火山島解放同盟の結成
リバT『前回、戦女神の使いの戦乙女を名乗ったキャサリンさんは、鉱山に囚われていた労働奴隷の人やドワーフ、エルフさんたちを解放して、トカゲ王の軍勢に対するレジスタンスを立ち上げました』
キャサリン(カニコング)「うむ。しかし、レジスタンス活動を続けるに当たって、大きな懸念があるのじゃ」
マンゴ(アスト)「軍を維持するためには、兵站が必要って話だな。武器は採掘道具を使えばいいし、専門家のドワーフの刀鍛冶がいてくれるみたいだ」
リバT『キャサリンさんが最初に助けたドワーフ6人衆のリーダーは、刀鍛冶のバーノン・ブレイドスミスさんと名付けました』
ダイアンナ「その名前は、もしかしてダディが最近ハマっているという勇気爆発が元ネタかい?」
リバT『刀鍛治だから、ブレイドスミスは割と普通の名前でしょう。そして、ファーストネームがバーンだと、どこかの大魔王っぽくなるので、バーノンさんにアレンジしました』
キャサリン「では、ドワーフ部隊の指揮官は、バーノンのおやっさんに任せるとするか」
マンゴ「人間の指揮官は、キウイが務めるといいな」
キャサリン「彼には、マンゴの形見の剣を託そう。我はソグの剣を使うゆえ、マンゴの剣は同じ村の知り合いに渡す方がドラマになるはず」
リバT『キウイさんは、マンゴの剣を受け取り、その責務の重さに打ち震えます。「マンゴさんの熱い想い、オレがしっかり受け継がせてもらうッス」と体育会系の後輩キャラですね』
マンゴ「ああ。明日の〈オイスター湾〉を背負って立つのは、お前たち若い力だ。そのためにも、トカゲ王を頑張って倒そう」
キャサリン「幽霊のマンゴの言葉は、我にしか聞こえぬゆえ、マンゴの言葉を伝達してやろう。マンゴは、きっとそう思ってるはず、と激励するのじゃ」
リバT『【ヴァルハラの角笛】を備えた戦乙女の言葉は、戦士の心を持つ者の勇気を奮い立たせます』
マンゴ「それで、もう1人のパパイアはどんな奴なんだ?」
リバT『彼は、体育会系のキウイと対照的に、中性的な知略派のキャラですね。体が弱いので、鉱山労働ではなく、石の砦で炊事などの雑務をさせられていました。元々、村の倉庫の管理なども任されていて、器用に事務仕事なんかをこなせるタイプです』
ダイアンナ「炊事なんて重要な仕事を任されるのかい?」
リバT『リザードマンには、人間の食事なんて分からないですからね。厨房関係の仕事は彼に一任させられていました。おとなしい性格で、自分から反抗的に振る舞うことはなかったですし、従順ながら有能な奴隷として、相応に重宝されていたみたいですよ』
ダイアンナ「ここには女性は捕まっていない、ということでいいんだな」
リバT『捕まっているのは、全員男ですね。女性は奴隷狩りから守られていたか、あるいは諸事情で命を落としたかのどちらかでしょう。少なくとも、砦には女性が一人もいなくて、男の熱気が満ちています』
キャサリン「まあ、聖闘士の世界も似たようなものじゃが。ただ、その世界で女戦士として生きて行くためには、相当の覚悟がなければやっていけん。少なくとも、言い寄ってくる男を力で払いのける程度の力量と、凛とした威圧感を持ち合わせなければな」
ダイアンナ「キャーと悲鳴を上げているような可愛らしさは求められていないってことだね」
キャサリン「女戦士の悲鳴はキャーではなくて、クハーとか、クホワーとかが、クッコローとかがいい感じでごわす」
マンゴ「クッコロは意味が違うだろう」
キャサリン「とにかく、キャーと叫びたいのを押し殺して、クッと悔しそうにうめいた後に、息を吐き出すように発声するのがクハーッ、そして応用パターンとしてクホーッとか、アレンジするといいのかも知れぬ」
