ウルトロピカルな⭐️GT(ゲーム&トレジャー)島宇宙

南の島と上空の宇宙宮殿を舞台にTRPGや特撮ヒーローなどのおしゃべりブログ。今はFFゲームブックの攻略や懐古および新作情報や私的研鑽メイン。思い出したようにD&Dに触れたりも。

「盗賊都市」攻略感想(4)

ザンバー・ボーンの秘密

 

アスト「前回で、ザンバー・ボーンの攻略アイテムを全部集めて、盗賊都市を旅立ったところまで話した。今回はとうとうザンバー・ボーンを倒して完結させようと思う」

 

リモートNOVA『そのザンバー・ボーンだが、あれからいろいろと調べてきたんだ』

 

アスト「うわっ、また突然、通信を入れて来やがって。お前は夏期の仕事で忙しいんじゃなかったのか?」

 

NOVA『大丈夫。明日は休みだ。だから、今夜は多少、夜更かしをしても問題ない。それよりもザンバー・ボーンのスペシャル情報を聞きたくはないか?』

 

アスト「こっちが聞きたくなくても、お前は話したいんだろう? ただし、面白い話にしろよ。わざわざ人の話を邪魔して、つまらないことを言ってくるようなマネはするな」

 

NOVA『ああ。他人の時間を割く価値のある話をするつもりだ。まず、「魔界ガイド」からの情報だが、ザンバー・ボーンに関する記述が見つかった』

 

ダイアンナ「へえ。魔界の住人なんだ」

 

NOVA『タイタン世界には、デーモンたちが住む〈奈落(ピット)〉と呼ばれる魔界が存在して、8種類に分類されている。その1つが「血界(プレーン・オブ・ブラッド)」で、アンデッドの世界なんだな。ザンバー・ボーンはここから力を引き出し、アランシアで倒されても転生を繰り返し、やがてスケルトン・デーモンとして復活するらしい。その物語が「危難の港」というわけだ』

 

アスト「ほう、魔界の悪魔だったとはな」

 

NOVA『さらに、こういう資料にもザンバー・ボーンの記述を見つけた』

ダイアンナ「前回は『モンスター事典』を挙げていたが、『超・モンスター事典』なんてあったんだな」

 

NOVA『まだ未訳だが、3冊めの「真・モンスター事典」もいずれ邦訳が予定されているらしい。最初の「モンスター事典」は、タイタン世界の基本モンスター本として1986年に初邦訳されていたんだが(その後、AFF2版用に2011年にイギリス本国で復刻していたのを、2019年に再邦訳)、「超・モンスター事典」は2013年に本国で発売されて2020年に邦訳されている。ザンバー・ボーンはこの本でリッチ・ロードの一種として解説されているんだ』

 

アスト「すると、ザンバー・ボーンの数値データもあるのか?」

 

NOVA『一般的なリッチ・ロードは「技術点10、体力点20点」になっているが、ザンバー・ボーン個人は技術点が2つか3つ上でも驚かないな。それと、「モンスター誕生」に登場する魔道医師キンメル・ボーンが、ザンバー・ボーンの兄弟だという記述にへえっと感心させられた』

 

アスト「ザンバー・ボーンに兄弟なんていたんだな」

 

NOVA『「モンスター誕生」のゲームブックを確認すると、不死身の骸骨がいて、こいつに遭遇するだけで倒しても倒しても復活してくる無限ループに陥る実質バッドエンドキャラなんだな。会ったら負けなので、会わずにスルーするのが正解という嫌らしいキャラだが、昔プレイした時はザンバー・ボーンの親族だとは思わなかったよ。30年の時を経て分かった事実に、感心しきりだ』

 

ダイアンナ「『モンスター誕生』の攻略話をするのが楽しみだね」

 

NOVA『早くて、秋以降になると思うけどな。その前に「危難の港」をプレイしたいし、プレイする前にテキトーにパラパラとページをめくって、興味深い記述を見つけた。パラグラフ241番にザンバー・ボーンの出自や過去の経歴が記されていたんだ。以下が、その記述の抜粋だ』

 

・両親は魔王子を信奉する秘密カルトの商人で、『死の罠の地下迷宮』で有名なファングの街の出身(つまり、元々は普通の人間)。

・ヨーレの森で魔法を学び、同じ師を持つヤズトロモやニカデマスと激しいライバル関係を構築。2人を憎み、倒すために闇の魔法をこっそり学び始める。

・闇を戒めようとする師匠の大魔術師ヴァーミスラックスと対決して敗れ、重傷を負って、生ける骸骨のような姿に成り果てた。

・その後、何十年もの間、失踪していたものの、近年、スケルトン・デーモンとして再び出現。〈夜の王〉の異名を持ち、アンデッドと悪魔崇拝者(アズール卿)の支援も受けながら、自身の塔〈ダークタワー〉周辺の地域を支配しようとする。

