ウルトロピカルな⭐️GT(ゲーム&トレジャー)島宇宙

南の島と上空の宇宙宮殿を舞台にTRPGや特撮ヒーローなどのおしゃべりブログ。今はFFゲームブックの攻略や懐古および新作情報や私的研鑽メイン。思い出したようにD&Dに触れたりも。

行方不明の盗賊と、新たな盗賊

『真夜中の盗賊』をプレイしようとして

 

アスト「どういう訳か、当のゲームブックが見当たらないのだが……」

 

リバT『ああ。この夏にグランドマスターNOVAが部屋の整理をしていた際に、うっかりどこかに片付けてしまったようですね』

 

アスト「うっかり片付けたって何だよ?」

 

リバT『大事なものだから、きちんとしまい込んだら、今度は取り出すのが困難な場所に入れてしまったようで、行方不明だそうです』

 

アスト「何だよ、それは!? 整理して入れろよ。いや、すぐにプレイすることを想定して、しまい込むんじゃねえ」

 

リバT『とにかく、「真夜中の盗賊」の本は現在、〈隠密〉判定でクリティカルヒットを出してしまい、〈捜索〉判定でクリティカルヒットを出すまでは発見困難という状況です。ですから、代わりにこれをどうぞ』

リバT『ええと、先月、こちらの記事で少し触れられたFT書房のゲームブックですね。グランドマスターが「一つの指輪TRPG」のルールブックを買う際に、いっしょに購入したものです』

アスト「『盗賊剣士』……ええと、FFゲームブックの『盗賊都市』と、T&Tソロアドベンチャーの『傭兵剣士』を足して2で割ったようなタイトルだな」

リバT『そもそも、FT書房のFTがファイティング・トロールズの略称で、ゲームブックもいろいろオマージュを重ねていますからね。なお、FT書房のゲームブック作品は、現在20作品を越え、そちらを追いかけるだけでもブログ記事のコンテンツとしては十分すぎる内容です。もしも万が一、FFコレクションが4で終わってFF熱が冷めてしまっても、こちらで十分、代用が効くということです』

 

アスト「縁起でもないことを言うなよ。大体、FFコレクションが展開終了しても、社会思想社時代のお宝本はまだ20作以上残っているはず」

 

リバT『こちらで未攻略作品を数えてみますか』

 

まだ残ってるFF作品

 

●6巻『死の罠の地下迷宮』(FFコレクション2所収)

●7巻『トカゲ王の島』(FFコレクション3所収)

●8巻『サソリ沼の迷路』

●9巻『雪の魔女の洞窟』(FFコレクション3所収)

●11巻『死神の首飾り』

●12巻『宇宙の暗殺者』

●13巻『フリーウェイの戦士』

●14巻『恐怖の神殿』

●15巻『宇宙の連邦捜査官』

●16巻『海賊船バンシー号』

●18巻『電脳破壊作戦』

●19巻『深海の悪魔』

●20巻『サムライの剣』

●21巻『迷宮探検競技』

●22巻『ロボットコマンドゥ』

●23巻『仮面の破壊者』

●25巻『ナイトメアキャッスル』

●26巻『甦る妖術使い』

●27巻『スターストライダー』

●28巻『恐怖の幻影』

●29巻『真夜中の盗賊』

●30巻『悪霊の洞窟』

●31巻『最後の戦士』

●32巻『奈落の帝王』

●番外編『王子の対決』(2冊)

 

アスト「既訳分だけでも、こんなにあるんだよな。一月に一冊ずつ攻略しても2年間は戦えるって寸法だ」

 

リバT『あと、お望みならT&Tのソロアドベンチャーもございますよ』

 

アスト「それらを全部、攻略記事を書いたら、伝説に残る偉業と言えるな」

 

リバT『まあ、別にゲームブックだけが人生ってわけではありませんが、それでもやりたいことがこれだけ残っていると、燃え尽きるまでは人生、長生きしたいと思えるもの。たとえ志半ばで倒れるとしても、倦むことなき情熱を持って歩き続ける目標があることが大事』

 

アスト「だけど、頑張ろうと思った『真夜中の盗賊』が行方不明だから、代役として『盗賊剣士』が登場したわけだ」

 

盗賊剣士の紹介

 

