今回は、まず川上りルート(158)
アスト「前回は、ヴィモーナの街からトカゲ軍の包囲を切り抜けるため、正面からの敵陣突破ルートと、塹壕つたいにこっそり敵陣をすり抜けるルートの2つを進めてみた」
ダイアンナ「もう一つ、波止場からボートを使って、ヴィモーン川を上っていくルートがあるんだね」
リバT『敵陣突破と、隠密行動は、どちらも北の斧頭平原を目指す陸路の旅です。一方で、川を使うのは、ヴィモーナの街の南を流れるヴィモーン川が舞台となりますので、全く違う旅の景色となります。目的地が遠い東の山地帯になりますので、平原からも川からも目指せるわけですね』

ダイアンナ「せっかくなので、川ルートの方は、アストのローレス王子に代わって、はとこのサマルト公子として、あたしがプレイしようって話になった」
アスト「公子ということは、公爵の子どもってことだよな。ヴィモーナにも公爵っていたのか」
ダイアンナ「ゲームブックでは、女王と亡き先王、王子しか登場していないが、トカゲ帝国の侵攻が始まる前は、伝統ある貴族制度が続いていたはず。王家の親戚は公爵の身分を与えられて、王都ヴィモーナ以外の領土を守護していたんだが、トカゲ帝国に戦で敗れ、戦死した者もいれば、かろうじて王都に逃れて来た者もいて、その1人がローレス王子のはとこに当たるサマルト公子だ」
アスト「前回、急に湧いて出た名前のキャラに、よくもそんな詳細な設定をしたよなあ」
リバT『サマルト公子は、のんびり屋な性格で、ローレス王子の弟みたいに育てられました。両親を戦で失い、公爵家の跡取りといっても、所領を失った今では名ばかりの称号。というか、国そのものが滅びつつある現状では、王族や貴族、平民の区別などあって無きが如し。一応、旗頭としての王家だけは貴族や臣民みんなの尊崇を保っていますが、公爵や伯爵という肩書きなどよりも、勇猛果敢さや戦働きの力量で敬意や立場が自然と定まっていきます』
アスト「戦場では、実力主義にならざるを得ないんだな」
リバT『もちろん、ヴィモーナ王国自体が質実剛健を旨とする軍事国家の伝統があったわけですね。そうでなければ、とっくの昔にトカゲ帝国に滅ぼされていたでしょう』
ダイアンナ「サマルト公子は、尊敬するはとこの兄さんのローレスが、テラク神に選ばれたということを知って、その護衛部隊に真っ先に志願。その能力は、技術点10、体力点19、運点9と、王子よりも1点ずつ低い劣化仕様。だけど、その勇気はひけを取らないって設定で、プレイしてみようと思う」
リバT『さて、川ルートですが、最初からそれを目指していた場合のパラグラフは158番。いきなり運だめしを要求されます』
ダイアンナ→サマルト「IFルートって形だけど、じっさいに振ってみよう。(コロコロ)8で成功」
リバT『すると、トカゲ兵の見張り(技8、体9)に気付かれることなく、あっさり波止場からボートを盗み出して、川に乗り出すことができました。これでヴィモーナ脱出に成功しましたよ。運点2点をゲットです』
アスト「そんな簡単なことでいいのかよ!」
リバT『川上りルートは、このパラグラフ181番から本格的にスタートです。なお、ヴィモーン川については、ここで地理的な説明が入りますね。「黒い流れ」という意味で、幅が広く流れが緩やかなため、上流へ漕ぎ進むのも難しくはありません。目指すは、遥か東方のライオン高地。そこから流れる黒い泥水のために、この名がついています』
サマルト「だけど、サマルトの正規ルートは、敵陣突破から翼手竜にさらわれてからのストーリーなので、そっちをプレイするとしよう」
サマルト公子の思いがけない冒険
●ローレスの再従弟(はとこ)サマルト
技術点10
体力点19
運点9
食料:4食分
所持品:背負い袋、剣、ナイフ

リバT『それでは、パラグラフ47番です。ローレス王子は翼手竜に襲われたものの、運よく難を逃れました。代わりにさらわれたのが、護衛戦士として近くで戦っていたサマルト君でした』
ローレス(アスト)「サマルトーッ! と叫びながら、何とか助けようとするものの、トロールが襲いかかって来るので、自分の身を守るのが精一杯。すまん、サマルト。お前のことは忘れん」
