ウルトロピカルな⭐️GT(ゲーム&トレジャー)島宇宙

南の島と上空の宇宙宮殿を舞台にTRPGや特撮ヒーローなどのおしゃべりブログ。今はFFゲームブックの攻略や懐古および新作情報や私的研鑽メイン。思い出したようにD&Dに触れたりも。

「雪の魔女の洞窟」攻略紀行(その2)

イエティの話

 

リサ(ダイアンナ)「前回、死闘の末にホッキョクグマを倒したあたしは……」

 

アス・ラル(アスト)「クマじゃねえ。イエティだ、イエティ」

 

リサ「あっと、そうだった。イエティって、確かヒマラヤの雪男って本で読んだことがある。アランシアにヒマラヤってあったんだね」

 

リバT『ないです。氷指山脈は、アランシアの北方にありますが、ヒマラヤは東経80度、北緯30度辺りにあるそうで、緯度的には、この地(屋久島)と同じぐらいの位置にあるんですね』

 

リサ(ダイアンナ)「すると、このウルトロピカルの地にイエティが出現しても不思議ではない?」

 

リバT『緯度が同じだけで、気候が全然違うじゃないですか。ウルトロピカルな環境でイエティが出現するのは、ハワイにホッキョクグマが出現するぐらい似合わないでしょう』

 

アス・ラル「とにかく、氷指山脈は雪国。雪国と言えば、マンモスや雪男が出現しても不思議じゃないと。まあ、ペンギンが出現すると、おいおいとツッコミネタになるが」

 

リサ「どうして?」

 

アス・ラル「ペンギンは南半球に生息する鳥だから、南極にいる。氷指山脈は北方だから違和感だろう?」

 

リサ「でも、アランシアはファンタジー世界だから、リアル地球と生態系が違っていても不思議じゃないと思うんだけど」

 

アス・ラル「とにかく、本作にはペンギンなんて出ないんだから、気にしても仕方ない。イエティだって、リアルのUMAじゃなくて、アランシアン・イエティという特別種と解釈すべきだ」

 

リバT『元が未確認生物のUMAですから、それ自体が特別種なんですけどね。まあ、こういうときに便利なのが、モンスター事典なんですけど』

リサ「超や真のつかない最初の奴だね。何々? 後ろ足で立ち上がれば、身の丈4メートルを越える? イエティの攻撃が命中すると、猛烈な冷気のために追加で1D6点のダメージを受けるなんて、書いてあるんですけど?」

 

リバT『ゲームブックで登場した個体は、もしかすると、そういう特殊能力を身に付けていない幼体だったのかもしれませんね』

 

リサ「あたしは2回攻撃を受けたから、モンスター事典に記載された特殊能力が反映されていたら、2D6の追加ダメージ、期待値で7点も余分に受けていたのかもしれないんだね。体力回復が保存食1個じゃ追いつかなくなっている可能性があったわけだ」

 

リバT『イエティの話はこれぐらいにして、話を進めましょう。さっきからプレイヤー発言丸出しです。アランシアのリサ・パンツァさんは、ヒマラヤとか、ウルトロピカルとか、リアル地球とか知るはずがありませんし』

 

リサ「ああ、そうだった。メタ発言には気をつけないと」

 

アス・ラル「まあ、そんなことを気にしすぎると、パラグラフ363番から続けるってことも言えなくなるんだけどな」

 

リバT『とにかく、イエティを撃退したあと、亡き猟師さんの遺言に従い、メイン舞台の〈水晶の洞窟〉、あるいは〈雪の魔女の洞窟〉に侵入するところから参りましょう』

 

〈水晶の洞窟〉への侵入

 

リサ「ダンジョンでの冒険で気になるところ。明かりはあるの? 装備品にはランタンとか松明とかないんだけど」

 

リバT『本作には、特に明かりのことは書いていないんですね。とりあえず、人工の洞窟で、魔女の信奉者も出入りしているようだから、通路に魔法の明かりが灯っていることにしましょう。氷河をくり抜いた壁が光を反射したりして、水晶のようにキラキラしていて美しく幻想的な光景ですね』

 

リサ「魔女というだけあって、美的センスは悪くないのかもしれないね。光ものに目がないのは、あたしもいっしょだ。どこかに宝石でも転がっていないかなあ」

 

リバT『そう思って歩くうちに、氷中のトンネルはT字路に差し掛かります。右か左のどちらに進みます?』

 

