ウルトロピカルな⭐️GT(ゲーム&トレジャー)島宇宙

南の島と上空の宇宙宮殿を舞台にTRPGや特撮ヒーローなどのおしゃべりブログ。今はFFゲームブックの攻略や懐古および新作情報や私的研鑽メイン。思い出したようにD&Dに触れたりも。

「盗賊剣士エクストラ」攻略感想(その1 昼の部)

「盗賊剣士」の完結編

 

アスト「久々のゲームブック攻略記事だが、パラグラフ117番までの短編だな」

リバT『本編の「盗賊剣士」と、その前日譚に当たる「ハンテッド・ガーデンハート」と合わせて、3部作を構成している感じですね」

 

アスト「それらの攻略記事は、以下を参照してくれるといいぞ」

ダイアンナ「『盗賊剣士』攻略記は(その7)まであるんだね」

 

アスト「(その1)から順番に読んでから、本記事につながるようにするといいんだが、実は前作ストーリーで一つ大きな問題があったんだ」

 

リバT『アストさんはどちらかと言うと、問題だらけのような気もしますが。本当に一つだけですか?』

 

アスト「問題は見つけたものから一つずつ解決、もしくは解消、あるいはスルーするか、誰かに丸投げするか、いろいろ対処法はあるが、とりあえず何が問題かを認識しないことには始まらないだろう。世の中には、問題があっても自分では気づかない鈍感極まりない輩もいるんだからな」

 

ダイアンナ「つまり、問題に気付いただけ自分は偉いと言いたいのか?」

 

アスト「話の腰を折らないでくれないか。大きな問題とは、前作の最終決戦前にライバルギルド【ホークウィングス】の女盗賊アマンダを、オレ(盗賊ギルド【オッドアイ】の若き盗賊剣士ボクラーノ)は殺さず、生かしておいたんだ。さっさとネタバレが見たい読者は、こちらをチェックするといい」

リバT『ボクラーノってキャラ名は、後から「ハンテッド・ガーデンハート」で付けられたんですね』

 

アスト「こうやって、少しずつストーリーを積み上げながら、キャラの設定も浮かび上がっていくわけだな。で、当ブログの攻略記事では、アマンダは殺されていない。しかし、続編の『エクストラ』では、最初のプロローグで『アマンダを任務の都合で殺害した』と書いてあるんだ。この矛盾をどうしよう? ってのが最大の問題だったんだが、最後までプレイすると、まあ何とかなった。ふう、殺したって誤解が晴れて助かったぜ」

 

ダイアンナ「もう、プレイは最後まで終わったんだね」

 

アスト「ああ。だから、当記事ではリアルタイムの攻略ではなく、攻略後の振り返りであれこれ解説感想をしていくつもりだ。たぶん、1回では終わらないから、2回ぐらいかな。ともあれ、アマンダについては、アマンダの妹が登場して、こちらを姉の仇と狙って来るんだな。そんな彼女を返り討ちにすると後味が悪いし、本作はストーリーの途中で人を殺せば殺すほど、死人使いのラスボス魔女を倒すのに苦労する仕掛けだ。できるだけ人は殺さないプレイをするのが最適解ということになる」

 

ダイアンナ「任務の都合で仕方なく殺すというケースもあるし、好き好んで暴力に訴えるという進め方もあるけど、もっとスマートに立ち回るとボス敵相手に苦労しないって仕掛けだね」

 

アスト「ついつい殺したくなるのは、ゲームブック慣れしている者のあるあるだけど、本作は殺しへのペナルティーがしっかりあるわけで、なかなかに面白い。しかし、オレはアマンダを殺していないのに、殺したように誤解されているのは難儀だった。それを解決する手段はただ一つ、『盗賊剣士』本編で【アマンダ(39)】のコネをきちんと記録していることだな。彼女へのコネはエクストラでは入手できない。本編をプレイしている者限定の隠しパラグラフに通じる。本編をプレイしていなければ、アマンダの妹に命を狙われるイベントも発生しないので実害はない。厄介なのは、本編をプレイ済みだけど、アマンダのコネを入手し損なったか、記録したメモをなくしてしまった場合。妹さんの恨みを買ったまま、彼女を自害に追い込んでしまう。説得の余地はない」

 

ダイアンナ「裏稼業ゆえの業を積み重ねる感じかい」

 

