ウルトロピカルな⭐️GT(ゲーム&トレジャー)島宇宙

南の島と上空の宇宙宮殿を舞台にTRPGや特撮ヒーローなどのおしゃべりブログ。今はFFゲームブックの攻略や懐古および新作情報や私的研鑽メイン。思い出したようにD&Dに触れたりも。

「サラモニスの秘密」攻略感想(その7)

シャザールへの護衛旅ミッション

 

リモートNOVA『地元の冒険では、あまりお金を稼げなかったディートン。そこで、出稼ぎ旅行に南部平原のシャザールに向かうことにした。その南には、どくろ砂漠があって、シャザール自体はアラブのエスニックな商業都市のイメージ。本作の冒険では一番の遠出ということになる』

 

アスト「蛮人ナノックが護衛部隊の隊長って話だったな」

 

NOVA『ああ。経験豊富な彼の指揮下だと安心できるってものだ。サラモニスを立って2日後の夜、護衛部隊の集会が開かれた。この先の旅程を「ぎざ岩高地の麓を通る南西近道ルート」か、遠回りになるが「ヨーレの森の北端を回る通常交易ルート」にするかの意見を話し合って、投票で決めたいそうだ』

 

ダイアンナ「ぎざ岩高地ってことは、バルサス・ダイアの支配下だね。危険じゃないかい?」

 

NOVA『危険だな。じっさい、〈格闘〉技能を持っていなければ、かなり危険だ。技術点7のダイア・ウルフに乗ったゴブリンライダーが襲撃してくる』

 

アスト「技術点7なんて、ザコじゃないか」

 

NOVA『その岩ウジと戦って死にかけたのがディートンだからな。慎重にもなるさ。勝てば、金貨5枚と8サラコインの戦利品も得られるし、体力回復手段(具体的には食料)が十分にあるなら、そっちを選ぶ方がいいかもしれない。ナノック隊長と傭兵2人はそちらに向かう方に投票し、残り3人は慎重に北回りルートを主張した。そんなわけで、最終決定権はディートンの1票で決まることになる』

 

 

ディートン『ぼくたちは女子供を引き連れての道中です。近ごろはバルサス・ダイアの力が増大しているとも聞きますので、危険は避けた方がいいかと考えます』

 

ナノック『そのために俺たち、用心棒が雇われたんだ。怖気づいて、どうする?』

 

ディートン『そう考えて、先日の冒険でサラモン王の鉱山に入ったのですが、思わぬ痛手を負いまして(苦笑)。どうも、北の方では混沌の気配が高まっているようです。一方、南でも同じ気配が高まり、サラモニスを挟んで、2つの混沌が激しくぶつかり合うのではないか、と予見がありました』

 

ナノック『予見だと? 誰のだ?』

 

ディートン『運命神ロガーンです。先日、神殿に誘われまして、未来の予兆を告げられました。また、最近、習得した〈綴り呪文〉でも不吉な前兆が。ここは慎重に行動するべきかと考えます』

 

ナノック『むむっ。神とか魔術のことはよく分からんが、バルサス・ダイアも強力な妖術師将軍と聞く。お前には我々のような戦士には見えない何かが見えているのかもしれん。いずれにせよ、お前の1票で決まるということだ。神とか、魔術ではなく、冒険者としてのお前の判断に従おう』

 

ディートン『一人前の冒険者として認めてくれて、ありがとうございます』

 

 

NOVA『こうして、ディートンは多少なりとも魔術や予兆の専門家、軍師役として、わずかばかりの信用を勝ち得たということだ』

 

北回りルート

 

ダイアンナ「北回りルートは安全なんだね」

 

NOVA『バトルが発生しない分、パラグラフ選択だけで確実に安全に進めて、しかも名誉点1点を稼げる。金よりも名誉点が大事だと考えるなら、こっちを進めるよ』

 

アスト「金も名誉も大事だが、リスクが少ないなら、そっちの方がいいのか」

 

