ウルトロピカルな⭐️GT(ゲーム&トレジャー)島宇宙

南の島と上空の宇宙宮殿を舞台にTRPGや特撮ヒーローなどのおしゃべりブログ。D&Dやパグマイアなどの研鑽メイン。新たにファイティング・ファンタジーの今昔追跡話も展開中。

神前TRPG・アルシャード編2(開幕編)

オープニングフェイズ

 

GM(NOVA)「では、ここからオープニングフェイズです」

 

ユイ(翔花)「オープニングフェイズって?」

 

GMアルシャードなどのFEAR製のTRPGでは、シーン制と言って、プレイの段取りが割ときちんとルール構築されている。オープニングでは、各人のキャラクターが今回の事件に関わるきっかけが描かれている。キャラの日常から事件に突入する入り口だな。次にミドルフェイズで、事件の調査やトラブル解決が描かれ、クライマックスフェイズでボスキャラとの対決などだ。そして、エンディングフェイズでキャラが日常に帰還する流れだな。もちろん、場合によっては命を落とすとか、闇堕ちなどで日常に帰還できないケースも考えられるが」

 

アキラ(晶華)「闇堕ちなんてあるの?」

 

GMダブルクロスとか、一部の作品にはな。アルシャードの場合は、ルール上の闇堕ちはないが、シナリオ展開によってはPCの奈落堕ちとかも絶対ないとは言いきれない。まあ、その場合は、NPC化するんだろうけどな」

 

ディオーネ(ダイアンナ)「闇堕ちかあ。ゾクゾクするねえ」

 

GM「念のため、アルシャードは闇堕ちを推奨するゲームじゃないからな。PCはあくまでクエスター、神の加護に選ばれた正義のヒーローだから、無闇に邪悪プレイに走らないように」

 

ニック(ヒノキ)「そのために、シナリオハンドアウトが用意されておるのじゃろう?」

 

GM「まあ、アルシャードのプレイにおいては、GMが用意したシナリオハンドアウトに基づいて、キャラを作成したり、調整したりするんですけどね。今回はシナリオクラフトを使うので、ハンドアウトは用意していません。その辺は、GMのアドリブもしくはプレイヤーの意見を採用する形で臨機応変に進めます」

 

ニック「友人や顔見知り同士のカジュアルプレイなら、気心も知れておるじゃろうし、アドリブでも何とかなるじゃろうな。ハンドアウトは特になし、と」

 

GM「それでも、オープニングで状況解説ぐらいはするんですけどね。まずは、翔花の飛彩ユイからだ。君はアイギスに所属するルーンナイトとして、奈落に狙われやすいと想定されている神名アキラの護衛のために、普段は高校1年生をやっているわけだが……」

 

ユイ「勉強難しい。アキラちゃん、教えて〜」

 

アキラ「ユイちゃんはバカなの?」

 

ユイ「理知が9しかないし」

 

アキラ「私は15だから、確かにユイちゃんよりは賢いみたいね」

 

ディオーネ「あたしも15だ。魔法使いにとっては、理知が重要だからな」

 

ニック「わらわ……いや、ワタシは11です。確かに、マスター・ユイには勉強が必要なようですね」

 

ユイ「大丈夫、体育は得意だから。体力14、反射15だから、頭は多少良くなくても生きていける」

 

GMアルシャードで一番バカを作りたければ、ファイターレベル3のシングルクラスでキャラ作成すると、理知6になるな。まあ、能力値の基準はD&Dと同じで10が平均並みだけど、9〜11はボーナスが同じなので大差ない。8以下だとバカを名乗れるが、9は平均よりやや低いけど、バカってほどじゃない。平均60点ぐらいのテストなら、半分の50点前後といったところかな。落第点ではないけど、それ以上、点数を下げないように頑張れと普段から言われるタイプ。もう少しで平均なのに〜と、教師からは微妙に心配される学力だな」

 

ユイ「とにかく、奈落と戦うよりも、テストで点をとる方が難しいと思ってたりします。アキラちゃんに教えてもらわないと生きていけない〜」

 

アキラ「そこまで? じゃあ、私はユイちゃんの命の恩人ってことで」

 

ユイ「うう、シャードによる交信で、テスト中にアキラちゃんから答えを教えてもらうってわけにはいかないの?」

 

