ウルトロピカルな⭐️GT(ゲーム&トレジャー)島宇宙

南の島と上空の宇宙宮殿を舞台にTRPGや特撮ヒーローなどのおしゃべりブログ。今はFFゲームブックの攻略や懐古および新作情報や私的研鑽メイン。思い出したようにD&Dに触れたりも。

レッドソウル覚醒に向けて

ブログ混成6人パーティー

 

翔花「夏だ!」

 

晶華「山だ!」

 

ハイラス「それでは、ゲームの話……ではないでござる」

 

晶華「だけど、このメンツだと普通に冒険者パーティーが組めそうよね」

 

・勇者・翔花(植物の精霊少女、神霊候補)

・魔法使い・晶華(植物の精霊少女、メガネシルバー)

・忍者・シロ(白虎にしてシーサーの子、パティシエ)

・炎の神官戦士・リトル(青龍にして怪獣王の子)

ドルイド・ハイラス(フォーセリア出自の異世界人、怪獣使い)

・鎧騎士・ケイPジロー(メカドゴラ)

 

シロ「パーティーバランスも悪くはないな。リトルとケイPは前衛で、ボクと翔花は中堅、そしてアッキーとハイラス様が後方支援を担当できる。隠密任務はボクができるし、野外活動はドルイドがプロフェッショナル。足りないところはあるか?」

 

晶華「リウ君の前衛戦闘能力が不安ね。魔神ハンターのゲームでは、炎の神官戦士デルニールとして頑張っているけれど、実戦ではあまり実績がないみたいだし」

 

シロ「こう見えても、ゲンブと日々の鍛錬を頑張っているんだぞ。あのゲンブの攻撃で弾き飛ばされても、立ち上がってくるぐらいタフなんだ。セイリュウ師匠の息子らしく、根性と打たれ強さは目を見張るものがある」

 

リトル「シロ姉さん、フォローをありがとうございますぅ。確かにリウは未熟ですけど、努力と気合では誰にも負けてないですぅ。いつか父さんの子やゲンブ師匠の弟子として恥じない力を身につけてやるんだぁ」

 

ケイPジロー『おめえもゲンブ師匠の弟子なのかぁ。兄弟子としては、可愛がってやりたい気もするッピ』

 

翔花「そう言えば、KP2号ちゃんは亀おじさんから訓練を受けたことがあったわね」

 

ケイPジロー『ええ、イチロー兄さんが無謀にもゲンブ師匠に挑んで、壊されたことがあって、オラが代わりに翔花ママのアシストをしていたッピヨ。その際、コンパーニュで師匠にあれこれ教わったんだッピ』

 

リトル「へえ、そうなんですねぇ。じゃあ、ジロー兄さんと呼んだ方がいいですかぁ?」

 

ケイPジロー『よし、おめえはゲンブ亀仙流の弟弟子だッピ』

 

リトル「思いがけず、新しい兄さんができましたぁ」

 

ケイPジロー『ドゴランブラザーズの新メンバーだッピね』

 

リトル「ドラゴンブラザーズですかぁ。悪くないですねぇ」

 

ケイPジロー『ドラゴンじゃない。ドゴランだッピ!』

 

リトル「それは……お断りしますぅ。セイリュウブルードラゴンですから、ドラゴンなら納得ですが、ドゴラの一族に参入するつもりはありませんのでぇ」

 

シロ「ああ。ドサクサ紛れに、リトルをおかしなグループに巻き込むな。ドラゴンやドンブラならともかく、ドゴランブラザーズみたいなパチモンが大きな顔をしないように」

 

ケイPジロー『パチモンじゃないッピ。ドゴランブラザーズは、2021年に誕生した由緒正しいチーム名だッピ。パチモンだって言うのなら、ドンブラの方が……』

 

翔花「KPちゃん、ドンブラをバカにすると蜂毒バスターで処刑するわよ(ゴゴゴゴゴ)」

 

晶華「ああ、お姉ちゃんから黒いオーラが……KPちゃん、今すぐ謝りなさい(ムチを装着)」

 

ケイPジロー『え? 翔花ママだけでなく、晶華ママまでがシーダー・ウィップを装着した? ケピピピン、過去のトラウマが……(ガクガクブルブル)』

 

ハイラス「花粉症ガールのお二方。それぐらいにされないと、メンタルの弱いジロー殿の回路がまたショートしてしまうでござるよ。ドクター・ウルシェードの強化によって多少は安定したとは言え、母親も同然の花粉症ガール2人に責められたら、いくら何でも保ちますまい。さあ、蜂毒とウィップはおしまいになられよ」

 

ケイPジロー『ゴメンなさい、ゴメンなさい、ゴメンなさい……ドンブラには2度と逆らいません。今後はきちんと勉強するッピ』

 

翔花「分かればいいのよ、分かれば。せっかくジローの名前を持っているのに、ドンブラを見ないのはもったいなさ過ぎる。ドンドラゴクウから、しっかり学びなさい」

 

晶華「だけど、桃谷ジロウからは学ばない方がいいと思うんだけど。これ以上、闇堕ちするキャラが増えるとややこしくなるというのは、経験者だから言えること」

 

 

ハイラス「とにかく、これより屋久杉へ向かうでござるよ」

 

晶華「ちょっと待って。6人パーティー結成なら、誰がリーダーか決めておかない? リーダーとお供の立場が曖昧になると、闇堕ちする人が出て来るかもしれないから」

 

リーダー選び

 