マンゴ「その役割にふさわしい擬声語はなかなか難しいな。クパーだと意味が変わってくるし、クピプーとかクポーだと、もはや違う生き物だし」
リバT『女性に悲鳴をあげさせたい、いわゆるリョナ作家だと、女性の悲鳴ヴァリエーションをいろいろ考えるのでしょうけど、ここではあまりエロスに走り過ぎない程度の言葉をどうするかが課題ですね』
ダイアンナ「まあ、毅然とした男勝りの女戦士がキャーと上げる悲鳴に萌える客層もいるが、あまりしょっちゅう同じ悲鳴を上げるようだと、男勝りの設定が崩れるし、難しいのだと思う」
マンゴ「完全に理性や慎みを失って、濁点混じりの獣のような吠え叫びという路線もあるが、ここで目指すのはそういう方向性でもないはず」
キャサリン「我なら大丈夫でごわす。ゴワーッとか、カニーッとか、クラブァーーッとか、キャサーーーッとか、いろいろアレンジしてもキャラ崩壊とは言われぬはず」
マンゴ「どこの女戦士がカニーッて悲鳴をあげるんだよ!?」
ダイアンナ「ただのつまらないギャグにしかならないね」
リバT『一人称や語尾だけでなく、叫び声や笑い声でキャラ立てするのも創作テクニックだとは思いますけどね。動物系キャラなら割と分かりやすいですが、カニは鳴き声を発しないと思いますので、語尾にカニーッ(アレンジしてガニー)を付けるか、ハサミでシャキーンというか、足をシャカシャカ動かすか、そんなところでしょうか』
キャサリン「キャサーーーッは口にしてみて気に入ったので、今度、悲鳴をあげるときには使ってみよう。クラブァーーッは攻撃の雄叫びがいいか」
リバT『余談はこれぐらいにして、話を続けます。ええと、キャサリンさんを旗頭に、火山島解放同盟を結成している際に、エルフの代表のフェルナンドさん(男女不詳の美形)が話しかけて来ます』
マンゴ「エルフだからアナグラムでフェルにして、それっぽく名付けたオリジナルネームだな」
リバT『ええ、原作ゲームブックでは、解放奴隷の人たちは名前が一切付けられていないモブキャラ軍勢ですが、当記事では少しでも軍を率いるリーダーとしてのリアリティを高めるべく、種族の代表ぐらいは名前を独自に付けることにしました』
キャサリン「フェルナンドか。我に一体、何の用かな」
フェルナンド『戦乙女どの。これからトカゲ王の要塞を襲撃しようと考えているみたいだが、自殺行為なのでやめておいた方がいい』
軍師フェルナンドの献策
キャサリン「ほう、フェルナンド。そなたは戦女神の加護を信じないのか?」
マンゴ「その発言を聞くと、キウイやバーノンさんは激怒すると思うんだけどな」
ダイアンナ「血の気が多そうだからね」
リバT『軍議で盛り上がってるところに水を注されて、バーノンさんは不機嫌ですね。「これだからエルフは……」とファンタジー世界でのお約束発言をします。それを宥めようとしているのは、パパイアくん。「まあまあ、皆さん。ぼくたちでいがみ合っても仕方ないじゃないですか。フェルナンドさんは賢明なお方。ただ、批判するだけの御仁ではありませんよ。彼の話をきちんと聞きましょうよ」と仲裁役を買って出ます』
キャサリン「よし、聞こう。女神アテナは戦の神だが、同時に知恵も司る。闇雲な戦で命を落とすことは求めていない。そもそも、トカゲ王は不死身の妖術使いとも噂に聞いた気がする。奴の不死身が真実ならば、それを何とかする方策を見つけ出さない限り、我らに勝ち目がない。そういうことじゃろう?」
フェルナンド『さすがは戦乙女どの。思いの外に慧眼でありますな。トカゲ王は異界から呪術で召喚した寄生生物ゴンチョンを頭部に宿している。ゴンチョンはトカゲ王と共生関係にして、奴を無敵の戦士に強化するとともに、配下の変異トカゲ兵に思念で命令を伝える能力を与えているそうだ』
