ウルトロピカルな⭐️GT(ゲーム&トレジャー)島宇宙

南の島と上空の宇宙宮殿を舞台にTRPGや特撮ヒーローなどのおしゃべりブログ。今はFFゲームブックの攻略や懐古および新作情報や私的研鑽メイン。思い出したようにD&Dに触れたりも。

「サイボーグを倒せ」攻略総括その5(4日め)

時間を置いたけど

 

リバT『お待たせしました。少し間が空きましたが、いよいよ「サイボーグを倒せ」の最終攻略総括(前後編)に入ります』

 

アスト「悪いのは作者のNOVAだな。メインブログで『D&Dの多元宇宙話』を延々と繰り広げた挙句、『松本零士さんの訃報』にかこつけて、これでもかと思い出話を果てしなく暴走させて、止めどころを見失っていたんだからな」

ダイアンナ「本来、D&D話はここで展開していたんだが、昨年末の再始動に際して、いろいろと昔の思い出とかこみ上げて来るものがあったらしい」

 

リバT『誕生日も近いですからね。時期的に過去の思い出の整理でもやりたくなったのでしょう。そんなわけで、ようやく、こちらも一段落つけようって心境になったようです』

 

アスト「3日めのラストは、大きく2つのルートに分かれたんだったな。1つは、2日めのショッピングルートから続くビーストキング事件を経てからの、『シドニー・ノックス・ルート』だ」

 

ダイアンナ「あたしたちのプレイでは、ほぼそっちばかりで攻略していたね」

 

アスト「技術ヒーローと思念ヒーローは、『シドニー・ノックス・ルート』でないと攻略不能になるんだ」

 

リバT『技術ヒーローは氷の女王(アイス・クイーン)との対決が必須となりますし、思念ヒーローはシドニー・ノックス事件でないとラスボス戦で必須の〈回路妨害機〉が入手できないのです』

 

アスト「〈回路妨害機〉を入手するのは、シドニー・ノックス事件か、もう一つの『家電の未来展ルート』でラスボス謹製(かも?)のアンドロイドを倒さないといけないんだが……思念ヒーローだと絶対に負けてしまうんだな」

 

ダイアンナ「思念ヒーローは本作の4つあるヒーローの中でも、最悪のバッドエンド数を誇るという難易度ハードなキャラみたいだからね。体力ヒーローが難易度イージーで、技術と電撃が難易度ノーマルってところかな」

 

リバT『思念ヒーローをプレイしていたグランドマスターNOVA曰く、「地獄の館並みに難しい」ってうめいていましたから』

 

アスト「『家電の未来展ルート』に入るには、2日めにショッピングではなくてミュージカルルートを選び、そこからドクター死神や郊外の叔母さん、あるいは中止になったコンサートを経てからの流れになる」

 

リバT『ただし、ショッピングルートからでも、古代エジプト美術館から図書館を経ると、ミュージカルルートに突入することになります』

 

アスト「そのルートだと、技術ヒーローと思念ヒーローは攻略できなくなるんだって」

 

ダイアンナ「電撃ヒーローと体力ヒーローが選ぶべきってことだね」

 

アスト「ええと、ショッピングルートの場合は昼からビーストキング事件に気付いて調査を開始するんだが、ミュージカルルートは事件が発生しなかった扱いになり、夕方まで職場で働き、そこからの行動開始となるわけだな」

 

リバT『時間帯を考えるなら、昼にビーストキング事件のために動き、エジプト美術館→図書館を経て、夕方になって別ルートに流れるということですね。3日めだけを考えるなら、それが一番たくさんのイベントをこなして、英雄点を稼げるチャンスがあったと思われます』

 

アスト「とは言え、ミュージカルルートで英雄点が稼げるのはドクター死神イベントだけだからな。そっちに進むと、4日めのイベントをあれこれ取り逃がして、かえって英雄点が減るんじゃないかな」

 

リバT『最後の記事で、ヒーロー種別で最も英雄点を稼げるルートの検証をしてみたいところです』

 

シドニー・ノックス事件(215)

 

アスト「では、3日めまでの復習を終えて、4日めの開始だ。この日は仕事が休みなので、朝からのんびり散歩に出かけるヒーローのシーンから始まる。しかし、クライム・ウォッチからの連絡で、『マードック放射能研究所』にお呼び出しがかかるんだな。こちらのルートだと、ヒーローにはのんびり休日を満喫する余裕はないように描かれている」

