ウルトロピカルな⭐️GT(ゲーム&トレジャー)島宇宙

南の島と上空の宇宙宮殿を舞台にTRPGや特撮ヒーローなどのおしゃべりブログ。今はFFゲームブックの攻略や懐古および新作情報や私的研鑽メイン。思い出したようにD&Dに触れたりも。

FFコレクション4と5の話

『サラモニスの秘密』を購入

 

リモートNOVA『念願だったFFコレクション4をついに手に入れたぞ』

 

アスト「殺してでも奪いとる」

 

リモートNOVA『やめてくれ。作者が死ぬと、このブログが終わってしまう!』

 

アスト「お前のことだから、死にきれずに悪霊となって、ゲームブックをプレイし続けるんじゃないか?」

 

リモートNOVA『その手があったか。よし、永遠にゲームブックをプレイするために悪霊化する呪文の研究を……』

 

ダイアンナ「永遠にゲームブックをプレイする……って何だか呪われていそうで、それはそれでイヤだねえ」

 

リモートNOVA『さすがに、ずっとゲームブックしかしないと、それはそれで飽きるだろうが、とにかく今の俺は早くサラモニスに行きたいと思ってるよ。だから、とりあえずダイスを振って、キャラ作りをしてみる』

 

 (コロコロ)6、8、6。

 

リモートNOVA『おお、普通にいい出目、来たあ。技術点12、体力点20、運点12でこれなら普通にクリアできそうだ』

 

アスト「それでも初見だと、死ぬだろう?」

 

リモートNOVA『死なないように、いい名前をつけるか。そうだな、NOT DIEをモジって、ノトディー、いや、少し並べ替えてディートンかな。D&DとT&Tを組み合わせたような名前になったが、それはそれで悪くない。よし、俺のサラモニス攻略キャラの名前は、ディートンだ。死んでも悪霊転生の呪術で復活して、必ずクリアしてみせる』

 

アスト「転生するのはいいが、わざわざ悪霊にならなくてもいいんじゃないか? そもそも、ヒーローが悪霊ってのもどうかと思うぞ」

 

リモートNOVA『それもそうだな。では、悪霊はディートンではなくて、ディートンに憑依している裏人格ってことにしよう。人呼んで、「悪霊憑きのディートン」と冒険終了後に語られるようになる、今はまだ無垢の新米冒険者のディートンってことで』

 

ダイアンナ「キャラもできたことで、早速プレイ開始かな」

 

リモートNOVA『いや、今回はただの準備編だ。その前に書きたいネタがいろいろあってだな』

 

FFコレクション5の現在の予定

 

NOVA『雑誌情報よりも早い安田社長のXポストで、FFコレクション5の動向を気にしてるんだが、現在は国内の編集部との打ち合わせが済んで、収録作品タイトルがほぼ決まった段階で、それをリビングストンさんに承諾してもらい、イラストレーターとの契約が受諾されれば製作開始ということらしい。一方で、リビングストンさんも新作を執筆中という話も聞いたし、ワクワクはまだ続く。悪霊になってる場合じゃないってことだな』

 

アスト「そんなに悪霊が好きなら、これなんかがお勧めだぞ」

NOVA『その辺がFFコレクションに収録されることは、まずないと思っているんだが? まあ、FFコレクションが5集で終わらずに、10集とか15集とか続いて行けば話は別だろうが』

 

ダイアンナ「10集だと、50巻。15集だと75巻か。現在の作品巻数からは、最大でもそれで打ち止めだね」

 

NOVA『最新作が71巻で、それにソーサリー4巻を足した数字が75巻だからな。まあ、FFコレクション10まで出たとしたら、それだけでも快挙だろう。5年後に、「おお、とうとうFFコレクション10が来るか。楽しみだなあ」と言える未来があったら幸せだなあ、と思う』

 

アスト「まあ、FFコレクション5だけでもワクワクしてるんだからな」

 

NOVA『一応、現段階の暫定スケジュール(安田社長の想定)は以下の感じらしい』

 

  • 3月末:収録作品決定。発表もその頃?
  • 4月末:GMウォーロック13号でも、雑誌上での発表。その辺りで、予約注文の受け付け開始。
  • 9月ぐらい:予約の締め切り
  • 12月:FFコレクション5の発売予定