キャサリン「つまり、そのゴンチョンとやらは、我の身につけたソグの兜に匹敵するバイオウェポン、いやバイオクラウンとでも言えばいいのか」
フェルナンド『バイオクラウン……聞き慣れない言葉だが、生物的な王冠か。確かに、そのような感じだな』
キャサリン「ソグの兜は、我に勇者の力を与えてくれるが、トカゲ王も似たような王冠を身につけているのなら、確かに難敵だ。そのゴンチョンを何とかする方策でもあればいいのだろうが」
フェルナンド『一つ、心当たりがある』
キャサリン「さすがだな、フェルナンド。そなたの知恵は、我が軍の軍師として大いに活用できよう。知恵なき武人の我らに、勝利の秘策を示してくれぬか」
フェルナンド『……戦乙女どのは、人を煽てる術も心得ているのだな。呪術に対抗するのは呪術のみ。聞いたところによると、この火山島にも一人の呪術師が隠れ潜んでいるらしい。私も彼に教えを乞おうと島を訪れたのだが、果たせぬままトカゲ王の軍に捕まってしまった。その呪術師を見つけることができれば、トカゲ王を倒す秘策を示してくれると思う』
キャサリン「なるほど、呪術師を見つければいいのだな。女神(アテナ)の導きがあれば、必ず呪術師のところに行き着けるはず。その仕事は、我が引き受けたのじゃ」
フェルナンド『……本当に見つけられると思うのか? この私が4年探しても見つけられなかったのだぞ』
キャサリン「大丈夫。呪術師という連中は、自然界の諸精霊を操作して、身を隠す術に長けているそうじゃないか?」
フェルナンド『どうして、それを? 戦乙女どのは呪術にも詳しいのか?』
キャサリン「この世界の呪術は知らんが、死者の霊の言葉を聞くのは、我の専門じゃ。相手が自然の精霊の力で身を隠すなら、こちらは冥府の英霊の声を頼りに探すまでのこと。伝説の戦士ソグもそうだそうだと言っている」
フェルナンド『やれやれ。その話をどこまで信じていいのか分からんが、とにかく凄い自信だな。ならば、数日待つとしよう。それだけ待って、呪術師が見つからなければ、一度、砦に帰って来るといい。軍議はそれから改めて行うという方向でどうか?』
キャサリン「数日か。いいだろう。それよりも、もっと重要なことがある」
フェルナンド『何かな?』
キャサリン「我には今、数日を乗り越える食べ物がない。腹が減っては戦ができぬ。エルフの力で、解放軍の食料を作り出してくれないか? そして、我が道中、食べるための保存食10個を生み出してくれるとなおいい」
リバT『ストーリーの成り行きからは、そうしたいのはやまやまですが、ゲームブックのルール上、この場で食料補充はできません。ただ、フェルナンドさんは道中で食料を得られる採集の技を簡単に教えてくれたってことで』
キャサリン「食料は道々、拾って食えってことか。野外生活に長けたエルフなら、それでも食いつないで行けるんじゃろうな」
呪術師クエスト
リバT『そんなわけで、解放軍の面々に砦の維持を申し渡し、キャサリンさんは再び一人旅を開始しました』
マンゴ「一人じゃない。オレも一緒だ」
キャサリン「ああ、マンゴ。お前が一緒で心強いのじゃ。他の連中が一緒なら、食料も山分けしないといけないからな。幽霊には食料をあげなくていいので、気楽でいい。さあ、食料探しの旅を頑張ろう」
リバT『目的を忘れないでくださいね。呪術師探しの旅ですから』
キャサリン「そんなことは分かっておる。さて、どこを探したらいいのやら?」
リバT『選択肢は二つです。呪術師と言えども、飲み水は必要。ならば、川伝いに行くと手がかりがあるのではないか? そう考えたわけですが、川をイカダで遡るか、それとも陸路の旅にするかです』
キャサリン「陸路で行こう」
マンゴ「どうしてだ?」
