ウルトロピカルな⭐️GT(ゲーム&トレジャー)島宇宙

南の島と上空の宇宙宮殿を舞台にTRPGや特撮ヒーローなどのおしゃべりブログ。今はFFゲームブックの攻略や懐古および新作情報や私的研鑽メイン。思い出したようにD&Dに触れたりも。

「トカゲ王の島」攻略EX

攻略の締めくくり記事

 

カニコング「例によって、バッドエンドと難易度について語る記事でごわす」

 

リバT『あとは、入手アイテム総括もしておきたくなりました』

 

ダイアンナ「入手アイテム?」

 

リバT『本作は「運命の森」に次ぐ野外冒険中心のゲームブックです。「運命の森」の過去記事でアイテム評価をしたので、本作でも行いたくなりました』

アスト「『運命の森』では、最初にヤズトロモさんからお金を払ってアイテムを買う場面があって、何を買う方が得かを判断する必要があった。でも、『トカゲ王の島』はアイテムを購入するわけじゃないだろう?」

 

リバT『いえ、お金こそ払いませんが、解錠ワイヤーを入手するための代価として、食料3食を支払ったりしたではないですか? 本作のアイテムは、入手するのにリソース消費をするものが多く、わざわざリソースを支払ってまで入手する必要があるのかを独断と偏見で裁定し、最適ルート選択の判断材料にするという目論見です』

 

ダイアンナ「結局、本作でクリアに最低必要なアイテムって、サルか【炎の剣】のどちらかだからね。それ以外は、なくても問題ない」

 

カニコング「しかし、【ソグの兜】と【ヴァルハラの角笛】は今回の攻略雑話の物語フレーバーとして絶対必要だったでごわす」

 

リバT『その辺の個人的なこだわりについても語っていただければ』

 

続きを読む

「トカゲ王の島」攻略雑話(その10最終話)

強敵ブラックライオン

 

リモートNOVA『前回から、見学ついでにリバTと交代して、ディレクターをやっている俺だ』

 

リバT『原作ゲームブックをアレンジして、いろいろとネタ仕込みしたシナリオの製作者ですからね。最後はお任せしますの』

 

キャサリンカニコング)「ついに出会うことができたな、トカゲ王。この島の主は今日より、お前ではなく、我じゃ。作品タイトルも『トカゲ王の島』から『勇気爆発ブレイブ・カニ王の島』に変えてみせる!」

 

NOVA『そんなことをすれば、サー・イアンと、その作品ファン(俺含む)を敵に回すことになるので、却下だ。勇気爆発は燃えキーワードだが、やり過ぎは良くない。加減は知れ』

 

キャサリン「とにかく、右手にクロスナイフが進化したクロスソード(+2)、左手にソグの剣(+2)を装備して、合計+4。技術点15で迎え討つ」

 

NOVA『それができたら、本作の難易度もずいぶんと下がるんだけどな。「魔法の剣を二本所持しているからといって、技術点を余分にもらうことはできない」とルールに書いてあるし、「特に指示のあった場合を除いて、技術点の合計は原技術点を越えることはできない」ともある。まあ、ハウスルールとして、「マジックアイテム(せめて武具)は全て技術点プラスを、原技術点プラスとか攻撃力プラスと読み替える」というプレイスタイルもありだろうし、現にそうやって楽しんでいる層もいるらしい。まあ、うちはそうしていないけどな』

 

キャサリン「今からでも、そうしてもいいじゃろう」

 

NOVA『良くねえよ。ここまでルールどおりにプレイして来たのに、最後の最後でルールを覆すな』

 

キャサリン「クロスソードを入手したのじゃから、女神アテナの加護により、アランシアのルールが書き換わったということで、小宇宙(コスモ)を燃やして奇跡が起きた。FFゲームブックのルールが書き換わるぐらいの奇跡だって起こるのが、カニ座のファンタジーってことで、一考願いたい」

 

NOVA『一考した。その結果、ボツだ。グダグダ言ってると、ブラックライオン(技術点11、体力点11の実質ラスボス)に奇襲攻撃させるぞ』

 