 

アスト「あくまで、企画主導者の想定であって、確定ではないってことだな」

 

NOVA『もちろん、不測の事態で遅れる可能性はいくらでもあるだろうけど、大事なのはある程度のスケジュールまで明確になって来たので、それに応じて、こちらがあれこれ期待しながら、1年間の楽しみを追求しやすくなったってことだな。年末発売予定が2月になっても楽しめるし、半年遅れでも許容はできる。ただし、新刊出てから5年めなのに、続きを書いてるって話が作者からちっとも出て来ないロードス、お前はもう諦めた』

 

ダイアンナ「って、そっちに飛び火するんだ」

 

時をかける魔法の話

 

NOVA『まあ、世の中、86年に最後のゲームブック作品として「モンスター誕生」発表後、89年の小説「トロール牙峠戦争」以来、作家としては雌伏の時を過ごしたジャクソンの新作ゲームブックが36年ぶりの復活作品として、2022年に登場したという快挙があって、今、とうとう、その翻訳版が手元にある奇跡に恵まれたのだから、5年程度は小さい小さいと割り切ることもできる』

 

アスト「『サラモニスの秘密』には36年ぶりパワーというのが込められているんだな」

NOVA『36年ぶりパワー、そうだな。時空魔術師を自称する俺にも、なかなか制御できない歴史の重さ、超時空エネルギーの激しさを感じるぜ。そう、まさに伝説の時を越える魔法のようにな』

 

ダイアンナ「すると、今のダディは体力点7を消耗したような気分ってことなんだね」

 

NOVA『そう、これぞ禁断の呪文書の超パワー……って、今回はソーサリーの48種類の妖術が記載されたスペルブックも、目玉の一つだ。これまでのソーサリー翻訳版では、巻末収録だった呪文書が原書のように独立した一冊の小冊子としてボックスに同梱されている』

 

アスト「呪文書って雰囲気がいいんだな」

 

NOVA『ああ。しかも、冒険を始める前に魔法使いはまず呪文を暗記しなさい、とルールで強要されるのがいいんだよ。冒険中に呪文書は持って行けないという設定(国家の秘伝なので敵国に持ち出して奪われたら大変だ)なので、自分で覚えた呪文だけ使えるし、テキトーなパラグラフを選ぶと、体力5点のペナルティが襲いかかるという罰ゲーム仕様』

 

アスト「これって、どういう仕組みなんだろうな? 間違えた呪文を使っても何も起こらない、というのは分かる。しかし、どういう原理で、間違えた呪文に5点の体力消耗という魔力が襲いかかるんだ?」

 

NOVA『ただのゲーム性と言ってしまえば、それまでで面白くもないが、俺解釈はある。アナランドの魔法使いは妖術呪文のソーサリーを学ぶ際に、誓いを立てさせられるんだ。「呪文を決して安易に使わない」って。安易な呪文使用者は呪いで体力を失うという誓いを経てこそ、妖術を習得できる。そして、不正確な呪文の使用は、呪文を安易に使うという禁則に引っ掛かる。だから、宣誓した呪いが発動する、と』

 

ダイアンナ「あたしは違う解釈を考えたけどね」

 

NOVA『ほう、どんな解釈が考えられるんだ?』

 

ダイアンナ「呪文を使う際は、精神集中して魔力を高めるだろう?」

 

NOVA『ソーサリーの妖術は、体力を魔力の源泉として消費するシステムだな。昔のT&Tに近いものがある』

 

アスト「要は、MPみたいなポイント消費システムだけど、精神力みたいな別能力を設定せずに、HP的な体力点や筋力度の減少を魔法使用による疲労と解釈したわけだな」

 

ダイアンナ「間違えた呪文というのは、溜めた魔力がうまく発散させることができずに、その場で暴発してしまう。だから、疲労ではなくて、暴発した魔力によるダメージで5点の体力を失うんだ」

 

NOVA『なるほど。俺の考えた「安易な呪文使用によるペナルティの呪い」説と、「充填した魔力の暴発」説の2つか。アスト、どう思う?』

 

アスト「オレは呪文の専門家じゃないので、判断できん。まあ、公式が説明していないなら、どっちでもいいんじゃないか? 読者には他の意見もあるだろうし、別に決めなくても、ゲームブックを楽しむことはできる」

