ウルトロピカルな⭐️GT(ゲーム&トレジャー)島宇宙

南の島と上空の宇宙宮殿を舞台にTRPGや特撮ヒーローなどのおしゃべりブログ。今はFFゲームブックの攻略や懐古および新作情報や私的研鑽メイン。思い出したようにD&Dに触れたりも。

ドルイドの道(その3 続アドバンスト編)

NOVA「時間が止まった」

 

ハイラス「ハッ? 突然、何を言い出すでござるか?」

 

NOVA「今日、仕事へ行ったときに、ふと左手首を見ていて気付いたんだよ。愛用の腕時計の針が動いていないことに」

 

ハイラス「何だ、機械の話でござるか。そのような文明の利器に頼らなくとも、日は沈み、また昇る。時間は絶えず運行しているであろう。星々の営みと同様に」

 

NOVA「そんなことは当然、お前に言われなくても分かっているんだよ。ただ、明日は仕事の前に、時計屋に行って電池交換をお願いするという仕事が増えたわけで、それまでは時計を失った男でいないといけないんだ。いいか、時空魔術師にとって時計がどれだけ重要なアイテムか。時を失った以上、俺は空魔術師でしかない」

 

ハイラス「そらの魔術師、つまりスカイウィザードでござるか。それはそれで、良いではござらんか」

 

NOVA「いや、読み方が違う。空っぽの魔術師。空虚魔術師。すなわちVOIDの魔術師だ」

 

ハイラス「まあ、そう悲観なさるな。たかが漢字一文字を失っただけで、空間魔術を扱えるであろう。ましてや、NOVA殿は言霊魔術師でもあられる。全ての力を喪失したわけでもあるまい」

 

NOVA「たかが漢字一文字だと? ならば、ハイラス、お前の称号から最初の一文字を失ったらどうなるか考えてみるがいい」

 

ハイラス「次元ドルイドから、一文字抜くと元ドルイド。ぐはっ。それは不本意でござる。元(もと)ドルイドだったら、今の私はまるでドルイドではなくなったみたいではござらんか。それはアイデンティティーの崩壊につながるほどの喪失。たかが漢字一文字と侮った私が悪かった」

 

NOVA「これで、お前も俺の気持ちが少しは想像できたろう。ちなみに、言霊魔術師から言葉を失っても、大変なことになる。霊魔術師だったら死んでるみたいじゃないか。ホワイトNOVAから一文字抜いても、ワイトNOVA。まるでアンデッドモンスターだ。まあ、空虚な魔術師だったら大して変わらんがな」

 

ハイラス「しかし、NOVA殿の周囲の時間を計る器具は、腕時計だけではなかろう。全ての時が失われたわけではないはず」

 

NOVA「そいつは甘い認識だ。何しろ、今度の仮面ライダーのデザインモチーフは腕時計なんだよ。つまり、腕時計が止まる=仮面ライダーに見放されるのと同義なんだ」

 

ハイラス「いやいや、その理屈はおかしいでござる。仮にそうであったとしても、新番組はまだまだ先の話。それまでに時間を取り戻すことは十分可能。しかも、ビルドも、クローズマグマも、グリスも、ローグも、パトレン1号も、つかさ先輩も、新ヒーローのロッソとブルも、シンカリオンも、キュアアンジュも、キュアアムールも、NOVA殿を見捨ててはおられん。それでも足りなければ、あのコミック次元スクリーンに映っている超人を見るでござる!」

 

NOVA「おお、あれは現在、ギアマスターと対戦中のキン肉マンビッグボディではないか。そう言えば、今週はまだ読んでなかったな。しばし待つべし」

 

ハイラス「(少し待った後)どうでござったか?」

 

NOVA「(プルプル)感動した。俺は今、ビッグボディさんの姿に勇気をもらった。まさか、剛力の彼がネタになることなく、勝利を収めるとは! そうだ、ビッグボディさんの三十年近くに及ぶ苦渋の時間に比べれば、腕時計の一つぐらいで落ち込んでいた俺の何と小さいことよ。よし、俺はこの卑小な我が身を恥じて、NOVAリトルボディを名乗ろうぞ。失われた時間を取り戻すまでの俺はリトルNOVAと呼称する。俺の兄貴はガロンで、レオ兄弟と頑張って戦ってみせよう。ハイラス兄さん、あんたは俺のガロンになってくれ」

