ウルトロピカルな⭐️GT(ゲーム&トレジャー)島宇宙

南の島と上空の宇宙宮殿を舞台にTRPGや特撮ヒーローなどのおしゃべりブログ。今はFFゲームブックの攻略や懐古および新作情報や私的研鑽メイン。思い出したようにD&Dに触れたりも。

「ハンテッド・ガーデンハート」攻略

雪山の逃避行ゲームブック

 

ダイアンナ「あたしの名前はリサ・パンツァ。アズール卿の追っ手から逃れて、氷指山脈に踏み込んだあたしは……ヒャッ!」

 

リバT『読者のみなさんを惑わせるようなネタは控えて下さい、クイーン・ダイアンナ。今回の攻略は、「雪の魔女の洞窟」ではありません』

 

ダイアンナ「言葉でツッコミを入れるのはともかく、触手でお尻を撫でるのはやめてくれないか? 変な気分になるじゃないか」

 

リバT『これに懲りたら、変な寄り道はやめて、速やかに攻略に移って下さいませ』

 

ダイアンナ「仕方ない。あたしの名前はニナ・ガーデンハート……って、ヒャッ!」

 

リバT『ニナさんの一人称は、漢字で「私」です。「あたし」ではありません』

 

ダイアンナ「演技指導が細かいな。頼むから、その触手をうねうね動かすのはやめてくれ」

 

リバT『最近、グランドマスターNOVAが仮面ライダー555の映画を見てきたらしく、オルフェノクの触手ウネウネに妄想を掻き立てられやすいモードみたいです』

 

ダイアンナ「いやなモードだな。だったら、アスト、リバTがあたしに触れようとしたら、お前が盾になって、代わりに触手を受け止めるんだ」

 

アスト「ちょっと待て。男にまとわりつく触手なんて、読者は求めていない」

 

ダイアンナ「そもそも、触手すら求めていないだろう? ここに来る読者が求めているのは、ゲームブックの攻略記事であって、触手に邪魔されると攻略に専念できないだろうが」

 

リバT『仕方ありませんね。私めは今回、ハンター・ダムリス役を担当します。桜森出身で、名うての弓使いであり、追跡術に長けた怪物狩猟のプロ……という設定で、ニナ・ガーデンハート様を執拗に追い回すストーカーです。逃げないと、捕まえて、娼館に売り払って触手プレイの刑ですよ〜。FFゲームブックと違って、FT書房製のゲームブックはアダルト要素OKの作風ですので、容赦なくTVでは放送しにくいVシネネタを披露しますよ〜』

 

ダイアンナ「そんなことになっては、当ブログの品性が地に落ちてしまう。絶対に捕まってなるものか。(大きく息を吸って、精神を統一し)私の名前はニナ・ガーデンハート。盗賊都市ネグラレーナの盗賊ギルド〈オッドアイ〉に所属しており、『夜の妖精』の二つ名で知られている。借金の方に売られた妹たちを助けるために、危険を冒して少しずつ身請け金を貯めていたんだけど、ある日、北の高原都市サン・サレンの地下迷宮の噂を聞いた。古い、忘れられた財宝が眠っているという話だったが、それはどうやら罠だったようだ。妹たちのように私を捕まえようと、娼館の手の者が待ち構えていたのだ。それに気づいた私は、雪に覆われた高地の森に逃げ込んだが、プロのハンターに追われて、武器や食料も失って半ば絶望的な逃避行を続けている。捕まって触手地獄に落とされるなんて勘弁だ……って話をプレイする」

 

アスト「ゲームブックには、触手ネタはないけどな」

 

プレイ開始

 

ダイアンナ→ニナ「パラグラフ1番からの選択肢は2つ。これまでの経緯を確認する5番と、逃げ方を考える2番だ。5番の経緯はすでに前置きで確認済みのため、2番に進む。現在の状況は、スタミナ5、距離2だ。スタミナが0になると、パラグラフ14番でゲームオーバー。距離が0になると、パラグラフ10番で追っ手のダムリスと直接対峙することになる。ダムリスとの対決を乗り切るためには、弓矢を入手したりするなど、いろいろとフラグを立てる必要がある。十分なフラグを獲得するまでは、スタミナも距離も0にならないように、上手くパラグラフを選ばないといけない仕様だ」

