ウルトロピカルな⭐️GT(ゲーム&トレジャー)島宇宙

南の島と上空の宇宙宮殿を舞台にTRPGや特撮ヒーローなどのおしゃべりブログ。今はFFゲームブックの攻略や懐古および新作情報や私的研鑽メイン。思い出したようにD&Dに触れたりも。

「巨人の影」攻略記(その7、老剣士マリクとの出会い)

ゲームブック&FF」カテゴリー200記事記念

 

リモートNOVA『40周年記念作が、当ブログのFFゲームブック攻略20作品に達し、さらに200記事になった。これも俺と、レギュラーキャラのお前たちと、いいねやコメントで応援いただいている読者さんの熱いゲームブック愛の賜物だと思う。もちろん、作者のリビングストンさんやジャクソンさん、翻訳者の安田均社長およびグループSNEの関係者への感謝も表明しつつ』

 

アスト「200記事記念で何か特別なことをするのか?」

 

NOVA『そうだな。特別ゲストとして、マリクさんに会いに行こう』

 

ダイアンナ「それって普通に攻略を進めているだけだよね」

 

NOVA『だったら、特別ゲストとしてザゴールさんに来てもらいましたってのは?』

ファイティング・ファンタジー・コレクション ~火吹山の魔法使いふたたび~ 再生産版

ファイティング・ファンタジー・コレクション~火吹山の魔法使いの伝説~

アスト「ザゴールだらけじゃないか。こんなにザゴール・ヴァリエーションが押しかけられても、不気味なだけで、めでたい気分にはなれねえよ」

 

NOVA『来年の2月には「火吹山の魔法使い」「火吹山の魔法使いふたたび」「火吹山の魔法使いの伝説」の火吹山3点セットがじっさいに並べられるんだな。まあ、最後のはザゴールが出るけど、火吹山が舞台じゃないので、微妙にタイトル詐欺じゃないかという気もするが』

 

ダイアンナ「本来は『ザゴールの伝説』ってタイトルだったのを、ザゴール=火吹山の魔法使いと意訳することで、『火吹山の魔法使い』3部作になった形だね」

 

NOVA『「元祖」「ふたたび」「伝説」の略称になるかな。ともかく、目下攻略中の「巨人の影」は「伝説」よりも先の時代だし、原書も「伝説」が93年で、本作が2022年だから、リアルで30年ぐらい後の話ってことになる』

 

アスト「だけど、邦訳の順番がズレたせいで、『ふたたび』(2021)→『巨人の影』(2023)→『伝説』(2025)となるわけか」

 

NOVA『なお、FFコレクション5なんだが、実は収録作品が全てアランシアとは異なる舞台ということを最近認識した』

 

ダイアンナ「え? 『伝説』は異世界アマリリアで、『さまよえる宇宙船』は異なる次元宇宙ってことは分かるけど……」

 

NOVA『「サソリ沼」がクール大陸で、「狼男の雄叫び」がソーサリーの舞台の旧世界、次期収録の中では最新作の「嵐のクリスタル」がアランシア大陸の南の洋上に浮かぶ空中群島パンガリアを舞台に海と空を巡る冒険らしい』

 

アスト「で、NOVAとしては、FFC5で、どの作品から攻略しようと考えているんだ?」

 

NOVA『う〜ん、元々20作記念で「サソリ沼」にしようと思っていたんだが、善中悪の3パターンのストーリーを善カニコング、中立ダイアンナ、悪アスト辺りでプレイすると面白いのでは? とイメージしていた』

 

アスト「どうして、カニが善で、オレが悪なんだ?」

 

NOVA『いや、ああ見えてカニは聖闘少女(セインティア)役だし、お前は盗賊だから、そういうイメージかなって』

 

アスト「誰がどの属性かは、ダイスでランダムに決めることを要望する」

 

NOVA『なるほど。それはそれで面白そうだが、いずれにせよ「サソリ沼」および「ザゴール伝説」みたいな複数主人公制のゲームブックは、「サイボーグを倒せ」みたいに主人公別攻略をしたくなるから、手間取りそうなので後回しかな。必然的に、「狼男」と「クリスタル」のどちらかを先にしたいが、うちのブログ記事では、「嵐のクリスタル」は「モンスター誕生」の後日譚みたいに話をつなげる予定なんだな』

