ウルトロピカルな⭐️GT(ゲーム&トレジャー)島宇宙

南の島と上空の宇宙宮殿を舞台にTRPGや特撮ヒーローなどのおしゃべりブログ。今はFFゲームブックの攻略や懐古および新作情報や私的研鑽メイン。思い出したようにD&Dに触れたりも。

ドルイドの道(その4 続々アドバンスト編)

リトルNOVA「たっだいまー」

 

ハイラス「うわあ、NOVA殿。まだ、時間は失われたままでござるか?」

 

リトルNOVA「いや、時計の電池交換はしっかりしてきたよ。ザ・ワールド、時は動き出すって感じで、時空魔術師は復活した。これで安心だ。いろいろ心配かけたね」

 

ハイラス「だったら、どうして今だに子供の姿のままであるのか?」

 

リトルNOVA「だって、ここでは子供の姿が気に入ったんだよ。大体さ、よくよく考えてよ。むさ苦しいオッサンが2人で、古いゲームの話をしているブログ記事って、どんな印象だと思う? せめて1人ぐらいは若者にしようとか、少年にしようとか、そういう気にならない? そもそも、教育番組としては、説明のお兄さんやお姉さんが、年少キャラに丁寧に解説するのがデフォでしょ? 別ブログでは、花粉症ガールもいて華もあるし、ペットモンスターのケイPだっていて、賑やかだろう? だけど、こっちは寡黙なおじさん相手に、メガネの教師が多元宇宙の話をしている陰気な空間になってしまっていたんだよ。その空気を変えたいと思わない?」

 

ハイラス「だからと言って、時間をねじ曲げて子供の姿に戻らなくても」

 

リトルNOVA「時計が止まったのは偶然。そして、キン肉マンビッグボディの勝利で、ぼくが喜んだのも偶然。だけど、ぼくはビッグボディじゃない。だったらリトルボディになろう。そんなわけでリトルNOVAを名乗ったら、子供に戻っちゃった。ここまで、うまく話が流れたら、子供キャラを貫くのが創作の神さまの思し召しって奴じゃない? 子供になったのは偶然でも、子供として書いたら、おじさん二人の空間から解放されて、何だかハイラスさんも寡黙キャラの殻を破った感じだし。ぼく自身、童心に戻って楽しいし、文字どおりアンチエイジングにもなりそうだ。そんなわけで、リトルNOVAは天才少年、10才少年って設定で、学年はまだ誕生日を迎えていない小学5年生。体は子供、心は大人で、この場では振舞うことにする。まあ、必要があれば、元の姿に戻るけど」

 

ハイラス「うーん、私のレベルがもっと高ければ、ドルイドの姿変えの能力で、男の娘になることも可能だったのだが。次元ドルイド少女に需要はあると思うか?」

 

リトルNOVA「ドルイド娘の需要だったら普通にあるんじゃないかな。10年前のラノベだけど」

 

ハイラス「よし、決めた。レベルを上げて、姿変えの能力を習得して、美少女キャラになる。これぞ我がドルイ道でござる」

 

リトルNOVA「いやいや、ハイラスおじさん、乱心しないでよ。そんな親父ギャルに需要ないから。大体、あんた、年はいくつなのさ?」

 

ハイラス「覚えていないでござる」

 

リトルNOVA「じゃあ、今からダイス振って決めよう。🎲🎲 D66で、最低11で、最高66。3回振って、一番しっくり来るやつを選ぼう。ちなみに、ぼくのイメージは20代後半から30代。じゃあ、ダイス渡すから振ってみて」

 

ハイラス「34」

 

リトルNOVA「何だか、いきなり決まった気もするけど、念のため、あと2回試してみよう」

 

ハイラス「35、46。これなら、34を選ぶしかないではござらんか。十の位と一の位を入れ替えても、年寄りになるだけ。ギリギリ四捨五入すれば30才と言い張れる34で確定」

 

リトルNOVA「つまり、げんとくんやラルさんより1才年下ということになるね。一応、逆シャア時のシャア総帥が34才設定だ」

 

ハイラス「それならば悪くないでござる」

 

リトルNOVA「こうして、このブログは34才のドルイ道おじさんと、10才の天才少年のぼくがあれこれRPG話をするブログとして、続けていこうかな、と」

 

