ウルトロピカルな⭐️GT(ゲーム&トレジャー)島宇宙

南の島と上空の宇宙宮殿を舞台にTRPGや特撮ヒーローなどのおしゃべりブログ。今はFFゲームブックの攻略や懐古および新作情報や私的研鑽メイン。思い出したようにD&Dに触れたりも。

「危難の港」攻略感想(7)

ヤズトロモの塔への帰還

 

NOVA「長かった『危難の港』感想記事も、ようやく今回で終了だ。ニカデマスさんをアズール卿の宮殿から救出し、荒くれ船乗りたちの犠牲を惜しみつつ、船でブラックサンドを脱出し、付近の小村フラックスに戻ってきた」

 

アスト「ストームハートは元気だったか?」

 

ダイアンナ「預けていた馬の安否を気遣うのか」

 

アスト「当たり前だ。馬が登場すると、我が事のように嬉しくなる。お前が宝石のことを気に掛けるようにな」

 

NOVA「安心しろ。ストームハートは無事だ。ドッド&クリス夫妻は、きちんと世話をしてくれていたみたいだな。ドッドさんから借り受けていた小船は帰って来なかったが、ブラックサンドの脱出に利用した上等な船に、満足してくれたようだ。そして、夫妻の家で一宿一飯を頂戴することになる。

「ザンバー・ボーンへの復讐を誓っていた石工ホーレスの妻ルアンナさんは、クリスさんに宥められて、このフラックスで新たな生活を送ることを決めたらしい。まあ、冒険では素人の彼女が付いて来ても足手まといは否めないからな。ザンバー・ボーン退治は必ず果たしてみせる、とリーサンが誓ってやると、彼女は、お願いします、と深々と頭を下げた。ただ、この〈悪魔の短剣〉にかけて……と言うと、少々引かれてしまったようだが」

 

ダイアンナ「せめて、フリントロック銃にかけてとか、〈蜻蛉のペンダント〉にかけてとか、違うものにしなよ」

 

NOVA「しかし、この武器とは長い付き合いだからな。だったら、いい名前を付けてやろうか」

 

アスト「バイスと名付けたはずだが?」

 

NOVA「いまいち定着しないし、元ネタの番組がまもなく終了するから、違う名が良かろう。作り手がサイクロプスのサイなので、サイ・クロンがいいかな。悪魔と相乗りする勇気ってことで」

NOVA「ということで、〈悪魔の短剣(サイ・クロン)〉と呼ぶことにする。サイ・クロンにかけて、ザンバー・ボーンを倒すことを誓うわけだ」

 

アスト「ゲーマーだったら、サイコロにかけて、と言うべきかもな」

 

NOVA「ともあれ、ニカデマスを同乗させて、ストームハートが疾駆する。しかし、途中のラルゴの村で行商人のトラヴィス・トレーナーと遭遇して、最後の買い物タイムがあるんだな。金貨10枚の〈服従の宝珠〉、同じく金貨10枚の〈召喚の角笛〉、そして金貨20枚の〈毒剣(ヴェノムソード)〉が売りに出されていた。どれを買うかを悩んだ末、金貨40枚で全部買うことにした」

 

アスト「そんなに持っていたのかよ」

 

NOVA「持っていたんだな、これが。結局、有用だったのは〈毒剣〉だけだったが、最終決戦でアイテム不足で詰むのは避けたかったしな。まあ、再プレイをするなら、〈毒剣〉を絶対に買い逃すなってことになる。売り文句では『一つ目』よりも鋭く、冥府のデーモンの落とし子さえ倒せるほどの魔力が秘められているらしい。何だか眉唾だな、と思ったが、事実だった。この剣がなければ、いかにスーパー・リーサンであっても勝てなかったろうな。こいつを装備することで、リーサンは悪魔海賊から悪魔の毒々海賊にパワーアップした次第」

 

ダイアンナ「どんどん邪悪度が増していく感じじゃないか」

 

NOVA「ついでに、〈毒剣〉にもジョーカーと名付けようか、と今、思った」

 

アスト「さあ、お前の罪を数えろってか」

 

