ウルトロピカルな⭐️GT(ゲーム&トレジャー)島宇宙

南の島と上空の宇宙宮殿を舞台にTRPGや特撮ヒーローなどのおしゃべりブログ。今はFFゲームブックの攻略や懐古および新作情報や私的研鑽メイン。思い出したようにD&Dに触れたりも。

「盗賊剣士エクストラ」攻略感想(その3 夜の部の2)

4夜めは2つのパターン(修羅場イベント)

 

ボクラーノ(アスト)「前回は、夜の仕事を3夜めまで攻略確認した。今回は後半戦だが、この4夜めには『盗賊剣士』本編をプレイ済みの場合、メリンダに関するエピソードが追加される。パラグラフ11の選択肢で、本編をプレイ済みなら23番へ、そうでないなら次の仕事の教会ミッション(12番)に飛ぶことになるわけだ」

 

ダイアンナ「当記事では、メリンダの話を4夜めとして扱うわけだね」

 

リバT『娼館で情報を聞いていれば、彼女が姉を誰かに殺されて、仇を討とうとしているという情報が手に入ります。ただ、パラグラフ23番では、そういう情報を得ていようといまいと、彼女の誘惑に乗ってしまい、アストさんはメリンダさんから性病をうつされてしまうんですね』

 

ボクラーノ「い、いや、アストじゃなくて、ボクラーノな。プレイヤーとキャラクターを混同してはいけない」

 

ダイアンナ「アスト、お前という奴は、あたしという相棒がいながら!」

 

ボクラーノ「ちょ、だから、このイベントは選択の余地がないんだって。本編をプレイしていなければ、スキップできるイベントだが、本編をプレイした以上は、メリンダの誘いには必ず乗せられるんだ。オレのせいじゃない」

 

リバT『メリンダさんの性病は強力で、毎日、技術点1点と体力点3点を失ってしまいます。ポドスさんの医院で金貨2枚の薬を買えば、技術点の減少は抑えられますが、病気の完治は不可能とのこと。病気を抱えたまま、一生を暮らすことに』

 

ダイアンナ「治す方法はないのかい?」

 

リバT『こういうことの相談をできる仲間は3人。かえる人のエルガさんは爆笑して、医院に行けとアドバイスしてくれます』

 

ボクラーノ「技術点を失う前に薬を買えるという利点はあるが、根本的な解決にはならないな」

 

リバT『トロールのレゴルバさん曰く、性器を切除すれば安心だ、とのこと』

 

ボクラーノ「ふざけるな」

 

ダイアンナ「お前も女体化への道を歩めばいいのでは?」

 

ボクラーノ「このゲームブック、生々し過ぎるだろう? お子さまはプレイ禁止だ。とにかく、こういうときの相談相手は、ニナに頼るしかない……というか、それが最適解なんだな。パラグラフ73番だ」

 

ダイアンナ「あたしがニナだったら、激怒するな。ボクラーノと、それから浮気相手のメリンダに対して」

 

リバT『では、ニナ役をお願いしますね、クイーン。パラグラフ73番のセリフをどうぞ』

 

ダイアンナ→ニナ「あなた、メリンダと関係を持ったの? 娼婦が性病を持っていると思わなかったの? 彼女はその手の暗殺者で、相手をしたら体が腐って死んでしまうの。それで、『ハエ』と呼ばれているんだから」

 

ボクラーノ「そんなこと、誰も教えてくれなかったじゃないか!」

 

ニナ「メリンダもメリンダよ。娼館でも最後まではしないって聞いていたのに、よっぽど、あなたのことが好きになったのかしら? でも、そんな愛情、まちがっている! 文句を言ってやるんだから!」

 

ボクラーノ「お、おい、ニナ。どこに行くんだ?」

 

リバT『そのまま、ニナさんは激オコで、メリンダさんのいる娼館に乗り込みます。いつもよりも感情的なニナさんの剣幕に、ボクラーノさんは驚きながら、付いて行くことに』

 