アスト「そう、上手くつなげられるものかね?」

 

NOVA『知らん。ケイPがノリと勢いで決めた話だが、じっさいに「嵐のクリスタル」を読んでみないと、どうつなげられるか見当もつかんのが現状だ。まあ、最初にチェックして、つなげられると判断したら記事書きする。つなげるイメージが上手く結びつかなかったら、「狼男」を優先する。いずれにせよ、安田解説を読んで刺激を受けることもあるだろうし、記事書きはノリと勢いと柔軟さと、あとは多少ともコメント欄での意見やリクエストに左右される面もあると思う』

 

ダイアンナ「あれこれ総合的に考えるってことだね」

 

NOVA『予定は未定だが、ソーサリーも含めて、したいことがいっぱいある中で、しないといけないことや、できることの優先順位も考えて、今は頑張って、マリクさんに会いに行こう。前置き終了』

 

〈銀通り〉の魔人

 

NOVA『パラグラフ213番で〈銀通り〉に入った竜の剣士フォーティ。〈煉瓦小路〉の倉庫地下でドラゴンと対決し、ヒーローとしての風格を高めたところだ』

 

ダイアンナ「ドラゴンと言っても、本物ではなくて、小型サイズのガラス製フィギュアみたいなものだけどね」

 

NOVA『さすがに街の地下に本物のドラゴンが眠っていたら、巨人どころの騒ぎじゃなくなる気がするが、とにかくドラゴン像を倒して入手した金の護符の使い道が、前の記事を書いた後で確認できた』

 

アスト「どんな効果だ?」

 

NOVA『時が来れば分かる、と今は言っておこう。デザインは蛇の頭を模したもので、何らかの魔力を宿していることは感じるのだが、ただそれだけ。今、フォーティの首にはハロルドからもらった〈ドラゴンのメダル〉と、ドラゴンが守っていた蛇頭の〈金の護符〉の2つが掛かっている。何だか自分が本当に竜の剣士と名乗るにふさわしいヒーローになった気分だ』

 

ダイアンナ「では、ヒーロー気分で〈銀通り〉を歩いていると?」

 

NOVA『魔法使いの扮装をした人たちがいっぱいいる区画に入った。そのうちの1人が、こちらに会釈して、手にした〈真鍮のランプ〉を差し出してきたので、勇者への贈り物と解釈して受け取った』

 

 

老魔法使い『よし、これでわしは自由の身だ! 旅人よ、そなたがハーメリンに来てくれた幸運を感謝する』

 

フォーティ『それほど喜んでくれるとは、こちらも恐縮だ。ええと、あなたが賢人マリク?』

 

老魔法使い『違う。それよりも、そなたが快く受け取ってくれたランプについて話しておこう。その中には魔人トウィクシルが封じられていて、いつでもブツブツ呟いて、話しかけて来るのだ。とりわけ夜中に眠りたいときにはいっそう酷い。まるで気が狂いそうになるほどな』

 

フォーティ『しかし、ランプの魔人だったら、願いを叶えてくれるのでは?』

 

老魔法使い『そう期待したのだが、そやつは欠陥品だ。助けが必要なときには出て来てくれず、どうでもいい時に出て来て、ペチャクチャ話しかけて来る。一言で言えば、邪魔者でしかない。新たな主人が見つかるまで、わしに付きまとって離れてくれなかったのだ。しかも、そやつの呪いは同業の魔法使いたちには知れ渡っていたため、わしの友人は誰も受け取ってくれようとしなかった。そなたがここに来て初めて、ランプを愛想よく受け取ってくれたのだ。そなたに呪いを、いや、祝福を押しつけることができて何よりだ。これで今夜はすっきり眠れる。では、さらば』

 

フォーティ『……お役に立てて何より……と言っていいのかどうか』

 

トウィクシル『やあ、こんにちは。新しいご主人さま』

 

フォーティ『よし、お前を我がドラゴン剣士団の従者に任じよう。邪悪な巨人から世界を守るための探索に協力してくれ』

 

トウィクシル『へえ。今度のご主人さまは世界を救う勇者さまか。でも、ドラゴン剣士団って何? ふむふむ、勝手に頭で考えた妄想なんだね。面白いや』

 