GM「そんなことにクエスターの力を使うなよ」

 

ユイ「こうなったら、レジェンドの特技《運命の予感》を使います。GMに3回まで質問できる。このテストの答えを教えて〜」

 

GM「まあ、そんなテストに苦戦しながら、何とか赤点はとらずに補習も免れたことにしておこう。テストに苦戦する脳筋学生ってのは、学園ものの日常風景の基本だな。では、ユイの日常描写はそれぐらいにして、アイギスの志緒理お嬢さまからの指令が届くんだけど、場所はどこがいい? 学校か、それとも自宅か」

 

ユイ「ええと、秘密の指令だったら、学校じゃない方がいいのよね。台所付きの隠れ家で、夕食を食べてからアイギス本部に定期通信を送ってるときに、指令を受け取るって感じかな。帰って来たテストの結果を見て、とりあえず落第は免れましたって報告も兼ねて」

 

GM「では、志緒理お嬢さまがそれを聞いて、安心する。なお、お嬢さまは黒髪ロングの16歳美少女だ。ガイアでも16歳だけど、セイヴァーでも16歳。年をとらないのか、ルールが変わって世界が更新されたからなのか詳細はともかく、本リプレイでも初期設定の16歳として扱う」

 

ユイ「同年齢ってことね」

 

GM「向こうの方が威厳に満ちているけどな。志緒理お嬢さま曰く、『もしもテストで不合格で落第したら、アキラさんと学年が違ってくるので、護衛任務から外れてもらうところでした。どうやら、護衛任務は継続できそうですね』とニッコリ柔和な笑みを浮かべる」

 

ユイ「え? もしかして、テストで不合格だと、任務失敗ってこと? そこはアイギスの権力で、不合格を取り消しとかはできないのですか?」

 

志緒理『アイギスが誇る優秀なルーンナイトのあなたが、よもや高校1年生程度の問題で落第するとは思えないんですけど?』

 

ユイ「そう言うお嬢さまも、私と同じ年だったはず」

 

志緒理『ええ。世間一般で言うところの高1レベルの学習内容は、3年前に履修済みです。財団のトップとして帝王学を修める身では当然のことですわ』

 

ユイ「うわ、そういう人なのね」

 

志緒理『そういうことですから、高1レベルのテストで不合格になるようでしたら、あなたはこの護衛任務に相応しい人材ではなかったということで、もっと優秀なエージェントを派遣しようと思っています。もっとも、神の恩恵である超絶美形を誇り、生ける伝説とまで称された才女の飛彩ユイさんともあろう人が、これぐらいの試練を乗り越えられないはずがないと信じていますがね。でしょ?』

 

ユイ「は、はい。大丈夫です(汗)。どんなに手強い試練でも、友情と努力で勝利を収める。それこそがヒーローの道です!」

 

志緒理『そう言うと思いました。ところで、日常の仕事はともかく、非日常の事件が舞い込みましたので、その解決も要請したいと思います』

 

ユイ「一難去って、また一難ですか」

 

志緒理『ええ。あなたたちの暮らす街に、コードネーム:ビーストと呼ばれる化け物が潜伏しているという情報が、フューネラルコンダクター社から知らされまして、詳しい話は直接そちらのエージェントから確認して下さい』

 

ユイ「お嬢さまは詳しく知らないってこと?」

 

GM「彼女は、FC社から飛彩ユイの協力を要請されただけみたいですね。ただ、ビーストを放置すると、街が厄介なことになるそうです。……と言うことで、ユイさんにはシナリオクエスト『ビースト事件を解決する』を差し上げます」

 

ユイ「この学園と街の平和は私が守る。ヒーローの出番です!」

 

続きを読む

神前TRPG・アルシャード編1(集結編)

屋久杉の御前にて

 

ダイアンナ「ふう。ここが会場か」

 

ハイラス「クイーン・ダイアンナ。ようこそでござる。卓の準備は整っておる」

 

ダイアンナ「ああ、次元ドルイド殿か。他の参加者は?」

 

ハイラス「まだでござる。新星どのと日野木アリナ様からは少し遅れるとの連絡があったが、もう間もなく来られるはず」

 