 

ハイラス「意味がよく分からないでござるが、それでNOVA殿の気が休まるのであれば引き受けた。ガロン兄貴としては、何をすれば良いであろうか」

 

リトルNOVA「俺に代わって、ドルイ道の解説をメインでしてくれ。俺は聞き役に回る」

 

ハイラス「それぐらい、お安い御用……って、ええ? 私がメインで解説ですと?」

 

リトルNOVA「頼んだぜ、ハイラス兄貴」

 

★いきなり役割交代、そしてAD&Dのクラス

やれやれ、そんなわけで、私が地の文でメインの解説役をする羽目になったでござる。と言っても、急に押し付けられた役ゆえ、何から話せばいいのか、ちっとも分からん。困ったものよ。

リトルNOVA「何を言ってるんだよ、ドルイ道おじさん。ぼくは今、時計を失って子供に戻っているんだから、しっかり解説してくれないと。大体さあ、おじさんはドルイドなんでしょう? それなのに、ドルイドの解説ができないなんて、おかしいじゃないか。ぼくは元・時空魔術師らしく、多元宇宙の話をいっぱいしたんだから、現役ドルイ道おじさんがドルイドの話をするのは当たり前でしょう? 資料なら、ほら、ここにいっぱいあるから、好きに使っていいよ」

おお、これはアドバンストD&D2版と、新世紀のD&D3版、それと私を生み出した5版それぞれのプレイヤーズハンドブック。これだけあれば、ドルイ道についても語れよう。まあ、5版の話は以前も語られたようだから、ここは2版と3版を中心にすればよいであろうか。
ところで、いつの間にか、子供になってるNOVA殿。何だかメガネをかけた姿が、名探偵っぽく見えるのは気のせいでござるかな?

リトルNOVA「うん、声は高山みなみじゃないから。なお、高山みなみを検索してみると、OVAロードスのシーリス役がデビュー3年めの彼女だと知って驚いている。それより、早くドルイ道の解説してよ」

むむっ、では順を追ってみるとしよう。
まず、ドルイドがD&Dで初お目見えしたのが、オリジナルD&Dのサプリメント第3弾であると知って、結構、歴史の長い職業であったことに驚いたでござる。追加職業の中では、「パラディンとシーフ」「モンクとアサシン」の次に「ドルイド」でござるからな。

リトルNOVA「確かに伝統的だなあ、すごいやドルイ道」

そうであろう。
そして、アドバンストD&Dの1版にも当然のように、登場している。NOVA殿、1版の職業リストを挙げてくれぬか。拙者は資料がないから、分からないでござる。

リトルNOVA「お安い御用だよ。ファイター、パラディン、レンジャー、バーバリアン、マジックユーザー(メイジ)、イリュージョニストクレリックドルイド、シーフ、アサシン、モンク。これにファイター、シーフ、マジックユーザーの転職を繰り返すことで到達できる上級職みたいなクラスとしてバード(吟遊詩人)が存在していたような。AD&Dで初登場したのは、レンジャー、バーバリアン、イリュージョニスト、バードの4つになるね。後から他のサプリメントで、軽業専門のシーフアクロバットとか、騎兵のキャバリエとか、ニンジャとか、サムライとか、いろいろ追加されたって聞くけど」

うむ、手持ちのAD&D第2版によると、職業体系が大きくウォーリアー、ウィザード、プリースト、ローグの4種に分けられて、さらに細分化されているようでござるな。
ウォーリアーの中に、ファイター、パラディン、レンジャーが、
ウィザードの中に、万能のメイジと、イリュージョニストなどのスペシャリストメイジ(専門魔術師)が、
ローグの中に、シーフとバードが、
プリーストの中に、クレリックドルイドが入っているようだ。
バーバリアンとモンク、アサシンはどうなったでござるか?

