ウルトロピカルな⭐️GT(ゲーム&トレジャー)島宇宙

南の島と上空の宇宙宮殿を舞台にTRPGや特撮ヒーローなどのおしゃべりブログ。今はFFゲームブックの攻略や懐古および新作情報や私的研鑽メイン。思い出したようにD&Dに触れたりも。

「天空要塞アーロック」攻略その4(2つの宇宙船バトル)

厄介な宇宙船戦闘

 

NOVA『前回までで、目的地のアーロック到着前の4大イベントのうち2つまでを攻略した。ここまでは不本意な事件に巻き込まれて、そこからの脱出劇だったと言えよう。まあ、不可抗力ということだが、残り2つは「王様からの緊急連絡で、急に厄介な敵の撃退を要請された」という形、依頼主が冒険の大目的を妨害してくるという最悪なスタートから始まる』

 

 

上司「君、この仕事を頼むよ。上手く成功すればボーナスを弾むから」

部下「分かりました。任せてください」

(仕事上のトラブルを解決するのにあくせく)

上司「(緊急連絡で)おい、君。悪いが急ぎの仕事が入った。至急、こちらの案件を優先して解決してくれ(ガチャ。連絡を切る)」

部下「ええ? 仕方ないですね。でも、最初の仕事よりも厄介なんですけど? ついでのように頼んでくる内容じゃないでしょ、これ」

(何とか必死に頑張ってトラブル解決した後で)

上司「(緊急連絡で)おお、さすがは我が社きってのエリート社員だ。だったら、ついでにこっちの仕事も任せられるな。頑張ってくれたまえ(ガチャ。連絡を切る)」

部下「……ブラック企業かよ、ここ」

 

 

NOVA『選択を間違えると、強敵ヴァリオーグとの戦いの後で、宇宙海賊退治まで押しつけられて、ボロボロに損傷した《星霧号》(ヴァリオーグ戦で修復不能に傷つけられる)で宇宙海賊退治までしないといけない羽目に陥る』

 

アスト「なまじ有能さを示すと、厄介な案件を全て持ち込まれて、ひいひい悲鳴を上げるってことだな」

 

ダイアンナ「それで報酬を引き上げてくれるならいいんだけどね」

 

NOVA『ケチな王様だから、それはない(断言)。ハイリスク・ハイリターンならやる気も出るってことだが、ハイリスク・ノーリターンだからな』

 

アスト「ローリターンどころか、得るものなしかよ」

 

NOVA『そう。もしかすると、王様からの緊急連絡ってのは偽物で、実はル・バスティンが王様に成りすまして、こっちの使命に妨害工作を仕掛けて来ているのでは? という可能性すら考えられる。後々に判明するのだが、どういうわけかル・バスティンはこちらの任務のことを知っていて、あれこれ対策を練っていたらしいからな。エンスリナ宮廷にスパイでも潜り込ませて、王様からの緊急連絡に見せかけて、こちらを死地に追い込むぐらいのことは軽くやりかねん。

『……って言うか、それだけの陰謀ぐらいは働かせる敵でないと、その末路があまりにも間抜けだ。地獄の館のケルナー卿みたいに、ボスと思われていた者が実はお飾りだったというどんでん返しはたまにあるし、敵の王が寄生生物に乗っ取られていましたって作品とか、タイトルにあるボスが物語中盤に殺されて、後半はその死に際の呪いを解除するための探索行って作品も今年は復刻するから、ル・バスティンのような部下から下剋上されて野望が崩壊する悪役もそれはそれであり、だとは思う。だけど、まあ、最後に脱力させられるからなあ(苦笑)』

 

アスト「先にネタバレするのはそれぐらいにして、ラスボスよりも脅威だというヴァリオーグ事件を解決しようぜ」

 

ヴァリオーグの脅威

 

NOVA『ヴァリオーグとの戦いは、シェイネルートの次か、宇宙ステーションの次にパラグラフ182番を選択したときに発生する。高位次元で戦争を続けているらしく、そのためのエネルギー資源を求めて、稀にこちらの次元に出現しては膨大な太陽エネルギーを収奪し、一つの太陽系を崩壊させるらしい。