フォーティ『お前、俺の頭の中が読めるのか?』

 

トウィクシル『うん、だから、ぼくを捨てようと思わないで。そんなことをしたら100年間、呪ってやるから。それよりも、ぼくは面白い冒険物語に飢えているんだ。ご主人さまが冒険者なら、ちょうどいい。退屈な研究だらけの魔法使いよりも、よほど楽しそうだ』

 

フォーティ『こちらも一人旅はそろそろ飽きて来た頃だ。馬の声も、剣の声も聞こえないが、ランプの魔人の声なら聞こえるし、従者として役立つなら大歓迎だ』

 

トウィクシル『ああ、ぼく、働くつもりはないから。魔力を使うのは疲れるし、のんびり寝ながら、ご主人さまの冒険物語を堪能して、楽しく気ままに過ごせればそれでいいかなって。時々、退屈なときに話し相手になってくれたら、それで満足するから、ご主人さまも好きにしていいよ。じゃあ、おやすみ、ZZZ』

 

フォーティ『……ずいぶんと身勝手な魔人だが、寝てるなら邪魔にならないか。問題は、こいつの生活リズムが夜型っぽいところだな。昼間は寝ていて、夜にはやたらと話しかけて来るなら、生活リズムの改善が望ましいが、夜営中に警告する係などで役立たせることも可能かもしれん。まあ、ヒーローたる者、魔人の一体ぐらい使いこなすもの、とリサ・パンツァも言っていたしな』

 

 

ダイアンナ(リサのプレイヤー)「言ってないよ」

 

NOVA『フォーティの時代では、リサの英雄伝説があれこれ残っていて、本人が言ったことも、言ってないことも、いろいろな伝承が虚実入り混ぜて語られているんだよ』

 

ダイアンナ「本当に?」

 

NOVA『今、そう決めた。この時代がリサたちの活躍したよりも20年から30年ぐらい後の話なら、我々が平成ゴジラのVSシリーズや世紀末前後の物語を懐かしむみたいな感覚で、リサ・パンツァの物語も語られていても不思議ではない』

 

アスト「じゃあ、フォーティはリサが『雪の魔女の洞窟』で魔人と関わったエピソードを、自分になぞらえてトウィクシルを受け入れようってことか」

 

NOVA『ああ、無理に捨てて行こうとしたら、マジで呪いをかけて来て、運点2、技術点4、体力点6を失うことになるからな。他はともかく、技術点4を失うのは致命的過ぎるだろう。まあ、捨てようとしなければ実害はない。少なくとも、ソーサリーのミニマイトに比べれば、トウィクシルを連れて行って問題になる局面はないわけだ。それにしても、トウィクシルのイラストがないのが残念だな』

 

ダイアンナ「ランプを渡す老魔法使いのイラストはあるのにね」

 

NOVA『もっとも、基本的にトウィクシルはランプの中で寝ているか、声しか発しないキャラだから、イラストの付けようがないのかもしれないが』

 

幻術師の店

 

NOVA『続いてパラグラフ376番で、「幻術師」と書かれた店に行き当たったんだが、ここに来て一つ困ったことになった』

 

アスト「何かのアイテムの取り損ねか?」

 

NOVA『いや、そうじゃなくて、この記事の記述なんだが……』

 

 

俺だってプレイヤー心としては、こんな危険な王冠の管理にはヤズトロモさんが相応しいと思っているが、フォーティはたぶんヤズトロモさんを知らないんだろう。

 

NOVA『しかし、幻術師の店の前で、陳列している杖を見た際に、こんな記述があったんだ。「それは、きみがかつて〈ダークウッドの森〉で偉大な魔法使いの元を訪れたときに見た杖を彷彿とさせる」と』

 

ダイアンナ「それって、ヤズトロモさんのことだよね」

 

NOVA『直接言及されたわけではないが、十中八九ヤズトロモさんだよな。まあ、もしかすると、「魔法の達人」と看板を掲げていたハッタリ魔術師のアラゴンさんのことかもしれんが』

 

アスト「そんなマニアックなキャラを出されてもな」

 

ダイアンナ「アラゴンさんの出て来る『運命の森』の攻略記事はこちらだよ」

 

 

