ウルトロピカルな⭐️GT(ゲーム&トレジャー)島宇宙

南の島と上空の宇宙宮殿を舞台にTRPGや特撮ヒーローなどのおしゃべりブログ。今はFFゲームブックの攻略や懐古および新作情報や私的研鑽メイン。思い出したようにD&Dに触れたりも。

「地獄の館」攻略感想(1)

萌えヒロインなホラー主人公?

 

カニコング「吾輩はカニ子、萌え美少女ファイターで、現在、地獄の館を苦戦しながら攻略中でごわす」

アスト「おい」

 

カニコング「何でごわすか?」

 

アスト「どこの世界に、一人称が吾輩で、ごわす口調で話す萌え美少女がいるんだ? それに、ゲームブック『地獄の館』は現代ホラーだから、ファイターなんて職業は違和感がある。大体、今回の攻略作品は『ハウス・オブ・ヘル』じゃなくて、原作のこっちな」

 

ダイアンナ「そっちは旧版の表紙であって、新訳のFFコレクション版はどうしたんだ?」

 

アスト「新訳版の表紙は、同じイラストなのに館の赤い色がくすんで、パッと見が地味なんだな。タイトルの字も白で、見栄えがしないし、本作では旧版の表紙を先に挙げたくなった。赤と黒と緑のおどろおどろしい雰囲気は昔の方がいい。まあ、新版の表紙写真は後の記事で示すようにしよう」

 

カニコング「それにしても、旧作の表紙イラストは萌えないでごわすな」

 

アスト「お前の口調よりはマシだ。萌えヒロインだと主張するなら、もっとそれっぽい役割演技を考えろよ」

 

カニコング「しかし、世の中には『ボクっ娘』や『オレっ娘』が女性キャラの個性として成立しているでごわす。ならば『吾輩っ娘』や『ごわすっ娘』という新ジャンルを開拓するのも一興ではごわさんか?」

アスト「ウマ娘やネコキャラなら、吾輩喋りも可愛い。それは認めよう。しかし、ごわすはない。どこの世界にごわす娘がいるんだ?」

 

カニコング「仕方ない。それでは、『吾輩はカニ子。美少女ファイターでごわしますわ』という口調ではどうでごわすか?」

 

アスト「ですますを付けて、丁寧にすればいいってものじゃない。おまけに現代ホラーでファイターはないだろう」

 

カニコング「ならば……『吾輩はカニ子。薩摩隼人の血を引く示現流使いの祖父から厳しく鍛えられたサムライガールでごわしますわ』という設定ではいかがか?」

 

リバT『ごわす口調は、最近はプリキュアのスピリットルーが使うせいで、一部の層に注目が集まっていますが、女性キャラの口調として市民権を得るのは遠い未来と考えます。仮に女性の力士をモチーフにした作品が作られるようになれば、可能性はありますが』

 

アスト「しかし、ごわすガールに萌えられるかは別問題だ。とにかく、ホラー作品を紹介するのに、武闘派女子を主人公にしてどうする?」

 

ダイアンナ「別に武闘派女子でも構わないと思うがな。それとも、ホラーヒロインはいつでもキャーキャー悲鳴を上げないといけないのか?」

 

アスト「強い女子は結構。しかし、ごわすとか吾輩に萌えを感じろというのは別問題だ」

 

リバT『仕方ありませんね。では、カニコングさんが萌えヒロインを演じられるように、こういうものを用意してきました』

リバT『これに掲載された萌えヒロイン作成チャートは、その昔、花粉症ガールのキャラ設定を決める際に使われたことがあります。これさえ使えば、カニ子さんも萌えヒロインとしてブラッシュアップすること間違いありません』

 

萌えキャラ作りに挑戦

 

ダイアンナ「……ということで、ゲームブックの攻略記事のはずが、何故かダイスを振って、萌えヒロインを作ろうって展開になったわけだな」

 