サマルト(ダイアンナ)「あたし……いや、一人称はボクだな。ボクは、どうしたらいい?」
リバT『巨大な鉤爪に肩をつかまれて、空高く上っています。手にした剣で、やみくもに攻撃するか、しばらく様子を見るか、の2択です。後者の場合、運だめしをして成功すれば、川に落とされて生き延びることができますが、失敗すれば地上に激突してゲームオーバーです』
サマルト「運点が9だと怖いので、高く上り過ぎないうちに剣で攻撃するよ」
リバT『翼手竜の技術点は7、体力点は9ですが、3回攻撃を当てると、相手の鉤爪が外れます』
サマルトが脱出する前に6点ダメージを受けてしまった。残り体力13点。
リバT『傷つきながらも、サマルト君は翼手竜の鉤爪から逃れ、川に落下しました。水中でもがきながらも、何とか水面に出たところ、岸の近くにいるのに気づきました』
サマルト「ふう、ひどい目にあった。ローレス兄さんは無事だろうか? 何とか合流したいんだけど」
リバT『川からボートを使えば、トカゲ軍の目を逃れるのではないか、とあなたは考えました。岸の方をよく観察すると、ボートを見張っているトカゲ兵が1人います。彼に襲いかかって、ボートを奪いとるか。それとも、石を投げて見張りの気をそらすか。あるいは、見張りに見つからないように、波止場の方から遠回りして、こっそりボートに近づくようにするかの3択です』
サマルト「傷ついているから、戦いは避けたいところだ。石を投げて注意をそらすよ」
リバT『技術点判定をして下さい』
サマルト「7で成功」
リバT『すると、石がポチャンと落ちた方向にトカゲ兵は気を取られて、そっちに向かいました。あなたは難なくボートに乗り込んで、パラグラフ181に行き着きます』
サマルト「ここから川を逆上れば、ローレス兄さんの旅に合流できるだろうか?」
なお、波止場の方から遠回りする場合は、運だめしを要求される。運点よりも技術点の方が高いサマルトにとっては、石を投げる方が正解ということになる。
いずれにせよ、成功すれば181へ。失敗すれば、技8、体9のトカゲ兵と戦ったうえで、181へ向かうのは同じである。
隠密ルートからのIF展開
リバT『では、ついでに隠密ルートで塹壕から波止場に出る380番も確認しておきましょう』
サマルト(ダイアンナ)「これもボクで進めるんだね」
リバT『その方が面白いですからね。さて、塹壕から這い上がると、そこは建物と建物にはさまれた小路です。かつては人々が住んでいたのですが、今はもの静かな廃墟も同然なのを悲しく思います。突然、廃墟で食べ物を漁りに来た沼オークの2人組に遭遇しました。戦いますか、それとも逃げますか?』
サマルト「オークはトカゲ兵ほど強くないよね。だったら、ボクだって、と戦うよ」
IFルートなので、被害は気にせず戦ってみる。
オークの技術点は6なので、4差で勝っている。
それでもダイス運が悪くて(1ゾロ出して、両オークの攻撃を受けてしまった)、総計6点ダメージを受けてしまうサマルトだった。
なお、逃げた場合、建物の左か、右か、建物の中かという選択がある。
左へ逃げると、逃げられずにオーク2体と戦いになる。
右へ逃げると、オークが別行動をとって1体だけと戦う。
建物の中だと、床が抜けていたので、落下しそうになる。技術点判定に成功すれば、落下を免れてノーダメージ。失敗すれば落下して、サイコロ1個分のダメージを負う(ただし、5と6の出目はノーダメージで、最大4点まで)。
オークとの遭遇イベントを切り抜けると、パラグラフ32番。倉庫を調べるか、小路を先へ進むかの選択で、倉庫だと波止場ネズミの大群に遭遇。ネズミを勢いよく追い払うのが正解で(ネズミが逃げて無傷で脱出成功)、もしも自分から逃げると、調子づいたネズミの群れ(技9、体11)に襲われてピンチになったり。
倉庫は調べずにスルーするのがいい。
小路を先に進むと(203)、パラグラフ131(翼手竜から落下して水落ちしたシーン)と同様の選択肢があって、181に到達できる。
●ボートで川を上ろうとするサマルト(181)
技術点10
体力点13/19
運点9