NOVA『数日後、南方平原に至る。乾いた土地は砂漠も近いせいか、オアシスのようなものが見える。ナノックは「おそらく蜃気楼の類だろう。気にする必要はない」とか言ってるけど、ディートンは気にした。そこで〈世界の知識〉が役に……立たない』

 

ダイアンナ「ディートンは〈世界の知識〉を持っていないからね」

 

NOVA『それもそうなんだが、〈世界の知識〉では「オアシスの近くでは、多くの捕食者が餌を待ち構えている可能性が大きくて危険である」と、もっともらしい一般論が述べられていて、それを真に受けるなら、オアシスには近寄らない方が賢明という判断材料になる。ところが、ここではオアシスを調べる方が正解という結論になるわけだ』

 

アスト「机上の空論よりも、現実の調査確認の方が重要ということか」

 

NOVA『蘊蓄にはなっても、意外と使えないんだよなあ、本作の〈世界の知識〉って。とにかく、ナノックは気乗りがしないようだったが、「ロガーン様が導いてくれるのだから間違いない」とか言って、隊商をオアシスに誘導する。すると、蜃気楼ではない本物のオアシスで、一行はたっぷり休息をとれたわけだ。ディートンの判断力(+ロガーン神の啓示)が信頼されて、名誉点+1。体力も4点回復し、さらにイチジクやナツメヤシといった2食分の果実食が入手できて、よっしゃラッキーと運命神に感謝の祈りを捧げるディートンであった』

 

アスト「何か変な宗教にハマっているようにしか見えないんだが?」

 

NOVA『タイタン世界の神話の面白いところは、人間の創造主が主神的な立場ではなくて、トリックスターの神にして中立神、策略の神とかの呼称も持つ(北欧神話のロキ的な)ロガーンであるという点だな。多くのファンタジーRPGの神話においては、人間の神が世界観の中心に位置づけられがちだし、種族の創造神が信仰の中心として祭られがち(それが光の神とか、太陽神とか、逆に大地母神とか自然環境に根差した神であるのが一般的)なんだけど、タイタン世界では陰謀の神が人間という種族の創造主となっている以上、人間という種族が世界の秩序と混沌の両方を担いながら、非常に多様な形で物語をかき乱す存在として位置づけられているわけだ』

 

ダイアンナ「ギリシャ神話では、ゼウスが主神だけど、雷神だっけ?」

 

NOVA『天空神であり、強大な戦闘能力と、文字どおり神出鬼没な行動力を持ち合わせて、奔放な精力で神や人間問わず、多くの愛人を各地でこしらえて、キリスト教的道徳からはふしだらとも称されるが、多くの神や英雄たちの父として尊崇され、その血縁的影響力も計り知れないわけだな。北欧神話のソー(トール)とも、雷神という属性で比較されるが、あっちの主神は知恵と魔術の神オーディン(戦争と死も司る)だから、どんな神を主神と考えるかが、その民族の歴史背景と照らし合わせて研究する文化人類学的なアプローチが面白い』

 

アスト「でも、主神ってのは、どんと構えて動かないイメージがあるんだよな。神話で派手に活躍するのは、主神の息子(いわゆる冒険好きな王子の立ち位置)で、ソーはそういう方向性だろう?」

 

NOVA『ゼウスも元は農耕神クロノスの子だったのが、後から主神の座を簒奪して、ティターン神族からオリュンポス神族の時代に移ったという経緯があるけど、それはギリシャ文明が農耕重視から海洋交易や都市を中心とした民族併合の経緯を辿ったことを反映しているという話も聞くな』

 

アスト「それで、他所の神話はともかく、タイタンのロガーン神の立ち位置がなかなか風変わりなんだよな」

 

NOVA『トリックスターの神が人間を生み出したという設定が、タイタン神話の独自性の一つだと思う。ギリシャ神話では、人間に火を与えたプロメテウスに相当する立ち位置なんだけど、主神ゼウスに怒られて罰を受けている。ロガーンは、このプロメテウスともう一柱のヘルメスの属性を合わせ持った文化英雄(主神の秩序に反する文化を人類に与えた)とも目されている』