ニナ「ちょっと、メリンダ。どうして同じギルメンにちょっかいを出したの!? そんな方法で、仲間を束縛しようってつもり? 事と次第によっては、あなたを許さない!」

 

ボクラーノ「おいおい、ニナ、落ち着けって」

 

ニナ「あなたは、もっと怒りなさいよ。味方に裏切られて、陥れられたのよ!」

 

リバT『すると、メリンダさんは、しばらく沈黙した後で、2人を激しくにらみつけ、ニナさんに負けない怒りを示します。「そこにいる男は、味方じゃない。私の姉の敵よ。姉はアマンダ。ボクラーノに殺された! だから死んで当然なんだから」

 

姉妹の再会と和解

 

リバT『……ということで、メリンダさんがアマンダの妹であることが判明するわけですね。なお、彼女の「ハエ」の異名は、姉が好きすぎて、いつでも周りを飛び回っているみたいだから、と〈ホークウィングス〉のギルドメンバーに揶揄われて、付けられた二つ名というのが正確なところです。ニナさんの聞いた情報は、まちがっていたようですね』

 

ニナ(ダイアンナ)「その辺の情報の食い違いは、なかなか芸の細かいストーリーだね」

 

リバT『アマンダは姉離れできない妹の成長を願って、メリンダを別ギルドに入れたみたいですが、彼女自身は妹のいる〈オッドアイ〉との対決を望んでいなかったものの、ギルドメンバーの多数派の意見を聞かないわけにもいかず、自分たちが手早く勝てば、〈オッドアイ〉を傘下に加えることができると考えていたようです』

 

ボクラーノ「だけど、結果として、オレの活躍で〈オッドアイ〉の方が勝ったわけだな」

 

ニナ「……あなたの事情は分かった。だけど、ボックの命を狙うのは筋違いの逆恨みってものよ。今なら、まだ間に合う。解毒薬を渡しなさい」

 

リバT『メリンダは拒絶して、小さなナイフを取り出します。あなた達を寄せつけないように牽制すると、そのまま毒薬をあおって、自害するわけですね。何もしなければ、ペナルティ・アイテムとして毒薬の小瓶を入手することに……』

 

ボクラーノ「そこで、アマンダなら死んでないぜ、と言えばいいんだな。パラグラフ73番に、【アマンダの秘密(29)】のコネ番号を加えた102番に進むと、事態は大きく改善されるわけだ」

 

リバT『最初はボクラーノさんの言葉に懐疑的だったメリンダさんですが、〈鷹の翼亭〉に付いて行くことで、生きていたアマンダさんと感動の再会劇を果たすことになります。これで、ボクラーノさんは性病の解毒薬をゲットして、さらに暗殺の危機が解決したことで運点+1。加えてメリンダさんがお詫びに焼き菓子(体力+4、運+1の回復アイテム)をくれます。これで、本編からつながるアマンダ&メリンダ姉妹のエピソードはハッピーエンドで片付くわけですね』

 

ニナ→ダイアンナ「やれやれ。これで、ボクラーノに付きまとうハエのような女もいなくなったわけだね」

 

ボクラーノ「……と言うか、ニナとメリンダのボクラーノを巡る修羅場劇って、ゲームブックなのに痴情のもつれみたいな生々しさがあって、クールビューティーっぽいニナ姐さんのキャライメージが随分と変わるよな」

 

ダイアンナ「それは、ボクラーノに何度か命を救われているからね。エルフだから普段は年上目線で見ているんだけど、大事な弟を見るような気持ちが恋心に移り行く過程なんだと思うな」

 

リバT『さて、次の仕事は12番の教会ミッションですが、昼間の街の散策で、一つ書き落としが見つかりました』

 

ダイアンナ「アスト、ダメじゃないか」

 

ボクラーノ(アスト)「オレのせいなのか?」

 

リバT『娼館絡みなので、私めのせいでもあります。ええと、アビゲイルの情報なんですが、彼女は娼館を利用していないので情報が得られないのは事実。しかし、彼女の養母のハカボネさんの情報が聞けるのですよ』

 

