谷間のIFルート
リバT『前回は、密林から湿地帯を抜け、丘陵地帯を越えたところまで進みました』
キャサリン(カニコング)「丘陵地帯で発見した伝説の戦士ソグの兜。これを入手したことで、我は聖闘乙女の真の使命に目覚め、勇者ソグの後継者として新たな自分を意識したのじゃ」
マンゴ(アスト)「兜に洗脳されて、ますますおかしな妄言を口にするようになったみたいだな」
キャサリン「いや、マンゴ。我は正気じゃ。お主のことも、よーく覚えておる。ただ、これまでの未熟な自分が一皮むけて、成長しただけのこと」
ダイアンナ「のじゃ口調は、むしろカニ子っぽくなったようにも聞こえるねえ」
キャサリン「とにかく、ワイルドな俺ジャン口調から転じて、古風で相手を威圧する我のじゃ口調で少し大人びた美女戦士を演じて見せよう。目指すは、うる星のサクラ先生と言ったところか」
リバT『サクラ先生は、一人称が我ではなくて、わしだったと思うのですが、まあいいでしょう。あまり錯乱したキャラにならないように』
キャサリン「我がこうなったのも、定めじゃ。ところで、前回は谷間を進んだときのIFルートがまだじゃったゆえ、そちらを先にチェックしておこうぞ」
リバT『では、パラグラフ362番から、谷間に下ります。すると、地すべりが発生して運だめしを要求されます』
マンゴ「失敗すると即死か?」
リバT『いいえ。1Dを振って、1〜2、3〜4、5〜6で運命が変わります』
キャサリン「(コロコロ)3じゃ」
リバT『体力点3と技術点1を失います』
キャサリン「なかなか痛いのじゃ。1〜2だと?」
リバT『体力点4と技術点2点のダメージですね。5〜6なら体力点2点のみ。運だめし成功で、無傷です。その後、谷を進んで行くと、「戻れ。さもなくば死ぬ」と書かれた警告文が岩に書かれてあるのを見つけますが、ただそれだけですね』
キャサリン「結局、この場ではソグの兜を入手できるか否かがポイントじゃな」
リバT『ええ。無傷で通過しようと思えば、丘に登る→谷に下りると選択すれば、リスクが一切ありません。登る→登り続ける→運だめし成功で、穴を調べるとソグの兜を入手する流れになりますが、ダメージを受けてしまいますね』
キャサリン「ソグの兜は、リスクを冒しても入手する価値があったと信じよう」
砂地から、さらなる谷間へ(119)
リバT『丘陵地帯を越えると、砂地に出ます。砂地なので足跡が目立っていますね。足跡は二組で、何だか争ったような跡とか、何かを引きずって行ったような跡とか、よく分かりません。ただ、砂地に何か光るものが見つかって、拾い上げてみると、真鍮製のかぎ煙草入れでした。蓋を開けてみることができますが?』
キャサリン「未開の地に、明らかに文明の産物。罠があるとも思えん。開けてみよう」
リバT『開けてみると、小さな金塊と、木炭で文章が書きなぐられたような手紙が入っていました。手紙の文面は以下のとおりです』
『この手紙を読むやつがいるってことは、どうやら俺はトカゲ王の金鉱の奴隷生活から逃げることはできなかったらしい。俺はイカダを峡谷の向こう、平原と川が交わるところに隠している。もし、あんたが俺たちを助けるために来ているのなら、泥の小屋を見つけるまで川を遡ってくれ。奴隷たちが働かされている鉱山はその近くだ。ただし、リザードマンの警備兵には気をつけてくれ』
マンゴ「なるほど。この先の攻略のヒントが書かれているみたいだな。イカダを見つけて、川を遡るといいらしい」
キャサリン「ただ働きじゃなくて、金塊も入れてくれるとは気の利いた御仁だったようじゃ。仕事料を受けとった以上は、必ずこの仕事、やり遂げなければならぬ」
マンゴ「元々、オレの村のことだからな。金なんて関係なしにやるつもりだったが」
キャサリン「我も一宿一飯の恩義と思って来たが、そろそろ一宿一飯じゃ割に合わぬと思っていたところ、また金をいただいた以上はな」