 

ダイアンナ「神の視点では、人間に過剰な知恵を与えることが、神の秩序を乱す元凶とも見なされているわけだけど、中には主神の意向に反して、人類を愛するゆえに、あるいはもっと俗的に面白いからという理由で、禁断の知恵を与えるトリックスター神がいるわけだね」

 

NOVA『制御できない特別な力や知恵というのは、物語のギミックとして面白い素材なんだけど、それを管理統制する側が主人公サイドか敵側サイドかで多様な視点の物語が描かれる。単純に秩序や混沌と言っても、その善悪観は作品によってまちまちだからな。人間的な優しさや愛情が秩序にも混沌にも揺れ動くのが多様性ってもので、愛が正義という価値観もあれば、過剰な愛が人を傷つけるという視点もあるし、その天秤をバランスとっているのが中立神という属性だな』

 

アスト「ロガーンは中立神だから、正義ではないけど、ゲームブックでは冒険者の味方というイメージに見える」

 

NOVA『ゲームブックでは、邪悪な勢力が台頭しようとする状況なのを、主人公が何とかする使命を与えられるし、ロガーンも邪悪の台頭はイヤなので、主人公を間接的にバックアップすることが多い。逆にTRPGでは、行き過ぎた秩序の天秤を揺らすべく、謎かけ盗賊みたいなのをエージェントとして、冒険者を翻弄したりもするが、要は物語を紡ぐゲームマスター(ディレクター)の立ち位置なんだよな、ロガーンって』

 

アスト「それが判明したのが、小説『トロール牙峠戦争』の最後のシーンか」

 

NOVA『タイタン世界の歴史的事件が、神々のゲームであることが描かれたシーンだな。原書は89年だから、35年前の作品なんだが、邦訳されたのが2021年なので、日本では先に「ゴブリンスレイヤー」が神々のゲームという背景要素を持った四方世界を発表していた。ゴブスレはFFオマージュの作品なので、FF→ゴブスレという順番は明らかなんだが、FFが2018年のAFF2版発売まで日本では長らくオールドファンのノスタルジーネタでしかなかったので、ジャクソンの小説もラストのシーンはゴブスレのパクリかよ!? という印象を禁じ得なかった』

ダイアンナ「30年前は斬新な描写だったのが、一世代も経過すると、今さらそれ? ってオチになってしまった、と」

 

NOVA『まあ、「トロール牙峠戦争」はラストの時代遅れなサプライズオチよりも、物語途中の関連ゲームブックとの比較描写とか、物語世界観のリンクを楽しむものなんだけどな。本作「サラモニスの秘密」も、「トロール牙峠戦争」と照らし合わせることで、浮かび上がるネタも点在していて、楽しめているし。本作のロガーンの描かれ方は、まさにゲームマスター(ディレクター)、あるいはもっとストレートに作者のジャクソン自身のように感じられる』

 

アスト「確かに、タイタン世界のトリックスターの神だな、ジャクソンって」

 

南回りルート

 

NOVA『で、遠回りルートの北は大きな問題もなく、名誉点1点と、食料2食という収穫にホクホクしながら進めたわけだけど、冒険としては南回りの方がアクティブな楽しみ方ができるわけだな。好戦的でリスキーなスリルを愛するなら、南の方が楽しいぞ、と言っておく』

 

ダイアンナ「ダディのお勧めってことかい?」

 

NOVA『いや、俺は冒険者に憧れるが、無用なリスクを愛しているわけじゃない。楽して実をとれるなら、当然、そっちを推奨する。しかし、ゴブスレさんなら文句なく南を選ぶだろうな』

 

アスト「ゴブリンと戦うと、元気になるからな」

 

NOVA『で、ゴブリンの襲撃があるかもしれないと思って、偵察に出るか、それとも他の護衛と一緒にいるかの選択だが、〈綴り呪文〉が使えないなら、偵察に出た方がいい』

 