シロ「リーダーか。まさか、アッキーは自分からリーダーに名乗り出ようって腹じゃないだろうな?」

 

晶華「そんなわけないでしょう。このパーティーのリーダーは当然、お姉ちゃんに決まっている」

 

シロ「なるほど、確かにそうだな。翔花がリーダーなら、ボクも異存はない。勇者がリーダーを務めるのも当然だろうしな」

 

翔花「いいえ、わたしはリーダーじゃない。リーダーにふさわしい人は他にいるでしょう」

 

ハイラス「誰でござるか?」

 

翔花「あなたよ、あなた。たった1人の大人で、野外活動のエキスパートが率先してリーダーシップを取らないで、どうするのよ? 引率の先生みたいなものでしょ?」

 

ハイラス「ごもっともでござるが、私が引率の先生ならば、クラスの代表というか委員長みたいなリーダーがいてくれた方がまとめやすいか、と」

 

翔花「だったら、今回のリーダーはリトル君、あなたね」

 

リトル「え? リウがリーダーですかぁ?」

 

翔花「当然でしょう。あなたのレッドソウルを覚醒するために屋久杉に向かうんだから、リーダーはあなた。はい、決定。神託は下った」

 

晶華「神託……って、少し強引すぎない? 何だかお姉ちゃんらしくないけれど」

 

翔花「神霊ロールプレイって奴よ。わたしはリーダーじゃなくて、神霊らしく振る舞って、NOVAちゃんの教育が間違っていないことをガイアちゃんに示す義務と責任があるの。もしもNOVAちゃんの教育がダメ出しされたら、ガイアちゃんがわたしをNOVAちゃんから引き離すかもしれない。そうなったら、ドンブラが見られなくなっちゃう。ドンブラのためなら、立派な神霊らしく見せないと。これが粉杉翔花の生きる道」

 

晶華「ドンブラのための神霊ロールプレイってこと? そこまでドンブラのことが好きになったのか」

 

翔花「そうよ。ドンブラのためなら世界が滅びたって構わない」

 

晶華「いや。世界が滅びたら、ドンブラだって見れなくなっちゃうでしょう」

 

翔花「そうなのよね。だから、ドンブラが最終回を迎えるまでは、世界に存続を許す」

 

晶華「いや。最終回を迎えても、その後でVシネでゼンカイジャーと共演するだろうし、再来年には次の戦隊とも共演するだろうし、10年後には『ドンブラザーズ10イヤーズアフター』だって実現するかもしれない。世界がそう簡単に滅びてもらったら、ドンブラザーズの可能性もそこで終わってしまう。いくらお姉ちゃんでも、ドンブラと世界の二者択一なんてバカなことは言わないで。こういうときは『世界もドンブラもどっちも守るのが真のドンブラ、いや、スーパー戦隊魂』ってものじゃない?」

 

 

翔花「アキちゃん!」

 

晶華「何?」

 

翔花「感動したわ。さすが生まれた時からずっとNOVAちゃんと、ニチアサを見続けたアシスタントガールね。目から鱗が落ちた気分よ。やはり、わたしよりあなたの方がリーダーの座にふさわしい。あ、それよりも、わたしの代わりに神霊をやってもいいわよ。うん、それがいい」

 

晶華「良くないわよ。神霊に選ばれたりしたら、NOVAちゃんと一緒にいられなくなっちゃう。そうなったら、闇堕ちしちゃうのは未来の歴史が証明している。それとも、お姉ちゃんは私を邪神にしたいわけ?」

 

翔花「仕方ないわね。妹を邪神にするぐらいなら、わたしが神霊になってドンブラに祝福を授ける方がマシだと思う。それより、こんな不安定なドンブラ脳だとリーダーシップはとても務まらないので、リウ君がリーダーに決定」

 

晶華「そうね。お姉ちゃんがこれ以上、変な方向に突き進む前に、リウ君がリーダーとして真面目にパーティーを引っ張る方が世界は安泰よ」

 

リトル「な、何だかよく分からないけど、それでお二方が落ち着くのであれば、リウがリーダーを務めさせてもらいますぅ」

 

 

シロ「やれやれ。花粉症ガールが2人で、誰もブレーキをかけなければ、こんなカオス空間が具現化するのか。新星さまの日頃の苦労が想像できた気がする」

 

ワンダリング・トーク

 

晶華「それで、どうして私がハイラスおじさんと先頭を歩いているのよ?」

 

ハイラス「ここはダンジョンではないでござるからな。野外なら野外の隊列があるものでござるし、野外活動に長けたジモティーな私が先頭を歩くのに何の問題があろうか」

 

晶華「ドルイ道おじさんが前なのはいいけど、私がそれに付き合わされるのはどういうことって聞いているの」

 

ハイラス「つれないことを申されるな。アッキー殿は仮にも我が弟子ではござらんか」

 

晶華「私がおじさんの弟子ですって? いつから?」

 

ハイラス「いつから……って、アッキー殿には野外活動のいろはとドルイ道を教えたことがある。まさか忘れたのではあるまい?」

 

晶華「ああ。一時的にそんなこともあったような気がする。でも、おじさんは先生だけど、あまり師匠って目で見ていなかったと思う。私の師匠と言えば、1にNOVAちゃんで魔法とかロードスとかTRPGとかヒーロー魂とかいろいろ教えてもらってる。2にリナ老師で、身を守る武術の先生ってところね。3にシーさんで、スイーツ道を時々学んでいる。おじさんは4人めだけど、ドルイ道はあまり役に立っていない」

