改めて砦への帰還を目指す
リバT『前回、呪術師からトカゲ王の弱点を聞いたキャサリンさんは、解放同盟の仲間の待つ砦に帰還する途中で、トカゲ軍の精鋭、スティラコサウルス騎士の変異リザードマンとの激戦で命を落としてしまいました』
キャサリン(カニコング)「しかし、女神アテナとデスマスク師匠のおかげで、時をさかのぼる奇跡が発動して、スティラコ&トカゲ騎士の2連戦ふたたびを辛くも乗り越えたのじゃ」
マンゴ「……」
キャサリン「ん? マンゴ? どうした? 返事をせい」
リバT『スティラコサウルスとの再戦の最中、キャサリンさんの必殺技は不発に終わり、守護聖霊のマンゴさんは共に小宇宙(コスモ)を共鳴させて、ピンチを乗り越えようとしたのですが、聖闘士ならぬマンゴさんには負担が大きかったようで、魂が消耗してしまったようです』
アスト「……ということで、しばらくマンゴは眠ったままだ。消失こそ免れたものの、意識を失って会話不能ってことで。全ては、前回の戦闘のダイス目の悪さが招いたことだな」
キャサリン「そうか。我が不甲斐なかったばかりに、マンゴがそのようなめに……(涙)」
アスト「元々、ゲームブック『トカゲ王の島』は開幕早々にマンゴが離脱して、主人公の一人旅だったんだ。本来のスタイルに戻っただけと思えば、泣くほどのことはない」
ダイアンナ「それに、守護聖霊はマンゴだけじゃない。すぐに、またコニカとカニ子と合流するはずさ。と言うか、本当は前回、守護聖霊がみんな集結するはずだったんだけど、キャサリンが死んじゃったから、予定どおりに話が進まなかったんじゃないか。早く、合流してやってくれよ」
キャサリン「しかし、守護聖霊は3体必要なのでは? マンゴが意識を失った以上は、攻略できるのか?」
リバT『そうですね。あなたはこの後のイベントで、カニ子さんとコニカさんを見つけ出し、そしてマンゴさんに力を取り戻させて、眠りから目覚めさせないといけません。それこそが、クロスナイフが元の輝きを取り戻すために為すべきことなのです』
キャサリン「しかし、原作ゲームブックにそういうイベントはないはず。勝手にゲームを改定するのは、攻略記事としてはどうかと思うが」
リバT『その点は大丈夫です。ゲームそのものは改定しておりません。ゲーム中のイベントに少しフレーバー要素を混ぜただけですので。つまり、原作では名前が付いていなかったドワーフさんに、こちらがバーノン・ブレイドスミスって名前を勝手に付けたようなものです』
ダイアンナ「または、ゲームブックで拾った名もない上質の剣に、勝手に『ソグの剣』と名付けたようなものだな。ゲームの要素を変えるのではなくて、描かれていない設定をオリジナル補完するような形なので、ゲーム性は何も変わっていないと思ってくれ」
リバT『大体、アランシアの世界に聖闘乙女(セインティア)とか、女神アテナとか、デスマスク師匠なんて単語が出て来るのが本記事の最大の改変じゃないですか。何を今さら……』
キャサリン「い、いや、主人公キャラの設定はプレイヤーの自由でごわそう。ゲーム的にも特別なことはしていない。聖闘乙女(セインティア)は技術点15とか、体力点は30とか、女神の加護で運だめしに絶対失敗しないとか、そういうルールを逸脱したようなプレイはしていない。すべてはルールどおりに行なったゆえに、我は死んでしまった」
アスト「ルールを変えようと思えば、フェルナンドや呪術師さんが食料を提供するとか、そういう援助をしてくれても良さそうだったけど、その辺は律儀に原作ゲームブックに従ったからな」
リバT『女神の加護も、デスマスクさんの娑婆陀芭陀亜も、ゲームの中の話ではなくて、死後の再プレイに至るための物語フレーバーですからね。原作ゲームブックのルールは一つも逸脱していないし、選択肢の捏造も、ご都合主義も行なっていません』
アスト「まあ、選択肢の根拠を物語として補完はしているがな。マンゴの危険察知能力とか、イヤなことが起こる予感とか」