リトルNOVA「残念だけど、基本職からはリストラされたんだ。ついでに種族では、クラシックD&Dの4種族に加え、ハーフエルフ、ノーム、ハーフオークが加わったけど、2版ではハーフオークがリストラされた。2版のリストラ基準は、野蛮な敵キャラ系と、西洋ファンタジーとは異なる系譜のキャラで、ごった煮カオスなゲームをすっきり秩序立ったものにしようという傾向が見られるね」

★AD&Dのドルイ道

それでは、いよいよ私の本懐、上級ルールのドルイ道について語るとしようか。他の職業については、NOVA殿が時間を取り戻した時に任せるとして。

リトルNOVA「分かった。それと呪文関連はパスにして欲しいね。時間が掛かりすぎるから。あくまで、呪文以外でお願いするよ」

了解した。
ドルイドの特殊能力はっと、おお、まずは「火や電撃に対するST判定プラス2」というボーナスがもらえるな。クラシックD&Dにはなかった要素だ。

リトルNOVA「そう、AD&Dのドルイドを知ると、クラシックD&Dのドルイドがどれだけ弱体化しているかが分かるよ。続けてごらん」

レベル3で、「植物や動物の種類、澄んだ水を見分けられる」とある。さらに「密生した植物のエリアを難なく抜けられる」とのことだ。いちいち呪文の力を使わなくても、標準的にそういうことができるのであるな。素晴らしい。

リトルNOVA「次は7レベルだね」

む、「ドライアドなど森の生物のかけるチャームに絶対の耐性」とある。これで、花粉症ガールなど恐れるに足りず。

リトルNOVA「いやいや、戦う必要はないでしょうが。そんなことより、次を読んでみて」

おお、「動物への変身能力」だ。1日3回まで変身可能で、変身時にHPの自動回復まで可能になるのは結構使えそうでござる。

リトルNOVA「その後は、クラシックD&Dで不完全だった階梯上昇のルールだね」

まず、12レベルで初めて、一人前のドルイドとして認められるのでござるな。それまでは見習いのイニシエイトと呼称される。
一つの地域には、12レベルの正位ドルイドは9人しかおらず、ここからドルイドファイトレディーGO!の階梯争奪戦が始まるのでござるな。見事に地位を勝ち取ったドルイドの元には、3人の見習い弟子が付き従うことになる。

次に、13レベルになるとアークドルイドと呼ばれることになるが、一地域に3人しかいないので、戦って座を奪い取ることになる。
さらに14レベルのグレートドルイドになると、一地域に1人しかいない。つまり、地域最強のドルイドでござるか。

そして、世界最強の15レベル、グランドドルイドに到達するわけだが、これは戦いではなく、前任者から後継者として責任と共に譲り受けるものらしい。つまり、ドルイド社会の長として君臨し、そしてドルイドの使命を全うすることに人生を捧げる、と。

その後、長としての使命を果たして、十分な経験点を得たドルイドは、長の地位を誰かに譲り、自己の鍛錬のための最後の修行期間に入るのでござるか。
AD&D2版の最高レベルは20なので、16レベル以降の隠棲修行ドルイドはハイエロファントと呼称されて、順次、以下の特殊能力を得ることができる、とある。


●16レベル:自然の毒に対する完全耐性、老齢化の影響を受けない、外見の自在変化

●17レベル:仮死状態になる、アースエレメンタルの次元での活動能力

●18レベル:ファイヤーエレメンタルの次元での活動能力

●19レベル:ウォーターエレメンタルの次元での活動能力

●20レベル:エアーエレメンタルの次元での活動能力


正直、ハイエロファントのドルイドは、私には理解が困難でござる。

リトルNOVA「まあ、ぼくにも完全に分かったとは言えないけどさ。現世での役割は15レベルで果たし終えて、その後は世捨て人的な仙人を目指すんだろうね。クラシックD&Dではイモータルを目指したけれど、AD&D2版のドルイドは、世界の諸力との一体化を目指して悟りを開くとか、物質世界を超越した別次元から諸力のバランスを考えるようになるとか、そういう自然界の神秘的な存在にまで到達するのが一つの目的じゃないかな」