リサ「正解は右って分かってるんだね。クンクン。あっ、右から美味しそうな匂いがする。研ぎ澄まされたあたしの匂いセンサーが反応した」

 

リバT『パラグラフ215番ですね。氷の台座の上に、黄色い液体の入った真鍮の鉢が置かれてあります』

 

リサ「ここに侵入者が入って来ることは想定されていないから、毒なんて入っているはずがない。美味しそうと思って、ゴクゴク飲むよ」

 

アス・ラル「その辺は、残飯あさりのリーサンの娘なんだな。血は争えないというか」

 

リバT『信者に寒さを感じないように〈雪の魔女〉が作った特製ポーションですね。体がポカポカ温まって、体力点が3点回復します』

 

リサ「こんなに美味しいポーションをあたしのために用意してくれるなんて、〈雪の魔女〉は意外と良い人かもしれない。少なくとも、アズール卿よりはマシだろうと、あたしの中の好感度が1点上がった」

 

アス・ラル「って、チョロ過ぎるだろう!? その寒さ避けポーションの中に洗脳薬でも仕込まれていないか?」

 

リサ「さあね。とにかく、体力点が全快したよ。鼻歌を歌いながら、来た道を引き返して、今度はT字路の左へ進む」

 

リバT『パラグラフ395番ですね。道は右に折れて、向こうから白いマントの長身の男がやって来ました』

 

アス・ラル「よし、敵だ。血を吸うぞ」

 

リサ「却下よ。誰でもかまわず、殺したがる癖はやめなさい」

 

アス・ラル「誰でもかまわず、じゃないだろう。こいつは敵だ。問答無用で殺しておいた方が絶対にいいって。善は急げだ。キル・エネミーだ」

 

リサ「敵地なので鞘に入れるのは勘弁してあげるけど、しばらく黙って、あたしのやり方を見てなさい」

 

リバT『白マントの男は、何やらブツブツ独り言をつぶやいてる女剣士を見て、どうしようか戸惑っているようですね。よく見ると、エルフです。山に住むマウンテンエルフという種類ですが、外見から分かるものなのですかね』

 

リサ「まあ、雪山で出会ったから、雪山エルフと言ってもいいのでしょうけど、スノウエルフというわけじゃないのよね。とりあえず、話をするわ」

 

アス・ラル「そいつは殺しておく方が、後が楽だってのに……ブツブツ」

 

リサ「ブンブン音を鳴らす魔剣の不平は無視して、エルフさんに話しかけます。ええと、ここには〈雪の魔女〉って凄い魔法使いがいるって噂に聞いたんだけど、知ってる?」

 

エルフ『あ、ああ、確かに知っているが、魔女さまに何の用だ?』

 

リサ「このわたしの剣の腕が役に立たないかと思って」

 

エルフ『傭兵志願だとでも言うのか。信じられんな。魔女さまの噂を聞いたなら、その悪魔のような恐ろしさも聞いているはず。善の心を持つなら、好き好んで関わりたいと思うはずがない。わたしだって、この首輪のせいでここにいるだけなのに!』

 

リバT『そう言うエルフの首には、トンネルの薄闇の中で金属の首輪が微かな光を放っていますね。彼の説明では【服従の首輪】だそうで、これを着けると魔女の命令に逆らえないそうです。魔女は自分の信奉者には全員、この呪われた首輪を着けさせて忠誠の証にしているみたいですね。喜んで首輪を着けている者も多いですが、中には無理やり首輪を着けさせられて、奴隷のように逆らえない信者に仕立てられた者もいるとか。心では信じていなくて反抗していても、魔女の意に逆らう行動をとると苦痛を受けて、最悪、死に至るとか』

 

リサ「大変そうね。見ず知らずのあたしに、そこまで情報をベラベラ喋って、魔女に逆らったことにはならないのかしら?」

 

エルフ『魔女さまにとって、君が敵なのか味方なのか、自分には判断できないからね。敵なら愚かな侵入者を始末するために戦わないといけないのだろうが、そういう命令は聞いていない。ここに入って来る者がいること自体、信じられないのだ。本当に君は何をしに、ここに来たのだ?』

 

リサ「運命神ロガーンに導かれて来た、とでも言っておきましょうか?」

 

エルフ『中立のトリックスター神か。その答えじゃ、どっち付かずだな。まあいい。魔女さまに会いたいなら、この先を右に進むことだ』

 