アスト「ただ、アマンダのコネを上手く使うと、彼女が実は生きていた(重傷を癒やすまでの間、行方をくらませていた)ことが判明し、オレの物語と上手く辻褄が合う形にできたのでホッとしたわけだ。姉の生存が分かると、妹さんとの和解も成立するので大変、後味が良くなる。人殺しの業を積み重ねるエンドも用意されているが、やはり最後はハッピーエンドで締めくくりたいものだ」

 

リバT『すると、隠しボスとは戦わなかったんですね』

 

アスト「ああ、いくら何でも、アニーと戦うような話はノーサンキューだからな」

 

ダイアンナ「ちょっと待て。どうして、あたしがアストと戦わないといけないんだ?」

 

アスト「これは最後のネタバレになるが、盗賊ギルド【オッドアイ】の裏切り者の正体は、アニーが演じた、あのキャラなんだよ。よって裏切り者を粛清するか、それとも見逃してギルドから共に足抜けするかの選択肢になる。前者で非情の盗賊剣士として歴史に語られるようになるか、盗賊剣士を引退して冒険者稼業に転向するかの2種類のエンディングが用意されている。まあ、後者が正史なんだろうけど」

 

キャラの引き継ぎ

 

アスト「エクストラは、それ単独でプレイできるようキャラ作りのルールも用意されているが、本編で使ったキャラを引き継げるようにもなっている。オレの盗賊剣士、ぼくらのボクラーノは、続投なので、技術点12、体力点23、運点12の武闘型剣士で行くことにした」

 

ダイアンナ「武闘型は、技術点12でスタートできるんだね」

 

アスト「素の技術点は9だったな。他に、運点12でスタートできる幸運型と、体力点24でスタートできる体力型の選択肢が用意されている」

 

リバT『演技型と知略型が消えたんですね』

 

アスト「そいつらは別パラグラフを用意しないといけないからな。さすがに短編でそこまでの容量はないので割愛されたようだ。本編でそういうタイプを選んでいた場合は、改めて武闘型、幸運型、体力型のどれかを選び直すことになる」

 

ダイアンナ「所持品はどうなるんだ?」

 

アスト「初期のアイテムは、袋、剣、金貨10枚、食料2食だけだが、本編からの引き継ぎでは、以下のアイテムを持っていてもいいことになっている」

 

  • 投擲槍
  • 攻撃力が増加する武器
  • マキシミリアンの籠手
  • 各種寄生虫
  • 盾、木製の楯
  • 闇紅のアレクサンドライト

 

アスト「ボクラーノの場合は、闇紅のアレクサンドライト、ハンマー+2、マキシミリアンの籠手(原技術点+1、原体力点+1。本編では原体力+2だったのに、効果が減少したようだ)、あとは攻撃力は増加しないけど、愛用の武器である〈幸運のレイピア〉は特別に持って行くことにした。戦闘時に敵と引き分けた際、こちらの勝ちにできる効果は実質的に攻撃力+1みたいなものだからな」

 

リバT『すると、結果的に技術点13、体力点24、運点12で、ハンマーで戦うなら攻撃力15、街中でハンマーが使えない場合はレイピアで実質攻撃力14ってことになりますね』

 

アスト「本編をクリアしたデータだと、結構強いわけだな。ただし、本編でいっぱい稼いだお金とか、運だめし用のお守りとかサイコロは自堕落でだらしない生活のために失ったことになっている。まあ、ゲームバランス上は仕方ないってことだな。とりわけ、所持金の問題が大きいわけだ」

 

ダイアンナ「武器や宝石を持っているだけマシってことだね」

 

アスト「あとは【アマンダ(39)】のコネが重要ってことで、これを使わなければ、エクストラは十分に楽しめないと思う」

 

ギルドの裏切り者を探せ

 

アスト「プロローグでは、本編の概要が簡単に語られる。数ヶ月前、故郷の街でヘマをやらかして逃げ出した主人公ボクラーノは、逃避行の最中でエルフの女盗賊ニナ・ガーデンハートと邂逅し、彼女の紹介でこのネグラレーナの街にやって来た(『ハンテッド・ガーデンハート』)。その後、盗賊ギルド〈オッドアイ〉の新人盗賊として活躍を示し、ライバルギルド〈ホークウィングス〉との競争にも勝って、連中と合併、〈オッドアイ〉がネグラレーナ最大の闇組織となるのに貢献したわけだな(『盗賊剣士』本編)」

 

ダイアンナ「領主へレーナ・マキシミリアンとの関係はどうなっているんだ?」

 