『今回、狙われたのはカリブロイ星系。何百万という生命形態が居住する15の惑星(なお、地球だけでも200万種以上の生物種がいるそうで、知的生命体の居住世界としてはまあ普通なのかな)を持った、赤色矮星カリブロイがエネルギーを吸収されてピンチなので、その補給戦艦を撃破するようにという指令が届いた』

 

アスト「敵の補給艦を叩けってか。補給艦1隻なら何とかなるんじゃないか?」

 

NOVA『スターウォーズのXウィング1機で、帝国軍のインペリアル・スターデストロイヤーを落とせって感じのミッションだな。フォースの導きがあれば何とかなるかもしれないが、とりあえず、最初の選択肢は4つだ』

 

・コンピューターによる自動攻撃システムのスイッチを入れるなら8へ。

・探知防止スクリーンのスイッチを入れるなら70へ。

・エンジンを切り慣性航行で攻撃可能圏内へ入るなら121へ。

・敵をコンピューターによる自動走査にかけてみるなら163へ。

 

NOVA『こんな感じの選択肢を何回も選んでは、攻撃が失敗しては反撃の熱戦砲を受けて、《星霧号》のシールド2基が抹消(修復不能)したり、勢い余って特攻して玉砕したり、誤って自爆ボタンを押してゲームオーバーしたり、という大惨事の危機を何とかフォースの導きによる未来予知で回避した者だけが勝利をつかむことができる。普通は死ぬ』

 

アスト「でも、正しい選択肢を選べば勝てるんだろう?」

 

NOVA『勝てるのかな、これ? 一応、極力マシな選択肢を進めば、こんな感じだ』

 

・56:バトル開始。

・163:コンピューターによる自動走査。敵艦左舷の第5ロケット噴射口に弱点発見。

・215:電磁走査鏡で弱点を精査するも、敵の攻撃を受けてシールド1基抹消。体力点2減少。火災発生。

・240:消火装置を起動して、誘爆を防ぐ。敵小型機(操縦6、レーザー2、シールド8)が出現。迎撃することに。

・23:敵機撃墜後、旗艦(操縦5、レーザー4、シールド10)に挑む。

226:敵戦艦を撃破成功。なお、星系の名前はカリブロイだったはずが、このパラグラフではキャブリロウとなっていて、訳語の統一が為されていない模様。

 

NOVA『小型機撃破で、こちらの操縦能力が6に達していれば、敵母艦も十分に撃破できるかもしれんな。ええと、こちらが相手を落とすのに7.5ラウンド。相手がこちらを落とすのに11ラウンドっぽいし、過剰に恐れていたが、最適ルートを選べば勝てそうだ。まあ、最適ルートでなければ、どんどんシールドを失ったり、自爆に追い込まれたり、敵の攻撃が直撃してアウトなんだが。ここだけでバッドエンドが2つもあるし』

 

・90:原子分極装置がうまく起動せず、瞬間的に致死量の放射線を浴びてしまって自滅。

・389:とつぜんものすごい原子爆発が起こり、君は原子に分解されてしまう。

 

NOVA『とりわけ、389に向かう原因が3ヶ所あって、以下のとおりだ』

 

・121:慣性航行していると、敵艦から無数の真空弾頭魚雷が発射される。運だめしに失敗すると、389へ。

・292:敵の砲撃を避けるため、エンジンに許容レベル以上の負荷をかけて、《星霧号》を急旋回させる。その結果、エネルギー貯蔵装置がオーバーヒートを起こして、389へ。

・369:戦闘中に磁界安定機のスイッチを切ってしまって、389へ。

 

NOVA『不可能とは言わんが、これほどの強敵を倒しても何のメリットもないのがこのゲームの欠点だな。せめてヴァリオーグ(正式名称スターファイアー・ヴァリオーグ)を撃退したことで、《星霧号》に高位次元の最強武装「スターファイアー・バスターカノン」が設置されて、いかなる強大な敵も銀河の藻屑に変えることができるほどの最終兵器にバージョンアップすればいいのに。それぐらいの偉業は成し遂げたと思うんだ。あるいは《星霧号》が巡航形態のクルーザーモードから、砲撃形態のバトルモードになるとかな』

