ウルトロピカルな⭐️GT(ゲーム&トレジャー)島宇宙

南の島と上空の宇宙宮殿を舞台にTRPGや特撮ヒーローなどのおしゃべりブログ。今はFFゲームブックの攻略や懐古および新作情報や私的研鑽メイン。思い出したようにD&Dに触れたりも。

「真夜中の盗賊」攻略感想(2)

商人ギルドの潜入回

 

アスト「前回は、盗賊ギルドの本拠地である輪なわ地区で、一通りの情報収集を終えた見習い盗賊のピート。そして、今回は大商人ブラスの仕事場を探索しに行くわけだ」

 

リバT『本作は、「輪なわ」→「商人ギルド」→「ブラスの自宅」という攻略ルートが推奨されていますが、最初に〈錠破り〉の技能を習得していれば、「商人ギルド」より先に「ブラスの自宅」を回っても攻略可能みたいですね』

 

アスト「自宅の金庫を開けるには、鍵が2ついるんだが、〈錠破り〉の技能を使えば、鍵が1つだけでも開くようだな。しかし、ピートには該当技能がないので、正攻法で商人ギルドへ向かうことにする。地図を見ても、輪なわ地区を挟んで、マーケット広場の向かい側が商人ギルドで近いんだ。ブラスの家は街の南東部に当たって、位置的にも遠い。結局は、近場から順に回って行くのが作者本来の想定する正解なんだろう」

 

ダイアンナ「前回の攻略記事で、本作の主人公ピートはあたしのリサ・パンツァの盗賊時代の先輩ってことになったんだね」

 

アスト「無事に任務を達成できたらな。もしかすると、ピートが試験に落ちて、次は別人のビートでやり直すかもしれない」

 

リバT『ピートの次は、アルファベットのP→Qの順でキュートがいいと思います』

 

アスト「可愛くするなよ」

 

ダイアンナ「だったら、キュートはあたしが担当するよ」

 

アスト「オレが失敗して、アニーに交代するような展開は、『さまよえる宇宙船』だけにしてくれ。大体、パラグラフ解析は終了してるんだから、余程のことがない限り、攻略失敗したりはしねえよ」

 

リバT『それでも、ダイス目の事故でバッドエンドを迎える可能性はゼロではありませんからね。読者さんも、そういう思いがけないハプニングを望んでいるのではないでしょうか?』

 

アスト「予定調和だけだと、エンタメとしてはつまらないのも分かるが、攻略記事なんだからハプニングだらけで攻略が進まないのもタイパが悪くて苛立つだけなので、とにかくテンポよく進めるのも大事だろう。パラグラフ129番から、商人ギルドに入る」

 

リバT『輪なわ地区から南下すると、マーケット広場がありますね。夜も遅いので、屋台は店をたたんでいて、人の姿の見当たらない静けさです。こんな時間にうろついていると、怪しい奴と思われて警備兵に誰何されてしまうかも』

 

アスト「技能はないが、こっそり物陰を進むようにするぜ。広場を突っ切って、南に行けば商人ギルドだ」

 

リバT『広場の半ばまで進むと、中央にある木立で何かが動くのに気づきました。調べますか?』

 

アスト「ここは調べずに突き進むのが正解だと分かっている。スルーだ、スルー」

 

ダイアンナ「お前には分かっていても、あたしや読者には分かっていない。ここは敢えて調べるのが攻略記事の本分ではないか?」

 

アスト「いや、君子危うきに近寄らずと言ってだな」

 

ダイアンナ「盗賊見習いが君子なわけがないだろう。ここは未来の後輩リサが、先輩の武勇譚を聞きながら、こう言うんだよ。『ピート先輩、当然、勇気を出して調べたんでしょうね?』

 

アスト「ううっ、先輩盗賊としてはここで後輩にナメられるわけにはいかない。仕方ないから、後輩女子と読者の好奇心に応じるように調べてみるぞ」

 

リバT『敢えて危険を承知で踏み込むんですね』

 

アスト「大丈夫。即死罠じゃないのは分かっている。これぐらいの危険は踏み越えるのが、プロってものさ」

 

