雑誌の新刊到着
リバT『待ちに待ってたFF情報の雑誌が、グランドマスターから届けられました』
アスト「ほう、それがFFC5の情報が載ってると噂の新刊だな」
リバT『それがその……』
ダイアンナ「何だい、珍しく歯切れが悪いねえ。もしかして、FFコレクション5の話は無かったことにって残念なオチじゃないだろうね?」
リバT『いえ、出るのは確定したみたいですけど、いつに出るかは未確定で、しかも何が収録されているかも未確定だったんです』
ダイアンナ「未確定ばかりじゃないか。頼りにならない雑誌だねえ」
アスト「この時点で未確定ってことは、年末に出るかどうかも不明だな。もしかすると、来年の2月以降になるかもしれん」
リバT『あ、でも、何が収録されそうかのヒントが記事になってまして、今回はその記事を元に、こちらの予想も再度、確認していきたいと思います』
アスト「すると、FFC5の収録作品の予想クイズみたいなネタを雑誌記事にしているわけだな」
安田社長のヒントと公式予想
リバT『フライング情報を出して来ることで一部マニアの注目を集めてる社長のXポストですが、雑誌記事でも、それをネタにしておりました。そこで提示されたヒントが以下のようになっております』
- 「この世の外から」(アランシア人にとって)
- 宇宙
- 空
- 伝説
- 2つの大陸
ダイアンナ「なかなか意味深なヒントだねえ。宇宙ってことは、もしかしてSFが来るのかね?」
リバT『SFというと、「さまよえる宇宙船」「宇宙の暗殺者」「宇宙の連邦捜査官」「電脳破壊作戦」「ロボットコマンドゥ」「スターストライダー」「天空要塞アーロック」が挙げられますが』
アスト「アーロックはないな。そいつが来ると、FFCが終わってしまう」
ダイアンナ「ふつうに考えると、ジャクソンさんの『さまよえる宇宙船』だろうね。イラストの許可が下りたのかもしれないし、別のイラストレーターをジャクソンさんが推薦したのかもしれない」
アスト「何にせよ、『さまよえる宇宙船』が入って来たら、あとは『サソリ沼の迷路』が埋まれば、初期10作品がコンプリートする形だな」
リバT『ええ、「サソリ沼の迷路」も候補に挙がってますね。2つの大陸ということで、クールを舞台にした「仮面の破壊者」と「サソリ沼の迷路」の可能性をほのめかしておりました』
ダイアンナ「その辺は、ダディの予想の範囲内ってことだね」
アスト「NOVAの予想は、この記事だったよな」
ダイアンナ「『さまよえる宇宙船』は想定外みたいだね」
リバT『散々、「収録したいけどイラストの問題があって難しい」と公式で言われていましたが、逆に考えると、その問題が解決すればジャクソンの作品として収録理由は十分なわけです』
ダイアンナ「だったら、『この世の外から』ってのは何だろう?」
アスト「『死神の首飾り』は候補になるが?」
リバT『雑誌記事では、夢の世界に関係する「恐怖の幻影」と、異世界アマリリアを舞台にした「ザゴールの伝説」を候補に挙げていましたが』
アスト「『ザゴールの伝説』はありだな。まあ、作者がリビングストン名義のキース・マーティンということだが、一応、リビングストン枠ということになるか」
リバT『空は、アーロックを除外するとして、新作の「嵐のクリスタル」を公式に挙げておりました』
ダイアンナ「妥当だね。同じく新作の『死の門』はどうなるかな?」
リバT『今回の公式予想には含まれていませんでした。もしかすると、FFC6の収録候補に残しているのかもしれません』
アスト「残るヒントは伝説か。『ザゴールの伝説』以外に何かあったかな?」
リバT『未訳の44巻に「影の戦士の伝説」というのがありますが、公式予想では伝説のモンスターというネタに広げて、キース・マーティンの「吸血鬼の城」(38巻)とジョナサン・グリーンの「狼男の遠吠え」(62巻)を挙げていました』
アスト「その辺は無理やり感があるな。フェイク情報の可能性が高いと思われ」