 

NOVA『とにかく、48種類のソーサリー妖術と、それから48種類のFT書房版・異国魔法(「水上都市の祭日」収録)を比較する記事を書くのも一興だと思ったが、それよりももっと先に研鑽しないといけないことができた』

 

アスト「何だ?」

 

NOVA『「サラモニスの秘密」で初登場した《綴り呪文》だよ。綴りも呪文も、どちらも英語でspellなので、英語がスペル・スペルなのか、それともスペル・マジックなのか気にしてみるわけだが、とにかくアルファベットの各文字に数字が割り当てられて、呪文の綴りを数字化してパラグラフ選択するシステムなのか? とプレイ前の先入観だ。

『例えば、ZEDの魔法だと、Z(0)+E(3)+D(60)で63へ行くようにって話かな、と思って63へ進んだが、全く意味のない序盤の忍び足パラグラフで、運だめしを要求されただけだった』

 

アスト「無意味にパラグラフを覗き見るなよ」

 

NOVA『いや、いいじゃないか。テキトーにパラパラめくって、イラストだけ見て、「おお、サイ男さんだ(76)」とか、「カエル人だ(268)」とか、「ドリーの村」「カエル沼」「スティトル・ウォード」といった懐かしい単語を発見したり(とは言え、去年、攻略記事を書いたから記憶には新しいんだが)、バルサスやザラダン・マーが健在な背景世界っぽいので、それらのゲームブックの前日譚になるのかな、とか、いろいろチラ見しながらワクワクを高めている最中だ』

 

アスト「ワクワクしてるなら、早速飛び込めよ」

 

NOVA『いやだ、36年ぶりの新作を楽しむのに、パッと燃えて、儚く終わるような楽しみ方はしたくない。どんどん薪を入れて、ゴーッと熱を高めて、万全の熱量で楽しさを満喫したい。そう考えているのが今だ。プレイ前のワクワク準備タイムを味わおう』

 

ダイアンナ「で、《綴り呪文》の予習かい」

 

NOVA『今、分かった。本文では《綴り呪文》にスペリングというルビが付けられている。スペリングというダブルミーニングの専門用語を《綴り呪文》と訳したんだな。この訳語選択にも興味がある。安田社長は本作の翻訳に、「言語由来のパズルがいっぱいあって、翻訳がなかなか難儀している」とXポストで書いてあったりしたが、後書き解説でもパズルの一部変更について補足している。ジャクソンのゲームブック特有のパズル性が、本作をパラパラめくっただけでも感じられて、攻略記事を書くのも苦労しそうだなあ(ワクワク)って感じてる』

 

アスト「苦労しそう(ワクワク)というのが何だかなあ」

 

NOVA『世の中には、ワクワクできない苦労と、ワクワクできる苦労というのがあってな。後者は、面白いブログ記事の糧になる。前者は、ブログ記事にしてもつまらないだろう?』

 

アスト「人の苦労話を聞かされるだけじゃ、つまらないか」

 

NOVA『苦労がただの愚痴の吐きこぼしだけになってる文章じゃ、読んでてうんざりするけど、苦労して頑張った結果、こんなに良いことがありました的なハッピー譚なら、いいかな、と。まあ、他人の破滅譚を喜ぶ人間もいるらしいが、グッドエンドのないバッドエンド集は……ホラーならありか。いかに、衝撃的な死に方、あるいは死んだ後も続く呪いとかは、物語のネタなら楽しめることもある。悪霊人生も悪くはない……と達観するのも一興か』

 

ダイアンナ「悪霊に感情移入すると、自分も悪霊化してしまったりしないか?」

 

NOVA『悪霊ネタは置いておいて、本作で楽しみにしていた安田解説の話に移るとしよう』

 

今回の解説文は少量

 

NOVA『さて、FFコレクションには、翻訳主導者である安田均社長による作品紹介や、FFシリーズの歴史と現状をまとめた小冊子が付いて来て、とりわけ前回のFFC3における「作者イアン・リビングストンの経歴」は未訳の自伝からの抜粋も含めて、非常に読み応えのある30ページ弱の記事だった』

 