リバT『では、暗がりで何かが動いているのが分かりました。その正体を知るには、もっと近づかないといけませんが、〈忍び足〉の技能がなければ、相手に気づかれてしまうでしょう』

 

アスト「盗賊なのに忍べない。できるだけ静かに歩いたつもりが、バキッと小枝を踏んで音を鳴らすドジなピートであった」

 

リバT『それでは技術判定をお願いします』

 

アスト「12が出なければ大丈夫。(コロコロ)よし、9で成功」

 

リバT『相手の正体はグール(技8、体7)。どうやら地下からさ迷い出て来た亡者が哀れな犠牲者を餌にしていたところに出くわしたようですね。ピートに気づいて襲いかかった爪の一撃を、とっさに抜いた短剣で受け流し、傷つかずに済みました。それではバトルです』

 

商人ギルドの潜入工作

 

 グールに4回傷つけられると、体が麻痺してバッドエンドである。

 まあ、技術点が8以下でない限りは、4回も傷つくことはないだろう。技術点9で運が悪ければ、そうなる可能性もあるかもしれないが、技術点11のピートは1回ダメージで体力点2点を失っただけで戦闘に勝利できた。

 戦利品は、グールに食われた死体の遺品である金貨2枚と、短剣1本である。

 

アスト「わずかながらも収穫があったのが幸いだ。ノーダメージで倒せたらもっと良かったんだが、とりあえず、予備の武器が手に入ったことを喜ぼう。金貨2枚も、冒険者じゃない一般市民には大金らしいからな」

 

ダイアンナ「金貨2枚あれば、宿の個室で1泊できるみたいだね」

 

アスト「ピートは地元民だから、寝泊まりできる小屋ぐらい持ってるし(死んだ叔父貴の小屋を受け継いだだけだが)、必要ならギルドで泊めてもらうことだってできる。まあ、もらえるお金はもらうけどな。ともあれ、無駄なケガをしたと思いつつ、次からはグールなんてスルーしてやると思った見習い盗賊だった」

 

リバT『次があるのは攻略失敗したときだから、ない方がいいのでしょう。さて、グールを倒したピートさんは、マーケット広場を横切って、商人ギルドの建物の前に到着しました。何階もある石造りの立派な建物で、広場に面した正面扉は遠く南、どくろ砂漠(当時の和訳では、骸骨砂漠と表記)の向こうから運ばれた木材で作られたそうです』

 

アスト「どくろ砂漠の南だと、ジャングルとかだな。ブラックサンドが国際都市だって感じるぜ」

 

リバT『扉は閉ざされていて、片腕の警備兵が立っていますね。彼の様子を観察するか、賄賂を渡して通してもらうか、別の入り口を探すかの3択です』

 

アスト「観察は基本だろう。物陰に隠れて様子見だ」

 

リバT『相手はどうやら居眠りをしているようですね。〈忍び足〉でこっそり通り過ぎるという手がありますが?』

 

アスト「盗賊なのに忍べないオレには、その手は使えない。おまけに厳重に罠なんかも仕掛けられている正面扉を開けるのは、いろいろやっても不可能みたいだし、下手に騒ぐと他の兵士に気づかれて事態が厄介になるだけだ。賄賂を受けつけてくれる相手でもなさそうだしな」

 

ダイアンナ「警備兵を殺すというのは?」

 

アスト「技6、体6のゴブリンに毛が生えた程度のザコだから、戦いで倒すのは簡単なんだが、それでも扉を開けられなかったら意味がない。ここは無理強いせずに、別の入り口を探すことを推奨するぜ。賢明な盗賊ならそうする」

 

ダイアンナ「賢明なつもりなんだ」

 

アスト「時々ドジは踏むが、基本的には慎重で賢明なんだよ、ピートは。ただ忍びの技能が未熟なだけで」

 

リバT『この正面扉絡みで使う技能は〈忍び足〉〈目利き〉〈感知〉ですが、〈目利き〉や〈感知〉で分かるのは仕掛けられている罠の存在だけで、初見だと、いろいろ試してみて結局、扉が開けられませんでした、と分かるだけですから』

 

