ウルトロピカルな⭐️GT(ゲーム&トレジャー)島宇宙

南の島と上空の宇宙宮殿を舞台にTRPGや特撮ヒーローなどのおしゃべりブログ。今はFFゲームブックの攻略や懐古および新作情報や私的研鑽メイン。思い出したようにD&Dに触れたりも。

「サラモニスの秘密」攻略感想(その5)

税金対策の話

 

リモートNOVA『さて、いよいよ冒険者ギルドから仕事を受注して、7つのミッション攻略を始めるわけだが、その前に立ちはだかるのが王室徴税官のオディアス・ピンチペニーだ。ちょうど、FFコレクション4の発売日が確定申告の開始日と重なったので、タイミング的にこの徴税官の存在が非常に鬱陶しく感じられた次第だ』

 

アスト「税金はいくらだ?」

 

NOVA『個人情報だから、この場で教えられるわけがなかろう』

 

アスト「お前のことじゃねえよ。サラモニスのピンチペニーが要求する額だ」

 

NOVA『何だ、そっちか。仕事を探している者から、求職税として金貨2枚を要求してきた』

 

ダイアンナ「求職税って何?」

 

NOVA『よく分からんが、サラモニスは他所から人が多く集まってきて、賑わっている反面、貧乏人がたくさんやって来ると治安が乱れる元になるんだろう。だから、サラモニスで働こうという余所者には、まず求職税で選別する。金貨2枚もろくに払えない、あるいは払おうとしない者は、街の治安を乱す元凶として追い出す姿勢なんだろうさ』

 

アスト「乞食はどうなるんだ?」

 

NOVA『乞食がいるのは、城壁の外の港地区(ブーンドックと呼ばれている)で、街の中には入って来ないようだ。おそらく港での交易には税金をかけず、城壁内で取り引きする際に税金をかけるシステムではないだろうか。サラモニスの税制度はよく分からんし、ピンチペニーが独断でおかしな税をでっち上げて、金を搾り取ろうとしているという噂もあって、嫌われまくっているらしいが、冒険者になったばかりの主人公にとって金貨2枚は大金だ。だから素直に税を払う代わりに、彼を攻撃するなり、逃げるなりの選択肢が用意されている』

 

ダイアンナ「そんなことをして、上手くいくのか?」

 

NOVA『脱税は犯罪だから、罰金が課されたりして、どんどん厳しいことになる。ピンチペニーを敵に回すと、衛兵を派遣されて指名手配されたり、投獄されたり、市場での買い物がしにくくなったりで、攻略に思いきり支障をきたすな。

『素直に税を払うと、最初に金貨2枚、後で市場で金貨3枚の合計5枚で片が付くことになる。初見だと、ピンチペニーにどれだけお金を搾り取られるか分からないので、ついつい逃げたくなるが、彼の徴税システムが把握できると、払った方が得という話だな。ポイントは「2回めの徴収はできるだけ金を稼いだ後の風曜日に来るように調整すること」だ。冒険帰りに買い物しようと市場に寄って行くと出現するので、冒険序盤に会うと、なけなしの稼いだお金を搾り取られてギャーとなる。十分なお金(最低でも金貨13枚以上)を稼ぐまでは冒険帰りに店に寄るのを控えた方がいい。さもないと攻略失敗する』

 

アスト「いつ、買い物をするかも攻略の一環なのか」

 

NOVA『攻略必須アイテムの【ドラゴンのカーニクス】(金貨10枚)を購入するチャンスは1回だけだからな。その1回をピンチペニーに邪魔されたり、稼ぎが不十分で所持金不足だと詰んでしまう。攻略テクニックとしては、風曜日の夢の中で入ることのできる火吹山ボーナスステージで金貨26枚稼いだ後で、買い物に行くといい。できれば、その際、【ドラゴンのカーニクス】以外の強力な武器や防具を一緒に買えるぐらい稼げていると、ボス敵攻略が楽になるな』

 

ダイアンナ「税金対策とか、どのタイミングで買い物するかを考えるなんて、ずいぶん経済的なゲームブックなんだね」

 

NOVA『金稼ぎの計画性まで考えないと、うまく攻略できないのが、サラモニスだな。序盤の銀貨稼ぎも大事だが、ひとたび冒険者になっても冒険に必要な道具の買い物で、大いに悩まされる』

 