 

アスト「サイコロによる判定はないので、純粋にパラグラフ選択だけでプレイが進む分岐小説だな」

 

ニナ「ゲーム性は、2つの数字を0にしないことだけ。で、雪原で敵をまくために無理をして強行軍で進むか、無理はせずに状況に任せるかの選択肢だが、私は触手がイヤなので無理に逃げた」

 

リバT『そこまで嫌われると、悲しいものがありますが、今は敵対相手なので仕方ありませんね。疲労により、スタミナを3減らして下さい。距離は1増えますが』

 

ニナ「スタミナ2、距離3か。念のため、状況に任せていたら、どうなっていたんだい?」

 

リバT『どっちにしても疲れるので、スタミナ2点減少。距離も1減りますので、スタミナ3、距離1になっているところでした。いずれにせよ、パラグラフ29番へ進め、です』

 

ニナ「パラグラフ29番。追っ手に追われてスタミナを減らした私は空腹にさいなまれる。追っ手さえいなければ、今ごろはサン・サレンの町で温かいカンガルーキャットのシチューでも食べているはずだったのに! と思いながら、ふと見ると、メーラの実が3つ成っている木に気がついた。冬の季節なのに季節外れの実が残っていることをいぶかしく思いながら、天の恵みと思って一つ食べてみることにした」

 

アスト「敵の罠ということはないのか?」

 

ニナ「だから警戒しながら一つだけ。それでスタミナ1点の回復だ。保存食代わりに、もう1つを半分に割って、ポケットにしまう。これぐらいならかさばらないと判断したんだ」

 

リバT『なお、食い意地が張って3つも食べてしまうと、追っ手が近づいて来るのが見えて、慌てて走り出す羽目になります。お腹が膨れた直後に激しい運動をしたせいで、気分が悪くなって吐き戻して、スタミナ2点が減るという罠が』

 

ニナ「それでゲームオーバーになったりするんだな。何も食べないって選択肢もあるけど、それではスタミナが回復しないので、一つだけ食べるのが正解、と。次に、雪原の行軍中にダチョウのような騎乗生物のポルルポルルを見つけたので、余ったメーラの実をあげると懐いてくれた。それに乗って距離ポイントを2点稼いで、スタミナ3、距離5になる」

 

リバT『メーラの実を3つとも食べていると、ポルルポルルを馴らすことができずに、無駄な時間を費やして距離1が削られてしまい、バッドエンドになったりするんですね』

 

アスト「食べ過ぎは禁物ってことだな」

 

ニナ「こんな感じで、当たりパラグラフと外れパラグラフを探りながら、基本は一本道でストーリーを進めていくわけだ。そして、何とか距離を稼いだものの、ポルルポルルは数十分後にはへバッてしまった。わずかながらも助けてくれたことに感謝しながら、解放してやる。程なく日が暮れて、それでも月明かりを頼りに追ってくるダムリスの執拗さに舌を巻く。私が夜目の利くエルフじゃなかったら、決して逃げ延びることはできなかったろう」

 

リバT『敵から執拗に追い回されるゲームブックってのも珍しいですよね。まあ、「アランシアの暗殺者」は次から次へと襲って来る暗殺者の襲撃を逃れるゲームブックでしたが』

 

アスト「結局は、暗殺者狩りに転じるゲーム性だったけどな」

 

ニナ「狩られる獲物が逆転して狩る側に移り変わる展開が面白いんだけど、今はまだその時じゃない。1対1では決して勝てないので、仲間が必要なんだ。その時は、アスト、お前の出番だ」

 

アスト「おお、『盗賊剣士』の主人公とニナ姉さんの邂逅譚でもあるからな。それまでは待機させてもらうぜ」

 

夜中の商人を経て、翌日

 