キャサリン「先制攻撃はこちらの十八番なのじゃ。先制ソグビーム! 加えて運だめし。(コロコロ)危ない、ピッタリ9で成功。これで4点ダメージを与えて、相手の残り体力は7。見たか、ブラックライオンと言いつつ、表紙絵はどう見ても、ロデムっぽい黒ヒョウめ」

NOVA『まあ、ブラックジャガー、もしくは雌ライオンだよな。カバー絵はイアン・マッケイグで、本編絵はアラン・ラングフォード。本編絵の方が、まだライオンっぽいと言えるが、そっちはそっちで黒くない』

キャサリン「トカゲ王は表紙絵の方が格好良く見えるが、ブラックライオンは本編の方が獰猛そうなのじゃ」

 

NOVA『アラン・ラングフォードは、萌えガールの絵を2つも描いてくれただけで殊勲賞だよ。本作の魅力の半分は萌えガールにあると俺は思うんだが、これで彼女たちを仲間にすることができれば、評価爆上げまちがいなし。マンゴの死を中盤に置いて、萌えガールを一人でも仲間にする。それができれば、「トカゲ王の島」は完璧だと俺認定するわけだ』

 

マンゴ(アスト)「まあ、少なくとも当記事で、マンゴにスポットを当てはしたがな」

 

NOVA『あとは萌えガールの出番を増やせば、完璧だ』

 

コニカ(ダイアンナ)「まさか、ダディは……?」

 

NOVA『フフフ。萌えガールの活躍を描きたいから、さっさと黒ライオン戦を終わらせるぞ』

 

続きを読む

「トカゲ王の島」攻略雑話(その9)

体力ポーションをいつ飲めるか

 

リモートNOVA『さて、トカゲ王の決戦プレイを見学に来たんだが、一つルール上の問題に気づいてな』

 

アスト「何だ?」

 

NOVA『体力ポーションを戦闘中に飲めるかという問題で、実は社会思想社の旧訳版には「戦闘中以外ならいつでも飲める」と書いてあったんだ。逆を返せば、戦闘中は飲めないということになる。一方、新訳版では「いつでも使用することができる」とあって、戦闘中に飲んではいけないとは書かれていない』

 

ダイアンナ「つまり、戦闘中に残り体力点が1点か2点になった時点で、体力ポーションを飲むようなプレイは、昔はできなかったんだね」

 

NOVA『ああ、今回のトカゲ王攻略のその7で、残り体力点1で体力ポーションを飲んでいたが、昔のルールに厳密に従うなら、スティラコ戦が終わった残り体力3点の時点で飲んでいないといけないってことだろうな』

 

カニコング「しかし、そうなると体力ポーションの使いどころが難しいでごわすな。体力点が残り5を切ったタイミングとか、それぐらいでないと損をする気になるわけで」

 

NOVA『戦闘中に飲めるなら、あと一撃で死ぬというタイミングで飲むのがベストだが、戦闘中に飲めないなら、戦闘が終わった後の残り体力点がどこまで減ったら飲むか、という判断がジレンマになるわけで』

 

アスト「残り体力が7点だから、あと一撃二撃は耐えられるだろうと思っていたら、思いがけない四連撃を受けて倒れてしまう可能性だって、カニコングの場合はあるわけで」

 

NOVA『とりあえず、体力ポーションが戦闘中に飲めるというプレイだと、ギリギリまで粘って一気に回復という逆転技も使えるので、ゲームとしてはその方が楽になっていいな』

 

カニコング「いずれにせよ、体力ポーションはもう飲んでしまったので、あとは食料3食で終盤の戦いを切り抜けるしかないでごわす」

 

NOVA『では、最終決戦で事故って死なないように願っておくぜ。もう一回死んで、もう一度復活してやり直し、という展開はつまらないからな。この週末に完結させるには、ムダに時間を費やすなよ、と言っておく』

 

カニコング「そうは言っても、勝負は時の運でごわす」

 

NOVA『運は自らの手で引き寄せる。それが主人公(ヒーロー)ってものだ』

 

カニコング「まあ、負けたらセーブしたところからやり直すってことで」

 