アスト「何を買ったらいいんだ?」

 

NOVA『それについては、後で話そう。まずはミッション紹介だ』

 

冒険者ギルドのお仕事リスト(120)

 

NOVA『ピンチペニーの件を処理した後で、いよいよ冒険者の仕事を開始する。パラグラフ120番で、任務掲示板(ミッションボード)に貼られた7つの仕事を好きな順番で攻略していく仕様だな』

 

  1. 〈泥どろ豚小屋〉農場で害獣駆除
  2. 大釜草を採取して、ドリーの村に届ける
  3. サラモン王の鉱山で害獣駆除
  4. 「叫ぶ空」の怪現象の謎を解明
  5. ガルー商団のシャザールへの旅を護衛
  6. 邪教団のジン枢機卿を倒す
  7. ユニコーンの角を入手

 

NOVA『6番と7番は、累積名誉点が16以上ないと受注させてもらえない。しかし、どちらも本作をクリアするのに必須なミッションだ』

 

アスト「まずは、1〜5のミッションのうち3つを果たして、名誉点を稼げってことだな。確か、全部で5つしか受注できないんだろう?」

 

NOVA『そこにも仕掛けがあって、実は4番と3番はリンクしている。4番の謎を追っているうちに、3番のミッションにも挑むことができるわけだ。逆は無理なので、先に4番に挑んで、3番までを1つのミッションとして達成すると、名誉点を倍稼ぐことができる』

 

ダイアンナ「それも攻略テクニックなんだね」

 

NOVA『それと、5番は長旅になるので、報酬が結構、多いな。攻略必須アイテムのメデューサ草もただで入手できるので、果たしておくべきだ。まあ、メデューサ草は街の市場で金貨12枚で購入することもできるし、入手していなくても運だめし成功でリカバリーできるんだけど、報酬の多さもあって美味しいミッションと言える』

 

アスト「だったら、最初にそれを選べばいいのでは?」

 

NOVA『技術点9、体力点10、3点ダメージの怪物グレッチを倒せるぐらい成長していればな』

 

ダイアンナ「ああ、成長が不十分なら、敵に勝つことが難しいわけだね」

 

NOVA『とりあえず、大雑把な見積もりでは、最初の方のミッションは簡単で、その分、報酬も安い。番号が後ろの方が難易度が高いと言えるが、順番に攻略して行っても、クリアできないので、最終的には1の農場ミッションと、2のドリーミッションのどちらを切り捨てるかって話になる。俺は、ドリーを強ディートンで最初にクリアしたけど、エラッタ適応後の真ディートンでは、ドリー以外を攻略した。その紆余曲折のドラマも語ってみよう』

 

ブ・フォン・フェン(カエル沼)に行く前に

 

NOVA『「モンスター誕生」の経験者だと、非常に懐かしく楽しめるミッションだ。経験していないなら、こちらの過去記事を参照してくれてもいい』

アスト「カエル沼は、グロッグさんがいないと脱出不能の魔境だったなあ」

 

NOVA『果たして、新人冒険者のディートン君は、魔境のカエル沼から無事に大釜草(コールドロン・ウィード)を見つけ出して、ドリーの村に届けて帰ることができるだろうか、とドキドキしながらプレイしたわけだが、技術点12の強ディートンと〈綴り呪文〉の力で難なくミッション達成できた、とプレイノートには記録されている』

 

ダイアンナ「ああ。モンスターが使えない呪文が使えるのなら、心強いね」

 

NOVA『じっさい、カエル沼での選択ミスで発生するトラブルは全て〈綴り呪文〉で状況打開できるからな。それと、ギルド長はカエル沼に行く場合には買い物していくといいと言って、出発前にパラグラフ400の市場へ行くことを勧めてくれる』

 

アスト「買い物かあ。徴税官が待ち構えているということは?」

 

NOVA『冒険前の買い物タイムでは、徴税官イベントは発生しない。ただ、ミッションごとに冒険前に買い物できるかどうかが決まっていて、2番と3番と7番が買い物可能。5番でも買い物できたらいいのに、と思っているが、冒険前の買い物を重視するなら、1番より2番を勧めるな』

 

ダイアンナ「何を買ったらいいんだろう?」

 

NOVA『常時開設してる通常の市場(400)では、15種類のアイテムが売っているんだが、そのうち5つは冒険中に全く使うことのない外れアイテムだ。以下のアイテムは買うな、と言っておく』

