ウルトロピカルな⭐️GT(ゲーム&トレジャー)島宇宙

南の島と上空の宇宙宮殿を舞台にTRPGや特撮ヒーローなどのおしゃべりブログ。今はFFゲームブックの攻略や懐古および新作情報や私的研鑽メイン。思い出したようにD&Dに触れたりも。

「巨人の影」攻略EX

マリクが遺したもの(前段)

 

 我が敬愛する師匠マリク・オム=ヤシュの葬儀が厳かに執り行われたのは、あの巨人との対決から半年ほどが経った秋のことだった。

 

 この私、ハーメリンの街を救ったドラゴン勇士団の団長として知られるフォーティ・ジャイアントスレイヤーが、義兄弟のウィラード・ホンク(グースとして知られる)と共に凱旋した翌日、マリク師匠は相棒のハロルド・ホゲットに伴われて、ハーメリンに帰還した。

 師匠は重傷を負って、あの〈ゴルゴンの墓所〉で永遠の眠りに就く覚悟を定めていたようだったが、旧友のハロルドが駆けつけて、【癒しのポーション】を与えることで、かろうじて命を取り留めたらしい。

 私は師匠は死んだものと感じていたのだが、友の絆がそれを押し留めたのだという話を聞いて、心より感動するのだった。あの日の涙は、決して花粉のせいばかりとは言えまい。

 

 その日から半年ほど、師匠が患っていた病のために静かに息を引き取るまで、私はマリク・オム=ヤシュの正式な弟子、後継者として、屋敷に寝泊まりさせてもらい、師匠の世話をするとともに、少なからずの学びを得ることとなった。

 半年とは決して長い期間とは言えないが、ハーメリンの祭りとその後の探索行、および巨人との死闘に匹敵する濃密な時間であった。

 その学びの幾分かを、この拙文に書き記そうと思う。

 

 まず、マリク師は卓越した剣客であり、冒険者であるとともに、優れた著述家、冒険伝承の研究記録者であった事実を、銘記しておきたい。

 サラモニスのアカデミックな家柄の出だった師匠は、若い日に訪れた漁村でトカゲ人の襲撃に巻き込まれて、鉱山奴隷の身を経験したという。そのときに自らを解放してくれた戦乙女に感化されて、古代の遺産や伝承に強い関心を抱くようになったそうだ。

 その後、火山島で知り合った農夫のハロルドやドワーフ鉱夫のヒグリーを伴って、故郷のサラモニスに帰還し、共に冒険者ギルドに所属して、さまざまな冒険を行うことになった話は長いので割愛する。このハーメリンで後に妻となる籠売りのヴェルマさんと知り合ったり、彼女の不幸な死によって冒険者生活を完全に引退して、隠者同然の生活を営むに至った話も興味深くはあるが、ここで記すべきはその後の話である。

 街の有名なガイドであるビニー・ブローガンによれば、マリク師匠は「引きこもりの変人にして、鋭い眼光で人を寄せ付けない偏屈な老いぼれ」と見なされていたらしい。冒険者時代の貯えがあったので生活に不自由はしていなかったが、彼の過去を知る時計職人、墓場の供え物の花を配達している親切な令嬢など一部の住人を除けば、ハーメリンの人間はマリク師のことを「陰気な墓場の管理人にして、落ちぶれた貴族の末裔」として距離を置いていたようだ。

 街の市長からは「墓守りのマリク爺さん」として、わずかながらの給金で陰鬱な仕事を黙々と務めてくれる人物と見なされていたし、奥さんの墓にぼそぼそ話しかけて気味悪がられたりしながらも、共同墓地の掃除や施設の手入れなどの作業はマメにこなしていたそうだ。

 街の暗い部分を管理する仕事は大切であるが、陰鬱さと穢れに対する意識から、決してチヤホヤ持ち上げられる職種ではないし、マリク師匠も生前は決してそういう華やかな扱いを望んでいなかった。

