ウルトロピカルな⭐️GT(ゲーム&トレジャー)島宇宙

南の島と上空の宇宙宮殿を舞台にTRPGや特撮ヒーローなどのおしゃべりブログ。今はFFゲームブックの攻略や懐古および新作情報や私的研鑽メイン。思い出したようにD&Dに触れたりも。

「危難の港」攻略感想(2)

チャリスの街の散策

 

 

NOVA「では、『危難の港』のじっくり攻略話だ」

 

アスト「ところで、その表紙絵の斧使いは何者だ? 何やらドクロの金バッジを着けているようだが、ザンバー・ボーンの手下なのか?」

 

NOVA「背景をよく見ると、ブラックロブスター亭の看板や海賊船が見えるが、おそらくはアズール卿の手下の近衛兵トロール(技術点11、体力点11)じゃないかなあ。毒剣(ヴェノムソード)で有利に戦える技術点12のデーモンと比べても、実質的に本作最強の敵データだと思う。ニカデマスの救出のためにはこいつを何とか倒さないといけないわけだ」

 

アスト「終盤の強敵ってことか。キャラとしては、トロール衛兵のサワベリーの上位バージョンみたいなものだな」

 

NOVA「さて、前回の感想ではオープニングと主人公リーサンの〈マーケット広場〉散策まで話した。今回はその続きで、パラグラフ58番から始まる。〈銀通り〉〈武具横丁〉〈物乞い小路〉の3択だが、結果的には全て行くことができるので、〈銀通り〉でお金をゲットし、〈武具横丁〉で武器を買い、〈物乞い小路〉で情報を得るのがいいのではないだろうか。まあ、街の散策に飽きたら、さっさとチャリスの街を出ることもできるし、この街で得られるアイテムや情報は攻略必須のものではないから、それほど思い悩むことはなくテキトーでいいと思う」

 

ダイアンナ「ブラックサンドの序盤と同じく、自由度が高いってことだな。ここを通らないと攻略が詰むってことはない、と」

 

NOVA「今回はブラックサンドでの自由度が少ないので、自由な街散策はチャリスでまかなったのだろう」

 

〈銀通り〉の展開

 

NOVA「チャリスの〈銀通り〉は宝石商やら銀細工師やらの店が立ち並ぶ区画で、まず『ジェスロの宝石店』が目に付く。人オークの用心棒はいるが、戦闘になる選択肢はない」

 

アスト「ブラックサンドだと、押し込み強盗のし放題だったのにな」

 

NOVA「チャリスはブラックサンドよりも治安が良いっぽいので、主人公のリーサンも無茶はしないのだろう。この店では前回、スリの少女から助けた老人から贈られた〈うさぎのお守り〉を売ることができる」

 

ダイアンナ「売って大丈夫なのか? 貴重なお守りっぽいじゃないか」

 

NOVA「貴重だぞ。金貨10枚で買い取ってもらえる。何でも、このお守りは、店長の兄のガーナード・ジャグルが探していたような貴重品で、このガーナード・ジャグルというキャラが後々重要人物としてピックアップされるんだ」

 

アスト「ガーナード・ジャグルかあ。覚えておこう」

 

NOVA「さて、宝石商を出ると〈銀通り〉のイベントはほぼ終わりで、〈樽通り〉の入り口でくず物屋と出会う。くず物屋に話しかけると、〈樽通り〉には関わらない方がいいと助言してくれるが、主人公も〈樽通り〉には何もなさそうだと自分で判断して、結局、本作では〈樽通り〉は散策する機会がない。謎の〈樽通り〉で何が起こるかはGM、いやAFFではディレクターと言うか……が自作する余地があるな」

 

アスト「ゲームブックでは行けない地名を出すことで、世界の広がりを示しているとも言えるな」

 