リバT『さすがに、全ての間違った選択肢を選んで通ると、話が進まないですからね。ダイスの目には従いますけど、選択肢については正解はこれで、失敗するとこうなるって形で、示しているつもりです。その上で、正解を選ぶことでストーリーを順調に進めるようにしているんですけど、何が正解で何が不正解か曖昧な選択肢や、出目によるデメリットはゲームとして受け入れるのが、ゲームと物語の妥協点といったところでしょうか』
キャサリン「ズルをしようと思えば、残り一撃で倒せるトカゲ警備兵から8点ダメージを受けたり、残り一撃で倒せるスティラコから10点以上もダメージを受けたりはせん」
アスト「そのダイス運の悪さは、逆チートの疑いさえ招きそうだな。ストーリーを盛り上げるために、わざとピンチに陥るプレイだと」
キャサリン「逆でごわす。出目が悪くて、ピンチに陥ったり、無駄に戦闘がダラダラ続いてしまったのを、盛り上げるための演出ってことで」
リバT『その昔、ロードスでドワーフのギムさんが死んでしまったりしたのを、小説の正史に組み込んだようなものですね』
アスト「作者でさえ、思いがけないキャラの死から、ドラマが生まれるパターンだな。それこそがランダム要素のあるストーリーゲームの醍醐味ってことで」
コニカとの邂逅
リバT『では、前回までの振り返り感想や、反省雑談はこれぐらいにして、相棒のマンゴさんが沈黙したため、キャサリンさんの本当の意味での一人旅の続きです』
キャサリン「光を失ったクロスナイフを見つめ、寂しさにうつむき加減になるのじゃ。すまん、マンゴ。我の窮地を救おうとして、こんなめに……とトボトボ道を歩く」
リバT『すると、道中の藪のトゲで足を傷つけてしまいますね。もしも、マンゴさんの意識があれば、事前に警告の声があったのでしょうか。ここで、「アニス味の毒消し」を前に飲んでいれば、ダメージを受けませんが……』
キャサリン「それなら飲んだ……いや、飲んでいない。前世では大ガニを倒して、確かに飲んだのじゃが、今回は別ルートを選んだ。うう、毒消し効果はない(涙目)」
リバT『では、3点ダメージです。毒に冒された身でフラつきながら、あなたは朦朧とした頭で砦への道を歩み続けます』
キャサリン「うう、このまま独り寂しく朽ち果てるのか……」
リバT『すると、キーキーと甲高い声が聞こえてきて、朦朧とした意識を呼び戻してくれますよ』
キャサリン「敵か? ソグの剣を構える」
リバT『藪の近くで、男が一人死んでいますね。彼も毒にやられたのでしょうか。服装は船員っぽくて、もしかすると海賊なのかもしれません。刀傷もあるので、トカゲ人と戦って傷ついた可能性もありますね。そして、男の手には鎖が握られていて、一匹の小ザルがつながれた鎖から逃げようと引っ張ってますが、その苦労はムダなあがきに見えます』
キャサリン「小ザルでござるか」
アスト「笑えないジョークだ」
ダイアンナ「コクコク」
キャサリン「とにかく、トカゲ王の弱点はサルと聞いたことを思い出して、鎖から解放してやろう」
小ザル(ダイアンナ)『ありがとうございます、キャサリンさん』
キャサリン「へっ? その声、もしかして?」
小ザル(ダイアンナ)『コクコク、コニカです。何の因果か、こっちの世界で輪廻転生したら、こんな姿で海賊に捕まってしまいました。いつか、キャサリンさんが助けに来てくれるはず、と信じて頑張って来たのですが、ようやく念願かなって……これで思い残すことは何もありません。ぐふっ』
キャサリン「出会ったばかりで死ぬな、コニカーッ。お前もマンゴみたいに、我を独り遺して逝くのか〜」
コニカ(ダイアンナ)『イヤですね〜、キャサリンさん。私は元々、「地獄の館」で殺された幽霊なんです。キャサリンさんと無事に合流できた以上は、こんな小ザルの肉体なんてさっさと脱ぎ捨てて、元の聖霊に戻るのが生きる道……いえ、死ぬ道と言えばよろしいのでしょうか』
キャサリン「ちょっと待つのじゃ。お前が守護聖霊として抜け出せば、その小ザルはどうなる?」
コニカ(ダイアンナ)『それはもちろん、魂が抜けるんだから死にますね』
