ウルトロピカルな⭐️GT(ゲーム&トレジャー)島宇宙

南の島と上空の宇宙宮殿を舞台にTRPGや特撮ヒーローなどのおしゃべりブログ。今はFFゲームブックの攻略や懐古および新作情報や私的研鑽メイン。思い出したようにD&Dに触れたりも。

「盗賊都市」攻略感想(3)

アズール卿馬車との遭遇後の海賊イベント

 

アスト「新たに邦訳出版された『危難の港』で、アズール卿がザンバー・ボーンの手下だったという衝撃的な事実を知らされたわけだが、今は『盗賊都市』の話に専念するぜ」

 

ダイアンナ「アズール卿の馬車と遭遇した後、波止場で海賊船に乗り込むんだったな」

 

アスト「ああ。海賊船の中には、ザンバー・ボーン退治に必要なアイテム(結果的にはなくても良かったんだが)の〈黒真珠〉があって、ここをスルーするとクリアできなくなるんだ」

 

ダイアンナ「で、海賊船にはどうやって乗り込むんだ?」

 

アスト「堂々と正面から渡し板を使うと、技術点7の海賊とバトルになり、倒した後で下甲板の船室に侵入する。こっそり縄ハシゴを使うと、バトルをスルーできるな。船室では左右2つの扉があって、左だと眠っている海賊から運だめし成功で〈黒真珠〉の入った革袋をゲットできる。失敗すると海賊3人とバトルになるが、技術点は最大でも7なので普通に勝てるだろう。右の扉だと、風呂に入っている無防備な海賊船長を脅して『木靴通りの銀細工師ベン・ボリマン』の情報を聞くことができる。それで海賊船イベントは終了だ」

 

ダイアンナ「意外と大したことはないんだな」

 

アスト「海賊と言っても、その実力はピンキリなんだろうさ。さて、海賊船イベントの後は、〈港通り〉を進み続けるか、脇の〈木靴通り〉に折れるかの2択だが……」

 

ダイアンナ「船長から情報を聞けば〈木靴通り〉だろう」

 

アスト「だろうな。だから、先にオレが選ばなかった〈港通り〉を確認しておこう」

 

港通りから木靴通りへ

 

アスト「〈港通り〉を先に進むと、漁師の奥さん連中がお喋りしている。彼女たちから情報を聞くと、『老魔女が下水に降りて行った』という噂を聞くことができる。そして、すぐに〈港通り〉は行き止まりになるので、折り返して〈木靴通り〉に向かうことになるわけだ」

 

ダイアンナ「結局、〈木靴通り〉を進むことになる、と」

 

アスト「〈木靴通り〉に入ると、倒れている子どもがわめいているので、親切心で助け起こしてやるとゴブリンの罠だった。技術点5点なので、さくっと倒すと金貨5枚と、ニンニク、指関節の骨が手に入る」

 

ダイアンナ「ニンニクは、吸血鬼対策になりそうだな」

 

アスト「まあな。持って行くと大抵は役に立つ。ニンニクを持っていたから死ぬような罠は、よほどの稀なケースだろうな。次のイベントはエルフの蝋燭屋だが、幻惑されて盗みにあうのでスルーするのが正解だ。さらに進むと、ベン・ボリマンの銀細工店があるので、ここで金貨10枚を払って〈銀の矢〉を買うのが攻略必須のイベントになる」

 

ダイアンナ「金がなかったら、どうするんだ?」

 

アスト「アイテム2つか、残った保存食全てと引き換えだな。オレは金を十分稼いでいたから問題なかったが、もしも最初に〈時計通り〉を通って、運が悪くて所持金全てを奪われていたら厳しかったろうな。まあ、金貨20枚もらえるギャンブルなんかもあったから、初期の不運な失敗はパラグラフ選択でリカバリーできるようにはなっている。攻略難易度的には親切な作品だと思うぜ。後のリビングストンのバッドエンド地獄に比べればな」

 

ダイアンナ「ダディーは『危難の港』で何回死ぬか、心配だな」

 

