ウルトロピカルな⭐️GT(ゲーム&トレジャー)島宇宙

南の島と上空の宇宙宮殿を舞台にTRPGや特撮ヒーローなどのおしゃべりブログ。今はFFゲームブックの攻略や懐古および新作情報や私的研鑽メイン。思い出したようにD&Dに触れたりも。

「トカゲ王の島」攻略雑話(その5)

鉱山攻略を前に

 

カニコング「前回は、想定よりも酷い目にあったでごわす」

 

アスト「まさか、技術点2差で勝っている相手から、8点もダメージを受けるとは思っていなかったな」

 

カニコング「あと一撃、あと一撃で倒せるはずのところで、瀕死の敵があれほどの小宇宙(コスモ)を燃やして、会心の4連打を仕掛けて来ようとは! 青銅聖闘士の小僧に思いがけない敗北を喫した黄金聖闘士の気持ちが分かったでごわす」

 

ダイアンナ「リザードマンが第七感(セブンセンシズ)とやらに目覚めたとでも言うのかい?」

 

カニコング「こちらが2差で負けていたのに、奇跡の4連打を放つことができたら、素晴らしい快挙であったろうに、逆の立場に立ってみると、これほど悔しいことはないでごわす」

 

アスト「まあ、結局、勝ったんだからいいじゃないか」

 

カニコング「まあ、そうだが、食料の残りが2個になって、この先の旅路を乗り越えることができるのであろうか、と不安を覚えている」

 

リバT『「死んだら死んだでその時だ。ネタとして面白おかしく書いてやるから安心して死ね」と作者NOVAからのメッセージです』

 

アスト「おいおい。他人事だと思って、何てことを言うんだ? こうなったら、カニコング、何としても生きてトカゲ王を倒せ。マンゴ役として、心の底から応援してやるぜ。ここから、上手く巻き返して、攻略成功したら、お前にキングの座を返上してやってもいい」

 

カニコング「本当でごわすか? すると、吾輩が元のクラブキングに返り咲いてもいいと?」

 

アスト「ああ、その代わり、オレは王の上を行く皇帝、カイザーの称号を名乗るけどな。人呼んで、アストカイザーだ」

リバT『プロレスの星もどきな、変な称号を与えないためにも、キャサリンさんには死んでもらわないといけないな、と作者の思念が伝わって参りました』

 

アスト「何だと!? ならば、何としても死なずにクリアして、NOVAの奴をギャフンと言わせてやる。よし、行け、カニコング。前回のような失態は2度とするなよ」

 

カニコング「合点承知でごわす」

 

ダイアンナ「やれやれ。ゲームブックの攻略記事で、どうしてブログの運営体制まで大きく変えるようなギャンブルを仕掛けてくるかね、ダディは?」

 

リバT『では、話が(無理やり)盛り上がって来たところで、いよいよクライマックスその1、野外冒険メインの本作初のダンジョン探索に移りたいと思います』

 

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「トカゲ王の島」攻略雑話(その4)

谷間のIFルート

 

リバT『前回は、密林から湿地帯を抜け、丘陵地帯を越えたところまで進みました』

 

キャサリンカニコング)「丘陵地帯で発見した伝説の戦士ソグの兜。これを入手したことで、我は聖闘乙女の真の使命に目覚め、勇者ソグの後継者として新たな自分を意識したのじゃ」

 

マンゴ(アスト)「兜に洗脳されて、ますますおかしな妄言を口にするようになったみたいだな」

 

キャサリン「いや、マンゴ。我は正気じゃ。お主のことも、よーく覚えておる。ただ、これまでの未熟な自分が一皮むけて、成長しただけのこと」

 

ダイアンナ「のじゃ口調は、むしろカニ子っぽくなったようにも聞こえるねえ」

 

キャサリン「とにかく、ワイルドな俺ジャン口調から転じて、古風で相手を威圧する我のじゃ口調で少し大人びた美女戦士を演じて見せよう。目指すは、うる星のサクラ先生と言ったところか」

 

リバT『サクラ先生は、一人称が我ではなくて、わしだったと思うのですが、まあいいでしょう。あまり錯乱したキャラにならないように』

 

キャサリン「我がこうなったのも、定めじゃ。ところで、前回は谷間を進んだときのIFルートがまだじゃったゆえ、そちらを先にチェックしておこうぞ」

 