NOVA『とにかく、フォーティはヤズトロモさんのことを知らないはずなのに、何故かそういう記憶がこびり付いていたんだ。これは何故だ?』

 

アスト「お前がうっかりしてたんだろう。前に読んだ話を忘れて」

 

NOVA『それは、言い訳せずにその通りだと認めるが、書いてしまった記事を修正せずに辻褄合わせをしたい。う〜ん……(しばし考えて)よし、これは金の護符の中に秘められた記憶なのだ。首に付けた護符の不思議パワーが、〈ダークウッドの森〉の大魔法使いヤズトロモさんのイメージをフォーティに浮かび上がらせる。そして、ヤズトロモの幻がフォーティの脳裏に囁きかける。YOU are the HERO!と』

 

アスト「妄想乙」

 

NOVA『にわかに浮かび上がったヤズトロモさんの幻に導かれるままに、フォーティは幻術師の店に入る。しかし、そこに待ち構えていたのはゾンビだった』

 

ダイアンナ「はい? ヤズトロモさんの幻を見たと思ったら、今度はゾンビだって?」

 

NOVA『しかし、フォーティはかつて【吸血鬼の剣】を持ってアンデッドハンターを自称した男。今さら一体のゾンビ如きに怖じ気づく男ではない。何せヒーローだからな。キエーッと叫んで、ゾンビに斬りかかる』

 

 

幻術師『ちょっと待った。わしはただの幻術師。ゾンビの幻術で、何も知らない客人を脅かして、店から慌てて逃げ出すのを楽しむのが趣味なのだが、旅の人よ、そなたには通じなかったようだな。我が店の客に相応しい豪胆な者よ』

 

フォーティ『ほう、貴殿が俺を導いてくれた大魔術師ヤズトロモか』

 

幻術師『いやいや。そんな高名なお方と間違えられるとはとんでもない。このゾンビ姿は、ほれ、この【ゾンビの指輪】の魔力によるもの。わしの本職は、誰でも手軽に魔法を使えるように細工した指輪職人なんじゃ。コモンルーンという遺失魔法の技術をわしなりに再現してみせたのだが、これさえあれば、剣士のお前さんもちょっとした魔法を扱えるようになる』

 

フォーティ『コモンルーンか』

 

トウィクシル『聞いたことがある。確か、フォーセリアという異世界で使われた指輪の魔法らしいよ』

 

フォーティ『フォーセリア?』

 

トウィクシル『うん。呪われた島とか、神獣たちの大陸とか、いろいろな伝説があるみたいだけどね。この街の魔法使いは誰も信じてくれなかった。アマリリアとかは信じてくれたのに、ファリスとか、マーファって神さまがいるって言っても、妄想乙って言われただけだった』

 

フォーティ『お前もか。信じてもらえない寂しさはよく分かるぞ』

 

トウィクシル『ご主人さま!』

 

フォーティ『従者よ!』(魔人との間に心の絆が成立した)

 

幻術師『あのう。さっきから誰と話しているんです? 幻術師のわしが言うのも何ですが、幻聴ですか?』

 

フォーティ『おっと、魔人の声は貴殿には聞こえないのか』

 

幻術師『魔人の声って、もしかしてトウィクシル?』

 

フォーティ『知っているのか?』

 

幻術師『ええ、魔術師の睡眠を妨害する厄介者だとね。まあ、戦士だったら問題ないのかな? とにかく戦士でも使える特製マジックアイテムの商品リストをどうぞ』

 

  1. 知恵のポーション(1G)
  2. 癒しのポーション(1G)
  3. 煙の指輪(1G)
  4. 眠りの指輪(2G)
  5. オークの腕輪(2G)
  6. ゾンビの指輪(4G)
  7. 炎の指輪(4G)
  8. 精神支配の指輪(3G)
  9. 光の指輪(3G)

 

 

NOVA『全部買っても金貨24枚だから、全て買うだけの金貨は持っている。しかし、例によってデスティニーマップにお伺いを立てると、2番と6番にしておけ、と文字が浮かび上がって来た。お告げに従い、金貨5枚で〈癒しのポーション〉と〈ゾンビの指輪〉を買っておく』

 

アスト「アイテムはたくさん出て来るのに、使えるアイテムは少ないんだな。眠りや炎、精神支配や光など役立ちそうなのによ」

 

