矢を放つ。運だめしに失敗すれば命を吸い取られて(以下同文)

・210:女吸血鬼に魅了されて血を吸われる。生前の記憶を失い、ヴァンパイアとして目覚める。

・223:ギャンブルで6分の1の確率で毒を飲んで死亡。

・288:ザンバー・ボーンの塔で寝入ったために、ベッドに仕込まれた毒で死亡。下僕アンデッド化。

・299:街で必要なアイテムを集められず、任務失敗。

・346:高所から地面に落下して、首の骨を折って死亡。

 

アスト「バッドエンドの数は12個で、3%ぐらいだから少なめかと思う。そのうちの半分は、ザンバー・ボーンの塔内に集中していて、アンデッド化エンドだらけだな」

 

ダイアンナ「ザンバー・ボーンは強敵なのか?」

 

アスト「いや、パラグラフ選択さえ間違えなければ、運だめし一発で倒せてしまうガッカリラスボスの一種だな。ザゴールやバルサスと違って、ガチ対決用の能力値が設定されていないので、きちんと戦ったら意外と強かったって確認する機会がない。弱点を正しく突いて倒すか、さもなければ奇襲攻撃を喰らったり、運だめしに失敗したり、弱点のアイテム選択を間違えたりして瞬時に殺されてしまうから、まともに戦えない。本来は『弱点を知らなければ決して倒せない不死の強敵』のはずなのに、剣を交えて相手の力量を確かめられないという理由で強さが感じられないわけだな」

 

リバT『手下のムーンドッグの技術点が11ですから、それより高い技術点であろうことは察せられますが、数字で表現できる強さが分からない以上、結局はゲーム攻略の難易度で強さの印象が測られます。そして、「盗賊都市の支配者であるアズール卿」の方が「小さな塔の主人でしかないザンバー・ボーン」よりも悪名や影響力が大きいために、ザンバー・ボーンは小物であるという風評が定着することに』

 

アスト「ワールドガイドに記載されていないという点もマイナス要因だな。アンデッドの世界では大物とか、実はかつて高名なネクロマンサーだったのが死の神の加護でリッチと化した、とか背景が付与されたなら、火吹山のザゴールのように評価が持ち上がる可能性もあるのに」

 

リバT『ザンバー・ボーン率いる不死の軍団とか、ザンバー・ボーンの娘とか設定して、シナリオ化するってのもありですね』

 

ダイアンナ「どうして、そこまでザンバー・ボーンにこだわるんだよ?」

 

アスト「まあ、公式が過小評価している存在に光を当てることが、マニアックなファンの嗜みだろう?」

 

ダイアンナ「アンデッドに光を当てるのはどうなんだ?」

 

アスト「実のところ、ザンバー・ボーンは昼の間は死の世界にいるので、夜しか実体化できないって設定があるんだな。すなわち、夜の間しか倒すこともできないわけで、もしかすると『ザンバー・ボーンが昼の間も実体化できるようにするために、シルバートン市長の娘の中に秘められた魔力を狙っている』とか設定を付与すれば、少しは格が上がるのかな、と思いついた」

 

竜殺しの英雄と、シルバートンの街

 

アスト「さて、毎回、設定が細かく変わるFFシリーズ主人公だが、今回は『経験豊かな熟練の剣士にして、有名な英雄、竜殺しの傭兵』などと箔のついたキャラ設定だ」

 

ダイアンナ「それでも、技術点9しかないんだな」

 

アスト「ここは1〜2で10、3〜4で11、5〜6で12というハウスルールでキャラ作りすべきだったかな。まあ、弱いキャラだから途中で死ぬかと思ったら、意外と終盤まで行き着いてしまったからな。きっと技術点9でも、これまで機転と運で勝ち抜いたんだろう」

 

リバT『で、そんな勇者さまが交易都市シルバートンに到着して、異変に気付くわけですね』

 

アスト「本来なら賑やかな街が、〈夜の王〉ザンバー・ボーンの手の者の毎夜の襲来に怯えているんだな。ザンバー・ボーンの目的は、市長オウエン・カラリフの娘ミレルを差し出せ、と。市長が断ったら、夜な夜なムーンドッグが襲撃してきて、一夜で23人もの市民を虐殺して回ったらしい。これで人々は恐れをなして、夜は家に引きこもるようになり、しまいには市長に『娘を差し出してやれ』と要求する始末」

