ジャングル探索はじめ
リバT『前回、トカゲ王が支配する火山島に上陸した異世界人、カニ座の聖闘少女(セインティア)キャサリンさんですが、このアランシア世界の唯一の友マンゴさんを大ガニとの戦いで失ってしまいました』
キャサリン(カニコング)「おお、マンゴ、心の友よ。お前を失って、俺の魂は悲しみに打ち震えているジャン(涙目)」
リバT『その時、奇跡が起こりました。キャサリンさんの滂沱の涙が、霊刃クロスナイフに流れ落ちたとき、無念のマンゴさんの魂が刃に宿ったのです』
マンゴ(アスト)「やれやれ。オレの冒険は終わったと思ったが、お前、一人を遺して逝けなくなったようだ。肉体は失ったが、魂は不滅。トカゲ王を倒すまでは、この旅に付き合ってやるぜ。元はと言えば、オレの仕事だったからな」
リバT『……と言うことで、原作ゲームブックをアレンジして、この攻略物語は主役のキャサリンさんと、介添役の亡霊マンゴさんのコンビプレイでお送りします』
ダイアンナ「ゲームブックは一人プレイが基本だけど、発展するうちに同行NPCが登場したりして、物語性が豊かになって行ったみたいだね」
リバT『リビングストン単独作品では、最初の「運命の森」で支援者のヤズトロモさん、次の「盗賊都市」ではニカデマスさんが登場しましたが、同行はしてくれませんでした。だけど、その次の「死の罠の地下迷宮」で一時的に蛮人スロムさんが同行したことで、ゲームブックの可能性が広がったのです』
ダイアンナ「けれども、一時的な同行者は死んで途中脱落する、という伝統もできたみたいだね」
リバT『そうだとしても、マンゴさんの死はあまりにも早過ぎです。感情移入する間もなく散ってしまい、後の「危難の港」で顔見せ登場するまで、ブログ主もすっかり忘れていたほどの存在感の薄さだったので、ここでマンゴさんを宣揚する話を作ろうか、と』
マンゴ「まあ、異世界人のキャサリンの一人旅だと、アランシアの常識に欠けるからなあ。オレが助言してやらないと、ストーリーが成立しにくいという二次創作事情もあるわけで」
リバT『そして、海岸から密林に踏み込んだパラグラフ391番です。舞台となる火山島は東西に長い地形なので、この旅は基本的に西へ西へと向かって行く形になります。これまでのFFシリーズのダンジョン(森や都市も含む)マッピングは、南から北へと踏破して行く作品が主流だったので、地図書きの方向も注意が必要ですね』
ダイアンナ「縦長の紙じゃ収まりきらないので、紙の向きを横長にしないといけないわけだね」
リバT『まあ、当記事では全体マップではなく、シーンごとに部分マップを載せている形ですが、火山島のマッピングはあまり迷わせる構造にはなっていませんね。基本は2択で、ある地形を踏破すると1パラグラフに収束して、分岐→収束→分岐→収束をくり返すだけですから、例えば「運命の森」のようにルート1〜4まで細かく分かれるような構造ではない、と』
マンゴ(アスト)「マッピングの複雑さでは、リビングストンよりもジャクソンの方がややこしいんだな。リビングストンは基本的に1本道のストーリーで、地形的に迷うことはあまりない」
リバT『ただし、分岐したルートで攻略必須アイテムを取り逃がすことで、再プレイを余儀なくされることが多いですが、本作は攻略が有利不利になるという意味での当たりルートや外れルートはあるものの、こちらのルートじゃないと攻略必須アイテムが入手できないのでバッドエンド確定……という意味の厳しさはほとんどありません』
キャサリン「つまり、それぞれのイベントでの危険さえ乗り越えることができれば、あまり頭を悩ませることなく力技で攻略できるってことだな。脳筋の俺でも解けるわけだ」
マンゴ(アスト)「自分で脳筋って誇ってるキャラも珍しいな」
キャサリン「聖闘士にとって大事なのは仁智勇ではなくて、仁力勇だとは、その昔、獅子座のカイザーという男が言ったそうだ」
ダイアンナ「FFのキャラで大事なのは、技と体と運じゃないか。心はプレイヤー次第ってことで」