カニコング「うむ。これで花粉症ガールに匹敵する新ヒロインが生まれるのかもしれないでごわすな。まずは、ヒロイン属性を2つランダムに決めるのでごわすか。(コロコロ繰り返し)3ー43はメイド、1ー41は無口」

 

アスト「無口なメイドか。確かに萌えヒロインっぽいが、それをロールプレイするのは大変だぞ。無口キャラ一人で物語を描くのは、少なくとも会話リプレイ形式のこの場では難易度が高すぎる。NPCならともかく、無口なプレイヤーキャラでリプレイは却下だ。振り直せ」

 

カニコング「仕方ないでごわすな。では、5ー65。負けず嫌いでごわすよ」

 

アスト「負けず嫌いなメイドか。まあ、いいだろう」

 

カニコング「次に髪型、髪の色、瞳の色を決めるでごわす。(コロコロ)ポニーテールで、銀髪、瞳の色は空色」

 

アスト「どちらかと言えば、クールな方向か。問題は次だ。1人称、2人称、口調がどうなるか」

 

カニコング「1人称はわたしかワタシ、2人称はあなた、口調は〜じゃ。ええと『ワタシはカニ子。負けず嫌いのメイドでごわすのじゃ。あなたのために尽くしましょうぞ』って感じでごわすな」

 

アスト「どうして、『ごわす』を混ぜる?」

 

カニコング「その辺はプレイヤーのアイデンティティーって奴でごわすのじゃ。しかし、じゃを付けると、ごわすにも何やら気品というものが付与されたような気がするのじゃ」

 

ダイアンナ「何だか日野木アリナみたいだねえ」

 

カニコング「星座と誕生日は、カニ座で決定として、次に印象表を振るでごわすのじゃ。(コロコロ)ワイルド」

 

アスト「ワイルドで負けず嫌いな、銀髪ポニーテールなメイドかよ」

 

カニコング「アタシの前に立ちはだかる魔物は、ご主人さまに代わって、成敗するのでごわすのじゃ〜」

 

アスト「このキャラの存在そのものがホラーになってないか?」

 

カニコング「気のせいでごわす。萌えヒロイン作成チャートで作られたのだから、萌えヒロインでごわすよ。次、ヒロインの役割表を振るでごわす。……被害者」

 

アスト「主人公じゃないのかよ? 被害者になって、どうする?」

 

カニコング「いや、被害者で間違いない。吾輩の最初のキャラ、カニ子たんは地獄の館に捕らえられ、帰って来れなかったのでごわすからな。そんな悲劇のヒロイン、カニ子たんの物語をこれより語るのでごわすよ」

 

ダイアンナ「ところで、肝心のFFルールによる能力値作成はどうなったんだい?」

 

カニコング「ああ、それならバッチリでごわすよ」

 

カニ子:技術点11、体力点18、運点11、恐怖限界点12

 

アスト「おお。体力以外は優秀なキャラクターじゃないか」

 

カニコング「吾輩のダイス目は悪くないでごわすからな」

 

リバT『恐怖点12というのがホラーでは優秀ですね。このゲームブック、体力点が0になる以外でも、恐怖点が溜まっていき、限界点に達したら発狂してゲームオーバーになったりしますから』

 

カニコング「能力値そのものは悪くない。しかし、どんなに優秀な能力の持ち主でも生還するのが困難なホラー幽霊屋敷、それが地獄の館なのでごわすよ」

 

館への誘い

 

カニ子「それでは、ここよりワタシが経験した悪夢を語って聞かせるでごわすのじゃ。そう、このワタシ、ワイルドメイドなカニ子が今みたいな幽霊と化した夜の話をのう」

 

アスト「おお。幽霊の語る怪談という趣向か。それは悪くない」

 