NOVA『他のゲームブック作品やTRPGに持ち込んでいいなら、ここで全部買うのも一興だが、本作の攻略には使えん。例えば、〈精神支配の指輪〉はおそらく知性ある人型生物1体の心を操ることが可能なんだろうが、今後のパラグラフでそういう敵が出て来ないんだろうな。マリクを除いて』

 

ダイアンナ「マリクさんは敵じゃないだろう?」

 

NOVA『下手な選択だと、敵対しちゃってゲームオーバーになることもあるんだよ。だからと言って、精神支配してもただの傀儡と化して、巨人退治の知恵を示してはくれそうにないからな。信頼は魔法で魅了とか操るのではなく、誠心誠意をもって相手の心を動かすムーブが必要だ』

 

アスト「誠心誠意で説得しようとしても通じない場合はどうするんだ?」

 

NOVA『誠心誠意というのは、自分の気持ちを考えなしに押しつけ通すことではないからな。相手の気持ちを汲むことと、相手と自分の利得を重ね合わせる諸々の知恵をもって行うべきだ。まあ、ゲームブックの場合は、当たりの選択肢と、外れの選択肢があって、選択ミスも明快に解析できることが多いがな』

 

ダイアンナ「ソロプレイだと、失敗してもやり直し可能だしね」

 

NOVA『プレイヤーが白けさえしなければな。興趣の維持が一番のポイントかもしれん』

 

ラクタ屋の武具

 

NOVA『〈銀通り〉は魔術師区画っぽいが、次の店は武具店だ。掘り出し物の魔法武具を取り扱ってるが、店主はぶっきらぼうなノームで、商売っ気は薄そうだ』

 

アスト「どんな武具が売ってるんだ?」

 

NOVA『目立つ商品は3つだけ』

 

  • 兜(5G):攻撃力+1の効果。
  • 戦槌(10G):特定のバトルで有利に立ち回れる。
  • 剣(10G):【蛇の剣】。今の剣と交換。運点+1。

 

NOVA『フォーティは今の【竜の剣】がお気に入りなので、わざわざ蛇にランクダウンする気はないんだが、もしも炎か吸血鬼の剣を装備していれば、ここでランクアップするのもありかもしれん』

 

ダイアンナ「【竜の剣】が最高ランクなのかい?」

 

NOVA『最後の巨人戦ではな。もっとも他の敵には特効があるわけでもなく、道中での能力としては面白みに欠けるが、ロールプレイとしては素直に格好いいじゃないか。ドラゴンの剣士だぜ。いかにも勇者になった気分を満喫できるってもんだ』

 

アスト「まあ、蛇の剣士よりは箔がつくかもな」

 

ダイアンナ「来年は巳年だから、ヘビをプッシュするべきではないかな?」

 

NOVA『今はまだ辰年なんだから、竜プッシュでいいだろうさ。来年だったら、これもプッシュするといいのかもしれんが』

アスト「蛇だと、ヒドラってのもありだろう」

NOVA『気の早いヘビの話はともかく、ここでは兜と戦槌の両方を購入したいんだが、ノームの店主曰く、どちらか1つしか売らないそうだ。リビングストン作品には珍しい「技術点ではなく攻撃力を上げてくれる実用性の高い兜」というのが、標準的に安定した効果が得られてお勧めなんだが、攻略記事のネタとしては石槌(ハンマー)の方が面白いので、ここはハンマーにしておく。まあ、選択肢やダイスの出目次第では全く役に立たないので、もしかすると使える局面があるかも、ぐらいに思ってもらえるといいだろう』

 

アスト「汎用的にキャラが強化される兜と、局地戦用でピーキーに使える場面があるハンマーって選択か」

 

NOVA『ロールプレイ的には、ハンマーの方が楽しいというのもある。扉を壊したり、冒険中の使い勝手がFFでも結構良かったりするからな』

 

ダイアンナ「FFの標準武器は剣だけど、ハンマーがないと倒しにくい相手もいるもんね。ゴーレムとか、水晶戦士とか、骸骨とかは打撃武器が有効だ」

 

NOVA『ハンマーだと、光になれ〜とネタ遊びができる。これが防具の兜だと、あまりネタにならんだろう』

 