続きを読む

リビングストンの2024新作の話

FF72巻は『死の罠の地下迷宮』の続編

 

リモートNOVA『ちょっとしたニュースのために、「トカゲ王の島」の完結前の書き込みに来た』

 

アスト「FFコレクション5の収録作が分かったのか?」

 

NOVA『いや、そいつはまだだ。そろそろだとは思うんだがな。それよりもサー・リビングストンからの情報だ』

NOVA『2年前のFF40周年記念作、「サラモニスの秘密」および「巨人の影」以降、本国のスカラスティック社からはFFゲームブック・シリーズの新作情報が何もない状態が続いていたんだが、ようやくキタコレな情報が発表された』

 

ダイアンナ「それは一安心だね。40周年の花火を打ち上げて終わりってことはなかったんだ」

 

NOVA『俺もその可能性を危惧していたんだよ。日本の翻訳は、FFC3とかFFC4で1年か2年遅れで祭りを継続中なのに、本国で続きが止まってしまうのはなあ、と思っていたわけだし。そして、今年は「死の罠の地下迷宮」40周年ということで、発表された新作タイトルはその続編「The Dungeon on Blood Island(ブラッド島の地下迷宮)」というらしい』

 

アスト「ブラッド島ってことは、この作品だな」

NOVA『そう、「死の罠の地下迷宮」の続編にして、FFC5収録作品の候補に挙がっている作品だが、今度の新作は時間軸にして、「死の罠の地下迷宮」と「迷宮探検競技」の間の物語になるらしい』

 

ダイアンナ「すると、スロムのその後の物語が分かる、と?」

 

NOVA『いや、スロムは公式に死んだことになっていて、「実は生きていた」というのは、うちのオリジナルアレンジなんだが、どうもサー・イアンが続編でスロムについて言及してるんだな。もしかすると、公式でもスロムが実は生きていて……とやるのかもしれないし、そうでなくても遺産か何かで間接的に登場する可能性もある』

 

アスト「スロムは『危難の港』でも言及されたり、『アランシアの暗殺者』でまさかの登場したりするほどの人気キャラだからな。果たして、新作ではどんな扱いになるのやら」

 

NOVA『新作発売は今年の9月に開催予定のFFフェスト5に合わせてになる予定だ。すると、邦訳は早くても来年になるわけで、FFコレクション6の目玉作品になる可能性もあるな』

 

ダイアンナ「FFC5で『迷宮探検競技』を採用して、FFC6で新作を入れてくれれば、うまくつながるよね」

 

NOVA『ともあれ、新作は「迷宮探検競技」の敵役のカーナス卿(サカムビット公の兄弟)が再び登場して、兄に嫉妬して自分の所領のブラッド島で「死の罠の地下迷宮に負けない究極ダンジョンを作って、挑戦者を募る」って内容らしい。まあ、それで失敗したから、今度は自分の名代戦士を兄の改装迷宮に送り出して、兄をギャフンと言わせる目論見に切り替えたんだろうが』

 

アスト「兄に嫉妬して、『お兄ちゃんに負けない迷宮を作って、ぼくの方がすごいと証明してやるもん』とか言ってるカーナス卿を想像すると笑えるんだが」

 

NOVA『そんな可愛いキャラじゃないはずだが。あと、カーナス卿は社会思想社版の訳では、サカムビット公の兄となっていたが、その後のワールドガイド「タイタン」では弟に改められたので、「迷宮探検競技」の新訳が出たら弟設定が定着するんだろうなあ』

 

ダイアンナ「とにかく、『死の罠の地下迷宮』40周年で公式が盛り上げようとしているのは分かった。そんな時期に少し先駆けて、攻略記事で関われた身の福運を感じるよ」

 

カニコング「『トカゲ王の島』も同じ40周年でごわすから、そちらも是非とも盛り上がって欲しいでごわす」

 

NOVA『ブラッド島は、火山島の少し南にあるんだな。カーナス卿は、自分がチアンマイの統治者になりたいからと言って、兄のサカムビット公の暗殺を企てたために、南の辺境のブラッド島に追放されたそうだから、チアンマイ首都のファングからずいぶん遠く離れた田舎だな、と。