リバT『では、パラグラフ362番から、谷間に下ります。すると、地すべりが発生して運だめしを要求されます』

 

マンゴ「失敗すると即死か?」

 

リバT『いいえ。1Dを振って、1〜2、3〜4、5〜6で運命が変わります』

 

キャサリン「(コロコロ)3じゃ」

 

リバT『体力点3と技術点1を失います』

 

キャサリン「なかなか痛いのじゃ。1〜2だと?」

 

リバT『体力点4と技術点2点のダメージですね。5〜6なら体力点2点のみ。運だめし成功で、無傷です。その後、谷を進んで行くと、「戻れ。さもなくば死ぬ」と書かれた警告文が岩に書かれてあるのを見つけますが、ただそれだけですね』

 

キャサリン「結局、この場ではソグの兜を入手できるか否かがポイントじゃな」

 

リバT『ええ。無傷で通過しようと思えば、丘に登る→谷に下りると選択すれば、リスクが一切ありません。登る→登り続ける→運だめし成功で、穴を調べるとソグの兜を入手する流れになりますが、ダメージを受けてしまいますね』

 

キャサリン「ソグの兜は、リスクを冒しても入手する価値があったと信じよう」

 

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「トカゲ王の島」攻略雑話(その3)

首狩族の集落(IFルート)

 

リバT『前回、密林の北西ルートを抜けて、湿地帯にたどり着いた異世界出身の聖闘少女(セインティア)キャサリンさんと、彼女の持っていた短剣クロスナイフに宿った幽霊(ゴースト)マンゴさんですが……』

 

マンゴ(アスト)「オレの通称は、ゴースト・マンゴよりも、スピリット・マンゴを希望する」

 

リバT『では、魂霊(スピリット)マンゴさんとでも言いますか』

 

キャサリンカニコング)「主役は俺ジャン。使い魔相棒が先に出しゃばるな」

 

ダイアンナ「どっちが主役とか内輪で揉めても、つまらないだろう。それより冒険の続きをさっさと聞かせてくれよ。今回は、IFルートと湿地帯の2つを攻略しないといけないんだからさ」

 

リバT『では、クイーンの仰せのとおりに、まずは前回、通らなかった西ルートの方をチェックします。海岸から密林に入り、首狩族と遭遇して勝ったのがパラグラフ177番。そこから、首狩族の集落のある南西を迂回するために北西(12)へ進んだのが前回なんですが、実はそれって思いきり遠回りだったんですね』

 

ダイアンナ「別ルートの方が近道だと?」

 

リバT『別ルートはまず、西の229番にまっすぐ向かいます。そうすると、太鼓の音が聞こえて来て、首狩族の集落が近いことが分かります。そこから南西の337番へ進むと、集落に向かうわけですが、西へ進み続けると113→7で、あっさり密林を通り抜けて湿地帯に入るんですね。最短攻略を目指すなら、北西ではなくて西→西に向かうのがベストです』

 

キャサリン「最短ルートを選んだ場合のデメリットは、手斧とロープ、樹上の老人から地図と解錠ワイヤーを入手し損ねることジャン」

 

リバT『それらのアイテムが攻略必須かどうかですね。結論を言えば、最短ルートでも問題なくクリアできます。余計なリソース消費がない分、こちらを推奨することもできます』

 

マンゴ「しかし、それだと冒険物語としては、やや味気ないのも事実。あっさり何事もなく、密林を抜けてしまうと、簡単で時短にもなるが、ゲームとしてはイベントをいろいろ堪能する方が望ましいだろう」

 

リバT『初見だと何が正解か分からないので、試行錯誤をあれこれ重ねて、最適解を探しながらパラグラフ選択による当たり外れを見極めたり、どこでどんな敵と遭遇するか、どんなアイテムを入手するかを確認する作業になりますね。人によっては「敵は全部倒した」「アイテムは全部入手した」という進め方で、分岐小説を読むような感じでゲームブックを雑に攻略する人もいます。リビングストン作品だと、それでも解けてしまうんですね』

 

ダイアンナ「そうなのか?」

 