アスト「兜ネタだと、ゴブスレさんぐらいか?」

 

NOVA『ロボット物だと、グレート合体のメットオン演出が好きだし、メットが割れて素顔が見える演出も好きだが、ゲームブックTRPGだと兜演出は難しい。頭突きで戦うというのも一般的なスタイルじゃないし』

 

ダイアンナ「とにかく、ハンマーを金貨10枚で買ったということで」

 

十字路ふたたび

 

NOVA『さあ、〈銀通り〉を抜けると、パラグラフ278番で道が3つに分かれるところに来た』

 

  • まっすぐ(259):〈丘通り〉
  • 右(380):〈戻り路地〉
  • 左(319):〈目隠し路地〉

 

アスト「〈丘通り〉がとうとう来たか。これでマリクさんに会える」

 

NOVA『ところが、トウィクシルが邪魔して来る。「ねえねえ、寄り道しない? こっちからエルフの足の匂いが漂って来るんだ。きっといいことがあるはずだよ」と』

 

ダイアンナ「本当に? ゲームブックにそんなことが書いてあるのかい?」

 

NOVA『いや、書いてないよ。ゲームブックでは、トウィクシルは出会ったときを除くと、ほとんど喋らないアイテム扱いのつまらないキャラなんだ。しかし、せっかくのランプの魔人なんだから、もっとキャラを活かそうよと考えた結果、当攻略記事のトウィクシルは通常バージョンよりも、よく喋る。お喋り魔人の呼称を与えたいと思うので、アスト、お前がトウィクシルな』

 

アスト「いや、オレは後で仲間になるグースを担当しようか、と思っていたんだが」

 

ダイアンナ「だったら、あたしがトウィクシルをやるよ。吸血魔人トウィクシルってことで、『ご主人さま、喉が渇いたので血をちょうだい』

 

NOVA『ランプの魔人に変な属性を付けるな。それより、エルフの足の匂いって何なんだ?』

 

ダイアンナ「あたしに聞かれても困る。足の匂いなんて言ったのはダディじゃないか」

 

NOVA『むっ、足の匂いと聞いては、脚フェチを自認する俺としては気になるので、トウィクシルに導かれて、フラフラと〈戻り路地〉に誘い込まれてしまったんだ』

 

アスト「足の匂いがNOVAのツボだとはな。初めて知ったぞ」

 

NOVA『いや、別に匂いがツボなんじゃなくて、脚そのものにリビドーを感じるんだ……って、そんなことはどうでも良くて、狭い路地はすぐに行き止まりになっていて、壁に水飲み用の蛇口が付いている。錆びついた鉄の蛇口で、何だか血のような匂いがして来た』

 

 

トウィクシル(ダイアンナ)『やっぱり血があるじゃないか。ご主人さま、蛇口をひねってランプに液体を注ぎ込んでよ』

 

フォーティ『いや、お前がランプから出て来て、自分で飲めばいいじゃないか』

 

トウィクシル『やだよ、面倒くさい。トリックORトリート。血をくれなきゃ、呪いをかけちゃうぞ』

 

フォーティ(NOVA)『ハロウィンはもう終わったぞ』

 

アスト「いや、ハーメリンの祭りでも、ハロウィンみたいな風習があるんだよ」

 

フォーティ『そうだったのか。ちっとも知らなかった。とにかく魔人に呪われたくはないので、トウィクシルのために、蛇口から液体を注ぎ込んでやった。これじゃあ、どっちがご主人さまか分からない、と思いながら』

 

トウィクシル『何だこれ? ただの水じゃないか。血の匂いは、ただ錆びただけ。こんなもの、飲めたものじゃない。ペッペッ』

 

フォーティ『ただの水なら、多少錆くさくても飲む価値はありそうだな。そういえば、喉が渇いたし』

 

NOVA『そうして、フォーティが水を飲むと、体力が2点回復した。残り体力17点』

 

トウィクシル『ただの水なのに、よくそんなに美味しそうに飲めるね』

 

フォーティ『何しろ、俺はパイの早食いコンテストに勝利したヒーローだからな』

 

 

アスト「意味が分からん。そんなことよりも、足の匂いはどうなった?」

 

NOVA『お前も足の匂いフェチになったのか?』

 