カニ子「あの話はそう、40年近く前の80年代の話。その頃には今みたいなスマホもなく、恐怖の館に囚われると外部への連絡手段もない時代のこと。その館に入る前、ワタシは暗闇の中、車を走らせていた。そう、車の免許も持っていて、いざとなれば運転手もできるスーパーメイド、それがワタシ。しかし、あんな土砂降りの雨に見舞われるのは想定外。突然、飛び出してきた人影を思わずはね飛ばしてしまった……ように思われたのでごわすのじゃ」

 

アスト「だから、ごわすのじゃはやめろ……と言うか、人をはねたのか?」

 

カニ子「フッ、そう思ったのでごわすが、今のは幻、目の錯覚、ただの超常現象。慌ててハンドルを切りながら、急ブレーキを踏んで、事故を避けようとした。その後、雨に濡れるのも構わず、外に出て、轢かれた相手の安否を確かめようとしたが、その者は影も形もない。よっしゃ、ラッキー♪  事故は気のせい、ワタシは誰もはねなかった、とホッとしつつ、車に戻って運転を再開しようとしたのじゃが、側溝にハマった車のエンジンが一向にかからない。ラッキーじゃねえ、とワタシは目の錯覚、幻、超常現象、気のせい諸々に対して、毒づきながら、ふえ〜んと情緒不安定になって泣きじゃくったのでごわす」

 

アスト「真夜中の土砂降りで、車がエンストを起こして走らなくなった。泣きたくなる気持ちは分からなくもないが、いつまでも泣いていても始まらないだろう」

 

カニ子「いや、むしろ始まらない方が良かったのでごわすのじゃ。そのまま何もせず、車の中で一夜を震えながら過ごして、夜が明けるのを待っていれば、あの呪われた館に囚われることなく、ワタシも無事に生きてスーパーメイドの人生を全うできたのかもしれぬが、今やただの怪談を語るだけのメイドゴースト。令和の時代を生きる若者たちや、心するがいい。夜中の雨に見舞われる中、絶望的な状況で灯される明かりを見つけても、うかつに近づいてはならないよ。もしかすると、より深い絶望の地獄が待ち構えているかもしれないのだから……でごわすのじゃ」

 

ダイアンナ「40年前の若き美少女メイド。だけど、今や老婆みたいな口調だな。幽霊になっても年をとったりするのか?」

 

カニ子「きっと、地獄の館で殺される際に、一気に生命力を吸い取られて、老化したのでごわそう。あるいは幽霊になった際に、いろいろな霊の思念が流れ込んできて、主人格の美少女に老婆や薩摩出身のおっさんの雑念が融合したのが、語り部のハイブリッドゴーストガールのカニ子たんという設定でいかがか?」

 

リバT『とにかく、生前は可愛い美少女だったけど、幽霊になって複数人格が入り混じって、口調が変になったということですね。強引ですけど、一応の辻褄は合ってるように思えます』

 

アスト「ところで、原作では自分で車を運転する主人公が、思いがけない事故の結果、地獄の館に誘い込まれる展開だったが、女子高生(海外への留学生)設定の改変版では、そのオープニングが違っているみたいなんだな」

 

ダイアンナ「どう違うんだ?」

 

アスト「主人公の名前はマキ・ヒイラギ。留学先で催された仮装パーティーで、日本のセーラー服を着て参加したところ、プレイボーイに言い寄られて、免疫がないのでパーティー会場を飛び出してしまう。その後、土地勘がないので、タクシーに乗ってホームステイ先の家に帰ろうとしたら、それが幽霊タクシーだったのか、気付くと見知らぬ土地に取り残されている。仕方なく、誘われるままにハウス・オブ・ヘルに足を踏み入れてしまうという展開らしい」

 

ダイアンナ「なるほど。自分が運転していた車がエンストを起こすよりも、乗っていたタクシーが怪現象に巻き込まれる方が、ティーンエイジャーにはしっくり来る展開ということか」

 