『で、ファングの街はまだコク川沿いにあって、交通の便はそこそこ良さそうだから、年に一度の迷宮フェスで街が盛り上がるのは分かる。しかし、ブラッド島なんて、どくろ砂漠を越えた田舎の島に、迷宮作って人を集めて、島起こしをしようとしても、その前に交通インフラを何とかしろよ、と言いたくなるわけだ』

 

アスト「その辺は、海路をうまく開拓しないといけないけど、その辺で海路を使うには、盗賊都市ポート・ブラックサンドとの関わりが避けられないわけで、アズール卿とカーナス卿の関わりなんかも解像度が上がると楽しいよな」

 

NOVA『カーナス卿が過去に兄を暗殺しようとした計画には、きっとアズール卿も関わっていると思うんだ。サカムビット公とアズール卿の関係は、領主として上手く同盟を結んで外交関係を良くしようって流れが「アランシアの暗殺者」で見えていたが、その後、決裂したんじゃないか、と思う。で、アズール卿がカーナス卿に再び接触して、兄弟間対立を煽るように動いているような……そんな背景物語を想像するな』

 

ダイアンナ「この兄弟対立の背景に、アズール卿がいるってことかい?」

 

NOVA『少なくとも、ブラッド島に迷宮を築いたりする際の資金援助はしているかもしれない。あと、アズール卿は才覚ある陰謀家だから、カーナス卿を煽っているんだろうなあ。「サカムビット公は領主として、ファングの街を盛り立てている。しかし、弟の貴卿はどうだね? 仮に兄を排除したとしても、領主として上手く領地を治めることはできるのかな。兄と比べて、貴卿の才覚を示してもらわねば、これ以上の援助はできかねるのだが……」とか言ったりすると、カーナス卿も自分が上だと証明したいために迷宮を作るという策に出たとか』

 

アスト「すごい迷宮を作るのが、領主の才覚ってことじゃないだろう?」

 

NOVA『まあ、本当に優秀な人間は兄とは違う独自の方法で、自分の方が上だと証明するんだと思うが、カーナス卿は結局、兄のマネをすることしかできないのかもしれない。まあ、ゲームブックファンとしては、迷宮作りが趣味の領主が2人もいるおかげで、遊べるネタができて楽しめるんだが』

 

ダイアンナ「兄に嫉妬するダメな弟ってキャラが一層、深掘りされそうなカーナス卿の再登場が面白そうだねえ」

 

NOVA『このカーナス卿のおかげで、俺の中でのサカムビット公の株が上がったからな。残酷な迷宮探検競技を企画するけど、約束は守る公正さと、イベント運営の才覚と、それからあのアズール卿と一応は仲良く領主外交をしている姿で、為政者としては優秀なのがサカムビット公。一方で、カーナス卿は奴隷を名代戦士として使い捨てにする残虐さがサカムビット公以上の極悪さを感じさせて、相対的にこっちの方が許し難い邪悪に映ってしまう』

 

アスト「で、アズール卿もまた、『アランシアの暗殺者』で主人公を名代戦士として、迷宮に送り込むことを考えて、かつてのカーナス卿と似たような立ち位置になったんだな」

 

NOVA『作品発表順ではなく、物語の時間軸的には、カーナス卿が兄やアズール卿の影響を受けて、似たようなやり方を踏襲しているようにも映る。兄の真似をして迷宮を作り、アズール卿の真似をして名代戦士を送るという展開になる』

 

ダイアンナ「為政者の背景ドラマを想像するのも、なかなか楽しいね」

(当記事 完)

「トカゲ王の島」攻略雑話(その8)

改めて砦への帰還を目指す

 

リバT『前回、呪術師からトカゲ王の弱点を聞いたキャサリンさんは、解放同盟の仲間の待つ砦に帰還する途中で、トカゲ軍の精鋭、スティラコサウルス騎士の変異リザードマンとの激戦で命を落としてしまいました』

 

キャサリンカニコング)「しかし、女神アテナとデスマスク師匠のおかげで、時をさかのぼる奇跡が発動して、スティラコ&トカゲ騎士の2連戦ふたたびを辛くも乗り越えたのじゃ」