アスト「それだけの破壊エネルギーをどこから調達するんだよ?」

 

NOVA『そりゃあ、ヴァリオーグのやって来た第57次元からちょっくら次元の壁を超えて調達してくればいい。ヴァリオーグの戦艦の残骸から解析すれば、それぐらいできるんじゃないか? そうだ、マッドサイエンティストとして名高いル・バスティンを説得して、「銀河最強兵器を作って、ケチなヴァークス王を見返さないか?」と誘いをかければ、話に乗って来るかもしれない。ジャン・ミストラルの心に銀河の支配者、天空王者スカイロードになる野心が芽生えた瞬間である』

 

アスト「妄想乙。ゲームブックに書いていない勝手な野心を捏造するのはやめような。読者が混乱する」

 

NOVA『というか、FFのゲームブックで世界を征服する覇王を目指す作品が一つぐらいあってもいいと思うんだ。「君は邪悪の王を目指す若者だ」とか「君は若き日のバルサス・ダイアだ」とか。まあ、雑誌掲載のミニゲームブックで「君はバルサス・ダイアの配下の調査係だ」というのがあって、砦の中で企てられてる陰謀を探る内容だったりするんだけどさ』

 

ダイアンナ「とにかく、話を先に進めないか? いくら花粉症で頭がフワフワしているからって、寄り道脱線している時間はないはず」

 

NOVA『そうなんだよ。それが問題なんだ』

 

ダイアンナ「何が問題なんだ?」

 

NOVA『パラグラフ226番の文章だ』

 

 君はキャブリロウ星系を救ったのだ!

 だが、残念ながらそれを祝っている時間はない。

 本来の任務を達成するために、すぐさまアーロックに向かって出発しなければならないのだ。

 今度はタイム・ワープで行くか(254へ)、それとも光ワープで行くか(279へ)?

 

NOVA『いや、一つの太陽系を救ったんだぜ。少しぐらいは祝おうよ。ウォズさんを呼んで来いよ。せめて類まれな幸運を示したことで、運点の1、2点ぐらい回復させろよ。ヴァークス王に負けず劣らずケチくさいな、作者のM・Aはよ。それだから、相棒もしくは世話係のアンドリュー・チャップマンに愛想を尽かされるんだぜ』

 

アスト「いやいや、作者の背景事情まで責めるのはやめたれよ。下手したら、名誉毀損だ」

 

NOVA『まあ、30年前なら、とっくに時効だしな。いろいろ発掘すると、過去の瑕疵も取り沙汰されるが、下手すると俺の方にも過去の瑕疵が発掘されるかもしれないので、自爆しかねん。何だかんだ言って、自分の名前でゲームブックを数冊出しているだけでも偉業だからな。何だかんだ言って、ネタにして楽しめるほどの作品ではある。楽しませてもらっている人間の悪口を言っては品性を疑われる。今のは花粉症ゆえの失言妄言ってことで。M・Aさんには謝っておこう。いつか共著作の「王子の対決」も当ブログで特集してあげるから勘弁。いつになるかは知らないけどさ』

 

宇宙海賊との死闘

 

NOVA『パラグラフ254番に進むと、ヴァークス王からまた緊急連絡がある。悪名高い宇宙海賊《タングステン・クロウ》の略奪計画が分かったので、それを迎え撃つように、とのこと。だから、そういうのは一人の冒険者やスパイの仕事じゃなくて、軍隊の仕事だろうに、どうしてミッション途中の妨害をしてまで、押しつけて来るかなあ?』

 

アスト「ケチだからだろう? 軍隊を動かすのは金が掛かるし」

 

NOVA『追加料金を請求しないと割に合わねえ、と思いつつ。ええと、宇宙海賊とのバトルに入れるのは、宇宙ステーションかヴァリオーグをクリアした時だな。ヴァリオーグ戦で傷ついた機体で無理して戦ってもいいし、宇宙ステーションから無傷の機体で挑んでもいい。そして、こちらは同じ宇宙船バトルでも、ヴァリオーグ戦とはまた違った趣向だ』