マンゴ「聖闘少女(セインティア)ってのは、金じゃなくて女神の愛やら平和やら正義のために戦うんじゃなかったのかよ」
キャサリン「それはもちろん、そうなんだが兜に宿りしソグの記憶が、『冒険者たる者、報酬はきちんと受け取るべし』と囁いて来る。報酬なしで働くなんざ、金持ちの道楽でもなければ続けていけないそうだ」
マンゴ「正論だ。が、幽霊には金の価値なんて意味がない。金じゃなくて、晴らせぬ恨みをどう晴らすかが大事ってことだ」
キャサリン「カニ座の聖闘士は冥府の番人でもあるからな。死者の怨念は何とかしてやりたいと思う気持ちに偽りはない。旅を急ぐぞ」
リバT『砂地に残った足跡が気になるので追って行くことにします。足跡は新たな谷間に入りますが、地面もまた固くなって、やがて途絶えてしまいました。そのまま谷間を進み続けると、体長6メートルほどの巨大トカゲが出現します。技術点8、体力点9ですよ』
キャサリン「では、ソグの兜の威圧効果で先制攻撃を仕掛けるのじゃ。鋭い眼光で敵が怯んだところを斬りかかる。2点ダメージなので、残り体力点は7。電光石火の一撃で、このまま優位に戦いを進める」
宣言どおり、キャサリンの猛攻は巨大トカゲをたちどころに斬り刻む。
キャサリン「フッ、剣の扱いはあまり慣れていなかったが、兜の戦いの記憶が聖闘士の闘法と組み合わさって、卓越した剣士の技量に昇華された感じなのじゃ」
ダイアンナ「技術点が増えたわけではないので、あくまでダイス目が良かっただけなんだけどね」
キャサリン「ダイス目の良さを演出に利用するのも、ロールプレイの一環よ。それよりも、先ほどの足跡の正体が分かった。何かを引きずった跡というのは、こやつの尻尾だったようじゃ」
池での憩いのひととき(196)
リバT『谷間は一本道なので、さらに西へ進み続けます。すると、まもなく谷が開けて平原になります。さほど離れていない場所に池があり、多くの鳥たちが水を飲んでいるのが見えますね』
キャサリン「ちょうどいい。喉を潤して行こう」
マンゴ「鳥たちが飲んでいる以上は、水が毒ってことはないだろうからな」
リバT『水は冷たく、新鮮そうに見えました。しかし、かがみ込んで水を飲もうとすると、池の底から緑色の影が浮上して、水面から水を噴出してきます。強烈な水鉄砲の攻撃を避けるために、技術点判定をして下さい』
キャサリン「成功じゃ。覚醒した聖闘乙女にそんな不意打ちなど通用せん。何者だ、正体を見せい」
リバT『当たっていれば、目潰し効果で非常に苦戦するはずだったのに。技5、体5の鉄砲ガエルですよ』
キャサリン「不意打ちを仕掛けるしか能のないザコめ。お返しに眼光ビームで、2点ダメージを与えたうえで、切り刻んでくれよう」
リバT『……切り刻まれましたね。では、邪魔する者がいなくなったので、くつろいで水が飲めます。体力点1点を回復してください』
キャサリン「これで17点。食料の残りが少ないので、道中で体力が回復できる機会は大切にして行かないとな」
マンゴ「幽霊に食料が必要ないのが幸いだったな。2人で10食なら、今ごろは食料不足に悩まされていたかもしれん」
キャサリン「アランシアの冒険者と違って、聖闘士には食料を持ち歩く習慣がなかったものでな。考えてみれば、一宿一飯の恩義どころか、マンゴには保存食10個の恩義もあったわけだ。かたじけない」
マンゴ「今さらよせよ。らしくもない」
キャサリン「ああ、俺口調のあばずれ女だったときは礼儀知らずだったが、ソグの兜が闘法だけでなく、武人としての古風な礼儀を身につけさせてくれたらしい。これはこれで、悪くはないような気がする」
マンゴ「そういうものかね。オレは自分以外の誰かに操られている感じで、好きになれないがな」