NOVA「くず物屋のエグバートに銅貨1枚を払うと、荷馬車に乗せてくれて正門まで送り届けてくれる。その際、『洞窟に隠された木箱に罠を仕掛ける悪質な職人がチャリスにはいたので注意』というアドバイスをもらう。この職人が実はガーナード・ジャグルなんだが、この時点では情報がつながって来ないので、あくまで後々の伏線って奴だな。一度クリアした後の再読で初めて話がつながるミステリーっぽい楽しみ方がある。そして、このままパラグラフ64に進むと、チャリスの街を出発して野外の旅が始まるわけだが、ここはエグバートの提案をスルーして、〈マーケット広場〉から次の通りに向かうことにした」

 

〈武具横丁〉の展開

 

NOVA「〈武具横丁〉では有名な『サイの店』がある。オープニング背景のチャリスの街の説明文でも紹介されていて、腕の良いサイクロプスの武器職人が名剣『一つ目』を金貨50枚で販売してくれるそうだ」

 

アスト「そんなに金を持っていないだろうが」

 

NOVA「そうだな。だから名剣『一つ目』は今作では入手できないんだが、ディレクターが自作シナリオのネタにする手があるな。例えば、『一つ目』の剣が盗まれたので、サイクロプスのサイが怒っている。盗人を捕まえるまでは激怒のあまり仕事をしてくれなくなった。彼に機嫌よく仕事をしてもらいたいので、彼と交流のある武器商人が冒険者を雇うとか、そんな展開だな」

 

アスト「自作シナリオのネタは結構だが、ゲームブックのイベントを続けろよ」

 

NOVA「サイクロプスのサイはおっかない見た目の巨漢だが、和やかな応対の営業スマイルでリーサンを迎えてくれる。今ある『一つ目』の剣は売約済みだが、金貨25枚で予約を入れてくれれば、3年ぐらいで完成するだろうとのことだ」

 

アスト「そんなに待ってられねえだろうが!」

 

NOVA「どうしても今すぐ『一つ目』の剣が欲しいのなら、『殺してでも奪いとる』という選択肢があるが?」

 

アスト「マジかよ。伝説のアイスソードだな」

 

NOVA「ただし、アイスソードのイベントと違って、激怒したサイは猛反撃してくる。そして主人公は太刀打ちできず、愚かな選択を後悔したまま即死バッドエンドを迎える。本作初のバッドエンド・イベントだな」

 

ダイアンナ「恐るべし、サイクロプス……ってところか」

 

NOVA「ダイスを振る機会も与えてくれずに、いきなり即死だもんな。ある意味、ザンバー・ボーンよりも恐ろしいぞ、サイクロプスのサイ」

 

アスト「殺されるだけのイベントか?」

 

NOVA「いや、『一つ目』の代わりに、より手頃な『悪魔の短剣』を金貨10枚で売ってくれる。これはこれで、技術点+1の名剣だ。リーサンは喜び勇んで金貨10枚で購入した。ただ、技術点+1の解釈は迷うな。原技術点を越えていいなら、本作はどんどん強化アイテムが手に入るので、快適なゲームを楽しみたいならそうすべきだ。あくまで原技術点縛りにこだわるにしても、『悪魔の短剣』はザンバー・ボーンを一定確率で撃退することができる。1Dで6の目が出れば、銃を使わなくてもザンバー・ボーンの頭蓋骨を粉砕できるぞ」

 

アスト「6分の1じゃあ、当てにならないな」

 

NOVA「自分の技術点が10以上なら、ダイス目+1できる判定なので、5以上でOKだ。つまり3分の1でザンバー・ボーンを倒せる。本作でザンバー・ボーンを倒せる武器は、フリントロック銃を除けば、サイ特製の『悪魔の短剣』しかないので、正に名剣作りの職工なんだよ。噂によると、『一つ目』は北アランシアで最も鋭利な剣だとか、廉価版の『悪魔の短剣』も最上質のサラモニア鋼を鍛えた刃だから、ほとんどの物を貫通するそうだし、サイクロプスのサイはタイタン世界でもトップクラスの武器職人として、名を馳せることになりそうだ」

 

アスト「ブラックサンドの鎖帷子職人と、どっちが有能かな?」

 