 私やグースが「巨人殺しの英雄」として称賛される際に、私が「密かにハーメリンの街を守り続けた真の英雄にして、ドラゴン勇士団の団長の師」として、師の死後に銅像を追加で建立するよう申し立てたことで、今後は師の業績も正しく知られるようになるであろう。

 拙文が、師の偉大さを遺すための助けとなれば、幸いである。

 

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「巨人の影」攻略記(その12最終話、巨人たちとの決戦)

決戦前の朝

 

リモートNOVA『パラグラフ323番にて、本作のメインダンジョン〈ゴルゴンの墓所〉を脱出したフォーティとグース。明るい光に目を慣らしながら、太陽の高さや方向から、今がまだ午前中だと確認する』

 

アスト「ダンジョンに入ったのが、正午過ぎぐらいになるから、ダンジョンで夜を明かしたことになるんだな」

 

NOVA『ゴルゴンの部屋で、軽く仮眠をとったのがゲームブックの文章表記だが、本プレイでは、寝る前にマリク師匠が追いついて来た形になる。マリク師匠とのやり取りは、原作よりも少し長くして、時間経過はやや曖昧だが、ダンジョン内では一睡もしていないという流れだ』

 

ダイアンナ「原作では、ハーメリンでのマリク探しから月岩山地の〈ゴルゴンの墓所〉までが午前中の出来事で、昼にダンジョンに入って、夜にゴルゴンの間に到達。夜明け前にマリクさんが到着したわけだね」

 

NOVA『ここでは少し変えて、グースとの出会いの後に宿に泊まった。翌朝、ハーメリンを出発して〈ゴルゴンの墓所〉に到着したのは昼。その後、夜にゴルゴンの間に到達は同じだけど、マリク師匠が来たのは、同じ夜のうち。原作よりは1日遅れという計算になる』

 

アスト「ハーメリンの祭りの日を基準にすると、祭りの当日にハーメリンを探索して、ダンジョンに入ってゴルゴン討伐まで成し遂げたのが原作。祭りの翌日にダンジョンを探索したのが本プレイということになるか」

 

NOVA『だから、マリク師匠が駆けつけて来たのも、原作では翌日の未明で、別に遅れてはいない。しかし、本プレイでは翌日の夜遅くでギリギリのタイミングで駆けつけて来た形になる。いずれにせよ、翌日に合流するという約束は守れている。原作の方が、マリク師匠も強行軍って感じだけどな。大方、寝る間も惜しんで、私用を済ませてから、主人公たちを追いかけて来たんだろう』

 

ダイアンナ「無茶しやがって、という感じだね」

 

NOVA『巨人との決戦は、原作では祭りの翌日だけど、本プレイでは翌々日ということで、少し急がねばならない。原作では、この後、昼過ぎにグースの丸太小屋に寄って、そこで軽く食事をとって体力点を2点回復してから、彼の馬に乗って、巨人の元まで駆けつける形だが、1日遅れだと巨人はもっとハーメリンの近くまで迫っていて、街の人たちが警戒態勢に入っていることにしよう』

 

アスト「え? 原作と状況を変えるのか?」

 

NOVA『原作だと、あまりにも街の住人がのんびり構え過ぎているからな。パラグラフ400番で、主人公たちが巨人との戦いの結果を市長に報告して、ようやく1時間かけて、巨人の残骸を確認して、事実を知るに及ぶという情弱状態だ』

 

ダイアンナ「街の住人が、危機に鈍感なのはいただけないね」

 

NOVA『だから、本プレイでは少し改変した。フォーティは、街の情報通のビニー・ブローガンにも、通りで出会った〈賢き髭〉にも巨人の件は話しているからな。そして、祭りの2日後ともなれば、巨人の情報は街の多くの住人にも知らされることになっているさ。もちろん、事実を確認できたわけじゃないので、本気に受け取る者もいれば、冗談と考える者、そして巨人の脅威がいかに恐ろしいかを肌で知る者はいないだろうから、事実であったとしても大したことないと安易に考える者などいろいろで、パニックにまでは至らないが、不安でざわついている頃合いだと思う』