アスト「彼女はエクストラには登場しない。本編では、彼女をギルドの敵として殺すエンドと、和解して盟約を交わすエンドの2種類があったが、エクストラではどちらのエンドからでもつながるように、領主の件は語られないんだ。ただ、本編で焼き討ちにあったギルドの拠点にして宿屋の〈奇妙な猫の瞳亭〉はしっかり再建していて、お姉言葉のギルド長アレハンドロも健在だ。彼がボクラーノに相談を持ちかけたことで、エクストラは始まる」

 

ダイアンナ「ギルド長に相談を持ちかけられるなんて、大した出世ぶりだね」

 

アスト「最強の盗賊剣士にして、ギルド壊滅の危機を救うのに多大な貢献をしたからな。顔が広くはないのと、金銭管理にルーズなので組織の長にはなれないが、持ち前の度胸と力量、恵まれた幸運、そして義理堅い性格のおかげでギルド長の懐刀的な信頼を得ているわけだな」

 

リバT『義理堅い性格は重要ですね。無責任とか非人情さが露骨ですと、人間関係で信頼など築けませんから』

 

アスト「裏稼業だと余計にな。身勝手で、いつ裏切るか分からない悪党が、組織の中核にいられるはずがない。まあ、利害の対立とか、信念ゆえの衝突からの決裂とか、いろいろなドラマの展開もあるんだが、とりあえずアレハンドロはボクラーノに、『ギルド内部の裏切り者の調査』を依頼してきた」

 

ダイアンナ「裏切り者は何をしたんだ?」

 

アスト「1年前から、ギルドの収入金をこっそり横領しているらしい」

 

ダイアンナ「ああ、金銭管理上の問題か。盗賊ギルドのお金をちょろまかすとは、組織のメンツにも関わるし、ある意味、大胆不敵な犯行と言えるな」

 

アスト「そういう内偵的な仕事をどうして新人のオレに? と問いかけると、理由は3点ほどある。『犯行は1年前から行われている。新人のボックは1年前にギルドにいなかったから、確実に無罪と言える』『誰だって仲間を疑いの目で見たくないし、付き合いが長いほど冷静に犯人探しができなくなる。だけど、ボックは新人だからこそ曇りない目で真実を見極めることができるだろう』『これまでボックは任務に忠実で、力量も人格も信頼できることは証明されている』といったところか」

 

リバT『なお、新人だからこそ、味方を疑うというイヤな仕事も押しつけやすいし、事が露見してギルド内部に不和が生じても、責任を負わせて切り捨てやすいというギルド長の思惑があるのかもしれません』

 

アスト「まあ、海千山千の組織の長としては、事態に手を打ちつつ、どう転んでも上手く事が回るよう念入りに策を検討するものだからな。信用してると口では言いながら、利害に反するようなら平気で切り捨てるぐらいの強かさは持ち合わせていないと、裏稼業の長は務まるまい。それを承知で、こっちはこっちで上手く立ち回る方法を考えるのみだがな」

 

ダイアンナ「信用しつつ、その信用を安定させるための日頃の言動とか、利害関係をしっかり保持して、互いのWinWinが何かを表面的にも明言しておくことだね」

 

アスト「まあ、そういう打算的なところを抜きにした、情愛だけの人間関係を理想としたい作家もいるのかもしれないけど、情愛だけでリアルな物語は作れないな。主人公とヒロインは情愛キャラでもいいけど、その周りに冷静かつ客観的に状況を解説してくれるキャラがいないと、作者の客観的視点が信用できなくなる」

 

リバT『ポエムとか内心吐露的な自己に酔うタイプの主観的文学ならいいんですけどね。少なくとも、物語なら客観視点で見て状況説明してくれるキャラも欲しいところです』

 

アスト「ミステリーなら、主観と客観の食い違いがトリックの材料になることもあるけどな。さておき、ボクラーノが内偵役として盗賊ギルドの各キャラクターのことを調べることが、エクストラの目的その1となる。容疑者リストは以下のとおりだ」

 

●偽造専門家のエルガ(10):かえる人。頭が良くて寡黙。手先が器用で、書類の改竄や、ちょっとした小細工が得意。犯人の有力候補。

●拷問官レゴルバ(20):冷徹なトロール。肉体を痛めつけて情報を聞き出すのが仕事だが、感情の起伏は乏しく、頭はあまり良くない。金銭的興味も薄そうだが、ギルドの古株なので、一応の容疑者扱い。

寄生虫アビゲイル(30):トリックスター的な立ち位置の少女。10代の若さだが、ギルドには5年以上在籍している。病弱で力はないが、大型獣の体内に侵入して、コントロールを奪う特殊能力を持っている。明るい性格ながら、倫理観が壊れている。