キャサリン「それは困る。そのサルは、トカゲ王を倒すための切り札その1。お前がサルの姿に転生したのも、故あることなのじゃ。今しばらく、小ザルのコニカとして、我の旅に同行してもらえぬか?」
コニカ(ダイアンナ)『仕方ないですね。キャサリンさんが土下座して頼むなら、トカゲ王退治の旅に付いて行っても構いませんよ』
キャサリン「……コニカって、そういうキャラだったでごわすか?」
コニカ(ダイアンナ)『キャサリンさんだって、俺ジャン口調が、我のじゃキャラに変わったじゃないですか。私だって、このアランシアという異世界でサルの姿でいろいろ苦労して来たんですよ。だから、少しぐらい……わがままを聞き入れてください』
リバT『ちなみに、元祖コニカさんは、カニコングさんが演じたこんなキャラでした』
アスト「一見おとなしい陰キャラなカメラガールに見えて、実は危ない二重人格で、ワイルドな破壊魔の闇コニカを内包しているってことか」
コニカ(ダイアンナ)『さすがに、そんなカニコング製の変なキャラを演じるのは、あたしには荷が重すぎるので、あたしなりの解釈で毒のある萌え陰キャラを演じさせてもらうよ。あたしらしく、女王属性込みで』
キャサリン「コニカも苦労したんだなあ、と理解したのじゃ。土下座は誇り高い聖闘乙女(セインティア)の沽券にも関わるし、これ以上の負けロールプレイは勘弁願いたいので、道中でバナナでも拾って餌付けするってことでどうじゃろうか?」
コニカ『バナナ? 誇り高い聖霊の私がそんなものになびくとでも? と口では言いながら、体はサルの本能には抗えないので、キーキーと喜びのダンスを踊る。そう、口と体がうらはらなのが小ザルのコニカってことで』
リバT『こうして、小ザルのコニカさんは、嬉しそうにキャサリンさんの肩にちょこんと乗るようになりました。なお、コニカさんの声はキャサリンさんだけに聞こえるので、他の人にはキーキーウキャウキャとしか聞こえないってことで、お願いします』
コニカ『普段は無邪気な小ザルとして、好き勝手に振る舞うさ』
萌えガール2号
キャサリン「ところで、コニカよ。カニ子がどこにいるか知らぬか?」
コニカ『それを知りたいなら、土下座ですね』
キャサリン「土下座強要は、現代社会だと犯罪になるのじゃぞ。しかも、サルに土下座する聖闘乙女(セインティア)って絵柄は美しくない。サルカニ合戦みたいな復讐劇に発展してもいいのか?」
コニカ『うう、さすがに焼けた栗の体当たりを受けて火傷したり、蜂に刺されたり、牛の糞を踏んで転んだりした挙句、屋根から落ちて来た臼の下敷きになって死にたくはないですね』
キャサリン「我も、熟していない硬い柿の実をぶつけられて死ぬのは勘弁じゃ。しかし、コニカが協力してくれないと、トカゲ王に勝てずに、また死んでしまう可能性が大きい。そうなったら、コニカもこの未開のアランシアの地で無事にいられるとは思うまい。我らは、仲良く協力するべきではないか?」
コニカ『では、ヒントを差し上げます。カニ子お姉さまは意外と身近なところにいるので、この道の先を進めば、程なく会えますよ』
キャサリン「おお、道を進めばいいのじゃな」
リバT『道を進んだ先のパラグラフ350番では、こういうワイルドな少女と、サーベルタイガーに遭遇しました』
キャサリン「おお、それは穴居人の女に次ぐ、本作の萌えガール2号。彼女がカニ子か? それともサーベルタイガーに転生したのか?」
リバT『選択肢は、少女に話しかけるか、サーベルタイガーを攻撃するか、それとも危険だと思って逃げるかの3択ですね』
キャサリン「もちろん、話しかける。カニ子、もしやカニ子ではないか。我じゃ、我。聖闘乙女(セインティア)のキャサリンじゃ。打倒トカゲ王のために協力してくれないか? 我らには、元ワイルドメイドなお主の力が必要なのじゃ」
リバT『野生の少女には、どうも人の言葉が通じないようです。子どもの頃に火山島に置き去りにされて、虎のような野生児になったようですね。警戒して後ろに下がると、フーッと威嚇の声を上げます』