 

ダイアンナ「ザンバー・ボーンはどうして娘を要求するんだ?」

 

アスト「さあな。そこが分からないから、威厳ある不死の王がただのエロ骸骨にしか見えないわけで、そのミレルという名の娘に何かの秘密があるとオリジナルで考えたくなる余地がある」

 

ダイアンナ「吸血鬼のオマージュだったら、娘に惚れ込んでのダークなラブロマンスの可能性もあるがな。ミレルさんは可愛いのか?」

 

アスト「名前しか登場しないから、詳細不明だ。とにかく、市長のオウエンさんは主人公の名声を見込んで依頼するわけだ。『川下の盗賊都市に住む旧友の魔術師ニカデマスなら、きっとザンバー・ボーンを倒してくれるはず。ただし、盗賊都市ポート・ブラックサンドは名前のとおり危険な場所なので、ニカデマスさんを探してザンバー・ボーン退治を依頼する任務をお願いしたい』と」

 

ダイアンナ「直接、ザンバー・ボーンを倒してほしいって依頼じゃないんだな」

 

アスト「ザンバー・ボーンの殺し方を知っているのは、ニカデマスを置いて他にないってことらしい。事実、剣では倒せない不死者だからな。最終的には主人公が倒すにしても、のこのこザンバー・ボーンの塔に乗り込んだら何もできずに死ぬだけって話だ」

 

リバT『主人公はただの剣士であって、アンデッド退治の専門家ではありませんからね。剣の力で倒せない相手なら、高名な魔法使いにお願いするしかないのでしょう』

 

アスト「なお、仕事の報酬は『見事な作りの広刃の剣』だが、ゲーム的には何の特殊能力もない。文章描写だと、原技術点+1ぐらいの性能でも良さそうなのにな」

 

ダイアンナ「そう思うなら、勝手に技術点を10にしても良かったんじゃないか?」

 

アスト「それこそチートだろう。まあ、元の能力が弱いキャラのための救済処置として、ハウスルールにしても良かったのかもしれんが。とにかく、それと金貨30枚をもらって旅の資金に役立てろ、と。そして、いつものように体力回復用の食料10食と、ポーション1本(おすすめは幸運かな)を持って、いよいよ翌朝明けて、ポート・ブラックサンドに旅立つことになる」

 

潜入、盗賊都市

 

アスト「シルバートンからポート・ブラックサンドへは、西に80キロほどらしい。1時間で5キロと計算すると16時間だから、2日から遅くても3日あれば行き着けるかな。ナマズ川の河口、海に面した地点に悪名高い盗賊都市がある。本作では掘り下げられないが、古代都市カーセポリスの跡地に建てられた由緒正しい街で、現在は海賊やならず者の集まる悪徳都市。こういう民度の低い場所に秩序をもたらすには強権をもって為す必要があって、力と恐怖を通じた支配を及ぼしているのがアズール卿だ」

 

リバT『アズール卿は、火吹山の魔法使いザゴール並みに後からどんどん設定が付与されたFF有名キャラの一人で、元々は別大陸クールのアリオン市出身の海賊、嵐の神ククラックの信者で、30年以上もの間ブラックサンドに君臨し続けているそうです。彼に逆らう者は見せしめに処刑され、その頭蓋骨が街の門前の木杭にさらされ、外観を恐ろしく装っていますね』

 

ダイアンナ「そんな街に好き好んで行く奴の気が知れんな」

 

アスト「地下に古代都市カーセポリスの遺跡が埋まっているんだ。だから一攫千金の冒険ができるのと、アズール卿の法に従う限りは、自由に過ごすことができる。そしてブラックサンドは何よりもアランシア大陸最大の交易都市として、別大陸の旧世界やクールとも接点があって、異国の風変わりな品々が持ち込まれたりもする。流動的に金が動き、非合法な側面も持ちながら、一定の秩序は圧制的な権力で保障されていて、仮にアズール卿の統治が崩れた時の方が無法地帯と権力闘争で商売の契機さえ消滅してしまうということで、アズール卿の統治を支持する海賊や悪党も多いって話だ」