●娼婦メリンダ(40):「ハエ」という異名を持つ美女。色仕掛けと情報収集を得意とする。派手好みで、金回りがいいタイプに見える。

●夜の妖精ニナ(50):主人公(ボクラーノ)をギルドに導いたエルフの女性。信頼できるコンビで、2本の短刀を駆使した戦闘術と盗賊技量の全般が得意。ただし、力仕事には不向きで、体力自慢の相手には向かない。

 

ダイアンナ「なるほど。この中で犯人は、あたしが演じたキャラだから……」

 

アスト「おっと。それ以上のネタバレはまだ早い。ここの熱心な読者なら、すでに見当は付いていると思うが、結果は分かっても過程を大事に考えたい読者向きに、犯人が分かるのは最終段階にしておく。なお、犯人が分かっても、その動機や心理描写がポイントだからな。割と心情描写が淡白なことが多いFFシリーズと比べて、FT書房の作品は情愛などの心情が凝っていて、小説的な完成度が高いと思うな。作者は本作を姉妹愛の物語と後書きで述べていて、確かに納得だ。犯人が誰かよりも、犯人の心情を主人公が理解する流れが読みどころと考える」

 

ダイアンナ「ところで、名前の後に付いている(数字)は何だ?」

 

アスト「彼ら彼女らは容疑者であるとともに、同じギルドの仲間なんだ。だから、金貨3枚を払うことで、仕事に協力してくれる。その力を借りたいときは、今のパラグラフに(数字)を足せばいい。コネ以外に、いつでも使えるパラグラフ・ジャンプの仕掛けとなっている」

 

ダイアンナ「いつでも使えるって、特に条件付けはないのか?」

 

アスト「ああ、いつでもだ。だから、最初のパラグラフ1番から、いきなり11、21、31、41、51に進んでもいい。ただし、どれも全然、話がつながって来ないけどな。どのタイミングで仲間の手を借りるかは、プレイヤーの任意だ。まあ、夜の仕事をアレハンドロから引き受けたときに助けを要請すればいいだろう」

 

リバT『確かに、仕事の内容を聞いていなければ、仲間の協力も求められませんからね』

 

アスト「つまり、仲間の協力を借りつつ、その中で彼ら彼女らの人となりを確認して、容疑者を絞り込むのもゲーム性の一つってことさ」

 

ダイアンナ「パラグラフ117番までしかないのに、ずいぶん凝ったゲームブックじゃないか」

 

アスト「それに、大筋のゲーム性は本編と同じなんだな。昼間は街の各所で情報収集し、夜はギルドから要請される仕事をこなし、その過程で最後に裏切り者が誰かを確定させる。夜の仕事は全部で5つで、昼の情報収集(街の散策)は本編が3回なのに対しエクストラは2回まで。今回は、昼の情報収集ポイントを一通りチェックして、当記事 完にする予定」

 

ダイアンナ「ゲームの攻略順ではないんだね」

 

アスト「じっさいのプレイでは、どこで情報収集するか、どの順番で回るかを試行錯誤しながら、最適手順を検討するわけだが、それをすると長くなるので、今回の攻略は情報収集パートと、夜の仕事の解決パートは別々に扱うことにした。最適手順探しは、もしかしたらEX記事に回すかもしれない」

 

ダイアンナ「では、ここから昼の部、と」

 

ネグラレーナの街めぐり(エクストラ編)

 

アスト「情報収集の基本パラグラフは午前の部(2)と午後の部(13)に分かれて、午前は9ヶ所。午後は〈鷹の翼亭〉が加わって10ヶ所になる。回れる場所は以下のとおり」

 

  1. 医院
  2. 幸運の泉
  3. 武具店
  4. 教会・墓地
  5. 広場
  6. 直売所
  7. 娼館
  8. 肉屋
  9. 大通り
  10. 〈鷹の翼亭〉(午後のみ)

 

リバT『本編では17ヶ所を散策できましたが、さすがにエクストラは容量の問題で絞られました』

 

アスト「本編にあって消えた場所は、閉鎖された公衆浴場、博物館、闘技場、賭博塔、牧場の5つの他、大学、処刑場、造船所、魔法の道具店、スラム、〈奇妙な猫の瞳亭〉に待機、の6つで合計11ヶ所が消えたことになる」

 