リバT『厳密には、入手アイテムや情報に数字が割り当てられているパラグラフ・ジャンプのシステムがあれば、「未入手のアイテムを持っていたことにするズル」はできません。例えば、リビングストンの関係作品でも、火吹山の魔法使いおよび火吹山の魔法使いふたたび」には鍵や竜の牙に番号が付けられているので、しっかりキーアイテムを集めて、番号を記録しておかないと、最後まで行き着くことはできません』

 

マンゴ「でも、多くのリビングストン作品では、あまりパラグラフ・ジャンプの手法を採用していないんだな。だから、『盗賊都市』でも、『死の罠の地下迷宮』でも、必須アイテムを持っていないのに、持っているようにパラグラフを選ぶこと自体はできて、話を読み進めることができるし、『アランシアの暗殺者』でも暗殺者13人を全員倒していないのに、倒したようにウソをついて最後まで読み進めることは可能」

 

リバT『リビングストンさんの作品では、「◯◯のアイテムを持っているか? 持っているなら⬜︎⬜︎へ進め」という形で、プレイヤーに「◯◯のアイテムが必要なのか。どこで手に入るんだろう?」と考えさせる情報をくれることが多いんですね。で、「◯◯のアイテムを持っていなければ、その時点で攻略不可能なのか、それとも有利にならないだけで(または多少不利になるだけで)何とか切り抜けられるのか」という違いで、アイテムの重要度が変わってくる。必須アイテムが多いほど、攻略自由度は下がって来ます』

 

ダイアンナ「このアイテムを手に入れるためには、このルートを選択しないといけないとか、そういうのを検討するのがゲームの楽しみってことだね」

 

リバT『あとは、このルートはリスクが大きいから、こっちを選択する方がいいとか、リスクは大きいけどメリットも多いので、こっちが正解だろうとか、いろいろ選択肢を比較分析するのも楽しむ層が、いわゆるマニアだと』

 

キャサリン「ゴールまで行き着いて、そこで達成感とともに満足するのが普通のゲームブックファン。自分が通らなかったルートで、どういうイベントがあったのかまで味わい尽くして、完全攻略を目指すのがマニア層ということジャン」

 

リバT『で、IFルートをチェックするのがマニア道の一環なんですが、この首狩族の集落イベントはランダム要素のせいで、最適解がこれだと言い難いのです。パラグラフ選択よりもダイス目に左右されて、アイテムが入手できたり、できなかったりする。ある意味、最もゲームらしいと言えばゲームらしいんですけど、プレイヤーの意図どおりにはならないことも多くて、戦術をしっかり考えるタイプのゲーマーには嫌われるエリアです』

 

ダイアンナ「ランダム要素を嫌うゲーマーなんてのもいるんだね」

 

リバT『ある程度の確率操作で、成功率を高めるプレイを考えるのが熟練ゲーマーの典型だと思うのですが、例えば、1Dを振って1〜2ならバッドエンド、3〜4なら何もなく、5〜6ならアイテム入手というイベントをどう思いますか?』

 

ダイアンナ「頑張って、気合いを入れて6を出す。(コロコロ)うわ、2が出た」

 

リバT『あなたは死にました』

 

ダイアンナ「そんなの理不尽だ。もう一度振らせろ。(コロコロ)よし、6だ。アイテムゲットだな」

 

リバT『ここで、振り直し特技をキャラが持っていれば、ゲームのルールとして、今のプレイは正解ですね。3分の1でランダムに死ぬところを、9分の1に死亡率を下げられる。あるいは、アイテムゲットの確率を3分の1から、9分の5ぐらいまでは引き上げられるわけです』

 

ダイアンナ「ああ、ダイスを振る以外に、プレイヤーが操作できる要素があれば、ゲーマーは納得するのか」

 

リバT『まあ、一か八かのギャンブルに燃えるプレイヤーもいるのですけどね。一口にゲーマーと言っても、運任せのギャンブラータイプと、戦術を考える知略派タイプは異なりますし、ギャンブラータイプでもダイス目操作の特技を持っている器用な人物もたまにいますから』

 

マンゴ「実際にいるからな。『このダイスには高い目を出すように念を込めてある。低い目が必要なら別のを使う』とか言っちゃう人間が」

 

ダイアンナ「それって、イカサマダイスじゃないのか?」

 