ふむ、第2版のドルイ道は、現在の5版のそれとも違った趣きがあるでござるな。

リトルNOVA「ついでに言えば、クラシックD&Dの欠陥部分をこういう形で補うようにした、とも考えられるね。日本のぼくたちにとっては、D&DとAD&Dの差というのは、邦訳されたか、ほとんどされていないかで、ずいぶんと大きいけれど、英語圏の人たちにとってはD&Dの説明不足な点をAD&Dから引っ張って来て、一部を混ぜて使うこともしていただろうし。もちろん、数値の差異とか、細かい設定の違いはうまく調整してさ」

それにしても、呪文に頼らぬ特殊能力がこれほどあるとなると、クラシックD&Dの時に感じた「劣化クレリック」のイメージも大分払拭されたでござるな。

リトルNOVA「まあね。クレリックが転職してなるクラシック版ドルイドと違って、AD&D版ドルイドは最初から別クラスとして設定されているから、昔はできたことができなくなった、という喪失感が払拭されているのも大きいと思うよ。それと、レベルアップするのに、上の階梯の者を蹴落とさねばならない的な設定は面白いと思う。いかにも少年マンガのトーナメント戦みたいなノリでさ。ライバルになるドルイドのキャラ設定を考えて、拳と拳をぶつける試合を想像するだけで、それなりのシナリオが作れそうだ。クラシックD&Dのドルイドは、何か世間から逃避した隠者めいた大人しい印象が抜けなかったけど、AD&Dはもっと荒々しい野生の生き方がかいま見えて、それこそ弱肉強食の獣の道に従う的なイメージがついて来たな、と」

ふむ、下剋上的なドルイド武闘伝でござるな。
「師匠、俺は今日こそ、あんたを超えてみせる」的な熱いドラマとかが、想像できる。
もちろん、蹴落とされた者が再戦を挑んでくることもあろう。
ドルイド界のトップを目指せ、的な風潮があって、晴れてグランドドルイドの座を勝ち得た後は、世界の危機に際して、これまで戦ってきたドルイド軍団を率いて、デビルドルイド軍団と戦うキャンペーンのクライマックス。その果てに愛を勝ち取るのでござろうか。

リトルNOVA「もちろん、そんなイメージ以外のドルイドもあるかもしれないけどね。ただ、AD&D2版で消えたモンクのイメージも、ドルイドに付与された可能性もある。獣の力で戦う的なところも通じる要素があると思うし、自然と調和することを目指す東洋思想との関連性も考えられるかも」

なるほど、つまり獣拳戦隊は、武闘家モンク的であると共にドルイド的でもあるわけか。原典であるケルトのイメージとはずいぶんと異なるでござるが、AD&Dが生み出した別のドルイド像でござるな。

リトルNOVA「じゃあ、次は3版に行ってみよう。また、違ったドルイ道が見つかるかも」


★3版のドルイ道

3版は、2版で基本ルールからリストラされた種族のハーフオーク、職業のバーバリアンとモンクが復活したでござるな。

リトルNOVA「うん。1版や2版でできることは、3版でもできるようにデザインされていることが分かるね。物騒なアサシンも、DMガイドに上級クラスとして復活しているし。元々は敵キャラとして扱う方が望ましいクラスということで、プレイヤーには制限を加えた上で、きちんとコアルールとしてデータは用意しているわけさ。3版が、2版に多少の不満を持つプレイヤーの称賛を浴びたことも、こういう取りこぼしをしない集大成的な姿勢が明確だったからじゃないかな」

新職業として、ソーサラーも設定されているが、既存の魔法使いであるウィザードとは同じ呪文を使うのであるな。違いはどこに?