アスト「人をおかしな道に引きずり込むな」

 

NOVA『俺だって、足の匂いフェチじゃなくて、ただの脚フェチだ』

 

アスト「そんなことはどうでもいいから、足の匂いの結末をつけろよ」

 

NOVA『ええと、路地の片隅に【エルフのブーツ】が転がっている。こいつは良い物だと思いながら、ブーツをはき換えた。このブーツは忍び足ではなくて、瞬足の効果がある。運点も1点回復して、原点の11に達した。そして、来た道を引き返して、〈丘通り〉に入ることになるわけだ』

 

ダイアンナ「寄り道して正解だったわけだね」

 

NOVA『まあな。なお、寄り道ルートは、もう一つの〈目隠し路地〉との2択だ。どっちに進んでも〈丘通り〉には入れるので、寄り道したからマリクに会えないということはない。安心して、寄り道したらいい』

 

アスト「いや、さっさと話を進めろよ」

 

NOVA『その前に、IFルートだ』

 

IFルート:〈目隠し路地〉のグレムリン

 

NOVA『〈目隠し路地〉に入ると、死体が転がっていた』

 

アスト「おいおい。いきなり物騒だな」

 

NOVA『死体を調べると、物陰から2体のグレムリンが襲いかかってくるうえ、死体に化けていた3体めが奇襲して来て、2点ダメージだ。そして、技術点判定で失敗すると、さらに2点ダメージを受ける。技術点判定に成功したら、ダメージを免れて、1体を投げ飛ばして戦闘不能にできるが、まあ、2体もしくは3体のグレムリンとのバトルだな(技4〜5、体3〜4)』

 

ダイアンナ「能力的にはザコもいいところで、ゴブリン以下なんだね」

 

NOVA『不意打ちさえされなければ、傷つくこともない相手だがな。倒すと、金貨4枚と短剣、銀のお守り、骨でできたサイコロ2個を入手できるが、どうもゴミアイテムっぽいな』

 

アスト「ゴミかどうかは一通り解いてみないと判断できないだろうが、【エルフのブーツ】の方が値打ち品だろうとは見当がつく」

 

NOVA『リビングストンお気に入りのアイテムっぽくて、よく出てくるもんな。さて、左右に寄り道するか、あるいはまっすぐ進むかは自由だが、結局、〈丘通り〉に突入して、マリクとの対面に向かうことになる』

 

ダイアンナ「いよいよ、ハーメリンの街回りも終わりそうだね」

 

〈丘通り〉

 

NOVA『パラグラフ259番。〈丘通り〉は小高い丘に上る街路で、たまたま運悪く、ちょっとしたアクシデントで酒樽がゴロゴロ転がってくる』

 

アスト「丘の上にゴリラでもいるのか?」

 

ダイアンナ「大丈夫、こちらにはハンマーがある。転がってくる樽なんて、ハンマーで粉砕したらいい」

 

NOVA『昭和レトロなゲームの話をするなよ。今は令和時代のゲームブックをプレイしているんだぞ』

 

アスト「最初の火吹山は昭和だろうが」

 

NOVA『「ふたたび」は平成のゲームだが、さておき、樽を転がした元凶は馬だな』

 

アスト「馬のすることなら大目に見るしかないか。さあ、技術点判定で避けるといい」

 

NOVA『お前が仕切るな。まあ、判定はするけど……(コロコロ)出目10でドキッとしたが、12以外は問題ない。見事なジャンプで転がる樽をかわして見せた。ふう、避けるのに失敗していたら、技術点1点と体力点2点を失うところだったぜ』

 

アスト「ゴリラの落とす樽だったら、1機死ぬのだから、馬は優しいよなあ」

 

NOVA『昭和のアクションゲームと、近年のゲームブックを一緒にするなよ。どっちにしても、当たらなければ大したことはないんだがな。さて、樽イベントの次は、〈行き止まり路地〉と時計職人の店の2択なんだが、一応、時計屋にあいさつしておこう』

 

ダイアンナ「確か、マリクさんの家は〈行き止まり路地〉から梯子を使えばいいんだよね」

 

NOVA『その情報を入手し損ねても、時計屋さんに聞けば、マリクの家を教えてくれる親切仕様なんだ。やはり、令和のリビングストンさんは、昭和のリビングストンさんよりも優しいわ。きちんとフォローをしてくれるんだから』