リバT『大切なのは、諦めない心と、冒険を楽しむ心ですね。では、密林最初のイベントです。人があまり入らないために、木々や蔦が鬱蒼と茂った地形なので、先に進むためには剣で道を切り開かねばなりません。時間のかかる作業で歩みもゆっくりになるために、少し疲れてきました。ちょうど大きな木の根元で、腰を下ろして休息できそうな場所を見つけました。休息しますか、それとも進み続けますか?』
キャサリン「マンゴ、どう思う?」
マンゴ「そうだな。幽霊の勘で言わせてもらえば、森の中で休息できそうな場所は、何かの罠が仕掛けられていると思うぜ」
キャサリン「では、その罠を踏んでみるのも一興。ゆっくりして行くとするか」
マンゴ「おい、オレの警告を無視するなよ」
キャサリン「ふう、何だか甘い匂いが漂ってきて、眠くなって来たなあ」
マンゴ「お、おい、キャシー、起きろ。何だか上から蔦が降りてきて、お前の首を締めようとしているぞ」
キャサリン「大丈夫。敵の小宇宙(コスモ)は感じない」
マンゴ「這い寄る蔦に、そんなものがあるか! ええい、オレもナイフだ。蔦を切断するついでに、キャシーの眠気覚ましにチクリと突き刺してやるぞ」
キャサリン「痛ッ! 何をする、マンゴ」
マンゴ「よく見ろ。オレが助けなければ、お前の生死は運だめしにさらされるところだったんだぞ」
キャサリン「大丈夫だ。俺の運点は11。試しに振ると……(コロコロ)8だから成功だな」
リバT『失敗すると、蔦に首を絞められて、人喰い樹の栄養分にされてしまうバッドエンドです』
キャサリン「成功すると?」
リバT『眠気に苛まれながらも、かろうじて必死に剣を振るって蔦を断ち切ることができました。しかし、首を絞められたダメージは大きく、技術点1と体力点2を失ってしまいます』
キャサリン「何と! こんなことで、技術点1点を失うでごわすか!? 恐ろしや、リビングストン。今のはなし、やり直しを要求するジャン」
マンゴ「リビングストン神のアランシア世界の恐ろしさが分かったか。ちょっとしたことで、やたらと運だめしと技術点減少を狙って来る。ジャクソンほどのパズル的な仕掛けは用意されていないが、ストレートに危険をぶつけて来て、油断した冒険者を苦境に追い込む王道力技が持ち味だ」
キャサリン「さすがに死んだ男のいう言葉は違うな。このリビングストン世界の初心者としては、今後、ナイフの警告には従うとしよう。そう、お前は乙女座アンドロメダの星雲鎖(ネビュラチェーン)に匹敵するほどの危険感知能力を備えたナイフだったんだな」
マンゴ「相変わらず、お前の言ってることは訳が分からんが、とにかく凄い敬意は伝わってくるぜ。よし、ここからオレは危険察知ナイフとして機能するぜ。それでいいよな、リバT」
リバT『まあ、アストさんはここのキングですからね。マンゴ役を押しつけた以上は、今後もサブGM権限でカニコングさんのフォローをお願いします。油断したキャサリンさんのピンチを、クロスナイフのマンゴさんが助けたってことで、運だめしおよび、その後のダメージはなかったことにしましょう』
マンゴ「ナイス裁定だ、ディレクター・リバT。パラグラフ選択としては、391番から休息せずに歩き続ける81番へ進んだってことで」
ダイアンナ「何だか、キャサリンよりも、マンゴの方が主役になったりしないか? ダメな脳筋女主人をサポートする苦労人ナイフ(使い魔みたいなもの)の冒険譚って形で」
キャサリン「脳筋はともかく、ダメって言うな。こう見えても、『地獄の館』はクリアしたでごわす。ただ、ジャクソンとリビングストンの作風の違いに油断しただけのこと。ここで、ジャクソンなら蔓に首を絞められて、恐怖点1点を与えられはしても、技術点を削ってくることはしないはず」
リバT『作風の違いはともかく、リビングストンさんはこの辺りから、技術点の上下変動が激しくなって来た気がします。そのため、リソースの維持が攻略において大切と評価されていますね』
キャサリン「教訓。ナイフの助言は聞き入れるべし、でごわす」
続きを読む