・一度、敗北したが、その敗北は永遠に続くわけではない。魔界で力を蓄えて復活するので、再び倒すためには新たな弱点を見つけなければならない。

・『危難の港』のクライマックスでは、ヤズトロモとニカデマスの支援を受けながら、主人公がアンデッド軍団を率いるザンバー・ボーンを打ち負かさないといけない。すなわち、ラスボスのザンバー・ボーンを倒すことが目的となる。

 

アスト「つまり、『危難の港』は実質、『ザンバー・ボーンふたたび』と言うべき作品なんだな」

 

NOVA『ああ。そして、相変わらず、まともに剣で戦える相手ではないみたいなんだな。倒すためには、いろいろなアイテムを集める必要があって、ザンバー・ボーンが次々と召喚する手下を片づけながら、フリントロック銃で撃ち抜かないといけない。接近戦ではこちらが即死させられるので、強力な飛び道具が頼りなんだ』

 

ダイアンナ「剣では倒せないが、銃なら倒せるというのが新鮮だな」

 

NOVA『昔のFFだと、SF作品を除けば銃は一般的ではなかったんだが、ブラックサンドのサプリでも海戦ルールと共に、銃と火薬の扱い方も載っているので、近年のタイタン世界ではルネサンス期から近世レベル(14〜18世紀ぐらい)の銃なら稀少ながら存在する世界観になっているんだな。なお、弾は2発しかないので、2回とも外すとゲームオーバーだ』

 

アスト「プレイしていないのに、クライマックス戦闘だけ先にチェックしているのかよ。それってズルくないか?」

 

NOVA『いや、ただの予習だからズルくない。ぶっつけ本番で対処するばかりが能じゃないし、時空魔術師としては、未来に何があるか少しは知っておきたいと思ってな。そこに至る過程は断片的にしか分かっていないが、ザンバー・ボーンとの決戦パラグラフだけ思わずチラ見してしまったんだよ。元々は、ザンバー・ボーンの数値データを知りたいだけだったんだが、結局、今回も通常の戦闘ルールではなく、弱点を突いて倒すか、失敗して死ぬかの特殊戦闘ってことだ。しかし、まあ、アズール卿とザンバー・ボーンの関係とか、実はニカデマスさんたちと同窓のライバル関係だったとか、いろいろ新しい設定が加わって、「実は凄い存在だったザンバー・ボーン」という事実の判明に、ワクワクしている俺がいる』

 

アスト「だったら、そういう風に評価がうなぎ上りの〈夜の王〉だと思って、『盗賊都市』のクライマックスを語るとするぜ」

 

ダークタワー

 

NOVA『ザンバー・ボーンの塔の名前は、スティーヴン・キングの長編小説のタイトルと同じなんだな。先日、ようやく読了して感想記事を書いたんだが』

アスト「って言うか、お前、まだ居座るつもりかよ。スティーヴン・キングとFFは関係ないだろうが。大体、『盗賊都市』の中ではダークタワーって単語は使われていないんだぞ。単に〈夜の王〉の塔って記されているだけで」

 

NOVA『ああ。だけど、新訳版に掲載された地図だと、「ポート・ブラックサンドの近くにダークタワーという地名がある」ので、これがザンバー・ボーンの塔なのかな? と思っていたら、「危難の港」の記述で、ザンバー・ボーンの巨塔の固有名詞が正式に〈ダークタワー〉に確定したことが分かった次第。そして、銃で撃ち滅ぼされる辺り、ガンスリンガーの物語につながる俺的タイムリーさを感じたわけだ』

 

アスト「たまたま偶然だろう。それともスティーヴン・キングの小説が、イアン・リビングストンに影響を与えた証拠でもあるのか?」

 

NOVA『証拠とは言えないが、時期的符合は考えられる。「危難の港」が本国で出版されたのは2017年。同じ年に「ダークタワー」は映画化されている。映画化されて話題になっている作品にインスパイアされて、リビングストンが自分の作品に取り入れた可能性はあるかも』

 

アスト「可能性ゼロとは言えんが、ただの推測に過ぎん」

 