ダイアンナ「ラスボスの情報は重要そうだね」

 

リバT『男性に対して攻撃的な交渉事を行いがちとか、宗教の聖印に対して嫌悪感を感じて、怒りを表明したとか、そういう話です』

 

ボクラーノ「だから、次の教会ミッションが重要になるんだな」

 

5夜め「教会ミッション」(12)

 

リバT『5夜め(メリンダイベントがなければ4夜め)のミッションは、教会に侵入して、ランカスター主任司祭の稼いだ収益を盗むように、とのことです』

 

ボクラーノ「ランカスターさんとは、本編でニナを処刑から救出する際に世話になったんだよな。まあ、〈ホークウィングス〉のアマンダの助けを借りる方が安くついたんだが。神さま相手に、あまり罰当たりなことはしたくないぜ」

 

リバT『でも、アレハンドロさん曰く、「ランカスター主任司祭は金儲けのために、共同墓地の遺体をハカボネに流しているそうよ。私からやめるように警告したんだけど、今も取り引きを続けている。警告のために彼の蓄えを奪いなさい。場合によっては……殺してもいいわよ」とのこと』

 

ボクラーノ「やれやれ。ランカスターのおっちゃん、金儲けに走る生臭坊主なのは分かっていたが、死体の埋葬品を猫ババするだけならいざ知らず、死体を死人使いに売り飛ばすなんざ、やってることが悪どすぎるだろう。だったら、仕事ついでに聖印を盗みに入っても、罰は当たるまい」

 

ダイアンナ「思いきり自己正当化の弁だね」

 

ボクラーノ「死人使いのボスを倒すためだからな。まあ、ランカスターさんを殺すと、ペナルティ・アイテムの司祭の財布と金貨4枚をゲットしてしまうから、殺さない方法を考えないといけないんだが」

 

リバT『普通に夜中に教会に侵入すると、起きていたランカスターさんと対面することになります。騒がれないように素手で抵抗を封じようとすると、技術点3、体力点8の彼とバトルになります』

 

ダイアンナ「倒すのは簡単なんだね」

 

リバT『だけど、素手だから、こちらも技術点を4減らさないといけません。ですから、向こうの技術点が実質7だと思っていただくといいのですが、それでも強くはありませんね』

 

ボクラーノ「強さはこの際、関係ない。バトルになると、否応なく殺してしまう結果になるから問題なんだ。殺さずに済む方法は全部で4つ」

 

ダイアンナ「4つもあるんだ」

 

ボクラーノ「うち3つは仲間の助けを借りること。もう一つは、金貨4枚で武具店から絞殺具を購入しておくことだ」

 

ダイアンナ「仲間に協力してもらうには金貨3枚が必要だけど、絞殺具よりも安く済むんだね」

 

ボクラーノ「最適解は適切な仲間に協力してもらうことだな。ともあれ、絞殺具を使うと、ランカスターさんは死ぬギリギリのところで、気絶する。そのまま、とどめを刺すこともできるが、後のことを考えると、殺さない方が得だ。交渉事はアレハンドロに任せればいいが、もしかすると警告が上手く行って、ランカスターのおっさんから上納金をせしめる関係が成立するかもしれん」

 

ダイアンナ「殺されたくなければ、ギルドに金を払え。そうすれば、死体の横流しの件は不問にしてやるってかい?」

 

ボクラーノ「横流しの相手であるハカボネについては、次の夜にしっかり片を付ける予定だからな。ともあれ、絞殺具があれば、殺さずにミッションをクリアできる。他には、エルガ、(本編をプレイしていないか、和解していれば)メリンダ、そしてニナに協力してもらうことができる」

 