 

アスト「そんなハーメリンに戻るのか?」

 

NOVA『いいや、戻らない。その前に、フォーティたちの行く手に1人の男が現れた』

 

ダイアンナ「誰だい?」

 

NOVA『マリク師匠の昔の相棒だったハロルド・ホゲットだ。2頭の犬、チューリアとジョージを引き連れ、さらに2頭の馬、ウィローとパトリシアを伴ったハロルドが、月岩山地から降りて来たドラゴン勇士団と遭遇した。そこで、ダイアンナ、このシナリオを読んで、ハロルド役を演じてくれ』

 

ダイアンナ「あたしがハロルドみたいなおっさんを演るのか? まあ、他ならぬダディの原稿だ。読むぐらいなら、合わせてやろう」

 

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「巨人の影」攻略記(その11、竜の剣の継承者)

ゴルゴンの謎

 

リモートNOVA『今回は最初からクライマックスだ』

 

ダイアンナ「前回で、フォーティは蛇の王コブラクスを倒したんだね」

 

NOVA『そして今回は引き続き、〈ゴルゴンの墓所〉のボスとも言うべきゴルゴンとの戦いから入るわけだけど、コブラクスとゴルゴンの関係がよく分からない』

 

アスト「前回は、蛇神コブラクスの巫女にして妻だと言っていたようだが?」

 

NOVA『ゲームブック本編では、そういう記述がなくて、当ブログ用にアレンジした。じっさいは、ゴルゴンの方が格上で、コブラクスの方が番犬代わりの番蛇かもしれない。何しろ、コブラクスもゴルゴンもゲームブックでセリフがあるわけでもなく、ついでに「モンスター事典」のシリーズにも掲載されていない。コブラクスはともかく、ゴルゴンが載っていないのは意外だった』

 

ダイアンナ「本作で初登場ってこと?」

 

NOVA『いや、「火吹山ふたたび」で登場しているんだが、FFシリーズではゴルゴンではなく、メデューサ名義で登場していることが多い』

 

アスト「どっちでも一緒だと思うがな」

 

NOVA『厳密には、メデューサがゴルゴン3姉妹の末娘で、メデューサは個人名、ゴルゴンは家名もしくは種族名になるか。ゴルゴン3姉妹の長女はステンノー、次女はエウリュアレーだが、姉2人の名前がモンスター名として扱われることはないな。D&Dでは、ゴルゴンは石化ガスを吐く牡牛型の怪物だが、基本的には、どちらも蛇の髪の毛を持つ魔女然とした怪物で、その顔を見るか、視線によって石化の魔力を発動する。

メデューサ初登場は「死の罠の地下迷宮」で、石化以外の戦闘力はあまりない(技6、体5)。一方、ゴルゴンは「バルサスの要塞」で、バルサスが魔法で変身した姿として初登場。メデューサよりもゴルゴンの方が格上の能力を持っている印象だ。現に、本作でもゴルゴンの技術点は10、体力点も10で、なかなかの強敵に仕上がっている』

 

ダイアンナ「どちらも直接目視しての戦いを避ける都合上、技術点にペナルティを受けての戦闘になるから、あまり強くし過ぎると、ゲームバランスがキツくなるんだね」

 

NOVA『目を閉じることで2点のペナルティを受けると考えると、実質的に相手の技術点が+2加算されるようなもの。メデューサが8になるなら、そこそこ手強い程度だが、ゴルゴンの技術点が12と換算すると、ほぼ作品内のラスボス級の手強さだ。本作のコブラクスとゴルゴンは能力的に対等だが、石化を防ぐためのペナルティを考えると、ゴルゴンの方が格上となる。さらにコブラクスは蛇の王という小神クラスの双頭蛇であることからして、ゴルゴンも神クラスと言っていい。ギリシャ神話の原典に準えるなら、メデューサの姉2人は末娘と違って不死身だとも言う。

