ウルトロピカルな⭐️GT(ゲーム&トレジャー)島宇宙

南の島と上空の宇宙宮殿を舞台にTRPGや特撮ヒーローなどのおしゃべりブログ。今はFFゲームブックの攻略や懐古および新作情報や私的研鑽メイン。思い出したようにD&Dに触れたりも。

「さまよえる宇宙船」攻略感想(5)

旅の終わりに向けて

 

ダイアンナ「前回、あたしの船メガトラベラー号は、元の宇宙に戻るための空間座標、159星区を入手した。後は正しい時間座標さえ入手すれば、念願の帰還を果たせるわけだ」

 

リバT『それには、ロール・ジャミル宇宙港に入らないことが必要ですね』

 

アスト「宇宙港に入らないことがゲームのクリア条件というのが、本作の難易度を上げている理由の一つだと思うな。普通は、宇宙港って入りたくなるものだし」

 

ダイアンナ「とりあえず、惑星ジョルセンを出た後は2つの選択肢がある。一つは近くの黄色い惑星に立ち寄ること(89)で、もう一つは先へ飛び続けること(253)だ。しかし、黄色い惑星は火山が危険で、技術点判定に失敗すると死んでしまうだけなので、先へ進むのが正解だ」

 

アスト「まあ、ゲーム攻略を考えるなら余計なリスクは冒さないのが正解だが、物語の面白さを考えるなら、『危険に遭遇して突破するスリル』こそが冒険者としての王道だからな」

 

リバT『ストーリーテラーとしては当然、面白い物語を提供すべきなので、主人公たちを敢えて危険な目に遭わせて、それを格好よく乗り越える様を描くのが冒険物語の鉄則になりますね。リスクは冒さないのが賢明な冒険者というのも真理ですが、優秀な冒険者というのはリスクに直面して切り抜けるもの』

 

ダイアンナ「もちろん、あらかじめ分かっている罠に引っ掛かってしまう間抜けにはなりたくはないがな。ともあれ、エンターテイナーやショーマンシップ精神にあふれた者は、敢えてリスクを冒すことで、それを克服する姿を見せて拍手喝采を呼ぶのが王道で、リスクを冒さない賢明だが小心なプレイじゃ、エンタメの主人公には相応しくない」

 

アスト「そして、攻略記事としては、『こういう危険があるから引っ掛からないように示す』というのも、一つの手法だな」

 

ダイアンナ「致命的な罠に引っ掛かって、ゲームオーバーになって再プレイというのも、実録ゲームプレイとしては面白いと思うが、それはアストが前例を見せてくれたから、あたしは攻略重視で行く。火山惑星は避けて、疫病が蔓延している宇宙港も避けて、鉱業惑星マリニも避けて、その先の黒い惑星に向かった」

 

リバT『そこは生命反応がない星ですので、やはり着陸せずにスルーするのが正解ですね』

 

ダイアンナ「だけど、一応は危険に遭遇してみせないと、攻略記事としては不十分だからな。初見の星は試しに降りてみるわけだ」

 

リバT『地表は金属質で高磁力なので、通信装置が効かなくなるのですね。だから、宇宙船と連絡がとれなくなって、ビーム転送による回収ができなくなります。そうして、救出の手が及ぶ前に、宇宙服の酸素がなくなってゲームオーバーです』

 

ダイアンナ「技術判定に成功すれば、フェーザーを岩に浴びせて白熱化させて、その熱反応を感知した母船からの救出が間に合って助かるんだけどね。ともあれ、この星に降りたメリットは、技官を連れていれば『蛍光性の緑色の金属』が入手できること」

 

リバT『ロール・ジャミル宇宙港で金銭代わりに使える3アイテムの一つですね。1つはマリニで手に入るマリナイト。2つめはここで手に入る緑の金属。もう1つは「黄色の鉱石粉末」らしいですが、まだ未発見です』

 

ダイアンナ「後でIFルートから探してみるが、問題はロール・ジャミル宇宙港に進んだ時点で、ゲームクリア失敗ということなんだな。つまり、ここでアイテムをゲットしても、結果的に攻略の役には立たない、と」

 