 

ダイアンナ「それにしても、80年代のヒーロー物には『放射能ネタ』が多い感じだね」

 

リバT『50年代から60年代にかけて、アトミック・エイジ(原子時代)もしくはニュークリアー・エイジ(核時代)という言葉が生まれて、原子力が未来のエネルギーとして脚光を浴びる一方で、SF映画では放射能汚染による生物のミュータント化というネタが生み出されました』

 

ダイアンナ「日本ではゴジラが代表だね」

 

リバT『それでも70年代までは原子力にまだ肯定的な意見も多く、世間の大多数は核兵器は怖いけど、放射能汚染なんてフィクションの中だけの話だよね、と思われておりました。広島の原爆の悲劇も、世界の趨勢を変えるほどの動きではなかったのです』

 

アスト「原発事故の恐ろしさが世界レベルで浸透したのは、チェルノブイリ事故からだったかな」

 

リバT『86年の事件ですね。「サイボーグを倒せ」が刊行されたのは本国で85年ですから、執筆に影響は与えておりません。しかし、日本で翻訳出版されたのは87年ですから、放射能というネタが非常にタイムリーでもありました。核戦争で世界が滅びるという題材は、84年の『ターミネーター』を始め、同時期にもいろいろな作品で扱われていましたし、70年代までは未来を照らす夢のエネルギーだった原子力が、負の側面を強調されるように時代が変わっていったのが80年代からのようです』

 

アスト「まあ、日本は唯一の核兵器被爆国という事情もあるから、神経を使う面も他国より多かっただろうがな。それでも原子力エンジンで走るライダーマンのバイクや、原子炉内蔵のロボットなど、70年代ではまだ当たり前だった」

 

ダイアンナ「平成以降は考えられない設定だよね」

 

リバT『昔は、子守り用のネコ型ロボットにも原子炉が搭載されていましたからねえ。ドラえもんが自爆すると、とんでもない被害を周囲にまき散らすことになっていたわけです』

 

アスト「ジャイアンがドラをバットで殴っていた話もあったもんな。とにかく、原子力とか放射能の扱いが今より大らかなというか、大雑把な時代もあったんだな」

 

リバT『平成では、放射能に代わってバイオテクノロジーによる遺伝子操作が怪物を生み出すパターンが増えましたね。ゴジラと戦ったビオランテとか』

 

アスト「今は未知のウィルスネタが定番かな。そこにコンピューター関連を組み合わせて、ナノテクと組み合わせたサイバー方向の化け物も増えたように思う。まあ、80年代はまだ放射能全盛の色が濃かったので、シドニー・ノックスも放射能パワーで知力向上、しかし凶暴性も向上したからヒーローの出番ってわけだな」

 

ダイアンナ「手っ取り早く解決するには、最初のパラグラフ215番から40を引いた175番へ行けばいい。何の苦労もなくノックスの居場所を見つけ出して、あっという間もなく不意討ちで気絶させて事件解決だ。英雄点5点をゲットして、〈回路妨害機〉ももらえる」

 

リバT『事件解決後は、警察本部に行って毒殺魔(ポイズナー)の情報を聞くか(412)、スタンレイ・スイミングプールに行って氷の女王(アイスクイーン)の事件に挑むか(97)ですね。ただし、前者を解決してから後者に行くことも可能ですので、英雄点を稼ぐには先に警察本部に行くことを勧めますが』

 

アスト「ところで、シドニー・ノックス事件は手がかりなしでも解決できるんだな」

 

リバT『研究所の外にはいないので、原子炉の近くを探すべきですが、電撃ヒーロー以外はちょっとした戦闘で難なく倒せます(技術点7、体力点6)。電撃ヒーローだけは、撃ち放った電撃が相手の超能力に反射されて、技術点1点、体力点3を失う羽目に陥りますが』

 

ダイアンナ「情報なしに挑むべきじゃないってことだね」

 

アスト「技術ヒーローは〈精神撹乱装置〉なる秘密道具を使うんだけど、ノックスの超能力で作動不可に陥って、結局は接近戦になるんだよな」

 

リバT『なお、情報なしの接近戦で事件を解決しても、その際に原子炉の冷却用パイプが破裂し、高音の蒸気が吹き出して4人の技術者の命が失われた結果、英雄点は得られなくなります。〈回路妨害機〉はくれるのですけどね』