NOVA「気分は仮面ライダーってことでストームハートをさらに走らせる。そしてダークウッドの森に入ると、スケルトンの軍勢が行進しているのが目についた。そのまま真っ直ぐ突撃すると、死んでゲームオーバーになる未来が見えたので、迂回するしかない。回り込んで辿り着いたヤズトロモの塔は邪悪な魔力に包まれ、新たなダークタワーと化しているようだ。それでも、絶望そうな表情のハカサンがこちらに気づいて、塔の中に入るように叫んでいる」

 

ダイアンナ「大丈夫なのか?」

 

NOVA「かろうじてな。しかし、塔が完全に闇の勢力の手に落ちるのも時間の問題だ。ヤズトロモさんは駆けつけてきたニカデマスさんと友愛の抱擁を交わし、最後の決戦の準備を整えに入る。パラグラフ279番からがクライマックスだ。地獄を楽しみな」

 

アスト「いや、それは違うライダーだろう?」

 

NOVA「だったら、こうか。さあ、ランチタイムだ」

 

 

髑髏魔神VS腹ペコ悪魔の毒々剣士

 

NOVA「こうして、復活したザンバー・ボーンの軍勢に挑む、正義のW魔法使いと、シノビ娘と、腹ペコ剣士のアランシアの平和をかけた最終決戦が始まるのだった」

 

アスト「主役だけ、どうして言い方が格好悪いんだよ!?」

 

NOVA「だったら、悪魔の短剣サイ・クロンと毒剣ジョーカーを装備した、運命の神に選ばれた魔剣士とでも呼ぶか? それにしても今回のザンバー・ボーンのイラストは何だか威厳に欠けるんだよな。文章の記述では、スケルトン4体に担がれた玉座の上に腰を下ろしているんだが、今の時期だとこいつのように見えて仕方ない」

NOVA「パラグラフ279番のザンバー・ボーンは、俺の脳内では魔神輿に担ぎ上げられたドンバー・暴ンに変換されてしまっている。文章でも、『ザンバー・ボーンが狂ったように笑いながら、玉座の上に立っている』という表現で、暴太郎戦隊っぽいなと思ったし、何だか忠誠を誓いますと膝まづきそうなオーラを感じたが、その時、ザンバー・ボーンが腕を空に向かって掲げて、虫の群れを召喚するんだな」

 

ダイアンナ「それはインセクト・スウォームの呪文か」

 

NOVA「ああ。このままだと体力点4のダメージを受けて、技術点1を失うことになっていたはずだが、契約悪魔のカゲロウが助けてくれた。すなわち〈蜻蛉のペンダント〉の魔力が発動して、防虫効果で虫を寄せつけない。その間に、ヤズトロモが《火山》の呪文を発動させて、敵が召喚した虫の群れを破裂させた。ザンバー・ボーンは玉座の上で激怒し、魔界から来た触手付きの愛獣クァグ・シュグスを前に出させる。正直、ザンバー・ボーンよりもクァグ・シュグスのイラストの方が恐ろしく威厳あるように描かれているな」

 

アスト「そいつは確か毒剣が有効だったんだな」

 

NOVA「ああ。基本の能力は技術12、体力13の本作最強能力の化け物だが、デーモン殺しの毒剣は特効で技術点+3のボーナスを与えてくれる。正にデーモン退治の切り札ジョーカーで、こちらの技術点は15に上昇した形。3差なら余裕勝ちといったところだ」

 

ダイアンナ「毒剣がなければ?」

 

NOVA「こちらの攻撃力が4点下げられるので、実質的に技術点が8になって、そりゃあ勝てんな、と。とにかく毒剣必須のバトルで勝利すると、ザンバー・ボーンは激怒して、リーサン・パンザの名を呪うんだ。おや、こちらの名前を知っていたのか、と意外な気持ちになるが、たぶん戦う前に名乗っていたのかもしれない。

「ここでニカデマスさんが【炎蛇の指輪】を装備しているかどうかが問われ、未入手ならザンバー・ボーンが率いるスケルトンの軍勢を押しとどめることができずに、ハカサン共々リーサンは戦死してゲームオーバー。しかし、【炎蛇の指輪】を入手済みだったので、ニカデマスさんの放つ炎がザンバー・ボーンの動きを封じ、反撃のタイミングが到来した」