キャサリン「カニ座の聖闘士は、昔から死者の霊魂に引きずられやすいからな。その分、自分を強く律する我の強さを鍛える修行法らしいが、我の強さが行き過ぎると、身勝手やら強烈な個性の暴走になりがちで、バランス感覚が難しいそうだ。まっすぐ歩くことも、カニ座の闘法では禁じ手らしいし」
マンゴ「カニは横に歩いて、回り込むってことか」
キャサリン「そう。サイドに回り込んで、敵の不意を突いて強烈な一撃を加える。それがカニ座の闘法らしいが、俺はどうも直情的で、まどろっこしいのが苦手だったジャン。しかし、ソグの兜の眼光威圧効果は、真っ直ぐでありながら敵の不意を突ける新たな闘法を教えてくれた。これなら、これまでの修行の成果も十分に活かせるはず」
マンゴ「ふうん、聖闘士とやらの修行もなかなか奥が深いものなんだな。おっと、あれは何だ? 池の底に木箱が沈んでいるようだぜ」
キャサリン「鉄砲ガエルの宝物か? 少し潜って、引き上げてみよう」
マンゴ「おいおい、大丈夫かよ?」
キャサリン「鉄砲ガエルの縄張りに、他の危険はないだろう。それより、マンゴ、あっちを見てろ」
マンゴ「何だ?」
キャサリン「池に潜るのに、服を着たままってわけには行かんだろうが。いわゆるサービスシーンって奴だ。お前は見るなよ」
マンゴ「サービスシーンって誰に向かってだよ。ここにはオレしかいないんだが」
キャサリン「読者に決まっておる。萌えヒロインたるもの、たまには読者の妄想をかき立ててこそ、役割を果たしたと言えるもの」
マンゴ「イラストもないのに、妄想などかき立てられるものかよ。しかも、お前、中身は男じゃないか」
キャサリン「プレイヤーが男でも、人気ヒロインになったケースは、ディードリット(山本弘)やリーフ(安田均)、それにブロウベル(鈴吹太郎)など数多いと聞く。ならば、キャサリン(カニコング)のファンが出ても不思議じゃないでごわす」
マンゴ「いや、そのTRPG業界における錚々たる面々と、カニコングを並べること自体がおこがましい。身の程をわきまえろ。とにかく、オレはお前の裸には興味がないから、安心して潜れ」
キャサリン「う〜ん、車田正美先生が描くカニ座のヒロインキャラを連想してくれればいいだけの話なんだがな」
リバT『車田作品に、カニ座のヒロインキャラなんて登場していませんので、今さらながら、その想像はかなりハードルが高いかと。ヒロインを目指すなら、鷲座、蛇遣い座、カメレオン座に加えて、双子座、乙女座、魚座ぐらいが妥当なところじゃないですか?』
キャサリン「まあ、心は乙女のデストールさんという御仁も過去(出演作は今もチャンピオン誌に不定期連載継続中。次は5月に連載再開?)にはいたそうだが、どうでもいい。余計なことを喋っているうちに、宝箱を引き上げて、服も着直した。さあ、宝箱の中身を教えてくれ」
ダイアンナ「サービスシーンがちっとも機能しなかった気がするんだけど、カニのサービスシーンなんて需要はないからね。ここは女王のあたしが……」
マンゴ(アスト)「よせ。お前のサービスシーンはオレのものだ」
ダイアンナ「アスト……」
マンゴ(アスト)「アニー……」
リバT『はいはい。クイーンとキングには2人の世界に浸らせておいて、宝箱の中身は液体の入った小瓶、ベルベットの袋、赤い革のブーツ、金の指輪の4点ですよ』
キャサリン「う〜ん、それだけあると喜ばしい反面、当たりアイテムと外れアイテムの差も大きいだろう。鑑定でアイテムの効力を見極めたりはできないのか?」
リバT『アランシア知識のないキャサリンさんに、鑑定できるとは思えませんが』
キャサリン「その辺は、聖闘士の勘とか、アイテムの放つ小宇宙(コスモ)とか、ソグの兜が教えてくれるとか、攻略記事の都合とかで何とかならんのか」
リバT『攻略記事の都合と言われると、弱いんですけど。そうですね。では、TRPGのルールになぞらえて、今回は特別に技術点判定でアイテムの効果が分かるとしましょう。本当は、ゲームブックではパラグラフ選択そのものが鑑定効果なんですけどね』