アスト「3回ぐらいは死んで、アンデッドになって喜んで報告しに来るんじゃないか? オレはあいつが酷い目に遭って、心が折れたって報告するのを楽しみにしてるぜ」

 

リバT『グランドマスターNOVAの心が折れたら、アストさんに攻略してもらうことになりそうですね』

 

アスト「イヤだ。オレは残飯漁りなんてしたくねえ」

 

リバT『残飯漁りと、ザンバー・ボーンって何だか語呂が似ていませんか?』

 

ダイアンナ「残飯漁りネタは後に回して、今は『盗賊都市』に専念してくれ」

 

アスト「考えてみれば、こっちも下水探索なんてしないといけないんだよな。ともかく、ベン・ボリマンから〈銀の矢〉を入手することができるんだが、トチ狂って剣で攻撃することもできるんだな」

 

ダイアンナ「正に盗賊都市だな」

 

アスト「ボリマンは毒ガス入りの卵とかを使いながら奮戦するんだが、上手く倒して、〈合い鍵〉を持っていれば、銀細工がいろいろゲットできる。しかし、その中に〈銀の矢〉は入っていないので、結局、攻略必須アイテムが手に入らずにゲームオーバー確定だ」

 

ダイアンナ「いかにも愚かしい選択だな」

 

アスト「賢明なオレは、ベン・ボリマンから普通に〈銀の矢〉を購入して、無難に先に進む選択をしたぜ。なお、ベン・ボリマンと戦う選択をした場合、彼の技術点は4だ。この街の中でも一番、弱いキャラじゃないかなあ」

 

ダイアンナ「技術点4ってことは、普通の野犬並みってことか」

 

アスト「タイタン世界の一般市民が大体それぐらいじゃないかな。ちょっとばかり腕っぷしの強いごろつきレベルで技術点6とか。だから、街の衛兵が技術点7とかでも普通に治安を守れるのだろうし、主人公は技術点7〜12だから、最低で街の衛兵レベルで、最強で多くのラスボスと剣で普通に渡り合えるレベル。平均で9か10なら、熟練の冒険者を名乗って恥じないレベルだと考える」

 

ダイアンナ「技術点11とか12だと、世界有数の勇者レベルなんだろうな」

 

アスト「FFゲームブックの主人公だと、技術点10あれば一人前といった感じに思える。11とか12だと大抵は無双できるが、少々力押しになり過ぎて、攻略が雑になる感じだな。それはともかく、銀細工店を過ぎると、次は北の〈塔通り〉か東の〈厩舎通り〉に分かれるが、オレは〈厩舎通り〉に向かった」

 

ダイアンナ「だったら、先に〈塔通り〉を確認だな」

 

塔通りのイベント

 

アスト「〈塔通り〉を歩くと、老人が若い男2人に鉄の棒で襲われている現場に出くわすな」

 

ダイアンナ「そこでスルーするなら義賊の名が廃るな」

 

アスト「いや、オレのキャラは義賊じゃないんだが」

 

ダイアンナ「あたしたちは義賊のマーキュリー・バットだったろうが。とにかく、あたしがその場にいたら助けに入るぞ」

 

アスト「だったら技術点7〜8の強盗と戦うことになるな」

 

ダイアンナ「こっちの技術点は確か9だったから、勝った……でいいな」

 

アスト「少しばかり傷つくかもしれないけど、まあ勝てるな。そうすると老人は助けてくれたお礼に酒を一杯おごってくれて、『自分は薬剤師なんだ』と打ち明けて、薬を塗ってくれる。体力点5点回復してイベント終了だ。いい気分になって、次のイベントは覆面の連中がこそこそ橋を渡っている現場に遭遇する。声をかけるか、スルーするか?」

 

ダイアンナ「いかにも怪しいから、声をかけると?」

 

アスト「衛兵と誤解されて、石弓の矢で撃たれる。運だめしに成功すれば、矢は当たらないが、失敗すると矢が命中して3点ダメージ。いずれにせよ、相手は逃げて捕まらないので、声をかけると損をするイベントだな。そして、〈厩舎通り〉に合流するわけだ」