『現に本作のゴルゴンも、死んで復活したモンスターとして扱われており、封印はできても、完全に滅ぼすことはできない不死怪物の一種なんだろう。いろいろ盛られた設定だとも思うが、半神として扱うのが妥当なんだろうな。タイタン世界のゴルゴンの扱いをどう受け止めるべきか、公式のモンスター事典にも載っていないので、本作の記述を元に俺解釈を散りばめていると思って欲しい』

 

アスト「言い換えるなら、封印された半神程度なら普通に倒せるのがフォーティのヒーロー性ってことだな」

 

ダイアンナ「悪魔に会ったら悪魔を斬り、神に会ったら神を斬り、実はとんでもなく英雄然とした主人公ってこと?」

 

NOVA『まあ、オーガーをビンタ一発で吹き飛ばす腕力の持ち主なので、ギリシャ神話のヘラクレス並みの英雄として描かれているのかもしれないが』

 

アスト「一般人グースの目から見たら、神とか悪魔とかと渡り合える英雄的な勇者の偉業にいつの間にか関わってしまい、夢物語にも似た高揚感を覚えているだろうな」

 

NOVA『そういうグースだって、「アランシア一の射手」と自己紹介していたじゃないか』

 

アスト「それは自分を売り込むためのハッタリに過ぎない。あるいは、グースの狭い世界観の中では自分以上の射手には会ったことがないから、そう信じ込んでいるのかもしれないが。それでも、フォーティ兄貴の英雄ぶりに間近に接して、一般人と英雄の違いを初めて知るに及んだというか」

 

NOVA『じっさい、技術点11とか12ってのは世界有数の英雄なんだろうがな。それでは、パラグラフ198番、神に通じたゴルゴンとの対決を始めるとするか』

 

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「巨人の影」攻略記(その10、蛇の王)

死の罠を越えて

 

リモートNOVA→フォーティ『巨人を倒す手段を求めて、危険な〈ゴルゴンの墓所〉に踏み込んだドラゴン勇士団の一行。その進路が3方向に分かれたところで続いたんだな』

 

アスト→グース「どちらに向かえばいいかは、デスティニーマップとやらが導いてくれるんだろう?」

 

フォーティ『地図を見ると、魔人に聞け、と記されていた』

 

グース「直接、教えてくれるんじゃないのかよ」

 

フォーティ『だから、ランプを3つの道にそれぞれ振り向けて、中のトウィクシルに匂いを探らせる』

 

ダイアンナ「『やれやれ。ぼくは働きたくないって言ってるんだけどな。匂いを嗅ぐのだってタダじゃないんだよ』と、トウィクシルはブツクサ文句を言う」

 

フォーティ『ドラゴン勇士団の物語に参加するのもタダじゃないんだ。特等席で物語を堪能したければ、お前も傍観者ではなくて、役割を果たせ』

 

ダイアンナ「『魔人使いが荒いご主人さまなんだから。だけど、世界を救う物語だから退屈はしないね』と言いながら、それぞれの道をクンクンと匂う。『まっすぐ進むと、ドラゴン臭いね。左は……岩が転がって来そうな臭いがする』」

 

グース「臭いで、そんなことまで分かるのかよ」

 

ダイアンナ「魔人の嗅覚は、人間とは違うものも嗅ぎ分けられるのさ。『そして右の通路は臭いよりも音の方が響くな。それを発しているのが悪魔っぽいけど』」

 

グース「魔人と悪魔って何か違うのか?」

 

