ウルトロピカルな⭐️GT(ゲーム&トレジャー)島宇宙

南の島と上空の宇宙宮殿を舞台にTRPGや特撮ヒーローなどのおしゃべりブログ。今はFFゲームブックの攻略や懐古および新作情報や私的研鑽メイン。思い出したようにD&Dに触れたりも。

「サラモニスの秘密」攻略感想(その4)

ひとまずクリア

 

リモートNOVA『攻略記事では、冒険者として訓練中だが、実プレイでは何とかクリアしたぞ』

 

アスト「そりゃあ、強ディートンだったらクリアも簡単だろうさ」

 

NOVA『いや、エラッタ適用後の弱々ディートンを頑張って成長させて、最終能力値は技術点11、体力点14、運点9(名誉点20)に達した。あと、「攻撃力+1のエルフの刃」と「原技術点+1のドワーフ製銀の鎖帷子」で戦闘時の実質技術点は13にまで達したので、技術点11のラスボス女王にも苦労せずに勝てた。むしろ、育成不十分な時期の方がピンチになっていたな』

 

ダイアンナ「とりあえず、クリアおめでとう、と言っておくな。発売から1週間以内にクリアできるとは思わなかったぞ」

 

NOVA『まあ、攻略記事を書いてる時間がなければ、もっと早くクリアできたかもしれんが、攻略感想を書くことで、作品をより堪能できていると思うからな。ただ、ルールシステムについて、一つ気になるところがある』

 

アスト「何だ?」

 

NOVA『キャラの成長システムなんだが、本作では冒険者ギルドに登録後、冒険を開始する直前のパラグラフ297番において、名誉点を使用した成長ルールが記載されている。問題は、名誉点による能力値の配分はその最初の1回しか行われないように読めるんだ』

 

ダイアンナ「最初の1回って、それじゃあ、冒険後に成長したりはできないのか?」

 

NOVA『たぶん、できると思う。ただ、ゲームブックでは成長がいつできるのか、という記述がない。考えられる可能性はいくつかあるが、羅列してみよう』

 

1.ゲームブックの記述どおり、名誉点による能力値成長はパラグラフ297番のみである。冒険後の成長はなし。

 これはゲームとして非常につまらない形となる。TRPGのAFFとの関連を考えても、冒険を達成して名誉点を獲得し、成長することがゲームの醍醐味の一つと言えるし、従来のFFゲームブックみたいに能力の成長ができなければ、名誉点を稼ぐ理由がただの特定ミッション選択の可否の条件付け、および、『サイボーグを倒せ』の英雄点のような冒険達成度の目安でしかない。

 しかし、名誉点獲得→キャラ成長というTRPG的な楽しみを放棄して、冒険前の成長(実質的キャラメイキング)のみに絞ってしまえば、ゲームバランスも悪くなる。技術点11のラスボスに勝とうと思えば、自分の技術点もそれぐらいは欲しいし、すると技術点1本伸ばしでも名誉点が10点必要になる。そして、冒険者として仕事を始める前に得られる名誉点は多くても10点ほどである。

 冒険後に名誉点を貯めて成長することはできないというマゾヒスティックな裁定をするなら、キャラ育成の自由度や楽しさを完全放棄する形となり(技術点1本伸ばし以外の選択がとれない)、ジャクソンがそういう愚かなゲームにするとは思えない。よって、パラグラフ297番の「名誉点による成長ルール」は冒険を始めた後も随時、行えると解釈すべきである。

 

2.成長は名誉点が偶数貯まったときに、即座に、あるいはいつでも行えるものとする。

 冒険後の成長はありとして、どのタイミングで成長できるかの記述がゲームブックにはない。「成長したタイミングで、能力値を原点まで回復するというルール」がパラグラフ297番にあるので、冒険中に名誉点を2点以上得た場合(あるいは、そこから意図的に成長を遅らせていた場合)、回復も即座にできることになって、戦闘後に体力点がボロボロになっていても、たちまち健康体に、ということになる。

 また、回復も「成長させた能力値のみ可能」なのか、それとも「成長タイミングで、全ての能力値を原点に戻していい」のかで、多少ルールが変わってくる。前者なら「戦闘でだいぶ体力点を失ったから体力を伸ばそう」とか「運だめしで運が削られたから運を上げておこう」という判断になって、技術点1本伸ばし以外の成長の必要性が出てくる。後者だと、技術点を成長させても体力や運が勝手に回復するので、あまり悩む余地がないけれど、ゲームとしてはジレンマがない分、つまらないので、自分は名誉点で成長させた能力だけ原点に戻してもいいという形で処理した。

 