 

ダイアンナ「飽きさせないイベントってことか?」

 

NOVA『ゲームとして面白いかどうかは別として、いろいろな変化球は投げて来るな。宇宙海賊の船《グレート・アーチベラーゴ号》がアデルファ星系の豊かな惑星に向けて航行しているところに追いつく《星霧号》。

『コンピューターが双方の機体の縦揺れ角や横揺れ角、揺首角および相対距離とスピードを表示するので、それを調整する選択肢を選んで行くことになる。最初の選択肢は3つだ』

 

・スピードも進路もこのままを維持するなら205へ。

・スピードを2000に上げ、進路はこのままを維持するなら360へ。

・スピードはこのまま、揺首角を−10にするなら107へ。

 

NOVA『最初はどれを選んでも、敵の攻撃(順に電気ショック、磁気破砕弾、冷凍光線と異なる手段で豊富な武装と言える)を受けて、シールドが1基抹消される。敵と味方の進路角データを揃えることで攻撃チャンスを見計らう攻略法らしいが、相手の攻撃を受けることで予定外の進路のブレ方をするのでなかなかぴったり合わない。まあ、パラグラフを一通りチェックすることで、最適解は以下の通りになることは分かったんだがな』

 

・11:バトル開始。

・360:スピードを上げるが、磁気破砕弾でシールド1基抹消(回復しない)。

・285:スピードと進路を維持していると、砲弾の破片で機体が揺れてパイロットが1点のダメージを受ける。

・177:スピードを維持したまま、縦揺れ角と揺首角を調整すると、相手の艦の側面から近づく。

・231:スピードを半分に落とし、縦揺れ角を調整する。

・206:敵の真後ろに付くことに成功し、海賊船を見事に撃退することに成功。

 

NOVA『ここもヴァリオーグ戦同様、248や347、383といった3つのゲームオーバーパラグラフが確認できて、巨大な核爆発で粉々に吹き飛んだり、強力なガンマビームで焼かれたり、敵艦に正面衝突する体験ができる。SFゲームで死ぬと、死体が跡形もなく吹き飛ぶ描写が多くて、情緒もへったくれもないのが残念だ』

 

アスト「ゲームオーバーだと、どんな死に方をしても変わりないだろうが」

 

NOVA『個人的には吸血鬼に噛まれたり、狼男に傷つけられたりして、モンスター化というバッドエンドに惹かれるものがあって、その点ではシェイネの術でミュータント化という171番はツボとも言えるが、文章がいまいちで想像力が働かん。「シェイネは君の首に鎖をつけて、結晶体でできた巨大な宇宙戦艦のなかへと連れていく。君の冒険は終わったのだ」って感じで、何だか淡々としていて、つまらない』

 

アスト「どうしろって言うんだよ?」

 

NOVA『このシチュエーションで俺をゾワゾワさせたいと思えば、こうだな』

 

 シェイネは君の首に鎖をつけて、にっこり微笑んだ。

 「最初からあった4本腕に、私の術で4本増えて全部で8本腕のペットね。珍しいコレクションが増えたわ。立派に働いてちょうだいね」

 君は低下した知能で虚ろな笑みを浮かべた。

 これからは美しい女王に仕える、おぞましい獣として生きていくのだ。君の冒険は終わった。

 

ダイアンナ「ダディーは女王に仕えるペットとして生きるのが夢なのか? だったら、あたしが吸血して……」

 

NOVA『そういうのはアストだけで十分だ。俺は自由意志を持たない獣にはなりたくはない。ゲームやヒーロー番組を楽しめないじゃないか』

 

アスト「オレだって、ペットとして生きてるわけじゃねえ。誤解を招くようなことを言うな!」

 

NOVA『それはともかく、宇宙ステーションのオレンジ球体にむさぼり食われるだけのバッドエンドもシチュエーションの割に、文章が残念だな。もっと、こう自分の体が不定形生物に侵蝕されて、ドロドロに溶けて、それをおぞましいと感じる意識が次第に消失して、肉体変貌していくことに快感を覚えるようになって、仲間を増やしたいという本能が芽生えるところまで描写すれば、俺はM・A氏を尊敬するのだが実に惜しい』

