ウルトロピカルな⭐️GT(ゲーム&トレジャー)島宇宙

南の島と上空の宇宙宮殿を舞台にTRPGや特撮ヒーローなどのおしゃべりブログ。今はFFゲームブックの攻略や懐古および新作情報や私的研鑽メイン。思い出したようにD&Dに触れたりも。

「奈落の帝王」攻略感想(その6)

裏切り者の冒険者抹殺計画と、最後の希望

 

リモートNOVA『前回、リーサンはカラメールの街に巣食う裏切り者の貴族と、その協力者を告発して、獅子心中の虫を排除することに成功した』

 

アスト「不遇の死を遂げた領主レディ・キャロリーナと、筆頭騎士にして次の領主になる予定だったラメデスの仇を討ったわけだな」

 

ダイアンナ「キャロリーナの死因がよく分からないね。呪殺か、毒を盛られたか」

 

NOVA『その辺の調査は、アルブドールが裏切り者の遺品を調べることで遠からず解明されるだろう。それから、街に集められた冒険者は、リーサンを除いて、みんな不可解な死を遂げていることが判明した。ソフィアやラメデスも含めて、ルーサー以外の腕の立つ者は、黒幕の計画に逆らわないように、上手く集めて暗殺されたものと思われる。その証拠品として、裏切り者の部屋に冒険者の名前リスト(ルーサーを除く)があって、殺されたり、行方不明になった者に、抹消線が施されていた。殺された者はともかく、行方不明の者にそういう線を引くのは、殺害を企てた者ならではの視点だろう』

 

アスト「確かにな。確実に死んでいるけど、死体が見つからなかったり、原型を留めていないケースは行方不明扱いだが、殺害者にとっては処分済みということになる、と」

 

NOVA『そんなわけで、もはやカラメールの最後の希望は、リーサン・パンザただ一人という状況だったりする。そして、リーサンはダンヤザードに対して、こう言った。「奈落から来たと思しき侵略軍に対して、対処できると思われる魔法使いを探しに行きます。敵の首魁を叩けば事が収まることは、かつて北の地で〈闇の王〉の軍と対峙した際に経験済みです。しかし、仮に任務に失敗して、〈奈落の帝王〉と称される敵の配下が街に迫りつつあったなら、街の住人を連れて海からでも避難して下さい。通常の軍で太刀打ちできる敵ではないでしょうから」

 

ダンヤザード『元より、私一人でも逃げるつもりだったのだけどね。街に未来はないのだから』

 

リーサン『いいえ。街の未来は、住人たちと共にあるのですよ。この住人たちをあなたの資産と思えば、守る気にはなりませんか?』

 

ダンヤザード『上手いことを言うのね。それで、あなたに勝算はあるのかしら? 一人で逃げないという保証は?』

 

リーサン『この剣に賭けて、俺は英雄であることを求められているようです。今回は、運命神ロガーンが俺の味方だってのが、勝算であり、保証と言えるでしょう。それで不満なら、幸運の神シンドラ、この地ではキャスティス神に願って下さい。魔界の侵略者相手なら、神への祈りは多い方がいい』

 

NOVA『こうして、リーサンは東へ旅立ったということで』

 

ダイアンナ「これで事件が解決したら、確実に英雄として名を残せそうだね」

 

NOVA『ただ、ゲームブック通りのストーリーだと、これがリーサンの最後の旅立ちになるわけだがな。国を救った最後の英雄は、2度と人々の前に姿を見せることはなかったって感じで。とにかく、パラグラフ183番。リーサンは魔法使いエンシメシスを探しに、変幻の森に向かう』

 

変幻の森

 

NOVA『ところで、今さらながら、本作の特別ルールを忘れていたわ』

 

アスト「時間点の他に何かあったのか」

 

NOVA『主人公の持ってるファングセイン鋼の名剣なんだが、攻撃時の出目が6ゾロだと、相手を一撃必殺で倒せるんだ。これで運が良ければ、戦闘時間を短縮できるなあ、と。まあ、技術点12もあれば、これまでずっとノーダメージで倒せて来たんだが』

 

ダイアンナ「本作の敵は、数字データ的にはそれほど強くないみたいだね。たまに、イヤらしい特殊能力を持っていたりするけど」

 