  • エルガ(22):かえる人の特殊能力の眠りガスが効果的。ランカスター司祭をあっさり眠らせることができる。ただし、主人公を巻き込んで(苦笑)。エルガは無力化した司祭を縛りあげて、主人公を起こすと、後の処理は任せて立ち去る。今回の件も合わせて考えると、非常に優秀で、ユーモアもあって、信頼できる男という結論になる。裏切り者でないことはまず確定。
  • メリンダ(52):生臭坊主のランカスターは娼館でも見かけたことがあるそうで、彼女の誘惑にあっさりとハマる。色仕掛けの結果、無力化された司祭の後の始末は主人公に託して、メリンダは立ち去る。アダルトな世間ズレしたお姉さん感覚と、幼いお姉ちゃんっ子な妹感覚の両方のギャップ萌えを備えた、素敵なキャラですな。ニナさんにはできない色事関係の仕事ができるわけで、くノ一風味でもある。
  • ニナ(62):こちらは王道盗賊らしい潜入工作のプロ。主人公には気付かないことに気づき、ランカスター司祭が起きていることを察すると、主人公との連携で上手く相手の隙を突いて、無力化させることに成功。別の仕事があるそうで、そのまま去って行く彼女だけど、次のハカボネ戦でもお世話になります。

 

リバT『それぞれの仲間の流儀で、上手く主人公を助けてくれるのが面白いですね。それで、ランカスターさんの件は解決なんですが、教会を脱出する際にトラブルが』

 

ボクラーノ「この夜はたまたま運悪く、エスパダ神を仰ぐミサが行われる予定だったんだな。ランカスターさんが起きていたのも当然だ。アレハンドロもそれぐらいの下調べはして、仕事の段取りを付けてくれよ、と言いたくなる」

 

ダイアンナ「教会の行事のスケジュールなんて、信徒じゃなければ、分かりにくい話だろう? それより、エスパダ神ってどういう神さまなんだい?」

 

リバT『悪魔や怪物と戦う冒険者を庇護する、慈愛の女神さまですね。ボクラーノさんは、信徒に見つからないように、教会の女神像を覆い隠す垂れ幕の裏に身を潜めることになります』

 

ボクラーノ「司祭の体(生死に関わらず)は彼の私室に放り込んでいるから、信徒に見つかる心配はないと思うが、人がたくさん集まっていると、オレ自身が脱出できない。さて、どうしたものか、という流れだ」

 

リバT『まずは、【聖印(40)】のコネを忘れないように』

 

ボクラーノ「ああ、もちろんだ。パラグラフ71番に、40を足した111番に進むと、エスパダ像の足元の台座机に引き出しを発見して、ハリストンの聖印がゲットできる。後は脱出するだけだが、選択肢は2つ。像に注目が集まるような仕掛けを考えるか、遅刻してきた信徒の1人のフリをするか」

 

ダイアンナ「信徒が全員、顔見知りだったら後者は使えないね」

 

ボクラーノ「リスクを考えると、前者の方がいいんだな。手を清める水場から水を汲んで、エスパダ像の台に飛び乗り、瞳を濡らす。それから素早く机の下に隠れて、垂れ幕が開かれるのを待つ。涙を流している心臓を見て、奇跡だと騒ぐ信徒の声を聞きながら、悠々とこっそり脱出するって寸法だ」

 

ダイアンナ「そこまでの作業をこっそりできるもんかね?」

 

ボクラーノ「う〜む、いろいろとツッコミを入れたい描写だが、ゲームブックとしては、それでリスクなく脱出できるのだから正解だろう。まあ、有能な盗賊らしく、そこは上手く器用にこなしたってことで、許してもらおう」

 

リバT『信徒のフリをする作戦でも、ちょっと演技がバレて、技術点4の信徒に絡まれますが、1回殴れば怯みますので、強引に突破できます。大してリスクはありません』

 

ダイアンナ「衛兵とか暴徒とは違う、丸腰の信徒たちだから、不審な侵入者を止めようという気概のある者はいないってことだね」

 

ボクラーノ「出て来ない司祭さまを心配して、部屋まで見に行く信徒がいるかもしれないが、異変に気づいた時はもう遅いって奴だな。今夜の仕事はこれで終わりだ。仕事料の金貨5枚をもらって、いよいよ翌晩はハカボネとの対決(14)だ」

 