NOVA『ああ、たまたま偶然と思った方がいいが、もう一つ面白いと思ったのは、ゴブリンスレイヤー外伝のこの本が、明確に「ダークタワー」と「FFゲームブック」のネタを取り込んでいることだな』

ダイアンナ「つまり、ダディーの中では、いろいろな作品のつながりが感じられて、いっそう面白く味わえたってことだな」

 

NOVA『そういうこと。オマージュやパロディー的な要素は、物語の関連性や影響の与え方を考察する文化研究の基本だからな。盗作はいかんが、一部エッセンスを取り込んでクリエイターが自分なりにアレンジする「本歌取り」の手法は、ジャンルの発展や深化において欠かせないと俺は考える。もちろん、先達の作品に敬意を払わない劣化コピーでしかないものは、つまらないと批判されて然るべきだが』

 

アスト「高尚ぶった寄り道脱線はそれぐらいにしておけ。とにかく、『盗賊都市』のパラグラフ201番から続けるぞ。これより、ザンバー・ボーンのダークタワーへ向かう」

 

NOVA『すると、ニカデマスさんの使いの伝書鳩が手紙を持って来るんだな』

 

ダイアンナ「どんな内容だ?」

 

アスト「ザンバー・ボーンの弱点のアイテム3つと言ったな。あれは耄碌した年寄りのうっかりミスで、実は2つだけだったので、どれか2つを混ぜて使うように。どれが正解かはよく思い出せんので、お前さんの幸運を祈ってる……との内容」

 

NOVA『正解は「老魔女の髪と蓮の花」だな。つまり、黒真珠は必要なかった、と。ニカデマスさんのうっかりミスのせいで、最後の最後でザンバー・ボーンを倒し損ねた冒険者も数多いと聞く。まあ、大抵はそこまでプレイしたら、間違った選択肢は見なかったことにして、3択の正解を見て満足して終わらせるだろうがな』

 

アスト「〈夜の王〉を倒すのに、黒を選ぶのは間違いだってことだな。とにかく、そうやってボケた老魔術師のミスに悪態をつきながらも、ラスボス戦の準備を整える主人公。そこにワンダリング・モンスターが襲撃してくる。技術点4〜8、体力点4〜7の6種類の敵から1体と戦うことになるんだが、オレが出会ったのは最強の洞窟トロール(技術8、体力7)だった」

 

ダイアンナ「技術点11なんだから普通に勝てるよな」

 

アスト「ああ。技術点9のままじゃ、難儀したかもしれんがな。そして、このランダム遭遇で猿人エイプマン(技術7、体力6)と遭遇したときだけ、暗闇を見通せる『金の梟(ふくろう)の飾り』が手に入る。これがなければ、塔のある部屋で即死させられるので、探索には注意が必要だ」

 

NOVA『ダークタワーは即死罠がいっぱいだからな』

 

アスト「しかし、最も厳しい戦いは次のムーン・ドッグ戦だ。暗黒の塔の前で2頭のムーン・ドッグが襲いかかって来るので、これを撃破しないといけない。1頭は技術点9、体力点10だが、もう1頭の技術点11、体力点9が脅威だ。この技術点11の犬が本作最強モンスターだからな」

 

NOVA『ムーン・ドッグは別名デス・ドッグ(死の犬)。モンスター事典では、技術点9、体力点10が標準的データとして載っているが、数値を1、2点調整した強化バージョンがゲームブックでは登場するわけだ』

 

ダイアンナ「群れのリーダーみたいなものか」

 

アスト「通常の3倍のスピードで動く軽量化された個体だな。シャア専用ムーン・ドッグと言ったところか」

 

NOVA『この最強のムーン・ドッグを倒して、いよいよダークタワー攻略戦が始まるわけだ』

 

ダークタワー内部

 

アスト「まず、入口に鍵が掛かっているので、J・B・ラギンズ製の『合い鍵』を持っていれば、こっそり侵入できるが、さもないと呼び鈴を鳴らすしかない」

 

NOVA『いや、体当たりで扉を開けようとする選択肢もあるが?』

 

アスト「肩を痛めて、技術点を1点失う罠選択肢じゃねえか。余計なことを言ってるんじゃねえよ。口出しするなら、少しは役に立つことを言えよ」

 

NOVA『合い鍵を使わなければ、塔の中から従者が出て来るんだな。道に迷った旅人のフリをして親切な従者の案内に従うなら、2階の寝室まで連れて行ってくれる。ここでゆっくり休めば、いい夢が見られるぞ』

 

アスト「どうして罠選択肢ばかり勧めるんだ? お前はザンバー・ボーンの回し者かよ!?」

 