★3版ドルイドの総括

ところで、NOVA殿。
第3版のドルイドには、AD&Dにおける階梯上昇のルールが消えたようだが、どうしてでござろうか。

リトルNOVA「階梯上昇ルールは1版の時からあったので、2版までは、ドルイドの特徴だと考えられていたんじゃないかな。そもそも、ドルイドという職業がどういうものか、インターネットのない時代なので、その世界観からプレイヤーに伝えないといけないと考え、システムにドルイド特有の世界観まできっちり組み込んだのがAD&D版ドルイド
「だけど、3版が作られた時期は、インターネットも普及したし、誰だってドルイドについて容易に調べられるようになった。それに、多元宇宙を考えると、例えばフォーゴトン・レルムドルイド像は、自分も2版の時期のパソコンゲームをプレイしたけど階梯に関する話はなかったし、世界観によって多彩なドルイド観が発生して、そういう要素はDMが自由に採用したりしなかったりすればOK。ルールで世界観を縛りすぎるのはやめて、もっと自由度を高めた結果が3版ドルイドだって考える。
「だから、TSR時代のドルイドは、どうしてもレベルアップのためにドルイド武闘伝の時期を通過しないといけないけど、クラシックD&Dでは、そのルール自体が不備でうまく提示できていなかったけど、結局、ドルイド武闘伝の要素はドルイドというキャラを構築する上で足枷になると判断されたんだろうね。ぼくは面白いと思ったけど」

そもそも、私のような土地に所属しない流離のドルイド像なんてものは、AD&Dの時代には考えにくかったでござろうな。
AD&D時代は、ドルイドになれる種族も人間とハーフエルフのみであったが、3版になると森の妖精種族であるエルフやノームにもドルイド職が解放された。
さすがに、ドワーフやハーフリング、ハーフオークは種族文化的に、ドルイドとは馴染みが薄いようにルールに記載されているが、中には変わり者がいるかもしれないし、ドワーフドルイドだって絶対にダメ、という風には禁じられていない。ドルイド文化に魅せられたドワーフだっていても構わないわけだ。

リトルNOVA「つまり、キャラを作る自由度は、3版が一番高くなったようだね。その後の4版と5版は、自由度の高すぎる3版に比べて、初心者でも入りやすいようにガイドラインを設けたり、選択肢を制限したりしているみたいだけど。そして、3版の自由度の高さを愛するファンは、パスファインダーRPGの方に流れていった、と。パスファインダーは、ほぼ3版のルールなので、興味があれば、ドルイドのルールを詳しく確認することも可能だよ」

http://prd.qga.me/core/classes/druid.html

おお、こういう情報が無料で公開されているのは素晴らしいと思うのでござるが、こういうことをして果たして商売が成り立つのであろうか。他人事ながら気がかりでござる。

リトルNOVA「TSR時代には有り得ない情報公開だけどね。インターネット時代だと、小出しの情報をフックにして、興味を持ったコアな客層を増やす戦略はありだと考えられている。この辺は、アメリカさんがやはり先進的で、情報そのものの価値には賞味期限があると考え、昔の情報を無料で公開しながら、今の旬の情報に客の目を引きつける商法だ。
「WofC社にとって3版D&Dは絶版商品なので、そこから利益を引き出すことは考えていない。現段階でパスファインダーの展開は黙認していて、最新の5版を新規の客層を狙ってぶつけてくる。3版のマニアックになったシステムのファンはパスファインダーを買うだろうけど、ドラゴンランスフォーゴトンレルムといった世界観や物語のファンとか、安定したブランドを好む初心者は5版を買う。結果的に、D&Dと名が付けば何でも興味を持つ者もいるだろうし、パスファインダーが放っておいてもD&Dの宣伝をしてくれる。つまり、ライバルを徹底的に潰そうとするTSR時代のやり方と違って、ライバルの発展を利用すれば自分ところの宣伝にもなるし、業界そのものの活性化にもつながる。
「まあ、ぼくみたいな歴史視点で研究するのが好きな人間は、昔の作品資料がネットで無料で読めて、しかも現在は別の旬な作品と競合しているって状況は、研究材料が豊かになるので歓迎しているんだけどね。対比するものが何もなくて、それ一色という独占状況はつまらないと感じるし。ライバルがいないと、主人公一人の無双状態な物語はあまり盛り上がらないからねえ」

なるほど。
つまり、好敵手がいるからこそ業界が活性化するし、潰し合いの精神では結局、共倒れなのが90年代の状況。
そこを21世紀に入って、オープンマインドな姿勢で情報公開することで、マニア層の受け皿を黙認しつつ、興味を持った初心者を、より分かりやすいルールで改めて取り込む戦術ということでござるか。

リトルNOVA「パスファインダーのいいのは、3版時代に自分が購入しなかった追加ルールまで、ネットで公開されていること。今の3版は絶版状態なので、後から研究したい気持ちに駆られても、資料の入手が困難だ。だけど、例えば、ドルイドに関する追加ルールは以下のとおり」

http://prd.qga.me/acg/class-options/druid.html
http://prd.qga.me/apg/core-classes/druid.html

ほう、これは基本のドルイド像に、新たな可能性を付与するための選択ルールでござるな。
獣とのつながりに特化したり、森の隠者というイメージ以外の自然地形に対応したり、特定の獣にこだわったりすることで、汎用型ドルイドとは異なる専門スタイルを選べるようにした、と。