アスト「バルサスの時もそうだったが、正解の攻略ルートを見つけたら、それに関係ないイベントはスルーしまくって、最短ルートで攻略できるんだな」

 

ダイアンナ「最初の選択肢でまっすぐ中央の星系を目指して、フリーダム(仮)も、キュールマターも、クリバもことごとく着陸せずに通り過ぎ、疫病イベントを空気放出であっさりクリアする。それから、青の惑星ジョルセンの試練だけはきちんと果たして、空間座標を手に入れる。その後も、いろいろスルーしながら、ロール・ジャミル宇宙港にうっかり立ち寄るのを避けて、最後の灰緑色の惑星テリアルでのイベントを達成すれば、ゴールまで到達できるんだな」

 

リバT『正解ルートだと、ダイスを一度も振ることもなく、パラグラフ選択だけでゲームをクリアできますね。分かっていれば、戦闘も避けられるし、判定すら必要ない。ルールがいろいろ複雑化しているのに、ルールを一切使わなくてもクリアできるという意味で、無駄にルールがややこしくなったと批評されます』

 

アスト「まあ、それはいろいろ経験を積んで、結果が分かった上の話だな。本当に、ジョルセンとテリアル以外スルーしまくると、物語としても味気ないわけで。ゲームブックの目的は、解くことが全てではなくて、途中の物語を楽しく味わうことだから、その末に最短攻略ルートの発見とかがあるわけで、最初から効率優先だけで突き進むことも推奨できないだろう」

 

ダイアンナ「だからこそ、後からIFルート、攻略の際に通過していない選択肢を再確認することで、物語を味わいつくす意味があるわけだ」

 

不毛な右舷IFルート

 

ダイアンナ「さて、パラグラフ118番のテリアルに入って物語を終わらせる前に、最初の選択肢で通らなかった右舷ルートを確認しよう」

 

アスト「パラグラフ142番だな。故郷の宇宙に帰るための情報が欲しいのに、わざわざ不毛と明記してある選択肢を普通は選ぶか? って感じだが、こういうところに未開拓のお宝の匂いを感じとるのも、冒険者の性質ってもんだ」

 

リバT『実際にはリスクの割に得られるものが少ない、イバラの道なんですけどね。まず、いきなり推進機関の燃料不足に陥ります。他のルートだと問題なく航行できるのに、不毛ルートだとエネルギー鉱物のディリブリウム結晶が枯渇して、宇宙鉱夫の真似事をしないといけなくなります』

 

ダイアンナ「燃料不足のままだと、どこまで飛べるんだ?」

 

リバちゃん『運だめしに失敗すると、燃料不足で航行不能になってしまい、ゲームオーバーですね。対応策としては、近くの小惑星で鉱石発掘作業を頑張るか、船の戦闘機能に回すエネルギーを推進装置に割り当てる(それによって武器力か防衛力が3点減少する)かです』

 

アスト「フェーザーの燃料か、防衛膜のエネルギーを推進機関に回してくれたら、しばらく飛べる。背に腹は変えられないってところだな」

 

ダイアンナ「発掘作業を頑張ってみるか」

 

リバT『1Dを振って、6が出ると、発掘に従事した乗組員が1人、飛んで来た小惑星に激突する事故が発生して死にます。1が出たら、最初に掘った小惑星がいきなり当たりで、その後、1Dを振って採掘量を決めます。4〜6で十分な量の鉱石が集まって問題解決しますが、1〜3が出たり、最初のダイス目が2〜5だったりすれば、本格的な作業を行うことになって、4つの小惑星を選択しないといけません』

 

ダイアンナ「思ったよりも複雑なんだな。てっきり、技術点判定に成功すればいいだけだと考えていたが」

 

リバT『宇宙鉱夫の世界は、そんな単純なものではありません。命がけの採掘作業で、ちょっとした運が生死を分かつ厳しい世界なのです。なお、4つの小惑星を選んだ結果は、この通り』

 

小惑星1:1Dで1の目が出ると採掘者が事故死。他の目で十分な鉱石を発見。

小惑星2:十分な鉱石を発見。

小惑星3:不十分な発掘。他の小惑星を選べ。

小惑星4:1Dで1、2の目が出ると採掘者が事故死。他の目で十分な鉱石を発見。

 