 

ダイアンナ「善人が住むには厳しい環境だが、悪徳の流儀を知る者には居心地がいいってことか」

 

アスト「そんなブラックサンドに入るには、門番をしている衛兵を何とかしないといけない」

 

ダイアンナ「犬猿と猿犬か?」

 

アスト「それはバルサスだ。ブラックサンドに、そんな妖怪はいねえ!」

 

リバT『いや、ゲームブックに登場しないだけで、どこかにいるかもしれませんよ。円盤人とか、カラコルムなどもいるかも』

 

アスト「そいつらはジャクソン製のモンスターで、盗賊都市はリビングストン作だからな。トロールの衛兵はいても、基本は人型種族が中心だ。せいぜい砂漠から来たヘビ女とか、トカゲ人ぐらいだろう」

 

ダイアンナ「では、衛兵をいきなり攻撃するわけだな」

 

アスト「そんな選択肢もあるが、案外それが手っ取り早いのかもしれんが(相手の技術点は8だし、それほど強くない)、まずは話をしろよ。ここは正直に『ニカデマスを探しに来たので案内して欲しい』と言うぞ」

 

リバT『ブラックサンドで正直に振る舞うなんて愚かですね。ここは悪党らしく「盗品を売りに来た」と嘘をついて、姑息な嘘と金貨3枚の袖の下で労せず街に入れるのですよ』

 

アスト「そうなんだよな。ニカデマスの名を出したら、いきなり牢獄に連行されてしまったんだ」

 

ダイアンナ「抵抗しろよ」

 

アスト「まあ、そうしてもいいが、そのまま地下牢に囚われつつも、仮病を装って疫病がどうこう言ってると、労せず脱出できて、しかも金貨2枚と通行証が手に入る。得る物の多さでは、これがベストな選択肢ということになるな」

 

リバT『無難に会話で言いくるめてもいいし、強引に力で突破してもいいし、わざと捕まって牢からの脱出で実利を手に入れてもいいってことですね』

 

アスト「そして、どんな選択で街に入っても、パラグラフ74番に到達して、3つの選択肢が与えられる。西の〈カギ通り〉か、北の〈市場通り〉か、東の〈時計通り〉かだ。この三択はどれを選んでも問題なく、攻略を進めることができる。選択を間違えたから攻略不能になったという意味での外れルートはないので、好きに選べばいい」

 

ダイアンナ「アストは何を選んだんだ?」

 

アスト「まっすぐ北の〈市場通り〉だな」

 

市場通りのイベント

 

アスト「〈市場通り〉を進むと、最初に人オークのハーブ店がある。店主にニカデマスのことを尋ねると、『金貨1枚で知っていることを教える』と応じられたので金貨1枚を払ったんだ。すると『知っていることは何もない』と答えやがった。ムカついたので剣を抜くと、相手も腰に下げた手斧をつかんでバトルになった(技術点8)。勝ったら、店の売り物のハーブで傷を癒やし、ついでに金貨11枚をゲットしてブラックサンドは恐ろしい場所だなあ、と呟いた次第」

 

ダイアンナ「いやいや、お前のやってることの方が恐ろしい。ただの押し込み強盗じゃないか」

 

アスト「郷に入らば郷に従え。私の好きな言葉です」

 

ダイアンナ「この悪質冒険者め」

 

アスト「次に〈ぶち犬〉亭という酒場にやって来た。情報収集にちょうどいいと考えたオレは、酒場に入る。そこにはギャンブルしているドワーフ3人組と、言い争いをしているゴブリン2人と、ナイフゲームをしている男たち3人の多彩な客人がいて、ミニゲームやバトルを楽しめるんだが、オレの目的はニカデマスさんだ。だから店主に話しかけて、さわやかな笑顔で酒を注文したんだ。すると、『よそ者に飲ませる酒はねえ』と抜かしやがる。またもやムカついたので剣を抜くと、用心棒のトロール(技術点8)とバトルになった。倒すと、店主が謝罪して酒を1杯おごってくれて、ニカデマスの居所を教えてくれたんだな。やはり、この街は良い場所だと思いつつ」