ダイアンナ「すると残っているのは、医院、幸運の泉、武具店、教会&墓地、大通り、〈鷹の翼亭〉の6つで、あと4つが新規の広場、直売所、娼館、肉屋になるわけか」

 

アスト「以下では、それぞれの場所別にイベントを解説していこう」

 

1.医院

 

アスト「本編でも登場した医師のポドス先生の診療所だ。金貨1枚で体力1点が回復する以外に、性病と流行り病の薬をそれぞれ金貨2枚で売ってくれる」

 

ダイアンナ「性病だと!?」

 

アスト「一応、児童向きというレーベルのFFシリーズではあり得ない単語だな。アダルト描写OKの同人ゲームブックのFT書房ならではのイベントだ」

 

リバT『アストさんが、そういう病に感染しないことを願いましょう』

 

アスト「感染しても、悪いのはオレじゃなくて、ボクラーノだからな。ゲームでのイベントに、いちいち目くじらを立てるなよ」

 

ダイアンナ「分かってる。分かっているんだが、この収まらない電撃をどこに発散したらいいんだ?」

 

アスト「どこかに充電器があって、電力を蓄えられたらいいんだがな。今度、アニー専用の獣電池をドクター・ウルシェードに作ってもらおうか」

 

ダイアンナ「今はアストに発散させるしかないっちゃ!」

 

アスト「うわ〜(バリバリバリ)」

 

リバT『アストさんが感電して麻痺状態なので、続きは私めが解説します』

 

2.幸運の泉

 

リバT『ここに寄ると、運点が1点回復します。まとめて何点も回復できないのが残念ですね』

 

3.武具店

 

ダイアンナ「ここの主人は、本編で殺されていないか?」

 

リバT『イベントによって殺されたり、生き残ったりしますが、エクストラでは店主が代わっていますね。アイアン・スティング改めシルバー・スティングさんが今度の店主。金貨3枚で投げ短剣、金貨4枚で絞殺具、金貨5枚で木製の楯を売ってくれます』

 

ダイアンナ「今回はただの買い物場所なのか」

 

リバT『闘技場もありませんからね。あとは、意外な話ですけど、人を殺害しないために絞殺具が必要になるようです』

 

ダイアンナ「殺さないための絞殺具って、どういうことなんだ?」

 

リバT『それは次回の記事で、おそらくアストさんが語ってくれるはず』

 

4.教会・墓地

 

リバT『場所的にはセット扱いですが、教会と墓地で別イベントですね』

 

ダイアンナ「教会は、確かお祈り懺悔で運が2点回復するんだったね。泉よりもこっちの方が効率よいと評判だった」

 

リバT『残念ながら、今回は教会でのお祈りはできません。代わりに、1人の修道士の懴悔告解を聞くことに』

 

ダイアンナ「何で?」

 

リバT『ええと、教会に行ったら誰もいなかった。これはチャンスと思って、何か金目のものがないかと物色する誘惑に駆られていたら、背後で人の気配を感じたので、とっさに隠れられそうな場所に飛び込んだら、そこが信者の悩みを聞く懴悔室だったという流れです』

 

ダイアンナ「教会で何かを盗もうなどと罰当たりなことを考えるなよ、アスト」

 

アスト「いや、オレじゃなくてボクラーノだ」

 

ダイアンナ「おお、目覚めたか」

 

アスト「まだ、痺れは残っているがな。口を動かすぐらいはできる。とにかく、懴悔室に隠れることになったボクラーノは、正体を見破られないよう、『たまたまネグラレーナを訪れた旅の司祭』を装って、信者の懺悔を聞くことになった。すると、驚いたことに、その男は信仰心のあまり、『主任司祭の持つ聖ハリストンの聖印が欲しくって、机の上に置きっぱなしだったものを盗んでしまった』と告白し始めたんだ」

 

ダイアンナ「どこにでも泥棒ってのはいるもんだね」

 

アスト「全くだ。盗賊剣士が司祭役となって、泥棒信徒の懺悔を聞くシチュエーションが面白いというか。で、その聖印泥棒は、そのまま盗んだ聖印を持って帰ろうとしたら、運悪く主任司祭が帰ってきたので、『とっさに盗んだものを隠せる場所がないかと慌てて周囲を見回し、聖エスパダ像の足元にある机の小さな引き出しに放り込んだ』らしい。値打ち品である聖印のありかが分かったので、【聖印(40)】のコネを獲得したわけだが、この情報はしばらく使う機会がない。懺悔イベントの後では、聖エスパダ像の近くには主任司祭の監視の目が張り付いているために、引き出しから聖印をくすね取る間がないからだ」