 

ハイラス「シクシク。せっかく、ソード・ワールドドルイド技能が採用されて、ドルイドの時代キターって喜んだというのに(涙目)」

 

晶華「そうなのよね。ドルイド技能は【ウイングフライヤー】が便利と思ったけれど、最近はあまり使っていないわね。レベル3で成長が止まっているわ。私の妖精郷キャラのカシュミーラのメイン技能はフェアリーテイマーの妖精魔法だし、私はインドア派だから山ガールとは言えないし、アウトドアの似合わない女、それが私の生きる道」

 

ハイラス「いやいや。生まれてまだ5年足らずで、自分の枠をそこまで狭くして、どうするでござるか? メガネンジャーのリーダー補佐として喝を入れたくなったでござる」

 

晶華「メガネンジャーのリーダー補佐って誰が?」

 

ハイラス「私でござる。疑うのなら、この記事を見よ」

晶華「私の知らないところで、こんな話になっていたなんて。メガネワイルドも初耳なら、私がいつの間にかメガネンジャーのリーダーにされているって、そんなの聞いてない」

 

ハイラス「まあ、メガネンジャーの活動自体、最近は20周年記念の時ぐらいで、普段はこの屋久島の警備が中心の裏方業務でござったからな。アッキー殿も、妖精郷での姉上探しとアシスタントガール業で忙しかったでござろうし、それぞれの日常で頑張って来た。しかし、いざ明鏡戦隊の出動となった際に、活動できるように体を鍛えることは肝要でござる」

 

晶華「なるほど。私の中のシルバーソウル覚醒のためにも、メガネシルバーの自覚を再確認しろってことね」

 

ハイラス「それに今回は夏の3ブログ合同イベントなので、普段とは違う会話の組み合わせを試してみたいという作者の意図が感じられるでござる」

 

晶華「そうか。作者の意図を読み解くのは、言霊魔術の修行に通じるものね。空気を読む。行間を読む。時の流れを読む。読解力がなければ、言霊魔術も、ひいては時空魔術も上達できない。分かったわ、私の道が。作者の意図と空気の読める女を目指す。だけど、お姉ちゃんみたいにドンブラ脳になりたいとは思わないけど」

 

ハイラス「ドンブラは、空気を読む力ではなく、空気をかき混ぜるカオスマジックの系譜でござるからな」

 

晶華「そうなの?」

 

ハイラス「私はそう理解しているでござる。カオスマジックに近いという意味では、私のランダム時空転移現象もその一つ。制御するのは困難を極めたが、大地母神ガイア様の助けで時空転移の呪いに悩まされることはなくなった。しかし、私個人はそれで良くても、世界が新たなカオスの時代に突入しているゆえに、ドンブラをもってカオスに対峙するか、それともメガネンジャーの明鏡の力でカオスの陰にいるインペイダーを暴き出すか、あるいは竜の魂がカオス対策に活用できるものか、いろいろな方策を検討中なのでござる。そのことをアッキー殿にもご理解いただきたいとな」

 

晶華「カオスってのが次のメガネンジャーの敵ってこと?」

 

ハイラス「元々は、ドクター・ウルシェードが警告したのでござる。デーボス軍の百面神官カオスの復活が、来年の『キョウリュウジャー10周年記念』に懸念される、と」

 

晶華「そのドクターさんは、今どうしてるの?」

 

ハイラス「ドクター殿は、カニコングと海上トロールをしているので、今回のエピソードには登場しないでござる」

 

晶華「ああ。元気でやっているのね。最近、声を聞く機会がなかったから」

 

ハイラス「おや、そうでござったか? 先日、ハンマーや斧を使う雷神映画で、神々の王ゼウスの声で呼ばれたと聞いたでござるが」

 

晶華「ソーの映画にドクターさんが? そんなの私、聞いてないし。後でNOVAちゃんに確かめないと。どうも私にいっぱい隠し事をしているみたいだし、いろいろ吐き出させてやるんだから」

 

ハイラス「NOVA殿も必要に応じて情報を小出しにしているのだと思うが。あまり多くの情報を与えられても、上手く処理はできぬものゆえ、目下必要なところから優先順位を決めて順に処理していく。アッキー殿に今、必要なのは何でござるか?」

 

晶華「私の中のシルバーソウルを見出すこと。カオスの出現に備えて自身を鍛えること。そのために妖精女王の物語をコツコツ頑張るってことかしら」

 

ハイラス「ダイノガッツ、キョウリュウスピリットやブレイブ、リュウソウルなど、類似の力は種々観察されるが、怪獣王の魂の分体である通称Gソウルが我らの未来に関わる鍵となろう」

 

緑と赤の魂

 

リトル「それにしても、翔花さんは凄いですねぇ」

 

翔花「えっ、何が?」

 

リトル「何だか自然にリーダーシップをとっているように見えるところですぅ」

 

翔花「別にリーダーシップなんて盗ってないよ。泥棒じゃないんだし〜。ただ、自分が思ったことを自然に口に出しているだけ」

 

リトル「自然体に振る舞ってるってことですかぁ?」

 

翔花「自然体。うん、精霊だからそうかも。だけど、自分一人の気持ちだけだとワガママになるし、他の人の言い分も受け止めないとね。わたしよりも頭のいい人はいっぱいいるし、いろいろな人の意見も取り入れながら、少しでも良かれって思うように生きないとって思う」