リサ「一つお願いがあるの」

 

エルフ『何だ?』

 

リサ「その白いマントがおしゃれで気に入ったので、譲ってくれないかしら。この先でいちいち誰何させられなくて済みそうだし、上手くいけば、あなたを解放してあげられるかもしれない。自由と解放は、ロガーンの意思よ」

 

エルフ『! そうか。そういうことか。なるほど、だったら、わたしも君の幸運を、人の運命神と我らが母(エリリア)なる女神ガラナに祈った方がよさそうだ。君のその剣が目的を果たすことを願っているよ。マントがあれば、君も信者を装うことができるだろう』

 

 

 こうして、リサはエルフの信用を得て、この先の道の情報と、マントを入手しました。

 このエルフとのイベントは、いくつかの分岐に分かれて、後の攻略のし易さに関わって来ます。

 最初の選択肢は3択。黙って通り過ぎるか、魔女の仲間になりに来たと話しかけるか、問答無用で攻撃するかです。

 会話内容は多少変えていますが、リサは会話を選択。ロガーンの名を出すことで、善悪どっち付かずの態度を示しつつ、解放という言葉で、暗に「魔女を倒すことで奴隷を解放する」という真意をちらつかせて、マントまでゲットしました。

 ゲームブックの選択肢だと、『魔女を殺す』と打ち明けないと、マントを入手できず、単に道の情報を聞くだけとなります。

 

 黙って通り過ぎようとする場合、運だめしをさせられて、これだけでペナルティーって感じです。成功すれば、何もなくエルフから見逃され、情報もマントもゲットできず。失敗すると、首輪を着けていないことを見とがめられ、適当な嘘でごまかそうとするも上手く行かずに運点をさらに1点失うか、バトルで切り抜けることになります。

 この際にバトルを選択するなら、技6、体6の相手と戦い、結果として情報もマントもゲットできません。

 最初からバトルを選択していれば、少しだけ流れが変わって、エルフの残り体力2点でとどめを刺すこともできますが、命乞いをする相手を助けることで、会話モードに入って情報とマントを入手できます。

 個人的には、この後の危険を極力少なくしようと思えば、「情報を得ずに、マントを入手する」のがベストだと考えますが、そういう選択はできないんですね。あるのは「両方ゲット」か「情報のみゲット」か「何もゲットせず」かの3つ。

 いずれにせよ、情報をゲットすれば、パラグラフ106番に向かうことになり、分かりやすいのはいいのだけど、ゴブリンとの遭遇(アイテムが得られる)とか、オークとの遭遇(アイテムが得られる)が体験できない。これらの遭遇は攻略において必須ではないのですが、得られるアイテムがあれば、とある強敵と戦わずに済むというメリットがあります。*1

 リスク軽減の観点から、このイベントでの最適解は何かを考えると、ゴブリンルートが一番楽だと思うのですが、マントが入手できないのもリスクですので、エルフとの交渉で両方ゲットが無難かな、と。なお、オークルートだと攻略必須アイテムが入手できなくなりますので外れです。そちらも楽しいイベントはありますので、後ほどIFルートで紹介したいんですけどね。

 今は、情報とマントを入手したという前提で進めます。

 

腹ペコ剣士の台所あさり

 

リバT『では、エルフさんから情報を聞いたことで、その後で分岐した道の右に向かいます。パラグラフ106番にて、台所イベントが発生しますね。ノームの料理番と手下のネアンデルタールがシチューを作っているようですが、台所に入りますか? それとも無視して通り過ぎますか?』

 

リサ「シチューと聞くと、腹ペコの血が騒ぐというもの。ふらふらと台所に足を踏み入れます」

 

ノーム『何だ、お前は? 晩飯ができるまで、まだ2時間はあるぞ。それとも腹が減って我慢ができないのか? 仕方ない、この古くなったケーキでも持って行くがいい。こっちは忙しいんだから、早く出て行ってくれ』

 

リサ「そんなケーキじゃ、あたしの飢えは収まらない。この台所に攻略必須アイテムの匂いがするぅ。そいつを寄越せ。ウリィィィ」

 

ノーム『うわっ、何だ、この女。目が赤く輝いて、まるで魔女さまみたいだ。しかし、大切な食事作りの邪魔をさせるわけにはいかん。ここから叩き出せ、ネアンデルタール

 

ネアンデルタール『うがあっ』

 