ニナ「パラグラフ27番。夜の行軍中に焚き火の明かりを見つけて、野営中の商人だと分かる。護衛が2人いて、彼らの協力を仰ぐことができないか、と考える。一晩だけでもかくまってもらうか、うかつに人と関わるのは危険と判断するかだが、後者だと徹夜の行軍を余儀なくされるので(スタミナ2点減少。距離3増加)、ここは体力の温存を重視することにした」

 

リバT『商人さんに接するんですね。彼はこれから冬の山奥に向かう毛皮商人で、ニナさんを歓迎してくれそうです。事情を話して泊めてもらうか、事情を話さずに泊めてもらうか、やっぱり泊まらずに歩き続けるかの選択肢です』

 

ニナ「正解は、事情を話さずに泊めてもらう、だな。事情を話すと、ダムリスに私を引き渡すように動かれるので、逃げ出さざるを得なくなる。ここはなけなしの金貨を渡して、寡黙な旅人らしく距離を保ったまま、警戒しつつ休ませてもらおう」

 

リバT『スタミナ1点が回復しますが、距離が2に戻ります』

 

ニナ「スタミナ4、距離2だな。夜営できなければ、スタミナ1、距離8だが、距離よりもスタミナの方が大事だと思う」

 

リバT『では、翌朝です。商人さんたちと別れて、逃避行再開です。メーラの実を残していれば、スタミナ1点を回復できますが?』

 

ニナ「しまった。ポルルポルルにあげて距離2を稼ぐのは、夜営した場合は無駄だったから、実を残していた方が良かったのか。まあ、ここでのスタミナ1点は大きな問題にならないだろう」

 

リバT『それで、次のイベントは雪中に刺さっているスキー板を拾うか、無視するかの選択ですが?』

 

ニナ「初見だと、アイテムゲットを期待して拾いたくなるんだけど、正解は無視することなんだな。無視して、パラグラフ17番に進まないと、攻略必須なイタチイベントを通過できない。イタチの動きをよく観察すると(36)、ちょっとしたパラグラフジャンプ的な条件が得られる。ここで、自分の足跡を逆に踏み戻って追跡をごまかす『バックトラックの技術』を会得することが大事なんだ」

 

アスト「バックトラック? ゲームブックでは、聞かない手法だな。パラグラフジャンプとは何が違うんだ?」

 

ニナ「パラグラフジャンプは、何かの条件があれば、パラグラフ番号に特定の数字を加減したり、2倍などの特殊な計算をした番号に進む処理を示す」

 

アスト「『雨が強く降り出した』という記述があれば、該当パラグラフに20を加えた項目に進むこと……とかの条件を事前に与えられて、それに基づいて進んだ先に隠しルートや隠し情報なんかが見つかる仕掛けだな」

 

ニナ「バックトラックは、何かの条件があれば、そこまでの話を読んだうえで、前のパラグラフに戻る仕掛けだ」

 

アスト「指セーブで普通にやったりしないか? 進んだ先がバッドエンドだったりすると、一つ前に戻って別の選択をする形で」

 

ニナ「本作のバックトラックは、その指セーブとパラグラフジャンプを組み合わせた独自性の高いシステムだと思うぞ。わずか37パラグラフの小品だけど、このバックトラックという仕掛けがあるおかげで、ピリリと難易度を高めているワンポイント・アイデアなんだと思う。そこに気づかないとクリアできないという意味では、ゲームブック初心者の私の目から見ても、なかなかお見事と思えたな」

 

リバT『「死の罠の地下迷宮」を解いたのだから、初心者はもう卒業しているでしょう』

 

ニナ「そうか。だったら、ゴブリンスレイヤーで言うところの、第7位青玉等級の冒険者と自認していよう。とにかく、初心者の白磁、黒曜、鋼鉄の下位3等級を抜けた辺りだね」

 

アスト「クラシックD&Dの赤箱ベーシック(3レベルまで)から、青箱エキスパート(4〜14レベル)に入った辺りだな。ともあれ、パラグラフ36番で、バックトラックの技を会得した、と。それから?」

 