NOVA『一撃必殺の効果が発動したら、記事で触れるようにする。ともあれ、変幻の森に向かうには、山道を北に進むことになるんだが、標識のある街道ではないので、馬と自分の本能だけが頼りだ』

 

アスト「頼りにされても、変幻の森がどこにあるかなんて、馬でも分からないよ」

 

NOVA『運命神の導きに頼るか? いきなり、運だめしを要求されたので、振ってみる。(コロコロ)5で難なく成功。残り運点11だ。失敗すれば、砂嵐のせいで2点ダメージと、時間点1点加算されるところだったけど、運よく落馬せずに済んだようだ。砂嵐がやむと、突如、目の前に森が広がっていた』

 

アスト「よく分からんが、本能で連れて来てやったぜ。馬の不思議パワーに感謝するように」

 

NOVA『不思議なのは森であって、馬じゃないと思うんだが、まあいい。森の中には、馬で進めないみたいだから、ここで待機な』

 

アスト「やむを得ん。今からオレは馬から、ファングセイン鋼の名剣になる」

 

ダイアンナ「また、剣の精霊かよ」

 

アスト「ああ。剣役のロールプレイヤーとして、一世風靡しようと思ってな。マンゴ→アス・ラルに続き、次はファインと名乗ろう」

 

NOVA『では、ファインに聞こう。森の道が左と右に分かれているんだが、どっちに向かうべきか』

 

アスト「そんなの剣に聞くな。ヒントは出てるだろう。『やぶに咲く手袋』を探せよ」

 

NOVA『なるほど。キツネノテブクロという花が左を向いているようなので、ついでに採集して、左へ向かうことにした。右は2という数字をメモして、左は3という数字をメモするらしいが、ここはちょっとしたパズルなんだな』

 

ダイアンナ「確か、間違えた道を進むと、永遠にさまよい続けるんだったよね」

 

NOVA『ああ。無限ループの罠でなかなかイヤらしい。ともかく、左へ行くと、アリに寄生された人間が助けを求めて来るが、本作は虫がいろいろ危険っぽいのでスルーさせてもらう。実際、アリがどんどんタカって来て、無駄にダメージを受けるだけのイベントだからパス。

『次にまた右か左かだが、キツネノテブクロは左手にあるので、左に進んで2をメモする。ここまで32の順でメモしたが、発生するイベントはオーガー(技10、体12)とゴブリン(技5、体4)とのバトルだ。ゴブリンはもっといっぱいいたんだが、コミカルなイベントで勝手に自滅していく。ここはユーモラスなシーンみたいだ』

 

アスト「今まで、散々陰鬱な展開だったもんな。少しぐらいは息抜きってところか」

 

NOVA『それでも、オーガーが手強くて、ダメージを6点も受けてしまった。残り体力9になったので、食事を1食とることにする(体力点13、残り食料4)。登場モンスターの種類的にも、体力点と食事の処理的にも、ようやくいつものファイティング・ファンタジーって感じがしてる』

 

ダイアンナ「今までは、違うゲームをしてたのか?」

 

NOVA『やっぱり、ゴブリンとか、オークとか、トロールとか、オーガーとか、そういう連中と遭遇すると、いかにもって感じなんだよ。虫の暗殺者とか、異形モンスターだと違う世界に拉致された感があってな』

 

アスト「まあ、お馴染みのゴブリンとかが出ない『地獄の館』とか『サイボーグを倒せ』とか宇宙SFものは、違う雰囲気だもんな」

 

NOVA『「地獄の館」はゾンビとかスケルトンがまだ馴染みのある方だと思うがな。ともあれ、次に1をメモして、トロールと遭遇するイベントなんだが、トロールは何だか川の中にいるので、うかつに飛びかかると、川の中に飛び込んでしまう。この川はどういうわけか、奈落に通じているので、いきなり異空間に引きずり込まれてしまうから、様子見したまま何もしないのが正解。そして、次にメモに記された321番に進むと、森の奥に進める』

 

ダイアンナ「順番を間違えると、123、132、213、231、312の5パターンのループがあるわけだね」

 