アスト「これだけ語れば、攻略記事になってるだろう。正面突破は無理だと分かったら、裏口を探すのが盗賊の流儀ってもんだ」

 

入り口探し

 

リバT『では、パラグラフ210番で、商人ギルドの建物の周りの脇道を見つけます。脇道には小さなドアと、排水管が見えますね。ドアに入るか、排水管から昇って建物の上を調べるか、それとも建物の周りをもう少し調べるかの3択です』

 

アスト「正解はドアに入ることだって分かっているんだが、その前に、ある理由で建物の周りを調べてみたい」

 

ダイアンナ「ある理由とは?」

 

アスト「そっちで手に入るアイテムが欲しいんだよ」

 

リバT『建物の周りをうろついていると、4人の追いはぎが現れてピートさんを囲みます。正面に1人、背後に3人ですが、手薄な方を強引に突破するか、踏み止まって戦うか、それとも〈壁登り〉技能があれば、壁を登って逃げるという手もあります』

 

アスト「ロープとかぎ爪は〈壁登り〉の代わりになるが、ここでは時間がなくて使えないんだな。なお、商人ギルドの周りで〈壁登り〉はしない方がいい。技能持ちの盗賊だから、ついつい高いところに登りたくなるし、選択肢もやたらとそうするよう勧めて来るが、本作最強の守護者に襲われることになって、厄介な展開になるからな。まあ、後からIFルート的に語るとするが」

 

ダイアンナ「今は追いはぎの相手を頑張ってするんだね」

 

リバT『追いはぎのリーダーらしい大男が、重い鎖を振り回して最初に襲いかかって来ますね。技8、体6の能力を持っていて、プレイヤーが戦闘中にピンゾロを出すと、運だめし失敗で、短剣の刃がポテトチップスみたいに砕けて割れるという武器破損の効果があります』

 

アスト「こんな時に予備の短剣があるから安心なんだ。そもそもピンゾロを出さなければいいだけの話」

 

 結果的に、2点ダメージを受けただけで、武器破損することなく追いはぎの1人を撃退したピートであった。

 

ダイアンナ「というか、技術点で3差で勝っている相手に対して、1回でもダメージを受けるなんて、ダイス運が悪くないか?」

 

アスト「相手が9を出して、こっちが5を出してしまうことは、たまによくあることだろう? とにかく、体力点が残り16だから、まだまだ行ける」

 

リバT『リーダーが倒されたので、残りの3人は隙を見せます。その間に急いで逃げて下さい。技術判定に成功すれば、逃げられますよ』

 

アスト「いや、逃げずに戦いたいんだが」

 

リバT『ここで戦いを継続したいなら、技術判定に失敗する必要があります』

 

アスト「12を出せって言うのかよ? (コロコロ)ダメだ、7」

 

リバT『すると、ピートさんは追いはぎ連中から悠々と逃げることに成功しました』

 

アスト「くっ、これでパーフェクト盗賊になるというオレの夢が絶たれてしまった……」

 

ダイアンナ「どういうことだ?」

 

 解説しよう。

 ここで逃げることに失敗すると、当然、追いはぎの手下3人と戦うことになる。手下は技術点7、6、5のザコばかりなので、全滅させることは難しくない。

 そして、彼らを全滅させると、短剣1本、重い鎖2本、金貨5枚、そして彼らが足に巻いていたボロ布が入手できる。

 このボロ布こそが〈忍び足〉の技能の代用アイテムで、ここでしか入手できない。つまり、キャラ作りの際に〈忍び足〉を選択しなければ、ここで技術判定に失敗して、追いはぎを全滅させないと、忍べない盗賊として本作を攻略しなければいけないわけだ。

 他の技能代用アイテムは、パラグラフの選択で(分かっていれば)確実に入手できるのに対して、ボロ布だけはダイス目によるため確実性に欠ける。おまけに技術判定の失敗が条件なので、技術点が高いほど入手しにくいわけだ(〈忍び足〉は、技術点が低いキャラのための救済技能という意見もある)。

