鉱山攻略を前に
カニコング「前回は、想定よりも酷い目にあったでごわす」
アスト「まさか、技術点2差で勝っている相手から、8点もダメージを受けるとは思っていなかったな」
カニコング「あと一撃、あと一撃で倒せるはずのところで、瀕死の敵があれほどの小宇宙(コスモ)を燃やして、会心の4連打を仕掛けて来ようとは! 青銅聖闘士の小僧に思いがけない敗北を喫した黄金聖闘士の気持ちが分かったでごわす」
ダイアンナ「リザードマンが第七感(セブンセンシズ)とやらに目覚めたとでも言うのかい?」
カニコング「こちらが2差で負けていたのに、奇跡の4連打を放つことができたら、素晴らしい快挙であったろうに、逆の立場に立ってみると、これほど悔しいことはないでごわす」
アスト「まあ、結局、勝ったんだからいいじゃないか」
カニコング「まあ、そうだが、食料の残りが2個になって、この先の旅路を乗り越えることができるのであろうか、と不安を覚えている」
リバT『「死んだら死んだでその時だ。ネタとして面白おかしく書いてやるから安心して死ね」と作者NOVAからのメッセージです』
アスト「おいおい。他人事だと思って、何てことを言うんだ? こうなったら、カニコング、何としても生きてトカゲ王を倒せ。マンゴ役として、心の底から応援してやるぜ。ここから、上手く巻き返して、攻略成功したら、お前にキングの座を返上してやってもいい」
カニコング「本当でごわすか? すると、吾輩が元のクラブキングに返り咲いてもいいと?」
アスト「ああ、その代わり、オレは王の上を行く皇帝、カイザーの称号を名乗るけどな。人呼んで、アストカイザーだ」
リバT『プロレスの星もどきな、変な称号を与えないためにも、キャサリンさんには死んでもらわないといけないな、と作者の思念が伝わって参りました』
アスト「何だと!? ならば、何としても死なずにクリアして、NOVAの奴をギャフンと言わせてやる。よし、行け、カニコング。前回のような失態は2度とするなよ」
カニコング「合点承知でごわす」
ダイアンナ「やれやれ。ゲームブックの攻略記事で、どうしてブログの運営体制まで大きく変えるようなギャンブルを仕掛けてくるかね、ダディは?」
リバT『では、話が(無理やり)盛り上がって来たところで、いよいよクライマックスその1、野外冒険メインの本作初のダンジョン探索に移りたいと思います』
ダンジョン突入(147)
キャサリン(カニコング)「思いがけず、強敵リザードマンの猛攻を受けて傷ついた我は、しかし何とか残り少ない食料で体力を回復し、囚人たちが捕らわれているという鉱山に突入するのであった」
マンゴ(アスト)「ここが噂の鉱山か。見ろよ、足跡がいっぱいだ。真っ暗な洞窟だったら、明かりをどうしようかと思っていたが、どうやら通路に松明が設置されているようで良かったぜ」
リバT『解説をありがとうございます。通路をまっすぐ進むと、すぐに道が左右に分かれていますよ。右か左か、どっちに進みます?』
キャサリン「右だ」
マンゴ「どうしてだ?」
キャサリン「ここは昔、来たことがある。伝説の戦士ソグの兜がそう言っている」
マンゴ「そうなのか?」
リバT『何だかんだ言って、カニコングさんは本作を一度はクリアしているそうですからね。だったら、この鉱山の地図をあらかじめ頭に入れているのでしょう。それを踏まえた演出ロールプレイだと思っていただければ』
マンゴ「少しチートな気もするが、生き延びるために使えるものは何でも使う。そういう本気モードってことだな」
キャサリン「正直に言えば、最短攻略を目指すには、左に行く方が早い。しかし、右に行けば、貴重なアイテムが手に入るのじゃ。そう、戦士ソグがここに遺した名剣と角笛がな。それさえあれば、この先の戦いの役に立つはず」
マンゴ「伝説の戦士が使った剣と角笛か。そいつは凄いな」
リバT『ゲームブック本編には、剣と角笛がソグゆかりの物だとは書いていないのですが、カニコングさんが勝手に話を改変しているのですね』