アス・ラル「ほう、オレに血を捧げるか。原始人とは言え、見上げた心意気。ならば死ね」

 

 技術点7、体力点8のネアンデルタールが肉切り包丁を振りかざし、腰掛けを盾みたいに持って襲いかかって来るわけですが……リサに2点のダメージを与えただけで斬殺されます(残り体力18点)。ノームは凶暴化した女魔剣士に恐れをなして逃げて行きました。

 

リサ「ハッ。あたしは何を? もしかして、アス・ラル、お前の仕業か?」

 

アス・ラル「いいや。オレは襲いかかって来た原始人を返り討ちにしただけだ。嬢ちゃんの腹ペコ暴走まで、オレのせいにするんじゃないよ」

 

リサ「それもこれも、あたしを狂わせたシチューの匂いが悪い。早速、味見しよう。(一口食べて)何だ、これ? まだ煮込みが足りないじゃないか」

 

アス・ラル「聞いてなかったのか? 晩飯ができるまで、2時間かかるって」

 

リサ「2時間か。〈時間歪曲の指輪〉で何とかならないかな?」

 

リバT『そして2時間後……ってわけには行きませんよ。台所襲撃犯を退治するために、大勢の信徒が駆けつけるかもしれないのだから、2時間もここにいるわけに行かないのは常識でしょ』

 

リサ「しかし、シチューが食べられないのでは、何のために台所に入ったのやら。とりあえず、戸棚を漁る。運命に導かれて、攻略必須アイテムがあたしを呼んでいる……気がした」

 

アス・ラル「やっぱり便利だな。ロガーン神ってのは」

 

リバT『戸棚には食器類の他に、鍵のかかった箇所があります』

 

リサ「剣で叩き壊す」

 

アス・ラル「うわっ、そんなことに使うな。ハンマーを持ってるんだろ? そっちを使えよ」

 

リバT『そもそも、リサさんって盗賊でしたよね。鍵開けとかできるんでしょ?』

 

リサ「できると思うけど、今は時間がない。叩き壊した方が手っ取り早い。アス・ラルが嫌がるなら、ハンマーに持ち替えて叩きつける。そのために持って来た」

 

リバT『いや、ゲームブックではそういう使い方は想定していないんですけど。剣でこじ開けるって書いてるんですけど』

 

アス・ラル「オレは嫌だ」

 

リバT『仕方ありませんね。ハンマーで叩き壊された戸棚の中には、フルート*2、木の棒のルーン文字、しおれた古いバラ、「カエル族の秘儀」というタイトルの本が収められていました。ノームの私物みたいですね』

 

リサ「普通は、これらのアイテムには当たり外れがあるんだけど、ここでは全てが当たりなんだよね。珍しいことに」

 

アス・ラル「ただ、一つだけ罠が仕掛けられていて、順番に調べると痛い目にあう、と」

 

リサ「被害を軽減するには、逆順で調べるといいというのが運命神のお告げだ」

 

アス・ラル「運命神、大活躍だな、おい」

 

リバT『「サラモニスの秘密」でかなりフィーチャーされましたからね。正直、「死の罠の地下迷宮」の攻略記事の段階では、ここまで運命神ロガーンに注目が当たるとはグランドマスターNOVAも考えていなかったそうです。でも、一度、その便利さに気づくと、攻略記事では病みつきになりそうですね』

 

アス・ラル「便利すぎても、ネタがそれ一本だけってのは、芸がないので飽きられかねないけどな。便利なネタは、たまに使うから面白いのであって、繰り返しすぎると陳腐化する」

 

リサ「だけど、あたしの冒険は半年ぶりなんだから、ロガーン様にも活躍してもらうんだから」

 

アス・ラル「便利だと思えば、尻尾を振って、信者に成り下がっているんだな」

 

リサ「違うキャラだと、違うネタを考えるから。今はとりあえず、ロガーン様のお告げどおり、逆順で調べるよ」

 

リバT『本を閉じている留め金を弾くと、隠されていた毒針が指に刺さって、4点ダメージです』

 

リサ「本に罠なんて仕掛けるなよな。まあ、ヤズトロモさんの本もトラップがいっぱいあって、勝手にあさるなって怒られたけど」

 

リバT『そりゃあ、魔法使いの所持する書物はたまに危険な魔法が施されていますからね。ノームだって魔法使い、またはカラクリ職人であることが多い種族ですので、罠を警戒して然るべきでした、盗賊ならなおさら』

 