 

ダイアンナ「何てケンカっ早いプレイなんだ」

 

アスト「『ケンカを売るなら、相手を見てすることだ。わざわざブラックサンドに来るよそ者だから、腕っぷしが強い連中も多いだろう。あまり無礼を働くと命取りになるぞ』と説教して、情報ゲットしたわけだな。『ニカデマスは〈市場通り〉を抜けた先の〈ナマズ川〉にかかる〈歌う橋〉の下にある小屋で隠遁生活を送っている』そうだ」

 

ダイアンナ「情報ゲットはいいが、やっていることがあまりに危険人物なので、衛兵が地下牢に投獄したのも当然の気がする」

 

アスト「まあ、こちらは脱獄囚ってことになるのかな。押し込み強盗と、酒場の用心棒殺害と、数々の罪を数えつつ、次は2人組の追いはぎに遭遇したから返り討ちにしてやって、金貨16枚をせしめてやった。ただし、こいつらの持ってる飲み薬は、運点を3減らす不運のポーションなので飲まない方が吉だ。まあ、飲んでしまって不幸になったわけだが」

 

ダイアンナ「運点12が9になったわけか」

 

アスト「やり直しプレイなら避けるところだが、致命的な罠を除けば、こういう失敗は甘んじて受けるのがフェアプレイってものだろう。イヤな結果は全てなかったことにするのでは良いゲーマーとは言えない。即死系、あるいは回復困難な技術点の減少を除けば、いろいろ試して一喜一憂するのがオレのプレイスタイルだ」

 

ダイアンナ「悪徳プレイはしても、ゲーマーとしてはフェアに進めるって精神か」

 

アスト「チートは必要最低限に留めるってことだ。次に犬小屋のある家があって、覗いてみようとしたら、犬小屋の中から狼が出てきて、運だめしに失敗して、不幸にも噛みつかれてしまった(1点ダメージ)。しかし、これは不幸中の幸いで、狼とバトル(技術点5)になって倒すと『鉄の鍵』がゲットできて、それを使って家に侵入することができる。もしも運が良ければ、狼との戦いにならずに『鉄の鍵』が入手できないから、力ずくで扉を叩き壊す必要が出てくる(技術点チェック)。FFでは運だめしに失敗することで、かえってラッキーな結果になることがたまにあるので、それを楽しむのもありだ」

 

ダイアンナ「と言うか、わざわざ番犬ならぬ番狼を飼ってる家に侵入する必要があるのか?」

 

アスト「必要はないが、好奇心はある。なお、最初の部屋の中には3つのゴブレットが置かれているが、ゴブレットBだけが当たりで金貨12枚が手に入る。ゴブレットAには毒サソリが潜んでいて、ゴブレットCは突然、燃え上がって、どちらも技術点を失うことになる。まあ、技術点の減少はオレルールで『なかったことにする』わけだが」

 

ダイアンナ「中途半端なフェアプレイぶりだな」

 

アスト「その後、アーチ状の入り口を抜けると、鍵のついた宝があるので鍵開けに挑戦すると、運だめし2回が必要になる。鍵開けの前に罠外しをしていなかった迂闊さゆえなんだが、2回とも失敗すると、2本の毒矢が刺さって、体力点4点と技術点1点を失う。1回だけ失敗なら、体力点2点だけの被害で済む。そして箱の中には金貨25枚と攻撃力+1の盾が手に入るんだが、残念ながらオレはこのアイテムをゲットできなかった」

 

ダイアンナ「どうしてだ?」

 

アスト「鍵開けの際に運だめし2回が必要だと知って、妙に怖気付いてしまったんだな。だから先に階段を登る選択肢を選んだんだ。すると、家の主人が帰って来たので、こいつはやばいと思って慌ててずらかったんだな。大体、オレは空き巣狙いをするためにブラックサンドに来たわけじゃねえ、と不意に自分の使命を思い出したんだ。とにかく、オレは金貨12枚だけをゲットして、十分満足して外に出た。しかし、今にしてみると、『金貨25枚と攻撃力+1の盾』も欲しかったな、と悔やまれるぜ」