 

リトル「他の人の意見もきちんと受け止めるぅ。なるほどぉ。他にはぁ?」

 

翔花「自分が何をしたいか、世界がどうあって欲しいのか、他の人は何を望んでいるのか、どうすればみんなの納得が得られるのか、考えないといけないことはいっぱい……だから、あまり深くは考えない」

 

リトル「はい? 考えないんですかぁ?」

 

翔花「考えるのは、わたしの得意な仕事じゃないし。考えるのが好きな人は、NOVAちゃんやアキちゃん、KPちゃんに、ヒノキちゃんに、他にもいっぱいいるから、わたしはみんなの意見を聞きながら、自分のしたいことをできるように口にして、周りの反応を見ながら自分の間違いを正したり、決断したりする。失敗は恐れないけど、反省だけは素直にして、同じ過ちは繰り返さないよう、しっかり成長して、明日の自分は今日よりも良い自分だって心掛けたいよね。日々是精進、わたしの好きな言葉です」

 

リトル「考えるな、感じろってことですかぁ?」

 

翔花「ドラゴンの道よね」

 

リトル「燃えよドラゴンですねぇ。なるほどぉ、翔花さんはブルース・リーの道を歩んでいるってことですかぁ」

 

翔花「そうかしら。よく分からないけど、時空を翔ける修行の中で、いくつか拳法も身につけたような気がする。赤心少林拳とか、葉問詠春拳とか、電光飛竜拳とか、流星胡蝶拳とか……あくまで見様見真似でかじっただけだし、それでオリジナルの花粉流翔蛾拳なんてテキトーに考えてみたけど、しょせんは我流よね」

 

リトル「花粉流翔蛾拳! それは一体どのような? 見せてもらいたいですぅ」

 

翔花「大したことはないわ。花粉症バスターで相手を眩惑し、蝶のように舞い、蜂のように刺すだけの奇襲攻撃で、殺られる前に三回殺れって感じ」

 

リトル「三回殺れって何ですかぁ!?」

 

翔花「そりゃあ、命は3つまでって聞いたことがあるし、一回倒してもボスクラスの強い敵はしつこく復活して来るしね。本気で戦うなら、相手を3回仕留めるつもりで徹底的に打ちのめさないと後悔する。それだけの覚悟を決めて、戦いに臨めって教えよ」

 

リトル「翔花さんって、思ったよりも覚悟完了している人だったんですねぇ」

 

翔花「いつでもそうってわけじゃないわ。普通は3回も仕留めるほど相手を憎むことって滅多にないじゃない? 3回仕留めるぐらい覚悟が定まらないうちは、うかつに戦いを仕掛けないのも知恵ってものよ。一番ダメなのは、中途半端な気持ちで誰かや何かを攻撃して、いたずらに敵を増やしてしまう浅はかさ。敵対するなら3回殺るつもりで徹底的に、そこまでの覚悟が持てないうちは戦わずにいなせ。言葉にすると、こんなところかしら」

 

リトル「そういう覚悟があったから、スペースGを撃退できたんですねぇ」

 

翔花「スペースGかあ。あいつを倒したせいで、コロナが世界中にバラまかれたんじゃないかって、悩んだこともあったのね」

 

リトル「コロナ禍はスペースGを撃退した余波なんですかぁ?」

翔花「それが本当かどうかは分からない。だけど、わたしはそう感じたので、自分の過ちを正すために、コロナの元凶を倒したいって心から思ったの。そうしたら、いろいろとあって妖精郷に封じ込められて、NOVAちゃんやアキちゃんに助けてもらった。その時に、わたしは心の底から思ったの。わたしはバカだって」

 

リトル「……」

 

翔花「独り善がりで突き進んで、自分の思い込みを問いただすこともしなかったのね。それと同時に、自分を助けてくれる誰かがいて、その人たちを傷つけ悲しませるようなマネをしていたら、それは正義じゃないだろうって。少し自分に思い上がっていたなって感じたりもしたので、もっと周りの人の気持ちを大事にしようって思えたら、グリーンソウルが覚醒したわけ」

 

リトル「えっ?」

 

翔花「リウ君が聞きたかったのって、そういうことでしょ? リーダーシップがどうこうよりも、どうすればレッドソウルが覚醒するのかって。

「わたしは勇者だとか、神霊候補だとか、いろいろ持ち上げられてるけど、バカで考えなしに突き進むこともしょっちゅうだし、失敗だって重ね続けているし、いろいろな人に迷惑をかけたり助けられたりもして、これまで何とかやって来れた。時空を翔ける花粉症ガールとして、いっぱい経験を積み重ねてもいるんだけど、力に相応しい精神性を備えているかって聞かれたら……まだまだ学ばないといけないことはあるって思ってる。グリーンソウルは、そんな未熟なわたしの若葉マークみたいなものじゃないかなあ」

 

リトル「グリーンソウルが若葉マークって……」

 

翔花「そう。それがゴールじゃなくて、わたしの新たなスタート地点。わたしは生まれた時から修行やバトルに明け暮れていたけど、自分らしさは何だろうって思ったら、NOVAちゃんとの絆が原点だろう、と。そこでNOVAちゃんとの新たな生活を再スタートする象徴がグリーンソウル。ソウルの意味って何だろうって考えたことはある?」

 

リトル「はい、ずっと考えてます」

 