キャサリン「フェルナンドから教えてもらった採集の技は、陸地でしか使えん。川をイカダで上りながら、食料探しをするなど難しいじゃろう」
マンゴ「オレが生きていれば、魚でも釣って、美味しい焼き魚でも作ってやるのによ」
キャサリン「どっちにせよ、イカダで移動しながら釣りは難しいのではないか? 徒歩なら、道中で拾い食いぐらいはできよう」
リバT『それでは、陸路です。川沿いに進もうかと思っていると、北西の火山の方から誰かの呼ぶ声が聞こえて来たような気がしました』
キャサリン「女神の導きと信じて、そちらへ進むのじゃ」
リバT『下生えを掻き分けながら進むと、ラズベリーのような果実のぶら下がった木が見つかりました』
キャサリン「女神の加護じゃ。さっそく、もぎ取って食う」
リバT『本当に女神の加護だったかどうか、運だめしして下さい』
キャサリン「このダイス目には、我の信仰が試されておる。(コロコロ)出目9。運もピッタリ9で成功じゃ。今、8に下がったが」
リバT『おめでとうございます。美味しい果実で、体力1点回復しました。運だめしに失敗すれば、大スズメバチ(技6、体6)に襲われて、技術点1を失う可能性もありました』
キャサリン「ふう。これで、体力点15。少しは腹の足しになった」
リバT『さらに進むと、木の枝からロープに垂れ下がった袋を見つけました』
キャサリン「中身を確かめるのじゃ」
リバT『中には食べ物が入っています。蜂の巣、小麦の焼き菓子、果物ですね。この場で食べてもいいですし、後で体力2点を回復する軽食として持って行くこともできます』
キャサリン「今、この場で食べると、技10、体9の熊に襲われるという予感がした」
リバT『同時に、熊を倒すと【真鍮の笛】が入手できるという予感もしますよ』
キャサリン「そんな物のために、熊と戦うリスクは冒せん。こっそり食べ物袋を持っていき、熊に襲われない次のパラグラフ(27)で、美味しくいただく」
リバT『体力2点回復してください(残り体力17点)。ここまで順調な陸旅を続けて来たキャサリンさんですが、夜になったので野宿を行います。運だめしを行なってください』
キャサリン「(コロコロ)2じゃ。残り運点7じゃが、今回は成功」
リバT『失敗したら、吸血コウモリに血を吸われて、2点ダメージを受けるところですが、女神の加護が働いたのか、無事に夜を過ごせました』
キャサリン「次に運だめしを要求されたなら、幸運のポーションを飲むようにしよう。旅を再開する」
リバT『翌朝、食べ物も心配ですが、水筒の水もほぼ空になっていたことに気づきました。水源を探すと、岩のくぼみに雨水が溜まっているのを見つけて、喉をうるおすととともに、水筒に補充します。ふと気づくと、水たまりの近くの岩に木炭で何かの印が付けられていることに気づきました。読んでみますか?』
キャサリン「マンゴ、頼む。この世界の文字には不案内じゃ」
マンゴ「やれやれ。文盲の戦乙女さまには、まだまだオレが必要ってことだな」
リバT『どうやら、呪術師からのメッセージのようです。「異界の女神の使いよ。わしを見つけたくば、鳥の羽根を見つけて、髪に差せ」との指示書きが読みとれます』
キャサリン「ほう。呪術師どのは、こちらの存在に気づいておるのか。さすがと言えよう。ならば、その導きに従うべし」
・技術点:11
・体力点:17/20
・運点:7/11
・食料残りなし
・所持品:幸運のポーション、クロスナイフ(マンゴの霊を封入)、ロープ、島の地図、解錠ワイヤー、ソグの兜(初手は必ず勝つ)、小さな金塊、【無限の小袋】、登攀ブーツ、鉄の鍵3本、【ヴァルハラの角笛】、ソグの剣(+2)
・備考:アニスの実の味の乳白色の液体を飲んだ
川渡りIFルート