マンゴ「いや、プレイヤーの技能なんだって。2、3回振って、『よし、このダイスには6の目を覚えさせた』と言って、宣言どおり6を出す人とか」

 

キャサリン「まあ、ボールを投げて的確にストレートやカーブ、フォークの球種をコントロールするピッチャーの制球力と同じで、ダイス目を的確に出す制出目力を練習と経験で鍛えたプロゲーマーだっているのでごわそう」

 

ダイアンナ「だけど、せっかくの鍛えた技術も、オンラインプレイだと使えなくなるのが今の時代では残念だね」

 

リバT『アナログで鍛えた制出目力を、デジタルに応用できる夢の能力を会得したゲーマーも将来は出現するかもしれませんね。気合いを入れることで、ガシャの的中率を上昇させるとか』

 

ダイアンナ「気合いでコンピューターのランダム処理能力をバグとか抜きに、一時的にでも自分有利に改変できる能力があれば、まさにチート能力者だな」

 

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「トカゲ王の島」攻略雑話(その2)

ジャングル探索はじめ

 

リバT『前回、トカゲ王が支配する火山島に上陸した異世界人、カニ座の聖闘少女(セインティア)キャサリンさんですが、このアランシア世界の唯一の友マンゴさんを大ガニとの戦いで失ってしまいました』

 

キャサリンカニコング)「おお、マンゴ、心の友よ。お前を失って、俺の魂は悲しみに打ち震えているジャン(涙目)」

 

リバT『その時、奇跡が起こりました。キャサリンさんの滂沱の涙が、霊刃クロスナイフに流れ落ちたとき、無念のマンゴさんの魂が刃に宿ったのです』

 

マンゴ(アスト)「やれやれ。オレの冒険は終わったと思ったが、お前一人を遺しては逝けなくなったようだ。肉体は失ったが、魂は不滅。トカゲ王を倒すまでは、この旅に付き合ってやるぜ。元はと言えば、オレの仕事だったからな」

 

リバT『……と言うことで、原作ゲームブックをアレンジして、この攻略物語は主役のキャサリンさんと、介添役の亡霊マンゴさんのコンビプレイでお送りします』

 

ダイアンナ「ゲームブックは一人プレイが基本だけど、発展するうちに同行NPCが登場したりして、物語性が豊かになって行ったみたいだね」

 

リバT『リビングストン単独作品では、最初の「運命の森」で支援者のヤズトロモさん、次の「盗賊都市」ではニカデマスさんが登場しましたが、同行はしてくれませんでした。だけど、その次の「死の罠の地下迷宮」で一時的に蛮人スロムさんが同行したことで、ゲームブックの可能性が広がったのです』

 

ダイアンナ「けれども、一時的な同行者は死んで途中脱落する、という伝統もできたみたいだね」

 

リバT『そうだとしても、マンゴさんの死はあまりにも早過ぎです。感情移入する間もなく散ってしまい、後の「危難の港」で顔見せ登場するまで、ブログ主もすっかり忘れていたほどの存在感の薄さだったので、ここでマンゴさんを宣揚する話を作ろうか、と』

 

マンゴ「まあ、異世界人のキャサリンの一人旅だと、アランシアの常識に欠けるからなあ。オレが助言してやらないと、ストーリーが成立しにくいという二次創作事情もあるわけで」

 

リバT『そして、海岸から密林に踏み込んだパラグラフ391番です。舞台となる火山島は東西に長い地形なので、この旅は基本的に西へ西へと向かって行く形になります。これまでのFFシリーズのダンジョン(森や都市も含む)マッピングは、南から北へと踏破して行く作品が主流だったので、地図書きの方向も注意が必要ですね』

 

ダイアンナ「縦長の紙じゃ収まりきらないので、紙の向きを横長にしないといけないわけだね」

 

リバT『まあ、当ブログでは全体マップではなく、シーンごとに部分マップを載せている形ですが、火山島のマッピングはあまり迷わせる構造にはなっていませんね。基本は2択で、ある地形を踏破すると1パラグラフに収束して、分岐→収束→分岐→収束をくり返すだけですから、例えば「運命の森」のようにルート1〜4まで細かく分かれるような構造ではない、と』

 

マンゴ(アスト)「マッピングの複雑さでは、リビングストンよりもジャクソンの方がややこしいんだな。リビングストンは基本的に1本道のストーリーで、地形的に迷うことはあまりない」