 

・古代の宝の地図:金貨6枚

バジリスク皮のブーツ:金貨10枚

・銅のアームバンド:金貨2枚

・鼻栓:金貨1枚

・古いランプ:金貨3枚

 

NOVA『俺が何かのイベントを見落としている可能性もあるが(コメント欄で教えてくれれば感謝のうえで修正する)、以上の5つは全く役に立たなかった。鼻栓なんかはギルド長も勧めてくれたし、安いから買ってはみたが、今作では無用だったんじゃないかな。古いランプも鉱山で必要かな、と思ったけど、使わなかったし。宝の地図やブーツは、そもそも値段が高くて手が出なかったや』

 

アスト「何が外れか、じゃなくて、何が当たりかを知りたいんだが?」

 

NOVA『そうだな。攻略必須だと思うのは、以下の3点だ』

 

・蜜蝋:金貨1枚。シュリーカーと戦う際に、超音波攻撃を防ぐのに必要。

・空の瓶:5サラコイン。ジン枢機卿からアイテム回収する際に必要。

・ロープひと巻き:金貨2枚。いろいろなイベントで使用機会があるほか、ラスボスの特殊攻撃を封じるためにも必要。

 

NOVA『他はまあ、特定モンスターの弱点だったり、情報収集に役立ったり、保存食とかポーションの類だが、体力のポーション(金貨4枚)はお勧めしない』

 

ダイアンナ「どうして?」

 

NOVA『今回のキャラは体力点が普段よりも低いので、体力全回復の恩恵が薄い。戦闘中に使えるのでピンチは凌げるが、何ぶん値段が高い。戦闘後の回復なら、いつもの保存食(1食5サラコイン)の方がはるかに有用だ。正直、宿に泊まって回復するよりも(1金貨で2点、2金貨で4点)、保存食で1食4点回復の方が圧倒的に効率がいい。機会があれば、食料は早急に購入した方がいいだろうな』

 

アスト「FFは戦闘中にポーションのガブ飲みで耐えるゲームじゃない、と」

 

NOVA『とにかく貴重なので、いざという時の切り札と考えるべきだろうな。まあ、俺は基本的に運回復のポーションを選びがちだが、本作の運回復は原運点+1の恩典がないので、いまいち魅力に欠ける。いずれにせよ、カエル沼ではロープを使う機会があるので、ここで購入するのもありだろうな。ロープを持って行くのは、備えあれば嬉しいな、の冒険者のたしなみみたいなものだ。ただし、初見プレイではロープが買えなかった』

 

ダイアンナ「どうして?」

 

NOVA『〈綴り呪文〉の授業料で金貨4枚、〈罠の知識〉の授業料で金貨3枚、徴税官に金貨2枚持って行かれて、残った金貨が1枚しかなかったんだ。この時ほど、徴税官を恨んだときはなかったな。できれば、闇夜で暗殺したいとも思ったが、それはプレイヤーの俺のダークな思考であって、純粋無垢なディートン君が考えることじゃないし、ゲームブックでは徴税官を倒せる選択肢がない』

 

アスト「ミッションに『王室徴税官オディアス・ピンチペニーを抹殺する』というのがあれば、いいんだけどな」

 

NOVA『それは暗殺者ギルドの仕事であって、冒険者ギルドが関わるミッションじゃないと思うな。いや、もしかすると、隠しパラグラフ(裏ボス)として、全ての陰謀の背後に彼がいたという秘密が明かされるのかな、とも期待して探してみたが、そんなことはなかったぜ』

 

ダイアンナ「徴税官のせいで、ロープが買えずに、シクシクと言いながら、カエル沼に向かったんだね」

 

NOVA『シクシクなんて言ってないし。鼻栓買って準備はバッチリだ。いざとなれば、〈綴り呪文〉と〈罠の知識〉で対処可能だ、と自信満々にカエル沼に向かった強ディートンだ』

 

アスト「弱ディートンだと?」

 

NOVA『ここには、技術点9、体力点8のカエル人が出るんだよな。技術点が対等の相手とは戦いたくないからパスだ(ダイス運に自信がない)……という思考になってた』

 

カエル沼とドリー村

 