翔花「考えすぎよ。感じなさい。ブルーソウルは、セイリュウさんとリウ君の絆。グリーンソウルはたぶん、わたしとNOVAちゃんやアキちゃんたち、わたしを助けてくれた人の絆。だったら、レッドソウルは誰との絆になるのかしら?」

 

リトル「……アリナ様やゲンブ師匠との絆でしょうか?」

 

翔花「それが正解かどうかは分からない。だけど、あなたの魂がそう感じたなら、答えは自然と湧き上がって来るんじゃないかしら? あなたの中の炎として」

 

リトル「リウの炎。絆の力。考えるより、感じろ。竜の道……いろいろ見えて来た気がします。ありがとうございました(ペコリ)」

 

翔花「上手く行くといいわね。はい、これで粉杉翔花の神霊ロールプレイはおしまい♪」

 

リトル「ロールプレイって……」

 

翔花「神霊だったら、こう言うだろうって感じたことをテキトーに並べてみました。同じことはもう一度言えません。一期一会、わたしの好きな言葉です♪」

 

シロとジロー

 

シロ「それで、どうしてボクとお前がペアなんだ?」

 

ケイPジロー『余り物コンビだッピ』

 

シロ「誰が余り物だ」

 

ケイPジロー『だったら、はぐれ悪魔コンビ?』

 

シロ「はぐれてもいないし、悪魔でもない」

 

ケイPジロー『シロとジローで名前が似ているとか?』

 

シロ「シロとジローと言えば、北条四郎時政と三浦次郎義澄。先週、次郎の方が死んだ。さらにジローと言えば、佐藤二朗さん演じる比企能員がもうすぐ北条時政の罠にハマって死ぬ。あと、江間次郎は善児に殺された」

 

ケイPジロー『何の話だッピ?』

 

シロ「鎌倉殿の13人だよ。見てないのか?」

 

ケイPジロー『今年はTVを見ない生活になったッピ。屋久島の風光明媚な景色と、海の幸、山の幸だけで、人は生きていけるッピよ』

 

シロ「お前は人じゃなくて、ドゴラだろう」

 

ケイPジロー『訂正。屋久島の自然さえあれば、ドゴラは生きていけるッピ』

 

シロ「別にTVのない生活をしようが構わないが、今はドンブラや鎌倉殿の話ができないと、このブログ世界の流れについて行けないんじゃないか?」

 

ケイPジロー『大丈夫。TVはなくても、YouTubeがあれば十分時間はつぶせる。今の旬は、仮面ライダーW仮面ライダーエグゼイド、それに仮面ライダー2号、戦隊は恐竜戦隊ジュウレンジャー手裏剣戦隊ニンニンジャー轟轟戦隊ボウケンジャー、あと宇宙刑事ギャバンと最近始まった平成のロボコン、それとウルトラマンデッカーが見られるので、十分な特撮ライフが堪能できるッピ』

 

シロ「そりゃあ、それだけの作品を見られるのは凄いと思うがな」

 

ケイPジロー『昭和や平成の偉大な名作群に比べれば、令和の戦隊やライダーは何とも質が落ちて、見ていられないッピ』

 

シロ「おいおい。お前個人の意見としてはOKなのかもしれんが、ドンブラやリバイス、それにギーツに期待するファンを敵に回すような暴言は控えろよな。少なくとも、ドンブラを攻撃すると、翔花を敵に回すのは明らかだ。個人の意見としても、真っ当な人間関係を大事にしたいなら、言って良いことと悪いことの区別はしっかり付けた方がいいだろう。他人が好きなものを攻撃していて、その相手と仲良く付き合えるとは思わない方がいい。うかつな失言は災いの元だ」

 

ケイPジロー『そうみたいだッピね。翔花ママが重度なドンブラ教信者になってしまって、家庭崩壊になってしまうなんて。こうなったらドンブラを放送してるテレ朝の社長を手製の銃で襲撃して……』

 

シロ「物騒なことを言ってるんじゃない。先月、日本の元総理が同じようなテロにあったばかりだ。不謹慎なネタにも程がある」

 

ケイPジロー『何と、そのようなことが……。知らなかったッピ。日本の元総理がドンブラ教信者だったなんて……』

 

シロ「ドンブラ関係ねえ。とにかく、お前が今の令和4年に取り残されていることはよく分かった。TVは見ない、YouTubeだけにしても、時事問題ぐらいはしっかりチェックしろよな」

 

ケイPジロー『時事問題。テストに出るかも知れないッピね。大手進学塾でも対策してるようだッピ』

シロ「へえ。侮辱罪が厳罰化かあ。インターネット上での悪口には、いっそう気を付けないといけないんだなあ」

 

ケイPジロー『侮辱罪の処罰範囲の事例は、例えば、このようなケースが見られるッピね』

https://www.moj.go.jp/content/001375709.pdf

シロ「つまり、不特定多数の見ている前、聞いている場所(インターネットの掲示板やSNS含む)で『特定人物の悪口を言いふらす(書き上げる)こと』がダメなんだな」

 

ケイPジロー『公正な論評ならOK。役者の演技が上手とか下手とか、声優の声が可愛いとか可愛くないというのも論評かな。作家の作品がつまらないというのも批評だけど、有名人の職業と関係ないプライベートでゴシップネタをあれこれ吹聴するのは危険だッピね』

 

シロ「ゴシップ雑誌の記事はどうなるんだ?」

 