NOVA『正解は321→12か21(体力1点減)→366(運+1、時間+1)と進むことで、森を脱出できる。ここまでで、体力12、運12、時間16になってしまった。目の前に、細長い4本の脚を持って、地上6メートルほどの高さにそびえる奇妙な泥小屋があって、さあ、どうしようか、と思う。小屋の下をくぐるか、脚を登ってみるか、様子を見てみるかだが』

 

アスト「登ってみるか」

 

NOVA『正解は小屋の下をくぐること(小屋がゆっくり下りて来る)なんだが、登る場合は技術点判定だ。(コロコロ)4で問題なく成功したので、小屋の中に入ることができる』

 

賢人アレセア

 

NOVA『パラグラフ372番。変幻の森を越えた先の小屋に入ったシーンで、老婆が腰を下ろして、空中に何かの幻像を浮かべている。それは、虚空の牢獄に捕らえられた囚人たちの姿で、いぶかしむリーサンに解説してくれる』

 

老婆『よく見るがいい、奈落の奴隷たちの姿を。運が悪ければ、そなたの将来になるかもしれぬのう。奴隷たちの魂は、奈落の主人に捕らわれている。そなたは手遅れになる前に、彼らを救わねばならぬ。ただで教えられるのはこれだけじゃ。これ以上を知りたければ、そなたにも見識を問おう。私の名前が分かるか?』

 

ダイアンナ「簡単だ。賢人アレセアと小見出しに書いてある」

 

NOVA『まあ、そう答えるのが一番スムーズに話が進むな。他の選択肢は以下のとおり』

 

  • エンシメシス:当たらずと言えども遠からず。アレセアは好意的に接してくれるが、重要情報は教えてくれない。
  • アルブドール:全く関係ない名をテキトーに答えたことで、アレセアの怒りを駆って、配下のヘビに殺される。
  • 分からない:無知だけど正直に答えた、ということで、ヘビの餌のネズミを捕まえる仕事を条件に(運だめしの成功が必要)、会話が続けられる。ただし、重要情報を教えてくれない。

 

NOVA『結局、アレセアの名前を答えて、におい玉を捨てていない場合に限り、その本当の使い方を教えてもらえる。中に含まれる薬草は「パアラ、マアスト、テス」の順で、これを知らなければ奈落に入って詰むことになる』

 

アスト「選択肢をテキトーに選ぶことで何とかならないのか?」

 

NOVA『ただの選択肢なら、それでもいいんだが、ここはジャクソン流の文字を数字に置き換えるパズルが仕込まれている。だから、情報なしに正解パラグラフにジャンプすることは難しいだろうな』

 

ダイアンナ「におい玉に含まれる薬草の名前と順番が大切、と。他には?」

 

NOVA『奈落でこそ、におい玉は真の力を発揮できるので、そこで食すことで、〈奈落の帝王〉の放つ水晶の息の影響を受けなくするそうだ。じっさい、そうしないとバッドエンドだからな』

 

アスト「バッドエンドを避けるには、奈落でにおい玉の中の薬草を食べろ、と」

 

NOVA『次に、知恵あるヘビのカデューサスをお供に付けてくれる。本編ではあまり活躍しないが、エンディングで〈奈落の帝王〉となった主人公の話し相手として重宝する存在だ。本来は、主人公に対する助言役として、いろいろ助けてくれる役割なんだろうが、文章尺の問題か、あまり喋ることなく、時おり主人公の首に巻きつくことで自己アピールする程度の存在だ』

 

ダイアンナ「よし、決めた。アストが馬や剣を担当するなら、そのヘビの使い魔はあたしが担当しよう。リーサンの首に巻きつけばいいんだな。時々、血を吸わせてくれると、もっといい」

 

NOVA『あくまでフレーバー的な存在で、体力点は減らさないからな』

 

アスト「使い魔を持つのは、いかにもファンタジーって感じがするよな」

 

NOVA『それで、アレセアはさらに以下の情報を話してくれる』

 

  • 〈奈落の帝王〉は黒いスズメバチの大群の力で、疫病を広める。針に刺された人間は魂を抜かれて奈落へ送られ、残った肉体は悪の奴隷として地上に害悪を広めるべく酷使される。
  • スズメバチの侵蝕を防ぐには、森にあるジェーラの木の葉を燃やして、香りの良い煙を立てるといい。