キャサリン「とにかく、右の28番へ進むのじゃ」
リバT『すると、道はまた2つに分かれます。まっすぐ(101)と左(226)のどちらへ向かいますか?』
キャサリン「先に左じゃな」
マンゴ「さすがは道を知っていると豪語するだけはあるな。迷いなく進んで心強いぜ」
リバT『通路は狭く、屈まないと進めません』
キャサリン「それでも押し通る」
マンゴ「おいおい。大丈夫かよ」
キャサリン「我を信じよ」
リバT『狭い通路は左右へ分岐しますね』
キャサリン「右の383番は外れじゃ。無駄に運だめしをさせられて、崩落で4点ダメージを受けたりもする。当たりは、左の68番じゃ」
マンゴ「答えを知ってると卑怯な気もするが、無駄に運点や体力点を削られたくもないもんな」
リバT『左の68番に進むと、道はまた左右に分かれていますし、戻ることもできます』
キャサリン「左の278番は行き止まりで、無駄足を踏まされたことで運点を1点削られるペナルティーじゃ。したがって、右の70番へ進む」
リバT『天井が不意に崩れて、5点ダメージを受けます』
キャサリン「ヘッ?」
マンゴ「ヘッじゃねえだろうが! 残り体力点10点だぞ。大丈夫かよ」
キャサリン「大丈夫じゃないので、なけなしの食料を食べて回復したいのじゃが?」
リバT『その前に運だめしをして下さい』
キャサリン「(コロコロ)9。危ない危ない。運点は10だから何とか成功じゃ。今ので9に減ってしまったが」
リバT『失敗していれば、ダメージの喰らい損になっていたところですが、成功したので瓦礫の中から伝説の【ヴァルハラの角笛】を発見します。運点を2点回復してください』
キャサリン「運点MAXにして、無事に角笛を手に入れて、ホッとする」
マンゴ「ホッとしている場合じゃないだろうが。その角笛に体力点5点を犠牲にする価値があるのか?」
キャサリン「正直分からんが、とりあえず今は腹ごしらえじゃ。体力点14で、食料の残りは1食。本当に厳しくなったものよ。次のプレイがあるなら、幸運ポーションよりも体力ポーションの方がいいのでは? って気がする」
マンゴ「次のプレイなんて言ってるな。このプレイでしっかり最後まで頑張るんだよ!」
ダイアンナ「カニコングよりも、アストの方が真剣になってないか?」
マンゴ(アスト)「NOVAの奴を見返してやりたいんだよ。さあ、伝説の角笛をゲットしたら、次に行くぞ、次」
キャサリン「角笛を入手後は、来た道を逆に戻る。方向感覚が逆になって混乱するので、パラグラフ番号から判断することになるのじゃ。まずは左へ進み(172)、そこから右の4番へ進むと、T字路の左へ進んで、101番に向かうことができる」
ダイアンナ「いろいろ、ややこしい迷路みたいだね」
リバT『後で地図を示しましょう。ともあれ、101番の通路の中央には、木の車輪の手押し車が横倒しになっていて、ドワーフの物らしき骸骨が傍らに転がっています。どうやら岩ウジが出て来たであろう穴が開いていますが、その穴に入ってみますか? それとも、手押し車の先の通路に進み続けますか?』
キャサリン「宝が岩ウジの穴にないのは分かっている。先へ進むぞ」
リバT『その先は、また道が左右に分かれていますが?』
キャサリン「左の19番だ」
リバT『そちらへ進むと、縦穴の縁に到着して行き止まりです。穴を降りる梯子がありませんが、謎のブーツを履いているなら、ブーツに秘められた魔力が発動します。どうやら【登攀ブーツ】という名前だったようで、壁を歩いて降りることができました』
ダイアンナ「便利なブーツだね」
キャサリン「こんなこともあろうかと履いていたわけだ。ラッキーと言えよう」
リバT『本当にラッキーなので、運点+1ですよ』
キャサリン「MAX状態なので意味がない。しかし、ここに我が愛剣が眠っておる」
リバT『ええ。技術点+2の名剣です』
キャサリン「惜しむらくは、原技術点が+2ではないということじゃな。技術点が減っていなければあまり美味しくないのがFFの多くの名剣の類。まあ、ソグの長剣(+2)と勝手に名付けるのじゃ」