 

アスト「『盗賊都市』のときはまだ親切だったぞ。難易度が上がったのは、『死の罠の地下迷宮』からだ」

 

NOVA『83年のリビングストンさんは優しくて、84年から鬼のように厳しくなったということか。一体、何があったんだろう?』

 

アスト「そりゃあ、激ムズゲームの方が当時は人気が高い、とリサーチしたんだろう? 1発クリアできるような初心者向きゲームよりもハードなのを求めるファンが多かったんじゃないか?」

 

NOVA『今は同じ感覚のゲームを作ったら、クソゲー呼ばわりされそうだな。昭和だから許されたスパルタゲームがあったということで。とにかく、この時計屋さんは鉄の合鍵セット(1本で1G。6本セットだと5G)を売ってくれるほか、マリクさんの家も教えてくれる』

 

ダイアンナ「合鍵セットなんているか?」

 

NOVA『開錠用具を持ってるから、いらないよな。実際に合鍵が役に立つのかどうかも疑問だ。金の鍵(3)が必要なのは確かだが。それでも念のため、合鍵セットも買っておくか(金貨5枚払う)』

 

アスト「急に用心深くなったじゃないか」

 

NOVA『攻略ノートにいろいろ書き記したんだが、それでも、ヤズトロモさんの件とか、うっかりが見えたからな。合鍵に関する記述がノートには曖昧だった以上、備えあれば憂いなしの精神で行く』

 

ダイアンナ「で、マリクさんの家についても尋ねるんだね」

 

NOVA『実は、この時計屋さんに入ったら、マリクのことを尋ねないと、〈行き止まり路地〉の選択肢が出て来ないんだよ。時計屋さんからマリクのことを訊かずに外に出ると、〈丘通り〉をそのまま突き進んでバッドエンドに導かれてしまう。時計屋に入らずに直接〈行き止まり路地〉に向かうか、時計屋にマリクの家を尋ねるかのどちらかでないとクリアできない仕様だ』

 

アスト「とにかく、何とか〈行き止まり路地〉から梯子を登って、壁向こうの家に到着するんだな」

 

NOVA『ああ。そして家の扉をノックしようとしたパラグラフ309番で、このようなイラストの怪しい風体のおじさんに剣を突きつけられるわけだ。初見ではマリクが魔法使いだと思い込んでいたから、え? 魔法使いじゃなかったの? と驚いたのも1年前の思い出だ。初めてだからこそ得られるサプライズ体験って奴だな』

 

 こうして、英雄を目指す竜の剣士フォーティは、賢人とも(一部には変人とも)言われる老剣士マリクと、ようやく出会うことになった。

 いよいよ、巨人退治の物語が大きく動き出す。

 果たして、ダイス目に裏切られたり、思いがけないうっかりミスの見落としがあったりせずに、きちんと攻略が果たせるだろうか?

 まあ、3%ぐらいはドキドキ事故の可能性もあるってことで。

 

★ヒーロー街道を突き進んでる竜の剣士フォーティ

 

・技術点11

・体力点17/20

・運点11

 

・金貨44枚

・食料10食

・持ち物:【竜の剣】、幸運ポーション、秘密の地図(特別な愛称・デスティニーマップ)、短剣、【混沌の王冠】のフレーム、ドラゴンのメダル付きペンダント、【幸運のお守り】、骨入り革袋、【力の指輪】(技術+1)、コウモリ軟膏、蜘蛛油、熱冷まし剤、ゴブリンの耳垢、青い蘭、金の首飾り、開錠用具、革手袋、銅の指輪、真鍮のベル、金の護符、真鍮のランプ(魔人トウィクシル)、癒しのポーション、ゾンビの指輪、戦槌、エルフのブーツ、鉄の合鍵6本セット

・情報:ハーメリンで、マリク・オム=ヤシュを訪ねよ

    マリクの亡き妻ヴェルマ、享年43歳

    マリクの家の場所(パラグラフ185番に詳細)

    キーワードは〈丘通り〉、〈行き止まり路地〉、時計屋、梯子

・祭りイベント:パイの早食いコンテストに勝利

        平手打ちコンテストに勝利

(当記事 完)