ニナ「パラグラフ21番で、うっかりイノシシ用の『足くくり罠』に引っ掛かってしまう。仕掛けを外すのに時間をとられ、距離が1になってしまう。これは確定イベントらしく、避ける術はない」

 

アスト「何だかピンチって感じだな」

 

ニナ「そこで、次のパラグラフ16番。運命の出会いが待っている丸太小屋だ。アスト、出番だぞ」

 

アスト「いよいよか」

 

2人の盗賊の邂逅

 

リバT『丸太小屋では、2人の男がもつれ合っています』

 

アスト「うほっ」

 

ニナ「どういう展開なんだ(汗)?」

 

リバT『雪山登山で、裸で抱き合って暖をとっている……わけではなくて、黒ずくめの男が背後から若い青年の首を絞めているようですね。若い青年はそれなりにたくましい体格ですが、このままだと殺されてしまいそうです』

 

アスト「もがッ、ヘルプミー!」

 

ニナ「厄介ごとには関わりたくないけれど、ここで青年を助けないと、ゲームをクリアできないんだね。よし、助けて恩を売ろう。青年に気を取られている黒ずくめの背後に回って、奇襲攻撃はできないか?」

 

アスト「助けてくれそうな女の動きに気づいて、黒ずくめの刺客に最後の抵抗を試みる。うおーっと暴れるぞ」

 

リバT『「大人しくしろ! 暴れてもムダだ」と暗殺者は絞め落とそうと、腕に力を込めます』

 

アスト「ゴボゴボッと口から泡を吹き、白目をむいて失神しかける」

 

ニナ「その隙に、暖炉の脇の薪を手にして、暗殺者の頭に振り下ろすんだな」

 

リバT『しかし、気配を察した暗殺者はギリギリで回避します。頭を狙った一撃は、惜しくも肩に当たり、暗殺者はニナさんに向き直ります。「仲間がいたとはな!」 暗殺者は腰から短刀を引き抜いて、ニナさんに攻撃して来ますね。あなたのスタミナが2以下なら、暗殺者に負けてゲームオーバーです』

 

ニナ「今のスタミナは4だ。こんなところで、私は死なない!」

 

リバT『しかし、抵抗むなしく、相手の格闘技量はニナさんよりも上です。素早い短刀の連続攻撃を間に合わせの武器の薪では凌ぎきれず、あっさり弾き飛ばされてしまい、回避に専念するしかありません。しかし、程なく追いつめられて壁際で転倒。馬乗りになった暗殺者が短刀を振り下ろすのを、ニナさんはかろうじて両手で相手の腕をつかんで、防ぎ止めました。しかし……』

 

ニナ「力の差は歴然か。ジワジワと短刀の切っ先が迫り来るのを、力で押し留めることができずに、死を覚悟する」

 

リバT『のどに刃が触れたその時……アストさん』

 

アスト「暗殺者の首筋に、手にした矢を突き刺す。気分は、必殺仕事人だ」

 

リバT『こうして、暗殺者を協力して倒したニナさんと、若い盗賊の物語が交わります』

 

 

ニナ「私はニナ・ガーデンハート。あんたは?」

 

アスト「オレの名前は……ええと、リーサン・パンザとでも名乗っておくか。アズール卿の差し向けた暗殺者組織〈サソリ会〉に命を狙われて、逃避行の最中……って、うほわッ!」

 

リバT『(触手ウネウネ)読者のみなさんを惑わせるようなネタは控えて下さい、キング・アスト。今回の攻略は、「アランシアの暗殺者」ではありません。あなたは「盗賊剣士」の主人公であって、リーサン・パンザとは住む世界が違います』

 

アスト「いや、謎かけ盗賊に拉致されて、気がつけば世界の壁を越えていたって話には……」

 

リバT『なりません。アランシアとアランツァは名前も似ていますし、ゲームシステムも流用されていますが、リーサン・パンザの使用権はプレイヤーNOVAの物なので、あなたにはありません』

 

アスト「そうは言っても、「盗賊剣士」の主人公は名前を決めていないんだよ。名前、決めないといけないのか?」

 

リバT『いずれ、「盗賊剣士エクストラ」でも同じキャラを使うことになりますので、決めておいた方が良さそうですね』

 