ダイアンナ「〈綴り呪文〉が使えるなら?」

 

NOVA『ゴブリンが奇襲攻撃を仕掛けてきて、矢の雨を降らせてD6ダメージを喰らうところを、魔法の盾(267)の呪文で隊商全員をガードして(名誉点+1)、無傷で反撃に移れるんだ』

 

アスト「女神官の『いと慈悲深き地母神よ』ごっこができるんだな」

 

NOVA『ゴブスレファンだと素直に楽しめる場面だな。でも、盾の呪文が使えないなら、偵察に向かうといいが、そこで12体の狼に騎乗したゴブリンライダーを発見する。急いで仲間のところに戻って報告してもいいし、ゴブスレさんみたいに無双しようと攻撃を仕掛けてもいい』

 

ダイアンナ「いや、ゴブスレさんじゃあるまいし、1対12じゃ勝てないだろう?」

 

NOVA『うん、銀等級の冒険者じゃなくて、まだ仕事を2、3程度しかこなしていない白磁もしくは黒曜等級ぐらいの冒険者だからね。ゴブリン1体と狼1頭ぐらいは倒せるかもしれないけど、直後に周囲を囲まれて多勢に無勢で惨殺されるバッドエンドが見られる。ゴブスレさんみたいに無双するのは夢想だったってことで』

 

アスト「偵察に出たんだから、わざわざ先走って攻撃するようなマネは禁物ってことだな」

 

NOVA『うん、そうしないと将来のニュータイプに覚醒する天才パイロットを最新鋭モビルスーツに乗せて、自軍の不利益をもたらしかねないし、12機の敵を3分足らずで撃退するような化け物ぶりは、本作の主人公には期待できないってことで』

 

ダイアンナ「何の話をしているんだか、あたしには分からないけど、昭和生まれのロボットファンには分かるんだろうな。それはさておき、偵察任務から帰ってきた後はどうなるんだ?」

 

NOVA『敵に気づかれて、追いかけ回されるんだけど、かろうじて窮地を逃れて、味方に合流した。敵部隊を引き寄せて隊商への奇襲の危機をなくさせたことで、ナノック隊長は「よくやった。奴らを迎え撃つぞ。前進! ゴブリンどもは皆殺しだ!」ってノリで、護衛部隊とゴブリン部隊の乱戦が始まる』

 

アスト「名誉点が欲しければ魔法の盾でガードして、呪文が使えないのなら偵察任務を志願して敵を引きつけるのが正解か」

 

NOVA『その後は、乱戦の中で自分も生き残るために戦わないといけないんだけど、〈格闘〉技能があれば、2体のゴブリンライダー(技7と6、体6と7)と1体ずつ順番に戦える。しかし、〈格闘〉技能がなければ2体同時に相手しないといけないうえ、自分の攻撃力を1点減点しないといけない』

 

アスト「つまり、相手の技術点が実質的に8と7になるようなものか」

 

NOVA『技術点的には問題ないんだけど、体力点がいつもの感覚よりも少ないから、6回ダメージを受けると死んでしまうのが実感的にキツいんだよな。いつもは9回ぐらいダメージを受けても耐えられるし、体力点が10を切ると、そろそろヤバいか、後で回復しないとな……って感覚なのに、今作では一撃受けると体力10で、二撃受けるとピンチ感。打たれ弱さを露骨に感じるゲーム仕様だ』

 

ダイアンナ「技術点7でも油断ならない、と感じさせてくれる貴重な体験なんだね」

 

NOVA『で、こっちのルートだと、ゴブリンライダーを倒した戦利品として金貨5枚と8サラコインがもらえるというのは前述のとおりだ。食料2食よりも、こっちの方が収入はよほど多いのだけど、このミッションでは十分なお金が稼げるので、欲張る必要は感じなかったな』

 

アスト「でも、それ以前を考えると、金貨5枚の重要度は大きいだろうが」

 