 

アスト「やはり、マリファナ・ジェリーから情報をもらうことが大切だってことだな」

 

リバT『思念ヒーローが精神戦闘でノックスを屈服させることで、事件を解決することもできますね。この場合、ノックスの超能力で原子炉の破損を修復させることができて、技術者が犠牲になることもなく、英雄点を2点だけ稼げます』

 

アスト「それでも、一番いいのは原子炉周辺を戦場にしないことだな。ノックスが監視塔で落ち着いてバードウォッチングをしている間に、素早く取り押さえてリスクを最小限にするのがベストだった、と」

 

毒殺魔事件(412)

 

リバT『ノックス事件の次に解決できる事件の一つが、毒殺魔(ポイズナー)事件ですね。まずは警察本部のウォジャック警部補から話を聞きます』

 

アスト「ウォジャック警部補は、3日めのミュージカルルートでもドクター死神関連の情報をくれたんだな。そちらに行くと、こちらには来れないので、ウォジャック警部補のファンは両方チェックすることを勧めるぞ。ウォジャック警部補と話ができるパラグラフは、245番と412番の2ヶ所だ」

 

ダイアンナ「そんなモブキャラ警部補にファンなんているのかね」

 

アスト「オレもそう思っていたんだが、彼の名前は『刑事コジャック』のパロディだと気付いてな。つまり、名作刑事ドラマの主人公がヒーローに協力しているって考えると、ただのモブキャラとは言えないんだ」

リバT『隠れたパロディネタのウォジャックさんの話から、毒殺魔(ポイズナー)の事件を追うことになりますが、2日めのショッピングで宝石店(300)に行ってなければ、解決できないんですね』

 

アスト「412番から30を引いた382番に向かうのが正解だな。他の調査だと、前に寄ったカウフィールド乳業に行ったり、町で最大のドラッグストアのサッチャー・モールに行って聞き込みするが、何の手がかりも得られずにお手上げだ」

 

ダイアンナ「サッチャーって名前は聞いたことがあるような気がするけど、何かのパロディかな?」

 

リバT『1979年〜90年までイギリス首相を務めたマーガレット・サッチャー女史のことですね。80年代のイギリスの象徴の一人と言える人物ですので、作者のジャクソンが意識していたのはほぼ間違いないと思われます。もっとも、単に名前だけネタにしただけで、店長さんのキャラもほぼモブでセリフもなく、男性か女性かも定かではない程度の扱いですから、深堀りできることではありませんが』

 

アスト「382番へ行くと、街の給水所に毒を入れようとしている昭和の悪の組織みたいな悪党がいるわけだな。たかが小瓶一本の毒で、街全体の水を汚染するなんてできないだろうが」

 

リバT『だけど、たかが高校生のペロペロで寿司店の株を爆下げさせることは可能ですね。やっぱり自分たちの飲食物が汚染されているって感じるのは、人としては生理的にイヤじゃないですか。私めはドゴラの眷属ですから、人の生理的嫌悪感は想像するしかないですけど。ドゴラでも分かる想像力すら持ち合わせず、食の安全を脅かして人に嫌悪感をもたらすような行動は、スーパーヒーローに断罪されても仕方ないと思うのですよ』

 

ダイアンナ「ヒーローの出番……というか、前作のデリシャスパーティーの出番だね。食べ物犯罪の専門家は」

 

アスト「お寿司のレシピッピが泣いている……ってネタは、もう時流から外れかけてるんじゃないか? とにかく、悪の怪人ペロペロマンは退治しないとな」

 

リバT『ペロペロマンじゃなくて毒殺魔ポイズナーです。ええと、この事件を一番リスクなく解決できるのは、思念ヒーローですね。相手の動きを思念で操作して、自ら毒を飲むように仕向けて降伏させます』

 

アスト「ペロペロマンも他人の唾液まみれの料理を味あわせて、どんな気持ちになるか感じさせるのが妥当な罰だと思うな。ネットで映像を拡散して風評被害を与えなければ、その程度の罪で片付いていたんだ」

 

ダイアンナ「しかし、コロナ感染がまだ脅威とされる時代に、食品衛生を脅かすような行動は罪が重いだろう。いっそのこと、病原体まみれの汚染料理を味あわせて、感染症の人体実験のモルモットにさせるぐらいが妥当なのでは? あたしたちのいた未来では、それが普通だった」

 