NOVA『フフフ。アンデッドの世界にようこそウエルカム♪ きみは、スピリット・ストーカーとして永遠にザンバー・ボーンに仕えることになる』

 

アスト「ならねえよ。ベッドで眠らず、従者がいなくなったら塔の探索を続けるに決まってるだろうが」

 

 

NOVA『このルートを選ぶと、1階の探索ができないんだな。1階を調べたければ、合い鍵でこっそり入るか、従者と戦うしかない』

 

アスト「従者はスピリット・ストーカーなんだな。『鏡』や『氷の指輪』を使うという選択肢も出るが全く通用しないので、それらのアイテムは本作では役に立たないと言っていい。普通に弱点の『銀の矢』で始末すればいい。もちろん、矢はすぐに回収するけどな」

 

NOVA『スピリット・ストーカー(死鬼)の数値データは、ゲームブックでは記されていないが、モンスター事典によると技術点10、体力点8だ。ただし、銀の武器でしか傷つけられない』

 

アスト「そして地下1階が探索できると、その広間には2つの盾があるんだな。塔の紋章の盾と、一角獣の紋章の盾が選べる」

 

NOVA『君がアンデッドなら、塔の紋章がお勧めだ。アンデッド専用なので、技術点が1点増える』

 

アスト「アンデッドじゃないから、1点増えずに減っちゃうよ。一角獣を勧めろよ。善の騎士御用達の盾だよ。技術点1点増えるよ」

 

NOVA『お前が善の騎士とは、片腹痛い。元快盗が使うと呪われて技術点マイナス1だ』

 

アスト「そんなこと、ゲームブックには書いてねえよ。大体、オレは馬に祝福されているんだから、一角獣だって味方してくれる。額にも一角獣の刺青があるんだしな」

 

ダイアンナ「だけど、その盾は原技術点が増えるわけじゃないんだろう?」

 

アスト「そう。技術点が減っていなければ、意味がないんだよな。原技術点を越えてはならないルールのせいで、せっかくのアイテムが無駄に思えることが多いのは、FFの興醒めルールと感じるな。素直に技術点が増やせるルールとしてプレイした方が楽しめるはず」

 

NOVA『ハウスルールとして、個人的に遊ぶにはそうしてもいいと思うけどな。原技術点縛りは結局、最初のダイス目が全てで、弱いキャラが装備を手に入れて強くなる楽しみを削っていることにしかならないわけで。能力のインフレを抑えたいなら、技術点は12を越えて増やすことはできないと上限値を定めるだけでいいと思うし』

 

 

アスト「何にせよ、オレのプレイでは1階をスルーして、2階のベッドから抜け出して、3階から探索を開始した」

 

NOVA『うんうん、3階はいいよなあ。パラグラフ292番の女吸血鬼のイラストは、俺がFFゲームブックをプレイして、初めて萌えを感じたイラストと言っていい。いや、バルサスの292番のルクレチア妃のイラストも悪くはないが、ルクレチアさんはこちらを誘惑しないからな。名もなき女吸血鬼さんはしっかり若き日の俺に微笑みかけてくれて、抱きしめてくれて、牙を埋め込んでくれて、吸血鬼の世界に導いてくれた』

 

アスト「ゲームオーバーじゃねえか」

 

NOVA『まあな。次から、ここに入るときはニンニクを持って来ようって思ったもん。ニンニクがないなら、3階には入らないのがお勧めだ。いや、まあ、黒髪美女の吸血鬼に誘惑されるアンデッドライフを妄想したい同志は、盗賊都市のパラグラフ292番を勧めるけどな。FF世界の女吸血鬼と言えば、雪の魔女シャリーラが有名だが彼女のイラストには残念ながら萌えを感じん。やはり、ザンバー・ボーン配下の名もなき女吸血鬼ちゃんが俺のツボなんだよ』

 

アスト「お前の冒険は終わった。さあ、これで気が済んだろう。とっとと帰れ」

 

NOVA『ああ。若き日の目眩(めくるめ)く妄想を堪能したので、十分だ。帰らせてもらう。後はよろしくな(満足して退場)』

 

 

アスト「……結局、あいつは女吸血鬼の話がしたくて、通信を続けていたんだな」

 

ダイアンナ「アストは女吸血鬼に萌えたりしないのか?」

 

アスト「今のオレにはお前がいるからな。そんじょそこらの女吸血鬼じゃなくて、お前という特別な相方がいるのに、今さら別の女吸血鬼に魅かれたりするもんかよ」

 