 もしも忍べない盗賊が格好悪いと思うなら、〈目利き〉の代わりに最初から〈忍び足〉を選ぶことを勧める。

 あるいは、ここでダイスの振り直しを何度も行って、判定に失敗するズルを行うか。

 

 本記事では、忍べない未熟な盗賊ピートとして、攻略を続けることにする。

 まあ、パーフェクトじゃなくても攻略できるなら、それはそれで味があっていいってことで。

 

空中の脅威

 

ダイアンナ「『ピート先輩、忍べない盗賊って何だかダサくありませんか?』と、リサが将来、語るってことで」

 

アスト「Nobody's Perfectってことさ、とハードボイルドに応じるぞ。人は自分にできることを懸命にするしかない。弱さを知れば、人は強くなれる」

 

リバT『〈忍び足〉があれば回避できる戦闘を、今後は回避できないってことで、頑張ってサバイバルしてくださいね。では、「追いはぎ倒してボロ布ゲットして、忍べる盗賊になろう」ミッションを失敗したピートさんは、商人ギルドの建物を一周して、今後の手立てを検討します』

 

アスト「正面扉はパス。すると、裏口のドアから入るか、排水管を登るか、他に登れる壁を探すか(技能かロープを持っている場合)の3択なんだな。正解は裏口ドアと分かっているが、排水管か、壁登りという選択肢も気をそそらされる」

 

リバT『排水管を登る場合、建物の飾りと思われたガーゴイル像(技9、体10)が襲いかかって来るんですね。しかも登っている最中で手が塞がっているので、技術点に3点のハンデ付きで』

 

ダイアンナ「実質的に、相手の技術点が12あるみたいなものじゃないか」

 

アスト「表紙絵にも出ている、本作最強モンスターみたいなものだ」

リバT『ガーゴイルが厄介なのは、空中戦でのハンデが付いてくるうえ、魔法の武器でなければダメージを与えられないという点です。選択肢の中に「魔法の武器を使う(158へ)」というのがあって、それを選ぶと、「今の君が魔法の武器を持っているはずがない。嘘をつくのはやめて、1から出直せ。今度は正直に」と作者のデイヴィスさんから怒られてしまいます。何だかブレナンさんっぽいユーモアに思わずニヤリとなります』

 

ダイアンナ「ナンセンスな選択肢を用意して、プレイヤーを引っ掛けて説教するなんて、面白いジョークセンスの作者なんだね。それで、武器では傷つけられない相手をどうやって倒すのさ?」

 

アスト「こちらが地面に落とされてしまった際に〈姿隠し〉の技能で隠れるか、さもなければ死ぬという展開が一つ。もう一つは、ロープか、マントか、重い鎖をガーゴイルの翼に絡みつかせて(技術判定が必要になって、使ったアイテムは失う)、相手の飛行能力を奪って地面に激突させると、石の体を砕け散らせることが可能」

 

ダイアンナ「魔法の武器でしか傷つかない相手でも、落下ダメージは防げないってことか」

 

リバT『地球そのものが大いなる魔力を帯びているということかもしれません。まあ、落下ダメージは武器でのダメージとは別扱いってことでしょうね。そして、ガーゴイルを倒したなら、天窓からギルドの建物に侵入できるわけですが、どう考えても裏口のドアから入る方が楽なんですね』

 

アスト「それでも、ガーゴイル相手の空中戦(こっちは飛んでないけど)が、本作ならではの面白いシチュエーションだとは思ったな」

 

ダイアンナ「排水管じゃなくて、他の壁を登ったら?」

 

リバT『壁のてっぺんにガラスの破片がばらまかれていて、(使っていれば)ロープが切断されたり、手を怪我して技術点1点を失ったりします。さらにガーゴイルが飛んで来て、踏んだり蹴ったりですね。一応、天窓に飛び込むことでガーゴイルと戦わずには済みますが』

 

アスト「建物の上階から攻略ルートは、リスクがあまりにも大きすぎるんだ。一方、裏口が正解な理由は、リスクが少ないことと、技能代用アイテムの合い鍵が入手できる点。ここを通らなければ、〈錠破り〉技能なしで進めないといけない」

 

ダイアンナ「忍べないうえに、鍵も開けられない盗賊だったら、ますますダサいね」

 