キャサリン「当たり外れは、プレイヤーが甘んじて受けるか、不利な結果は見なかったフリをするチート技を使うかってことじゃな。しかし、まあ、ここは鑑定ダイスを振る形で(コロコロ×4)全部成功じゃ」
リバT『そりゃ、技術点11だと滅多に失敗しないでしょうけどね。裁定が甘かったかもしれません。もしかすると、運だめしの方が良かったのかも。外れアイテムを装着してしまった場合に、運だめしで成功すれば危険に気がついて、とっさに外すことができるハウスルールとか』
キャサリン「まあ、ゲームブックだと再挑戦が可能だから、外れ効果は一度引っ掛かってから、覚えるのが正攻法なわけで、攻略記事の都合上、アイテムの効果は全部調べる必要があるから、とか云々」
・液体:【不器用のポーション】。外れアイテム。1ラウンドめに1Dを振って1が出た場合、剣を落としてしまい、そのラウンドでは負けてしまう。ソグの兜の特殊効果との兼ね合いがややこしくなりそう。
・袋:【無限の小袋】。当たりアイテム。重たく、大きなものでも持ち運べる。入手すると、運点+1を獲得。
・ブーツ:謎のブーツ。履いてみても害はなさそうだが、特殊効果も今はまだ分からない。
・指輪:《混乱》の呪文のかけられた指輪。技術点−2の外れアイテム。ただ、1ヶ所だけ、役立つ場面があるのだけど、デメリットがあまりにも大きすぎて、全くお勧めできない。
キャサリン「以上の鑑定結果を踏まえて、【無限の小袋】と謎ブーツだけを持って行くことにした。その他のアイテムも持って行って、敵に【不器用のポーション】をぶっ掛けたり、《混乱》の指輪をプレゼントしたりすることができればいいのだが、そういうことはできそうにないので、ここで捨てて行くことにする」
リバT『アイテムを自由に何かと交換できたり、何個か捨てて行くように指示されたりするパラグラフがあれば、ゴミアイテムを持って行く意味もあるのでしょうけど、本作ではそういうパラグラフはなかったはずなので、外れアイテムに未練は残さないでいいですね(後日註:雑記その6で出会う呪術師絡みのイベントで手持ちのアイテムを譲るイベントがあった。まあ、ポーションと指輪は効果を確かめる際に飲んでしまったり、呪いで外せないので、譲渡用のアイテムとしては使えないけど)』
・技術点:11
・体力点:17/20
・運点:11
・食料残り4
・所持品:剣、幸運のポーション、クロスナイフ(マンゴの霊を封入)、ロープ、島の地図、解錠ワイヤー、ソグの兜(初手は必ず勝つ)、小さな金塊、【無限の小袋】、謎ブーツ
・備考:アニスの実の味の乳白色の液体を飲んだ
かぎ煙草入れの手紙を読んだ
草原を越えて、川越えて(222)
リバT『池でのわずかな休憩の後、遠くに見える火山を目印に旅を続けます。すると、草原に一頭の小豚がいるのが見えましたが、槍を持っていないと狩りができません。槍があれば、運だめし成功で命中させて、見事に仕留めることができます。豚のローストを堪能して体力3点回復できるのですが、ないものは仕方ないですね』
キャサリン「槍を入手するには、首狩族の集落で酋長を倒さないといけないからな。この時点で槍を持っている可能性は甚だ低い」
マンゴ「野外生活に慣れていれば、槍ぐらい自然の材料で自作できるだろうさ」
キャサリン「お前ならできるのか、マンゴ?」
マンゴ「オレは槍よりも、むしろ銛(モリ)だな。海の男だからよ。あり合わせの材料で、銛ぐらいなら作れる。ただ、今の姿じゃ無理だな」
キャサリン「むっ、我も海の女を自称してはいたが、道具を自作する術は学んで来なかった。聖闘士の闘法以外には興味がなかったものでな。この旅では、つくづく自分が冒険生活では未熟だったことを痛感させられる」
マンゴ「あんたの世界では、戦いはあっても冒険はなかったのかい?」