アスト「あの事件を起こしたのが、男子高校生だってのが悪いんだな。もしも、美少女高校生のペロペロガールが同じことをしたら、あの寿司店がそういう風俗営業の店として大繁盛するかもしれない」

 

ダイアンナ「アスト。そういう発想は、たとえ心で思っていたとしても、口には出さないのが節度ってものだぞ。お前はこの宮殿の品位を脅かした。その罪は万死に値する(激怒、電撃バリバリ)」

 

アスト「(痺れながら)うおっ、そこまで怒るとは思わなかったんだよ〜。このように一度、口から出たものは言葉であっても、唾液であろうとも、舌禍で身を滅ぼすことになりかねんから、言動には気をつけないとな」

 

リバT『誰に説教してるんですか。そんなことよりも、思念ヒーローはここで一つの情報が得られます。「会議の場所は金時計の男が知っている」そうで』

 

アスト「金時計の男? それだけじゃ何の話か分からん」

 

リバT『1日めの路上ケンカをしている男が手にしているんですよ(9)。1日めの情報と、4日めの情報を組み合わせて初めて、「会議の場所が質屋」だと判明するのが思念ヒーローなんです』

 

ダイアンナ「単に死にやすいだけでなく、手がかりが断片的すぎて、メモの取り方を少し間違えるだけで、情報の取りこぼしが発生しやすいのが思念ヒーローなんだね」

 

アスト「該当パラグラフを通らなかったならともかく、通っていても、しっかり読解して逐一メモらないと話がつながらないのが思念ヒーローだと。これ、思念ヒーローからプレイを始めた初心者は、クソゲーって判断しそうだと思う」

 

リバT『4種のヒーローを準備して、どのヒーローかでプレイ感覚まで全く異なるというのは、稀有な作品ですね、本作は。豪快で力技で押し通れる体力ヒーロー。多彩な秘密道具を使っての行動の成否が、読んでて想像力を掻き立てて楽しい技術ヒーロー。一撃必殺の破壊力が決まれば爽快な電撃ヒーロー(ただし時に周囲への被害も大きかったり)。そして攻略に緻密な推理力が必要で、意外な情報源をどうつなげて行くかで頭を悩ませる、頭脳労働キャラな思念ヒーロー。単に表面上の能力だけでなく、パラグラフ構造の仕掛けまで各々のヒーロー性を演出していることに、今回の解析で気がついたと思います』

 

 

ダイアンナ「話を戻すけど、電撃ヒーローも相手の毒の小瓶を電撃で弾き飛ばして、自力で事件解決できるんだよね」

 

リバT『ええ。ここでは思念ヒーローと電撃ヒーローだけが自力で事件解決できて、英雄点を4点獲得できます。ただし、電撃ヒーローは電撃を使う前に、失敗したときのリスクを不安がらせる選択肢があって、少し悩むんですけどね』

 

アスト「技術ヒーローと体力ヒーローは事件解決できず、英雄点ももらえない、と」

 

リバT『厳密には、ヒーローが「動けば毒を給水所に投げ込むぞ」と脅迫してくる相手に動けないでいると、給水所の職員が拳銃を撃ってポイズナーを撃退してくれる。言わば、相手がヒーローに集中している間に思わぬ伏兵が事件を解決してくれたわけですね』

 

アスト「大事には至らなかった。だけど、ヒーローの活躍としては不十分なので、英雄点は得られない、と」

 

リバT『そして、自力で事件を解決した思念ヒーローと電撃ヒーローだけが、「脱獄したビースト・キングがタイタン動物園を襲おうと計画している」という情報を得ることができます』

 

ダイアンナ「その情報は結局、3日めのサーカス団長の話だって理解するのに、多少戸惑ったな。3日めに解決した事件の手がかりを4日めに入手するなんて、意味がないだろうって」

 

リバT『もちろん、攻略の役には立ちませんが、物語としては「後から知った情報で、事件の背景が見えて、いろいろと腑に落ちる」ってこともあります。2回め以降の解き直しで見えてくる仕掛けも意図的に仕込まれているようですね。奥が深い作品というか』

 

アスト「で、ここでは何度もの解き直しをしたおかげで、細部の仕掛けまで読み解いたつもりなんだが、次は氷のプールか、陸軍基地(342)に向かうことになる」

 

リバT『陸軍基地は後からでも行けますので、先にプールですね』

 

プールと氷の女王(97)

 