NOVA『さて、「モンスター誕生」ではグロッグさんがいないと脱出不能の魔境だったカエル沼だが、本作では冒険初心者でも攻略可能なイージーモードだ。結論を先に言うなら、右(東)に2回進めば、問題なく脱出できる。大釜草は、草であって花ではないという常識さえ持っていれば、間違えて星炎花(スターファイア)を採取することもないだろう。まあ、〈世界の知識〉の習得時(432)に情報が書いてあるし、困難なのはカエル人とのバトルぐらいだ』

 

ダイアンナ「でも、間違った道を進んでしまえば?」

 

NOVA『では、その不正解ルートを検証してみよう。最初に左(北西)に進むのが外れルートなんだが、そちらにはカエル人の水かき足跡がいっぱい付いている』

 

アスト「それは、いかにも危険そうだな」

 

NOVA『ところが、ここで「モンスター誕生」を経験済みだと、グロッグさんが「足跡のある辺りを歩く方が安全だぜ」と言っていたのを思い出すかもしれない』

 

アスト「そんな30年以上前のゲームブックを思い出すマニアがどれだけいるんだか」

 

NOVA『いや、初出が86年でも、その後、何回か再販されているんだから、最近プレイした人間だっているだろうが。少なくとも、FFコレクション1に収録されているんだから、2021年以降に「モンスター誕生」をプレイした人間は日本でもそれなりにいるはずだ。そんな「モンスター誕生」プレイヤーにして、グロッグ先生のお言葉を神の声のように崇め奉るグロッグ教信者なら、カエル人の足跡をたどるのが安全、さもないと沼にズボッとハマるかも、と考えても不思議じゃない』

 

アスト「オレには、グロッグ教信者って言霊だけで、十分不思議な思考回路だと思うがな」

 

NOVA『そんなグロッグ教信者には、ロガーン様のありがたい啓示を示さねばならない。ロガーン神殿で下される啓示その2は以下のとおりだ』

 

★ロガーン神の啓示その2(パラグラフ463):〈ビビモスの家〉で必死に狩りをせよ。おまえが最良と思う薬草の中では、メデューサ草が任務の役に立つ。あと、湿地で足跡を追っていく誘惑には耐えろ。

 

アスト「ビビモスって何だ?」

 

NOVA『気にするポイントが違う。ただのビヒモスの誤植だ。とにかく、ロガーン神は、足跡を追うのが危険な罠だと、啓示をくれているんだ。グロッグ教よりも、ロガーン神の方が正しいことをおっしゃっているんだよ』

 

ダイアンナ「ダディ、さっきからグロッグ教って連呼しているが、サラモニスは『モンスター誕生』の前日譚になるんだろう? だったら、まだグロッグさんは健在ではないのかな? 死んで神さまになったりはしてないと思うんだけど……」

 

NOVA『む、そうか。だったら、この世界にはまだグロッグさんが生きているのかもしれないのか。よし、今からコーヴンの村に行って、グロッグさんを探してくる』

 

アスト「いや、『サラモニスの秘密』にはグロッグさんは登場していないだろう? それとも、オレが知らないだけで、実は隠しキャラとして登場しているのか?」

 

NOVA『さあて、俺も知らん。だが、読者の誰かが「このパラグラフに、グロッグさんらしきハーフオークがいました」ってことを報告してきたら、称賛に値するな』

 

アスト「そういうネタは、自分で発見してからにしろ。文章に記述されているかいないかも分からないハーフオーク探しを、読者が真剣に始めたらどうするんだ?」

 

NOVA『その熱心さには敬意を表するが、それ以上の責任はとれないな(苦笑)。まあ、とにかく、左の足跡を追いかけるのは罠なんだが、そこで〈世界の知識〉がピコンと反応する。ガスコン著「北西アランシアの動物誌」にカエル人の習性が書かれてあったのを思い出して、うまく罠を避けられるんだ』

 

ダイアンナ「〈罠の知識〉は?」

 

NOVA『ちっとも反応しない。〈世界の知識〉がなければ、運だめしに成功すると罠を避けられる。失敗すると、足跡の間の空白の泥にズボッとハマり、バッドエンド警報が発令する。きみはロープを持っているだろうか?』

 

アスト「確か買えなかったんじゃないか?」

 

NOVA『おのれ、徴税官。化けて出てやる』

 

ダイアンナ「あきらめるのはまだ早い。こういう時のための〈綴り呪文〉だろう?」

 