3.成長はミッション終了後のパラグラフ383番で行えるものとする。

 名誉点を獲得時ではなく、冒険終了の後に成長するのが多くのTRPGで採用されている方式である。パラグラフ383番には、「きみは必要とするだけの休息をとって回復した」という記述があるので、これを回復とともに成長してもいい、という文言だと自分は解釈した。

 この直後のパラグラフ403番で、「宿に泊まって体力点を回復(あるいは宿賃を節約するために野宿して体力1点減少)」という記述がある。宿で体力を回復するなら、パラグラフ383番の「回復した」の記述は何なのだって話になる。383番で体力を成長させて原点まで回復しても、直後に野宿をすると1点減点というペナルティが意味のあるものとなる。

 

4.成長はミッション受注時のパラグラフ120番で行えるものとする。

 TRPGのセッションでは(公式リプレイなどの定例キャンペーンの場合)、冒険を始める前に前回獲得した経験点でのキャラ成長を行うケースもある。それに準じるなら、パラグラフ120番で成長というケースもありだが、これには2つの問題がある。

 1つは、前述の野宿で体力が1点削られても、その後の120番で体力を回復できるなら、野宿のペナルティの意味があまりないということである。

 もう1つは、冒険を終えて海曜日になった場合、最終イベントが開始されるので、パラグラフ120番に行けず、5つめのミッションの後の成長ができなくなる点である。

 やはり、成長ルールを確実に活かそうと思えば、「ミッション終了後の383番で成長できる」という解釈こそが最善と自分は判断し、そのようにプレイした。あとは「原点まで回復できる能力は、成長時に伸ばした能力のみ」(ただし冒険開始時はパラグラフ297番の記述どおり全能力値を原点まで完全回復する)という方式に則った。

 

アスト「結局、NOVAは3番のやり方で成長ルールを裁定し、本作をクリアしたわけだな」

 

NOVA『ああ。攻略記事のネタになる完全攻略もほぼ成し遂げて、プレイノートに一通りの情報は記述した。ただ、本作を〈綴り呪文〉抜きでクリアしようとするのは、非常に難しいことが分かった。

『とりわけ、高難度の「ジン枢機卿ミッション」では〈綴り呪文〉を使えば、邪教団のアジトが簡単に分かるが(パズルを解くという前提で)、それなしで地道に情報収集しようとするなら、乞食の協力が重要となる。つまり、序盤のサラモニスで乞食と接触して、「乞食の印」(名誉点マイナス1)を得ていないと、情報が十分に集まらない。まあ、それでも運だめしで何とかできなくはないが、序盤と終盤で乞食にスポットが当たるゲームブックが本作と言えよう』

 

ダイアンナ「全国の乞食ファン推奨のゲームブックってことだね」

 

NOVA『好き好んで乞食ファンを自認する人間がどれだけいるかは知らんが、「危難の港」の残飯漁り同様、乞食の世界に解像度が上がった作品なのはまちがいない。タイトルの「サラモニスの秘密」の意味はいろいろ解釈できるが、「都市の知られざる底辺社会の実情」なんかもその一環ではないかな、と思ったりする』

 

蛮人ナノックの話

 

NOVA『さて、本作では〈綴り呪文〉システムが最大の魅力だと思っているし、〈綴り呪文〉を活用するか否かで攻略難易度も大きく変わってくる。ただ、〈綴り呪文〉と両立できないのが、蛮人ナノックの〈格闘〉および上級戦闘術と、ロドリゲスの〈カリスマ〉で、どちらも魅力的な技能だと思う』

 

アスト「戦闘系キャラを目指すならナノックに師事して、交渉系キャラを目指すならロドリゲスと言ったところか」

 

NOVA『本当は、〈綴り呪文〉と〈格闘〉で魔法戦士みたいな立ち回りをしたいんだけどね。ただ、本作の主人公の愛用武器は文章記述だと小剣(ショートソード)なので、屈強な戦士ではなさそうなんだな。これは、ジャクソンとリビングストンの原体験であるD&Dの持ちキャラで、ジャクソンは魔法使いを、リビングストンはバーバリアンを愛用していたという話を最近聞いて、なるほどな、と思った』

 

アスト「お前が魔法使いを自認しているようなものか」

 

NOVA『もちろん、2人とも作家だから、いろいろなキャラタイプを描写できるんだけど、書いていて一番感情移入できるのは、それぞれ魔法使いのジャクソン、蛮人戦士タイプのリビングストンではないだろうか』

 

ダイアンナ「ジャクソンの魔法使い好きは納得だね。バルサスも、ソーサリーも魔法が主題になっているし」

 