 

NOVA『ここで、アレセアがスズメバチを称して、「魂盗人(ソウル・スチーラー)」という言葉を使ったのが、今だと面白いと思うな』

 

ダイアンナ「それって、長年未訳だったFF34巻のタイトルに通じるよね」

NOVA『2年前に初邦訳されたFF34巻は、本国では32巻と同じ1988年に出版されている。つまり、30巻の「悪霊の洞窟」から36巻の「死の軍団」(リビングストン、未訳)までが同じ88年ものとして同時代の作品と見なすことが可能』

 

アスト「88年は、FFゲームブックが年に7冊も出る時代だったんだなあ」

 

NOVA『この年の注目は、30巻に次いで35巻の「闇の短剣」を発表したルーク・シャープだな。年に2本のゲームブックを書いたのは、ジャクソンやリビングストン、それから85年に3作書いたアンドリュー・チャップマンに続く快挙だ」

 

ダイアンナ「88年の日本は?」

 

NOVA『24巻から27巻までで年4本だな。日本での最盛期は前年の87年で、14巻から23巻までの年10本。一方、年ではなく、4月〜3月の年度単位で考えるなら、2023年度のFFコレクション3と4が年間10本で最盛期に並んだと見なすことも可能。考えてみれば、毎年5冊というだけでも相当に快挙だし、祭りと言えるわけだよ』

 

アスト「とにかく、『奈落の帝王』と2巻後の『魂を盗むもの』が同時代と考えると、比較対照する楽しみもあるな」

 

NOVA『ボス退治に助力してくれる魔術師アレセアとアルサンダーとか、モルドラネスと〈奈落の帝王〉とのラスボス対比とかいろいろだが、ストーリー重視の「奈落の帝王」と、ダンジョン中心のゲーム性重視の「魂を盗むもの」の違いがあるかな。陰鬱な雰囲気は似ているし、最終決戦の舞台が敵の拠点の異世界という共通項もある。基本的に、地に足ついた感のあるジャクソンやリビングストンの舞台描写に比べ、この時期の新人の特徴はアランシアなどの土台から異世界に転移する広がりが見受けられるか』

 

ダイアンナ「ファンタジー異世界が、さらなる別の次元から侵略を受けている多元世界ものの走り的な流れでもあるのかな、88年は?」

 

NOVA『ジャクソンやリビングストンがあまり踏み込まなかった多元世界という領域に、新人たちが想像力を広げて踏み込んで行ったのが88年という時代かもしれん。「奈落の帝王」「天空要塞アーロック」「魂を盗むもの」を並べると、いずれも別次元からの侵略という要素が見受けられて、荒唐無稽度が高まっている気がする』

 

アスト「『魂を盗むもの』は、それ単独で見れば、派手な開幕(2つの大陸をかけた脅威)から、どんどん狭い範囲に閉じていく物語展開で、お前はガッカリと言っていたが、前2作の派手な手の広げ方を考えると、同じことをしてもマンネリだって気にならないか?」

 

NOVA『ある意味、「奈落の帝王」と「アーロック」が無軌道に広げた派手さを、もう一度、収束させて原点回帰に引き戻したのが「魂を盗むもの」かもしれん。広げるターンと、地盤を固めるターンの交互の流れがあって、新規性と保守性とも言い換えられるが、34巻の「魂を盗むもの」は主人公の勇猛果敢な英雄性を強調しつつ、内容は堅実で、初心者向きで解きやすい。ゲーム的な完成度やバランスは、この時期で一番高いな、と考える』

 

ダイアンナ「本作は完成度が高くない?」

 

NOVA『フラグ立ても含めて、ゴールまでの道筋に自由度がなさすぎてな。解き物としての難易度を上げて、最適解以外を受け付けにくい窮屈さを感じる。パズルではあるし、意外性のストーリーは面白いと思うけど、自由なゲーム性がスポイルされて、ぶっちゃけ誰がリプレイを書いても、同じような展開にしかならないな、と。攻略記事を書く人間としては、「よそではこんな展開になりましたけど、うちは違うルートで変わったことをしました」的な遊びの余地があまりない、と』

 