NOVA『そうだった。ロープ代わりに使えるもの……それはT◯◯◯A(−45)だ』

 

アスト「その謎を解かないと死んじゃうんだな」

 

NOVA『答えはツタ(171)で、沼地中にはびこるツタが伸びてきて、沼から引き上げてくれる。こうしてディートンは命拾いした……というIF展開もあったかもしれないわけだ』

 

アスト「IF展開かよ」

 

NOVA『俺は初見で、右を選んだから、そういう罠があったことも後からパラグラフ解析して、気づいたんだ。正解ルートを順調に選ぶと、面白いイベントを見落とすこともあるのがゲームブックってものなんだよな。だからこそ、パラグラフ解析で、一通りの選択肢をチェックする楽しさがあるわけで』

 

ダイアンナ「だったら、右には何があるのさ?」

 

NOVA『技術6、体力6の弱い沼ヘビがいる。倒すと、金貨1〜3枚で売れる【沼ヘビの皮】が入手できて、少し嬉しい。誰にいくらで売れるかリストは以下のとおり』

 

  • ドリーの魔女:金貨1枚
  • サラモニスの市場:金貨2枚
  • コーヴンの錬金術師ルド・ジェイムズ:金貨2枚
  • シャザール帰りに会うハマカイ、ノレス・ジャナゲン:金貨3枚

 

ダイアンナ「誰に売るかで、値段が変わるわけか」

 

NOVA『後で大金を稼げるようになると、金貨1〜2枚の差額なんて誤差の範囲だけど、序盤の時点では大きな差のように感じるな』

 

アスト「金貨1枚が足りないために、ロープが買えなかったりするわけだからな」

 

NOVA『とにかく、沼ヘビイベントの後か、左の沼にハマって命拾いした後で、いよいよ目的の大釜草(または外れの星炎花)を採取するイベントがあって、その次に本ミッションの強敵、カエル人(技9、体8)の襲撃を受ける』

 

ダイアンナ「技術点をそれぐらい伸ばしていないと厳しい戦いだよね」

 

NOVA『強ディートンだから余裕で倒したけどな。まあ、カエル人をやっつけた後は、脱出ルートが二つに分かれ、右に進むのが正解。まっすぐドリー村(295)に行き着ける。だけど、左へ進むと(448)、カエル人の群れに囲まれてバッドエンド送りになる。一応、最後の奇跡で〈綴り呪文〉の使用が認められているけど。答えは霧(417)で、うまく発動すると、霧が発生して目くらましになって、無事に脱出できる』

 

アスト「バッドエンドの多いミッションだな」

 

NOVA『あと、もう一つある。ドリーの魔女を交渉で怒らせて、呪いでカエルに変えられてしまうバッドエンドがな』

 

ダイアンナ「カエル沼も、ドリーの村も、初出の『モンスター誕生』では危険な場所だったけど、本作でもそういう危険は引き継いでいるわけだね」

 

NOVA『間違えて星炎花を摘んで来たら、魔女の婆さんに嘲られて名誉点が1点減るし、大釜草をゲットしても金貨3枚と、名誉点1点しかもらえない。一応、もっと報酬を上げてくれないか、と訴えることができるけど、〈カリスマ〉の技能があれば、金貨5枚に引き上げてくれる』

 

アスト「なければ?」

 

NOVA『運だめしに成功すれば、金貨5枚になるけど、失敗したら欲をかいた罪でカエル化の刑だ』

 

ダイアンナ「たかが金貨2枚の報酬増額のために、ゲームオーバーの危険は冒したくないねえ」

 

NOVA『でも、増額が上手く行ったら、さらにスペシャル情報が手に入る。「震えの呪いを打ち破るには、ユニコーンの角の粉末、メデューサ草、シュリーカーの血、呪いをかけた者の息吹きが必要」という予見だ』

 

アスト「その辺の情報は終盤の攻略可否に関わって来るな」

 

NOVA『ユニコーンの角は、それらしいミッションが提示されている。メデューサ草はサラモニスの街で金貨12枚で売っていたのを見かけた。他はこの時点で何のことやらって情報だ。そもそも、震えの呪いって何? って段階だからな』

 

ダイアンナ「断片的な情報から、秘密や真実を拾い集めるのも初見ゲームの醍醐味ってことだよね」

 