 

ダイアンナ「こちらを通る意味はあまりなさそうだな。アイテムが手に入るわけでもないし」

 

厩舎通りのイベント

 

アスト「〈厩舎通り〉に入ると、癒しのポーションを金貨3枚で売ってくれる男と出会う。体力点3点と運点1点が欲しければ買ってもいいだろうな。金なら余裕があるし。問題は次だ。マンホールの蓋があって、下水に入ることができる」

 

ダイアンナ「こっちを通らないと、ダメなんじゃないか」

 

アスト「うむ。オレの選んだルートは運よく正解だったようだ。とにかく、オレは必須アイテムを求めて下水に入った。下水は道が南北に分かれて、オレは先に北に向かった。すると技術点4〜5の大ネズミ3体に襲われて、鬱陶しいと思いながらも蹴散らして、さらに先に進んだ。すると、老魔女が出現して何かの術を仕掛けてきた。ベイズボールの戦利品の〈精神操作の薬〉をゲットしていれば、危険はなかったんだが、ベイズボールで運悪く負けていたオレは魔女の術にまんまとはまってしまい、あわや意識を失って魔女のシチューにされそうになった」

 

ダイアンナ「おお、アスト。こんなところで死んでしまうとは情けない」

 

アスト「死んでねえよ。今度はラッキーだったオレは、運だめしに成功して、やみくもに振り回した剣がたまたま偶然、相手を切り裂いて、悪夢の幻影を追い払うことができたんだ。あとは技術点7の魔女を倒すだけの簡単な仕事さ。こうして〈老魔女の髪〉をゲットしたオレは、喜び勇んで地上に戻ろうとしたが、好奇心に駆られて南の探索もすることにした。そこで、悪夢の怪物と遭遇することになる」

 

ダイアンナ「悪夢の怪物……ザンバー・ボーンか?」

 

アスト「何で、ザンバー・ボーンが下水にいるんだよ。南にいたのは、技術点10の大ムカデだよ!」

 

ダイアンナ「む。技術点9のキャラにとっては、技術点10の敵は脅威だな」

 

アスト「そうなんだ。ここに来て初めて、オレは自分よりも強い敵と出くわした。今の力量では、この先の強敵には勝てないのではないか、と恐怖が走ったな。幸い、ムカデの体力点は5しかなかったので、戦闘中の運だめしで余分にダメージを与えて、攻撃を2回当てたら倒せたが、今後の強敵に備えてオレはもっと強くならないと……って心底痛感したんだな。言わば、ここのムカデがオレを開眼させてくれたと言っていい」

 

ダイアンナ「自分に襲いかかったムカデに感謝するなんて、変わった奴だなあ。それで、ムカデを倒して何か得することはあったのか?」

 

アスト「ムカデの奥を探索すると『鏡』がゲットできるんだが、その前に気になることが一つ。ムカデを戦わずに打ち倒せる〈昆虫の腕輪〉なるアイテムがあるみたいなんだが、どこでゲットできるんだろうな?」

 

リバT『それは〈市場通り〉の酒場ですね。ナイフゲームに参加して勝てば、賞品としてもらえますよ』

 

アスト「なるほどな。別に攻略に必須なアイテムじゃないんだが、『このアイテムを持っているか?』という選択肢が出て、持っていないと何だか間違ったルートを選んだような気がしてな」

 

ダイアンナ「さすがに全てのアイテムを見つけないといけないゲームじゃないだろうに」

 

アスト「ところで、些細な疑問だが、ムカデは昆虫じゃないから、〈昆虫の腕輪〉で殺せるのは違和感を覚えるぜ」

 

ダイアンナ「昆虫でも虫でも蟲でも節足動物でも、この場合、大差なかろうが。とにかく、腕輪は持っていなかったが、自分より強いムカデを何とか倒して、鏡をゲットしたってことでいいな」

 