アスト「リサだって開けられないだろうが」

 

ダイアンナ「すべての盗賊が〈錠破り〉を専門に学んだわけじゃないってことだね。それに技能がなければ、魔法で鍵開けするって方法もある。次のリサの冒険(恐怖の神殿)では、そうするつもりさ」

 

リバT『いつになるかは分かりませんけどね。とにかく、IFルートのガーゴイル戦その他のイベント紹介はこれぐらいにして、正解ルートの裏口に進みましょう』

 

裏口からの侵入

 

アスト「結局、商人ギルドを一番スムーズに攻略するには、広場のグールをスルーしてから、正面扉の警備兵は相手にせず、追いはぎにもこだわらず、さっさと裏口から侵入しろってことだな」

 

リバT『裏口のドアには鍵がかかっていません』

 

ダイアンナ「不用心だね」

 

リバT『理由は合い鍵を使って、一人の物乞いが先に侵入していたからですね。ギルドの建物を寝ぐらにしていた物乞いとのやり取りで、上手くコミュニケーションができたら、合い鍵がゲットできて、それが〈錠破り〉技能の代わりになるわけです』

 

アスト「足りない技能はアイテムで補ったりしながら、改めて最初に選択すべき技能は何かを模索するのが、本ゲームブックの醍醐味だと思う。しかし、〈感知〉と〈すり〉がほぼ必須で、あと一つしか自由に選べる枠がないのが、プレイの幅を下げている気がする」

 

ダイアンナ「盗賊の技能選択は、バルサスにおける魔法選択と同じようなものだろう? だったら実際にプレイして、何が役に立つかを探り当てるのがゲーム性で、何を選んでも普通に攻略できるというのでは、選ぶ意味があまりないのでは?』

 

リバT『これはゲームブックが唯一無二の正解ルートを探すために解くものか、用意されている選択肢で分岐する多様な物語展開を楽しむものかの違いですね。物語としては楽しいけど、攻略上は不正解のイベントの価値と言いましょうか』

 

アスト「解くことが主体なら、外れルートや寄り道ルートを通ることが楽しめるかどうかだな。個人的には、選択肢のしらみつぶしも好きなんだが、本作は技能の有無や組み合わせによっては、なかなか通らないレアイベントもあって、前半の試行錯誤が楽しい作品だと思う。後半のダンジョンは1本道で試行錯誤はあまりないが、作者の仕掛けるトラップがなかなかアイデアに満ちていて楽しい」

 

ダイアンナ「それは無事に切り抜けられての話だろう? 自分が当事者で引っ掛けられまくると、楽しいとは言えない」

 

リバT『トラップの面白さは、リドルと同じで、仕掛けがお見事で理不尽を感じさせないことと、解き方が分かれば、なるほどとアハ体験が得られることですね。そんなの分かるわけないとか、失敗したときのペナルティがあまりに大きいもの、ただ面倒くさいだけのものは避けたくなりますので、その辺のバランス感覚がデザイナーの特徴と言えるのではないでしょうか』

 

アスト「デイヴィスさんのトラップは、ジャクソン同様、そう来たか、なるほどな、というアイデアが面白いので、寡作なのが残念なんだが、その魅力を語るのはこれからだ。物乞いさんから合い鍵を入手して、部屋の奥に進むと、上手く商人ギルドの建物に潜入できた」

 

ダイアンナ「物乞いの出番が目立つのも、ジャクソンとデイヴィスの共通点かな」

 

リバT『いや、物乞いはファンタジーの都市冒険では必須の舞台装置ってだけで、ジャクソンさんはそもそも「サラモニスの秘密」とソーサリー2巻の「城塞都市カーレ」でしか都市冒険を描いていないわけで』

 

アスト「しかし、サラモニスの物乞いイベントのインパクトが大きかったせいで、物乞いが登場するとジャクソン風と感じてしまうのが今だ」

 

リバT『物乞い話はそれぐらいにして、2階に上りますとパラグラフ350番です。これが天窓から入って来るとパラグラフ354番で、進める選択肢は同じですね。〈感知〉の技能で廊下を調べるか、コイン印の左のドアを開けるか、魚印の右のドアを開けるかですが』