リバT『ゲームブック原作では、特別な名前のない「みごとな剣」表記でしかないのですね』
キャサリン「剣の名前は持ち主が自由に決めていいじゃろう」
リバT『それと、元の剣は穴に投げ捨てると原作では書かれてあるのですが……』
キャサリン「マンゴの形見の剣じゃ。捨てるのは忍びない。マンゴの剣と呼称して、大事に持って行く」
マンゴ「済まねえな」
キャサリン「さて、右の通路にはグラニットが生息していて、ダメージを受けるだけなのでスルーするのじゃ」
ダイアンナ「グラニットって、確かサラモニスの近くの鉱山でも出て来たモンスターだよね」
マンゴ「鉱山と言えばグラニットというのが、アランシアの生態らしい。どうやら本作が初出らしいな」
リバT『結局、サラモニスでもグラニットと戦ったわけではなく、本作でもスルーされてしまう。パラグラフ解析で存在することは確認しても、実プレイで遭遇したことはないという魔物になるわけです』
ダイアンナ「コンピューターゲームで言うなら、攻略本で名前と姿、能力は知っているけれど、実際にエンカウントしたことがないモンスターってことだね」
キャサリン「不意打ちでいきなりダメージ1点を与えてくるうえ、数が多くて面倒な敵。ゴブリン以下の弱小モンスターと言えど、得るものが何もなければ、スルーするのが正解なのじゃ」
リバT『一応、ガラガラヘビに噛まれたことがあって、【無限の小袋】を持っていれば、グラニットの一匹を袋に入れて持って行くことができるんですけどね』
ダイアンナ「グラニットを召喚モンスターみたいに呼び出せるのかい? そいつは面白い」
キャサリン「呼び出せたとて、大して役に立つわけでもないので、体力点1点削る価値があるとは思えない」
マンゴ「解錠ワイヤーのために食料3食、ソグの兜のために体力5点、鉄の鍵のために体力8点、角笛のために体力5点を削ったのは割に合うのかね?」
キャサリン「解錠ワイヤーと鉄の鍵は必要なかったのかもしれんな。次回のプレイでは、それらを入手しないことも検討しよう。とりわけ、リザードマン戦の大ダメージはまことに想定外じゃった」
ダイアンナ「アイテム入手のために失うリソースのことも計算に入れないといけないなんて、ジャクソンのパズル性とはまた違ったゲームなんだね」
リバT『この作品は、ただパラグラフ選択で読み進めるのと、じっさいにダイスを振って、体力や食料管理をしっかり行うのとでは、面白さの感覚がずいぶん変わって来るように思えますね。ダンジョンとはまた違った野外サバイバル感覚を味わえる感じで』
キャサリン「とにかく、角笛と愛剣を手に入れた以上は、鉱山の右側ルートを探索する目的は果たした。あとは左側ルートで奴隷解放の道を歩むとしよう」
・技術点:11
・体力点:14/20
・運点:11
・食料残り2→1
・所持品:マンゴの剣、幸運のポーション、クロスナイフ(マンゴの霊を封入)、ロープ、島の地図、解錠ワイヤー、ソグの兜(初手は必ず勝つ)、小さな金塊、【無限の小袋】、謎ブーツ改め登攀ブーツ、鉄の鍵3本、【ヴァルハラの角笛】、ソグの剣(+2)
・備考:アニスの実の味の乳白色の液体を飲んだ
落盤と角笛(70)
lーー68ー狭い通路(226、172)ー383(落盤)
行き止まり(278) l 岩ウジの穴
l l 名剣(要ブーツ)
274(44、47)ーーー28(4)ー手押し車(101、361)ーl
l グラニット
l
鉱山入り口(147)
奴隷解放への道
リバT『さて、入り口から最初に左へ行けば、パラグラフ274番。右ルートから戻って来たら、44や47番になるのが左の奴隷解放ルートですね。右側のアイテム獲得イベントをスルーするなら、まっすぐこちらへ向かうのが最短にして最適解になります』
キャサリン「しかし、役立つアイテムは取り逃がしたくはないものじゃ」
リバT『だけど、アイテムを極力入手しようと思えば、リソース消費が大きくなり過ぎるジレンマがあるんですね。ですから、どのアイテムの入手を優先し、どれを諦めるかが、本作攻略のポイントかもしれません』