アスト「ああ。こうして、オレはようやく下水を抜け出した。次のイベントでは、技術点5〜7のならず者3人に襲われる。〈投げナイフ〉を持っていれば、相手のリーダーを不意討ちで仕留めて、戦闘をあっさり終わらせることもできたんだが、ベイズボールで負けたから惜しくもナイフを失っていたんだよな。だから頑張って3人を剣で倒して、金貨1枚をゲットしたさ。チッ、しけてやがると文句を言いながらな」

 

ダイアンナ「3人相手は面倒だな。イベント回避はできないのか?」

 

アスト「幸いにして、マンホールを出た後は、〈厩舎通り〉から引き返して〈塔通り〉を進み直すことができる。手間を掛けないなら、そっちのルートに進んでイベントスルーするのが楽にクリアできる道だろうな。ともあれ、〈厩舎通り〉ルートの最終イベントは有名なヘビの女王(サーペント・クイーン)の屋敷だ。オレはその昔、彼女の屋敷でひどい目にあった記憶があるので、今回はわざわざ屋敷に入らずにスルーしたがな」

 

リバT『税金を徴収しに来たと嘘をつけば、金貨12枚がゲットできるんですよ』

 

アスト「とっさにそんな嘘が思いつけるかよ。他には、『花を届けに来た』と『ボロ布を回収に来た』という選択肢があるが、余計なことに首を突っ込むと、ヘビの頭の不意討ちで技術点が1点減らされて、その後に技術点9のヘビ女と戦わないといけない。ここには別に攻略必須アイテムもないのだから、スルーが正解だと思うがな」

 

リバT『アズール卿の愛人という裏設定がネタ的に面白いキャラなんですけどね』

 

アスト「『モンスター事典』によれば、元は普通の人間だったが、どくろ砂漠の蛇神カアスの邪悪な儀式で古代女王の魂を呼び起こそうとした際に、頭部を蛇に変えられてしまったそうだな。アズール卿の庇護下にある可哀想な女性みたいだが、気性は短気で残忍だという話もある。一応、彼女の呪いを解くことができれば、賞金をもらえるらしいんだが」

 

リバT『それに挑戦した者は一人もいないそうですね』

 

合流した道の先で

 

アスト「〈塔通り〉と〈厩舎通り〉はパラグラフ76番で結局、〈厩舎通り〉に合流する。この〈厩舎通り〉は旧訳だと〈鍛冶屋通り〉とも呼ばれていて、その名前の由来がパラグラフ76番の鍛冶屋イベントなんだ」

 

リバT『馬の蹄鉄を作っている鍛冶屋さんが働いているんですね』

 

アスト「この鍛冶屋には世話になった」

 

ダイアンナ「お前も蹄鉄を作ってもらったのか?」

 

アスト「オレは馬じゃねえ!」

 

ダイアンナ「馬じゃないか」

 

リバT『馬ですね』

 

アスト「今は違う。オレが馬だったのは昔の話だ」

 

ダイアンナ「あれからもう一年か」

リバT『呪いで馬になる実例がここにいるのだから、呪いでヘビの頭になった女王の話も納得できるってものです』

 

アスト「とにかく、オレは蹄鉄じゃなくて、金貨20枚を払って、鎖帷子を買ったんだ。技術点10の大ムカデが出て来るのでは、技術点9じゃこの先、やっていけない。だから鎖帷子を着込んで、技術点を+2点した」

 

リバT『ルールに厳密に従うなら、原技術点9を増やすことはできないのですけどね』

 

アスト「武器や防具を失えば減らされるのに、新しく武器や防具を手に入れても、技術点の減点を補いこそすれ、初期状態から増やせないというのでは時々矛盾が生じることもあるんだよな。原技術点よりも増やせないというルールがない方が嬉しいというFFプレイヤーは多いはずだ。さもないと、初期状態の技術点が少ない場合のプレイが終盤では攻略不能で楽しめないというケースも多々ある」

 

リバT『盗賊都市では、〈市場通り〉の魔術師邸で手に入る盾で「攻撃力+1」か、〈時計通り〉の狂人倒して手に入る兜で「攻撃力+1」が明確に戦闘力が向上する記述で、鍛冶屋の鎖帷子の「技術点+2」では減少した技術点の補填はできても、原技術点以上にはならないというのが厳密な処理の仕方だと考えます』