キャサリン「聖闘士の世界にも牡羊座の職人はいた。カニ座にもかつて棺桶職人はいたが、その秘伝は今の時代には残されていなかったようだ。古の戦いで、さまざまな技術が失われたらしい。卓越した医師の技とか、巨大な猛獣を飼い慣らす術とか、失われた技は数多い」
マンゴ「技を継承することは大切なんだな」
キャサリン「時間があれば、弓矢を作ってみてもいいかもしれないな。豚の一頭も仕留めることができなくて、聖闘士としては恥ずかしい話だし」
リバT『豚に多少の未練を残しながら、さらに先へ進むと、手紙に書かれた川に行き着きました』
マンゴ「おお、川だ。アランシアの冒険者の間に伝わる一つの格言がある」
キャサリン「何だ?」
マンゴ「川を渡ると、冒険は後半戦に入るとのことだ。クライマックスも近く、敵も強くなるだろうから、心してかかれ、と」
キャサリン「川向こうの敵は強い、か。覚えておこう」
マンゴ「もっとも、オレは川じゃなくて、海を渡ったとたんに殺されてしまったがな(苦笑)」
キャサリン「すまん、マンゴ。我がもっと強ければ……」
マンゴ「お前のせいじゃない。オレが少々、勇み足だっただけの話だ。これも運命、だけど、お前の旅を見届けることができるのは、運命神の導きかもな」
キャサリン「運命神だと? そんなものがこの世界にはいるのか?」
マンゴ「人を作ったのも運命神らしいが、オレはそんな話を信じていない。お前の世界には運命神はいなかったのか?」
キャサリン「聞いたことはあるような気がする。過去・現在・未来を司る三姉妹だったような。ええと、ラケシス、クロートー、アトロポスと言ったか。何だか、ガッチャって雑音が聞こえてきた気もするが、どうでもいい話だ。我の信じる女神はアテナであって、彼女たちではない」
マンゴ「とにかく、さっきの手紙にあったイカダを探そうぜ。手斧があれば、イカダぐらい作るのは簡単だが、道具がないなら剣一本で作るのは手間がかかる。下手に時間をかけたら、オーガー(技8、体8)に襲われそうな予感がするぜ」
ダイアンナ「ずいぶんと具体的な予感だね」
リバT『あると思って探したら、すぐに見つかりました。流れは緩やかなので、上流まで遡ることは苦ではありません。しかし、川の中にはワニがいて、襲って来ます。鉄の延べ棒は持っていますか?』
キャサリン「そんな物は持っていない」
リバT『あれば、ワニの大きく開いた口に差し込むことで無力化できるのですが、なければ戦って下さい』
キャサリン「ワニか。相手にとって不足はない」
リバT『技術点6、体力点7です』
キャサリン「弱い? 何だ、相手にするには大不足だ。さっき戦った巨大トカゲの方が、よほど強かったぞ。まずは、先制ソグビームで2点与えて……勝った。2点ダメージを受けたけどな」
マンゴ「技術点で5差もあるのに、何でダメージを受けてるんだ? 油断しすぎだ」
キャサリン「仕方ないだろう。相手が出目11で、こっちが4を出したんだから」
マンゴ「それが油断だって言うんだ」
キャサリン「残り体力15点。まだまだ大丈夫。次にダメージを受けたら、食料食べて回復するから心配するな」
リバT『傷つきながらも、何とかワニを撃退したキャサリンさんは、さらに上流を目指します。すると、川岸にぼろを着た男がいて、おーい、と呼びかけています』
キャサリン「そっちにイカダを近づけよう。この先の情報を聞きたい」
リバT『すると、男は熱病に冒されたような凶暴そうな表情で、短剣を振りかざして襲いかかって来ます。技術点6、体力点5で弱い相手なのですが、あなたもとっさのことで剣を抜いている間がありません。素手で戦うことになるので、技術点を3点減らして下さい』
キャサリン「聖闘士にとっては、素手の闘法は日常茶飯事。技術点を減らす必要などない!」
リバT『アランシアでは、その理屈は成り立ちません。まあ、〈素手戦闘〉のスキルを持っていれば別ですが、本作が書かれた時点では、そのような技能は存在していませんので』