 

リバT『ただし、分岐したルートで攻略必須アイテムを取り逃がすことで、再プレイを余儀なくされることが多いですが、本作は攻略が有利不利になるという意味での当たりルートや外れルートはあるものの、こちらのルートじゃないと攻略必須アイテムが入手できないのでバッドエンド確定……という意味の厳しさはほとんどありません』

 

キャサリン「つまり、それぞれのイベントでの危険さえ乗り越えることができれば、あまり頭を悩ませることなく力技で攻略できるってことだな。脳筋の俺でも解けるわけだ」

 

マンゴ(アスト)「自分で脳筋って誇ってるキャラも珍しいな」

 

キャサリン「聖闘士にとって大事なのは仁智勇ではなくて、仁力勇だとは、その昔、獅子座のカイザーという男が言ったそうだ」

 

ダイアンナ「FFのキャラで大事なのは、技と体と運じゃないか。心はプレイヤー次第ってことで」

 

リバT『大切なのは、諦めない心と、冒険を楽しむ心ですね。では、密林最初のイベントです。人があまり入らないために、木々や蔦が鬱蒼と茂った地形なので、先に進むためには剣で道を切り開かねばなりません。時間のかかる作業で歩みもゆっくりになるために、少し疲れてきました。ちょうど大きな木の根元で、腰を下ろして休息できそうな場所を見つけました。休息しますか、それとも進み続けますか?』

 

キャサリン「マンゴ、どう思う?」

 

マンゴ「そうだな。幽霊の勘で言わせてもらえば、森の中で休息できそうな場所は、何かの罠が仕掛けられていると思うぜ」

 

キャサリン「では、その罠を踏んでみるのも一興。ゆっくりして行くとするか」

 

マンゴ「おい、オレの警告を無視するなよ」

 

キャサリン「ふう、何だか甘い匂いが漂ってきて、眠くなって来たなあ」

 

マンゴ「お、おい、キャシー、起きろ。何だか上から蔦が降りてきて、お前の首を締めようとしているぞ」

 

キャサリン「大丈夫。敵の小宇宙(コスモ)は感じない」

 

マンゴ「這い寄る蔦に、そんなものがあるか! ええい、オレもナイフだ。蔦を切断するついでに、キャシーの眠気覚ましにチクリと突き刺してやるぞ」

 

キャサリン「痛ッ! 何をする、マンゴ」

 

マンゴ「よく見ろ。オレが助けなければ、お前の生死は運だめし次第だったんだぞ」

 

キャサリン「大丈夫だ。俺の運点は11。試しに振ってみると……(コロコロ)8だから成功ジャン」

 

リバT『失敗すると、蔦に首を絞められて、人喰い樹の栄養分にされてしまうバッドエンドです』

 

キャサリン「成功すると?」

 

リバT『眠気に苛まれながらも、かろうじて必死に剣を振るって蔦を断ち切ることができました。しかし、首を絞められたダメージは大きく、技術点1と体力点2を失ってしまいます』

 

キャサリン「何と! こんなことで、技術点1点を失うでごわすか!? 恐ろしや、リビングストン。今のはなし、やり直しを要求するジャン」

 

マンゴ「リビングストン神のアランシア世界の恐ろしさが分かったか。ちょっとしたことで、やたらと運だめしと技術点減少を狙って来る。ジャクソンほどのパズル的な仕掛けは用意されていないが、ストレートに危険をぶつけて来て、油断した冒険者を苦境に追い込む王道力技が持ち味だ」

 

キャサリン「さすがに死んだ男のいう言葉は違うな。このリビングストン世界の初心者としては、今後、ナイフの警告には従うとしよう。そう、お前は乙女座アンドロメダの星雲鎖(ネビュラチェーン)に匹敵するほどの危険感知能力を備えたナイフだったんだな」

 

マンゴ「相変わらず、お前の言ってることは訳が分からんが、とにかくすごい敬意は伝わってきた。よし、ここからオレは危険察知ナイフとして機能するぜ。それでいいよな、リバT」

 

リバT『まあ、アストさんはここのキングですからね。マンゴ役を押しつけた以上は、今後もサブGM権限でカニコングさんのフォローをお願いします。油断したキャサリンさんのピンチを、クロスナイフのマンゴさんが助けたってことで、運だめしおよび、その後のダメージはなかったことにしましょう』