 

ダイアンナ「だったら、いつ入手できるのさ?」

 

アスト「夜の仕事で、教会に侵入する時があるので、それまでに聖印のありかを知っておくといい。そして、この聖印を入手していると、ボスの死人使い戦が楽になるわけだ」

 

ダイアンナ「なるほどね。教会で聖印入手は有用イベントだと」

 

 

アスト「次に墓地だったな。ここでは本編で知り合ったクシャン侍従がいて、彼に金貨20枚を渡すと、墓地の死体を焼却してくれる。死体の焼却イベントを済ませると、羽根飾りが入手できて、これもボス戦を楽にできるフラグアイテムだ」

 

ダイアンナ「教会と墓地は重要なんだな」

 

5.広場

 

アスト「ここから、本編にはなかった新規の場所だ。広場に初めて来ると、ギルド長の飼い猫にして、オッドアイ(左右の色の違う目)の由来である白ネコ・エストレージャが魚屋の前で物欲しそうにしている。彼のために金貨1枚で魚を買ってやると、エストレージャの感謝を得られて、魚の尾をくれる」

 

ダイアンナ「魚の尾なんて役に立つのか?」

 

アスト「これを持っていると、ピンチの時にエストレージャが助けてくれるんだ」

 

ダイアンナ「ネコの手も借りたいような局面があるんだな」

 

アスト「あるんだよ。夜の仕事でな」

 

6.直売所

 

アスト「ここでは、自分の手持ちのアイテムのいくつかを売って、金貨を入手することができるが、売れるものは限られていて以下の3点だけだ」

 

  • ハリストンの聖印:金貨2D枚
  • 闇紅のアレクサンドライト:金貨3D枚
  • 剣:金貨1D枚

 

ダイアンナ「アレクサンドライトと剣ぐらいしか売れるものはなさそうだね。早急にお金が必要なら、利用するかもしれないが、優先順位は低そうだ」

 

7.娼館

 

アスト「ここの解説は、オレよりもリバTに任せた方が良さそうだ。オレが語ると、何を言ってもアニーの電撃を喰らいそうな気がする」

 

ダイアンナ「よく分かっているじゃないか」

 

アスト「学習したんだ。さあ、リバT、頼む」

 

リバT『仕方ありませんね。娼館を利用するには金貨2枚が必要です。単に性的な目的を果たすためだけに利用もできますが、その場合、『満足し、君は帰った』という淡白な文章のみで、描写に期待した人は残念だったとしか言いようがありません。ここの主目的は、娼婦から容疑者の情報を集めることぐらいです』

 

ダイアンナ「娼婦から情報収集するしかないのかい?」

 

アスト「各キャラの背景を知るには必須だけど、5人分、知りたいなら金貨10枚だからな。アイテムやコネが入手できるわけでもないので、一度、捨てキャラを使って、一通りの情報を入手した後は、リセットして再プレイするのがいいのではないだろうか」

 

ダイアンナ「チートプレイを勧めてどうする?」

 

アスト「この攻略記事を読んでいる時点で、ちょっとしたチートみたいなものじゃないか」

 

リバT『とにかく、娼館で入手できる情報をまとめると、以下の感じですね』

 

  • 偽造家エルガ:娼館の常連だけど、金づかいは派手な方ではない。お金にもあまり興味はなくて、静かに安全に暮らしたい。偽造の仕事も、盗賊稼業の中で一番リスクが少ないから、と言っていた。
  • 拷問官レゴルバ:サディスティックな性格で、娼館には出入り禁止になっている。街に来た当初は、街角で女性を買って乱暴を働こうとしたという噂もある。しかし、盗賊ギルドで拷問官の仕事を始めてからは、それで欲望が満たされているからか、乱暴を働いたという噂は聞かなくなった。
  • 夜の妖精ニナ:色事関係の店は利用していないようで、情報が何もない。情報料の金貨2枚を返してくれる。
  • 寄生虫アビゲイル:色事関係の店は利用していないようで、情報が何もない。情報料の金貨2枚を返してくれる。
  • 娼婦メリンダ:仕事仲間なので、詳しく話が聞ける。若いころに両親を亡くして、姉といっしょに育った。だけど、その姉が少し前に殺されたそうで、毎日泣いていた。その後、「犯人を殺してやる!」と言って、それを目標に元気が回復したらしい。お金については、器量良しで娼婦としての稼ぎがいいので、困っているとは思えない。

 