NOVA『ああ。最初から全部分かっていたら、自分で発見する楽しみがなくなるからな。これって一体何だろうかって疑問と、ああ、あの手がかりはこういう意味だったのか、話がこうつながって来るのかという物語の連関と、そこから、あの謎の答えは何だろう(あのアイテムはどこで手に入る? あの敵はどうやって倒す?)って課題の攻略と、よし、上手く攻略できたって達成感が組み合わさってゲームは面白くなるものだ。もちろん、全てを分かったうえで、無双モードを楽しんだり、まだ見ぬルート攻略にいそしんだり、久々に感動の追体験を期待して、思い出や記憶の補完を味わうという楽しみもあるが』

 

アスト「お気に入りのゲームは、久しぶりに遊びたくなるもんな」

 

NOVA『それを時間の浪費と受け止めるケースもあるから、自分で再プレイする代わりに、人さまのプレイ記事を読んで、自分との攻略の違いを新たに知ったり、同じゲームをプレイして共通した感情にリンクしたりするのも楽しめる』

 

ダイアンナ「自分が解けなかった謎や、気付かなかったプレイの仕方などを、人から学ぶのは楽しいしね」

 

NOVA『体力ポーションってあるだろう? 俺、昔はあれ、戦闘中には使えないって勘違いしていたんだよな。食料と同じで戦闘後の体力回復に使うものと思い込んでいたんだ。でも、誰かのプレイで、戦闘でピンチになった際(残り体力2点)に一気に回復したのを見て、ああ、こういうのもありなんだと感じ入った記憶がある(ルールには、体力ポーションは戦闘中に使えないとは書いていない)。まあ、自分のプレイでは、そこまで体力的に追い詰められる戦いはあまりしたことがなくて、ギリギリのところで競り勝ったのは、「火吹山ふたたび」の復活ザゴール戦ぐらい。大体は技術点が相手より上になるようプレイして来たからなあ』

 

アスト「技術点で負けてる相手に、運だめしによるダメージ倍増と、体力ポーション使用による体力ほぼ倍増作戦で競り勝つ戦いもあるってことだな」

 

NOVA『そういうボス戦イメージもあるわけだが、あと最近では「アランシアの暗殺者」で最強の暗殺者に一矢も報いることができなかったのが、スロムの助っ人で形勢逆転ってのが良いボス戦だったと記憶。あとは、ラスボス戦じゃないけど、「危難の港」の中盤で洞窟ボスとの戦いがギリギリの接戦だったか』

 

ダイアンナ「ギリギリの戦いを制したときは、自分だけの体験として強く心に残るもので、あまりに余裕勝ちだと、呆気なさにがっかりすることも」

 

NOVA『ゲームの感動は、なかなか狙って味わえないこともあって、ダイス目で一喜一憂することも含めて、感動の素材だからな。まあ、それと謎解きはまた別の楽しみなんだけど』

 

農場での害獣退治

 

NOVA『で、強ディートンで2つめに引き受けたミッションがこれなんだが、一番簡単なミッションだ。技術点7、体力点6の害獣ラッタピラー(ネズミイモ虫ぐらいの造語)、正式名称は唾蛆虫(スピット・マゴット)を倒すだけの簡単な仕事で、報酬が金貨3枚と名誉点1点になる』

 

アスト「つまり、賃上げ交渉をしない状態での大釜草採取ミッションと同じなんだね」

 

NOVA『ここでのミッションは、例の豚頭の労働者集めイベントとリンクしていて、そのポイントが3点ほど貯まっていれば、金貨6枚以上増額となって、最大収入が金貨8枚のドリーよりも多くなる。どちらかを選べと言われたら、リスクが大きい割にメリットの薄いドリーよりもこちらを選べと推奨するな。もちろん、前に農場仕事をクリアしていなければ、報酬が少ないけれど、敵の弱さは変わりないし、リスクの少ない初心者向きミッションで、戦闘以外のバッドエンドも発生しない。ただ、技術点7でも一般の農夫にとっては恐ろしいモンスターということが実感できる仕事だった』

 

ダイアンナ「そうか。本作の主人公の初期技術点が6だから、冒険者志望の一般人の能力がその程度。体の弱い乞食が技術点4で、冒険者を目指さない普通の大人で技術点5くらいか」

 