キャサリン「カニ子じゃないのか? コニカ、お前も説得してくれ」
コニカ『説得してもムダです。彼女はお姉さまではありません。仲間になってくれるわけでもありません。下手に手を出すと、技術点11、体力点8のサーベルタイガーの奇襲攻撃を受けるうえ、うまく倒すことができても、少女を泣かせてしまい、罪の意識で運点が2点減ってしまうだけです。今はそっと刺激しないように後ずさるだけにしましょう』
キャサリン「スティラコサウルス並みの強さを持ったサーベルタイガーとは、味方に付ければ非常に心強いのじゃが、カニ子でないのなら、固執しても仕方ないか。しかし、彼女でないとしたら、カニ子は一体どこにいるのじゃ?」
解放同盟との合流
リバT『サーベルタイガーを従えた少女との実りなき邂逅の後で、あなた達はようやく解放同盟が拠点としている砦への帰還を果たしました。原作ではパラグラフ279番で、到着後にすぐトカゲ軍との決戦イベントが始まるのですが、当記事では決戦を翌日に行うこととし、軍議その他の準備に一夜を費やすものとします。解放同盟の面々との会話イベントを行いたいですので』
キャサリン「ひとまず、同盟の主だった面々に帰還の報告をするぞ。内容は呪術師と無事に対面できて、トカゲ王を倒すための方策を授かったことを伝えるのじゃ」
リバT『エルフのフェルナンドさんは、「まさか本当に呪術師を探し出して戻って来たとは!」と驚きますね。「一体、どこに隠れておったのか?」と尋ねて来ます』
キャサリン「かくかくしかじかと経緯を説明するが、こちらはキウイに用事がある」
キウイ『何ですか、戦乙女どの?』
キャサリン「マンゴの剣を抜いてもらい、クロスナイフとかち合わせる。これで眠れるマンゴの意識を目覚めさせたりはできぬじゃろうか?」
リバT『特に反応はありませんが、キウイさんは「これって何かの儀式ッスか? 剣に凄いパワーが宿るとか?」と興味津々です』
キャサリン「眠れるマンゴの魂に呼びかけてみた。時が来るまで、その剣は大事に使えよ……と厳かに告げる」
リバT『「マンゴさんの魂に呼びかけるなんて、戦乙女さんパネえッス」と、キウイさんは大喜びです。まるで聖職者に剣を祝福してもらったかのような浮かれようですね』
キャサリン「聖闘乙女(セインティア)は女神の使い……という意味では、一般的には聖職者と見なされるのじゃろうが、あまり実感はないのじゃ」
コニカ『呪術師クエストの道中の話でもしてはどうですか? 冒険好きの若者の心を惹きつけるのでは?』
キャサリン「それよりも、カニ子はどこにいると言うのじゃ? 道の先にいると言うておったではないか?」
コニカ『この砦にいます。身近なところにいるのは間違いありません』
キャサリン「すると……もしやバーノンのおやっさんがカニ子か!」
バーノン『どうした、わしの顔をじろじろ見て。いっしょに酒でも酌み交わしたくなったのか?』
キャサリン「いや、おやっさんのわけはないな。だったら、フェルナンドか、それともパパイア? カニ子や、いるならいるって返事してくれ」
リバT『どこかで返事が聞こえたような気がしましたが、はっきりとは聞こえません。ただ、カニ子カニ子、と呪文のようにつぶやいている戦乙女の姿に、パパイアくんが心配して、声をかけて来ますよ。「戦乙女さま。きっと旅でお疲れでしょう。そろそろ、お休みになられてはいかがですか?」と』
キャサリン「おお、明日は決戦じゃ。しっかり休んで英気を養わないとな。では、先に休ませてもらう」
パパイア『見張りはぼくたちに任せてください。何かありましたら、起こしに行きますから』
こうして、キャサリンは眠りに就いた。
カニ子の魂が呼びかけるのは、その夢の中である。
戦士ソグの伝説
リバT『旅の疲れで、泥のように眠るキャサリンさん。ところで眠るときに兜は装備していますか?』
キャサリン「夜襲に備えて鎧を着たまま眠る戦士はゲームだとたまにいるが、さすがに兜を着けたままは有り得んじゃろう?」