 

マンゴ「ナイス裁定だ、ディレクター・リバT。パラグラフ選択としては、391番から休息せずに歩き続ける81番へ進んだってことで」

 

ダイアンナ「何だか、キャサリンよりも、マンゴの方が主役になったりしないか? ダメな脳筋女主人をサポートする苦労人ナイフ(使い魔みたいなもの)の冒険譚って形で」

 

キャサリン脳筋はともかく、ダメって言うな。こう見えても、『地獄の館』はクリアしたでごわす。ただ、ジャクソンとリビングストンの作風の違いに油断しただけのこと。ここで、ジャクソンなら蔓に首を絞められて、恐怖点1点を与えられはしても、技術点を削ってくることはしないはず」

 

リバT『作風の違いはともかく、リビングストンさんはこの辺りから、技術点の上下変動が激しくなって来た気がします。そのため、リソースの維持が攻略において大切と評価されていますね』

 

キャサリン「教訓。ナイフの助言は聞き入れるべし、でごわす」

 

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「トカゲ王の島」攻略雑話(その1)

俺っ娘について

 

リバT『では、GM役として「トカゲ王の島」の攻略雑話を仕切らせてもらいますの』

 

キャサリンカニコング)「主役は、地獄の館帰りの聖闘少女(セインティア)キャサリンが務めるジャン」

 

アスト「1人称が俺、語尾がジャンのバトルヒロインに需要があるとは思えないんだが」

 

キャサリン「1人称が吾輩、語尾がごわすよりはマシと思うジャン」

 

ダイアンナ「まあ、男勝りな俺口調のヤンキー姐さんと思えば、いなくはないってことかな」

 

アスト「ナデシコのスバル・リョーコとか、か」

リバT『こういうキャラもいますね』

アスト「確かに、高橋留美子キャラだと、女らんまの他に弁天さまも俺っ娘だし、この手の姐御系キャラが多そうだな」

 

リバT『他には、故・鳥山明先生の木緑あかねさんや、二重人格ランチさん(ワイルドバージョン)も1人称、俺ですの』

ダイアンナ「最近の俺っ娘だと、この辺りかね?」

キャサリン「つまり、俺っ娘は十分、萌えキャラとして市民権を得ているでごわすな」

 

アスト「だから、ごわすはやめろ」

 

キャサリン「おっと、訂正。フィクションの俺っ娘は十分、市民権を得ているジャン」

 

リバT『で、そんな男勝りな武闘派姐御肌少女のキャサリンさんが、お喋り陽キャラのマンゴさんと舟で火山島に向かう場面がパラグラフ1番です。自慢のオールで手慣れた操船技術を披露しながら、マンゴさんは自分の父親の勲しを語ってくれますよ。彼の親父さんは山みたいな大男で、トロールと力比べをしたり、象を持ち上げたり、とにかくタフな人物だったけど、ファングの街の〈死の罠の地下迷宮〉に挑んで帰って来なかったそうです』

 

キャサリン「なるほど。では、俺も尊敬するデスマスク師匠の話をするジャン。そう、師匠は強かったが、ドラゴンには勝てなかった……と語りつつ、マンゴの父親の挑戦心を褒めたたえる。そう、漢にはたとえ負けると分かっていても挑まなければならない試練がある、と」

 

アスト「デスマスクは、格下の青銅聖闘士のドラゴン紫龍に負けるとは思っていなかったんじゃないか?」

 

ダイアンナ「それにキャサリンは漢(おとこ)じゃなくて、女だろう?」

 

キャサリン「体は女、心は漢(おとこ)でごわす」

 

アスト「まあ、間違ってはいないな」

 

リバT『そういうのを称して、漢女(おとめ)とも言うそうです』

 

キャサリン「そう、聖闘少女(セインティア)は聖闘漢女でもあるでごわすな」

 

リバT『聖闘士関係の話は、マンゴさんにはよく分かりませんが、「ドラゴンと戦ったデスマスク師匠の話」には感銘を受けてくれます。「そうか。お前の尊敬する師匠の人も、挑戦する男だったんだな。そして、お前もその心意気は受け継いでいる」と』