NOVA『冒険者じゃない一般人にとっての世界の見え方(技術点7の相手は非常に恐ろしくて命がけとか)が理屈ではなくて、心から実感できた作品でもあるな。だから、一般世間では技術点9の剣士がベテラン戦士のように見えているわけさ』

 

アスト「技術点9だったら、『死の罠の地下迷宮』とか攻略不可能に近いゲームブックもいっぱいあるから、技術点10に満たない主人公は世界を救えないって風潮がFFにはあるもんな」

 

NOVA『強ディートンの記憶は、真のディートンの願望というか、ロガーン神が見せた英雄の夢だったと解釈しよう。そう、無敵の技術点12の強ディートンで、各種ミッションを難なくクリアしたけども、必要アイテムを入手しておらず、名誉点も足りなかったから死んじゃったという夢なんだ。だから、それを教訓にした真ディートンが学び、成長し、最強とは言えないまでも、知恵と工夫で立派な英雄に上り詰めた物語。それが俺の「サラモニスの秘密」ストーリーだったという形だ』

 

 

ダイアンナ「簡単なミッションとは言え、一応、攻略手順を話してくれないか」

 

NOVA『うむ。本ミッションで使用する技能は、〈綴り呪文〉か〈世界の知識〉だ。まず、〈綴り呪文〉で害獣(258)の答えを出すか、運だめしに成功すれば、奇襲攻撃を免れることができる。失敗すれば、物陰からの不意打ちで2点ダメージだな』

 

アスト「いつもよりも体力が少ない分、2点ダメージも痛いよな」

 

NOVA『ああ。いつもは体力点が期待値的に20点前後だから体力の1割程度だけど、本作では12点中の2点だから、感覚的に1.5倍ほどの苦痛を感じているような気分になる』

 

ダイアンナ「でも、〈綴り呪文〉の天啓で奇襲を回避できた、と」

 

NOVA『続いて、〈世界の知識〉を持っているかが鍵となる。持っていれば、農夫たちがラッタピラー(ネズミ虫)と呼ぶ魔物の正式名称がスピット・マゴット(唾蛆虫)ということが分かり、その生態を熟知している。これで口から吐く酸の唾を難なく回避できて、弱点の【塩】(市場価格は2金貨)があれば戦うことなく撃退できる』

 

アスト「金貨3枚の仕事のために、金貨2枚のアイテムを使うのは効率が悪いな」

 

NOVA『そうしないと撃退困難な魔物でもないからな。知識がないなら、技術点判定で酸の唾をかわし(運点プラス1)、かわせなかったら3点ダメージを受けながら、技7、体6の弱小モンスターを倒すだけの簡単なお仕事だ』

 

ダイアンナ「初期状態の技術点6だと強敵だろうけど、技術点をそれなりに成長させていれば、楽勝だね」

 

NOVA『これに負けるようでは、冒険者になるのは諦めた方がいいレベルの敵だな。何せ、ギルドから受注できる中で、一番簡単なミッションなんだから』

 

アスト「ましてや、強ディートンだったら、ザコ戦もいいところだろう」

 

NOVA『ミッションよりも恐ろしいのが徴税官という気分だったな。何しろ、ミッション3、4と続けて、ちっともお金が稼げない。そして、風曜日になって、夢の火吹山ミッションでボーナス金貨をもらって、やっと金がいっぱい稼げたなと思って、5番の隊商護衛任務で蛮人ナノックさんと再会し、よっしゃあ大儲けだぜ、と喜んだら、海曜日になっていきなりサラモニスが飛行骨ピラニアの群れに襲撃されて、大ピンチだ。この事件を解決するための大ミッションが国家から発令して志願したんだが、任務の途中で魔物の群れに食い殺された(シクシク)。

『必要アイテムの【ドラゴンのカーニクス】ってどこで手に入るの? とパラグラフをパラパラめくってみたら、市場でペテン師風のブルーズ兄弟が売ってくれると分かったんだが、それまでに徴税官といざこざを起こしていると、買い物を邪魔されてしまう。ブルーズ兄弟は掘り出し物をいっぱい扱っているんだけど、買い物できるチャンスは1度だけなので、その1度のために所持金をいっぱい持っていないといけない。そういうゲーム性を確かめてから、真ディートンでのリベンジマッチを挑むことにした。ここから先は、真ディートンの物語として、つづきを語るとしよう』

(当記事 完)