アスト「遊びの余地と言えば、『右に行っても、左に行っても、途中で死ななければクリアできるけど、簡単なのは右。だけど、左にはこんな面白いイベントがあって不利でも面白い』って感じか」

 

NOVA『そうそう。正解は一つじゃないから、あれこれ試す楽しみってのが、ゲームでは面白いと思うんだよね。有利不利の違いはあっても、最低限のフラグ立てができていれば、ゴールまで行き着ける。立てるフラグが多すぎると、枠にはめられた窮屈な作品って印象。その場合は、誰がプレイしても同じ展開にしかならないわけで、ゲームブックらしい分岐の面白さがただのテストの選択問題にしか見えない、本作はそういう作品だ』

 

ダイアンナ「ゲームブックにも、いろいろなスタイルがあるってことだね。好みのスタイルもいろいろ」

 

 

NOVA『話を戻そう。アレセアさんは、黒い軍隊に近づくためには、ジェーラの木の葉が必要だって言ったんだけど、そのジェーラの木が何者かに引き抜かれているのを幻像で映し出してしまい、呆然とする。ここまで何もかも分かってるような威厳を漂わせていたが、あると思っていたものがないと、ええっ!? という反応を示すのが、人間っぽくていいなあ、と感じた』

 

アスト「って、どうするんだよ?」

 

NOVA『俺は、あまり意識せずに読み流していたんだが、君(リーサン)は「それなら確かトロールが」と言い出した。ええと、該当するトロールイベントはパラグラフ17番、確かに、「みずみずしい若木を引きずりながら歩いている」わ。リーサンはプレイヤーのNOVAより観察力が高いようで、感心させられた。とにかく、アレセアは「だったら、すぐにトロールからジェーラの葉を取り戻すがいい」と言って、急かすように追い出して来る。森の幻は彼女が操作しているから、トロールの居場所への道筋と、馬を置いた場所までの帰り道までは誘導してくれるそうだ』

 

ダイアンナ「一つ気になるんだが、ここに来たはずの魔法使いエンシメシスさんはどうなったんだ?」

 

NOVA『ああ。それについては、「最近、ここに来て、リーサンと同じ用件を尋ねてから去った」そうな。リーサンよりも先行して〈奈落の帝王〉に対処しているらしいが、結果がどうなるかは分からないとのこと』

 

アスト「エンシメシスさんに任せれば大丈夫……ってわけにはいかないだろうな」

 

NOVA『それで解決するなら、主人公の立場がないからな。ともあれ、急いでジェーラの葉を取り返しに向かうが、その前に腹ごしらえだ(体力12→16、食料4→3)。う〜ん、食料を食べて、体力点を回復する瞬間が、FFゲームブックらしさを感じるなあ』

 

ジェーラの葉クエストと、黒い軍隊との対決

 

NOVA『パラグラフ282番でトロール発見。以前に遭遇した際に石弓を射たなら……って選択肢が出るが、そもそも石弓なんてゲットしていない。トロール相手に石弓を射ても、無駄に怒らせるだけなので、頭を使って騙す選択肢を選ぶ方が、技術点9を7に減らせるので、結構お得。あとは体力点9を削るだけの簡単な作業です。(コロコロ)はい、無傷で勝利♪ これでジェーラの葉もゲットだよ』

 

アスト「呆気なさ過ぎないか?」

 

NOVA『戦闘では、楽勝なゲームだなあ。こっちの技術点12(+1)というのも大きいが、敵の技術点が基本的に1ケタなのが安心して戦える。逆に、戦闘以外で即死イベントや、フラグ立て損ないによる攻略失敗の多い作品なんだが。一度、正解を知ってしまえば、リスクが最小限で攻略できるのは良いか悪いか微妙だな』

 

ダイアンナ「でも、FF本来の理想的なゲーム性ってこうだろう? 正しい道を選べば、簡単にクリアできるバランスって」

 

NOVA『その意味では、正しくFFしてるか。ジャクソン的というか。実は、リビングストンさんの方が、宣伝文句に偽りありだからな。最強能力値で最適ルートを通っても、クリアが難しいほどの難易度とか、答えを知っていても運ゲーになってしまう激凶バランスとか』

 