ダイアンナ「それにしても、いい月だな。今が夜で助かる。昼の太陽の陽射しの下では、貧血でクラクラとなりやすいからな」

 

ハイラス「やはり、吸血鬼の体質はそうそう治らないものでござるか?」

 

ダイアンナ「バルサス・ダイアみたいに陽の光を浴びて即死ぬ、ということはないが、苦手なのは変わらないな。具体的には、陽光下で10%の行動ペナルティー、2D6のゲームだとマイナス1修正、d20システムだとマイナス2の不利な修正がかかるほどだ」

 

ヒノキ「なるほど、それはいいことを聞いた」

 

ダイアンナ「貴様、日野木アリナ!」

 

ヒノキ「ヒヒヒ、お主の弱点を聞かせてもらった。これで次に戦った時は有利に立ち回れる。何せ、わらわは名前のとおり、日の光を扱うことにも長けているからのう」

 

ダイアンナ「クッ、朱雀と言えば、南方を守護する四聖獣で、夏や炎、それに太陽を司ると聞く。まともに戦えば、こちらが不利」

 

ヒノキ「……と、マウントをとって見せたところで、今夜は争いを引っ込めよう。今のお主は世界の秩序を乱す害悪ではないし、何よりもかけがえのないTRPG仲間。かつてのように対立する理由は何もないはず。そうじゃろう?」

 

ダイアンナ「……あ、ああ。マウントをとられてムカつくところはあるが、無駄にケンカを吹っ掛けるつもりはない。あたしはこのウルトロピカルの女主人だし、貴様はコンパーニュの女主人。互いに一国一城の主という点では、対等な関係。それでいいな」

 

ヒノキ「コンパーニュとウルトロピカルが対等などとは片腹痛いわ。年季が違う……と言いたいが、新興勢力のウルトロピカルが今は勢いに乗っているのも事実。そして今回の神前TRPG企画アルシャード編は、コンパーニュとウルトロピカルの交流の意味も込められているゆえ、今宵のこのイベントを期に両者の間で同盟を結ぶとしよう」

 

ダイアンナ「同盟か。悪くはない。では、これよりウルコン同盟が成立だな」

 

ヒノキ「わらわとしては、コンウル同盟と言いたいが、どうも語呂が悪いのでウルコンで良いぞ。不倶戴天の仲なれど、TRPGのために今、交わらん。伝説降臨の時じゃ」

 

ダイアンナ「民のため……じゃなくて、TRPGのため、というのがポイントなんだな」

 

ヒノキ「うむ。わらわたちには家臣、もしくは家族と呼ぶべき者はおっても、別に民を支配統治しているわけではなく、君臨すれども統治せず、の原則で活動しているからのう。そもそも、わらわは神霊であって、女王ではない。さらに言えば、わらわの契約主である御仁が最近、九州の地から中京の地に旅立ったそうでな。個人情報ゆえ詳細は明かせぬが」

 

ダイアンナ「中京ってことは名古屋か」

 

ヒノキ「名古屋と言えば、怪獣映画では『モスラ対ゴジラ』(1964)が有名。その後も、モスラ絡みで何度か舞台になっておる。あとは昭和のギャオスでも名古屋城が破壊されておるな」

ダイアンナ「関係ない話……でもないのか。この地の屋久杉には、モスラの力が封じられているそうだし、何よりも……」

 

セイリュウinハイラス『わしが王霊として守護しているからな』

 

ヒノキ「おお、セイリュウ。しばらくじゃったな」

 

セイリュウinハイラス『そなたも息災のようだな。息子やシロは元気にやっておるか』

 

ヒノキ「元気じゃが、最近は出番が少ないとボヤいておった。作者がウルトロピカルばかり贔屓にするものでのう」

 

セイリュウ『そういう時もあろう。しかし、今年はガメラ復活ゆえゲンブも喜んでいような』

ダイアンナ「……そうなんだよな。天空宮殿にしばらく引きこもっていたから忘れていたが、この屋久島の地は、野生の支配する怪獣ランドなんだった」

 

ヒノキ「どうした、ダイアンナ? ビビっておるのか?」

 

ダイアンナ「ビビっているんじゃない。ただ、偉大なる怪獣王さまのオーラに圧倒されているだけだ」

 