食料:4食分
所持品:背負い袋、剣、ナイフ

改めてローレスの旅路(53より)
リバT『それでは、本来の主人公であるローレス王子の続きをプレイしましょう』
アスト→ローレス「ああ。ところで、サマルトは敵陣突破ルートから派生したキャラだが、オレは隠密行動ルートのキャラで構わないよな。そっちの方が順調に進めたんだし」
リバT『ええ。その辺は後からでもテキトーに辻褄合わせをしましょう。キャラシートはこちらで構いません』
●敵陣をこっそりすり抜けた最後の戦士ローレス(パラグラフ53)
技術点11
体力点20
運点10
食料:4食分
所持品:背負い袋、剣、ナイフ、弓と銀の矢2本、明かりのガラス玉、〈ケインレッシュ・マの黒スイレン〉の小壺
リバT『では、パラグラフ53番。お化けトカゲを駆って、敵陣から脱出したローレス王子。しかし、あなたの後方から、トカゲ兵の追跡騎乗部隊が追って来ます。逃げ延びるためには、運だめしを成功させて下さい』
ローレス「5で成功(残り運点9)」
リバT『1本の矢が耳元をかすめました。運が悪ければ、肩に命中して2点ダメージを受けていたことでしょう。このままでは追いつかれてしまう、と思ったとき、前方に茂みがあるのに気付きました。茂みからは殺気のようなものを感じますが、一か八か飛び込んでみますか? それとも平原をただひたすら駆け抜けて、追跡部隊が断念する方に賭けますか?』
ローレス「後者は、こっちのお化けトカゲが疲れきって、敵に追いつかれるんだよな。バッドエンド確定なので、茂みに飛び込まざるを得ない」
リバT『すると、茂みに入った瞬間、奥から1本の矢が飛んできて、お化けトカゲを射倒してしまいます。あなたは地面に投げ落とされながら、悪態をつきます。1人の人間の男が現れ、「トカゲじゃなかったのか? 人間だったとはな。生きているか?」とくぐもった声を掛けてきます』
ローレス「殺気の主はこいつか? だけど、トカゲじゃないんだな。素早く起き上がって、警戒の目で見ながら、だけど後方のトカゲ部隊をチラッと見やって、どうしたものやらと思案する」
リバT『男の外見は、獣の毛皮を着て、野生的な目をした屈強そうな感じですね。カニコングさんにプレイしてもらいましょう』
毛皮の男(カニコング)「任されたでごわす。我はゴッドネス・テラクの使い」
リバT「違います。そういう設定はありません」
毛皮の男「だけど、ローレス王子の救い主であることは変わらぬ。トカゲの追跡部隊を確認して、『8騎か。さすがに勝てんな。ついて来い!』と言って、強引に茂みの奥にローレスを引きずり込む」
ローレス「お、おい。何がどうなっている? 説明しろ! と言いつつ、『話は後だ』の一言で納得させられ、強引に引っ張り込まれた王子であった」
リバT「茂み付近まで近づいた追跡部隊ですが、一矢で仕留められたお化けトカゲの遺骸を確認して、奥に踏み込むべきか迷っていますね。その間にローレス王子は、毛皮の男に簡単に現状を説明できます」
ローレス「つまり、かくかくしかじかで、ヴィモーナ城からトカゲの布陣を抜け出して来たんだ。それなのに、お前が騎獣を台無しにしやがった。もう少しで逃げ延びれたものを」
毛皮の男『そいつはどうかな。貴様は楽観すぎだ。どっちにしろ、トカゲに追いつかれて、抵抗できないまま滅多刺しにあうのがオチだ』
ローレス「その前に、1匹でも多くのトカゲを道連れにしてやる。ヴィモーナの戦士はタダでは死なん」
毛皮の男『死にたいと言うなら止めんが、生き延びたいなら、わしに従え。策がある』
ローレス「策だと! どんな?」
リバT「男に案内された先には、小さな広場があって、そこには一頭の馬と、もう一頭、小柄な馬のように見えましたが、驚いたことにサーベルタイガーでした」
ローレス「それは……『トカゲ王の島』を思い出すな」

リバT『飼い主は少女じゃなくて、おじさんですけどね。イラストはこんな感じです』

リバT『サーベルタイガーは見知らぬあなたに吠えようとしますが、「おとなしくしろ、スナッグ。敵はその男じゃない」と男の指示を理解したようで、睨むだけにします』
ローレス「すごいな、あんた。獣使いか?」