リバT『それでは、呪術師さんからのメッセージを受けとった後、先程の分岐で選ばなかった川ルートの方を確認しましょう』
キャサリン「その間、ゲームとしてはしばし休憩じゃ」
リバT『川ルートは、明確に外れと考えられますね。最初に、上流の川は岩が多くて、漕ぎながら迂回をさせられるばかりで疲れ果ててしまいます。そして、休憩している間に、蚊に刺されて運だめしを要求されます。失敗したら、疫病に感染してしまい、3点ダメージを受けてしまいます』
ダイアンナ「病気は大変だね」
リバT『しかも、体力を削られて11以下になったら、さらに体力点3と技術点1を失う始末。この場合、病気(マラリア)から回復するのに時間がかかり、気がつけば背負い袋の中の保存食も蟻かウジ虫に食べ尽くされてしまうという悲劇に』
キャサリン「まあ、今は手持ちの食料がないから、そのイベントに出会っても、被害は少ないのじゃが」
マンゴ「それでも、病気で技術点が減るのはキツいだろう」
リバT『次にウォーター・エレメンタルに襲われて、技術点判定に失敗すれば、バッドエンドの危機が。成功しても保存食を全て失ったり、いろいろペナルティーを負いますね。【無限の小袋】を持っている場合だけ、運だめし成功でエレメンタルを封じ込めることができます」
ダイアンナ「すると、エレメンタル召喚が使えるようになるのかね?」
リバT『それができれば強いのですが、エレメンタルの力は制御が難しくて危険なので、袋ごと埋めてしまおうって話になります。とにかく、こちらに来るとデメリットが多く、運だめしでバナナを入手できる可能性もありますが、失敗すると、タランチュラに襲われて3〜4点のダメージを受けたり、リスクが非常に大きいのでお勧めはできません』
キャサリン「それから、陸ルートの野宿イベントに合流するのじゃな」
リバT『結論、呪術師さんは川沿いにいなくて、火山の近くに住んでいるようですね』
呪術師との遭遇
リバT『呪術師さんからの羽根に関するメッセージを受けとってから、確信をもって火山に向かいます。すると、丘トロール(技9、体9)の待ち伏せにあいますね』
キャサリン「先制ソグビー……」
リバT『おっと、今回ソグビームは使えません。トロールの待ち伏せ効果と、ソグの兜の先制効果が打ち消し合って、普通のバトルです』
その結果、トロールから2点ダメージを受けたものの、撃退に成功。残り体力点15点。
リバT『トロール戦を切り抜けたあと、近くの岩にカモメの死骸を発見しました』
キャサリン「鳥の羽根を抜きとって、髪に結ぶといいのじゃな」
リバT『次に、入り口に頭蓋骨の設置された洞窟を発見します』
キャサリン「これは……シャーマンの証」
マンゴ「ゴブリンシャーマンかもしれないぞ」
キャサリン「大丈夫。この洞窟には萌えの匂いがする」
マンゴ「何だそりゃ?」
キャサリン「とりあえず、入ってみるのじゃ」
リバT『すると、槍が飛んできます。運だめししてください』
キャサリン「ここで慌てて、幸運のポーションを飲んで、運点12になった。そして(コロコロ)よし、9。運だめしに成功じゃ」
リバT『では、洞窟の中にいたのは、こういう穴居人の女でした』
マンゴ「確かに、萌えガールだな。よし、ここは説得して仲間になってもらおう。君もいっしょにトカゲ王を倒すのに協力してくれないかって」
リバT『女は怯えたように、ガガピーと悲鳴をあげて、マンゴさんの方に敵意の視線を向けます』
マンゴ「ヘッ? ガガピー? 我のルル? オレの姿が見えてるの?」
リバT『野生の本能で、幽霊に取り憑かれているキャサリンさんを敵だと決めつけて、聞く耳も持たず、襲いかかって来ますね。技術点5、体力点5でゴブリン並みの弱さですが』
マンゴ「やはりゴブリンだったか」