アスト「さて、氷のプール事件ではジレンマがあるんだな。目の前で氷に閉じ込められて助けを求めている2人の少女を助けるか、それとも事件の元凶である氷の女王アイス・クイーンことシルビア・フロストを捕まえに行くべきか。叶うなら、少女たちを救出してから氷の女王と対峙したかったんだが、パラグラフの都合で二者択一なんだよな」

 

ダイアンナ「あたしなら、もらえる英雄点の多い方を選ぶな」

 

リバT『少女救出なら2点、女王捕獲なら4点ですね』

 

アスト「技術ヒーローは女王捕獲を選ばないと攻略失敗だからな。ともあれ、少女救出を試みた場合は〈濃縮融氷剤〉を使って、あっさり事件解決できる。気持ちとしては、プールの職員に道具を託して自分は女王捕獲を優先したことにしよう。決して少女を見捨てたわけじゃないぞ、と」

 

ダイアンナ「電撃だと体力点4の消費で救出に成功するな。ここで体力が足りなかったり、ケチったりすると英雄点が2点減らされる」

 

リバT『電撃使いは体力の管理に気を使わないといけませんね。まあ、思念ヒーローも体力4消費で救出成功ですが、失敗した場合のペナルティーがありません。あと、体力ヒーローは力任せに氷を叩き割ろうとしますが、分厚い氷の壁を打ち破ることができずに、英雄点2点を失うことになります』

 

アスト「ヒーローが救出活動に失敗して救援を求めるのを、野次馬たちは見ているだけで、あざ笑ったりするんだよな。今さらだが、結構、民度が低い街なんだって思うぞ、タイタン・シティは」

 

リバT『そりゃあ、曲がりなりにもタイタン世界の現代版(85年時点)ですからね。最近も世界の優しくなさ、無慈悲で薄汚さゆえの魅力が作者たち(ジャクソン&リビングストン)の面前(オンライン)で語られておりました。FFシリーズファンとして大変面白いインタビュー対談記事です』

アスト「おお、こいつはいい記事だ。こういうのを読むと、FFゲームブックの攻略も頑張りたいって思うよな」

 

ダイアンナ「あたしは初心者に毛が生えたようなものだけど、作者のメッセージ的な文章を読むと嬉しくなるなあ。80年代のゲームブックブームの熱気も伝わってくるようで、ワクワクして来るよ」

 

リバT『熱気が伝わったようで、氷の女王退治に話を向けましょう』

 

アスト「氷の女王退治には97番から20を引いた77番へ向かうんだな。そこで少女救出を優先するか、事件の元凶を追うかのジレンマに立たされた後、涙を呑んで129番へ行くんだ」

 

ダイアンナ「少女2人に感情移入し過ぎだろう?」

 

アスト「水着の美少女2人を助けるか、あまり萌えないイラストのマダムを追いかけるかと問われたら、そりゃあ美少女2人を選ぶのが人情ってものだろう」

 

リバT『少女2人はイラストがないので美少女かどうかも不明ですけどね』

 

アスト「シルビア・フロストのイラストなんだが、もう少し妖艶な色気女王って感じにならなかったのかね。どう見ても年増のおばさんじゃないか。文章表現はいいんだよ。『銀の艶やかなコスチューム』『プラチナブロンドの髪が顔にかかる』 そして〈低出力熱線レーザー〉を向けると、熱と氷のビームの撃ち合いになって、こっちが勝つんだ。氷の女王は苦痛のうめき声を上げて、やめて、と懇願する。そして降伏した彼女の手足を縛り上げて、その後は……ウヒヒ」

 

ダイアンナ「ダーリン、浮気は許さないっちゃ(電撃を向けようとする)」

 

アスト「うおっ、誤解だ。俺はヒーローとして、彼女から重要情報を入手できるから喜んでいるだけで。『恐怖会議の場所は3番街』 この情報を聞いたら、もうこんなおばさんに用はない。ああ、せめてDCドラマのキラー・フロストみたいにきれいなイラストだったらなあ」

リバT『アニメ版のキラー・フロストはこんな感じですよ』

リバT『基本的に、キラー・フロストはヴィラネス(悪女キャラ)として設定されました。その名を持つキャラクターは3人いて、クリスタル・フロスト(1978)、ルイーズ・リンカーン1984)、そしてケイトリン・スノウ(2013)です。アニメに登場するのはクリスタルかルイーズで、敵キャラとして犯罪行動を繰り返します。