ケイPジロー『あれは仮に罰金刑を科されても、元が取れるぐらい収益が出れば(売れれば)、差し引きで得をするように計算されているッピ。だから、営利企業の出版社が政治家のスキャンダルを書いても、それを面白がってお金を払う読者が一定数いるなら、書いた方が得という形だけど、そのスキャンダル記事を個人がどこかに書き写したりするのは、いざ罰金が科されても補償されないから損をするッピ。最悪、書いた者だけでなく、書かれた悪口を放置した管理人にもとばっちりが来る可能性があるから要注意だッピね』

 

シロ「管理人が『こういう書き込みは迷惑になるからやめてくれ』と言ってるのに、続けるような行為は言論の自由の範囲を逸脱した、相手にリスクをもたらす意味での攻撃となるんだな。真っ当な社交感覚の持ち主なら、相手が迷惑だと言っている行為は繰り返さないし、他人の迷惑に鈍感で自分の主張だけをまくし立てる輩は、話せば分かる人間に値しないと見限られても仕方ない……って、そういう話をしたいわけじゃないだろう?」

 

ケイPジロー『時事問題とか、不謹慎ネタとか、ワイドショー的な各種ゴシップネタとかは、個人の責任範囲で適度なオブラートに包みながらやるならブラックユーモアとかジョークの類と見なせるけど、そのジョークが場において受け入れられるかどうかは、個々の人間関係の話だッピ』

 

シロ「ジョークが受け入れられないケースもあるってことだよな」

 

ケイPジロー『そう言えば、変なメールが届いたけど、何じゃこりゃと即削除した一件があったッピよ』

 

シロ「よくある話だな」

 

ケイPジロー『リバイスって悪魔ライダーの話で「政府がコロナワクチンに似た悪魔除去スタンプを押して、それに反対する主役ライダー」って描写があったらしいッピね』

 

シロ「ああ、あの描写は視聴者の多くの失笑を買ったらしいな。そもそも、あの悪魔除去スタンプは人の中の悪魔エッセンスをギフ様への供物として捧げるのに利用されたと後から語られたんだな。仮に悪魔エッセンス=コロナウィルスの比喩だとするなら、ギフ様はコロナウィルスを回収してくれる癒しの神ということになるし、逆に悪魔除去スタンプの実態が悪魔培養スタンプで、人類を悪魔プラントとしてギフ様の家畜扱いで飼い慣らすことを敵が目論んでいたのか、いまいちその辺の作劇意図が分からなかった。下手にコロナ禍をイメージした描写をしたために、かえって製作陣が何を見せたいのか解釈しにくくなったと思う」

 

ケイPジロー『リバイスのストーリー展開はオラには分からないッピが、怪メールによると、「リバイスの敵がワクチン推奨派で、リバイスが反ワクチン派だから、反ワクチンが正義じゃないですか」という主張で、反ワク勝った宣言みたいな内容だッピ』

 

シロ「別にリバイスは正義を主張したライダーじゃないのにな。むしろ行き過ぎた正義の暴走を、悪魔と共闘することで抑え込もうとしたライダーで、もしも悪魔=コロナウィルスという意識で、ウィズコロナとかコロナは友だち理論でライダーを描いた(ブラックジョーク好きの脚本家だから、そういう暗喩の可能性も想定内)んだったら、その主張は面白くないと考える。どっちにしろ、リバイスは悪魔に対する価値観が前半と後半、そして終盤で大きく変わっている感じなので、一場面だけ切りとって作り手が反ワクチン思想の持ち主かどうかも断定できないわけで」

 

ケイPジロー『相変わらず反ワク思想ってアピールしたいメールなのは分かったけど、「一方的なメールの差し出し相手は3回のワクチン接種を済ませていて、まともな社会生活を営むには反ワクアピールはリスクが高いという良識で行動している」のに、仮面ライダーが反ワクだからワクチン接種は間違っていると訴えて、そういう理屈で納得させられると考えている時点で頭おかしい浅はかさだッピね』

 

シロ「仮面ライダーファンだからって、別に仮面ライダーの全てを盲信しているわけじゃないのにな。反ワクを正当化する根拠には全くならないんだが。仮に悪魔がコロナウィルスのメタファーなら、ウィズコロナで記憶が破壊されて、家族との思い出も大切な温泉のことも忘れ去ってしまう主人公って、かなりキツいんだけどね。ウィズコロナのリスクが脳に障害の残る『ブレインフォグ』ということなら、感染リスクを極力減らしたいと考えるのが真っ当な良識だと思うし、反ワク信者がろくにコロナ対策をしていないノーガードを主張するなら、すでに脳障害に陥っている可能性も考えられるな」

 

ケイPジロー『おっと、それ以上は厳禁だッピよ。不特定多数の見ている場所で、「脳障害なんて、特定人物を揶揄するようなことをまくし立てる」のは侮辱罪が適用される危険性があるッピ』

 

シロ「まあ、有名人や政治家と違って、その人物を特定するような名前や住所は触れていないし、『非実在人物として創作した、ただの悪縁鬱男です』と言い張れば、侮辱罪は適用されないんじゃないかなあ」

 

ケイPジロー『それを最終的に判断するのは、オラたちじゃなくて官警や法律家だから、あまり危険な領域に踏み込まないのが賢明だッピ。あくまで、「おかしなメールに記された特撮番組や反ワク思想に対する論評」の域で話を留めておくのが吉だッピよ』

 

シロー「ところで、ボクたちの屋久島での会話がこんな悪縁鬱男でいいのか?」

 