アスト「まあ、セーブ機能を付けて、運悪く死んでも途中からやり直すことで、対処するしかないだろうな。コンピューターRPGだと、ボス戦前にセーブポイントを付けるのは90年代のゲームでは当たり前になって来たはず」

 

NOVA『ラストダンジョン3時間セーブなしの鬼苦行で有名なFF3は90年のゲームなんだが、さておき。とにかく、ジェーラの葉をゲットして本記事を終えるつもりだったが、このまま先まで突き進むか。森を出て、馬を回収だ』

 

アスト「のんびり草を食べながら、悠然と主人を迎えるぞ。ずいぶん長かったな。辺りの草を食べ尽くすと思ったぞ」

 

NOVA『逃げ出していなくて幸いだ、馬。ところで名前を何と言う?』

 

アスト「吾輩は馬である。名前はまだない」

 

NOVA『だったら、ファングセインから、剣の名前ファインを抜いた文字が、ングセなので、逆読みしてセグン。いや、nguseを逆に読んでエスグン。よし、お前の名前は今からエスガンだ』

 

アスト→エスガン(馬)「だったら、馬のエスガンと、剣のファインの一人二役で頑張るか。馬がいるうちはエスガンで、いなくなればファインに乗り換えってことで」

 

ダイアンナ→カデューサス(ヘビ)「あたしも付いて来てるからね」

 

NOVA『ゲームブックでは、これから一人で敵の大軍と対決だって言ってるが(パラグラフ133)、人以外の仲間がいっぱいいるのは心強くもある。さあ、時間点に加算して17点。そろそろ大詰めって感じがするが、パラグラフ325番で、ジェーラの葉の準備をするぞ』

 

エスガン(馬)「おい、ご主人。本当に大丈夫だろうな」

 

NOVA『松明に火を付けて、葉っぱを燃やす。これで大丈夫……なはずだ』

 

カデューサス(ヘビ)「アレセア様の言葉に間違いないはず。理論上は」

 

NOVA『しかし、敵もさるもの。スズメバチの群れは、一塊りになって、羽で風を吹き起こす。その風で、ジェーラの煙を吹き流し、攻撃態勢に移ろうとするんだ』

 

カデューサス(ヘビ)「このハチ、想定よりも頭が良すぎるようですね。撤退することを提案します」

 

エスガン(馬)「撤退ってどこに?」

 

NOVA『選択肢は3つだ。丘の斜面に戻るか、右手の川か、それとも途中で見かけた洞窟か。正解は一つ。エスガンよ、馬の本能で決めるといい』

 

エスガン(馬)「馬の本能だと洞窟以外となるわけだが、剣のファインの理性で洞窟を選ぶ」

 

NOVA『さすがだ、ファイン。幸い、洞窟は馬が入れるぐらい広かったが、中には穴居人(技7、体7)が潜んでいて、急に襲いかかって来る』

 

カデューサス(ヘビ)「間の悪い野蛮人ですね。さっさと始末しなさい、リーサン・パンザ」

 

NOVA『偉そうなヘビだな。とりあえず、5ラウンド以内に倒さないとバッドエンドなので、ドキドキしながらダイスを振るが、事故ることなく撃退成功。穴居人の奇襲で、松明は地面に落ちて火が消えかけていたが、何とか拾い上げて再び燃やすことができる。洞窟の入り口からスズメバチがどんどん侵入して来るが、蚊取り線香のように煙にまかれて、ムシムシコロコロ、キンチョールとかフマキラーみたいな展開になる』

 

エスガン(馬)「蚊取り線香なら、アースがお勧めだ、ご主人」

 

NOVA『何だっていいよ。とにかく、洞窟の中に充満したジェーラの煙で、スズメバチの群れは呆気なく殲滅させられた。勢いに乗ったリーサンは、敵軍の中で一際目立つ輿に乗った男に突っ込んで行く。できれば、ザンバー・ボーンの時みたいにフリントロック銃で遠くから仕留めたいが、今回は銃を持っていない。だから、これを使う』

 

エスガン(馬)→ファイン(剣)「よし、《ハエ刺し》だな。オレはいつでも準備OKだ。必殺のソードビッカーでラスボスなんてやっつけろ!」

 