リバT『姿形は萌えガールですが、中身はゴブリン並みの蛮族です。戦ってください』
キャサリン「やむを得ない。先制ソグビームを、致傷モードから麻痺モードに切り替えて、ソグの剣も刃ではなく、柄で殴るように気絶させる。殺すには忍びない」
可愛いは正義なので、穴居人の女は気絶にとどめられた。そして……
キャサリン「洞窟の中で、赤い顔料の粉を顔に塗るのがここでのイベントじゃ。すると、運点も2点回復するし、後のイベントでも役に立つ」
リバT『この顔料は、精神支配に対抗する力があるんですね。まあ、絶対に必要なアイテムではないのですけど』
キャサリン「それでも、萌えガールを見たい一部の読者向けサービスじゃ。我にはイラストがないゆえに」
リバT『本作は、ワイルドなアマゾネスとか女ターザン風味のキャラが好きな人向きのイラストが2点もあるんですね。もう一つは、次回に掲載予定』
キャサリン「そして、いよいよ火山の麓にやって来た(303)。ここで火山の周囲を調べても、カミソリ牙という爬虫類と戦うだけで得るものがないのでスルーして、火山に登って行くのが正解と、呪術師が思念を送って来たのじゃ」
マンゴ「ただのチートにそれらしい言い訳をしやがって」
キャサリン「次いで、呪術師のためのアイテム置き場を見つける。そこに何かのアイテムを1つ置けば、道が開けるらしいが、何を置けばいいじゃろうか?」
マンゴ「鉄の鍵が3本もあるんだ。1本ぐらい置いて行ってもいいだろう」
キャサリン「では、それで」
リバT『すると、岩の列が赤く染まって、1本の道を示します。その赤い道に沿って、ついにあなた達は呪術師さんの洞窟に到達します。羽根を髪に付けていなければ、彼は敵意を見せて、下手するとバッドエンドを迎える危険性もありましたが、あなた達は彼のメッセージを正しく受けとったので歓迎してもらえます』
呪術師『異界の女神の使いと、その介添役たる魂よ。よく来た。待っておったぞ』
マンゴ「介添役たる魂……ってオレのことか? 見えているのかよ」
呪術師『無論だ。この世と異なるあの世を見とるのが、わしの生業なれば、そなたらのことは島に上陸した時から気にしておった。そして、他の異界の存在もな』
キャサリン「すると、ゴンチョンのことも知っているのじゃな」
呪術師『その名を安易に口にするでない! 呪われるぞ』
キャサリン「そういうものか。では、Gと略して呼ぶとしよう」
呪術師『うむ、それならば問題なかろう。正直に言うと、トカゲ王が呪術で邪悪な存在を呼び出したことは感じておったが、まさかGであったとはな。霊体ならば、わしの専門じゃが、物理的な肉体をもって召喚された魔物は、わしの手に余る。やはり、戦乙女どのの力こそが島の邪悪を払う鍵となろう』
キャサリン「我はその異界の邪悪を退治するために、この世界に呼び込まれたと言うことか?」
呪術師『世界が善悪のバランスをとるために為したことかも知れぬし、そこに運命神の作為を感じる者もいよう。だが、いずれにせよ、分かっていることは一つ。異界の力を制するのは、異界の力のみ。ゆえに、わしらはそなたに希望を託すしかないのじゃ。この島でGに匹敵する異界の力を操れるのは、そなたを置いて他にない』
キャサリン「元より、邪悪を倒すのが聖闘士の使命。しかし、我は仁力勇には秀でていても、知恵には自信がないのじゃ。不死身の敵をどうやって倒すのか、お主の知恵を借りたい」
呪術師『我が知恵を託すには、そなたに試練を受けてもらう必要がある。それが呪術に関わる者の習わしゆえに』
キャサリン「試練か。望むところよ。何をすればいい?」
リバT『呪術師さんが示した試練は、幸運・恐怖・苦痛・忍耐・体力・器用の6種類です。その中から3つを選んで、成功すれば合格です』
