川を越えた先へ
リバT『前回、アートスさんは〈鳥の女あるじ〉さんから、いろいろな話を聞いてから、彼女の眷属の大鷲に乗って、腐蛆病川を越えることができました』
アスト「それで今回の冒険を仕掛けたのが、運命神ロガーンの化身であるグロナールだと教えてもらったんだな」
リバT『念のため、グロナールがロガーンの現し身(うつしみ)であることは、本記事独自の設定ですので、原作ゲームブックにはないことを再度確認しておきます』
アスト「どちらかと言えば、グロナールは善神の化身って感じに描かれているみたいだからな。ロガーンにしては、親切すぎるというか」
リバT『ロガーンの登場する最新作は、英ジャクソンの「サラモニスの秘密」ですが、そちらでは若き少年冒険者の主人公を、暗示的に見守りフォローする夢の世界の神って感じでした。ロガーンの使徒としては「謎かけ盗賊」が有名ですが、ロガーン本人のゲームブック登場は稀です。どちらかと言えば、ワールドガイドの「タイタン」での記述や、小説「トロール牙峠戦争」の最後でゲームマスター(審判役)をやってる姿が印象的です』
アスト「ゲームマスターの仕事は、冒険の種をまき、公正な裁定役に務めることが基本だな。そのために冒険のシナリオを用意し、プレイヤーの作るキャラクターを物語世界に参加させ、情報を与えて危難に立ち向かわせる、と」
リバT『ロガーンは多少、英雄としてのプレイヤーキャラびいきな面がありますが、それでも中立を旨としていて、あくまで面白い冒険譚を後押しすることを本義としています。世界そのものが暗黒と混沌に飲み込まれると面白くないので、世界の危機に際しては善の側につきますし、世界が平和で退屈な場合にのみ、かき乱すこともする、と』
アスト「しかし、今回はやり過ぎだと思うな。タイタン世界の外から冒険者をわざわざ召喚して、冒険させるってのは」
リバT『それを行なったFFゲームブックは「死神の首飾り」ですね。タイタン世界で、異世界転移は滅多にありませんが、うちの記事では「地獄の館」から「トカゲ王の島」への転移が行われたわけで、世界を越える冒険というのがFFコレクション5のコンセプトでもあるので、ちょうどいいか、と』
アスト「だけど、ロガーンに異世界から冒険者を召喚する力があったんだな」
リバT『まあ、使徒の謎かけ盗賊が何らかの儀式を行なって、自分の領域周辺の世界を改変していますからね。使徒にできることなら、神にできても不思議ではないか、と。もちろん、世界間の壁を越えるには、相応の魔力とか必要になるのでしょうが、最近は異世界転移の物語が増えすぎたせいで、人々の想いの力が容易く世界の壁を越えられるように時代が後押ししてくれる。ロガーンもその空気に便乗したと思われ』
アスト「ロガーンというか、この記事の書き手がな。まあいい。プレイヤーのオレはともかく、キャラクターのアートスは異世界転移の仕組みなんてややこしいことは考えられねえ。今はただ、サソリ沼の地図を書くことに専念だ。このミッションを果たしたときに、神さまがダルタニアと再会させてくれると信じてな。まずは川を越えるまでの道程の確認だ」
前回までの地図
●サソリ沼の地図(未完)
(33)ー(20) ?
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(14) 瘴気 (9) ー(13)ー(3)ー?