NOVA「ブラックサンドの職人は、主人公を即死させられないだろう? とにかく、このサイから〈悪魔の短剣〉を買ったリーサンは、悪魔と契約した仮面ライダーの気分で頭が湧いてきて、次に木材置き場のオーガ人足と、その親方に遭遇する。金貨2枚で木材運びのアルバイトを雇っているとのことで、小遣い稼ぎのために喜んで力仕事を頑張りました。体力点1点を消耗して、腹ペコったぐらい一生懸命、働いたのに、親方は報酬を払うのを渋ったので、用心棒の人足オーガ君には〈悪魔の短剣〉の餌食になってもらいました」

 

ダイアンナ「殺したのか?」

 

NOVA「短剣が血を求めるんだよ」

 

アスト「呪われているじゃねえか」

 

NOVA「オーガは銅貨5枚と、鉄の鍵を持っていて、さらに親方を処刑しようかなあ、と危ない虎のような視線を向けると、親方はビビッて銅貨10枚と金貨3枚で許してくれ、と懇願する。リーサンは〈悪魔の短剣〉のもたらした幸運に感謝し、血塗られた刃に口付けすると、稼いだお金を懐に入れて、その場を立ち去った」

 

アスト「まさかの主人公が、悪魔に取り憑かれるとはな」

 

NOVA「この短剣にバイスと名前を付けて、さらなる犠牲者を求めて〈物乞い小路〉を目指すことにするのだった」

 

〈物乞い小路〉の展開

 

アスト「オレの盗賊都市攻略キャラより、ヤバいことになってないか? こっちもカッとなって、いろいろ殺っちまったがよ」

 

NOVA「大丈夫。まだ、人足オーガしか殺っていない。惨劇はこれからだ」

 

ダイアンナ「これからも、そういう凄惨なプレイが続くのか」

 

NOVA「FFシリーズではよくあることだ。そして、こういうゲームブックが児童書の棚を飾り、作者が国家から騎士の称号をもらう国だぞ、イングランドアメリカのワイルドな荒野銃文化も凄いが、イギリスの陰惨な悪徳都市文化も凄まじい。いわゆるジョジョ第一部の世界観だな」

 

アスト「ジョナサン・ジョースターディオ・ブランドーの物語かよ」

 

NOVA「まあ、物語の雰囲気はともかく、〈物乞い小路〉で処刑すべき相手を探している危ないリーサンは、物乞いが近くに寄って来たので、突然、慈悲の心に目覚めて、3人の物乞いに銅貨を1枚ずつ恵んでやった。つまり、銅貨を3枚使ったんだな。プレイ中は『3人に1枚ずつ』って記述をうっかり読み間違えて、1枚払っただけだったが、今になってミスったことに気付いたぜ。まあ、2枚ぐらいは誤差の範囲だが」

 

アスト「雑な読み方だったんだな」

 

NOVA「否定しない。大事なのは、その際に得られる情報だったから、そっちの記述に注目が移っていた。物乞い情報としては、ガーナード・ジャグルの話題がここでも出てきて、『お宝好きの職人ガーナード・ジャグルが金鉱掘りやらトレジャーハンター稼業やらで失敗続きだったために、成功したトレジャーハンターに逆恨みして、トラップを仕込んだ偽の宝箱を作って、洞窟や迷宮に置くようになった。ガーナード製の宝箱をうかつに開けないように』とのこと。ガーナード製の宝箱の特徴は、中央に甲虫の図柄の飾り彫りのある蓋だそうだ」

 

アスト「それを開けたら、ドカーンって罠か?」

 

NOVA「いや、毒ガスがプシューっと吹き出して死ぬ。宝箱を開けたら死ぬ。これはトレジャーハンターの主人公にとって、超重要情報なんだな。貴重な情報を得たリーサンは、次にとある屋敷に興味を惹かれる。しかし、この屋敷の周りにある物は全て罠だと、悪魔の短剣バイスが囁いてくれた」

 

アスト「何だよ、そのチートな言い訳は?」

 