ヒノキ「やれやれ。神霊という立場では、わらわとセイリュウは同格なのに、ずいぶんと振る舞い方が違うんじゃな」

 

ダイアンナ「そりゃあ、貴様は幼女の姿ゆえ、威厳をさらしていないではないか。どこか俗っぽいというか、神霊よりも温泉旅館の女将って感じで振る舞っているわけで」

 

セイリュウ『人の文化に交じって暮らすには、その方がよかろう。わしが人里に出ると、圧が凄いらしくて、皆が恐れ慄くからな。うかつにTRPGのルールブックも買いに行けん』

 

ダイアンナ「怪獣王さまがTRPGのルールブックを欲しがるのですか?」

 

セイリュウ『そりゃあ、MTGでも題材にされたからな。ならば、来年のD&D50周年でも、怪獣ランドであるイコリアが冒険できる世界として採用される可能性もゼロじゃない』

NOVA「来年は、D&D50周年だが、今年はマジック・ザ・ギャザリング(以下MTG)30周年なんだな」

 

ヒノキ「おお、新兄さん。今、来たのか」

 

NOVA「ああ。もちろん、娘2人もいっしょだ」

 

翔花&晶華「こんばんは〜」

 

ダイアンナ「おお、アッキーさまに初代さまか。これで全員そろったわけだな」

 

NOVA「それで、ハイラス。今、MTGの話をしていたのか?」

 

セイリュウinハイラス『ハイラスではない。今はわしだ』

 

NOVA「え? もしかして、ゴジラさま? ハハア(土下座)」

 

セイリュウinハイラス『そう、畏まらずとも良い。それより、娘2人の前で土下座などとは何だ? 父親なら父親らしく、もっと威厳を示さんか』

 

NOVA「いや、お言葉ですが、娘はこの場に3人なんです。ダイアンナも、晶華の分身だから、義理でも娘ということで、以後、お見知り置きを(土下座)」

 

セイリュウ『いいから、面を上げよ、と言っておる』

 

NOVA「では、お言葉に甘えて(立ち上がる)。それで、ガイア様はどちらに?」

 

ガイアin屋久杉『もちろん、先ほどからここにおる。予定のゴールデンウィークから、ずっと待っておったが、ずいぶんと待たされたものよ』

 

続きを読む

D&Dの盗賊話(クラシック完結編)

D&Dコンパニオン以降の盗賊

 

アスト「さて、今回はクラシックD&Dの盗賊について語る最終回なんだが、困ったことになった」

 

カニコング「何がでごわすか?」

 

アスト「ネタがない」

 

ダイアンナ「ネタがないって、どういうことだ?」

 

アスト「文字どおりの意味だ。クラシックD&Dは、赤箱ベーシックルールでダンジョン探検の基本を解説し、青箱エキスパートルールでダンジョンから外の都市や野外の冒険について解説した。そこで盗賊というキャラの可能性は一気に広がったんだが、コンパニオン以降は盗賊について新しい情報が何もないんだ。話が終わった。『当記事 完』ってことだな」

 

ダイアンナ「いや、何もないってことはないだろう」

 

アスト「まあ、成長データはある。コンパニオン以降の盗賊の特殊行動はピックポケット(スリ)の伸び率が高く、コンパニオン最高のレベル25で140%、マスタールール最高のレベル36で195%を誇るようになる」

 

ダイアンナ「それは失敗しようのない数値だな」

 

アスト「実のところ、ピックポケットは相手のレベルが1上がるごとに、成功率が5%マイナスされる仕様なので、自分と同レベルの相手からスリ取るには結局15%ということになる。その昔、ロードス島戦記の盗賊ウッドチャックはラスボスの高レベル魔女カーラから額のサークレットをスリ取ったという実績があるが、D&Dのルールに厳密に従うなら、カーラのレベル×5%を成功率から減らさないといけないので、かなり厳しい判定になっていたと思われる。

「ただ、ロードス第1部のD&Dリプレイの最終レベルは8とか9ぐらいと記憶するので、ピックポケットの成功率は約6割。おそらく、カーラのレベル(マジックミサイルを5発撃ってることから最低11レベルと推測されたが、実際にはメテオの呪文を使っているので21レベル以上と見なされる)分のマイナス修正は計算されていないと考える」