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(23)ー(29)ー(5)ー(24)ー(26)
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(6)ー(18) l (8)
l (17)
(34) l
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(4)ー(1)ー(12)ー(25)
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沼の入り口
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フェンマージ
●空き地番号とイベント名および攻略コメント
(1)水たまり
(3)特にイベントなし
(4)狼のあるじ
(5)戦闘跡
(6)鉤爪獣(ダイア・ビースト)
(8)カエルのあるじ
(9)盗賊:倒すと【赤い外套】を入手。
(12)クマのうろ
(13)サソリの群れ:運だめしとジャンプで乗り越える。
(14)鳥の女あるじ
(17)蜘蛛のあるじ
(18)剣の木
(20)腐蛆病川の南の崖:川に飛び込むと死ぬ。
(23)恐怖の花
(24)蟹草
(25)沼怪獣(プール・ビースト):表紙絵モンスターの割に強くない。倒すと【スミレ石】を入手できる。
(26)沼オーク3体:弓矢のダメージが痛い。だけど、倒しても弓矢は入手できず。
(29)ユニコーン
(33)腐蛆病川の南岸:《氷結》の魔法2回で渡れる。1回だけだと、渡る途中で魔法の効果が切れて、運だめしに失敗するとバッドエンド。
(34)小川
アスト→アートス「腐蛆病川を渡る橋は、サソリのいる空き地13番から北へ向かった先にあるみたいだが、西に向かうと上手く川を越えることができずに大回りになって、結局、〈鳥の女あるじ〉様が親切に、川向こうの空き地16番に送ってくれた、と」
リバT『空き地16番にあるのは、大ワシの巣です。そこから東西と南に向かうことができます』
アートス「南へ向かうと橋がありそうだが、そちらは帰り道に確認するとして、今は西へ向かうとしよう。だが、その前に《技術回復》の魔法を使って、9点から12点に戻しておく」
リバT『オークの弓矢で傷ついた腕と、恐怖の花の後遺症がこれで癒やされました』
大サソリが現れた
リバT『空き地16番の西は、空き地32番です。そこでは人よりも巨大な大サソリが、ドワーフと戦っていました。あなたが駆け寄ろうとしている目の前で、サソリの片方のハサミがドワーフの首筋を捕まえて、そのまま放り投げます。戦闘不能になったドワーフを、大サソリはむさぼり食おうとしています。どうしますか?』
アートス「こいつが、このサソリ沼のボスになるのかな。こいつを倒しておかないと、プームチャッカーの商隊はここを安心して通過できないと見た。技術点も回復したわけだし、サソリ退治としゃれ込むか」
リバT『大サソリの技術点は9、体力点は10ですね』
アートス「技術点を回復していなければ強敵だったろうが、今のオレにはザコに見える」
リバT『では、戦いましょうか』
技術点が3差もあれば、安心して戦える。
アートスは無傷で、大サソリを始末することに成功した。
しかし、ドワーフはすでに死んでいた。
リバT『ドワーフの持ち物を調べることができますが?』
アートス「調べよう」
リバT『装備品はドワーフサイズなので使えませんが、ポーションを1本発見しました』
アートス「飲んでみると?」
リバT『それは見た目を良くする効果がありますが、ドワーフ用です』
アートス「うおっ、ヒゲがいっぱい生えてきた!」
リバT『それだけではありません。体型もずんぐりむっくりになり、ドワーフの美中年に近づきます。普段どおりに器用に動けなくなったので、技術点が1点下がりますよ』
アートス「ドワーフの呪いかよ。せっかく技術点を回復したのによ〜」
リバT『幸い、薬の効果は1時間ほどで消えるので、次の戦闘が終われば、姿も技術点も元に戻りますよ』
アートス「分かった。それまではドワーフとして、オレは生きよう。名前も、ドワートスと改名だ」
リバT『何もそこまでしなくても……』
アートス→ドワートス「気持ちの問題だ。とにかく、滅多にないドワーフになる経験を楽しむとしよう」
リバT『道は、北へ続いていますよ』
ドワートスの旅路
ドワートス「北へ進むと、空き地は何番だ?」
リバT『いいえ。そこは空き地ではなくて、十字路になってます。東西南北どちらにでも行けますよ』
ドワートス「南から来たから、実質的な選択肢は北か西かと言ったところか。とりあえず、西に進むと?」
リバT『空き地15番です。そこでは、ウィル・オ・ウィスプが漂っていて、西への道を指し示しているようです』