ダイアンナ「アスト……」

 

アスト「アニー……」

 

(当記事 完)

 

まだ終わってません

 

リバT『ちょっと、アストさん。どうして、いきなり話を終わらせているんですか?』

 

アスト「あ、ああ、NOVAの相手をしていたら、妙に疲れてな。あいつがいなくなったら、休憩してもいいだろうって気になったんだ」

 

リバT『ザンバー・ボーンはまだ倒していないし、ここで終わったら、ここまで読んできた読者さんに申し訳ないとは思わないのですか?』

 

アスト「ああ。じゃあ、邪魔者のNOVAが消えたから、後は消化試合と思って、さくっと行くぞ。子どもに化けたゴブリンから奪ったニンニクを持っていたオレは、女吸血鬼の誘惑に乗ることはなく、3階を無事に突破した。続く4階は暗闇の部屋で、『金の梟』がなければ見通せない。暗闇に踏み込んでも、毒矢を放つ石弓の罠が仕掛けられていて、運が悪ければ即死ゲームオーバーが待っているだけなので、スルーを推奨する。ダークタワーで唯一アンデッド化しない、ただの死亡ゲームオーバー罠だな」

 

ダイアンナ「3階も、4階も普通にスルーできるのか?」

 

アスト「ああ。ザンバー・ボーンは5階にいるんだが、階段はさらに続いているので、先に6階を見てみよう」

 

ダイアンナ「普通は、ラスボスは塔の最上階にいると思うんだが」

 

アスト「ザンバー・ボーンは普通じゃないんだ。6階は、斧を持った甲冑が守っている扉があるが、扉の中にいるのはただのゾンビが2体だけなので、スルー推奨だ。何も手に入らない」

 

ダイアンナ「その上は?」

 

アスト「屋上だな。技術点4のザコ死鷹が2体、襲いかかって来るが、サクッと倒すと、そこにあったガラス瓶の中から身長15センチほどの小人が出てきて、解放してもらったお礼に願いを叶えてくれる。体力を6点回復して、ザンバー・ボーンの居場所を教えてもらうんだが、『5階の黒い扉』と言われて、いきなりそこに入ると罠だったりする」

 

ダイアンナ「はい? その小人は嘘つきなのか?」

 

アスト「いや、小人の言葉は正解なんだが、『黒い扉の部屋に入る前に、白い扉のイベントをクリアしないと、ザンバー・ボーンの幻術を見破れずに、不意討ちをくらってゲームオーバー』なんだ。オレもこれに引っ掛かって、死ぬかと思ったぜ。今さら初めからプレイしたくもなかったので、ズルをして見ないフリをしたけどな。とにかく、5階の扉は『白→黒』の順番で進まないといけない」

 

ダイアンナ「白の扉には何がある?」

 

アスト「ミイラ男がいる。『ランタン』か『炎の指輪』を持っていれば一撃で倒せる。持っていなくても、技術点7の相手だから倒すのは簡単だろう。ミイラの納まっていた棺には、幻覚を見破る〈金の瞳の指輪〉が入っていて、これを入手してから黒の扉に進むといい」

 

ダイアンナ「いよいよ大詰めだな」

 

アスト「ああ。ザンバー・ボーンは黒猫に化けていて、不意を討とうと狙っていたんだが、指輪パワーで幻影を見抜かれてしまい、3体のザコスケルトンを召喚するんだが、今さら技術点6〜8でこちらを止められるわけがない。ザコスケルトンを倒したところ、ザンバー・ボーンが近づいて来たので、剣を弓に持ち替えて、すかさず銀の矢を放った。運だめしに失敗したらゲームオーバーだが、成功したので銀の矢が命中。動けなくなった奴の目に〈蓮の花〉と〈老魔女の髪〉の混合物を塗り込むと、撃退に成功して、平和を取り戻したシルバートンの街で勇者祝賀の大宴会が開かれる。めでたしめでたしって結末だ」

 

ダイアンナ「だけど、ザンバー・ボーンは蘇って来るんだな」

 

アスト「『盗賊都市』は83年の作品(邦訳は85年)で、『危難の港』は2017年の作品。わずか10年で復活したザゴールに比べて、〈夜の王〉は復活まで30年以上かかったわけだ。まあ、後の始末はNOVAに任せた。残飯漁りから始まる復活ザンバー・ボーンの再退治の顛末は、あいつの報告を待つとしようぜ」

 

リバT『おつかれさまでした、アストさん。後はクイーンと仲良く、おやすみなさいませ』

 

(当記事 完)