 

ダイアンナ「まあ、クリアしたんだからいいじゃないか」

 

アスト「ところで、もしも家の主人から逃げなかったら、どうなっていたんだろう、と今さらながら気になってチェックする。すると、主人がペットのファイア・インプを召喚するのか。こいつは技術点9のそこそこ強敵(自分と対等)だが体力4なので、攻撃を2回当てれば倒せる。しかし、主人は魔法使いらしくて稲妻の魔法でどんどん攻撃して来て、最大で体力点8を削ってくるのか。厄介な相手だ。稲妻は〈象牙の首飾り〉で防げるらしいが、そんな物、どこで手に入るんだ?」

 

リバT『酒場のゴブリンを倒すと、金貨9枚といっしょにゲットできるみたいですね』

 

アスト「なるほどな。しかし、家の主人の魔法使いを倒しても別に何かを得られるわけじゃないみたいだから、下手に戦わずにさっさとズラかって正解だったみたいだ。さすがに魔法使いの家を空き巣狙いしたのは向こう見ずだったと思うぜ」

 

マーケット広場を抜けて

 

アスト「〈市場通り〉はパラグラフ304番で〈カギ通り〉〈時計通り〉と合流する。別ルートのイベントは次回の記事に回すとして、今回は先の〈マーケット広場〉に進める。これを抜けると、いよいよニカデマスさんとの対面だからな。そこまで進めて、『当記事 完』にするとキリが良い」

 

ダイアンナ「〈マーケット広場〉は〈市場通り〉と何が違うんだ?」

 

アスト「〈市場通り〉は固定された住宅が並んでいるが、〈マーケット広場〉は屋台とか大道芸人とかで賑わった場所だ。しかし、この広場に入った途端、老婆のスリにアイテム1個と金貨1枚を判定なしにスリ盗られてしまう。さて、ここで一つ困った。ここまでの流れで、お金はいっぱい稼いだ(所持金71G)んだが、アイテムは『通行証』しか入手していないんだな。使用済みの『鉄の鍵』とか『食料1食』でもいいのかな、と思ったものの、ここはフェアに『通行証』を奪われたことにした。これからはアイテムを手に入れるチャンスを大事にしようと思いながら、せっかくなので買い物を楽しもうって気になる」

 

ダイアンナ「確かに金ならいっぱいあるもんな。押し込み強盗や、追いはぎから巻き上げたり、空き巣狙いをしたりして稼いだものが」

 

アスト「金は天下の回り物だからな。稼いだ分はしっかり使って、社会に還元してやるぜ。買い食いして体力点2点を回復したり、竪琴弾きに幸運の歌を奏でてもらって運点2点を回復したり、ちょっとしたギャンブルを楽しんだりしながら、アイテム売ってる店に遭遇。〈投げナイフ〉〈登攀用ロープ〉〈肉屋の鉤〉〈鉄の楔〉〈ランタン〉を金貨12枚で購入して、どんどん北に進むと、占い師マダム・スターのテントを発見する。ニカデマスさんの居場所をまだ知らなければ、彼女の占いに頼ってもいいが、すでに情報ゲット済みだからなあ」

 

ダイアンナ「複数ルートで、ニカデマスさんの情報は手に入るようになっているんだな」

 

アスト「都市冒険だと、情報の入手先が複数用意されていると、プレイヤーの自由度が高くて面白くなるな。さて、〈マーケット広場〉から〈橋通り〉に入るんだが、ここで急ににわか雨に見舞われるんだな。雨宿りのために適当な空き家に入ると、毒ヘビとのバトルになって得るものはないので、さっさと北の橋に向かうといい」

 

ダイアンナ「橋の下に行くと、ニカデマスさんの小屋がある、と」

 

アスト「その情報がここまで手に入らなくても、橋の上を杖をつきながら歩いている片足の男に話しかけると、金貨2枚で橋の下の小屋のことを教えてくれる。こうして、盗賊都市に来た目的が達成できたわけだ。パラグラフ329番に到達して、続きは次回だな」

(当記事 完)