ケイPジロー『ドゴラとシーサー。マイナーはぐれ怪獣コンビだから仕方ないッピよ』

 

シロー「ドゴラはともかく、シーサーをはぐれ怪獣にするな。琉球の守護神なんだぞ」

 

ケイPジロー『そっちが琉球なら、こっちは福岡県北九州市で暴れた宇宙大怪獣だッピ。日本初の宇宙怪獣として、山の日という祝日も設けられているッピ』

シロ「だったら、シーサーの10年先輩と見込んで、ドゴラに質問してみよう。ホワイトソウルって、どうやったら覚醒すると思う?」

 

ケイPジロー『ホワイトソウルって美味しいッピか? 炭素でできているなら、一度食べてみたいッピよ』

 

シロ「ドゴラに聞いたボクがバカだった」

 

ケイPジロー『ドゴラはドゴラでも、ただのドゴラじゃないッピ。世にも珍しいネコミミ仕様のメカドゴラだッピ。ドゴラえもんと呼んでくれてもいいッピよ、のび太くん』

 

シロ「誰がのび太くんだ。大体、ドラえもんに耳はないだろう。ネコミミだったら、ボクも負けてない」

 

ケイPジロー『だったら、ネコミミ怪獣同士、これからも仲良くするッピ。ホワイトソウルの覚醒には、ドゴランブラザーズに加入することが必須条件だッピよ』

 

シロ「誰が信じるか。今度、新星さまに聞いて確認する」

 

ケイPマーク2『今だと、特別にドゴランシーサーの称号を与えるッピよ』

シロ「それこそドラゴンシーザーのパチモンネーミングじゃないか」

 

神代の樹を前に

 

晶華「……と、三組三様、いろいろな話をしている間に、私たちは目的地に到着しました」

 

翔花「途中の景色が、いかにも原始の森って感じで、雄大な調べが聞こえて来るかのよう」

シロ「昔、この辺はスペースGのせいで水晶に蝕まれて、大変だったんだがな」

 

リトル「大地母神ガイア様と、ドルイ道おじさんのおかげで、ここまで見事に自然が回復したんですねぇ」

 

晶華「惜しむらくは、道中、1匹のモンスターも倒せなかったこと」

 

ハイラス「当たり前でござる。今の屋久島には、森の秩序を脅かす混沌の怪物は1匹も生息しておらぬ。ここにいるのは天然自然の生き物が主で、ヤクシカやヒメネズミ、ニホントカゲなど大人しい生き物ばかり。唯一危険なのは毒ヘビのマムシであろうが、ドルイドである私が先導してきたゆえ、獣が害を為す謂れがござらん」

 

晶華「だけど、これだけのメンツの勇者一行が集結したんだから、バトルイベントを期待するじゃない? スペースGの水晶のかけらが残っていて、気づけば異常増殖したので、退治することを要請されるってありそう」

 

セイリュウinハイラス『さすがに、そういうことにはならないよう警戒しているがな』

 

シロ「あっ、師匠」

 

リトル「父さん」

 

晶華「セイリュウG様」

 

セイリュウ『ようこそ、ここまで来た。Gソウルの継承者たちよ』

 

晶華「って、あれ? お姉ちゃんは?」

 

シロ「いない? いや、屋久杉の枝に?」

 

翔花(トランス状態)『大地を司る祖霊ガイアよ。今、我は神霊の巫女の習いに従い、汝の思念を喚び起こさん。その御声を大樹を通じて民に伝えるよう求めるものなり』

 

ガイアin屋久杉『我が遠き娘、杉の花粉の化身たる汝、翔花の祈りに応えて、我、地上の民に言葉を伝えん。ありがとう、翔花。これで私も他の人たちに挨拶することができます』

 

翔花「んもう、突然、人の体を乗っ取って、召喚魔法を掛けさせないで」

 

ガイア『だって、あなたは巫女として修行不足だから、自分で神下ろしの祝詞を唱えられないでしょ? だったら、私の思念とリンクさせるしかないわけで』

 

翔花「今度から、人の体に入る時には、きちんとノックして、相手の同意を求めてよね。わたしにだって、プライベートとか心の準備ってものがあるんだから」

 

ガイア『それは人の世界のマナーであって、神霊のルールではないわけで』

 

翔花「わたしは人の世界で生きているのであって、まだまだ神霊の世界に入るつもりはないんだから」

 

 

セイリュウ『やれやれ、ガイア殿。娘御との言い争いは後にして、客人に挨拶をするのではなかったのか?』

 

ガイア『ああ、そうでしたね、セイリュウよ。まずは獣の皇子シロ。続いてセイリュウの子のリトル。最後に……我が遠き娘の分魂(わけみたま)とも言うべき、アキハでしたね。我が求めに応じ、屋久島へようこそ』

 

晶華「初めまして、ガイア様。いえ、20周年記念の時に一応、お目見えなさってはいるのですが、改めて挨拶を申し上げます。花粉症ガール2号にしてメガネシルバー、またの名を秋風の化身アキカイザー、そして異世界では地の大妖精タイタン様に導かれし妖精使いにして森羅導師カシュミーラ・ミルモワールの名を持つ、時空魔術師Shiny NOVAの次女、粉杉晶華を今後ともお見知りおきを」

 

ガイア『あら。あらあらあらあら。ずいぶん多くの肩書きをお持ちのようですね。これはまたご丁寧な挨拶を。もしかして、こちらの娘の方が神霊にふさわしいのでは?』

 