 

ダイアンナ「昔話はよく分からないけど、100%以上の基本成功率があっても、相手のレベルや行為の難易度によって絶対成功とは限らないってことだな」

 

アスト「とにかく、クラシックD&Dの盗賊技術はレベルアップによって成功率が100%に近づくなり、時には100%を越えるなりの成長を果たすんだが、コンパニオンルールでも、マスタールールでもできることが増えるわけじゃない。成功率が数%ぐらい良くなっても、別に新しいことができるわけでもないので、やってることはマンネリで、それだけだとあまり楽しくないのが事実だ」

 

カニコング「緑箱コンパニオンや黒箱マスタールールを否定するつもりでごわすか?」

 

アスト「いや、職業による。呪文使いは新しい呪文が用意されているので、それだけで価値あるルールと言える。特殊能力を持たないファイターは一番、成長がつまらないと言われがちだが、エキスパートルールまでは同意する。しかし、コンパニオンルールでは、騎士や領主、パラディンなんかになったファイター用の戦闘オプションが加わり、できることが一気に増えた。マスタールールではウェポンマスタリーの恩恵を最も受けられるのがファイターだ。つまり、戦闘ルールにヴァリエーションが増えた分、コンパニオンレベル以上のファイターは非常に選択肢が広がって奥深いクラスになったということだ」

 

ダイアンナ「盗賊には、そういう恩恵はないのか?」

 

アスト「ウェポンマスタリーは、盗賊にも恩恵がある。とりわけ、デフレクト(受け流し)が使える剣類を装備していると、ACには関係なく一定回数までの攻撃を対デスレイSTに成功するだけで無効化できるので、盗賊でもファイターと遜色なく肩を並べて前衛でも戦えるようになるほどだ。

「まあ、ウェポンマスタリーのルールを採用するかどうかで、クラシックD&Dの武器戦闘の様相は大きく変わって来るのは間違いない。低レベルのベーシックでは何も変わりないが、レベル3もしくはレベル6で剣類をスキルドからエキスパートに訓練するだけで、盗賊キャラは接近戦キャラとして安定して戦えるようになる。もちろん、一度に複数の相手から狙われると厳しいし、結局、ファイターの方がもっと強いのは確かだが、コンパニオンルールではファイターだけに許された戦闘オプションが、他の職業にも一部解禁になるので盗賊の戦闘能力にも恩恵が与えられる、と」

 

ダイアンナ「コンパニオンルールではファイターだけに恩恵が与えられたので、盗賊にとっては美味しくないが、マスタールールでは盗賊が武器戦闘でも積極的に戦えるようになる、と」

 

続きを読む

D&Dの盗賊と吟遊詩人の話3

盗賊と都市の関係性、そして野外へ

 

アスト「さて、前回はダンジョン探索から外に出て、都市のことをあれこれ考えるようになって、都市といえば、ますます盗賊が主役だって話をした。当時は、こういうゲームブックの印象も強かったしな」

ダイアンナ「つまり、バトルとモンスター退治、剣と魔法の物語からスタートしたD&Dが、ダンジョン探索の際の特殊な技術を一手に引き受ける盗賊にスポットを当て、その後、ダンジョンから外に出て来ると、ますます盗賊にスポットが当たるようになった、と」

 

アスト「そして、スターウォーズの格好いいアウトローキャラ、ハン・ソロに注目が当たり、彼を演じたハリソン・フォードがさらにブレイクした冒険作品で、罠と戦う盗賊というキャラへの魅力も高まって行った」

アスト「インディ・ジョーンズ第1作の『レイダース』は81年の作品で、80年代に3作が作られた人気冒険活劇だ。今度また映画の5作めが予定されていて、作曲家のジョン・ウィリアムズが今度の作品で引退を表明した……と聞いたんだが、スピルバーグ監督との談話で何だかやっぱり引退を撤回したって話もあったりして、事実がどうなのかまだはっきりしないな」

ケイP『優れた映画音楽は、音楽と物語をうまく融合させたってことで、吟遊詩人の歌に通じるものがあるッピ』

 

続きを読む

D&Dの盗賊と吟遊詩人の話2

盗賊話のつづき

 