毛皮の男『使っているんじゃない。スナッグは心強い友でごわす。さて、茂みの中で待ち伏せすれば、弓矢で2体を倒せる。そして、スナッグが1体。ヴィモーナの戦士は、何体倒せるかな?』
ローレス「あんたが2体倒せるなら、オレだってそれぐらい……」
毛皮の男『いいか。姿を見せるんじゃないぞ。我らの数が少ないとなれば、トカゲの連中は獰猛に戦う。しかし、数が分からない相手に、どこからともなく弓矢で仲間を射殺されたら、怯えて撤退するのが普通だ』
ローレス「分かった。あんたの策に従おう。生き延びたいからな」
リバT『ここで、茂みに入ってきた追撃部隊に、作戦どおりの奇襲を仕掛けます。ローレス王子はここで残りの矢を撃ち尽くしました。結果、合計5体のトカゲ兵を瞬殺し、残った3体が逃げていきます。この逃げた数は、メモしておいて下さい』
ローレス「弓矢を持っていなければ、5体を逃がした形になるのか」
冒険家ジュリアス・レカルテ(パラグラフ240)
リバT『それでは、トカゲ兵の追撃部隊を撤退に追い込んだことで、ようやくゆっくり話し合いができます』
ローレス「さっきも言ったが、オレはヴィモーナの戦士ローレス。王子の身分は隠していよう。その代わり、テラク神の導きを受けて、探索の旅の途中だと話す」
リバT『男は〈正真正銘のジュリアス・レカルテ〉だ、と自己紹介します』
ローレス「正真正銘って、何だか偽者がいるような言い回しだな。その名は有名なのか?」
リバT『いいえ、初耳です。レカルテさんは冒険家にして商人。サーベルタイガーのスナッグは、探検家の父親タディウスが見つけて、ジュリアスの弟分のように育ってきたと言います。父が数年前に行方不明になったので、探している最中のこと』
ローレス「あいにくオレは街の外に出るのは今回が初めてなんでな。あんたの父親のことは聞いたことがない」
レカルテ(カニコング)「気にするな。トカゲの連中を倒せば、父の居場所が分かると神託を受けたでごわす。別に、貴様を助けて情報が得られるとは思っていない」
ローレス「神託か。どの神だ?」
レカルテ「〈トラの王マギール〉と言っても、知る者は少ないだろうな。とにかく、獣の神はこの平原がトカゲの群れに侵略されているのが気に入らないんだとさ。だから、トカゲをたくさん狩ることが信仰の証となる」
ローレス「ならば、あんたはヴィモーナの友と言えよう。我が神テラクは黄金の獅子を従えているらしいが、獣の神は同盟者になるわけだ」
レカルテ「まあ、ヴィモーナが陥落すれば、この平原でトカゲの侵攻を止められる者はいなくなるだろうから、わしにとっても都合が悪い。貴様の探索には協力した方が良いのだろうな。ならば、ここから6リーグ(約30km)ほど離れたカプラを目指すべきだ。あそこはまだ侵略者に抵抗しているので、安全な避難所になっている」
ローレス「そんな街が残っていたのか」
レカルテ「都市というほどの規模はない交易所だけどな。領主があっさり逃げ出したので、残された住人たちが自衛のために木の柵を作ったり、ありもので抵抗運動をしているのでごわす。まあ、トカゲの主戦力がヴィモーナ攻略に掛かりっきりになっているから、遊撃部隊による散発的な攻撃を迎え討つだけで済んでいるのだろう」
ローレス「そうか。オレにはヴィモーナ市民の苦境しか見えていなかったが、この平原にはまだまだ多くの民がいたんだな。自分の世間知らずぶりを初めて実感した。こういう戦の時勢でなければ、たまには旅に出るのもいいものだと思うが」
リバT『もしも平時でしたら、王子の身分で気軽に旅立てるものでもありませんけどね。さて、レカルテさんはローレスに次のアドバイスをします。逃げ出した3体のトカゲ兵ですが、援軍を引き連れて戻ってくる可能性があります。そこで、とるべき作戦案が次の3つ』
- 敵が戻って来る前に、急いでカプラまで逃げ込む:馬が一頭しかないので、逃げきれるかどうかは不明。
- 待ち構えて戦う:相手の数次第で有利に戦えるかもしれない。
- 罠を仕掛けて戦う:カラメールの老商人から手に入れた火薬を持っているらしい。
ローレス「この選択肢だったら、3番が楽しそうだと思わないか?」