ドワートス「確か、〈カエルのあるじ〉が教えてくれたな。ウィル・オ・ウィスプに付いて行くと死ぬって。試しにIF展開で付いて行くと?」
リバT『運だめしを2回させられて、失敗すると体力点2点や技術点1点を失うことになりますね。ただ、普通なら道に迷って、のたれ死んでいたところを真鍮の指輪のおかげで、方向感覚を取り戻して元の地点に戻ることができますので、死ぬことはありません』
ドワートス「それでもペナルティは受けるわけだな。ならば、人魂は無視することにする」
リバT『他の道は南へ向かっていますが?』
ドワートス「北西へ行きたいのに、南は逆方向だな。じゃあ、さっきの十字路に戻って、北へ進み直そう」
リバT『十字路の北は空き地19番です。そこには、大きな岩があって、一人の男が腰を下ろしています。背が高くて、日焼けしていて、緑色の服を着た男は、「やあ、戦士さん。私は沼の番人だ。君は善に仕える者か? それとも悪の側か?」と尋ねてきます』
ドワートス「わしはドワートス。かつてはアートスと呼ばれた盗賊剣士だったが、命を落としたドワーフのポーションを拝借した罰が当たったようで、呪いを受けてこの辺をさ迷うておる。そんなわしを愚か者と蔑もうなら、蔑むがよい。しかし、善か悪かで尋ねられると微妙じゃのう。わしの雇い主であるプームチャッカーは、善とも悪とも言えん。このサソリ沼の地図を作る仕事を、わしに依頼した、ウィロウベンドまでは、どう進めばいい?」
リバT『すると、自称・沼の番人は笑いながら、こう言います。「なるほど。盗みの罰を受けたと自覚しているのか。手癖はともかく、性根は正直者らしいな。ならば、悪ではないと見なして、ここを通してやろう。ウィロウベンドまでは、南の十字路を西へ進み、そこから南へ進めばいいだろう。道中達者でな、ドワートス君。いや、アートスと呼んだ方がいいのかな?」』
ドワートス「今しばらくは、ドワートスじゃ。道を教えてくれて感謝する。では、ごきげんよう。そう言って、来た道を戻る。ウィスプを見かけた空き地15番にな」
リバT『念のため、空き地19番からは、南の十字路に向かう道の他、東に通じている道もありますよ』
ドワートス「そっちは、カニコングに任せた。わしは南→西→南へと進むのみ」
リバT『では、空き地28番に到達しました。そこは全体的にぬかるんでいて、大きな池があります。池の表面には、緑色の粘液(スライム)の塊が覆っており、悪臭が漂っています。池の側を早足で通り過ぎようと思いきや、スライムががばっと水面から立ち上がり、2メートルサイズの大きさとなって、あなたを包み込もうとします。選択肢は、走って逃げるか、ジャンプして相手の頭上を飛び越えて逃げるか、剣で攻撃するか、魔法を使うかのどれかです』
ドワートス「2メートルサイズをジャンプできるとは思えない。ましてや、今のわしはドワーフじゃ。ここは魔法を使ってみるか」
《氷結》の魔法を使ったアートス、いや、ドワートスは見事にスライムを氷づけにして、難を逃れることに成功した。他の魔法(《火炎》と《枯らし》)は通用しない。
なお、剣で戦う場合、相手の技術点は5、体力点は17。戦闘力はゴブリン並みのザコだが、やたらと体力があるので、ダイスの振り合いが正直、面倒くさい相手だ。
走って逃げるのは、この先に進めずに引き返すことになるので、目的を考えると却下になる。
そして、ジャンプして飛び越える場合は、技術点判定で成功すれば、運点2点を獲得したうえで、難なく乗り越えられる。決して難しい判定ではないのだが、もしも出目12で失敗してしまえば、誤ってスライムの上に着地してしまい、消化液で傷ついて技術点2のダメージを受けたうえで戦わないといけない。リスクが結構大きいので、避けることにした。
リバT『スライムとの戦いを終えたので、ドワートスさんの呪いは解けて、元の姿に戻ります』
ドワートス→アートス「ふう。これで、ドワーフのおじさんロールプレイもおしまいだな」
リバT『道はさらに西に続いています』
アートス「そろそろウィロウベンドも近いと見た」
ウィロウベンドへ
リバT『それでは、ウィロウベンドまでの最後の空き地10番に到達します。そこでは5人の山賊の一団がいるのですが、不思議なことに真鍮の指輪が反応しないのです。どうやら、彼らは根っからの悪党というわけではなさそうですね。もしかすると、話し合いで解決できるかも、と判断できます』

アートス「新旧それぞれの山賊イラストだな。右の旧版では、リーダー以外の仲間がはっきりしないが、左の新版はリーダーの後ろで腕組みしている性別不詳の部下が、やたらとイケメンか美女に見える。リーダーの顔は左がニヤケ面で、昔の方が素朴ながら引き締まって見えるが、手下の個性のおかげで、新版のイラストの方が味があって好みだ」
リバT『で、選択肢の方ですが、道を引き返すか、剣を振り回して突撃するか、隠れた場所から魔法をかけるか、それとも堂々と話し合おうとするかの4択です』