リバT『ゲームブック伝統の14番は死の番号ですね。死霊使いとの対決だから、作者が狙った数字なのかもしれません』

 

6夜め「ハカボネとの戦い」(14)

 

リバT『いよいよ、ラスボスのハカボネと戦うミッションです。彼女は今夜、墓場に現れるとの情報が得られたので、ボクラーノさんとニナさんが派遣されることになりました。墓場に行くと、奥の方で人魂が飛び交い、身震いするような冷気とともに異界めいた幻想空間を映し出しています。

『美しくも儚い薄明かりの中に、ひときわ美しい女性の姿が浮かび上がっていますね。紫がかった髪と、透き通る肌。憂いを帯びた瞳で書物を読みながら、墓石に優雅な佇まいで腰かける不謹慎なスタイルの魔女、それがハカボネです』

 

ダイアンナ→ニナ「彼女がアビゲイルの師匠でもあり、育ての親の死人使い。生ある者も、生なき者も彼女の道具に過ぎないようね」

 

ボクラーノ「さて、話し合いで説得するか、それとも力づくで解決するか」

 

リバT『アレハンドロさんは、一言、殺しなさいと指示しました。死人使いという職種を生かしていれば、ネグラレーナの闇の秩序が保てないそうです』

 

ボクラーノ「オレたちは闇に所属していても、混沌が街を滅茶苦茶にするようなことは望んでいないもんな」

 

リバT『ハカボネを始末するにも、その傍らに大型モンスターのキメラが護衛っぽく付き従っているのが見えますね』

 

ニナ「死人使いが死んでいない魔物を飼い慣らすなんて……」

 

ボクラーノ「死人使いなのはただの趣味で、もっと幅広くモンスター使いなのかもしれんが、魔術はオレの専門じゃないんだ」

 

ニナ「プレイヤーのあたし(ダイアンナ)は専門に近いけど、ニナは違うね。妹のミナは時を操る魔法使いみたいだけど」

 

ボクラーノ「とにかく選択肢は、話し合いのために姿を見せるか、素早く護衛のキメラを攻撃するか、それとも少し隠れたまま様子を見るかの3択だな。まあ、話し合いはあり得んが」

 

リバT『ハカボネは盗賊との話に乗る気がありませんからね。墓場から死者の群れを目覚めさせると、キメラとともに、あなたたち2人に襲い掛からせます。キメラの正体は、ハカボネに操られたアビゲイルで、戦意を喪失した2人を死者とアビゲイルが虐殺することになって、バッドエンドです。あなた方の死体も、ハカボネが愛でてくれることでしょう。まあ、ハカボネの愛は、自分の道具にのみ注がれるわけですが』

 

ボクラーノ「キメラの正体がアビゲイルなら、先に攻撃して倒すのもバッドエンドにつながるんだよな。ここは様子を見るしかないか」

 

リバT『しばらく隠れながら、機会を伺っていると、キメラの中からアビゲイルが出現し、疲れているらしく墓石にもたれかかって眠りにつきますね』

 

ニナ「よし、今がチャンスだよ」

 

ボクラーノ「墓石を利用して、隠れながらギリギリまで接近するぜ」

 

リバT『ある程度まで近づくと、ハカボネの遠目に美しく見える顔が半ば腐敗していることに気づきます。化粧が濃いと言いますか、金の瞳も左目だけは赤く充血して、不気味なオッドアイに見えますね。あなた方のギルドの〈オッドアイ〉が光と闇の象徴なら、ハカボネのそれは生と死の象徴とのこと』

 

ボクラーノ「一見、似てはいるが、本質的には別ってことだな。闇を好むからって、死まで好むわけじゃない」

 

リバT『あなたたちを確認すると、ハカボネは慣れた仕草で死者の群れを召喚します。その能力は、技術点6、体力点6が基準値ですが、これまでの物語でのフラグで変動します。具体的な修正値は、入手済みのアイテムによって以下のとおりですね』

 