アスト「そうだな。(少し考えて)オレの名前は、ぼくらの……いや、ボクラーノだ。盗賊剣士ボクラーノって名前で行くぜ。アストを並べ替えて、トーアスも候補に挙がったが、ボクラーノの方が洒落た感じで、盗賊剣士っぽいと思った。あだ名はボック」

 

リバT『では、もりもり頑張ってください、ぼっくん』

 

アスト→ボクラーノ「ぼっくんじゃねえ! とにかく、改めて自己紹介だ。オレの名前はボクラーノ。ニナ姉さんと言ったか。あんたのおかげで命拾いしたよ。前の仕事でヘマをしでかして、追われていたんだ」

 

ニナ「奇遇ね。私も追われているの。皮肉な運命を感じながら、自嘲的に笑みを浮かべる。こんなところで、あんたを助けている場合じゃなかったんだけどね」

 

ボクラーノ「それでも助けてくれたんだな。だったら、今度はオレが助ける番だ。あんたの追っ手はオレが倒してやる。これで貸し借りはなしだ」

 

ニナ「……気持ちは嬉しいけど、無理だと思う。追っ手のダムリスは強敵よ。見つかったら最後、バッドエンド送りだわ」

 

ボクラーノ「あんた一人なら、そうかもしれない。だけど、あんたとオレが力を合わせれば、一人で倒せない暗殺者も倒せるんじゃないか? オレは自分の幸運を信じるぜ。暗殺者に首を絞められながら、それでも諦めずに30分近くもがき続けていたら、森の妖精に助けられた。諦めたらゲームオーバーだが、諦めずにもがき続けたら、必ずチャンスは来る」

 

ニナ「半ば絶望しかけていた私だけど、ボクラーノと名乗った青年の瞳の奥に宿る力強さに、息を呑みます。安心したのか、ボロボロと涙がこみ上げて来て、抑えていた感情が吹き荒れます」

 

ボクラーノ「お、おい、泣くなよ……と、どうしていいか分からず、ただ黙って、見守るしかないか。オレは演技派じゃない武闘派だからな。泣いている女性を上手く宥められるキャラじゃない」

 

ニナ「ほんの数分、涙とともに弱気になった自分を洗い流して、覚悟が定まるわ。武器はあるの?」

 

ボクラーノ「弓と矢を持ってはいるが、エルフのあんたの方が扱いは上手そうだな。オレは剣の方が使い慣れている」

 

ニナ「弓矢を受け取って、パラグラフ10番へ向かいます」

 

ハンターとの決着

 

リバT『ダムリスに追いつかれたパラグラフが10番です。ここに入ると、フラグを立てていない限り、バッドエンドになってしまいます』

 

ニナ「フラグの条件は、青年(ボクラーノ)を仲間にして、弓矢を入手していることと、バックトラックの技を会得していることの2つだね」

 

ボクラーノ「だからと言って、正面から戦ってもダメなんだな」

 

リバT『選択肢は、「逃げてダムリスを誘い込む(13)」が正解です』

 

ニナ「その後の選択肢は、『樹上に隠れる(30)』か『雪原に足跡をつけて逃げる(7)』に分かれるんだけど、どっちに進んでも、バッドエンドに突入してしまって、ストレートには攻略できないようになっている」

 

ボクラーノ「どっちに進んでもダメってことは、どうすればいいんだよ?」

 

ニナ「そこで、バックトラックの技を使うんだ。まずは、パラグラフ7番に進むと、七歩歩いたところで振り返る』という記述がある。七歩がわざわざ太字に強調されているのもポイントだ。続いて、『雪に足跡が残る』という記述が文中にあって、それがバックトラックの条件だ。それを確認してから、前のパラグラフの13番に戻るといい。そのまま読み進めて、パラグラフ32番に行くとゲームオーバーだからな」

 

ボクラーノ「雪に七歩という足跡を残してから、それを踏んで戻るということか」

 