 

マンゴ「……」

 

キャサリン「ん? マンゴ? どうした? 返事をせい」

 

リバT『スティラコサウルスとの再戦の最中、キャサリンさんの必殺技は不発に終わり、守護聖霊のマンゴさんは共に小宇宙(コスモ)を共鳴させて、ピンチを乗り越えようとしたのですが、聖闘士ならぬマンゴさんには負担が大きかったようで、魂が消耗してしまったようです』

 

アスト「……ということで、しばらくマンゴは眠ったままだ。消失こそ免れたものの、意識を失って会話不能ってことで。全ては、前回の戦闘のダイス目の悪さが招いたことだな」

 

キャサリン「そうか。我が不甲斐なかったばかりに、マンゴがそのようなめに……(涙)」

 

アスト「元々、ゲームブック『トカゲ王の島』は開幕早々にマンゴが離脱して、主人公の一人旅だったんだ。本来のスタイルに戻っただけと思えば、泣くほどのことはない」

 

ダイアンナ「それに、守護聖霊はマンゴだけじゃない。すぐに、またコニカカニ子と合流するはずさ。と言うか、本当は前回、守護聖霊がみんな集結するはずだったんだけど、キャサリンが死んじゃったから、予定どおりに話が進まなかったんじゃないか。早く、合流してやってくれよ」

 

キャサリン「しかし、守護聖霊は3体必要なのでは? マンゴが意識を失った以上は、攻略できるのか?」

 

リバT『そうですね。あなたはこの後のイベントで、カニ子さんとコニカさんを見つけ出し、そしてマンゴさんに力を取り戻させて、眠りから目覚めさせないといけません。それこそが、クロスナイフが元の輝きを取り戻すために為すべきことなのです』

 

キャサリン「しかし、原作ゲームブックにそういうイベントはないはず。勝手にゲームを改定するのは、攻略記事としてはどうかと思うが」

 

リバT『その点は大丈夫です。ゲームそのものは改定しておりません。ゲーム中のイベントに少しフレーバー要素を混ぜただけですので。つまり、原作では名前が付いていなかったドワーフさんに、こちらがバーノン・ブレイドスミスって名前を勝手に付けたようなものです』

 

ダイアンナ「または、ゲームブックで拾った名もない上質の剣に、勝手に『ソグの剣』と名付けたようなものだな。ゲームの要素を変えるのではなくて、描かれていない設定をオリジナル補完するような形なので、ゲーム性は何も変わっていないと思ってくれ」

 

リバT『大体、アランシアの世界に聖闘乙女(セインティア)とか、女神アテナとか、デスマスク師匠なんて単語が出て来るのが本記事の最大の改変じゃないですか。何を今さら……』

 

キャサリン「い、いや、主人公キャラの設定はプレイヤーの自由でごわそう。ゲーム的にも特別なことはしていない。聖闘乙女(セインティア)は技術点15とか、体力点は30とか、女神の加護で運だめしに絶対失敗しないとか、そういうルールを逸脱したようなプレイはしていない。すべてはルールどおりに行なったゆえに、我は死んでしまった」

 

アスト「ルールを変えようと思えば、フェルナンドや呪術師さんが食料を提供するとか、そういう援助をしてくれても良さそうだったけど、その辺は律儀に原作ゲームブックに従ったからな」

 

リバT『女神の加護も、デスマスクさんの娑婆陀芭陀亜も、ゲームの中の話ではなくて、死後の再プレイに至るための物語フレーバーですからね。原作ゲームブックのルールは一つも逸脱していないし、選択肢の捏造も、ご都合主義も行なっていません』

 

アスト「まあ、選択肢の根拠を物語として補完はしているがな。マンゴの危険察知能力とか、イヤなことが起こる予感とか」

 

リバT『さすがに、全ての間違った選択肢を選んで通ると、話が進まないですからね。ダイスの目には従いますけど、選択肢については正解はこれで、失敗するとこうなるって形で、示しているつもりです。その上で、正解を選ぶことでストーリーを順調に進めるようにしているんですけど、何が正解で何が不正解か曖昧な選択肢や、出目によるデメリットはゲームとして受け入れるのが、ゲームと物語の妥協点といったところでしょうか』