アスト「本当に厳しい世界だな。6分の1とか3分の1で事故死する世界か。宇宙鉱夫にはなりたくねえ」

 

リバT『発掘作業の専門家なら、もう少しきちんとしたリスク管理はできているのでしょうが、メガトラベラー号の船員は発掘のプロではありませんからね。素人が危険な発掘作業に従事すると、こんなものでしょう』

 

ダイアンナ「というか、本作は一時的に宇宙鉱夫の真似事ができるゲームブックだったんだな。戦士や魔法使いはともかく、鉱夫プレイができるゲームって80年代では珍しかったと思う」

 

リバT『今だと、マインクラフトなんかで地面を掘って鉱石集めをするゲームも普通にありますがね。まあ、当時も穴掘りアクションができるアクションゲームは、あったと思いますが。とにかく、十分な量の鉱石が見つかれば、当座のエネルギー問題は解決。発掘作業を頑張ろうが、武装のエネルギーで代替しようが、次の選択肢248番では謎の宇宙船(武器力8、防衛力7)の襲撃を受けることになります』

 

アスト「話し合いで解決できないのか?」

 

リバT『無理ですね』

 

ダイアンナ「チッ、あたしの船を攻撃してきた愚かさを思い知らせてやる」

 

リバT『おそらく、この辺りを根城にしている宇宙海賊か何かでしょう。正体不明のまま撃破されました。そして、最寄りの青い惑星を探索できます。もしも、まだディリブリウム結晶が不足しているようなら、この星でも採掘できますが』

 

アスト「だったら、小惑星で危険を冒さなくても良かったんじゃないか?」

 

リバT『この星には、この星ならではのイベントがあるのですよ。もちろん、先に採掘しているのなら、イベントをスルーできるのですが』

 

ダイアンナ「どんなイベントだい?」

 

リバT『1つ、「黄色の鉱石粉末」はここで手に入ります。そして、もう1つはこの星でうっかり現地の水を飲んだ船員がいまして、船の帰還後に凶暴化してしまうんですよ』

 

アスト「凶暴化したのはカニコングということにしておこう」

 

ダイアンナ「またか。何をやってんだか」

 

リバT『医務官の判定に成功すれば、水の中にいた微生物が凶暴化の原因と判明して、治療を施せます。判定に失敗すれば治療ができずに、凶暴化した乗組員は隔離されたままゲームから退場ということになります』

 

アスト「さらば、カニコング。お前のことは忘れない」

 

リバT『ええと、アストさん? 今の話があくまでIFルートってことをお忘れですか? カニコングさんの凶暴化は架空の話ですよ』

 

ダイアンナ「それに、実際にそういう局面があったとしても、優秀な医務官のリバTが治療を施してくれるんだろう?」

 

リバT『ええ、6ゾロがでなければ成功ですね。(コロコロ)はい、7で問題ありません。とにかく、そんなイベントを経て、次の目的地はキュールマターか、二重太陽の周りを回っている惑星マコモンとなります』

 

アスト「マコモンって名前は、フリーダム(仮)で聞いたことがあるな」

 

ダイアンナ「訪問したことはないけどね。今回が初イベントだ。何がある?」

 

リバT『マコモンは二重太陽の引力に引き裂かれて、星そのものが崩壊しかけているのですね。だから脱出のために宇宙船を一隻でも多く欲しがっていて、メガトラベラー号を奪取するような陰謀を企てたりもします。他にも暴漢に襲われているマコモン人女性を助けたら、感謝の気持ちで船の乗員になって、そこそこ優秀な警備員(技術点9、体力点12、特殊能力として攻撃力の出目の振り直しが可)として働いてくれたりもします』

 

ダイアンナ「崩壊しかけている星だから、メガトラベラー号の乗員になった方が堂々と脱出できるという打算もありそうだね」

 

アスト「気の毒な事情だが、移住に適した星はフリーダム(仮)かな。太陽の異常活動で第二の地球を求めた物語が『宇宙戦艦ヤマトIII』だが、ともあれ今はマコモン星のためにオレたちができることはない、と去るしかないな」