アスト「一方で、リビングストン作品の主人公キャラは、剣にこだわりを持つ旅の剣士ってイメージが大きいもんな」

 

NOVA『そう考えると、王道直球なリビングストンと、変化球の技巧派ジャクソンって感じになって来るな。ともあれ、ジャクソンには珍しい蛮人兄貴系キャラが本作のナノックだ。もしかすると、ジャクソンにとってのリビングストン像がナノックに投影されているのかもしれない……というのは、うがった見方だろうけど、用心棒ナノックは頼り甲斐のある傭兵隊長として若者主人公を導いてくれる』

 

ダイアンナ「〈綴り呪文〉を習得しないなら、ナノック師匠に付いて行きたいってことか?」

 

NOVA『ああ。彼に師事したいなら、まず港でパラグラフ390番を選択する。冒険者ギルドに一緒に向かう途中で、妻のタバサと息子のベンボーイと出会うんだけど、ナノックは5年ほど旅に出ていて、ベンボーイは4歳だと言った。ナノックは、息子がまだ数も数えられないのか、とその場では笑っていたが、後で再会したときには、妻と仲たがいした、と告白していた』

 

アスト「つまり、ナノックが家を留守にしている間に、妻が浮気して別の男の子どもを育てていたってことか?」

 

NOVA『その辺は明言されていないが、妻と暮らすために冒険生活からは引退すると表明していたナノックが、やはり用心棒の仕事を続けることにしたらしい。人生悲喜交々って話だな。そんなナノックに付いて行って、用心棒稼業を頑張りたいなら、パラグラフ150番へ向かうことになり、名誉点3点が得られる』

 

ダイアンナ「授業料は払わなくていいのか?」

 

NOVA『ラズニック師匠の〈綴り呪文〉は、金貨4枚で習得できて、名誉点が2点得られる。一方、ナノックに師事した場合は、重大な問題が2点ある』

 

アスト「何だ?」

 

NOVA『1つは、用心棒の仕事が長く掛かって、他の技能の習得ができなくなること(ついでにリーブラの聖印ももらえない)。もう1つは、技術点6点のままで技術点判定をしないといけなくて、失敗すると人オークの奇襲攻撃を受けてしまい、技術点1点を失ってしまうこと。さらに初期の能力で技術点8、体力点6の人オークを倒さないといけない。結構、リスキーな実戦訓練という形になる』

 

ダイアンナ「武芸一本で身を立てようって者が、乗り越えるべき試練ってことだね」

 

NOVA『一方でメリットもある。1つは〈格闘〉技能の習得と同時に、2つの特殊能力が与えられる。ダイス目の〈振り直し〉能力(3回まで)と、戦闘時に6ゾロを出した際に相手を〈即死〉させる能力(3回まで)だ』

 

アスト「後者は、『モンスター誕生』の主人公っぽいな」

 

NOVA『戦闘では強い。ただ、それだけで汎用性には欠けるのが問題だが、ダイス目振り直しによって、人オークの奇襲対応は成功率12分の5(40%強)から60%強に向上するし、技術点が2高い敵に対しても、即死効果で勝てる可能性は出て来る』

 

アスト「多少のリスクは伴うが、そこそこいい戦いができそうなわけか」

 

NOVA『そして、この用心棒仕事で金貨6枚と、〈用心棒の腕章〉というアイテムをもらえる。後で隊商の護衛ミッションを引き受ける際に、ナノックからの信頼が厚くて報酬が金貨4枚増える恩恵だ』

 

ダイアンナ「脳筋バトル街道を堪能したいなら、ナノックルートもありってことだね」

 

NOVA『俺の好みとは言えないけどな』

 

詐欺師ロドリゲスの話

 

NOVA『次にカード手品と話術で、小金をせしめるロドリゲスおじさんルートだ。こちらの授業料は金貨3枚なんだけど、〈カリスマ〉技能と、1Dサラコインと、1D金貨と、1Dの半分(1〜3)の名誉点がもらえる。〈綴り呪文〉を除けば、〈カリスマ〉による交渉は汎用性が高くて、使う機会が結構ある。NPC相手の情報収集や交渉事なら大活躍できるうえ、他の技能との兼用もできるため、呪文以外ではお勧めルートとなる。

『ただし、〈カリスマ〉での交渉は運だめしで代用できるため、運点が十分に高ければ、メリットが薄く感じるかも。あと、ラズニックやナノックと違って、ロドリゲスはこの後の物語に登場して来ないので、キャラクターとしてのドラマ性も薄いかな』

 

学問の殿堂の話

 