リバT『どっちにしても、不本意ながら地獄の館に入ることとなったオープニングなんですね。原作では、ちょっと電話を借りて、車の修理屋に連絡をとってから、濡れた服を乾かし、一晩の宿を借りられたら……という程度の意識で館に入る。そして、ゲームの目的は、囚われた幽霊屋敷から脱出するだけなんですが、それには屋敷に隠された秘密を調べて、邪教の儀式を妨害して地獄の悪魔を退治しないといけないわけで』

 

カニ子「だけど、そう簡単には脱出できなくて、初期FF10作品のうち、最高難度を誇ると言われているでごわすな」

 

リバT『これまでの主人公は戦い慣れした冒険者で、血を見てギャーギャー騒ぐこともないですし、「さまよえる宇宙船」でもプロフェッショナルな宇宙探検家でしたが、今作だけは戦闘能力のない一般市民ですからね。別に退魔訓練を受けた学生ということもなく、覚悟という意味では最も完了していない巻き込まれ型主人公ですから』

 

ダイアンナ「行動範囲も、巨大なダンジョンとかではなくて、ただの館か。物語の舞台としては、壮大さもなく、小ぢんまりとしているな」

 

リバT『幽霊屋敷からの脱出というテーマは、ゾクゾクする雰囲気づくりがポイントですからね。一般市民視点でのビクビク具合が当作のポイントです』

 

アスト「モンスターが現れたか。よっしゃ、やっつけてやるぜ〜ってノリではない、と」

 

リバT『ですから、最初は主人公は武器も持っていなくて、技術点マイナス3の状態でスタートします。さらに、体力回復用の食料もポーションもなくて、ちょっとしたダメージでも簡単には回復できない仕様。このゲームを経験すると、ファンタジー世界の冒険者が肉体的にもメンタル的にもタフだなあ、と改めて実感しますね』

 

ケルナー伯爵のささやかな晩餐

 

カニ子「パラグラフ1番は館の玄関口から始まるのでごわすのじゃ。激しい雨が降り続く真夜中、館の周辺には他に建物もなく、遠くでフクロウの鳴く声が聞こえて、ブルッと身震いする。こんな夜中に突然訪問して大丈夫なのだろうか、とドキドキしながら、ノッカーで住人を呼ぶか、呼び鈴のひもを引っ張るか、家の周り(明かりのついた窓)を調べるか、迷うのでごわす」

 

アスト「まあ、夜中にずぶ濡れメイドが玄関口に立っていたら、それこそ幽霊と間違われそうだな」

 

カニ子「とりあえず、家の周りをコソコソ調べてみると、窓には鉄格子がはまっていて、外から入ることも中から出ることも不可能だと分かった。明かりのついた窓は台所の裏口のそばにあって、そこから2人の男の声が聞こえて来る」

 

若者『……ご主人様は準備に入られた。ワクワクして来たぞ。本当におれたちは呼び出せるんだろうか?』

年配『いや、わしはこんどのことには、ちょっと疑問を持っておるんだ。あの娘は若すぎるし、ここへは全く何も知らずに来ておる。どうなるか……』

 

若者『あんたは臆病者か! ご主人様が力を持っていて、約束を守られる方だというのは分かってるじゃないか。ここにいるなら、そんな臆病風に吹かれてちゃおしまいだぜ』

 

年配『……い、いや、大丈夫だ。ちょっと弱気になっただけで……さあ、わしらも準備を始めるとしよう』

 

ダイアンナ「一体、何の話をしているのやら」

 

リバT『どうやら、悪魔に捧げる生贄の儀式みたいですが、この段階では臭わす程度なんですね』

 

カニ子「ここで会話は終わって、台所の明かりが消えたでごわすのじゃ。ここで裏口から侵入するか、玄関口から堂々と入るかの選択肢があって、ワタシは改めて玄関口の呼び鈴を鳴らすことにした」

 

アスト「ここはヤバいと判断して、帰るって選択肢はないんだよな」

 