ダイアンナ「どちらも異世界から召喚された存在って意味では同じだけど、出自が微妙に違う。ランプの魔人は精霊の一種で、自然の諸力に根ざしている。悪魔(デーモン)は奈落生まれで、より暗く破壊的な衝動に満ちている。一般的な人間にとってはどちらも大差ないように思えるけど、エルフなんかは精霊に親和的な一方で、デーモンは嫌うだろうね。闇エルフの一派は除いて」

 

グース「つまり、魔人はまだ自然寄りで、話が通じる。悪魔はより闇と堕落とかに関係しているってことか」

 

フォーティ『作品世界にもよるが、善悪の基準によるなら、魔人は中立で敵意は少ないが、悪魔は文字どおり悪だろう。まあ、タイタンの世界観では、精霊の世界も、奈落もまとめて魔界と称されて、ガイド本に詳細が記されているが……フォーティもその辺は詳しくないからな』

グース「とにかく、3つとも何やら危険っぽいってことだな」

 

フォーティ『問題はお宝の匂いだ。危険の臭いは分かったので、その危険を乗り越えた先にある戦利品の匂いが嗅ぎ分けられないか?』

 

ダイアンナ「『要求の多いご主人さまだなあ。いいよ、やってみる。クンクン。左の大岩ルートは罠だけで、宝なんてない。宝がありそうなのは右の悪魔ルートだ。ドラゴンのルートには宝がありそうでない』って感じだね」

 

フォーティ『決まりだな。宝がある悪魔ルートに入る。宝を持たないドラゴンに用はない』

 

ダイアンナ「では、他の道はIFルートってことで、先に処理するかね」

 

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「巨人の影」攻略記(その9、ゴルゴンの墓所へ)

ドラゴン勇士団の始動

 

リモートNOVA『前回、フォーティは老剣士マリクとの対面後、狩人のグースとコンビを組んで、ドラゴン剣士団、改めドラゴン勇士団を結成した』

 

アスト→グース「ということで、グースの担当はオレがやる。フォーティの兄貴を支える弟分ってことで」

 

ダイアンナ→トウィクシル「あたし、いや、ぼくはランプの魔人のトウィクシルだ。仲間内のヒエラルキーは、団長のフォーティご主人さまがトップで、従者のぼくが2番。新入りの下僕は格下後輩ってことで」

 

グース「誰が下僕だ!? って言うか、魔人の声はフォーティ兄貴にしか聞こえないんじゃなかったのか?」

 

NOVA『今回から、団員には聞こえるようにした』

 

トウィクシル「そういうことで、後輩は先輩を尊敬するように。さもないと呪ってやるから」

 

グース「人を呪う力があるなら、働けよ。寝てばかりじゃなくてよ」

 

トウィクシル「ぼくだって働きたいさ。だけど、ゲームブックの文章ではトウィクシルの出番がほとんどなくてさ。勝手に捏造するにも限度があるんだよ」

 

NOVA『前の〈エルフのブーツ〉の時みたいに、マジックアイテムの匂いなんかを感知できるように設定しよう。ここから先のダンジョンで分かれ道があった際に、トウィクシルがヒントをくれるんだ。そのために、ダイアンナには俺の攻略ノートを見せてやろう。ついでに、ディレクター役も代わって欲しいな。俺はフォーティのプレイヤーに専念するから。ここからは本格的な冒険として、臨場感を重視したい』

 

グース「今までの話は、冒険じゃなかったのか?」

 

NOVA→フォーティ『ここまでのシティアドベンチャーは、祭りの雰囲気を楽しむのと、情報収集や冒険の準備のアイテム入手がメインだったと思う。ここから先は危険度が高まるので、気持ちを切り替えようってことだ』

 

トウィクシル→ダイアンナ「では、あたしはディレクター兼トウィクシルとして振る舞えばいいってことだね。ええと、グースが仲間になったパラグラフは353番。その後、トウィクシルがグースをからかったりするやり取りを経て、3人の勇士団はハーメリンから南へ向かう。その間、グースは巨人の脅威について、とめどなく語っているそうだよ」