NOVA『以上が、街中で出会ったNPCを師匠にした場合の話で、ここからがギルド長に紹介された訓練施設の話になる。まず、学問の殿堂では〈世界の知識〉の技能が習得できるけど、そのために金貨4枚と、ちょっとしたクイズに答えないといけない』

 

ダイアンナ「どんなクイズ?」

 

NOVA『学問と魔術の神ハマスキスが、どの二神の息子なのかを3択で問う質問だ。正解は「父神タイタンと太陽女神グランタンカ」なんだけど、他の2つを選ぶと、勉強不足を詰られて、金貨4枚を返してくれずに時間を浪費してしまう。まあ、外れを引いた場合は、見なかったふりをして、選択し直して正解を読み進めるといいだろう』

 

アスト「ズルをそそのかしてるんじゃないぞ」

 

NOVA『いや、この攻略記事を読んでる時点で、(まだ自分で解いていないなら)ズルだろう? だったら、俺に他人のズルをとがめる権利はない。間違った選択肢を選んでも毅然と受け止めて、不利な状態で突き進むのもありだが、そうしても誰も褒めてくれないぞ。ズルしました(テヘペロ)と打ち明ける方が、正直者で微笑ましいと思ってるがな』

 

ダイアンナ「そもそも、アストは正々堂々ってキャラじゃないだろう? ズルして、面白いなら、そっちの方がいいとは思わないか?」

 

アスト「……むっ、しかし、攻略記事でズルを奨励するのは、どうもなあ」

 

NOVA『まあ、ゲームブックであれ、何であれ、間違えて覚えるという学習方法、いわゆる試行錯誤があるからな。それに、ゲームブック歴が長いと、たまに間違いとか愚かしいと思っていた選択肢の中に隠しルートがあったりするのも知ってるから、一通りのルートを覗き見るのが攻略記事を書く上での正解となるわけで。さらに言うなら、ゲームブックの作者が用意した不正解の選択肢も、きちんと読んであげるのがマニアックなファンの道ってもんだぞ。せっかく、作者や訳者が手間暇かけて用意したパラグラフなんだから』

 

アスト「とにかく、間違いからの効率的なリカバリーこそが学習において重要ってことだな。で、正解を探り当てる。そうすると、〈世界の知識〉が得られる、と」

 

NOVA『〈世界の知識〉の中には、モンスター知識やアランシアの諸事象に関する雑多なものがあって、初見だと結構役に立って面白い。いわゆるトリビア御用達の技能だな。ただ、ひととおり攻略を進めて、何度か解き直しをした後では、役立つ局面が急に少なくなる。プレイヤーが答えを知っているなら、正しい選択肢を選べるから、キャラの知識技能に頼らなくてもいいってことだからな』

 

ダイアンナ「正しい選択ができるのは判断力で、知識は判断力を補強する根拠にはなっても、正しい選択が何かが分かっていれば、知識は必要ないってこと?」

 

NOVA『蘊蓄語りにも知識は必要だが、ゲームブックの選択肢を選ぶのと蘊蓄語りは違うからな。〈世界の知識〉があると、プレイヤーが何も知らない初見だと非常に興味深い情報がいっぱいで役に立ったりもするけど、そういう情報をプレイヤーが覚えたり、攻略ノートに書き込んだりすると、キャラの技能としては必要なくなる。例えば、ソーサリーの呪文について考えてみよう』

 

アスト「うわっ、寄り道脱線の蘊蓄語りが来た」

 

NOVA『48種類の呪文と、必要アイテムを全て暗記するのも大事だが、もっと大事なのは「最初の村カントパーニでは、剣(攻撃力+1)と、笛と、できれば斧を買っておくと得だぞ」って実体験による知恵だ。そして、直後に登場したならず者に対しては、剣で戦ってもいいが、呪文を使うならFOFよりJIGの方が体力点的にお得で、イラストも面白いとかな。シチュエーションごとに有効な呪文を覚えておく方が、48種類全てを覚えるよりもゲームブック攻略には役立つ』

 

ダイアンナ「なるほど。剣と笛が役に立つのは分かったが、斧なんて必要なのか?」

 

NOVA『この斧をとある御仁に渡すと、いろいろと役立つ情報をくれるんだよ。武器としてではなく、情報入手のための交渉アイテムとして非常に重要……ってのが、今、チラ見したソーサリーの話だな』

 

アスト「って、いきなりソーサリーのネタバレか」

 

NOVA『こういう攻略経験知識ってのは、キャラクター技能の〈世界の知識〉とは別で、それがあれば、〈世界の知識〉技能の価値がプレイを重ねれば重ねるほど下がって来るって話だ』

 