 

キャサリン「ズルをしようと思えば、残り一撃で倒せるトカゲ警備兵から8点ダメージを受けたり、残り一撃で倒せるスティラコから10点以上もダメージを受けたりはせん」

 

アスト「そのダイス運の悪さは、逆チートの疑いさえ招きそうだな。ストーリーを盛り上げるために、わざとピンチに陥るプレイだと」

 

キャサリン「逆でごわす。出目が悪くて、ピンチに陥ったり、無駄に戦闘がダラダラ続いてしまったのを、盛り上げるための演出ってことで」

 

リバT『その昔、ロードスでドワーフのギムさんが死んでしまったりしたのを、小説の正史に組み込んだようなものですね』

 

アスト「作者でさえ、思いがけないキャラの死から、ドラマが生まれるパターンだな。それこそがランダム要素のあるストーリーゲームの醍醐味ってことで」

 

続きを読む

「トカゲ王の島」攻略雑話(その7)

砦への帰還の途中で

 

リバT『トカゲ王の弱点を知るために、火山に隠れ住んでいた呪術師さんと対面し、試練の末にいろいろな情報を聞いた聖闘乙女(セインティア)キャサリンさんと、守護聖霊に認定されたマンゴさんです』

 

キャサリンカニコング)「できれば、器用の試練で用いたオレンジを食べて、体力1点でも回復したかったが……」

 

マンゴ(アスト)「飢えてるのかよ?」

 

キャサリン「呪術師さんが食料を3食でも分けてくれたらなあ。あるいは、前回、遭遇した穴居人の女が槍を投げて来ただろう? あの槍で豚を狩って、焼肉パーティーできれば、どれだけ幸せなことか……」

 

マンゴ「まあ、ここからの戦闘で、どれだけ体力点を消耗せずに乗り越えられるかが、攻略の鍵だろうな。せいぜい、ダイス運が味方してくれるよう祈っておけ」

 

キャサリン「いざとなれば、戦女神アテナの加護を祈るしかない」

 

マンゴ「あとは、この島にいるという残り2つの守護聖霊カニ子とコニカを見つけないとな。ゲームブック本編には登場しないオリジナル要素なので、どこに隠れているか見当もつかない」

 

キャサリン「まあ、2人は我と同じ萌えガールだから、萌えの匂いを探れば見つかるはず」

 

リバT『さあ、どうでしょうかね? とにかく、呪術師さんのところから南東の石の砦に待機している解放同盟の仲間たちのところへ帰る途中です。行きは呪術師さんの密かな導きがあったようですが、帰りはどうも導く働きがなくなったせいか、わずかに道に迷います』

 

キャサリン「どうやら、トカゲ王の邪悪な呪術が我らの行く手をじんわり妨害しているようじゃ」

 

マンゴ「太陽は見えているんだろう?」

 

リバT『ええ。さすがに方向感覚をなくすほどの妨害はなさそうですね。下手にそんな広範囲の妨害をすると、トカゲ王の軍隊の定期パトロールの活動にも支障をきたしますから。むしろ、隠れている者を暴き出すような呪術の使い方でしょうか。さまよい歩いていると、フラフラと軍隊の方に引きつけられそうになるというか。ゲーム的には、エンカウント率が上がる的な影響の与え方です』

 

マンゴ「呪術師のおっちゃんも気が利かないな。帰りのエンカウント率をゼロにするような、まじないでも掛けてくれたら良かったのに」

 

キャサリン「ぼやいても仕方ない。できるだけ急いで帰るぞ」

 

リバT『近道を見つけて進もうとしますが、思いがけない峡谷が邪魔をします。広い峡谷のどこかで渡れないかとうろついていると、石の橋を見つけましたが、そこはトカゲ軍の関所のようでホブゴブリンの番兵が警備しています』

 

キャサリン「ホブゴブリンごとき軽く一蹴してやるわ」

 

 技6、体6のザコなので、軽く一蹴されました。

 