リバT『この本は元々、同人ゲームブックとして、2011年年末に書かれたことが後書きに記されていますが、今回購入したのは2020年に出た第5版とのこと。一般の書店販売ではないので、流通規模は限られていますが、FT書房では最も売れた本とのこと。作者さん自ら動画で宣伝もしているので、紹介してみたいと思います』

ダイアンナ「ところで、主人公は女盗賊なのかい? 表紙絵から見ると、そんな感じなんだが?』

 

リバT『いいえ。表紙絵はヒロイン役にして、主人公が盗賊稼業としてネグラレーナ市に来たきっかけとなったエルフの女盗賊ニナさんですね。「夜の妖精」の二つ名を持つそうですが、パラグラフ149番では、彼女が捕まって処刑場で絞首刑になるバッドエンドがイラスト付きで描かれています』

 

アスト「いきなりバッドエンドの紹介かよ」

 

リバT『ドラマチックなバッドエンド文章が描かれているゲームブックは、良いゲームブックという法則に基づいてのことです。ニナさんは処刑される直前でも、取り乱すことなく毅然と振る舞って、クールな美女って感じですね。同パラグラフでは、主人公が行動を起こすために「関連するコネクション番号を149に足すパラグラフ・ジャンプの処理」が行われて、ニナさんを処刑場から救出する展開に流れるようですが、そうでない限りはニナの死を目撃した主人公が傷心のあまり、街を出る決意をしてバッドエンドです』

 

アスト「ヒロインは何とか助けたいよな」

 

リバT『あと、パラグラフをパラパラ流し読みしていて思ったのですが、国産ゲームブックらしく、女性キャラが多いですね。街の領主もへレーナ・マキシミリアンという若い女性で、ネグラレーナは盗賊都市の異名を持ちながら、悪徳領主というわけではない。治安の悪いネグラレーナを、6年前に代替わりした気品と熱意ある女領主が改革しようと頑張って、街の経済を発展させているそうです』

 

ダイアンナ「アズール卿のパクリではないんだね」

 

リバT『どちらかと言えば、リビングストン最近作「巨人の影」のアンヴィルのようですね。敏腕の女市長のおかげで交易による経済発展を遂げたってところが。ただ、最終パラグラフの450番で、急成長を遂げたネグラレーナが他国との軋轢を呼ぶことになって、戦火が訪れるという未来が待っているそうです』

 

アスト「戦争に突入するのか!?」

 

リバT『その話の続きがあるのかは気になるところですが、女領主のへレーナさんはアランツァの世界では非常に珍しい、住民に愛された領主らしいです。ということは、アランツァの他の街では悪徳領主が普通ということでしょうか。アランツァはFFシリーズのアランシアにオマージュを捧げたっぽいネーミングと設定が随所に見られますが、日本人読者向けの改変もいろいろありそうで比較対照するのが面白そうです』

 

アスト「ただのパクリではないアレンジ具合を見極めるのが、通の見方ってことだな」

 

リバT『ネグラレーナは、ネグラ・アレーナ(黒い砂)というスペイン語から来た名前だそうで、アランツァ大陸の東岸にある港町、付近を流れる川がリオ・アスール川というそうで、元ネタを想起させつつの改変テクニックが学べると思いますね』

アスト「盗賊都市ポート・ブラックサンドに基づきつつ、決してそのままではなく、自分なりに異なるイメージも持って来ている、と」

 

リバT『街の名前はスペイン語に基づきつつ、14世紀のドイツをイメージした独自の犯罪都市で、古代を受け継いだ中世都市の魅力を意識したそうです。参考文献にある著名な歴史本に、西洋中世史専攻のグランドマスターも懐かしさを喚起されたそうで』

 

ダイアンナ「なるほど。買う前は分からなかったツボを、ダディは発見した、と」

 

リバT『とりあえず、作者がどういうことを考えて、その作品にこだわりを乗せたか、という後書きやメイキングが、グランドマスターの好物ですからね。この作品のこだわりはこれだ、とあらかじめ伝えてくれると、そういう想いに共感できることもあるし、そこのところが覚束なかったり、性に合わなかったりすると、作品の内容もつまらない。もちろん、志は高くても技術が追いついて来ないケースもありますし、想いだけでも力だけでもダメなんでしょうけど、それでも15年も活動を続けている実績ありの団体だから、ゲームブックへの情熱は尊敬すべきものがあるのでしょう』

 

アスト「で、この盗賊剣士をオレが攻略すればいいんだな」

 

ローグライクな話

 