アスト「今回は盗賊話の2回めだ」

 

ダイアンナ「どんな話か期待しよう」

 

カニコング「ほう。帰って来たのか、クイーン」

 

ダイアンナ「ああ。元快盗団の女頭領としては興味あるからな。神前TRPGは来週からなので、少しは話に参加できる」

 

アスト「分かった。前回、盗賊の能力について、あれこれ話したが、何だかんだ言って盗賊の仕事は盗賊にしか行えない特殊作業が多い。ダンジョン探検中に、鍵のかかった扉があったり、罠が仕掛けられてそうな宝箱があれば、頼りになるのは盗賊だけだ」

 

ダイアンナ「まあ、魔法使いの開錠呪文(ノック)やら、僧侶の罠発見呪文(ファインド・トラップ)やらを使うって手もあるけどね」

 

アスト「呪文の使用回数に余裕があるならいいんだけどな。クラシックD&Dでは、それらの呪文はレベル2呪文で、経験レベルが3とか4で初めて使える。エキスパートの後半レベルになって初めて余裕があるぐらいじゃないか?」

 

カニコング「もしも、盗賊が鍵を開けられなくて、その扉を開けることがシナリオ攻略にどうしても必要ならば、どうするのでごわすか?」

 

アスト「そんなシナリオを作るDMが悪い(きっぱり)。とりあえず、DMとしては鍵開けが上手くできれば、ボーナスのお宝を得られる程度にして、シナリオクリアには影響しないように設定するか、あるいはダンジョンのどこかの部屋を探すなり、少し厄介なモンスターを倒すなりで合い鍵が手に入ることにして、盗賊の解錠が上手く行ったときだけショートカットが行えるようにするぐらいがフェアだと思うな」

 

ダイアンナ「鍵開けの再挑戦はできないのか?」

 

アスト「レベルが上がれば、再挑戦できるぞ。だから、巨大なダンジョン攻略に当たっては、開かなかった扉に地図で印を付けておいて、レベルアップしてから再度、鍵開けに挑戦して、その先を探索するなり、隠されたお宝を入手するって遊びも推奨されたのではないだろうか。とにかく、盗賊が扉を開けられなかったから詰むようなシナリオは、DMにとってもゲームを失敗させるリスクが大きいので、別の手で解決策を用意しておくように、というのは昔のシナリオ作成講座的な記事で読んだような覚えがある」

 

カニコング「開かない扉を力尽くでこじ開けるってのは? 体当たりで開けるとか、斧やハンマーで叩き壊すとか?」

 

アスト「盗賊が解錠作業に失敗したら、そういう手段に訴えるのもありだろうが、安易に能力値判定(D20で筋力以下なら成功)には頼らない方がいいだろうな」

 

カニコング「どうしてでごわすか?」

 

アスト「そりゃあ、盗賊の鍵開け成功率(初期レベルで15%)よりも明らかに成功しやすいからな。それじゃ盗賊の立場がない。やるなら%判定で筋力以下とか、一回試みるごとに大きな音を立てるからワンダリングモンスターを引き寄せるリスクがあるとか、うまくゲームバランスを考えないと……って、こんなことを昔のクラシックD&Dのユーザーはいろいろ考えていたもんだ。日本のTRPG黎明期はノウハウもないし、インターネットもないし、ゲーム雑誌にいろいろ載っていたアドバイスと、DMが独自に決めたハウスルールでそれぞれのゲームプレイをカスタマイズしたものだ」

 

ケイP『盗賊が失敗したときに、DMがどうすべきか? なんて考えてたッピか?』

 

アスト「そんなフォローを考えないDMもいたろうさ。『失敗したらしたで、考えるのはプレイヤーの仕事。DMはただ、そのアイデアを聞いて裁定するだけでいい』と考えるDMもいれば、『おそらくダンジョンのどこかに鍵があるはずだ、と君たちは考えた。盗賊が開けられなかったなら、鍵を探せばいい』とヒントを与えたり、そのことに気づけるように知恵(ウィズダム。現在は判断力と訳す)判定をさせるとか、まあ、いろいろなDMスタイルが卓ごとにあって、どれが正解とは言えないだろう」

 