アートス「ウィロウベンドの住人は悪党も多いと聞いたが、オレだって盗賊剣士だ。相手が明確な悪意を抱いていないなら、悪党の流儀で話し合うこともやぶさかではない。やあ、ご同輩、と話し掛けようとするぜ」
リバT『すると、山賊連中は「見ない顔だな。どこに向かおうってんだ?」と問いかけてきます』
アートス「もちろん、ウィロウベンドだよ。この先にあるって聞いたんだが、間違いないか?」
リバT『「それを聞くってことは他所者だな。他所者がここを通るときは、通行料をいただくことになってるんだ」と山賊は要求して来ます』
アートス「出世払いってわけには行かないか?」
リバT『「あんたが出世するとは限らんだろう。腕に自信のない奴は生き残れない」と脅しにかかります』
アートス「だったら、オレは大丈夫だ。生き残る。何なら試してみるか? 5人まとめて相手してもいいんだぜ……とハッタリをかます」
リバT『「おいおい。大胆なのか、バカなのかは知らんが、5対1なんて卑怯なマネはこっちもしたくねえ。勝負はオレ様1人で付けてやる。先に相手を傷つけた者の勝ち。あんたが勝てば、ここをただで通してやる。オレ様が勝てば、あんたの持ってる宝を一つ渡す。これで、どうだい?」と山賊リーダーが言います』
アートス「悪い話じゃないな。オレはアートス。お前さんは?」
リバT『〈炎のグレン〉だ』
勝手に名付けた山賊リーダー〈炎のグレン〉の技術点は9。体力点は10だけど、一撃で決着がつくので、気にする必要はあまりない。
グレンの攻撃力は、出目11+9で20。
アートスの方は、出目9を出したので21。
かろうじて、アートスが勝利を収めるのだった。
グレン『まさか、このオレ様の会心の一撃がかわされるとは! あんた、凄腕の剣士だったんだな』
アートス「いや、お前さんの剣も大したものだよ。余裕で勝てると思っていたが、不意に突き込む刃の一閃はヒヤッとしたぜ。5人がかりでも勝てると思ったのは、浅はかだった。オレもいろいろな土地を旅して来たが、ただの山賊の剣技ではなさそうだ。もしかすると、お前さんは名のある騎士から正統な剣術を学びでもしたのか?」
グレン『……過去の詮索はなしだ。そっちもそれだけの腕の持ち主なら、いろいろと修羅場を切り抜けたことだろう? オレ様は強い。だが、あんたはもっと強い。ならば、敗者は勝者に従う。これがオレたちの流儀ってもんだ、兄貴』
アートス「オレは流れ者だ。舎弟を持つ気はねえ。用事が済んだら、すぐに旅立つつもりだ」
グレン『その旅にお供するつもりはないが、ここに立ち寄ったときは、いつでも声をかけて下さい。宿に泊まるなら、〈曲がった槍〉亭がお勧めです。〈黒熊〉亭は品がない。〈タンクレッドの天馬〉亭は、名前こそお上品だが、盗人がよく出入りしている。他所者には、お勧めできません』
アートス「〈曲がった槍〉亭か。名前だけ聞くと、貧相な宿って感じだがな」
グレン『だから、他所者はあまり利用しないのですよ。グレンの紹介だ、と名前を出してもらえれば、そこの主人が親切にしてくれます。さあ、ウィロウベンドはここから真っ直ぐ北へ進めば、すぐなので』
こうして、山賊たちと友好関係を紡ぐことができたアートスだった。
なお、他の選択肢だと、突撃の場合、運だめしを要求されて、成功すれば先へ進むことができる。失敗すれば、3人の山賊との戦いになる(他の2人は逃走して、後で報復に来る)。
魔法の場合、《呪い》《脅し》《目くらまし》を使うと、山賊をうまく追い散らすことができて先へ進めるが、やはり後で報復に来る。《友情》の場合のみ、友好的に情報を教えてくれて、報復も発生しない。
話し合いが決裂した場合は、3人と戦闘になる。
リーダーとの一騎討ちで敗れた場合は、宝石や魔法の石、マジックアイテムなどを渡すことになるが、もしも何一つ持っていない場合、〈真鍮の指輪〉を渡そうとして、山賊リーダーが「それほど大切なものなら、なけなしの品を奪うわけにはいかない」とかえって同情してくれる。持てる者からはもらい受けるが、持たざる者の唯一の財産まで持って行こうとしないだけの分別があるわけで、義賊集団として心意気に感じる連中なのだ。
ともあれ、アートスはこうしてウィロウベンドの街に到着することができたのだった。
●サソリ沼、川向こうの地図(未完)
(19)ー?
l
ウィロウベンド (15)ー十字路ー?
l l l
(10)ーーー(28) (32)ー(16)ー?
l
?
●サソリ沼、川向こうの空き地番号とイベント名
(10)山賊5人組との遭遇
(15)ウィル・オ・ウィスプ
(16)大ワシの巣
(19)沼の番人
(28)スライム
(32)大サソリとドワーフ
(当記事 完)
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