リバT『ええ、まあ。一応、1だと20本の矢が飛んできて、6が出ると命中する(2点ダメージ)という判定で対処します』
ローレス「期待値的には3本当たって、6点ダメージというところか。あまり嬉しくはないな」
リバT『戦う場合は、技8、体7のトカゲ兵9体(逃げた3体+援軍6体)と戦うことになります。レカルテ(技11、体14)、スナッグ(技12、体8、2回攻撃)も加えて、派手な戦闘シーンになりますよ』
ローレス「それも一興だが、正直、記事書きの手間が大きいと思われ。それよりも罠を使った方が簡単だと見た」
ダイアンナ「まあ、アストは正々堂々よりも、奇襲攻撃を好むからなあ」
ローレス(アスト)「他に手がなければ、正面から戦うのもやむなしだが、被害は極力最低限に減らしたいのが、盗賊の流儀ってものよ。まあ、テラク神の教えには反するかもしれないが」
レカルテ「テラク神は名誉の神ではごわさん。勇気は司るが、名誉や誇りを重視するのは父神のフォーガでごわす……とゴッドネスの神託が届いた」
リバT『今のはレカルテさんのセリフではありませんね』
レカルテ『だったらレカルテ曰く、これは戦ではなく、狩りなのでな。獲物を狩るのに、罠を仕掛けるのは当然よ』
ローレス「そうか。相手が同じ人間なら、騎士道や名誉は重要だが、狩りの獲物に対しては、獣を仕留める感覚でやれ、と」
リバT『そんなわけで、集団を閉じ込めるための柵と、焚き木、油とレカルテ秘蔵の火薬(サルダス製のサリス・ヴィテー)を設置します。午後いっぱいをかけた作業の末に、夕刻ごろに援軍を引き連れて戻ってきたトカゲ部隊は、あなた達の仕掛けた罠にまともに飛び込むことになるのですが……技術点判定をして下さい』
ローレス「8で成功」
リバT『柵に囚われて脱出できなくなったトカゲ部隊が、あなたの射ち込んだ火矢で生じた爆発に飲み込まれて、一瞬の断末魔とともに焼け死にます。こんな戦い方で良かったのか、と王子は葛藤しますが、レカルテは策がはまったことで大喜びですね』
ローレス「まあ、魔法の火球で一網打尽にしたようなものと納得しよう。相手が同じ人間なら、こういう卑劣な戦い方は決してすまい、とローレス王子は思うだろうな。プレイヤーのオレ(アスト)は、楽ができて良かったと思うが」
カプラにて(パラグラフ89)
リバT『追跡部隊を撃退したあなた達はその夜、無事にカプラの避難所に到着しました。トカゲ兵の襲撃から逃れてきた人々の溜まり場になっていますが、ヴィモーナほどの堅固さは期待できませんね。本格的に侵攻されたら、たちまち陥落しそうだと思います』
ローレス「所詮は急ごしらえの仮設砦みたいなものか」
リバT『レカルテさんが、あなたのことをヴィモーナから来た戦士だと吹聴すると、人々は王都の様子を聞きたがりますね。できれば救援の手配を、と求める声もありますが、王都自体がトカゲの大軍に包囲されていることを伝えると、目に見えてがっかりする姿も』
ローレス「ううっ。この国の王子としては、人々の心に希望を灯してやりたいが、凛々しい女王(母上)が今も負けることなく戦い続けている話とか、テラク神の神託の話とか、伝説の〈黄金剣〉が目覚めれば、帝国に勝てる、希望はまだ失われていないって話をしてもいいのだろうか?」
レカルテ「わしには、どこまで打ち明けたのでごわすか?」
ローレス「オレが王子だってこと以外は話したと思うが」
レカルテ「だったら、テラクの聖剣の話はわしが吹聴したでごわすが、人々の反応は芳しくはないということで」
リバT『そうですね。そんなおとぎ話のような夢物語よりも、人々はローレスさんがどうやってヴィモーナから脱出して来たかの武勇譚の方を聞きたがります。あと、ヴィモーナの戦士がどうやって帝国の侵攻を防ぎ止めているかとか。そして、このカプラを守り通すのに何が必要か、アドバイスが欲しいとも』
ローレス「前向きに受け止める人もいるのか」
リバT『王都が戦い続けているという状況が重要みたいですね。上に立つ王族が、自分たちを見捨てたのではなく、敵の激しい攻撃を一手に引き受けていることが分かったわけですから。そして、あなたが脱走兵ではなく、使命の旅だということを知って、頑張れよ、と励ましてくれる声も』