 

グース(アスト)「頑張って、それっぽくロールプレイしてみるか」

 

 

グース「それにしても、あんな化け物をどうやって倒す気なんだ? 兄貴の作戦ってものを聞かせてくれよ」

 

フォーティ『俺の作戦っていうか、先代の【竜の剣】の所有者のマリクさんが言うには、鉄の塊を倒すには錆びさせるといいらしい。そのための手段が〈ゴルゴンの墓所〉に眠っているそうだ。俺たちはそれを手に入れに行く』

 

グース「そのマリクさんは兄貴の師匠か何かか?」

 

フォーティ『師匠というには知り合って間もないが、若い頃はいろいろな戦いや冒険に挑んで来たらしい、歴戦の剣士の風格があったな。師事して、あれこれ学びたいと感じさせる漢ではあった。異世界から来た戦乙女に導かれて、火山島でトカゲ王と戦ったとも聞くが、その伝承は知っているか?』

 

グース「知っているような、いないような……確か船乗りのマンゴとか、キウイとかがどうこうって話じゃなかったか?」

 

フォーティ『リサ・パンツァと同時代の古い話だよな。そんな時代の先達がマリクさんなんだよ。昔話を聞くだけでも、冒険者としてはワクワクさせられるじゃないか』

 

グース「兄貴が尊敬する、頼り甲斐のある御仁だということは分かったよ』

 

 

ダイアンナ「……という話をしているうちに、やがて月岩山地の岩だらけの山の裾野にたどり着いた。そこを登ろうとすると、前方から身長1メートル弱の緑の肌をした人型生物が群れをなして駆け下りて来た」

 

フォーティ『ゴブリンか?』

 

グース「今はそのセリフだけで、何か笑えてしまうんだよな」

 

ダイアンナ「ゴブリンではなくて、ピクシーだ。あなたたちを取り囲むと、群れのリーダーが『我らはピクシー・ヒル盗賊団だ。金貨をすべて置いて行け!』と脅迫して来る」

 

フォーティ『こちらはドラゴン勇士団だ。この【竜の剣】の錆になりたいなら掛かって来るといい』

 

グース「それと弓の餌食にもな」

 

ダイアンナ「あなたたちが数の劣勢にも怯えない自信満々な態度を示すと、ピクシーたちは動揺して、慌てて逃げ出した。運点を1点加えること」

 

フォーティ『これで原点まで回復した。もしも、脅しに乗って金貨を払ったら、運点も2点失うので、あまり勧めない』

 

グース「というか、金貨をすべて寄越せなんて交渉としてもあり得ないだろう」

 

フォーティ『これで本気で降伏する選択肢を選ぶプレイヤーは、冒険者向きとは言えないな。巨人と戦う予定なのに、たかだかピクシー相手に弱腰なんてよ』

 

グース「兄貴が弱腰だと、どこが勇士だって話になるもんな」

 

フォーティ『売られたケンカは買う。それが勇士団の掟だ』

 

トウィクシル(ダイアンナ)「さすがは脳筋ご主人さまだ。そこに痺れる憧れるぅ……と持ち上げよう」

 

グース「やれやれ。戦わない奴は気楽なもんだぜ」

 

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「巨人の影」攻略記(その8、探索の同行者)

マリクとの対面

 

リモートNOVA『前回のラスト、パラグラフ309番でフード付きマントの剣士が出現して、フォーティに剣を突きつけて来た』

 

フードの剣士『不審者め、なんでここに来たのか説明するのに10秒だけやる。さもなくば、剣を抜いて戦え』

 

NOVA『選択肢は、以下の4つだ』

 

  1. 剣で男を攻撃する
  2. ハロルド・ホゲットの紹介だと伝える
  3. ビニー・ブローガンの紹介だと伝える
  4. 助けを求めに来た友だと伝える

 