 

リバT『マコモン人の思惑どおりにすれば、宇宙船を奪われてゲームオーバーですからね。相手に同情するにしても、自分たちの自由や生存を犠牲にして助けてあげる義理や義務はこちらにはありません』

 

ダイアンナ「マコモン星の次は?」

 

リバT『キュールマターか、クリバですね』

 

ダイアンナ「それで、他のルートに合流なんだね。IFルートはここまで、と」

 

子どもの惑星テリアルと、既知宇宙への帰還

 

ダイアンナ「本作最後の惑星が、子どもが管理する惑星テリアルだ」

 

アスト「大人は何をしているんだ?」

 

ダイアンナ「この星の子どもは異常なまでの知性と能力を持って生まれてくるが、年を取るにつれて、大変な速さで耄碌する。よって大人には重要な仕事を任せることができないそうだ」

 

アスト「天才的な赤ん坊と、バカな大人の世界。いわゆる天才バカボンみたいなものか」

 

ダイアンナ「だから、上陸した際に、先に大人と接触するとまともな交渉ができずに、話が決裂してしまう。先に子どもと接触することで、『21恒星日』という超重要情報が手に入る。これを入手したことで、ゲームが完全攻略できるわけだ」

 

アスト「159星区から21恒星日を引いたパラグラフ番号138番こそが、元の宇宙に帰還するためのキーナンバーだな」

 

ダイアンナ「最後のパラグラフ340番にて、準ステーション・アインシュタインという固有名詞を聞いて、とうとう地球のある宇宙に戻って来たことを知る。めでたしめでたし」

 

アスト「最後が少し呆気ない気がするな」

 

リバT『初期のFFシリーズでは、エンディング描写が割と淡白ですからね。その上、本作はラスボスを倒すわけでもなく、祝賀の宴が開かれるわけでもない、「帰って来て、おめでとう」的な内容。その上、タイタン世界とは異なって、続編があるわけでもない。「さまよえる宇宙船」の世界観、宇宙観は後に受け継がれることなく、次のSFゲームブックはまた別の設定です』

 

ダイアンナ「FFゲームブックで宇宙を舞台にしたSF作品は以下の通りだな」

 

・12巻『宇宙の暗殺者』

・15巻『宇宙の連邦捜査官』

・18巻『電脳破壊作戦』

・27巻『スターストライダー』

・33巻『天空要塞アーロック』

 

アスト「近未来カーバイオレンスの13巻『フリーウェイの戦士』や、ロボット物の22巻『ロボット コマンドゥ』も宇宙ではないけど、SFには分類できるな」

 

リバT『スーパーヒーロー物の「サイボーグを倒せ」も、SFに分類できますね。そちらはFFコレクションにも収録されていますし』

 

アスト「とにかく、これでFFシリーズ最初の5巻までは攻略記事が仕上がったわけだ。次は何にする?」

 

カニコング「同じスティーブ・ジャクソン氏の『地獄の館』でごわす」

 

アスト「うわ、お前、いたのかよ」

 

カニコング「幻覚みて凶暴化したり、異星の微生物で凶暴化したり、いろいろ大変な目に合わされたでごわすが、恐怖点の影響で発狂するよりはマシでごわすよ」

 

アスト「確か、『地獄の館』はリバTで、お前は『モンスター誕生』を任されたんじゃなかったか?」

 

カニコング「そうしたいのはやまやまでごわすが、吾輩は残念ながらゲームブックの素人。難易度の高い『モンスター誕生』は途中で訳が分からなくなって、攻略できなくなったでごわすよ。それゆえ、よりシンプルなストーリーの『地獄の館』から、ゲームブックの基礎を学ぶことにしたでごわす」

 

アスト「『地獄の館』で基礎が学べるのかは知らんが、ストーリーは単純そうだな。不気味な洋館に閉じ込められた主人公が脱出する話で、死にやすくはあるが、理解はしやすい話だ」

 

カニコング「ということで、萌え美少女がキャーッと悲鳴を上げるホラーゲームブックを頑張って攻略するでごわす」

 

ダイアンナ「やれやれ。カニに萌え美少女なんて務まるのかね」

(当記事 完)