 

アスト「だけど、金貨20枚も払ったんだからな。とにかく、最初の技術点9のままじゃ、これからの戦闘には勝てないと判断したオレは、独自解釈で、この鎖帷子は『攻撃力+2』というように読み換えることにした。必要に応じて、ルールの変更も辞さない。それがオレの生きる道」

 

ダイアンナ「要するにズルをしたってことだな」

 

アスト「それだけの代償を払ったんだ。今からキャラを作り直して、技術点11以上のキャラで攻略し直すぐらいなら、多少のルールの捻じ曲げをした方がプレイを楽しめる……ということなら、オレは喜んでそうするぜ。まあ、他人との競争なら一方に有利な裁定はフェアじゃないが、ソロプレイで、ゲームバランスの調整をしたということなら、十分許される範囲だと考える。とにかく、オレの鎖帷子には馬パワーが宿って、強くなったってことだ」

 

リバT『これで打倒、斬馬ー・ボーンに挑むってことですね』

 

ダイアンナ「残飯ボーンとか、斬馬とか、ダジャレネタにされまくりだな」

 

アスト「なお、この鍛冶屋を攻撃することも可能だが、技術点9で、赤く焼けた鉄の棒(ダメージ3)で反撃して来る。さらに『善良な男を倒して、深い罪悪感を覚えて、運点を4点も失う』など鍛冶屋殺しは高くつくわけだ。いくら悪徳プレイを楽しめる盗賊都市でも、鍛冶屋は殺しちゃいけないキャラ筆頭ってことだな。この鍛冶屋を殺すと、タイタン中の馬を敵に回すほどの悪業と断じておこう。オレの鍛冶屋を傷つける者は、馬に蹴られて地獄に落ちるということで」

 

ダイアンナ「そこまで鍛冶屋に愛着を持つとはな」

 

アスト「さて、〈厩舎通り〉をさらに先に進むと、脚に鎖と鉄球をつないだ脱走囚が逃げてきて、『税金が払えなかったから5年の投獄の刑をくらった』から助けてくれ、と泣きつかれる。だけど、後から追っかけてきた衛兵の話だと、『そいつは嘘つきの殺人犯』だから、関わると損をするので、下手に庇い立てしない方がいい。素直に逃亡犯を引き渡すと、金貨5枚をもらえるので小遣い稼ぎ用イベントだな」

 

リバT『どうやっても助けられませんし、そもそも助ける義理がありませんからね』

 

アスト「これで、この囚人が美少女だったりしたら、助けたくもなるのだろうが、しょせんは『ボロをまとった男で、汚れた顔でひげも剃っておらず、憐れみを乞うだけの輩』には、余計なことに巻き込まれたいとは思わない」

 

ダイアンナ「囚人の言葉が事実にせよ、衛兵の言葉が事実にせよ、こっちには関係のない話と割り切るのが正解だな」

 

アスト「ゲーム的に考えるなら、関わって損しかしない、メリットのない相手を助けたいとは思わないからな。美少女や、いたいけな子どもならともかく」

 

ダイアンナ「プレイヤーに助けてもらいたいなら、女子供に限るってのは真理だな」

 

アスト「女性プレイヤーだって、イケメンと小汚いおっさんだったら、イケメンを助けたいと思うだろう?」

 

ダイアンナ「ボロを着たイケメンと、裕福そうで品のいいおじさんなら迷うけどな。世の中、顔より金が物を言う局面も多い。まあ、価値観は人それぞれだろうが」

 

アスト「とにかく、脱獄囚イベントを終えて……というか、オレだって脱獄囚なんだから、余計なトラブルに巻き込まれたくないのが事実ってことだ。さて、次は必須アイテムが手に入る重要イベントだな。金貨1枚払って公園に入り、そこに咲いている〈蓮の花〉をゲットする。ただし、技術点6のリーフ・ビースト(木の葉獣)を倒さないといけないけどな」