リバT『この記事の予想信憑度がどれだけ高いかは分かりませんが、一応、関係者の公式予想をリストアップすると、以下の8作となります』
- さまよえる宇宙船(4巻):スティーブ・ジャクソン
- サソリ沼の迷路(8巻):スティーブ・ジャクソン(米)
- 仮面の破壊者(23巻):ロビン・ウォーターフィールド
- 恐怖の幻影(28巻):ロビン・ウォーターフィールド
- 吸血鬼の城(38巻):キース・マーティン
- ザゴールの伝説(54巻):キース・マーティン(イアン・リビングストン名義)
- 狼男の遠吠え(62巻):ジョナサン・グリーン
- 嵐のクリスタル(69巻):リアンナ・プラチェット
アスト「この中から5つということなら、『さまよえる宇宙船』『サソリ沼の迷路』『仮面の破壊者』『ザゴールの伝説』『嵐のクリスタル』が順当だろうな」
ダイアンナ「ダディの予想と比べるなら、『死の門』と『迷宮探検競技』(または『恐怖の神殿』)が外れで、代わりに『さまよえる宇宙船』『ザゴールの伝説』が加わったことになるね」
アスト「既訳分が3冊で、新訳が2冊だからバランスも悪くなさそうだ」
リバT『念のため、この公式予想はまだ確定情報ってわけではありませんからね。正式発表は7月発売の14号になると思われ』
他のFF関係本の予定
リバT『ジョナサン・グリーンの書いたFFファンブックの「You are the HERO」の翻訳本は来年の頭から今頃の発売予定と発表される一方、リビングストンさんの自伝「ダイスメン」はそろそろ出版されるようです』
アスト「アマゾンにはまだ入ってなさそうだけどな」
ダイアンナ「ええと、初期のイギリスのD&D輸入事情と、FFゲームブックの始まりと、ウォーハンマーの話が書いてあるんだっけ?」
リバT『70年代半ば〜80年代のイギリスゲーム文化の発展史として、貴重な書物らしいですね』
ダイアンナ「これは?」
リバT『「ダイスメン」の翻訳出版元(ニューゲームズオーダー)さんが先に出版した海外のゲーム文化の研究本ですね。ゲームというのが文化史として学術論文になるのが海外事情というものです』
ダイアンナ「こういう背景があるから、リビングストン氏がサーの称号を授与されるわけだね」
アスト「ゲームやマンガというものが、文化やアートとして根付いているのが欧米で、日本ではまだ子供っぽいと見なされる(大人は卒業しないといけない)ジャンルって違いがあるんだな」
リバT『なお、本の中身の試し読みは、こちらで行えますね』
アスト「日本発のデジタルゲームである『パックマン』や『ドンキーコング』が海外で研究材料になっていたわけか」
リバT『まあ、こういう映画が作られるほどですから』
リバT『2010年代は、80年代のサブカルチャーが大人のノスタルジーとして再評価され、今は90年代からゼロ年代初期に注目が集まっているようです』
アスト「生まれた頃からデジタル世代だった人間が大人になることで、世の中の価値観が変わって来るってことだな」
リバT『サブカルチャーとされ、一段下に見られて来たアニメやゲームが、メインカルチャーとして普通に受け入れられているのが現代ですからね。90年代に6〜70年代の文化が再評価されたのと同じ現象が、今の時代にも生じているわけです』
アスト「D&D50周年やFFゲームブック40周年を迎えた現在、それらが文化史としても、記録に値する動きだったということか」
リバT『何だかんだ言って、80年代は未来の夢を普通に語ることができた時代ですからね。子どもに語れる夢の未来を、今の大人がどれだけ持っているかが気になるところです』
アスト「80年代に夢を見せてくれた人たちが少しずつ鬼籍に入る時代に、その人たちの凄さを語り残すのも、夢を消費して生きてきた者たちの仕事かもしれないな」
ダイアンナ「過去に受けとった夢を未来にバトンタッチしていく作業の一環が、歴史研究ってことかな」
リバT『語れる人間が語って残すことで、後に残った思いに触れた人間が引き継いでいくのが歴史の一章かな、とも』
(当記事 完)