  • 腕章(詰め所の兵士):技+2、体+4
  • バラ(ローズガーデン家の家族):技+2、体+4
  • 毒薬の小瓶(メリンダ):技+1、体+2
  • 羽根飾り(墓地の死体の火葬):技-1、体-2
  • 銀のコイン(肉屋の犠牲者):技+2、体+4
  • 司祭の財布(ランカスター司祭):技+1、体+2

 

ボクラーノ「こういう修正を受けた結果、最弱が技5、体4に弱体化し、最強で技14、体22までパワーアップするんだな」

 

ニナ「2段階ぐらいまでは強化されても、何とかなりそうだね。技10、体14ぐらいなら、それなりに手強いけど、ボックなら勝てる」

 

ボクラーノ「勝てるけど、無傷ってわけにはいかないだろう。ボスのハカボネを相手にする前に、余計なダメージは負いたくない」

 

ニナ「ハカボネはそんなに強いのか?」

 

ボクラーノ「強いというか面倒くさい相手だな。死者の群れを撃退した。さあ、次は?」

 

リバT『ハカボネの足元にある頭蓋骨、彼女が殺したゴティカの成れの果てが呪文を唱えます。次から次へと飛来する光の矢があなたたちを傷つけます。運だめしを3回行い、失敗するたびに技術点1点、体力点2点を削ります。しかし、ハリストンの聖印を持っていれば、神の加護で矢は全て外れますので、運だめしをする必要がありません』

 

ボクラーノ「プレイヤー視点なら、神の加護様様なんだが、キャラクター視点だと矢が外れたのは運が良かっただけ、と思うような文章描写なんだな」

 

ダイアンナ「信仰心の強い者は、偶然のラッキーも神のおかげになるし、信仰心のない者は、ラッキーに対しても鈍感というか、日ごろの行いの良さが幸運につながるという軽い迷信も合理的でないと切り捨てるわけだね」

 

ボクラーノ「だけど、自業自得だって信仰観だぜ。良いことをしたら良い結果が、悪いことをしたら悪い結果が生じるというのは、素朴な信仰とも、科学的合理性とも受け取れる」

 

リバT『原因結果を、神の仕業にするか、個人の運勢や宿業にするか、それとも科学で解明できていることは科学で、解明できない部分はランダムの偶然性に帰結するかは人の価値観次第でしょう。そして、運気を高めるために祈るという行為もゲームだとルール化されていたりしますが、リアルでどこまでの効果があるかは個人の信仰観による、と』

 

ダイアンナ「ゲームだと、その辺の効果が明確だよね。神の加護で邪悪な矢が当たらないということなら、物語として、そう解釈できるわけだ」

 

ボクラーノ「科学的合理性とはまた別に、物語的合理性というものがあるからな。それはともかく、道具にされたゴティカの呪文は通用しなかった。この次は?」

 

リバT『ハカボネはアビゲイルを人質にしますね。ナイフを顔に当てて、「武器を捨てなければ、娘を殺す」と脅しにかかります』

 

ニナ「どこまでも見下げ果てた女だね。どうする?」

 

ボクラーノ「どうしようもない。ここは再起をかけて逃げるとしよう」

 

ニナ「ちょっと、そんなのでいいのか?」

 

リバT『ゲームブックでは、逃げるという判断をしたのはニナさんなんですけどね。しかし、ハカボネの召喚した大ガラスの群れに遮られて、逃げることもままなりません。勝ち誇ったハカボネはアビゲイル「お前の仲間たちの命を助けて欲しいなら、盗賊稼業などやめて、私のところに帰ってくるのだ。自らの意志でな」と脅しつけます。「連中の命などどうでもいい。私にとって大切なのは、お前なのだ、アビィ。母のもとに帰って来ておくれ」と懇願するようにも聞こえますね』

 

ボクラーノ「アビィが交渉に乗ってくれれば、オレたちは助かるみたいだが」

 

ニナ「だけど、それでアビィは幸せになれるの? 毒親に縛られたままで、独りで歩くこともできずに? 自分の道を切り開くために盗賊剣士になったんじゃないの? 私たちの命のことは気にしないでいい。人の心配をしたいなら、まずは自らの道を歩けるようになりなさい、アビィ」