キャサリン「ならば、最初に選ぶのは……恐怖じゃ。恐怖は『地獄の館』で散々乗り越えてきた」
リバT『では、呪術師さんがあなたの頭に指を向けて、恐怖の思念を送り込みます。純粋な恐怖の波が押し寄せてきて、あなたの正気を削り取ろうとしますが、穴居人の女のところで塗った赤い顔料の魔力が守ってくれます。あなたは悲鳴をあげることなく、恐怖の試練を乗り越えました』
キャサリン「勇気が我に力を与えてくれたようじゃな」
マンゴ「勇気はあまり関係なかったような気もするが、結果オーライって奴か。次の試練は何だ?」
キャサリン「苦痛にも耐えてみせよう」
リバT『呪術師さんは、あなたに2本の骨を手渡し、それぞれの手でしっかり握りしめるように言います』
キャサリン「言われたようにするのじゃ」
リバT『すると、全身の筋肉が弾け飛ぶような感覚に襲われます』
キャサリン「キャサーーーッと悲鳴を上げそうになりながらも、クッと歯を食いしばって痛みに耐えるのじゃ。聖闘士たる者、これぐらいで弱音を吐いていては、小宇宙(コスモ)の高みには到達できぬ」
リバT『あまりの苦痛に気を失いそうになった瞬間、呪術師さんはあなたの手から骨を回収しました。苦痛が幻だったかのように消失します。「さすがは女神に選ばれた戦乙女よ。2つめの試練にも合格するとはな」と、感心したように言いますよ』
キャサリン「パラグラフ選択だけで、条件なしで果たせる試練を乗り越えるのは容易い。問題は次じゃ。器用の試練、これはダイスを振らなければならぬ」
リバT『確実性を期したければ、幸運か体力をお勧めしますね。どちらも2Dを使った判定ですから、運点か体力点が12以上の今なら100%確実に成功しますよ』
キャサリン「運だめしは運点が減るから却下じゃ。体力点は……プレイヤー自身なら喜んで挑みたいでごわすが、キャサリンはこう見えても女の子。キャライメージから考えても、体力勝負はどうもなあ」
リバT『岩を持ち上げる試練ですからね。では、技術点判定でクリアできる器用の試練を頑張って下さい。短剣を投げてオレンジに命中させるだけです』
キャサリン「6ゾロが出なければ、成功。(コロコロ)よし、3じゃ」
リバT『では、キャサリンさんは3つの試練を乗り越えました。ちなみに、最後に残った忍耐の試練だけは、《混乱》の指輪(技術点マイナス2)を装着していないと成功できないので、普通に考えたら、外れの選択肢と言えます』
キャサリン「この試練のためだけに、技術点マイナス2の呪いを抱え続けるのはハンデが大きすぎる」
リバT『とにかく、試練を果たしたキャサリンさんに、呪術師さんは満足げな笑みと称賛の視線を向けながら、ゴンチョンを倒すための知恵を託します。その内容は以下のとおりですね』
・ゴンチョンに寄生された宿主は、普通の武器では傷つけられない。唯一、【炎の剣】だけが宿主を傷つけることができる。【炎の剣】はこの島に2本あり、1つはトカゲ王自身が使っているもの。もう1つは、トカゲ王の収集品貯蔵庫に隠されていて、古びたナイフのように幻術で偽装されている。
・トカゲ王は恐るべき腕前の剣士となっているが、サルだけがトカゲ王を恐れさせることができる。ゴンチョンの精神支配も、トカゲ王のサルへの本能的な恐怖を抑えることはできない。
・トカゲ王を倒したら、すぐにゴンチョンにトドメを刺さないといけない。さもなければ、宿主を倒した相手に飛びついて、新たな寄生先とするであろう。
リバT『以上が、ゲームブック原作でのトカゲ王の倒し方ですが、当攻略雑話では、オリジナルで次のような話を呪術師さんはしてくれます』
呪術師『3つの試練を乗り越えた戦乙女よ。そなたが試練を果たしたことで、異界にいるそなたの女神アテナにも、少し交信がつながった』