アスト「ゴブリンスレイヤーなら、冒険中は兜をかぶったままだったと思うけどな。片目を開けたまま寝ているそうだし」
キャサリン「我はゴブスレさんではない。ソグの兜は脱いで、傍らに置いてある。いつでも装着はできるようにしているがな」
リバT『分かりました。では、コニカさん、シナリオの手筈どおりに……』
コニカ『了解したよ。眠るキャサリンの横で、小ザルのコニカがこっそり動いて、ソグの兜をそっと引ったくる。そして、軽く口づけすると、兜は淡い光を放ち、ぼんやりと透き通った戦士ソグの亡霊が映し出される。その姿は凛とした出立ちの女戦士だったりする』
キャサリン「え? 戦士ソグは女だったのか? てっきり男とばかり……。すると?」
リバT『ゲームブック本編では、ソグの性別は書かれておりません。パラグラフ292番には以下のように書かれています』
兜は百年以上前のもので、ソグという伝説の戦士のものだった。ソグは魔術も扱った。兜を被っていると、あらゆる敵がきみを強く恐れるようになり、あらゆる戦闘の最初のラウンドで必ず勝利することができる(後略)。
リバT『もしかすると、英語ではソグの代名詞をheとしている可能性もありますが、旧訳も含めて日本語ではソグが男だという証拠は全くありません。そこで、当記事では「ソグが百年以上も前のアランシアに漂着したカニ子の魂が転生した戦士」という設定を採用しました。カニ子の話し口調は、「1人称が私で、文尾が〜じゃ」でしたので、キャサリンさんはカニ子さんの話の癖を引き継いだ形ですね。「私(ワタシ)+俺(オレ)=我(ワレ)」になった感じで』
キャサリン「そんなことは考えてもいなかったのじゃ」
リバT『ええ、ソグの兜を入手したタイミングでは、こちらも考えていませんでした。でも、後付けでカニ子をどうしようか、と考えたときに、攻略雑記(その4)におけるクイーンのこの発言が決め手となったのです』
>ダイアンナ「のじゃ口調は、むしろカニ子っぽくなったようにも聞こえるねえ」
キャサリン「つまり、この兜をかぶってキャサリン・ソグと名乗った時点で、我はカニ子の魂と一体化しておったのか?」
リバT『そう。カニ子は昔のアランシアに転生した際、大ガニの精霊と心を通わせる能力を示して、カニの使いの巫女戦士キャンサー・ガールと呼ばれるようになりました。それを略してサーガ→サッグ→ソグと呼称が変質していった経緯もあります』
アスト「その変質は少し無理がないか?」
リバT『空条承太郎をJOJOと略すよりは説得力がありますよ。まあ、あまりに無理があったのか、第3部から後は劇中でジョジョと呼ばれることは激減して、承太郎とか仗助とか普通に名前呼びになりましたけど。ジョジョと普通に呼称されているのは、初代のジョナサンと孫のジョセフだけですね』
キャサリン「ジョジョのケースはともかく、カニ子が戦士ソグに転生したのは間違いないのじゃな? だったら、どうして今まで黙っておったのじゃ?」
リバT『カニ子は巫女戦士ソグとして、火山島の部族民のために戦い、数々の武功を挙げて寿命を全うしました。その子孫が火山島の呪術師だとか、細々と生き延びていたソグの部族の民(後にトカゲ王の軍に滅ぼされた)がサーベルタイガーの少女の幼少期の面倒を見たこともあるとか、いろいろ裏設定を考えてもみましたが(TAKAYANさんのコメントを受けた後で)、詳細は置いておいて、ソグ自身、己の人生を生きているうちに、カニ子としての記憶は長らく封印されていたのです』
コニカ『それが私、コニカとの魂の接触によって、記憶が覚醒したんだね。それまでは、曖昧な霊感で遠い将来のキャサリンのために剣や角笛を洞窟に隠したり、ソグの魂を宿した兜として導いたりしていたんだけど、あくまでソグの中のカニ子、守護聖霊の自我は目覚めていなかった』
キャサリン「だけど、今、ソグの兜に封印されたカニ子の魂が目覚めた、と?」