ローレス「それじゃあ可能な限り、人々の要望を受け止めつつ、使命を果たさねばという想いを強くする。避難所の人々を励ますよう、いろいろと声をかけて回るぞ。ヴィモーナ城内で、兵士や市民に王子として激励してきたように。みんなはオレのことを王子と知ってはいたが、こちらは一介の戦士として気さくに接してきたつもりだ」
リバT『王子なのに、決して偉ぶらない態度は、市民たちの間でも好評でした。上に立つ者が自分たち同様に戦っている姿を見せるのは、士気を高めますからね。忙しい1日でしたが、あなたはくたくたになるまで避難民たちを励まして、真夜中にとうとう疲れ果てて眠りに落ちました。そして翌朝早くに、目を覚まします』
ローレス「いつもなら、夜が明けると、トカゲ軍の鬨の声でうるさいのだが、今朝は思いの外に静かで、調子が狂う」
レカルテ「朝食を持って行ってやるでごわす。ここは元々、交易所だから、物資は豊富なのでな」
ローレス「おお、助かる。久しぶりに腹一杯の朝食を堪能する。王城では糧食も不足していたから、最低限の食事しかできなかったからな」
リバT『ここでは2食分の食糧が補充できますが、背負い袋に入るのは4食までですね』
ローレス「つまり、このタイミングで、体力点8までは回復できるってことだな。オレは幸いダメージを受けずに、ここまで来れたが」
リバT『レカルテさんは、ローレスにここから先は目立たないように、変装しないか? と提案します』
ローレス「変装だと?」
リバT『肌を緑色に塗って、遠目にトカゲ兵に見えるようにしてやるとのこと。具体的には、こんな姿になります』

ローレス「勘弁してくれ。こんな格好をしていたら、トカゲからも人間からも不審人物として扱われてしまう。オレは変装なんてしない」
レカルテ「だったら、餞別代わりのお守りでごわす。次から好きな品物を持って行くといい」
- 黒スイレンの香料の入った壺
- 金織りっぽい迷彩模様の布
- 豹頭の神の偶像
- 見事なつくりの棍棒
- オーク避けのギザギザ銅貨
- 紫色の液体入りの薬瓶
ローレス「ちょっと待て。餞別ってことは、一緒について来てくれないのか?」
レカルテ「わしは西に用事があるでごわす。だから、東へ向かう貴様とは、ここでお別れだ。互いの探索行が上手く行くことを願おう」
ローレス「そ、そうか。あんたには世話になったな。何かでお返ししたいが……そうだ。この弓を持って行ってくれ。矢を使いきっていたから、どうしようと思っていたが、あんたはオレよりも巧みに弓を使いこなす。ならば、この弓はあんたに相応しい」
レカルテ「それは嬉しいが、いいのか? 結構な上物っぽいが」
ローレス「実のところ、亡き父が使っていたものなんだ。あんたは親父さんを探しているんだろう? ならば、縁起にもなるんじゃないか? もしも、オレたちが再会できて、その弓があんたを親父さんに導いてくれたなら、返してくれ。オレたちが目的を果たすための験担ぎってことだな」
レカルテ「……分かった。そちらの好意は受け取ろう」
ローレス「その代わりに、〈豹頭の神像〉をお守りにもらう。ネコ科の猛獣(ワイルドキャット)の像は、テラクの黄金獅子と、あんたのスナッグに連なるからな。短くはあったが、オレたちの友情を思い出す縁(よすが)にもなろう」
リバT『レカルテさんは、ローレスに感謝して、友情の抱擁をかわして、耳元で囁きます。「ホワイト・アイ(白眼の男)を捜し出せ。奴は君の探索に役立つはずだ。だけど、わしが教えたとは言うなよ、いいな?」 それから、助言として「北から東へ回り込むといいだろう。東はどうも危険な臭いがする」と告げてくれます』
こうして、レカルテと別れ、カプラを出発することになったローレス王子でした(パラグラフ223)。
●冒険家レカルテと別れた最後の戦士ローレス(パラグラフ223)
技術点11
体力点20
運点9/10
食料:4食分
所持品:背負い袋、剣、ナイフ、弓と銀の矢2本、明かりのガラス玉、〈ケインレッシュ・マの黒スイレン〉の小壺、豹頭の神像
(当記事 完)