 

アスト「だったら、そういうゲームブックを自分で書けよ。お前の性癖に作者が応じてくれないからって、作者を否定するな」

 

ダイアンナ「何だかんだ言いつつ、十分想像力……というか妄想力を働かせていると思うけどね」

 

NOVA『だから、シチュエーションは悪くないんだよ。しかし、超兵器で爆発とか消失とか焼き払われる系のエンディングには、そういうゾクゾク系の風情が欠如してしまうので、味も素っ気もない。

『それはそれとして、この宇宙海賊戦もパラグラフ解析すると、海賊の用いる多彩な装備を分析したりしながら、こちらの《星霧号》のシールドがどんどん削られて行ったり、飛来する敵機やミサイルを迎撃するパラグラフとか、細かく語ることも可能だ。特に、366番の高性能ミサイルなんて凄いぜ』

 

・高性能ミサイル:操縦能力8、レーザー2、シールド4

 

NOVA『ミサイルなのに、レーザー砲とシールド発生装置を備えているって記述が、文章にもあるんだ』

 

アスト「それって、ガンダムのファンネルか何かじゃないのか?」

 

NOVA『すると、敵海賊船にはニュータイプか強化人間でも乗っているのか? できれば説得して仲間にしたいところだが、そういう選択肢はないし、戦わなければ生き残れない。とにかく、この高性能ミサイルは弱いのに操縦能力だけはやたらと高いので、何度も繰り返して撃墜できれば、こっちの操縦能力もどんどん成長できるんだが、そういうパラグラフループは確認できない。それに、こいつと遭遇するには、22番で運だめしを行なって失敗しなければならないようだ』

 

アスト「運だめし失敗が条件なら、何度もやるわけにはいかないな。運点が回復しないのだから」

 

NOVA『ゲームのルール的には、ザコ敵を落とすだけで操縦能力が1点上がるのはラッキーなんだが、運だめしが失敗した扱いになるのはチグハグ感を覚えるわけで。プレイヤー心理としては、災い転じて福と為す展開だが、ミサイルを落としまくって操縦能力をドーピングしまくる戦術はリスクの方が大きいのでお勧めしない。

『「俺は操縦能力をガンガン上げて最強の宇宙パイロットを目指すんだ、そのためなら運が削れても構うもんか」……って考える奇特な人には、177の後で22に行くルートを紹介しておく。22で運だめしして、成功すれば231へ(単に運が1点削れただけで実質的に損)、失敗すれば366でミサイル迎撃する羽目に陥り(運1点と引き換えに操縦能力1点加算で、帳尻は合うかも?)、その後で231へ向かうことになる』

 

ダイアンナ「そこから206へ向かうと、敵艦の撃破に成功ってことだね」

 

 

さらば星霧号

 

NOVA『ヴァリオーグを倒してから光ワープを使うか、海賊船を撃破した後は自動的に279番に進んで、ようやくアーロックに到着する。ここからが後半戦なんだが、その前に立ちはだかる最後の障害が自動防衛装置だ』

 

・自動防衛装置:操縦能力6、レーザー2、シールド6

 

NOVA『ここまで来ると、まあ、何のことはないザコ敵なんだが、ヴァリオーグ戦や海賊戦で機体のシールドがいっぱい削れている場合は、運悪く負けるかもしれない。なお、文章記述だと、自動防衛装置の他に、大気圏に浮かぶ機雷やロケット、原子力飛行船をひらりひらりと避けながら飛ぶとあり、アーロックの防衛がこんなザコシステムのみってわけじゃない。それでも、ヴァリオーグや海賊を撃破した熟達のエースパイロットにとっては、どうということない敵だろう』

 

アスト「そういうのは実際にダイスを振って、攻略してから言えよな」

 

NOVA『また、そのうちな。ともあれ、ついに大気圏突入を無事に果たして、アーロックのセントラル・シティが見えて来る。しかし、シティの高層ビルの一つから赤いビームが発射され、《星霧号》に直撃してしまうんだ。左舷エンジンを貫通し、かろうじて爆発は免れたものの、シティを前に不時着を余儀なくされてしまう』