荒地を越えて

 

NOVA『さて、オアシスでのんびりくつろぐか、ゴブリンの襲撃を切り抜けて金貨を稼ぐかした後で、運だめしを要求される。俺は運悪く失敗したが、ロガーン様に祈って、振り直しの加護で成功させた。できれば、運だめし自動成功の加護を使った方が良かったかな、と後から思ったんだが、運点8以下ぐらい普通に出るだろうと思ったら、10が出てしまったからな』

 

ダイアンナ「失敗したら、どうなっていたんだ?」

 

NOVA『砂地から飛び出してきた魔物の鉤爪で3点ダメージを受けるところだった。ここでゴブリン以上の強敵、技術点9、体力点10のグレッチが出現する。ヘビのような頭部を持つトカゲ人で、腕の先が湾刀のような大きな鉤爪になっている。この鉤爪が3点ダメージになるので厄介なんだな』

 

アスト「ディートンの技術点が10で、敵が9か。なかなか厳しくないか?」

 

NOVA『負けてるわけじゃないので、ダイス運が悪くなければ勝てるんだが、それでも6撃で死ぬのが4撃で死ぬと思えば、なかなかドキドキする戦いだ。その間に、こちらは5撃を与えないといけない。まあ、運良く一撃受けただけで勝てたんだが、さらに振り直し効果をもう一度使わされる羽目になった』

 

ダイアンナ「ロガーン様の加護もあと1回ってところだね」

 

NOVA『技術点9の敵が出た以上は、こっちも技術点が11欲しいな、と思った。こっちが2差あれば戦闘は安定するって経験則があってだな』

 

アスト「その経験則が覆されたのが岩ウジ戦ってことだな」

 

NOVA『俺、技術点7の敵に殺されかけたのは、38年ほどのFFライフ(そのうちブランクは20年以上になるけど)の中で初めてだよ。サラモニスでは、割と技術点の価値観において新鮮な体験ができている。これまでは技術点7とか8とかの敵はザコで、9以上が強敵という感覚だったけど、ゲームシステムが変わると、数字の感覚も変わって来るなあ、と実感した次第』

 

ダイアンナ「強敵グレッチ戦を乗り越えて、報酬は?」

 

NOVA『グレッチの巣穴に【真鍮の指輪】を発見したけど、何の効果もないゴミアイテムだった。せめて市場で売ることができればいいんだけど、それすらできないからなあ。まあ、何かの効果があるかと期待して、がっかりさせるパラグラフの罠程度の扱いだな』

 

シャザールの街

 

NOVA『そして、ついに到着したのがシャザールの街だ。エキゾチックな交易都市である一方、前衛芸術めいた建物やファッションがはびこり、〈狂気の街〉との異名も持っている。ロガーン信徒としては、何だかワクワクして来る感じだ』

 

ダイアンナ「無垢で純粋なディートン君だったのが、今や狂気を推奨する変な子になるなんて」

 

NOVA『お前のリサ・パンツァだって、人のことを言えないだろう。「謎かけ盗賊の娘」って何だよ?』

 

ダイアンナ「それは、サカムビット公から逃げるための方便さ。別にロガーン神の信徒になったわけじゃないから」

 

NOVA『大体、リーサン・パンザが謎かけ盗賊に拉致されたって一体どういうことだよ!? おかげで変な物語の続きを考えないといけなくなったじゃないか?』

 

ダイアンナ「物語のネタができて嬉しいんじゃないの?」

 

NOVA『アイデアを思いつくだけなら楽しい。でも、じっさいに記事として書くとなると、整合性とかいろいろ考えないといけなくて、面倒くさいんだ』

 

ダイアンナ「その面倒くささを楽しむのが、創作家ってものじゃないか」

 

NOVA『あくまでゲームブック原作の二次創作みたいなものだからな。攻略記事のついでの余興って奴だ。それより、シャザールの風変わりな外観にキョロキョロ世間知らずな目線をさまよわせるディートンだったが、その前にホビットの娘が現れた』