アスト「以上の情報から、エルガとレゴルバは今の仕事に満足しているようなので、仕事を失うリスクを冒すとは考えにくい。一方で、メリンダについては、姉の仇を討つためにお金が必要とも考えられるが、ギルドの金が盗まれたのは1年前からで、時期の符合があわないと判断できる」

 

ダイアンナ「つまり、ここで情報をしっかり得ていれば、裏切り者は残り2人のどちらかと推測できるわけだね」

 

アスト「物語としては、ニナ、アビゲイル、メリンダの3人にスポットが当たるのは間違いないな」

 

8.肉屋

 

アスト「『誠実ヴァネッサの食肉店』と書かれた店に、食料を補充しようと訪れる形になる。しかし、オウガの女店主が経営するこの店では、大型怪物の死体など、まともな肉を使っていないことを知って、退散するわけだ。夜の仕事の伏線ぐらいの意味しかない無駄足ポイントということで推奨しない」

 

ダイアンナ「しかし、魔物食ということは『ダンジョン飯』の例もあるし、調理の仕方によっては意外とイケるのではないか?」

 

アスト「ここはダンジョンでなくて、街中だ。オレは『シティ飯』にありつきたいね」

 

9.大通り

 

アスト「本編同様、スリが行える。1回の運だめしか技術点チェックの好きな方で成功すれば、金貨1D+5枚が入手できる。小遣い稼ぎ用の場所だな」

 

10.鷹の翼亭

 

アスト「最後に、元ライバルギルドの拠点だ。相変わらず午後のみ開店していて、オッドアイの食事よりも美味しいはずなんだが、どうもボクラーノがアマンダを殺したという噂が流れていて、顔を出しづらい。オレは殺してないっての」

 

ダイアンナ「しかし、誤解を晴らすためにも、寄って行った方がいいのでは?」

 

アスト「まあ、そうだな。大胆にも敵地に乗り込むような気分だ。そして、エクストラで驚いたのは、アマンダってホークアイのリーダーだったんだな。本編では、ギルドの意向には逆らえないと言っていたから、発言力はそれなりにあっても決定権のない1メンバーに過ぎんと考えていたが、リーダーだったとは、そりゃあ恨まれもするか。殺してないのに」

 

ダイアンナ「だったら、無実をアピールしろよ」

 

アスト「それには【アマンダ(39)】のコネが必要になるんだが、てっきりエクストラで入手できると思っていて、初見プレイでは使えなかったんだ。実は『盗賊剣士』本編で入手したコネだと知ったのは、初見プレイで攻略失敗してからの再プレイ時になる。パラグラフ番号の55番にコネ番号39を足したパラグラフ94番に行くと、生きていたアマンダと再会できる」

 

ダイアンナ「どういう話の流れだ?」

 

アスト「アマンダのコネを持っていると、彼女の着けていた鷹の羽根のペンダントを胸に着けた男に気づく。それが『ホークウィングス』のリーダーの証であることは後から知ったんだが、その男ビノーに声をかけて、『それはアマンダのペンダントだろう? どこで手に入れたんだ?』と尋ねると、『お前があいつを傷つけたんだろう? 瀕死の重傷を負った彼女は、もうリーダーを続けられる状態じゃなくなった。だから俺に後を託したんだ』と憎々しげに答える。『オレはアマンダを殺していない。きちんと和解できたはずなんだ。どこにいる? 会わせろ。生きているんだろ?』と詰め寄ると、渋々ながらもビノーは『ああ、このペンダントがあれば、死にはしない。ペンダントに持ち主の生命力の一部を蓄えておけるんだ。致命傷を負っても、ペンダントの生命力でギリギリ生かしてくれる仕掛けなのさ』と本編の描写の補足説明をしてくれた」

 

ダイアンナ「だからアマンダは生き残った、と」

 

アスト「まあ、オレは殺していないんだけどな。それでも、瀕死の重傷の後、感染症にもかかったりして、ずっと生死の狭間をさまよっていたらしいんだ。ビノーがアマンダの看病なんかもしていて、原因を作ったボクラーノを恨んでいたらしい。最近、ようやくアマンダがベッドから起きられるようになったとのことで、土下座して会わせて欲しい、と懇願したら、相手は当惑を顔に浮かべた」

 

ダイアンナ「そりゃあ、敵対相手と思っていた男に、いきなり土下座までされたんじゃあな」

 