アスト「コレクション1と2は、過去の解説本『ゲームブックの楽しみ方』の再録+アルファが半分ぐらいで、他に新訳作品の紹介意義付けなんかを書いてあったが、コレクション3はリビングストン・ボックスの名にふさわしい、サー・リビングストンの本邦初公開的な内容も盛りだくさんで、いい勉強になったもんな」

 

NOVA『で、今回のジャクソン・ボックスでは、同程度の密度でジャクソンについてもたっぷり書かれていることを期待した。俺たちの知らないジャクソンの近年の動向(コンピューターゲームやAFF2版の舵取りなど、文筆作家ではないゲームデザイナーとしてのマルチなお仕事)について触れられるんじゃないかなあ、と思っていたんだけど、残念ながら、そこまで掘り下げる尺がなかったようだ』

 

ダイアンナ「小冊子なのに100ページもあるスペルブックが同梱されたからね」

 

NOVA『俺にとっては、このスペルブックってAFF2版のソーサリー・キャンペーンで、すでに持ってる本の小冊子版だから、個人的には価値が薄いんだよな。まあ、携帯呪文書って感じで、冒険に持って行くには便利だけど』


アスト「冒険には持って行かないように、言われているだろう?」

 

NOVA『TRPGでAFFをプレイする場合は、そういう制約がないからな。AFFの妖術師プレイヤーは、今後、FFC4同梱の携帯呪文書を愛用するんじゃないだろうか。まあ、AFF版の大きい呪文書の方が、TRPGで使用する際の呪文ごとの詳細ルールが記載されているので、ディレクターには必須になるんだろうけど』

 

ダイアンナ「ZEDが時空を超える呪文ってことは、ゲームブック版のスペルブックには書いてないんだね」

 

NOVA『ソーサリー4巻のクライマックスのネタバレになるからな。謎の呪文ZEDの正体は? というのがクライマックスの大仕掛けだった。一方、TRPG版のスペルブックでは、「時間と空間を超える効果と噂されているが、実際の運用はディレクター任せ」という代物だ。もし、俺がAFFのディレクターなら、プレイヤーがZEDの呪文を使いたいと宣言した場合に、どう処理をしたらいいか、当のプレイヤーとみっちり相談する時間をとるな。下手すると、時空を操作して、キャンペーンを破壊してしまう危険性が高いし、シナリオで指定されている場合のみ使用可とか、いろいろ準備が必要なのは間違いない』

 

アスト「とにかく、今回の付録小冊子はいつもの安田解説書ではなくて、ソーサリー用のスペルブック100ページだと」

 

NOVA『ページ数的には、もはや小冊子じゃなくて、ちょっとしたゲームサプリメントだからな。持ってない人には、非常に豪勢なおまけなんだよ。ただ、そのせいで安田解説が、「サラモニスの秘密」の後書き10ページだけになってしまった。リビングストンの解説で30ページほどなのに、ジャクソンでは10ページしか書かれていない。当然、内容はそれほど濃くなくて(ソーサリー紹介と、サラモニス紹介で5ページずつ)、期待していたジャクソン個人の掘り下げがさらっと流されたぐらいだった。ネタがないというよりは、尺がないので思いきり端折った形かな、と。今回のボックスで、唯一惜しまれた点がこの解説の薄さだな』

 

アスト「分量が少ないのは、ボックスの仕様上、仕方ないことだろう? それに、あくまでゲームブックに絞った場合、ジャクソンはリビングストンに比べて寡作ということになるし、ソーサリーがまとめて1つの作品という形で解説されたら、物足りないのも仕方ないさ」

 

NOVA『その中で個人的に新しい情報としては、「シャムタンティ丘陵の元ネタイメージが、チベット旅行の経験」とか、「旧世界はアジア風味」とかだな。他は、読むだけで分かる、これといった情報はないけど、サラモニスの新しいシステムの紹介とか、楽しみ方についてのヒントらしきものが書いていて、「御託を並べる前に、ゲームそのものをまずは楽しめ」というような解説文だった』

 

アスト「ゲームの解説本としては、正論だな」

 

NOVA『そんなわけで、のんびりとサラモニス散策に行って来るって話だ。まあ、ある程度、プレイを進めてから、また報告に来るつもり』

(当記事 完)