カニ子「ずぶ濡れだから、どこにも行きたくないし、もしかするとオカルト系のゲームの話をしているのかもしれない。最近、『クトゥルフの呼び声』ってゲームも流行っているらしいでごわすからのう」

リバT『クトゥルフの呼び声は、原作小説が1928年に発表されましたが、それから50年近く経った1981年にTRPGとして初登場。ファンタジーのD&D、SFのトラベラー、ホラーのクトゥルフというジャンルの代表的な作品となっていました。日本版として翻訳されたのは86年ですが、一方で当ゲームブックも同じ86年に翻訳され(原本は84年に出版)、この86年という年は日本のホラーRPG元年と考えることもできそうですね』

 

アスト「21世紀になってから、現代ホラー物の定番として動画配信中心に盛り上がって、一説によるとファンタジー物のD&Dやソード・ワールドよりも、日本で一般層(人気俳優さんや声優さん含む)に愛好されているTRPGとの声もあるそうだ。オールドファンにとっては、何でクトゥルフみたいなマニアックな作品が? という意見だが、『何の特殊能力もない一般人が現代日本に発生した怪現象に怯えながら挑んで、調査するシチュエーションが大人向きのリアル感覚で受け入れやすい』とか」

 

ダイアンナ「ヒーローではなく、等身大の人間が日常の裏に潜む怪奇を調べるというのが、若者には特殊な世界観や魔法みたいな能力を知らなくても入り込みやすいというのもあったみたいですね」

 

アスト「クトゥルフの基本設定は1920年代のアメリカだったが、サプリメントによって19世紀のイギリス、中世ヨーロッパ、日本の戦国時代、日本の大正時代、そして現代など、いろいろな時代背景がサポートされるようになり、21世紀に入ってからは1920年代と現代が基本ルールブックで標準搭載されるようになった、と」

 

リバT『ただし、地獄の館はあまりクトゥルフの世界観は踏襲しておらず、カニコングさんの好きな触手の影も実は薄かったりします』

 

カニ子「プレイしていて一向に触手が登場しないので、騙された気分になったでごわす」

 

アスト「だからと言って、今さらやめたとは言うなよな」

 

カニ子「もちろん、ここまでプレイした以上、途中で投げ出すようなマネはしたくないでごわすよ。まあ、まだ館の玄関口から入ってもいないでごわすが、とりあえず呼び鈴でも鳴らしてみるでごわすのじゃ」

 

アスト「すると、燕尾服姿の執事が出て来て、怪しげなびしょ濡れメイドを訝しげな目で見るんだな。こんな真夜中に一体、どういう用件で?」

 

カニ子「車が故障したから電話を借りたいとか、雨に見舞われて酷い目にあったからとか、いろいろこちらの事情を訴えたのじゃ」

 

アスト「すると、執事のフランクリンズは『ご主人に取り継ぎますので、応接室でお待ちください』と中に入れてくれる。(新しい生け贄キター。よっしゃラッキー♪)って内心で思っていたかは定かではない」

 

カニ子「応接室は、いかにも貴族の館って感じで、豪華なタペストリーや見事な樫材で優雅に飾られているのでごわすな。外から見ると不気味な廃墟みたいだったのに。もしかすると、ここでメイドとして雇ってもらうのもありなのか、と一瞬思いつつ、このまま主人が来るのを待つか、壁に掛かってある肖像画を調べるか、電話を探すかの3択でごわす」

 

アスト「ごわす口調の萌えないメイドなどいらん」

 

リバT『応接室には電話はありませんね。情報が欲しければ、肖像画が教えてくれますよ』

 

カニ子「文字どおり、3つの肖像画の絵が話しかけて来て、あれこれ教えてくれるのでごわすな。恐怖点1点を代償にして」

 

●ダンヴァーズのマーガレット嬢(1802〜1834)

 客人よ、この呪われた館には気をつけて。邪なケルナー卿はあなたを殺そうと狙っています。白ワインを飲んではなりません。すぐに立ち去るのです。

 