ダイアンナ「アイテムの有効価値を見極めることも攻略の一環なんだね」
リバT『もちろん、初見ではどこに何のアイテムがあるかが分かりませんので、まずはそれを確認しないといけません。続いて、そのアイテムを使用する局面を確かめて、アイテム効果と入手するためのリスクを計算に入れて……実はリビングストンさんって、ビジネスの専門学校で経営学を修得した才人でもあって、本作は「アウトドア・サバイバルにおける投資と損益計算の児童向き経営入門テキスト」と見なすことも可能かと』
ダイアンナ「リソースが体力点や食料で、それを資本として個々のアイテムを購入する価値があるかどうかを見極める経営判断を学べるってことかい」
リバT『まあ、リソースが無限だったり、拡大再生産ができるゲームなら、欲しいものをどんどん購入して行けばいいのでしょうけど、本作は限られたリソースが割とカツカツなので、入手アイテムを取捨選択することが本作の秘められたゲーム性だと考えます』
マンゴ「必要アイテムは少ないけど、何が有用アイテムか、それを入手するメリットがリソース消費に見合うものかどうかを考えろってことだな」
キャサリン「そんな緻密に考えなくても、ダイス運さえ良ければ、普通にクリアできるのじゃ」
マンゴ「技術点2差で、8点もダメージを受けた男が言うことか」
キャサリン「我は女じゃ」
マンゴ「キャラじゃなくて、プレイヤーの話をしている。とりあえず、運が良ければ乗り越えられると豪語するなら、それを証明してみせるんだな」
キャサリン「おお。とにかく、左ルートには梯子付きの縦穴があって、それを降りると、もう上には戻れないパラグラフ315番なのじゃ」
リバT『左ルートは下の階層になるので、平面マップでは表現しにくいです。別のマップを用意した方がいい感じですね。で、鉱掘作業はこちらで行なっている物音が聞こえますので、先にこちらへ向かえば、もう人のいない寂れた鉱道の右ルートは探る必要がないとストーリー的に判断できてしまうわけです』
キャサリン「そちらにアイテムが隠されていると考えなければ、物語的には寄り道でしかない。それでも、我は角笛と剣が欲しかったのじゃ」
マンゴ「分かった、分かった。そういうプレイヤーのこだわりも、ストーリーゲームでは大切だもんな。損得だけで得られない醍醐味があるってことは分かる。得か損かだけでゲームを攻略するような浅ましさは、物語を味わうセンスが欠けているとは、その昔、安田社長だっておっしゃっていた。お前は正しいよ。……生き延びることができればな」
キャサリン「うむ。己の正義を証明するには、結局、生きて目的を達成しなければならない。改めて決意を固めるのじゃ」
リバT『そうして鉱道を進んでいるうちに、背後から何者かの気配が近づいていることを感じました』
キャサリン「今は敵に見つかるとヤバいと感じて、物陰に身を隠す。余計な血を流したくはない」
マンゴ「敵の血ではなく、自分の血のことだけどな」
リバT『戦うならば技7、体7のリザードマンが、今はキャサリンさんに気づかず通りすぎました。ここで前に【不器用のポーション】を飲んでたら、ちょっとしたトラブルイベントが発生するのですが、そんなことはなく、上手く敵をやり過ごせたので、運点+1です』
キャサリン「う〜む、本作で大事なのは、やはり幸運ポーションよりも、体力ポーションだったと思う。運は割と、小まめに回復してもらえる作品のようじゃ」
ダイアンナ「そういう作品ごとの最適解も、ゲーム攻略の一環だね」
マンゴ「まあ、運は運で大事なリソースだけどな。強敵相手だと、戦闘で活用することで戦闘時間を減らすことができる」
キャサリン「強敵相手なら、そういう判断もしようが、瀕死の弱敵がまさかの猛反撃をして来るとは、思いも寄らず、運を使おうというタイミングすらつかめなかった」