 

アスト「そこで〈悪魔の短剣〉で斬り込むんだな」

 

NOVA「それだと、たちまちゲームオーバーだよ。接近戦は禁物なので、フリントロック銃に決まっている。ハカサンが周囲のスケルトンをリーサンに寄せ付けないよう刀を振るって奮戦している間に、こちらは必殺の弾丸を放つわけだ。技術点以下の出目でザンバー・ボーンの頭蓋骨は吹っ飛ぶ」

 

アスト「技術点12だと失敗することはないな」

 

NOVA「それだと緊張感が足りないと思うなら、12の出目はファンブル自動失敗と考えればいい。その場合、2発めを撃つ余裕もあるし、最後の希望として〈悪魔の短剣〉を投げて、D6の出目5か6でも髑髏魔神の頭蓋骨を粉砕できる。とにかく、頭蓋骨を粉砕されたザンバー・ボーンの体は最後の力でリーサンを呪うかのように指差し、塵と化して消えた。

「まあ、完全に滅びたわけではなく、また魔界で力を蓄えて復活するだろう、とニカデマスさんが言い、それに対してヤズトロモさんが『それは今すぐのことではない。当面はアランシアは平和を取り戻した』と宣言する。主人の崩壊を追うかのように、スケルトンの軍勢も全て崩れ落ちて行ったからな。こうして、悪魔に呪われし宿命の剣士リーサン・パンザの当座の冒険は終わった」

 

戦勝の祝宴と感想

 

NOVA「そして、ようやくパラグラフ400番だ。いつものパターンだと、大体、使命を果たしておめでとう、めでたしめでたしと比較的、素気ない文章で終わって、特別に気の利いたエピローグはあまり見られないのが昔のFFシリーズの定番だが、本作は最後の文章も小説風味で読み応えがある。

「個人的にFFの最後のパラグラフの文章でストーリー的に味わい深く感銘を受けたのは、これまで『モンスター誕生』ぐらいだったんだが、今回は『最初は残飯漁りに落ちぶれた不幸主人公が報われた喜び』と『続編などへの期待』、そして何よりも『ヤズトロモ、ニカデマス、ハカサンと主人公の4人の賑やかな宴が生き生きと描かれているキャラクター性豊かな描写』のおかげで、味わい深く読み終えることができた。エンディングが面白いFFゲームブックは珍しいからな」

 

アスト「普通は、ゲームを攻略できた達成感で、素気ない文章も気にならないからな」

 

NOVA「でも、コンピューターゲームだと、エンディングがご褒美みたいに思わないか? 特にストーリー性の高いRPGや戦記ものシミュレーションゲームなどは、エンディングで感動できるかどうかも評価基準になるし、ラスボス倒したら、いきなりスタッフロールが流れて、キャラたちのその後が描かれないと手抜きみたいでがっかりさせられる」

 

ダイアンナ「ゲームじゃなくても、特撮ヒーローでラスボス倒して、ヒーローたちが日常に戻る様子が描かれないと物足りないね」

 

NOVA「ともかく、今回、ヤズトロモとニカデマスの2人が揃い踏みしたことで、この両者の性格の違いが初めて分かったような気がする。どちらも気難しい老魔術師で似たようなもんと思っていたけど(甘党のヤズトロモと、うっかり屋のニカデマスという印象はあるが)、今回の話を見る限り、陽性で楽観的なヤズトロモと、陰性で悲観的なニカデマスという違いかな。まあ、ニカデマスは今回、投獄されたりして疲れていたのもあるだろうけど、ニカデマスが不吉なことを言って、ヤズトロモが宥めてまとめるとか、ヤズトロモが先輩面しているかな。それとニカデマスは、スイッチが入ると性格が非常にアクティブに切り替わり、ヤズトロモはマイペースを崩さない感じがする。普段からアクティブなのは、ヤズトロモの方だけどな」

 