 

アスト「技能があれば、使いたくなる。〈感知〉するぜ」

 

リバT『何だかよく分からないレバーを見つけましたので、避けて進みます』

 

ダイアンナ「念のため、レバーに気づかなかったら?」

 

リバT『うっかり動かしてしまい、ジブジブ(技1、体2)が出現します。一撃で倒せなかったら、大きな叫び声を上げて、すぐに建物から立ち去らなければならない羽目に陥ります』

 

アスト「生きた警報装置だな。初出はやはりジャクソンのソーサリー4巻だ。毛玉のような顔と一体化したボディと、2本の足だけで構成された、手や前肢のない珍妙なスタイルで、着ぐるみキャラとしても界隈では密かな人気モンスターらしい。まあ、〈感知〉のおかげでジブジブを殺さずに済んだのは幸いだ」

 

ダイアンナ「では、コイン印のドアを開けてみるんだな」

 

アスト「念のため、外れと分かっている魚印のドアもチェックしてみるが?」

 

リバT『〈錠破り〉の技能が必要ですが?』

 

アスト「合い鍵を入手していなければ、ここで詰むんだよな。名もなき物乞いに感謝しながら、合い鍵を使う」

 

リバT『豪勢な家具の置かれた事務所で、机の中の書類を調べると、サイラス・ホワイトベイトという人物の部屋みたいです。今夜の試練には全く関係なさそうですね』

 

アスト「そりゃそうだな。正解はコイン印の扉だから、そっちも合い鍵で開けてみる」

 

ブラスの事務所

 

リバT『やはり、豪勢な部屋で、調べられるのは大きなデスクと、奥の鉄扉ですね』

 

アスト「まずはデスクだ」

 

リバT『パラグラフ90番をメモしてください。デスクの3つの引き出しをあさると、Lという文字が記された鍵金貨10枚、バロウの丘という土地の権利書、そして「バロウの丘についての報告」が書かれた手紙(差出人は魔法使いバルバンティス)が見つかります』

 

アスト「よし、鍵の1本はゲットした。次に鉄扉を調べてみるか」

 

リバT『〈錠破り〉の技能持ちでも、+2した出目で技術判定しないと開きませんね』

 

アスト「2Dで9以下か。(コロコロ)7で成功」

 

リバT『鉄扉は無事に開きました。それは金庫みたいで、宝箱が山積みになっています。しかし、〈感知〉技能を持っていれば、この金庫が盗賊対策の巧妙な仕掛けであることに気付いて、それ以上の探索が危険だと判断できます。よって、部屋を出て、ここでの潜入調査は終了となります』

 

ダイアンナ「もしも〈感知〉を持っていなければ、どうなるんだい?」

 

リバT『箱化物と訳されているミミック(技5、体6)に襲われます。それを倒しても、鉄の扉が閉まって、中に閉じ込められてしまいますね。〈目利き〉技能を持っていれば、扉を開ける仕掛けを発見できるのですが、そうでなければ脱出不能のバッドエンドです。なお、〈感知〉があれば部屋に入らないので、ここに入って脱出できるのは、〈感知〉なし、〈目利き〉ありのケースのみです。そして、その場合だけ、部屋の中で銀の笛を入手できますね』

 

アスト「アイテム入手にも、細かい条件づけがあるんだよな。ともあれ、今回の探索分はこれで終了。次はブラスの自宅へ向かうことにする」

 

★盗賊見習いピート

 

・技術点11

・体力点16/20

・運点10

 

・盗賊技能:〈すり〉〈感知〉〈目利き〉

・アイテムによる追加技能:ロープとかぎ爪による〈壁登り〉、合い鍵による〈錠破り〉

 

・食料10食

・金貨6枚→18枚

・装備:短剣×2本、革衣、明かりセット

・背負い袋の中身(6つまで):食料、運の薬、ロープとかぎ爪、Lの鍵(残り2つ)

(合い鍵は個数制限に含まれない)

・情報:マダム・スターのパラグラフ289

    ブラスの事務所のパラグラフ90

(当記事 完)