マンゴ「プレイヤーのリアル運の悪さは、どうしようもない事故だからな。まあ、過ぎたことを悔やむのは、死んでからにしておけ。生きているうちは、まだ挽回もできるさ、たぶん」
キャサリン「死んだマンゴに励まされるとは、説得力があるようで、ないようで……まあいい。今は先へ進む」
リバT『先行したリザードマンの背後にこっそり近づき、後頭部に一撃を喰らわせました。水の入ったバケツが転がろうとするのを、上手く受け止めます。どうやら、鉱掘奴隷に水を運ぶ係だったようですね』
キャサリン「ならば、リザードマンに変装して、我が水を運んで行ってやろう」
マンゴ「いや、それは流石に無理があるだろう!?」
キャサリン「リザードマンの皮を剥いで、着ぐるみを作れば何とか……ついでに、肉は料理の素材にして体力点を回復するのに使う」
マンゴ「本作は『ダンジョン飯』じゃねえ。つまらないことを言ってないと、さっさと奴隷を助けに行かないか!」
キャサリン「うむ。聖闘士たるもの、そういう小細工を弄するキャラではなかった。今のはソグの思考に影響されての発言じゃ」
ダイアンナ「ソグって、倒した敵の皮を剥いだり、肉を食べたりしていたんだ……」
キャサリン「100年前だから、思考回路が未開の蛮族寄りだったのじゃろう。では、小細工に走らず、ここから先は聖闘士らしく、一途に突き進む」
リバT『すると、罪人のように鎖で縛られた6人のドワーフが武装したリザードマンに鞭打たれながら、苛酷な労働をさせられている光景が見えました。あなたの心は怒りで満たされ、そのまま戦闘に突入します。リザードマンの能力は、技8、体7です』
キャサリン「うおー、先制ソグビーム! さらに、もう一撃!」
リバT『2ラウンドも戦っていると、それに喚起させられたドワーフさんたちが持っていたハンマーで、あなたを支援して、たちまちリザードマンを血祭りにあげてくれます』
キャサリン「よくやった。褒美にバケツの水を飲むがいい」
マンゴ「何を偉そうに言ってるんだ、お前は。水をあげる前に、鎖から解放してやれよ」
キャサリン「それもそうだな。よし、ここはマンゴの剣で鎖をガンガン断ち切ってやろう。刃が欠けても気にしない」
マンゴ「上等の剣が手に入ったからって、オレの剣を雑に扱うなよ」
リバT『「済まないな。後でしっかり研いでやる」とドワーフさんの1人が申し出てくれます。そして「耐えれば、いつかは助けが来ると信じていたぞ」と、キャサリンさんとがっちり握手を交わし合います』
キャサリン「よし、このまま他の囚人たちを助けて、一斉蜂起するのじゃ。戦いの女神(アテナ)の加護を信じてな」
ドワーフ『おお、お前さんがその戦女神とやらか? 古風な兜と、剣と、角笛を身に帯びて、まるで昔話から抜け出したかのような姿だが……』
キャサリン「我は女神ではない。女神に仕える聖闘乙女(セインティア)じゃ。困っている民を助けるために、この世界に降臨した異界の戦士よ」
ドワーフ『何と。にわかには信じがたいが、その威風堂々とした装いは信じるに足る何かを感じた。今こそ我らの自由を取り戻す時機が到来したらしい。聖なる戦乙女よ、わしらドワーフは謹んでお供いたしますぞ』
リバT『こうして、6人のドワーフ小人を従えた聖闘乙女(セインティア)は、遠目にリザードマンに見えるように変装して、鎖で連行しているように偽装して、鉱山の奥に進むことになりました』
マンゴ「……って、本当にリザードマンに変装するのかよ!?」
リバT『パラグラフ161番にそう書いていますよ。確かに、着ぐるみリザードマンではありませんが、せいぜい奴隷監督らしい装備品を身につけ、頭をフードで隠したりしながら、ムチを振るっているように見せかければ、上手く行けば騙せるかもしれません』
ダイアンナ「そんなので、騙せるものかね?」
リバT『騙せるかどうかは、運だめしの結果次第ですね』
キャサリン「(コロコロ)9じゃ。運は10に減ったが、もちろん成功」
リバT『すると、途中で出会ったリザードマンは疑う素振りも見せずに、通り過ぎます』
キャサリン「チョロいのじゃ」