 

リバT『〈炎の指輪〉を持っていれば、バトルなしで倒せますけどね』

 

アスト「今作では〈炎の指輪〉が当たりアイテムだな。一方で〈氷の指輪〉と〈不可視の指輪〉は役立つ局面が全くないので、外れアイテムと断言してしまおう」

 

ダイアンナ「〈不可視の指輪〉は作品ごとの当たり外れが大きい気がするな」

 

アスト「〈蓮の花〉をゲットした後は、残る課題は刺青だけだ。果物屋からは金貨1枚でプラムを買ってもいいし、買わなくてもいい。ただし、リンゴはダメだ。腹痛を起こす。そして、とうとう『刺青師のジミー・クイックティント』の店に到着するわけだ。金貨10枚あれば、額に一角獣の刺青を彫ってもらって、ブラックサンド内での任務終了、と」

 

ダイアンナ「なければ?」

 

アスト「ジミーの義兄弟が隣で質屋をやっているので、入手アイテムを売って、お金を作ることができる。それでもどうしようもなければ、ゲームオーバー確定だな」

 

脱出ブラックサンド

 

アスト「〈銀の矢〉はベン・ボリマンから買った。〈黒真珠〉は海賊船でゲットした。〈老魔女の髪〉は下水の魔女から奪いとった。〈蓮の花〉は公園で木の葉獣から勝ちとった。そして最後に刺青師ジミーに〈一角獣の刺青〉を額に彫ってもらった。これでニカデマスさんから教えてもらったザンバー・ボーン退治の準備が整ったことになる」

 

ダイアンナ「後は街を出て、ザンバー・ボーンを倒しに行くだけだな」

 

アスト「そう。刺青師の店から出ると、盗賊都市から旅立つイベントが強制的に始まる。お金が足りないからと言って、どこかで稼いできて刺青師のところに引き返す道は残されていない。そのきっかけとなるのが2人組のトロール衛兵サワベリーとファットノーズだ」

 

・サワベリー:技術点10、体力点11

・ファットノーズ:技術点9、体力点10

 

アスト「事実上、戦えるキャラではこの2人組が、盗賊都市内のラスボスと言っていいな」

 

ダイアンナ「チート技で技術点11にしたんだから、戦っても勝てそうだな」

 

アスト「イヤだよ。ここまで来ると、サイコロ振るのも面倒くさい。オレは正直に『通行証を持っていません。罰金を払いますから許して下さい』と自首して、金貨1枚だけ確保して、街から追放される選択をした。それが最も平和的で無難な選択だからな。パラグラフ201番に続く。その後の決戦ザンバー・ボーンはジカーイジカイのお話ってことで。当記事 完だな」

 

ダイアンナ「それじゃあ、つまらないだろう。勇者なら頑張って、ブラックサンド最強の悪徳衛兵コンビを倒したいとは思わないのか」

 

アスト「普通に戦ったら、サワベリーに6回、ファットノーズに5回も攻撃を当てないといけないからな。すなわち11回。敵味方で最低でも合計22回もダイスを振り合わないといけないので、ダイスを振りたい病にかかっていない人間にとっては、ひたすら面倒くさいんだよな。しかも、こいつらを倒して、何かをもらえるわけでもないし」

 

リバT『街の人の拍手喝采がもらえますよ。衛兵殺しの罪で追われる身にはなりますが、少年と藁葺(わらぶ)き職人の老人にかくまわれて、街からの脱出をさせてもらえます。勇者なら、この選択肢を選ぶと格好いいです』

 

アスト「オレは勇者じゃないからな。衛兵殺しの罪はかぶりたくねえ」

 

ダイアンナ「最初に地下牢に放り込まれて、仮病で嘘をついてドサクサ紛れの騒動でコソコソ逃げ出した、姑息な脱獄囚だけどな」

 

アスト「それでも衛兵殺しはしていねえ。オレがこの街で殺したのは、人オークの生意気な薬屋と、酒場の用心棒トロールと、2人組の追いはぎと、犬小屋の狼と、路地の野犬2匹と、子どもに化けたゴブリンと、大ネズミ3匹と、下水の老魔女と、大ムカデと、ならず者3人と、木の葉獣だけだ」