コニカ『小ザルのコニカが、淡く輝く兜を眠るキャサリンにそっとかぶせる。すると、夢の中でキャサリンは、カニ子=ソグの記憶を追体験するんだ。そして、守護聖霊カニ子とキャサリンの魂の同期が完了する。コニカはキャサリン・ソグをお姉さまと呼ぶようになる……ってことでどうだい?』
キャサリン「我はキャサリンにして、カニ子。それこそがキャサリン・ソグの真実の覚醒ということじゃな」
リバT『元々、カニ子もキャサリンもカニコングさんのキャラクターですからね。一心同体でも問題ないでしょう』
キャサリン「我の中にカニ子がいる。後はマンゴさえ目覚めれば、クロスナイフは真の光を取り戻すということでいいのじゃな」
リバT『それについては、魔術に詳しいソグ=カニ子さんの知識で、情報が補完されます。マンゴさんが眠りから目覚めないのは、霊力のエネルギーが枯渇しているため。かろうじて存在を維持しているだけの状態です。だから、何らかの形で霊力を補充してやれば回復します』
キャサリン「それなら、カニ子とコニカが霊力を分けてやればいいのでは? って、カニ子は我か。我の霊力でマンゴの意識を覚醒させたりはできぬのか?」
リバT『では、霊力点を10点消費してください』
キャサリン「10点も! と言うか、霊力点って何じゃ? 本作のキャラクターシートには、そのような能力値はない」
リバT『AFFなら魔力点があるんですけどね。霊力点は……未訳FFのどこかで実装されているのかもしれませんが、要は今のキャサリンさんに提供できるものではないということです。それに、コニカやカニ子の霊力を消耗すると、クロスナイフの覚醒にも支障が出て来ます』
コニカ『つまり、それだけの霊力は外部から補充しないといけないってことだね。分かりやすく言うなら、【炎の剣】の魔力をクロスナイフに注ぎ込めばいい。すると、マンゴの覚醒とともに、クロスナイフも光を取り戻す……というシナリオ設定だ』
キャサリン「【炎の剣】! トカゲ王を倒すための切り札その2! というか、必須アイテムじゃったな。なるほど、話がそうつながって来るのか。つまり、【炎の剣】の力で勇気爆発して、三位一体して王蟹合体すれば、トカゲ王に勝てる、と」
アスト「王蟹合体はありえんな」
キャサリン「どうしてじゃ?」
アスト「お前は、『死なずに攻略成功したら、オレがキングの座を返上して、王座に返り咲く』という約束だったが、ダイス運に見放されて死んじゃったじゃないか。これで、NOVAをギャフンと言わせることも、オレが皇帝アストカイザーになる夢も絶たれたんだ。お前は当分、カニコングのままでいろ。王の座はお前にはまだ遠い」
キャサリン「返り咲きの悲願が……orz」
コニカ『大丈夫。王蟹合体が無理でも、もう一つ、サルカニ合体カニコングとしてトカゲ王を倒す道は残されている』
キャサリン「おお、そうじゃった。小ザルのコニカと、カニ座の聖闘乙女(セインティア)の融合合体で、吾輩は吾輩のありのままの姿カニコングとして、トカゲ王を倒すことができる」
リバT『その意味で、この「トカゲ王の島」は正にカニコングさんのためのゲームブックって感じですね。ネタ的に』
キャサリン「よし、これで決戦のためのストーリーイメージがつながったのじゃ。後は、決戦イベントを満喫するのみ」
アスト「頼むから、ダイス運が悪くて、討ち死にしたりはするなよ。パラグラフ選択は最適解を選ぶにせよ、ダイス目だけはフォローできないからな」
キャサリン「どこかでセーブポイントを設置できたら、いいのでごわすが」
リバT『では、この記事とデータをセーブポイントにしておきましょう。これも女神の加護の一環ってことで』
(当記事 完)
カニ座のキャサリン・ソグ(2度めの挑戦、パラグラフ279番セーブデータ)
・技術点:11
・体力点:17/20
・運点:7/12
・食料残り3
・所持品:クロスナイフ(マンゴの霊を封入)、ソグの兜(初手は必ず勝つ)、小さな金塊、【無限の小袋】、【ヴァルハラの角笛】、ソグの剣(+2)、ソグの盾(+1)
・備考:小ザル(コニカ)を連れている
ソグの兜にカニ子の魂が宿っていた
マンゴ覚醒に必要なのは【炎の剣】