アスト「じゃあ、この技能はいらないと?」

 

NOVA『初見なら、習得した方がいろいろ世界が分かって、お得な場面がある。しかし、攻略を重ねると、そもそも〈世界の知識〉がないと不利になるルートは通らないという選択ができるし、結局、金貨4枚で名誉点1点を買うぐらいの価値になるかな』

 

オラン・フリントフォージの話

 

NOVA『ドワーフのベテラン探検家のオランさんは、〈罠の知識〉を金貨3枚で教えてくれる。これも、初見では役立つこともたまにあるというか、本作の罠は割と致命的で、気付かずにそこに入り込むと、運だめしもさせてもらえずに即死するケースが見られる』

 

ダイアンナ「つまり、重要度が高いわけだね」

 

NOVA『俺も最初はそう思って、〈綴り呪文〉と〈罠の知識〉を選択したんだ。技能習得時に技術点判定に成功すると、罠解除の才能があるとオランさんに称賛されて、名誉点+2というのもなかなか美味しいと思ったし』

 

アスト「金貨3枚で名誉点+2が買えるわけか」

 

NOVA『技術点判定に成功すれば、という条件が、技術点12と6とでは全然、意味が変わって来るからな。6以下を出さないと、名誉点がもらえないというのは確実性に欠けるし、ゲームブックの罠なんてものは、そのパラグラフに罠があると分かっていれば、同じものに何度も引っ掛かるわけがない。つまり、これも攻略を繰り返せば繰り返すほど、ゲームブックでは必要なくなる技能なんだ』

 

ダイアンナ「どうしても避けられない罠ってのは、ないわけだね?」

 

NOVA『その罠を乗り越えないと、入手できないアイテムとかもないしな。この技能を使う場面も、それほど多くないし(ダンジョン中心の作品なら必要なんだろうが)、初見で思いがけずトラップに踏み込んだときの保険ぐらいだろうな』

 

ロガーン神殿の話

 

NOVA『そして、本作でチート級の有用度を示すのが、ロガーン神殿で習得できる〈幸運〉技能だ。俺のクリア時の習得技能は〈綴り呪文〉と〈幸運〉だ。〈幸運〉はただで習得できて、名誉点は得られないが、破格の効果が得られる』

 

アスト「どう破格なんだ?」

 

NOVA『運だめしが自動的に成功して、運点を減らす必要もない

 

ダイアンナ「だったら、運点を成長させる必要もないってこと?」

 

NOVA『しかも、原文では回数制限なしで、効果が破格すぎるために、(3回まで)と訳注が付けられている。それでも、攻略を重ねると、運だめしが必要なパラグラフを選ばないのと、3回までは使用できることで、運点を全然伸ばさなくてもクリアできるようになる。さらに付け加えて、ナノック兄貴と同様のダイス目の〈振り直し〉能力(3回まで)が付いて来る。ええと、この恩恵の大きさのために、うちの真・ディートン君は前言撤回して、ロガーン信者になってしまいましたよ。謎かけ盗賊の弟弟子になる未来もできたかも』

 

アスト「ロガーン信者がどんどん増えて来るな」

 

NOVA『まあ、小説「トロール牙峠戦争」では、ロガーンが神々の天上のゲームにおける審判役を担当していたし、その前日譚にもなっている本作では、ロガーンが最初から従者のレプラコーンを通じて主人公を見守っている節がある。もう、ロガーン神の運命の導きで英雄街道を歩んでいるのは間違いないわけで、だったら敢えて逆らう必要もないかな、と感じた』

 

冒険者ディートン(真)の完成

 

NOVA『そんなわけで、訓練を経た結果、ディートンは前回の獲得名誉点7点に、〈綴り呪文〉習得で+2、リーブラの聖印で+1して、累計名誉点が10点になった。それで、能力値を向上させた結果、以下のデータとなったわけだ』

ディートンの能力値

 

技術点6+3=9

体力点12

運点6+2=8

 

名誉点10

 

所持金:5サラコイン、6金貨

 

技能:綴り呪文、幸運

 

所持品:短剣、替えの服、『逆風平原の伝説』の書、街の地図、豚頭ポイント2、小アクセサリー、冒険者ギルドの認可状、リーブラの聖印

 

ロガーンのお告げ:黒ユニコーンを探せ、角は取るな。シュリーカーの血は呪いを破る助けとなる。どくろの印には気をつけろ。

 

NOVA『ここから後は、王室徴税官オディアス・ピンチペニーの妨害を気にしつつ、パラグラフ120番で7種類のミッションに取り組んで行くことになる。その冒険の経緯は、次の記事から語るとしよう』

(当記事 完)