ダイアンナ「とにかく、昔のゲームは、鍵をどうやって開けるかだけでも、あれこれ楽しめるネタになったってことだね」

 

アスト「ゲームブックでもよくあるよな。鍵に限らず、攻略必須アイテムや情報がどこで手に入るか、あれこれ考えるって」

 

ケイP『パラグラフの構造を調べるのは、実はダンジョン探索に似た楽しみがあるッピね』

 

続きを読む

D&Dの盗賊と吟遊詩人の話

今さらながらアウトロー

 

アスト「そろそろ、コンパーニュに行ったアニーたちがキャラ作りを終えて帰って来ると、連絡が来た」

 

ケイP『結局、おいらたちは何もせずに留守番してただけだったッピな』

 

カニコング「全くでごわす」

 

アスト「そんなわけで、今回はD&Dの盗賊と吟遊詩人について、研鑽することにした」

 

カニコング「どうして今さら?」

 

アスト「いや、ここはゲームブックのFFシリーズの攻略記事を展開する前は、D&Dの懐古がメインで、その後、パグマイアとかT&Tなどをチラチラ見ながら、いろいろネタ語りして来た場所なんだ」

 

ケイP『詳しくは、以下の過去記事を覗いてみるといいッピよ』

 

アスト「そして、これまでクラシックD&DやアドバンストD&D以降の各種クラスを、NOVAやオレたちがいろいろ研鑽して語ったりして来たんだな。コンパニオンのドルイドから始まり、パラディン、戦士、魔法使い、僧侶、ミスティック、海賊、モンク(ついでに忍者)、ウォーロックなど、いろいろと気まぐれに」

 

カニコング「ええと、レンジャーやバーバリアンなんかがまだでごわすな」

 

アスト「そいつらは、パグマイアのプレイヤーキャラクター犬で語ったりもしたが、実のところ、盗賊(シーフ)について、いつか語らねば、と思ったまま、ここまで放置されていたんだな」

 

カニコング「なるほど、語るべくもない、と軽視されていたでごわすな」

 

アスト「お前、快盗団マーキュリー・バットのキングだった男が、そういうことを言うか?」

 

カニコング「それは過去の話でごわす。今は次元ドルイドのハイラス殿のもとで修行中で、海魔法を研鑽中のドルイド見習いでごわす」

 

アスト「お前がドルイドだと?」

 

カニコング「呪文は使えないでごわすが、ドルイド特有の変身能力を身につけたでごわすよ」

 

アスト「ほう。何に変身できるんだ?」

 

カニコング「そりゃ当然、ジャイアントクラブ(カニ)🦀とゴリラ🦍でごわすよ」

 

アスト「元々そうじゃないか。それだったら、オレだって馬になれる」

 

ケイP『チッチッチ、まだまだ青いッピ。元々、不定形の軟体宇宙怪獣だったおらは、もっとヴァリエーション豊かに変身できるッピよ』

 

アスト「そりゃあ、お前は元々、人間じゃなくてモンスターだからな。まあ、変身がどうこうって話は今はいい。それよりも、しばらく放置された盗賊と吟遊詩人について、D&D映画にちなんで語ることにした」

 

カニコング「今さらでごわす。旬は一月前でごわすよ」

 

アスト「映像ソフト化されるのを楽しみにしつつ、D&Dと言えば、次の日本語商品がこれらしい」

カニコング「フィズバンって、誰でごわすか?」

 

アスト「そんなことも知らずに、よくD&Dファンをやってるな」

 

カニコング「いや、D&Dファン必須の知識って言うほどでごわすか?」

 

ケイP『少なくとも、ドラゴンランスファンにとっては必須知識だッピ』

 

カニコング「ドラゴンランスなど過去の遺物でごわす」

 

アスト「やれやれ。FFゲームブック同様、ドラゴンランスも復刻しているのに。とにかく、フィズバンはドラゴンランスに登場する老魔術師で、ボケ老人のように見せかけてるが、実は神さまだったりする」

カニコング「つまり、神さまがドラゴンのお宝を紹介する本でごわすか」

 