NOVA『正解は2番か4番で、1と3を選ぶとゲームオーバーが確定するので注意な』

 

アスト「1を選ぶ愚か者なんているのかね?」

 

NOVA『ここがマリクの家だという情報を入手せずに、たまたま偶然、入って来た場合は、思わず応戦してしまう可能性はあるかもな。その場合、フードの戦士は技術点11、体力点12で、当ゲームブックでは最強キャラの一つとなる。そして勝っても、家の中を調べることで相手がマリク・オム=ヤシュだったと分かり、巨人退治の手段が絶たれたことに気づいて、絶望する』

 

ダイアンナ「絶望してゲームオーバー?」

 

NOVA『いや、愚かな過ちは犯したとしても、主人公はヒーローらしく勇敢で責任感に満ちている。こうなったら無謀でも巨人に挑んで、死んだヒグリーとマリクの無念を晴らさないと、と思いつめて、〈ダークウッドの森〉の北で4体の巨人に挑みかかる。そして華々しく散って死亡だ』

 

アスト「3番だと?」

 

NOVA『「ビニーは案内人だが、ここに人を連れて来たことはないし、付き合いもないので、彼女の紹介だとは信じ難い。この嘘つきめ、2度と来ないのが身のためだ」と言われて、戦うか、諦めて〈丘通り〉から先に進むかの選択だ。いずれにせよ、マリクの助力なしでは巨人を倒せず、バッドエンド確定だ』

 

ダイアンナ「ハロルドの名前を出すのが確実だね」

 

NOVA『その場合でも、いくつかの質問に答えて正解する必要はある。間違った答えをすると、嘘つき認定されてマリクを怒らせてしまうから、何も知らない場合は4番を選びたくなるかもしれん』

 

アスト「とりあえず、友だと言ってみるってことか」

 

NOVA『だが、その場合、「友なら、私の妻の話を知っているはずだ。妻は何歳で亡くなったのかもな」 そう言って、妻の享年+150へのパラグラフ・ジャンプを要求される』

 

ダイアンナ「43歳だから、193番へ進めばいいわけだね」

 

NOVA『数字情報をメモしていないといけないから、こっちの方が正解へのハードルが高いと思うがな。ハロルドの名前を出す方が、メモなしで情報がなくても、選択肢総当たりで正解を見つけ出せるから、楽といえば楽ではある。これなら途中からチラ見でプレイしても話が進められるな』

 

アスト「そんな解き方をしても楽しめないだろう?」

 

NOVA『昔、ゲームブックを書店で立ち読みしていたときは、たまたまめくったページのイラストに目がいって、途中から読んで面白そうかどうかをチェックするってこともしたな。それで読み進めて、あっさり解けたゲームは買うまでもないと判断したとか。双葉系のゲームブックは、それで立ち読みだけで解いたものが多いので買っていない。やはり、買ってもらうには、そこそこの難易度の作品が求められるな』

 

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「巨人の影」攻略記(その7、老剣士マリクとの出会い)

ゲームブック&FF」カテゴリー200記事記念

 

リモートNOVA『40周年記念作が、当ブログのFFゲームブック攻略20作品に達し、さらに200記事になった。これも俺と、レギュラーキャラのお前たちと、いいねやコメントで応援いただいている読者さんの熱いゲームブック愛の賜物だと思う。もちろん、作者のリビングストンさんやジャクソンさん、翻訳者の安田均社長およびグループSNEの関係者への感謝も表明しつつ』

 

アスト「200記事記念で何か特別なことをするのか?」

 

NOVA『そうだな。特別ゲストとして、マリクさんに会いに行こう』

 

ダイアンナ「それって普通に攻略を進めているだけだよね」

 