晶華「そ、それは謹んでお断りします。神霊なんて大儀な務めは、私めには過分すぎて、とてもとても……。この口上は、我が父から学びしもの。姉の翔花も3年ほどを父の元で過ごせば、身につけることでしょう。それまでは姉を、私や父から召し上げることのなきよう、お願い致します」

 

翔花「アキちゃん……ありがとう。でも、どうして3年?」

 

晶華「深い意味はないわ。強いて言えば、2025年にスーパー戦隊シリーズ50周年記念で、いのち輝く妖精ミャクミャ君が関西で大暴れする予定だからよ。ミャクミャ君に対抗できるのは、花粉症ガールのお姉ちゃんしかいない。関西から粉杉翔花を奪うと、世界にどんな異変が起こるか分からない。だから、2025年が大事……ってNOVAちゃんが言っていたような気がする」

 

ガイア『それは……本当ですか?』

 

晶華「NOVAちゃんの言葉だから、半分は妄言よ。信じるか信じないかは、ガイア様次第ですね」

 

ガイア『セイリュウ、どう思いますか?』

 

セイリュウ『うむ。父親同様、空想妄想おびただしき娘ではあるが、根拠もなしに悪意で嘘をつくようなことはしないはず。事実、スーパー戦隊の第1作「秘密戦隊ゴレンジャー」が開始したのは1975年。ミャクミャクなる妖怪っぽい何かが2025年の大阪万博でのイメージキャラクターに取り上げられたのも事実。その年に世界にどんな異変が起こるかも、確かに分からない。嘘は申していないであろう』

ガイア『ミャクミャクですか。確かに、平和になった屋久島の地では想像しにくい異形の魔物ですね。もしかすると、スペースGの遺した怪物体かもしれません。分かりました。このミャクミャクという存在の謎を突きつめ、完全消滅を確認するまでは、我が遠き娘、翔花よ。関西の大地の平和は任せるとしましょう。世界中にミャクミャクの魔の手が伸びないよう、頑張るのですよ』

 

翔花「え、本当に? 神霊の世界に入らなくていいの?」

 

ガイア『神霊の仕事は大地の平和を守ること。今の世界は、スペースGの残滓であるコロナと、戦争や相次ぐ環境異変のためにピンチを迎えています。この屋久島の地に引きこもっているだけでは、我が加護も伝わらないようです。ならば、人の世界で神霊候補のあなたが成長することこそが未来の大地のため。この平和な地で成長が望めない以上は、外の世界で怪異ハンターとして戦うこと。これが何よりも成長につながるはず。違いますか?』

 

翔花「違わない。NOVAちゃんやアキちゃんといっしょに、関西の地で頑張ります(ニッコリ)」

 

ガイア『うん、いい笑顔ですね。さて、アキハ。翔花の妹として、しっかり者のあなたが側に付いていると、安心できそうです。だけど、嘘はいけません。次からは時空魔術師のせいにするのではなく、あなた自身の言葉で私を説得しなさい。小狡い性格では、シルバーソウルには到達できませんよ。メガネシルバーは人を陥れるような卑怯者ではないはずでしょ』

 

晶華「は、はい。今度から正々堂々と空想妄想パワーで言霊魔術を使います」

 

ガイア『訂正。メガネシルバーは人を陥れて、神をも謀るような大それたトリックスターかもしれませんね』

 

セイリュウ『だけど、ハッピーとラッキーを広げようと頑張る一途な娘でもある。姉とは違う個性だからこそ、補い合えるものもあろう』

 

ガイア『その資質は見守らせてもらいましょう。さて、ではコンパーニュの2人、シロとリトルには特に説教すべきことはありません。そなたらのことは日野木アリナが責任を持って育ててきたゆえ、私がうるさく言うことでもありません。ただ、今回はレッドソウル覚醒の儀ということで、2人は我が前で戦いの試練を受けてもらいます』

 

シロ「戦いですか?」

 

リトル「誰とですかぁ?」

 

セイリュウ『わしじゃよ』

 

リトル「ええっ、父さんとですかぁ(呆然)」

 

ガイア『正しくは、セイリュウが日野木アリナや時空魔術師から託されたデータをもって、仮想の戦いを行なってもらいます。機械ドゴラよ、データを準備してください』

 

ケイP『承りましたッピ。今からデータをプリントアウトするッピよ』

シロ「こ、これは魔神ハンターの……」

 

リトル「デルニールとホリー姉さんのキャラクターシート最新版ですねぇ」

 

ケイP『それと翔花ママたちの方も、準備OKだッピ』

晶華「こっちは、カシュミーラと……」

 

翔花「わたしのエマ・ショーカのデータ」

 

セイリュウ『さあ、ダイスを渡すゆえ、これより、お前たちには神前TRPGのバトルを行なってもらう。このバトルの熱気が、レッドソウル覚醒の儀に通じるゆえにな』

 

ガイア『以前、私は、時空魔術師がウルトロピカルを立ち上げるに当たって、天空宮殿をこの地に下ろすための力を貸す代償として、神前TRPGを所望したのです。その約束を果たしてもらえるのが、この夏の大イベント。妖精女王ズと魔神ハンターの二つのリプレイシリーズのキャラクターが揃って戦う大祭り。時空魔術師が提案したバトルで、我が遠き娘たちや、セイリュウの息子たちの成長具合を見届けるとしましょう』

(当記事 完。次回の次回……のそのまた次回、『神前TRPGバトルの儀』につづく)