アスト「とにかく、D&Dのドラゴン好きにとって必須のサプリメントと思われる。少なくとも、ドラゴンランス好きのNOVAにとっては、フィズバンの名を持つゲームサプリメントってだけで、『よし、これでドラゴンランス関連のD&D商品日本語版がついに出る。来年には待望のドラゴンランス本も期待できそうだ』とワクワクしているんじゃないか」

リモートNOVA『よく分かったな』

 

アスト「うわ、突然、顔を出すな」

 

リモートNOVA『ドラゴンのお宝に関する話が聞こえたものでな』

 

アスト「そうだ。そして宝と言えば盗賊。伝承と言えば吟遊詩人。今回は、快盗団マーキュリーバットらしく、盗賊と吟遊詩人話を、お前に代わって研鑽してやる企画だ」

 

リモートNOVA『なるほどな。昔のD&D話から、たっぷり語ってくれるんだな』

 

アスト「お、おお。オリジナルD&Dからな」

 

続きを読む

「天空要塞アーロック」攻略その7(決着のとき)

最終回と、今後の青写真

 

リモートNOVA『3月中に終わらせる予定だったアーロックだが、諸事情でバタバタして、結局、4月半ば過ぎになってしまったな』

 

ダイアンナ「これが終わった後の予定は?」

 

リモートNOVA『ダイアンナとリバTを連れて、コンパーニュに向かう。その間の天空宮殿の管理はアストとケイPに任せて、アルシャード・ガイアのキャラ作りをしてから、改めてガイア様の御前で花粉症ガール4人セッションの開幕だ』

 

アスト「3ブログ交流企画って奴だな。留守番は任せておけ」

 

リモートNOVA『それと、次のゲームブックの予定は、アストの言ってた「真夜中の盗賊」か、あるいはシナリオ「謎かけ盗賊」の紹介をしたいと思う』

 

アスト「『謎かけ盗賊』だと?」

 

リモートNOVA『今度のGMウォーロック誌でスポットが当たるそうだし、FF32巻「奈落の帝王」にもリンクしているわけで、この機会に触れておきたいと思ってな。一応、目下の攻略候補はこうなっている』

 

・ダイアンナ:6巻『死の罠の地下迷宮』(FFC2収録)

・リバT:24巻『モンスター誕生』(FFC1収録)

・アスト:29巻『真夜中の盗賊』

・NOVA:32巻『奈落の帝王』

 

リモートNOVA『GMウォーロックの動向と、夏発売のFFコレクション3への動きを見据えながら、個人的に旬だと感じるものを取り上げたいと思っている次第』

アスト「FFCに収録されている復刻作品と新作を中心に考えつつ、復刻の可能性が少ない社会思想社版の後ろから遡っていくって流れだな」

 

リモートNOVA『まあ、俺個人が未プレイの作品をこの機会に触れておきたいだけだがな。アーロックの次は「奈落の帝王」をプレイしておけば、一応、現在の邦訳作品は全てクリアした形になる。その後は、「アランシアの暗殺者」と「巨人の影」を喜んでプレイしたい』

 

アスト「じゃあ、まずはアーロックをきれいに終わらせないとな」

 

リモートNOVA『ああ。前回はアーロックの地下都市で、第1地下ドームから犯罪者の巣食う酒場とか、ネコの黒幕に牛耳られた宇宙海賊らとの対決を切り抜けて、転送装置の力で第5地下ドームまで一気に突破した。

『攻略手順としては、酒場ルートからパラグラフ2番に入る方が被害は少ない感じで、お勧めだな。もちろん、どちらのルートも即死パラグラフはそれなりにあって、正解の道筋を知らなければ消耗が激しくなるのは同じだが、正解を知っていて技術点がそれなりに高ければ、酒場ルートの方が楽だ。戦闘を除けば、体力点2点のダメージだけで突破できる』

 

アスト「7番を通過する海賊ルートは最低でも運1点は削られるし、即死パラグラフの数も多いし、戦闘回数も多くなるわけか」

 

リモートNOVA『改めて自分がプレイする時は、宇宙ステーション→海賊→砂漠→酒場というルート選択で臨むことにするだろうな。シェイネ、ヴァリオーグ、沼地、ネコ海賊&ウォデウィックのイベントはリスクがより大きいと判断している』

 

アスト「では、パラグラフ2番、第5地下ドームからの攻略を聞くとするか」

 

続きを読む