リバT『ホブゴブリンを倒すと、革袋を入手しましたが、開けてみますか?』

 

キャサリン「食べ物の匂いがするなら、開けてみるが?」

 

マンゴ「いいや、こいつは食べ物じゃねえ。邪悪な呪術の臭いがプンプンするぜ、運が削られてしまう! と守護聖霊パワーで察知する。それでいいよな、ディレクター・リバT?」

 

リバT『まあ、マンゴさんは危険察知の能力があるってロールプレイでしたからね。認めましょう。なお、このホブゴブリンには金塊を渡すか、合言葉で「何だって?」を選択すると、ただで通してくれるのですが、これぐらいの弱敵なら戦って倒して、戦利品をスルーするのも正解だと思います』

 

キャサリン「だけど、敵を倒して入手したアイテムが罠だと、リビングストン流の意地悪を感じることもあるのじゃ」

 

リバT『そして、無事に橋を渡って、峡谷を乗り越えたわけですが、次に帰り道最大の脅威と遭遇します。ゴンチョンの魔力で変異したリザードマンが、大型爬虫類、いや恐竜のスティラコサウルスに乗って、周囲をパトロールしていました。そして、キャサリンさんを見つけて、まずはスティラコサウルス(技11、体10)が襲いかかって来ます』

 

キャサリン「我が力量に匹敵する強敵じゃ!」

 

続きを読む

「トカゲ王の島」攻略雑話(その6)

火山島解放同盟の結成

 

リバT『前回、戦女神の使いの戦乙女を名乗ったキャサリンさんは、鉱山に囚われていた労働奴隷の人やドワーフ、エルフさんたちを解放して、トカゲ王の軍勢に対するレジスタンスを立ち上げました』

 

キャサリンカニコング)「うむ。しかし、レジスタンス活動を続けるに当たって、大きな懸念があるのじゃ」

 

マンゴ(アスト)「軍を維持するためには、兵站が必要って話だな。武器は採掘道具を使えばいいし、専門家のドワーフの刀鍛冶がいてくれるみたいだ」

 

リバT『キャサリンさんが最初に助けたドワーフ6人衆のリーダーは、刀鍛冶のバーノン・ブレイドスミスさんと名付けました』

 

ダイアンナ「その名前は、もしかしてダディが最近ハマっているという勇気爆発が元ネタかい?」

 

リバT『刀鍛治だから、ブレイドスミスは割と普通の名前でしょう。そして、ファーストネームがバーンだと、どこかの大魔王っぽくなるので、バーノンさんにアレンジしました』

 

キャサリン「では、ドワーフ部隊の指揮官は、バーノンのおやっさんに任せるとするか」

 

マンゴ「人間の指揮官は、キウイが務めるといいな」

 

キャサリン「彼には、マンゴの形見の剣を託そう。我はソグの剣を使うゆえ、マンゴの剣は同じ村の知り合いに渡す方がドラマになるはず」

 

リバT『キウイさんは、マンゴの剣を受け取り、その責務の重さに打ち震えます。「マンゴさんの熱い想い、オレがしっかり受け継がせてもらうッス」と体育会系の後輩キャラですね』

 

マンゴ「ああ。明日の〈オイスター湾〉を背負って立つのは、お前たち若い力だ。そのためにも、トカゲ王を頑張って倒そう」

 

キャサリン「幽霊のマンゴの言葉は、我にしか聞こえぬゆえ、マンゴの言葉を伝達してやろう。マンゴは、きっとそう思ってるはず、と激励するのじゃ」

 

リバT『【ヴァルハラの角笛】を備えた戦乙女の言葉は、戦士の心を持つ者の勇気を奮い立たせます』

 

マンゴ「それで、もう1人のパパイアはどんな奴なんだ?」

 

リバT『彼は、体育会系のキウイと対照的に、中性的な知略派のキャラですね。体が弱いので、鉱山労働ではなく、石の砦で炊事などの雑務をさせられていました。元々、村の倉庫の管理なども任されていて、器用に事務仕事なんかをこなせるタイプです』

 

ダイアンナ「炊事なんて重要な仕事を任されるのかい?」

 