 

ダイアンナ「海賊は?」

 

アスト「こっそり侵入して、黒真珠の袋も眠っている海賊からこっそり盗みとっただけだから、殺しちゃいねえ。薬屋殺しと用心棒殺しはカッとなって、つい思わず殺っちゃった感があるが、それ以外は襲われたから正当防衛で倒したに過ぎない。とにかく、オレは誰かれ関係なく殺しまくる殺人鬼じゃねえ」

 

リバT『ブラックサンドで極力、殺さないプレイというのも一興ですね。選択肢次第では、ここまで大ネズミ3匹と、木の葉獣以外を殺さずにプレイ可能ですから』

 

アスト「最初のルート選択で〈カギ通り〉を選べば可能だな。地下牢からの仮病脱出で通行証をゲットしていれば、衛兵とも穏便に別れることができるし、ベイズボールで勝って〈精神操作の薬〉を入手していれば、老魔女だって殺さずに済む。ネズミと木の葉獣以外を殺さないプレイか。そいつは面白そうだ」

 

ダイアンナ「とにかく、アストが衛兵殺しをしたくないことは分かった。他に対処法はあるのか?」

 

アスト「通行証を持っていて見せれば、サワベリーに『〈胡椒通り〉に来た商人なのか?』と質問される。イエスと答えれば、『バカめ。騙されたな。ブラックサンドには〈胡椒通り〉なんてないんだよ。この嘘つきめ。逮捕してやる。もしくは罰金だ』と罵られ、戦うか、有り金1枚を残して奪われて街から追い出されるかの選択だ」

 

ダイアンナ「ノーを選べば?」

 

アスト「『武器職人で屋台でダガーを売ってきた』と答える形になり、『だったら、もう用事は済ませたな。街の外まで送ってやろう』と追い出されるか、拒んでバトルだな」

 

ダイアンナ「いっそのこと、逃げた方がマシなのでは?」

 

アスト「それは最悪の選択肢になる。壁を越えるために木に登る形になり、邪魔になる盾と(着ていれば)鎖帷子を脱いで行くことで、技術点が3点も下げられる。せっかく、鍛冶屋から買った鎖帷子を捨てて行くなんて、オレには耐えられない。しかも、木から市壁に飛び移って街から脱出するという選択肢につながるんだが、外の地面までは20メートルもあるんだな。〈登攀ロープ〉を持っていれば脱出成功。持っていなければ地面に激突して、首の骨を折って即死ゲームオーバー。諦めて衛兵と戦おうとしても、派手な逃走劇のせいで20人以上の衛兵が集まってきて、結局つかまって脚に鎖と鉄球をつけられて禁錮5年の刑で任務失敗ゲームオーバー」

 

ダイアンナ「そうなるぐらいなら、おとなしく罰金を払って外に追い出される方がマシってことか」

 

アスト「この選択肢を選んで問題ないとすれば、〈登攀ロープ〉を持っていて、最初から技術点が高くて、鎖帷子は購入していなくて、減った分も(初期装備に選んでいれば)『技術点回復ポーション』で原点に戻せばいいと考えられる場合だな。衛兵から逃げて脱出ルートは、サワベリーとファットノーズと戦うルートよりもリスクが大きいと言っておく」

 

ダイアンナ「結局、一番お手軽なのは罰金払って追い出されるルートなんだな」

 

アスト「街の外では、もうお金を使う必要がないからな。ゲームブックの攻略後のストーリーを独自に想像するなら、お金は残しておきたいのが人情だが。さもないと、敵ボスは倒したのに、無一文になってしまったので残飯漁りに落ちぶれる羽目になりかねん」

 

ダイアンナ「残飯漁りの話はもういいから」

 

アスト「そうだな。では、ザンバー・ボーンとの決着話を次回に語って、『盗賊都市』の攻略感想を終えるとしよう」

(当記事 完)