アスト「こっちは敵対しているとは思ってない。誤解を解くためなら、土下座でも何でもするさ。まずは相手と話し合いのテーブルに乗ることが大事。プライドが邪魔して、変に警戒されても損だからな」

 

ダイアンナ「プライドの欠片もない男の言葉など、聞く耳持たない相手だっているだろう?」

 

アスト「そりゃあ、相手を見て対応を考えるぐらいはしないとな。このビノーという男、アマンダに心酔しているようだったから、オレはアマンダの敵じゃないと示すことが何よりも大事。とにかくビノーは『あきれた奴だな。お前がアマンダを斬ったんだろう? だが、気持ちは分かった。アマンダに訊くだけ訊いてやる。だが、あいつがダメと言ったら、あきらめろよ』と応じてくれた。その後、アマンダの許可が出て、〈鷹の翼亭〉の秘密の地下室で彼女と再会することができたわけだ」

 

 

アマンダ『(ニッコリ)久しぶりだな!』

 

ボクラーノ『死んだという噂が流れていたが?』

 

アマンダ『お前との戦いで負った傷が悪化したんだが、もう大丈夫だ。こちらも暗殺稼業だから、恨みもたくさん買っている。傷が癒えるまでは死んだことにしている方が都合がいい。家族にも心配をかけてしまっているが、もうすぐ会いに行けると思うとホッとするよ』

 

ボクラーノ『家族がいるのか。命を助けて正解だったようだな』

 

アマンダ『お前の武器さばきは本物だ。負けたことには悔いがないさ』

 

ビノー『そいつを許すってのか?』

 

アマンダ『こういう稼業だ。いつ死んでも恨みっこなし、のはずだろ? 大体、この男は、私が生きていると聞いて、のこのこ会いに来てくれるようなお人好しだぞ。つまらない確執などあるはずもない』

 

ビノー『……理解し難い野郎だが、姐さんがそう言うなら、悪い奴じゃなさそうだな。リーダーの判断には従うさ』

 

アマンダ『今は、お前がリーダーだ。でも、オッドアイの連中との鞘当ても程々にしておけ。私らは負けて、傘下に入るという約束だったんだろう? 義理はしっかり果たすのが、ホークウィングスの流儀。違うか?』

 

ビノー『……ああ、義理は果たす。おい、お前』

 

ボクラーノ『ボクラーノだ。ボックと呼んでもいいぞ』

 

ビノー『だったら、ボック。アマンダ姐さんの言葉どおり、俺もお前を信じることにするし、部下にも言い聞かせるようにする。これからは仲間だ、それでいいな』

 

ボクラーノ『誤解が晴れて良かったよ』

 

 

アスト「こうして、ホークウィングスと完全に和解できたのが、エクストラの最適ルートだ。これで【アマンダの秘密(29)】のコネを入手して、運点も1点回復する」

 

ダイアンナ「先に運点を消費してから、ここに来るといいみたいだね」

 

 

アスト「以上が、昼間の街散策の全てだな。じっさいのゲームでは、どの順番で回るか試行錯誤しないといけないし、1回のプレイでは全部を回りきれないので、当たりとハズレ、そして夜の仕事に応じたタイミングなども見極めながら、最適解を模索することになる」

 

ダイアンナ「必要なフラグは、武具店の絞殺具、教会の聖印情報、墓地の死体焼却、広場の魚の尾、アマンダの生存確認の5つっぽいな」

 

アスト「娼館での情報収集は、物語の詳細背景を補うために必要だけど、一度知ればいいだけの話だからな。ゲームシステムのための攻略フラグ(アイテムとかコネの獲得に関わるもの)ではない。あと、必要なお金は、絞殺具の金貨4枚、死体焼却の金貨20枚、魚代の金貨1枚の合計25枚ってところか。まあ、死体焼却代を払わないなら、ボス戦で相手を弱体化させる方法が一つなくなるだけなので、十分攻略が可能なんだけどな。たぶん、この金貨20枚を工面するのが一番難儀だろう、と思う」

 

ダイアンナ「では、次から夜の仕事の部だな」

 

アスト「物語としては、そっちがメインだからな。昼間の情報収集は、ただの仕込みってことで。まあ、仕込みと本番が上手く連動してこそ、物語は面白くなるのも事実だけど」

 

ダイアンナ「いわゆる伏線とかだね。伏線抜きで、クライマックスだけ見せられても、緩急のリズムとか、構成の冴えみたいなものは感じられない、と」

 

アスト「昼と夜の二面性こそが、本作の醍醐味だからな。では、夜の部を楽しみに」

(当記事 完)