リバT『リザードマンには、人間の食事なんて分からないですからね。厨房関係の仕事は彼に一任させられていました。おとなしい性格で、自分から反抗的に振る舞うことはなかったですし、従順ながら有能な奴隷として、相応に重宝されていたみたいですよ』

 

ダイアンナ「ここには女性は捕まっていない、ということでいいんだな」

 

リバT『捕まっているのは、全員男ですね。女性は奴隷狩りから守られていたか、あるいは諸事情で命を落としたかのどちらかでしょう。少なくとも、砦には女性が一人もいなくて、男の熱気が満ちています』

 

キャサリン「まあ、聖闘士の世界も似たようなものじゃが。ただ、その世界で女戦士として生きて行くためには、相当の覚悟がなければやっていけん。少なくとも、言い寄ってくる男を力で払いのける程度の力量と、凛とした威圧感を持ち合わせなければな」

 

ダイアンナ「キャーと悲鳴を上げているような可愛らしさは求められていないってことだね」

 

キャサリン「女戦士の悲鳴はキャーではなくて、クハーとか、クホワーとかが、クッコローとかがいい感じでごわす」

 

マンゴ「クッコロは意味が違うだろう」

 

キャサリン「とにかく、キャーと叫びたいのを押し殺して、クッと悔しそうにうめいた後に、息を吐き出すように発声するのがクハーッ、そして応用パターンとしてクホーッとか、アレンジするといいのかも知れぬ」

 

マンゴ「その役割にふさわしい擬声語はなかなか難しいな。クパーだと意味が変わってくるし、クピプーとかクポーだと、もはや違う生き物だし」

 

リバT『女性に悲鳴をあげさせたい、いわゆるリョナ作家だと、女性の悲鳴ヴァリエーションをいろいろ考えるのでしょうけど、ここではあまりエロスに走り過ぎない程度の言葉をどうするかが課題ですね』

 

ダイアンナ「まあ、毅然とした男勝りの女戦士がキャーと上げる悲鳴に萌える客層もいるが、あまりしょっちゅう同じ悲鳴を上げるようだと、男勝りの設定が崩れるし、難しいのだと思う」

 

マンゴ「完全に理性や慎みを失って、濁点混じりの獣のような吠え叫びという路線もあるが、ここで目指すのはそういう方向性でもないはず」

 

キャサリン「我なら大丈夫でごわす。ゴワーッとか、カニーッとか、クラブァーーッとか、キャサーーーッとか、いろいろアレンジしてもキャラ崩壊とは言われぬはず」

 

マンゴ「どこの女戦士がカニーッて悲鳴をあげるんだよ!?」

 

ダイアンナ「ただのつまらないギャグにしかならないね」

 

リバT『一人称や語尾だけでなく、叫び声や笑い声でキャラ立てするのも創作テクニックだとは思いますけどね。動物系キャラなら割と分かりやすいですが、カニは鳴き声を発しないと思いますので、語尾にカニーッ(アレンジしてガニー)を付けるか、ハサミでシャキーンというか、足をシャカシャカ動かすか、そんなところでしょうか』

 

キャサリン「キャサーーーッは口にしてみて気に入ったので、今度、悲鳴をあげるときには使ってみよう。クラブァーーッは攻撃の雄叫びがいいか」

 

リバT『余談はこれぐらいにして、話を続けます。ええと、キャサリンさんを旗頭に、火山島解放同盟を結成している際に、エルフの代表のフェルナンドさん(男女不詳の美形)が話しかけて来ます』

 

マンゴ「エルフだからアナグラムでフェルにして、それっぽく名付けたオリジナルネームだな」

 

リバT『ええ、原作ゲームブックでは、解放奴隷の人たちは名前が一切付けられていないモブキャラ軍勢ですが、当記事では少しでも軍を率いるリーダーとしてのリアリティを高めるべく、種族の代表ぐらいは名前を独自に付けることにしました』

 

キャサリン「フェルナンドか。我に一体、何の用かな」

 

フェルナンド『戦乙女どの。これからトカゲ王の要塞を襲撃しようと考えているみたいだが、自殺行為なのでやめておいた方がいい』

 

続きを読む