キャサリン「仕方ないな。聖闘士の闘法を使うと殺してしまうので、力を押さえて身を守るだけにする。それでも技術点8で、2差だから十分なはず」
ダイアンナ「まあ、ここで傷ついていたら、聖闘士の名折れだよね」
キャサリン「うむ、ワニ相手に傷つくのは仕方ないとして、病気で錯乱した相手にやられる聖闘乙女ではない。ソグビームで怯んだところを、顔面殴って、川に突き落とす。そのまま川に沈んでろ」
ダイアンナ「やり過ぎじゃないか?」
キャサリン「心配するな。トドメは刺していない。運が良ければ、川から上がって正気に返るだろう」
ダイアンナ「運が悪かったから、病気で錯乱して強い相手に襲いかかってきたんじゃないか?」
キャサリン「まあ、可哀想な男だが、今は狂人の相手をしている時間がない。助けを求める民がもっといっぱい待っているからな。イカダを先へ進める」
リバT『多少の罪悪感に駆られたり、駆られなかったりしながら、ついに手紙に書かれた泥の小屋らしき場所を見つけました。小屋のそばには、2体の武装したリザードマンがいます』
キャサリン「この辺りに鉱山があるようだな。さて、リザードマンを始末するか、気付かれないようにそっと鉱山の入り口を探すかだが……」
マンゴ「うかつに戦闘を仕掛けるのは危険だぞ」
キャサリン「だがしかし、敵の力量を確かめるのも兵法よ。こっそり近づいて1体を倒し、もう1体は正々堂々と倒す。これぞ武人の道」
マンゴ「いや、武人なら1対2で最初から堂々とだな」
キャサリン「それでも、慎重さは崩さない。こっそり1人を仕留めるのじゃ」
リバT『そういう選択肢になってますからね。運だめしをして下さい』
キャサリン「出目6、残り運点10。油断しているリザードマンの背後から近づいて、背中からばっさり叩き斬る」
リバT『叩き斬られて、1体は絶命しました。もう1体の能力は、技9、体8です』
キャサリン「相棒が倒されて驚いているリザードマンに威圧ソグビーム。2点ダメージを与えて、残り3回殴れば死ぬ。くらえ、冥界破ッ!」
しかし、リザードマンの抵抗は凄まじく、キャサリンに8点ものダメージを与えるのだった。
キャサリン「バカな。こんなところで、この我が……ぐふっ」
マンゴ「死ぬな、キャシー。お前には、まだ果たすべき使命があるはずだろう!」
キャサリン「この声は……女神(アテナ)? 暖かな小宇宙(コスモ)を感じて、意識を取り戻す。それから食料2食を食べて、体力15点に回復だ。ふう、死ぬかと思ったぜ」
マンゴ「大丈夫か?」
キャサリン「ああ、何とかな。だが、これで分かった。リザードマンは我が思っていたよりも、手強い相手だ。油断はできん」
リバT『ここで戦闘したことで、彼らの持っている鉄の鍵3本がゲットできます』
キャサリン「鉄の鍵を入手するために、思わぬ痛手を被ったぞ。果たして、この先の攻略を成功できるのか?」
ダイアンナ「1回攻略したんじゃなかったのかい?」
キャサリン「したんだが、今はこの記事のために改めてダイスを振って、2回めの攻略でごわす。しかし、今回はどうもダイス運が悪いのか、食料減少が早すぎる。こうなると、樹上の老人に3食も提供したことが悔やまれる」
果たして、キャサリンは無事に最後まで生き延びることができるのか?
それとも途中で力尽きて、黄泉比良坂へと旅立つことになるのか?
ドキドキしながら、いよいよ奴隷が働かされている鉱山に突入するのであった。
・技術点:11
・体力点:15/20
・運点:10/11
・食料残り4→2
・所持品:剣、幸運のポーション、クロスナイフ(マンゴの霊を封入)、ロープ、島の地図、解錠ワイヤー、ソグの兜(初手は必ず勝つ)、小さな金塊、【無限の小袋】、謎ブーツ、鉄の鍵3本
・備考:アニスの実の味の乳白色の液体を飲んだ
かぎ煙草入れの手紙を読んだ
(当記事 完)