 

キャサリン「その通りジャン。マンゴには一宿一飯の恩義を感じていたが、この短い舟旅の上で、無二の親友のような共感を得るようになったでごわす」

 

アスト「チョロいな。カニ子やコニカがツッコミ入れたりしそうだ」

 

リバT『カニ子とコニカの背後霊姉妹は、アランシアには付いて来ていません。目下は行方不明中です』

 

キャサリン「そうなのか? てっきり常に一緒にいるものとばかり」

 

リバT『キャラが増えると、演出する方も大変ですからね。今のあなたは1人きりで、この世界ではマンゴだけが知り合いです』

 

キャサリン「しかし、マンゴは遠からず亡き人になるわけで、それまでにしっかりフラグを立てておかなければ」

 

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「トカゲ王の島」攻略雑話(準備編)

「地獄の館」以来の攻略……でごわす

 

カニコング「今回からはしばらく、元キングであった吾輩が返り咲き主役でごわす」

 

アスト「ええと、前にプレイしたのは『地獄の館』だったな」

 

ダイアンナ「ああ。萌えヒロインがどうこう息巻いていた怪リプレイか」

カニコング「怪リプレイなのは当然。奇才スティーブ・ジャクソン氏が構築したホラーゲームブックでごわすから、リプレイが幽霊だらけの怪奇風味になるのは必然のことでごわそう」

 

アスト「いや、ジャクソンのせいにするなよ。あのリプレイが、あれだけカオスなことになったのは、お前が変なキャラ立てをしたせいだろうが」

 

カニコング「お褒めに預かり、恐悦至極!」

 

アスト「褒めてねえ。今度は、まともなリプレイになるんだろうな」

 

カニコング「フッ、この吾輩がまともなリプレイを求められていると思うでごわすか?」

 

ダイアンナ「……キングの称号を剥奪されたカニに王道を求めてもダメってことか」

 

カニコング「王の座を剥奪された吾輩が、熱帯の島を征服したトカゲの王に名誉挽回のバトルを挑む正統派熱血王道冒険譚……を期待している読者には悪いでごわすが、今回はそういう話ではない(断言)」

 

アスト「カニコングVS爬虫類の王……って展開にはならないのか」

 

カニコング「そういう王道怪獣バトル映画が見たければ、これを楽しみにするでごわす」

アスト「もしかして、トカゲ王を偉大な怪獣王にして、アカデミー賞主演怪獣の栄誉に輝いたG様になぞらえているんじゃないだろうな」

 

カニコング「いや、そんな畏れ多いネタにはできないでごわすよ。しかし、トカゲ王VSコング(with小猿)というシチュエーションや、密林の島という舞台設定など、本作は実にコング映画の文脈にも沿ったゲームブックではごわさんか。吾輩は、リビングストン氏のコング愛に感服したでごわす」

 

アスト「別に、リビングストンがキングコング好きというソースは一つもないんだけどな」

 

カニコング「作品を通じて、妄想を膨らませるのは読者の自由でごわす」

 

ダイアンナ「少なくとも、ドラゴンとか翼竜とか地底怪獣みたいなのは、リビングストン作品の定番だと思うけどね。恐竜とか怪獣好きなのは察しが付くと思う」

 

カニコング「とにかく、『トカゲ王の島』という作品は、熱帯の島を舞台に、現地の未開人や巨大化した熱帯生物や恐竜、そして疫病に怯えたり、サバイバルを頑張ったり、野外冒険や鉱山探索など、盛りだくさんの冒険譚でごわすよ。他の作品とあまりリンクしておらず、一作で完結した広がりの薄さゆえ、過小評価されているでごわすが、冒険物語としてのまとまりの良さでは、非常に盛り上がる作品と感じた次第」

 

アスト「『アランシアの暗殺者』の序盤の島でのサバイバルを、1冊丸ごと展開したような作品とも言えるか。オレとしては、終盤の反トカゲ王の旗印を掲げた鉱山奴隷の蜂起のシーンが、印象的だったと記憶するが」

 

ダイアンナ「へえ。圧制に対する大規模な反乱を扇動する主人公の話ってことかい? ゲームブックでは珍しい展開だと思うけど?」

 