リサ「ううっ、傷ついた指先を唇で吸いながら、毒をペッと吐き出す。それから本を読むよ。『カエル族の秘儀』って何だろうってワクワクしながら」

 

リバT『期待に反して、本には何も書かれておらず、ページがくり抜かれています。何かの宝を収納するダミーだったようです。中には金鎖のついた翡翠のカエルの護符(タリスマン)が入っていて、結構な値打ちものみたいですね』

 

リサ「お宝発見。さっそく首にかけてみる」

 

アス・ラル「不用心だな。少しは疑えよ」

 

リサ「大丈夫。本当に危険なときは、ロガーン様が警告してくれる。こっちは敬虔な信者なんだからさ」

 

リバT『〈謎かけ盗賊の娘〉を自称したほどですからね』

 

リサ「自称はしてない。〈謎かけ盗賊の娘〉は、リサを拉致したって筋書きなの。サカムビット公のところから逃げ出すための狂言って形で。リサと、〈謎かけ盗賊の娘〉は別人設定だから」

 

リバT『実は、〈謎かけ盗賊の娘〉って公式にいるみたいなんですね。昔のウォーロック誌35号に収録されたポール・メイソン著のシナリオ「夢見る砂」に登場しているとか』

 

リサ「そんなの本当にいたんだ」

 

リバT『単行本化されていない雑誌掲載のゲームブックやFFシナリオは、どこまで公式扱いしていいのか作品ごとに意見が分かれますけどね。ネタ語りの材料としては、マニアックで奥が深いと思います。残念ながら、現物未チェックですし、ネットで検索しても〈謎かけ盗賊の娘〉って情報はほとんど見つからない、まさに存在自体が謎キャラです』

 

リサ「とにかく、カエルの護符(タリスマン)の効果を教えて」

 

リバT『【勇気のお守り】というのが正式名で、技術点+2です』

 

リサ「それは凄い。これで技術点14だね」

 

リバT『技術点は原点を越えて増加しないルールですので、技術点が2点まで減っても実質的に大丈夫という保険効果だけを採用しましょう』

 

リサ「【勇気のお守り】(技+2)を書き加えて、次はかぐわしいバラの香りをかぐ」

 

リバT『新鮮な良い香りに満たされて、体力3点回復します』

 

リサ「これで体力点が17だ。あとは、ルーン文字の棒と、フルートだ。ルーン文字は読めないので、後で解読できる人に会うことを願ってよう。フルートは、勝手に音を鳴らす魔法のアイテムってことで、背負い袋に入れておく。アイテムが増えるとワクワクだね」

 

信者の集会場

 

リバT『台所から出て先に進むと、パラグラフ198番。前方から集団の詠唱する声が聞こえてきます』

 

アス・ラル「ヒャッハー。獲物がいっぱいだ〜」

 

リサ「逸る魔剣のノリに乗せられないよう、今度は慎重に進むから。あたしは別に殺人鬼になりたいわけじゃないし、避けられる危険は避けないと、生き残れない」

 

アス・ラル「いや、戦わなければ生き残れないのが正解だろう」

 

リサ「自分がプレイヤーじゃないからって、無責任なことを言うな。とにかく、相手の数を確認しないと」

 

リバT『到達した先は大きな洞窟で、悪魔をかたどった氷の像の前に、10人の白マントの信者が祈りを捧げています。洞窟の奥には、左右2つの通路が伸びているのが見えますね』

 

リサ「こっそり気づかれないように広間を通り過ぎることはできるかな?」

 

リバT『マントを身につけていたら、運だめししてください』

 

リサ「(コロコロ)12だと!? 失敗した。マントをゲットした意味がない!」

 

リバT『はい、その方が物語としては面白いですね(笑)』

 

アス・ラル「これも運命神の導きだ。ロガーンは戦えとおっしゃっているぞ」

 

リサ「残り運点は9。ええと、信者に見つかったんだよね」

 

リバT『お前はどうして〈凍れるもの〉を賛美する歌を歌わないんだ? と信者の1人に問いつめられます』

 

リサ「選択肢は、魔女の命令だからと言い訳するか、戦って切り抜けるか、走って逃げ出すかの3択か」

 

アス・ラル「ここはバトルの一択だろう」

 

リサ「言い訳も、走って逃げるのも、運だめしを要求されるんだよね。今はこれ以上、運を失いたくないので、ここはバトルで切り抜けるか」

 