 

ボクラーノ「って、オレたちの命はここに来て、NPCに握られてしまったんだな。何も口をはさめん」

 

リバT『ニナさんの、妹に対するような命がけの言葉と想いが、諦めかけていたアビゲイルの魂に火を灯します』

 

 

アビゲイル『……私の居場所は〈オッドアイ〉だ。……だから、何を言われたって聞く気はない。母さん、いや、ハカボネ、私は死人使いの娘ではなく、盗賊剣士として生きる。あんたに縛られた人生は望まない』

 

ハカボネ『そうか……。お前もゴティカみたいに、私を捨てて行くと言うんだね。汚らわしい盗賊剣士など、私にとって何の価値もない。ならば用はない。盗賊剣士が望みなら、あの2人と同じように、ここで仲良く死ね。死人になれば、3人仲良く可愛がってやるよ』

 

 

リバT『ここで、魚の尾を持っていなければ、ハカボネの言葉どおりにバッドエンドです』

 

ボクラーノ「しかし、最後の切り札が、魚の尾なんだよな。助けて、エストレージャさん!」

 

 

エストレージャ『よくも私の友人を、ひどい目に合わせてくれたな、ケチな死霊使いめ! 〈オッドアイ〉の名にかけて、貴様を始末する! 貴様の名前をシカバネに変えてくれよう!』

 

 

リバT『怒りの巨大ネコ、いやトラの正体を表したエストレージャさんが、墓地に乱入し、大ガラスの群れを追い払い、ハカボネの華奢な体をゴッとなぎ倒し、その左手を喰いちぎります』

 

ニナ「味方とは言え、何て凄惨な光景なんだろう!」

 

ボクラーノ「アビゲイルは無事か?」

 

リバT『トラの猛威に怯えてうずくまってるアビゲイルに、ボクラーノさんは助け起こそうと駆け寄って、しゃがみ込みました。その瞬間に閃光が走り、アビゲイルが叫び声を上げて両目を覆います』

 

ボクラーノ「何だ?」

 

リバT『あなたはタイミングよく背中を向けた形になっていたので、閃光を見ずに済みました。しかし、ニナさんとエストレージャさんは、ハカボネの方を見ていたので、彼女の放つ目眩しの光を受けて、一時的に視力を失っています。その隙に、ハカボネは傷ついた体で逃げ出そうとしています。止められるのは、ボクラーノさん、あなただけです』

 

ボクラーノ「ならば、全ての因縁、このオレが断ち切る!」

 

リバT『トラに重傷を負わされて半死半生のハカボネさんの能力は、技術点5、体力点5です』

 

ボクラーノ「ゴブリン並みってことか。だったら、ゴブリンシャーマンと思って、トドメを刺すとしよう」

 

リバT『こうして、ハカボネは絶命し、その夜、あなたたち3人の盗賊剣士は墓地の管理をしているクシャン侍従のところに行きました。彼の許可を得て、新たに2つの墓を立てることにしたのです。一つは、アビゲイルの姉ゴティカの頭蓋骨を埋めるため。もう一つは、ハカボネの墓。どちらもアビゲイルの希望ですね』

 

 

アビゲイル『ゴティカ姉ちゃんも、ハカボネも、私にとっては特別な存在だった。だから、できることならみんなで仲良く暮らしたかったじぇ』

 

 

ニナ「泣きじゃくるアビゲイルをそっと抱きしめます」

 

リバT『こうして、ハカボネ事件は終了し、あなた方はギルドへの帰路につきます。いろいろあって眠りこけたアビゲイルを背負いながら、一連の事件のことを思い返すボクラーノさん。そして……エクストラの物語は次回のFINALで終了します』

 

ボクラーノ「裏切り者の始末をきちんとつけないとな、ニナ」

 

ニナ「ん? どうして、私の方をジロジロ見るわけ?」

 

ボクラーノ「ギルド長アレハンドロに頼まれた仕事があるんだ」

(当記事 完)