リバT『まあ、この鉱山で大胆不敵な侵入者がいるだろうってことは、思いもしませんですからね。せいぜい、奴隷の脱走ぐらいしか気にしていないってことで。なお、失敗してバレたところで、最初のラウンドで戦った後は、同行のドワーフさんが集団で襲いかかって、たちどころにリザードマンを血祭りにあげてくれます』
キャサリン「うむ、手下がいると心強い」
マンゴ「手下じゃなくて、仲間と言えよ」
キャサリン「どちらでも、やってることには変わりない。一応、我がこの解放運動の旗頭になる運命じゃからな。そのために伝説の兜と剣と角笛を装着したのじゃ」
リバT『ドワーフさんたちは鉱道に詳しいので、労せず他の囚人たちが働いている場所へ、キャサリンさんを連れて行ってくれました。そこでは、オークの現場監督が取り仕切っていて、あなたの変装に気づこうとしています。運だめしをして下さい』
キャサリン「(コロコロ)7じゃ。運は9に減ったが、もちろん成功」
リバT『失敗していれば、技7、体7のオーク警備兵とのバトルになりますが、成功したので、あなたの代わりにドワーフさんが瞬殺してくれます。「こんな奴は、わしらで十分。戦乙女さまのお手をわずらわせるまでもない」とノリノリですね』
キャサリン「うむ、ご苦労。何とも心強いことだ」
リバT『助けられた囚人は、エルフと人間の男たちですね。今では、14人の仲間があなたに従います。そのうちの1人が、マンゴの知り合いの〈オイスター湾〉の若者ですね』
マンゴ「お前は……キウイ! キウイじゃないか。生きていたのか。オレは死んじまったけどな」
ダイアンナ「何を一人でオチを付けてるんだい(苦笑)」
マンゴ「もう一人、村人が出てきたら、パパイアと名付けるぞ」
リバT『キウイ、パパイア、マンゴーでネタが分かる人は、80年代の若者ぐらいでしょうに』
マンゴ「そんなことはないぞ。21世紀になってからも、何度かカバーされているので、今の若者たちにも知られているはず」
リバT『ともあれ、キウイさんは、村の英雄マンゴさんが討ち死にし、その志をキャサリンさんが受け継いだことを知ると、涙目を決意に変えて、打倒トカゲ王の想いに奮い立ちますよ』
マンゴ「いい奴じゃないか、キウイ。よし、それじゃあ、次はパパイア救出作戦に乗り出そう」
キャサリン「そのパパイアとやらは、どこにいると言うのじゃ?」
リバT『鉱山近くの石の砦が、他の囚人の収容所になっているそうです。場所は、キウイさんが地図を書いてくれますよ。そこを解放すれば、反乱軍の数は63人に膨れ上がる予定ですが、その際のバトルでどれだけの被害を受けるかは、1Dで1〜2、3〜4、5〜6で決まります』
キャサリン「これも大きい出目を出せばいいんじゃな。(コロコロ)2。ぐはっ」
リバT『4点ダメージです。激戦の末、囚人たちを解放することに成功しました』
キャサリン「しかし、これで失った体力点を回復するために、最後の食料を消耗してしまった。体力回復リソースはもはや残っていない(涙目)」
マンゴ「道中で食料が手に入るのを期待するしかないな」
ダイアンナ「大丈夫。腹ペコった冒険者は、あんたが初めてじゃない。あたしたちは、残飯漁りから成り上がった英雄だって知っている」
リバT『では、鉱山イベントはここまでです。鉱山の左側ルートは基本的に一本道なので、マッピングする必要はないですね。次回からは、パラグラフ201番。奴隷解放イベントの後で、トカゲ王を倒すための新たな探索の旅がスタートです』
キャサリン「果たして、食料なしで、この先の危険を乗り越えることができるじゃろうか?」
・技術点:11
・体力点:14/20
・運点:9/11
・食料残り1→0
・所持品:マンゴの剣、幸運のポーション、クロスナイフ(マンゴの霊を封入)、ロープ、島の地図、解錠ワイヤー、ソグの兜(初手は必ず勝つ)、小さな金塊、【無限の小袋】、登攀ブーツ、鉄の鍵3本、【ヴァルハラの角笛】、ソグの剣(+2)
・備考:アニスの実の味の乳白色の液体を飲んだ
(当記事 完)