リバT『あと、こういう本も今回買ったそうで』

 

ダイアンナ「これは?」

 

リバT『今年の夏に発売されたばかりの、アランツァ世界を舞台にした簡易TRPGといったところでしょうか。なお、PDF版だと、無料で公開されていますね』

 

アスト「無料で公開されているものを、わざわざ金を出して買ったわけだ」

 

リバT『文章データだけでは味気ないんですよ。イラスト付きの製本された物理本には、データだけではない世界観を味わえることができるとのことで、とりあえず、ゲームショップで見かけたから購入してみたそうです。ルールとしては、AFFやT&Tよりも軽く、ゲームブックよりは重い、帯に短し、たすきに長し、と言ったところでしょうか』

 

アスト「それって、中途半端って意味で、褒めてはいないよな」

 

リバT『まあ、これでTRPGをやれと言われたら、別の作品をやった方がいい、と考えますね。昔、ゲーム専門雑誌のおまけに付いていた簡易RPGみたいなシステムで、ダイスによってイベント生成されるランダムダンジョンを攻略突破するゲームです。たぶん、400パラグラフのゲームブック一冊を攻略する方が時間が掛かって、コスパがいいかと思われ』

 

アスト「紹介しているんだから、少しは褒めろよ」

 

リバT『では、褒めてみます。システムが簡単ということは、ソロでプレイする際には負担になりませんし、対応人数が2人ということも、TRPGにはないメリットかと。ワンonワンで気楽に遊べるTRPGって意外に少ないですからね。とりあえず、TRPGをしたいけど、友人と2人だけでメンバーが足りないって時に、楽しめるゲームということで需要はありますね。そういう客層は、トレーディングカードゲームに持って行かれたのが90年代以降のアナログゲーム業界ですが、2人で協力して軽くダンジョン探索の雰囲気を作りたいユーザーにはお勧めじゃないでしょうか』

 

ダイアンナ「すると、あたしとアストの2人プレイも可能ということか」

 

リバT『できなくはないですね。まあ、ネット上でリプレイを発表する場合の条件とか規定してあって、いろいろと宣伝しないといけないみたいですが』

ダイアンナ「今、宣伝しているんだから、使用条件は満たしているんじゃないか?」

 

リバT『ブログの場合、毎記事ごとにURLを張らないといけないのか、それとも最初に1回、張っておけばいいのか、迷うところですね。とりあえず、ロゴも貼らないといけないみたいなので、ポチッとな』

アスト「デカッ!?」

 

リバT『まあ、目立つように貼れ、ということですので。もっとも、今後貼るときは画像サイズを縮小する方法を学ばないといけませんね。そして、これを貼ることで、今後は当ブログで登場したローグライクハーフのリプレイ・キャラを公式が利用する権利を認可した、ということになるらしいです』

 

アスト「すると、何だ? オレが作ったキャラ設定がアランツァのゲームブックや世界設定で使われる可能性がある、と?」

 

リバT『ゲームブックは知りませんが、ローグライクハーフではそうみたいですね。つまり、「あなたがうちの作品世界でキャラを公開したんだから、そのキャラをうちらが勝手に使ってもいいですね」って使用認可です』

 

ダイアンナ「よく言えば、お互いさま。悪く言えば、2次創作を1次創作がパクるのもありってことか」

 

リバT『ファンという立場で考えるなら、自分の考えた設定を公式が採用してくれた、万歳ってことですね。昔の読者投稿ネタを元にストーリーを組み上げる企画をネット単位でやろうという認可です。もちろん、そもそも向こうにこちらが気付かれて、その設定は面白いから使いたい、と思わせなければ、ただのゴミですが』

 

アスト「読者投稿と違って、公式に積極的にアピールしなくても、向こうが勝手に拾い集める場合があるってことだろう? 公式に使ってもらえる面白さがアピールできればいいが、別にそうでなくても、個人が好きに楽しめるなら十分だけどな。とりあえず、ゲームが楽しめるかどうかは試してみないと分からないってことだな」

 

ダイアンナ「では、試しに次回、キャラ作りだけでもしてみるかい?」

 

リバT『そうですね。まずはシステム紹介でもしてみて、それからシナリオの確認をして、面白かったら、今後のサプリメントにも期待するってことで』

 

アスト「やれやれ。FFゲームブックを追いながら、FT書房の試しプレイか。バタバタしそうだな」

(当記事 完)