 

ダイアンナ「こうして《星霧号》の出番は終了したわけだね」

 

NOVA『そう。ここまで頑張ってくれて、ありがとうな、と愛機への別れを惜しみつつ、涙ながらにシティへ向かう描写が欲しいんだが、文章は実に淡白だ。そっけなく「君は《星霧号》を捨て」とある。機体への愛着はないのかよ〜と思いながら、そういうのはプレイヤー各自が脳内補完しろよってことか。だったら、淡々とした文章に反して、この場で《星霧号》のこれまでの活躍シーンをあれこれ思い描き、ポンコツ呼ばわりして悪かったな、とか、今はギアナ高地に残されたシャイニングガンダムのように安らかに眠れ、と声をかける次第だ。いや、砂漠に眠るダグラムのように、でもいいけど』

アスト「旧世紀のロボットマニアじゃないと分からない例えを出すなよ。若い読者が困惑するだろうが」

 

NOVA『旧世紀のゲームブックを今さら攻略してるんだから、読者だって旧世紀への興味が溢れているはずだ。旧世紀をバカにするような人間が、この文章を読んでいるはずがないだろう』

 

ダイアンナ「あたしは旧世紀のことがよく分からない令和と未来に育った吸血サイボーグなんだが、過酷でカオスな世紀末ってのは興味があるぞ」

 

NOVA『まあ、令和の今も、過酷でカオスな旧世紀の焼き直し感覚が満ちあふれている気がするんだが。時代は80年代に逆行していて、80年代ノスタルジーがブームなんだと思うな』

 

アスト「とにかく、《星霧号》の出番はこれで終了……ってことは、ここまで育てた操縦能力に意味がないのでは?」

 

NOVA『ああ、ここまで来ると、通常は6、海賊戦でミサイルを撃破していたら7ぐらいまでは操縦能力も育っている。そして、この操縦能力はアーロック到着後も、地上の乗り物を現地で調達することで生かされる。つまり、宇宙船戦闘のルールで地上の乗り物戦闘も行われるんだ』

 

アスト「作者のマーティン・アレンは自作の乗り物戦闘ルールにこだわりを持っているみたいだな」

 

NOVA『だろうな。アーロックの地上では、《星霧号》の不時着場所を黒い沼地(154)か紫色の砂漠(84)の2択で選ぶことにより、シティに到達する前の2つの野外ルートが用意されている。その概要は以下のとおり』

 

・沼地ルート:ル・バスティン配下の軍隊が動き回っている地域で、メカを駆使して強行突破を図る物語。

・砂漠ルート:現地の蜘蛛モンスターなど従来のFFらしさが濃厚な通常戦闘メインの物語。

 

NOVA『ゲームシステム的には、マーティン・アレンの作った乗り物戦闘のルールが気に入ったなら沼地ルートがお勧めで、「いや、そんなギャンブル感覚の強い欠陥ルールはダメだ。御大ジャクソンやリビングストンが作ったFF通常戦闘のルールが信頼性高くて王道だよ」と主張するなら砂漠ルートがお勧めだ。俺がプレイする場合は、当然、砂漠ルートを選ぶがな』

 

アスト「マーティン・アレンへの愛はないのかよ?」

 

NOVA『FFシリーズへの愛はあるが、アーロックの作者への愛はないな。と言うか、作品数が少ないので、作風も今はアーロックのみで判断するしかないだろう? まあ、好きか嫌いかで言えば、好きじゃないとは言えるが、それでも面白いと思える要素を見つけ出す努力はしているつもりだぞ』

 

ダイアンナ「努力しなくても普通に楽しめる作品と、努力しないと楽しさが見出せない作品との2種類あったなら、アーロックは後者だってことだね」

 

NOVA『まあ、好き嫌いを作品批評の基準に置いて、嫌いな作品の悪口を言いまくるのは批評として下劣な感情論だと思うが(ただの感想文)、俺の目的は作品を少しでも味わい楽しむことだからな。俺の好みはこうだって示しながら、アーロックの可能性は追求したいかな、と』

(当記事 完)