『一方、DCドラマ『フラッシュ』に登場したケイトリンは、元々、主人公のバリー(フラッシュ)を助ける良いサポーターお姉さんでしたが、並行世界のアース2で悪女バージョンが登場し、その後、バリーが時間軸を操作した影響で本来のケイトリンも氷の力が発現して、暴走する異能と人格に苛まれ、敵と化する局面もありました。やがて、フラッシュとの対決を経て、力を制御することもできるようになって味方に戻ってきました。だけど、今も時々、力を暴走させてヴィラネスに堕ちかけることもあるようで、いろいろと不安定な(ドラマチックな)ヒロインと言えますね』

 

ダイアンナ「敵の時期と、味方の時期があるってことか。まるで、あたしたちみたいだね」

 

リバT『原作コミックでは、バットマンに誘われて正義側に転向したようですね。以降は、キラーを外して、単にフロストと名乗るようになったとのこと』

 

アスト「悪役だと思われた氷の女王が主人公と和解する映画だと、これも有名だな」

リバT『その映画と、DCコミックにケイトリンが登場した時期は符合します。これまでの悪役キャラだったキラー・フロストが善への転向という展開を見せたのは、もしかするとディズニーの人気ヒロインの影響かもしれませんね』

 

ダイアンナ「だけど、80年代のアイス・クイーンはまだ悪女キャラから改心する余地のない時代だったんだね」

 

リバT『技術ヒーロー以外は、氷の女王と接近戦で戦わなければいけません。思念も、電撃も、使う間もなく彼女が距離を詰めて来るんですね。彼女に触れられると、冷気で技術点が1点ずつ減らされるという危険がありますが(次に体力を回復すると冷気ペナルティーも消える)、技術点7、体力点8の相手ですから、ダイス運が悪くなければ何とか倒せるでしょう』

 

ダイアンナ「とは言え、技術ヒーロー以外はリスクが大きいわけか。おとなしく少女救出だけに専念して正解だったようだな」

 

リバT『この事件の後の選択肢は、陸軍基地か、フットボール試合(114)の2択になりますね』

 

アスト「だったら、この辺で『家電の未来展ルート』をのぞいて見るか」

 

家電の未来展(425)

 

リバT『3日めをミュージカルルートから進んで、叔母さんの家に泊まるか(76)、コンサートに行ったけど中止になった(122)後で、家電の未来展を選ぶことになります』

 

アスト「シドニー・ノックスのルートは自動的に通ることになるが、家電未来展は他の選択肢を選んで通り逃がす可能性もあるんだな」

 

ダイアンナ「〈回路妨害機〉を入手するには、ノックスか未来展のイベントが必須なんだけど、未来展の方が隠しの裏ルートみたいに思えるね」

 

リバT『何しろ、かつらをかぶって変装したラスボスの顔がお目見えできますからね。背広を着て営業スマイルを浮かべたウラジミール・ユトッシュスキーさんのイラストは、表紙絵やパラグラフ298番、そしてラストの440番の結社の幹部とともに逮捕されている姿と比べてみると、愛嬌があって面白いです』

 

アスト「表紙絵と合わせて、4ヶ所もイラストになってるラスボスって、FFシリーズでも珍しいもんな。たぶん、FF史上最もイラスト点数の多いラスボスじゃないか?」

 

ダイアンナ「普通は決戦時に顔見せして1枚、そして表紙絵に出るか出ないかで、多くて2枚だもんね」

 

アスト「アイス・クイーンのイラストよりも、営業スマイルのかつらウラジミールと、お供のアンドロイド『疲れ知らずのバトラー』君のイラストの方が萌えるもんな。思わず、貼り付けたくなるよ」

ラスボス・サイボーグと殺人アンドロイド

リバT『アストさんは萌えるの意味を、間違えて使っています』

アスト「いや、別にかわいいとかほのかな恋愛感情みたいな気持ちじゃなくて、ギャップ萌えというか、恐ろしい強面の敵がこんなところで何をしてるんだ!? って苦笑を浮かべながらツッコミ入れたくなる愛らしさ、親しみやすさを覚えてな。ええと、昔の宇宙刑事か何かで、強面の敵武闘派幹部が主人公を罠にはめるために変装して、浴衣を着て楽しそうに盆踊りしながら、ふと視線がギラリと切り替わるシーンがあって、ビビると共に笑ったんだ。お前、敵の将軍だろう? いくら作戦だからって、こんなところで踊ってるなんて、悪の組織ってのも大変だなあ、とか、いろいろな感情が込み上げてきて……こういう気持ちは何て表現したらいいんだ?」