リトルNOVA「そうだね。それまでのウィザードが書物を読むことで呪文の力を得る学究の徒であるのに対して、ソーサラーは知力よりも魅力を重視していて、世界との交感によって呪文の力を得る天性の才を誇る者みたい。ウィザードと同じ秘術呪文の使い手なんだけど、それまでのD&Dの呪文ルールの根幹である『あらかじめ、その日に使う呪文を準備しておく必要がある』から外れた存在。つまり、覚えている呪文を使用回数制限の範囲内で、いつでも柔軟に対応して使えるキャラなんだよ。呪文理論を熟知したわけじゃないのでウィザードみたいに応用させる力は得意と言えないし、高レベル呪文の習得時期が若干遅れるけど、低レベル呪文の使用回数は多くて、しかも引きこもりっぽいイメージのウィザードよりもアクティブな印象。例えば、未開の蛮族の魔法使いが呪文書を読んでるイメージは変だけど、ソーサラーだったら、納得できる。これで、本を読むのがキライな直感系の魔法使いも普通に作ることができるようになったんだ」

なるほど。勉強しなくても簡単に魔法が扱える、お手軽お気楽魔法使いって感じの理解でよろしかろうか。
「ああ、今日はその呪文を覚えていなかったや。明日、もう一度覚え直すまで待って」と言わなくて済むわけだ。

リトルNOVA「そんな感じかな。もちろん、ウィザードにもデフォルトで巻き物作成ができるなど有利な点があって、ソーサラーより特技面でも優遇されているみたいだね。つまり、初心者にも気軽に魔法使いを楽しめるのがソーサラーで、特技などによるカスタマイズを楽しめて深く堪能できるのがウィザード。これは同時に、D&D入門者と、伝統重視の熟練プレイヤーのどちらにも対応した職業区分なんだと思う」

さすがは新時代のゲームであったわけだ。伝統を重視しつつも、新世代へのアピールをそういう形で示しているのでござるな。

リトルNOVA「3版が作られた21世紀初頭は、ハリーポッターロード・オブ・ザ・リングといったファンタジー映画が流行していた影響もあるだろうね。ハリーやガンダルフが呪文を使うのに、いちいち魔法書を読んで準備している描写はないし、彼らの魔法は天性の才によるものってイメージも大きい。もちろん、ハリーは学生らしく呪文の勉強もしていたけど、一度マスターした呪文はいつでも必要に応じて使うことができた。そういうのを再現しようと思えば、従来の『呪文書を読んで綿密な準備を整える伝統的魔法使い像』とは違ったキャラも必要と判断したんじゃないかな」

納得したでござる。
では、本題のドルイドに移ろう。新世紀ドルイドの姿やいかに?
ふむふむ、なるほど。これは盛りだくさんでござるな。箇条書きにした方が良さそうだ。


●1レベル特技:自然知覚、動物の相棒

2版では3レベルを要した「動植物の種類や、飲料水の見分け」が最初からできるようでござるな。さらにペットを標準で連れて歩けるようになっている。

●2レベル特技:森渡り

これも3レベルを要した「植物密生エリアの通り抜け」を前倒しでできるようになっている。スピード時代に対応したようでござる。

●3レベル特技:跡なき足取り

これは隠密活動で必要になる能力だ。足跡を残さずに歩くことで発見や追跡を困難にする。地味だが、気の利いた能力と言えよう。

●4レベル特技:自然の魅惑への抵抗力

これは、以前7レベルで習得した対花粉症ガール特技だな。さすがに絶対耐性ではなく、STプラス4のボーナスに弱体化されているが、一切の魅了を封じるというのでは、男としてつまらない気もするし、自制心があるのと不感症では意味合いが異なろう。魅了されないよりも、魅了されにくい方が、それでも抵抗できずにメロメロになるドラマというのを味わえるというもの。いや、そういうシチュエーションを欲しているわけではなくてな。ゴホン。

●5レベル特技:ワイルドシェイプ

獣への変身能力でござるな。これはレベルごとに強化されていく成長特技で、変身回数が増えたり、変身できる種類が大型や、超小型、超大型の獣にヴァリエーションを広げたり、16レベルに達すると、動物以外に地水火風のエレメンタルに変身することも可能になる。「俺のマグマがほとばしる 」とか「我が身すでに風なり」とか「液状化で敵の攻撃をかわす」とか、いろいろ遊べそうでござる。

●9レベル特技:毒への完全耐性

●13レベル特技:千の顔

●15レベル:時知らずの肉体

この辺りの能力は、第2版ではまとめて16レベルのハイエロファントに成長した際に得られるが、総じて第3版は習得時期が早く、飽きさせないように設定されているでござるな。レベルアップのたびに、ほぼ何か新しいことができるようになっていて、次の成長が楽しみに思えてくる。