NOVA『だったら、特別ゲストとしてザゴールさんに来てもらいましたってのは?』

ファイティング・ファンタジー・コレクション ~火吹山の魔法使いふたたび~ 再生産版

ファイティング・ファンタジー・コレクション~火吹山の魔法使いの伝説~

アスト「ザゴールだらけじゃないか。こんなにザゴール・ヴァリエーションが押しかけられても、不気味なだけで、めでたい気分にはなれねえよ」

 

NOVA『来年の2月には「火吹山の魔法使い」「火吹山の魔法使いふたたび」「火吹山の魔法使いの伝説」の火吹山3点セットがじっさいに並べられるんだな。まあ、最後のはザゴールが出るけど、火吹山が舞台じゃないので、微妙にタイトル詐欺じゃないかという気もするが』

 

ダイアンナ「本来は『ザゴールの伝説』ってタイトルだったのを、ザゴール=火吹山の魔法使いと意訳することで、『火吹山の魔法使い』3部作になった形だね」

 

NOVA『「元祖」「ふたたび」「伝説」の略称になるかな。ともかく、目下攻略中の「巨人の影」は「伝説」よりも先の時代だし、原書も「伝説」が93年で、本作が2022年だから、リアルで30年ぐらい後の話ってことになる』

 

アスト「だけど、邦訳の順番がズレたせいで、『ふたたび』(2021)→『巨人の影』(2023)→『伝説』(2025)となるわけか」

 

NOVA『なお、FFコレクション5なんだが、実は収録作品が全てアランシアとは異なる舞台ということを最近認識した』

 

ダイアンナ「え? 『伝説』は異世界アマリリアで、『さまよえる宇宙船』は異なる次元宇宙ってことは分かるけど……」

 

NOVA『「サソリ沼」がクール大陸で、「狼男の雄叫び」がソーサリーの舞台の旧世界、次期収録の中では最新作の「嵐のクリスタル」がアランシア大陸の南の洋上に浮かぶ空中群島パンガリアを舞台に海と空を巡る冒険らしい』

 

アスト「で、NOVAとしては、FFC5で、どの作品から攻略しようと考えているんだ?」

 

NOVA『う〜ん、元々20作記念で「サソリ沼」にしようと思っていたんだが、善中悪の3パターンのストーリーを善カニコング、中立ダイアンナ、悪アスト辺りでプレイすると面白いのでは? とイメージしていた』

 

アスト「どうして、カニが善で、オレが悪なんだ?」

 

NOVA『いや、ああ見えてカニは聖闘少女(セインティア)役だし、お前は盗賊だから、そういうイメージかなって』

 

アスト「誰がどの属性かは、ダイスでランダムに決めることを要望する」

 

NOVA『なるほど。それはそれで面白そうだが、いずれにせよ「サソリ沼」および「ザゴール伝説」みたいな複数主人公制のゲームブックは、「サイボーグを倒せ」みたいに主人公別攻略をしたくなるから、手間取りそうなので後回しかな。必然的に、「狼男」と「クリスタル」のどちらかを先にしたいが、うちのブログ記事では、「嵐のクリスタル」は「モンスター誕生」の後日譚みたいに話をつなげる予定なんだな』

アスト「そう、上手くつなげられるものかね?」

 

NOVA『知らん。ケイPがノリと勢いで決めた話だが、じっさいに「嵐のクリスタル」を読んでみないと、どうつなげられるか見当もつかんのが現状だ。まあ、最初にチェックして、つなげられると判断したら記事書きする。つなげるイメージが上手く結びつかなかったら、「狼男」を優先する。いずれにせよ、安田解説を読んで刺激を受けることもあるだろうし、記事書きはノリと勢いと柔軟さと、あとは多少ともコメント欄での意見やリクエストに左右される面もあると思う』

 

ダイアンナ「あれこれ総合的に考えるってことだね」

 

NOVA『予定は未定だが、ソーサリーも含めて、したいことがいっぱいある中で、しないといけないことや、できることの優先順位も考えて、今は頑張って、マリクさんに会いに行こう。前置き終了』

 

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