 

ケイP『餌だッピ!』

 

NOVA『餌じゃねえ。突然、モンスターが出現するな。お前の出番は今じゃない。おとなしく、コーヴンの地下の研究施設で眠ってろ!』

 

リバT『はい、お兄さま。グランドマスターたちの邪魔にならないよう、引っ込んでおきますよ』

 

ケイP『ホビットの肉に反応するよう、学習したのに〜(リバTに引きずられて退場)』

 

アスト「シャザールには、ホビットがいるのか」

 

NOVA『ジャクソンは平気で自作にホビットを登場させるんだな』

 

アスト「トールキン財団の許可は得ているのだろうか?」

 

NOVA『得ているんじゃないかな。同じイギリス産だから、交渉しやすいのかもしれないし。ともあれ、アランシアにホビットが存在することが今作で新たに証明できたわけだ』

 

ダイアンナ「で、その版権が面倒くさいと言われているホビットの娘がどうしたのさ?」

 

NOVA『ご主人さまがサラモニスへのお使い仕事を頼みたいので、来てくれるように言われたので、そのままフラフラと付いて行った』

 

アスト「少しは怪しいと思わないのか?」

 

NOVA『ホビットだからなあ。イギリス人的には、善良な種族だと思うぞ。アメリカ人にアレンジされると、ズル賢い盗賊めいた脚色が為されるけど、元々はイギリスの農村ジェントルマンの体現らしいからな。トールキンの原作を尊重するなら、あまりホビットに悪事を働かせたくはないのだと推測する』

 

アスト「モンスターの餌扱いはされているのにか?」

 

NOVA『餌扱いは、別にホビットのせいじゃないだろう? とにかく、リッサという名前のホビット娘の後に付いて行った』

 

ダイアンナ「リッサかい。リサ・パンツァのプレイヤーとしては、親近感が持てる名前だね」

 

NOVA『リッサのご主人さまは、リザーディンって竜人めいたトカゲ人だ』

 

アスト「盗賊都市でブローチ職人をやってたな」

 

NOVA『魔法使いっぽい豪華な衣装のリザーディンさんは、「この包みを、わが友、ノレス・ジャナゲンに届けてくれ。彼はサラモニスの〈輝星通り〉の塔に住んでいる」と言って、包みとともに金貨8枚入りの小袋をくれた』

 

ダイアンナ「金貨8枚の配達業か。運が巡って来たようだね」

 

NOVA『ついでに、ロガーン神の第3の啓示を示すとしよう』

 

★ロガーン神の啓示その3(パラグラフ184):〈大市場〉(バザール)でドワーフの召喚者が見つかるだろう。呪いを語る者の息だけが、呪いを打ち破ることができる。シャザールのトカゲが取り引きできるメデューサ草を持っている。

 

アスト「なるほど。包みの中身は、メデューサ草(金貨12枚)ってところか」

 

サラモニスへの帰還と、配達任務

 

NOVA『そして、行きは手間どったが、帰りはあっさりと帰還できて、ナノック隊長から仕事の後金の金貨10枚も受けとった(前金の6枚と合わせて、金貨16枚の報酬)。その後、金貨8枚分を受けとったわけだから、しっかり配達任務をやり遂げるぜ』

 

アスト「メデューサ草を猫ババしようって発想にはならないのか?」

 

NOVA『冒険者でも何でも、仕事を引き受けるには信用が大事なんだぞ。悪いことをして得たお金は、身につかない。冒険者として長く生きていようと思えば、変なところで恨みを買ったり、信用を毀損するようなマネは控えるべきだ(ただし、悪人相手なら騙してもいい)。少なくとも、金貨8枚の仕事をくれた御仁を裏切るようなマネはしたくないなあ。後のビジネスにも支障を招きそうだし』

 

アスト「ほう。お前にしては殊勝なことを言う」

 