ブルースター公爵(1763〜1828)

 無言のまま、扉を示す。

 

ブルースター公爵夫人(1777〜1845)

 客人よ、そなたは何も知らずに、この呪われた場所に踏み込んだのじゃな。逃げ道はない。邪悪と受難がそなたを待ち受けよう。それらに立ち向かい、破壊できれば逃げられるかもしれんが、まあ不可能じゃろう。しかし、これだけは教えておこう。灰色の衣を着た男を助ければ、味方になってくれよう。2人で力を合わせれば、館の悪から逃げられるかも知れぬ。

 

ダイアンナ「なるほど。白ワインを飲むな、と、灰色衣の男を探せ、が重要情報っぽいな」

 

カニ子「そうしているうちに、やがて主人がやって来る。主人の来る前に慌てて逃げ出そうとしても、応接室の扉のノブには電流の罠が仕掛けられていて、体力2点を削られてしまうので、ギャーッと悲鳴を上げたくなければ無駄なことはしないに限る」

 

アスト「萌えヒロインなら、悲鳴はキャーだろう?」

 

カニ子「そうは言っても、地の文でギャーッと書かれているのじゃ、仕方ない。とにかく、ボス敵からは逃げられないので、素直にドラマーの伯爵ケルナー卿の歓待を受けなければならないでごわすのじゃ」

 

リバT『主人の歓待に応じて、ブランデーを飲めば、体が温まって恐怖点が1点下がるのですね。変に緊張すると、かえって恐怖点が加算されるわけでブランデー自体には害はありません』

 

アスト「ただし、女子高生が主人公だと、ブランデーを勧めるのはまずいので削除されているらしいな」

 

カニ子「くつろいでいると、食事の準備ができたので食堂に向かうのでごわす。食堂は赤い壁紙が貼られているのでごわすが、その色は覚えておく必要があるようで。食堂ではまず白ワインか赤ワインを勧められるが(未成年向きだとミルクかトマトジュース)、ここで白ワインを飲むと意識を失って173へ進み、赤ワインを飲むと歓待が続く、と」

 

リバT『次に子羊かカモの肉を勧められますが、どちらを選んでもかまいません。ただし、食事を頑なに固辞すると、歓待を受け付けない不作法な客人ということで、伯爵の不興を買って、執事のフランクリンズに無理やりクロロフォルムを嗅がされて173送りにされます』

 

カニ子「伯爵と穏和に食事を相伴すると、このドラマーの土地と家族の話を聞かせてくれるでごわす。何でも伯爵の姉が32歳の頃、吸血鬼に噛まれたような不可解な死を遂げて、魔女と黒魔術の噂が飛び交った。この館も呪われていると思われて、周囲から人々が離れて行ったそうでごわす」

 

ダイアンナ「32歳で亡くなったと言えば、ダンヴァーズのマーガレット嬢がそうだな」

 

リバT『彼女がケルナー卿の姉だという確たる証拠はございませんが、その可能性は十分考えられますね。その場合、ケルナー卿は19世紀から生きている吸血鬼ということになりますが、この時点では匂わす程度の情報です』

 

ダイアンナ「穏やかに談笑していても、じわじわと不吉な雰囲気を醸し出すんだね」

 

リバT『どちらかと言えば、クトゥルフよりもゴシックホラーの雰囲気ですね』

 

カニ子「その後、食後の果物、チーズ、コーヒー、ブランデーが用意されるのでごわすが、チーズが曲者で、それを口にすると意識を失って173番送り。うまくチーズを避けられると、用意された寝室〈エラスムス〉の間(224番)に連れて行かれることに。どちらにせよ、ここから館の本格的な探索が始まるでごわすな」

 

アスト「お前はどっちだったんだ?」

 

カニ子「初プレイでは、チーズを食べて173番送りにされたでごわすよ。では、これ以降の探索話は次回の記事にて」

(当記事 完)