NOVA『その選択肢はバッドエンドなんだよ。実は、現世に出て来た〈奈落の帝王〉って、リーサンよりも剣士としての力量があまりにも高くて、武器では勝負にならないわけだ。だから、使うアイテムはこれだ! 謎かけ盗賊の瓶!』

 

カデューサス(ヘビ)「おお、それこそ伝説のお笑いアイテム。笑え、笑え。この世はハッピーパラダイスって感じのユーモア芸ですね」

 

NOVA『正にドンブラ脳なんだよな。リーサンが奇妙な魚型の瓶のフタをシュポッと開けると、〈奈落の帝王〉は狂ったように笑い出した。その様たるや、まるで夏ミカンに笑いのツボを押された門矢士の如し』

 

ファイン(剣)「15年前(2009年)の仮面ライダーを見ていないと分からない例えはやめろよ」

 

NOVA『大丈夫だ。「笑いのツボ、夏ミカン」で検索すれば、普通に分かるネタだから。それよりも、笑い転げて隙だらけの相手なら、《ハエ刺し》が通用するぞ。普通に戦えば、笑い転げていても技術点10、体力点15のそこそこ強敵だが、必殺の投剣ソードビッカーなら一撃だ』

 

ファイン(剣)「よし、無敵の剣のオレが〈奈落の帝王〉の体を勢いよく貫いた。我に断てぬ者なし!」

 

NOVA『そんなわけで、弱点をうまく突くと、本当にあっさり倒される〈奈落の帝王〉だったりする。その現世の肉体は、まるで陶器のようにバラバラに砕け散る。しかし、その破片の中から、黒い雲が湧き上がり、改めて自己紹介するわけだ』

 

奈落の帝王『よくも我が地上での殻を破壊したな。しかし、これぐらいで死ぬような私ではない。我が名は〈奈落の帝王〉バイソス。カラメールの街は、我が従僕が内部から奪っている。そして、王国の民の魂も、我が虜囚だ。お前ごとき、ただの人間が魔界の力を持つ私に勝利することはあり得ない。つかの間の勝利は虚しく消えて、絶望がお前を包むであろう!』

 

リーサン『一つ言っておく。カラメールの街に、お前が忍ばせた従僕はすでに俺が倒した。お前が魔界の力を宿しているなら、俺も運命神の祝福とともに、お前を滅ぼしに行く。どうも、そう予定されているみたいだからな。運命神を敵に回したお前に勝ち目はない』

 

奈落の帝王『運命神だと!? 貴様、何者だ?』

 

リーサン『ただの通りすがりの仮面盗賊……の娘の父親さ。未来において、そうなるらしい』

 

奈落の帝王『……訳が分からん』

 

リーサン『だろう? 俺も全てを分かったとは言わないが、お前の負けだけは確定された未来だ』

 

 こうして、リーサン・パンザは〈奈落の帝王〉バイソスの地上の肉体を、謎かけ盗賊の瓶(笑いのツボ)と、必殺の《ハエ刺し》(ソードビッカー)のコンボ技で撃退した。

 肉体を失ったバイソスの魂魄は、自分の領域の奈落へ撤退し、リーサンは彼を追って異次元へ足を踏み入れることになる。

 果たして、異界の物語はどのように展開されるのだろうか?

 次回、奈落編に続く(パラグラフ238)

★リーサン・パンザ(奈落の帝王ver)

 

・技術点:12(丸盾+1)

・体力点:16/20

・運点:12

 

・食料:5→3

・金貨:21

・時間点:15→17

 

・装備:ファングセイン鋼の剣、革鎧、背負い袋、におい玉、謎かけ盗賊の瓶、幸運のポーション(グルシュ)、丸盾(戦闘時に、剣といっしょに使うと技術点に1を加える)、キツネノテブクロ、ジェーラの葉

・特殊技:《ハエ刺し》

 

・情報:魔法使いエンシメシスは、賢人アレセアに会うために変幻の森に向かった。  

    変幻の森では、「やぶに咲く手袋」が迷路攻略の手がかり。

    色の変わる傷を受けた。

    におい玉の薬草(パアラ、マアスト、テス)を奈落で食べると、

    水晶の息の効果を無効にできる。

(当記事 完)