NOVA『いや。俺は殊勝に生きることを心掛けているんだって。ましてや、それが得するとなればな。ハマカイ(ハゲタカの頭部を持った学者種族にして、強力な妖術師)のノレス・ジャナゲンに包みの中身のメデューサ草を届けると、名誉点+2が得られる。おまけにノレスさんは「わしはこの占術鏡でおまえの動向をずっと見て来た。今後はこれがいるかもしれぬ」と言って、メデューサ草を分けてくれた。つまり、猫ババじゃ名誉は得られないんだよ』

 

ダイアンナ「名誉が欲しいから、下心つきの殊勝さってことだね」

 

NOVA『それこそゲーム性ってことだからな。ゲームで理想的な行動をとったら、報酬的な経験点が得られる。悪事を行った方が得をするゲームシステムだったら、それはそれで味があるが教育には悪いだろう。FFの場合は、悪事で得をする場面もあるかもしれないが(特に盗賊都市のような舞台では)、総じてヒーローに相応しい行動が報われるようにできている。まあ、危険な敵地で正々堂々と振る舞っていたんじゃバカを見るのは明らかだけど、配達仕事で猫ババなんてセコい行動で得をしても、それは美学でも何でもない』

 

アスト「まあ、名誉点=経験点である以上は、名誉が得られるような行動に努めることも、攻略テクニックってことだな」

 

NOVA『あと、このハマカイのノレスさんは【沼ヘビの皮】を最高値の金貨3枚で引き取ってくれる。もしも、すでに持っていたなら、ここで売るのが一番いいだろう』

 

真ディートン(火曜日)

 

技術点6+4+1=11

体力点12+1=13

運点6+2=8

 

名誉点10→14→17

 

所持金:5サラコイン、7金貨+24枚−2枚

 

技能:綴り呪文、幸運(振り直し・残り1回、運だめし自動成功・残り3回)

 

所持品:短剣、替えの服、『逆風平原の伝説』の書、街の地図、豚頭ポイント3、小アクセサリー、冒険者ギルドの認可状、リーブラの聖印、食料2食、メデューサ

 

ロガーンのお告げ:黒ユニコーンを探せ、角は取るな。シュリーカーの血は呪いを破る助けとなる。どくろの印には気をつけろ。

 

火曜日のイベントと、成長裏話

 

NOVA『最後に火曜日イベントの話をしよう』

 

ダイアンナ「火曜日イベントって?」

 

NOVA『成長パラグラフと個人的に決めた383番。火曜日(かようびじゃなくて、ひようびと読む)になると、徴税官イベントが発生する。以前に徴税官のピンチペニーから逃げて、「おたずね者」のマークが付いているなら、税金未納の罪で指名手配されている。街の衛兵に捕まえられて、その場で金貨4枚を払うと見逃してくれるが、払わないと投獄されたうえ、釈放のためには金貨8枚を払わないといけない。これが払えないと、牢に閉じ込められたままゲームオーバーとなる』

 

アスト「脱税推奨なゲームじゃないんだな」

 

NOVA『名誉を重んじて、脱税にはしっかり罰をくらわせる、教育に良いゲームだな、本作は。まあ、脱税が割に合わないことを知っていたディートンは、最初に金貨2枚を素直に払っていたおかげで、おたずね者じゃなかったから、何の問題もなかったわけだが。その後の成長では技術点をまた1点伸ばして、グレッチ戦で減っていた体力点は金貨2枚の宿屋に泊まることで完全回復した。

『そして、次のミッションだけど、名誉点が16を越えたので、ミッション6と7に挑める。しかし、名誉点が奇数で中途半端なのと、豚頭ポイントをお金に換えるために、先にミッション1の簡単なお仕事をした。これで、名誉点18から、体力点を1点伸ばし、金貨9枚をさらに入手したわけだが、データに反映するのは次回にしよう。次は黒いユニコーン狩りミッションに挑むことにする』

アスト「黒いユニコーンって、それかよ」

(当記事 完)