NOVA「どの選択肢を選んでも罠って嫌だろう? 樽を調べると、ネズミに噛まれそうになって、さらに吸血虫が飛んできて、運が悪いと非衛生的な病気にさらされる。屋敷の扉をノックすると、中から出てきた男に『俺は戸別訪問の物売りが大嫌いだ!』と罵られ、有無を言わさず椅子の脚で殴られる。カッとなって処刑しようと思ったんだが、その前に扉がバタンと閉められた。『相手を処刑する』という選択肢が出ないことに苛立ちを強めたリーサンは仕方なく次の目的地に向かおうとして、ハッと気付く。今のは短剣が見せた幻だってことに」

 

アスト「つまり、ネズミに噛まれたことも、椅子の脚で殴られたことも、なかったことにしたんだな」

 

NOVA「よくある白昼夢って奴だ。そして、次に〈ライオン通り〉という金持ち区画に到着する。ここでは、正面の屋敷に侵入したり、左側の家を見たり、右側のショーウィンドウを覗いたりできる」

 

ダイアンナ「そこも全てが罠だったりしないか?」

 

NOVA「いや、ショーウィンドウはセーフだな。だがまず、左の家を見ると、ヒステリックな女に尿瓶を投げつけられる。俺もゲームブックはいろいろプレイしてきたが、尿瓶を投げつけられたのは初めてだ。幸い、命中しなかったし、中身も入っていない瓶だけだったので、汚物まみれになることはなかったんだが、とにかく『飛んでくる物が尿瓶という辺りに中世都市の生活感覚を味わえて、いかにもFFっぽくて良い』という感想が見られて、笑った」

 

ダイアンナ「そういう物なのか?」

 

NOVA「綺麗事ではない、猥雑な洋風中世リアリティってことだろう。一方、右のショーウィンドウは鍵屋さんだ。〈真鍮の鍵束20本セット〉を金貨1枚で売ってくれる。後でブラックサンドで使う機会があるんだが、なくても大きな問題はない」

 

アスト「だけど、トレジャーハンターにとって、解錠技術や合い鍵は必需品だろう?」

 

NOVA「俺もそう思ったから買ったんだが、ブラックサンドでスリに鍵束セットを盗まれてしまったんだよ。ゲーッと思って、しかも、その後で鍵を使う場面があったから詰んでしまったか? と焦ったが、何とかなったな。とにかく、チャリスのイベントは結局、攻略に必須のものはなく、後々リカバリーできる手段はいろいろあるんだが、プレイ中は何が役に立つか分からないからな。先ずは何がお得イベントで、何が損なイベントなのかを探り探りでうろつき回るのが楽しい。とりあえず、アイテム入手系のイベントは一通りチェックするのが大事、と」

 

ダイアンナ「正面の屋敷はどうなんだ?」

 

NOVA「ブラックサンドの大物がアズール卿であるのと同様に、チャリスの大物は『ホッグハウスのレディ・フランチェスカ・デ・ラ・ヴェット様』らしい。ホッグハウスに侵入しようとすると、通行人から命知らずなマネはやめておけと警告され、それでも強引に屋敷の塀を乗り越えようとすると番犬に吠えられて、落下で怪我をして技術点を失い、しかも屈強な執事と守衛に止められ、無理に突破しようとすると地下牢に放り込まれて、〈武具横丁〉のオーガから鉄の鍵を手に入れていなければ脱出できずに、ゲームオーバーという」

 

アスト「フランチェスカ様とは会う機会もないんだな」

 

NOVA「執事から名前を聞いただけの、謎の貴婦人だな。この顔も見えない謎の貴族さまというのが、続編での登場を期待させていい感じだし、場合によってはAFFシナリオのネタにもなりそうだ。ともあれ、ここでは何も手に入らない上に、ゲームオーバーの危険さえある外れイベントだが、ここまでチャリスの街の雰囲気をたっぷり堪能したら、いよいよ街を出てのオープンアドベンチャーだ。パラグラフ64へ進め」

 

アスト「スカルクラッグまでは行けなかったな」

 

NOVA「慌てない、慌てない。お盆休みまではじっくり、のんびり進めるとする」

(当記事 完)