ニナ「その後で、13→30に改めて進むと、樹上に隠れるんだけど、『足跡に関する工夫をしていたなら、その歩数を今のパラグラフ30に足して進むこと』と記載されていて、それで最後のパラグラフ37番に到達できる仕様だ。さもなければ、15へ進んでバッドエンドとなるわけで」

 

リバT『32番のバッドエンドは、スキー板をはいたダムリスに雪上で追いつかれて、移動速度の差で逃げきれずに棍棒の一撃で気絶させられます。15番のバッドエンドは、樹上から弓矢で奇襲を仕掛けるのですが、相手に気づかれてしまって避けられてしまいます。向こうも弓矢を持っていて、しかも怪力を活かした強力な専用矢なので、一撃で昏倒するほどの威力。肩口に矢が突き立って、意識を失ってしまうわけで、どちらも娼婦送りとなってウネウネ触手の刑です』

 

ニナ「ウネウネ触手なんて、ゲームブックには書いていないじゃないか」

 

リバT『原作に書いてなくても、その趣旨に反しない限りは、想像力で脚色する自由はあるべきです。もちろん、ゲームブックの作者には敬意を表しますがね。作品をより楽しむのは、プレイヤーにして読者の権利というもの』

 

ニナ「私はウネウネ触手を楽しめないので、そういうバッドエンドは願い下げだ。樹上から、足跡を追跡して来るダムリスを密かに観察する。バックトラックの足跡に誘導されて、私のいる樹を通り過ぎて、背中を見せた時がチャンス。足跡が突然に途切れて、困惑しているダムリスの隙を見出して、弓矢を放つと上手く肩に命中させることができた」

 

ボクラーノ「それで弓を取り落としたダムリスに対して、樹の陰に隠れていたオレが飛び出して、奴の太腿に深々と剣を突き立てたんだ。そして、倒れたダムリスにとどめは刺さずに言う。『これで追っては来れまい。それでも追うというなら、オレがお前を殺す。オレは暗殺者も、ドラゴンさえも恐れず殺す男だからな』 ハンターに負けないほどの殺気を放ってやる」

 

リバT『すると、ダムリスは言います。「今日のところは、貴様の勝ちだ。だが、諦めたわけじゃないぞ、ニナ・ガーデンハート。それに……」』

 

ボクラーノ「お前に名乗る名前はない。剣の柄で殴って、相手を気絶させる」

 

リバT『バタンキュー。こうして、ニナさんはダムリスの手から無事に逃げ延びることができました。ゲームブックでは、ダムリスが殺されずに放置されましたので、もしかすると他の作品に登場するかもしれません』

 

ニナ「原作で死んでないキャラを勝手に殺すのもはばかれるからね。で、私は自分の拠点のネグラレーナに帰るけど、あんたはどうする?」

 

ボクラーノ「噂の盗賊都市か。だったら、オレもそこのギルドに紹介してくれないか? 暗殺者に狙われたままじゃ、元の街には戻れない。この剣の腕が活かせる仕事なら、表だろうが、裏だろうが何だってやってみせるさ」

 

ニナ「武闘派の剣士か。あんたの腕だったら、傭兵でも務まるんじゃないか? わざわざ夜の世界に足を踏み入れなくてもいいと思うけど?」

 

ボクラーノ「あんたに付いて行くと運が開ける。そう思うんだ。お願いだ、同行させてくれ」

 

ニナ「やれやれ。物好きな男もいたものね。いいわ、ギルドの頭領に話は通しておく。『奇妙な猫の瞳亭』で、『夜の妖精』に会いに来たと言えばいいわ。でも、今は別行動にしましょう。縁があればネグラレーナで。無事に街まで辿り着くことも、ギルドの入会テストだと思って」

 

 こうして、2人の盗賊、若き武闘派剣士ボクラーノと、夜の妖精ニナ・ガーデンハートが出会い、そして一時の別れを告げた。

 2人のネグラレーナでの再会から、新たな物語『盗賊剣士』が始まり、夜の街で数々の危機を乗り越えることになる。

 物語は、『盗賊剣士』そして『盗賊剣士エクストラ』へと流れて行く。

(当記事 完)