カニコング「基本的に一本道で、ストーリーの完成度は高いと思うでごわすが、ゲーム的な仕掛けの要素が薄くて、単調なバトルの繰り返し……と感じさせる作品と見なす者もいよう。ただ、丁寧に物語を追って行くと、豊富なイベントが用意されていて、野外冒険としてはリビングストンの既作に当たる『運命の森』よりも進化発展しているのが分かるでごわすよ」

 

アスト「『死の罠の地下迷宮』同様、1984年の作品だから、これも今年でちょうど40周年か。ジャクソンが『ソーサリー』の2巻と3巻を発表した年に当たるな」

 

カニコング「広い未開地をラスボスのいる目的地に向けて旅する展開は、ソーサリーの1巻や3巻に通じるものがあって、海岸、密林、沼地、山岳地帯、火山といった地形の変化や、それに伴うイベントの数々など、オープンアドベンチャーとしては非常にヴァリエーションに富んだ作品とも言える。D&Dで言えば、青箱エキスパートルールをたっぷり使いこなした一大キャンペーンをたったの一作で体験できるので、野外冒険のイメージソースとして良いテキストと言えたでごわそう」

 

アスト「『ソーサリー』が先に盛りだくさんの野外冒険を、より派手に大掛かりに先行して発表したから、地道にコツコツ土台を積み重ねていく志向のリビングストンが後塵を拝した形になるのか」

 

カニコング「舞台となる火山島の物語が、他の作品ともあまりリンクしないために、『危難の港』でNPCのマンゴが顔見せするまで、作品が忘れられがちだったという事情もあったか、と」

 

アスト「トカゲ王というボスキャラが、主人公とコミュニケーションを交わせない異種族だから、物語的に地味というのもあるな。しょせんはゴンチョンという寄生虫の傀儡だったわけだし」

 

ダイアンナ「ゴンチョン? 何だ、それは?」

 

カニコング「エースよ。ネタバレは良くないでごわすな」

 

アスト「おっと。表紙絵に載ってる、節足動物みたいな頭飾り(変なデザインの宝冠に見える)が生き物ということで、トカゲ王を無敵強化している元凶なんだ。この寄生怪物のゴンチョンが本作一番のどんでん返し的な存在で、後にゲームブックドルアーガの塔』でも〈ゴンコーンの剣士〉という敵キャラがオマージュ採用されている」

カニコング「だから、準備編で、いきなりラストのネタバレをするなよ。興を削ぐでごわす」

 

アスト「40年前のゲームブックのネタバレぐらいで、興が削がれるかよ。それより、せっかく攻略記事にするんだから、当ブログならではのオリジナリティを見せてくれるんだよな」

 

カニコング「フッ、それなら任せるでごわす。吾輩ならではの攻略記事で、他にないツボを突いてみせよう」

 

ダイアンナ「どんなツボか分からないのは不安なので、リバT、カニのお目付けを頼む」

 

リバT『かしこまりました、マイ・クイーン』

 

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「ハンテッド・ガーデンハート」所収の短編GB感想

ミニ・ゲームブックのあれこれ

 

アスト「とりあえず、いくつかの短編をクリアしたので感想を書いておこう」

アスト「なお、表題作の『ハンテッド・ガーデンハート』の攻略記事はこちらだな」

ダイアンナ「わずか37パラグラフの短編だから、一記事で攻略できた作品だね」

 

アスト「本書には、全部で10本の作品が収録されている。その内訳は以下のとおりだ」

 

  1. ハンテッド・ガーデンハート(37パラグラフ)
  2. かえる沼の龍神(54パラグラフ)
  3. ネグラレーナの平日(16パラグラフ)
  4. ガルアーダの塔 外伝(20パラグラフ)
  5. フィンガーセイバーの冒険(25パラグラフ)
  6. マドレーンの海域(33パラグラフ)
  7. ゴルギアスロフの旅の店(52パラグラフ)
  8. 胸おどる黒豚アグー亭(29パラグラフ)
  9. トーンの地下水道(52パラグラフ)
  10. カオスフレイムの戦士(153パラグラフ)

 

アスト「6番からはFFシリーズ的なルールで、キャラ作成ができる。5番まではキャラが固定で、サイコロを振ったりはしない分岐小説の類だな。今回は5番までをクリアしたので、その感想を語りたい」

 

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