 

ダイアンナ「確かに恋とか愛に属するものではないが、恐ろしい敵の意外な素顔を見て、何だか絆されるというか、そんな感じか。アース2みたいなパラレルワールドだと、哀愁を漂わせた善良なおじさん役をして、思わぬコミカル演技で意外な人気が出るようなキャラ」

 

アスト「だけど、この愛され親父キャラのウラジミールさんを追っかけると、ゲーム攻略に失敗する罠なので、殺人アンドロイドのバトラー君の相手をしないといけないんだよな」

 

リバT『バトラー君の能力値は技術点9、体力点11で、思念ヒーローの時だけ戦えます。他は、文章だけの戦闘演出が示されていますね。体力ヒーローにとっては必須イベントで、アンドロイドの体をつかんで天井近くまで飛んで持ち上げ、人のいない地面に叩き落とします。その後、「パーカー空港の情報」と〈回路妨害機〉をウラジミールの残した荷物から発見するんですね』

 

アスト「大事な情報と、自分の弱点を残して行くなんて、ドジっ子ラスボスなんだよな。そこにも萌える」

 

リバT『いやいや、そういうドジは体力ヒーローの時だけです。思念ヒーローはせっかくバトラー君と戦っていたのに、2ラウンドが経過すると、脚部に仕込まれていた毒塗りダガーに蹴られて即死ゲームオーバーです』

 

ダイアンナ「電撃ヒーローは電撃で倒すんだったかな?」

 

リバT『いいえ。電撃は周囲に展示会の客がいるので使えません。どうしようかと考えていると、客の一人が「これを使え」と〈回路妨害機〉を投げ渡してくれるんですね。そのおかげでバトラー君の機能は停止します』

 

アスト「その客はどうしてそんな物を持っていたんだ? スーパー技術者なのか?」

 

リバT『いいえ。展示品の説明中に「アンドロイドが暴走したらどうするんだ?」と質問した客がいて、ウラジミールさんが「これで止まりますから安心です」って答えて、〈回路妨害機〉を示していたそうです』

 

ダイアンナ「結局、自分の作品の弱点を自分で明かしていたんだね」

 

リバT『まさか、その場にヒーローがいて、自分の正体を見破るとは思っていなかったんでしょう』

 

アスト「技術ヒーローは、秘密道具を使うんだな」

 

リバT『ええ。〈エネルギー排出機〉を取り出して、バトラー君の背中に装着して、エネルギーを枯渇させようって作戦だったんですが、〈エネルギー排出機〉自体のバッテリーが先に切れてしまって、作戦失敗。結局、お客さんの投げてくれた〈回路妨害機〉のおかげで命拾いしたことになります。いずれにせよ、バトラー君を撃退できたら英雄点4点をゲットできますね』

 

ダイアンナ「だけど、ここで英雄点を稼いで意味があるのは、体力ヒーローと電撃ヒーローだけだ、と」

 

アスト「そりゃあ、技術ヒーローはこっちのルートに来ると、アイス・クイーンと出会わないし、この後、陸軍基地に行ってマクロ・ブレインとも遭遇しないしな」

 

リバT『マクロ・ブレインと戦えるルートは、シドニー・ノックスのルートだけですからね。必然的に技術ヒーローの進むべきルートは決まっているのです。未来展の次は、大統領パレード(21)か、フットボール試合の2択です』

 

アスト「陸軍基地、フットボール試合、大統領パレードの3つが4日めのクライマックスって感じだな」

 

リバT『ええ。ですが、その3つのイベントは次回の記事に回します』

 

アスト「何でだよ? 4日めの途中って中途半端じゃないか?」

 

リバT『1つ1つの事件に文字数をかけ過ぎたので、想定していた字数をオーバーしました。1記事の字数が1万字を越えると、読者の方に読んでもらうのに苦痛を伴います』

 

ダイアンナ「途中で寄り道脱線が過ぎたようだね」

 

アスト「仕方ない。オレの秘密道具リストも次回にまとめるとするか。楽しみにしていた読者の方には済まないと詫びつつ、次回の最終記事を楽しみにな」

(当記事 完)