アス・ラル「そうだ。それこそがヒーローの道、魔剣ガールの宿命よ」

 

リサ「よし、覚悟を決めた。瞳を赤く爛々と燃え輝かせて、10人の信者を睨みつける。どけ、あたしの道を邪魔する者は何人たりとも許さん」

 

リバT『何やらリサさんの醸し出す恐ろしい雰囲気に、信者たちは祈りの声をますます高め、呪われし神の加護を願います。すると、その声に応じたらしく、氷の悪魔像が動き始め、バトルとなりますよ』

 

★アイスデーモン:技術点9、体力点11

 特殊能力:冷凍ガス。毎ラウンド初めに、1Dを振って1〜3ならガスが命中し、1点のダメージを受ける。

 

リバT『これはザコとは言えない強敵ですので、省略せずにラウンド進行で戦いますよ』

 

●1ラウンドめ:冷凍ガスは5で外れ。

 悪魔の出目は8で攻撃力17。リサの出目は6で攻撃力18。

 悪魔の残り体力9。

 

●2ラウンドめ:冷凍ガスは2で命中。リサの残り体力16。

 悪魔の出目は7で攻撃力16。リサの出目は10で攻撃力22。

 悪魔の残り体力7。

 

●3ラウンドめ:冷凍ガスは5で外れ。

 悪魔の出目は10で攻撃力19。リサの出目は7で攻撃力19。引き分け。

 

●4ラウンドめ:冷凍ガスは6で外れ。

 悪魔の出目は6で攻撃力15。リサの出目は9で攻撃力21。

 悪魔の残り体力5。

 

●5ラウンドめ:冷凍ガスは6で外れ。

 悪魔の出目は4で攻撃力13。リサの出目は5で攻撃力17。

 悪魔の残り体力3。

 

●6ラウンドめ:冷凍ガスは3で命中。リサの残り体力15。

 悪魔の出目は7で攻撃力16。リサの出目は5で攻撃力17。

 悪魔の残り体力1。

 

●7ラウンドめ:冷凍ガスは2で命中。リサの残り体力14。

 悪魔の出目は2で攻撃力11。リサの出目は11で攻撃力23。

 リサの必殺技・赤熱氷斬りで、アイスデーモンを見事に撃退。

 

リサ「燃える瞳の炎がアストラル・ソードに宿って、氷の魔神像を一刀両断にする。雪山でイグルー(かまくら)を作るために、氷のブロックをいっぱい切り裂いた経験の応用さ」

 

アス・ラル「おお、あの時の経験は、このバトルのための修練だったんだな。たった3点のダメージで、アイスデーモンを撃退した嬢ちゃんを、主人として尊敬するぞ。さすがは、運命神に選ばれた娘だ」

 

リバT『アイスデーモンの像は地面に崩れ落ち、バラバラの氷の山と化しました。信者たちは恐怖に後ずさり、今やリサさんが魔の力を帯びているのではないかと疑っているようです。華々しい勝利に、運点1点を加えてください』

 

リサ「邪魔する者がいないなら、堂々と部屋を横切って出口へ向かうよ。右か左か、どっちから出ようか」

 

リバT『ここは右の一択なんですね。左の出口は、別ルートからの入り口だったってことで。具体的にはオークルートからの。ここまでのマップは以下のとおりです』

        

      ?→悪魔像の集会場(198)→137

            l

     ?ーーーー台所と戸棚のアイテム群(106)

        l

      エルフ(395)

        l

        ーーーーポーション(215)

          l

         入り口(363)

 

 その後、パラグラフ137番に入ったリサは、保存食を1つ消費して、デーモン戦で減った体力を回復するのだった。

リサ・パンツァ

・技術点12

・体力点18/20

・運点10/12

 

・食料残り6食

・金貨:なし

・所持品:アストラル・ソード、時間歪曲の指輪、幸運ポーション、背負い袋、戦槌(ウォーハンマー)、白いマント、【勇気のお守り】(技術点+2)、古いバラ、ルーン文字の棒、魔法のフルート(青字は今回入手したアイテム)

(当記事 完)

*1:後から追記。この強敵とは戦わずに済むことを後日確認しました。詳細はその4の三つの通路辺りの選択を参照。

*2:後から追記2。銀のフルートということを改めて強調します。絶対に必須ではないのだけど、一番安定確実に入手できる銀製品なので、うかつに捨てると、運が良ければ詰みます。詳細はその6参照。