アスト「ヤズトロモは普段から周囲の住人との交流を絶やさず、ニカデマスは人間嫌いでブラックサンドに引きこもっているイメージだけどな」

 

NOVA「あと、出自を比べると、ヤズトロモはサラモニスの僧侶の息子で、ニカデマスはファングの商人の息子。ファングの商人の子という意味では、敵のザンバー・ボーンもそうだったので、出自的にはヤズトロモが瞑想的で、ニカデマスやザンバー・ボーンが社交的にも思えるが、実際には僧侶の息子のヤズトロモがマジックアイテムの商売で小金を稼いでいて、ニカデマスやザンバー・ボーンが隠棲モードに入っているのが意外というか」

 

アスト「でも、ザンバー・ボーンは親が悪魔崇拝カルトの一員だから、納得だけどな。ニカデマスは、若いときに社交的で、冒険生活で失敗した反動で引きこもっているのか、あるいは因縁あるザンバー・ボーンもしくはアズール卿の監視のために引きこもっているのか、いろいろ想像できそうだ」

 

NOVA「ともあれ、今作ではザンバー・ボーンの意外な出自だけでなく、ニカデマスがただのうっかり爺さんでないことが判明したのが良かったな。それと主人公以上に有能そうに活躍したのがハカサン。主人公は普段のFFよりも愚鈍そうなバッドエンド選択肢が多いせいか、能力の低さを悪運と心身ともにタフさで補っている感じで、いつもの主人公よりも利発さに欠けている印象だったけど、それをフォローする万能嫁がハカサン。ただ、ハカサンは機敏だけど打たれ弱いから、ここぞというところでは主人公の思いきりの良さや勢いある大胆さを信頼している感じかな」

 

ダイアンナ「続編の『アランシアの暗殺者』では、ハカサンは登場するのだろうか?」

 

NOVA「分からないので、海外のFFファンサイトを調べてみたら、こういうページを発見した」

NOVA「何と、ハカサンの職業は『ニンジャ・トラッカー』と書いてある。和訳では『忍びの者で追跡者』だったから、忍び=スカウト(斥候)ぐらいと思っていたが、本当にストレートに忍者ガールだったんだな。他のゲームブック作品には登場していないようだが、もしも主人公キャラをハカサン・ツァと名付けて『死の罠の地下迷宮』にチャレンジするなら、本作の続編って感じがしていいんじゃないだろうか」

 

アスト「しかし、『死の罠の地下迷宮』には、迷宮探検競技のライバルキャラの一人として、すでに忍者が登場しているんだが」

 

NOVA「きっと、ハカサンとは別流派の忍者なんだろう。ハカサンが気に入ったなら、自らハカサンをロールプレイするのも一興ではないか?」

 

ダイアンナ「そんなことをしていいのか?」

 

NOVA「個人的に使うのは自由だが、ネットで公表するネタとしてはアレンジした方がいいかもな。まあ、何にせよ、リーサン・パンザについては、『アランシアの暗殺者』をプレイする際に再登板するとしよう」

 

アスト「次も主人公が腹ペコキャラとは限らないだろうが」

 

NOVA「その辺は、基本が無色透明の主人公だから、適当にアレンジできるだろうと思っている。どっちにしろ、次のFF攻略記事は何にするかは検討中だ。とりあえずは秋になって時間の余裕ができないことには、プレイ意欲も記事を書く時間も十分確保できないと思うしな。候補としては『運命の森』『モンスター誕生』『死の罠の地下迷宮』『魂を盗むもの』のどれかがいいとは思うが、ブラックサンドが舞台の『真夜中の盗賊』も捨て難いと思ったり」

 

アスト「じゃあ、『危難の港』も終わったし、お盆休みも終わるんだから、仕事に専念しろよ。しばらくは、オレたちだけにしてくれ。お前の相手はいい加減に飽きたからよ」

 

NOVA「言っておくが、『魂を盗むもの』をクリアしたら、また来るからな」

 

アスト「はいはい。新作はお前の担当で、旧作はオレとアニーが担当すればいいってことだな。その辺は任せてくれ」

 

NOVA「では、また面白いFF情報が入ったら連絡する。じゃあな」

(当記事 完)