リトルNOVA「うん、クラシックD&Dの最大の問題点はそこにあったんだと思う。最大レベル36というのは、すごいんだけど、じゃあ、レベルが上がって何ができるようになるの? と聞かれても、レベル20以降はあまり大きく変わらないんだね。魔法使いはレベル21で最高の9レベル呪文が使えるようになって、もう少し強化の余地もあるけど、僧侶やドルイドは7レベル呪文が最高なのでレベル17でそこに到達する。後は呪文の使用回数だけがちまちま増えて行くだけで、HPも術者系は毎レベル1ずつしか伸びないし、少なくともキャラ個人の能力ではレベル20も後半に達すると飛躍的な成長は望めない。
「もちろん、コンピューターゲームだと上限がレベル50とかレベル99とか大きくなるけど、それは基本一人遊びなので自分の好みで思う存分遊べばいいから。でもテーブルトークだと、人付き合いが関わるので、上限を無駄に大きくしても、そんなには遊び続けられないし、扱うデータも多くなり過ぎるとプレイ中の処理が追いつかなくなったりする。だから、低いレベルからいろいろ行動のヴァリエーションを増やして、最大レベル20ぐらいで一応のゴールにしておくのが今のやり方。まあ、4版は最大レベル30だけど、そちらはドルイドが基本ルールに入ってないので、今回はパス」

なるほど。時代に合わせたシェイプアップ、展開の速さがシステムにも反映されているのでござるな。

リトルNOVA「そういうこと。例えば、クラシックD&Dで、キャラのルール面での成長が実感できて、普通に楽しめるのがエキスパートレベルまでだと、ぼくは考えている。レベル10ぐらいまで成長すれば、そこから先は成長も緩やかになって、レベル14がゴールでも構わないと思うんだ。
「だから、そこから先が楽しいという人は、システムそのものでなく、それだけ飽きさせないストーリーを提示し続けたDMとか、周りのプレイヤーに恵まれた人だと思うし、まあ、それはそれで、その人個人の思い出として否定するものではない。だけど、コンパニオンレベルのプレイ経験者なら、それだけ長い時間をゲームに捧げて来たのだろうし、仲間とゲーム会話をいろいろ経て来たのだろうから、そういう人間のゲームへのこだわりは半端じゃないし、思い出話も尽きないのだと思う。
「そういう経験豊富なゲーマーのお話は是非とも聞きたいわけだけど、以前コメントに書いた人は、そこまでの深みを感じさせる相手じゃないと分かっていたので、これまでの腐れ縁的な付き合いから理解していたので、やっぱりテキトーに物を言っているな、と感じたんだ。
「ぼくはあくまでコレクター的な研究者に過ぎず、実プレイは限られている身だから、ルールをあれこれ脳内シミュレートしながら、これは面白そうだなあとか、こういうプレイができそうだなあとか考えるのがせいぜいだけど、熟練ゲーマーの大量のデータ情報を的確に処理する能力はすごいと思う。アクションゲーマーに限らず、アナログゲームにおいても、ある呪文と別の特技を組み合わせると、こういうコンボが成立して、こういう局面では絶大な効果を発揮する、なんて考える柔軟な発想力には舌を巻くね。そんな経験を繰り返していれば、あるいはそういう体験談を聞いて擬似的に場に居合わせた気分になるだけでも刺激的で、頭も十分に柔らかくなるだろう、とか」

ご高説ごもっとも。
しかし、NOVA殿も、これで時間を失ったという悲観的な気持ちから解放されたようでござるな。

リトルNOVA「あ、本当だ。しかも、気づけば、そろそろ昼だ。時計の電池を交換に行かないと。では、失われた時間を取り戻しに行くぞ。アドバンスト・ドルイ道話の続きは、また頼む」

やれやれ、今回で終わらず、さらに話のネタを考えないといけないのでござるか。
ドルイ道を追求するのも容易ではござらんな。

リトルNOVA「それが、あなたの生きる道なんでしょうが。では、続きも期待しているよ、ドルイ道おじさん」

(完)