キャサリン「何と。それはまことか?」
呪術師『もしも、そなたがこの先の旅の最中に、使命を果たせずに命が尽きそうになった場合、女神アテナの名前を呼ぶといい。そうすれば、大いなる小宇宙(コスモ)が奇跡を起こすであろう、と』
キャサリン「それは心強いのじゃ。さすがは我が女神。その加護たるや、ソーサリーのリーブラ女神の加護に勝るとも劣らない……と考えていいのじゃな」
リバT『それは、その時の楽しみにってことで。まあ、死なないのがベストですけどね。で、もう一つ、当記事ならではのネタがありまして』
呪術師『そして、トカゲ王を倒すために、もう一つの力がある。そなたのクロスナイフとやらが真の輝きを取り戻すためには、三つの守護聖霊の力が必要らしい』
呪術師『一つは、介添役の魂、すなわちマンゴ』
マンゴ「オレかよ」
呪術師『無論だ。クロスナイフに宿りし魂よ。そなたこそクロスナイフが光を取り戻す、この世界の力だ。しかし、その力を使い果たし、使命を終えたとき、そなたはこの世に留まる力を失い、冥府へと旅立つことになろう。今あるのは、あくまで未練を残した仮初の意識なのじゃ。死者の霊魂は、新たな輪廻の軌道に乗らなければならない。不自然な混沌状態を続けていれば、そなたもいずれ悪霊としてさまよい続けねばならぬ。そうはなりたくなかろう?』
マンゴ「あ、ああ。オレが今ここにあるのは、キャシーと共にトカゲ王を倒すため。それが果たせれば、この世に未練は残るわけない。笑って、別れを告げるとするさ」
キャサリン「マンゴ……我はお前のような友と、この世界で知り合えて良かったと思っておる(涙目)」
マンゴ「よせよ、キャシー。まだ使命は果たし終わっていない。今から泣くのは早いぜ。そして、使命を果たし終えたら……泣くんじゃなくて、笑顔でオレを旅立たせてくれよな」
キャサリン「あ、ああ、陽気なお前を見送るのに、涙は似合わない。涙はお前の好きな海に捧げるとしよう」
マンゴ「そのためにも、オレたちは勝たないとな」
キャサリン「あ、ああ。負けて泣くより、勝って泣けの心じゃ。喜びの涙で別れよう。我は自分の世界へ帰り、お前はあの世へ旅立つ。どちらにせよ、別れは必定じゃった」
マンゴ「それまではよろしくな、聖闘乙女(セインティア)」
キャサリン「ああ、相棒」
呪術師『……話を続けるぞ。マンゴは三位一体の守護聖霊の一つに過ぎん。他の二つは、戦乙女よ、そなたの世界から迷い込みし縁者だ』
キャサリン「それって、もしかして……」
呪術師『心当たりがあるようだな』
リバT『違います。カニ子とコニカに決まってるじゃないですか!?』
リバT『当記事を続けている間に、いいネタが思い浮かんだので、登場することになりました。原作ゲームブックをアレンジして、カニ子とコニカが出て来ます。ただし、魂がアランシアに漂着して、輪廻転生を遂げてですけど。付きましては、クイーンにコニカの方をプレイしていただければ、と思います』
ダイアンナ「コニカか。コクコクとうなずいていたらいいんだね」
リバT『いや、それはクイーンのロールプレイ力にお任せしますが』
ダイアンナ「では、コニカが出て来たら、あたしが担当する、と」
キャサリンは、無事に3体の守護聖霊を見つけ出して、クロスナイフに輝きを取り戻すことができるのか?
全ては、ダイスの紡ぎ出す運命のレールに導かれるままに。
(当記事 完)
・技術点:11
・体力点:15/20
・運点:12
・食料残りなし
・所持品:クロスナイフ(マンゴの霊を封入)、ロープ、島の地図、解錠ワイヤー、ソグの兜(初手は必ず勝つ)、小さな金塊、【無限の小袋】、登攀ブーツ、鉄の鍵2本、【ヴァルハラの角笛】、ソグの剣(+2)
・備考:アニスの実の味の乳白色の液体を飲んだ