リトルNOVA「うん。ドルイドのイメージは野外活動の専門家なので、都市やダンジョンでの冒険では不利になり、森で最もパフォーマンスを発揮する、と見なされてきた。だけど、異なる地形対応のドルイドを用意することで、海ドルイドとか山ドルイドなどの亜種を選択できるほか、市街ドルイドや洞窟ドルイドならば、野外以外での冒険にも対応可能だね。
「動物変身したいからドルイドをプレイしたいけど、ダンジョン探索がメインのグループだから悩ましい、というプレイヤーは洞窟ドルイドを選べばいい。洞窟ドルイドが仲良しの獣には、粘体系が含まれるのも面白いよね。スライムとお喋りして、自分もスライムに変身できるダンジョン探検の専門家ってのは、ちょっと風変わりなキャラを演出するのに最適だ。
「市街ドルイドの方も、既存のドルイド像とは全く異なるイメージだ。人の文明すら自然の営みの一形態というスタンスで、人間という動物の専門家という感じだね。まあ、文明社会を過酷なサバイバル空間と言うこともあるので、人の社会の礼儀作法や歴史、交渉能力に特化した都市のドルイドってのは、ペットの犬や猫との交流も得意な都会のドルイド探偵なんてキャラを構築できそうだ。プレイヤーキャラではなくても、DMが登場させるNPCとしても結構印象的なキャラになると思う」

3版およびパスファインダーの自由度の高さは理解したと思うが、正直、ここまで多くのバリエーションがあると、職業の全貌を知るのは相当困難であろうな。ドルイドだけで10種類以上もあるのでは、他の職業も考え合わせると、100種類は優に超えることになる。

リトルNOVA「そうなんだよね。だからこそ、マニアック層の研究の余地が十分にあるんだけど、選択ルールの山になると初心者お断り感が出てくる。そこで時々リセットボタンを押して、新版を展開することになるんだけど、まあ、その際に新旧対立が見られるのは、歴史を重ねたTRPGシステムの伝統ってことで」

そこで物議を醸したのが、第4版でござるな。


★4版のドルイドなど

結局、4版でのドルイドの扱いはどうなっているのでござるか?
基本ルールからは削除されたと聞くが、それでも選択ルールでは登場しているのであろう。
後学のために、NOVA殿の知識の範囲内で教えて欲しいでござる。

リトルNOVA「うーん、先に結論を言うと、こちらを見て、ということになる。ルールじゃないけど、ドルイドというキャラの紹介記事は公開されている。プレイヤーズハンドブック2の職業紹介だよ」

http://hobbyjapan.co.jp/dd_old/news/4th_phb2/ch2.html#006

リトルNOVA「一応、説明しておくと、ぼくは4版のプレイヤーズハンドブックの1冊めと、リプレイ本だけを買っていた。そして、リプレイ本とかルールを読んで、これは昔のD&Dとは違う。自分向きじゃない、と考えて切り捨てた人間の一人なんだ。まあ、4版発売当時は、仕事を立ち上げたばかりで時間的にも資金的にも余裕のない状態だったし、創作企画に力を注いだりもしたので、D&Dに関心を寄せる余力もなかった。
「だけど、昨年から5版の邦訳版発売の風潮を知って、にわかに4版と5版の違いが気になってね。改めて4版の研究をし直した形だ。未購入だったDMガイドとモンスターマニュアルも買おうかと思ったけど、タイミングが遅くて、ようやく英語版を入手したのが、今年のこと。実際のプレイに活用するとなると英語版は不便だけど、自分で読んで研究するだけなら、興味次第で十分な資料になる、と考えた次第。
「さて、歴史の流れ上から、今回は4版の種族と職業の話をして、終わりにすればいいかな。そして、次回、ハイラスおじさんに5版のドルイ道について、まとめてもらってD&Dドルイド記事は終了すればいいだろう。そうしているうちに、ソード・ワールドの新版も発売されるだろうしね」

おお、そこまで織り込み済みでござったか。

リトルNOVA「まあ、どのタイミングで記事書きするかは、仕事の後の余力次第だけどね。遅ければ、8月半ばのお盆休みになるだろうし。さて、D&D4版だけど、基本種族はこちら基本職業はこちらを見てもらう方が手っ取り早いと言っておくね」

種族では、エルフ、ドワーフ、ハーフエルフ、ヒューマン(人間)、ハーフリングが既存のもの。新しいのがエラドリン、ドラゴンボーン、ティーフリングでござるな。

リトルNOVA「エラドリンは、いわゆる上位のハイエルフだね。4版では、フェイワイルド(妖精界)に親和性の高い、浮世離れしたエルフをエラドリンとして、地上世界の森や自然に愛着を持つ野生的なエルフとは区別しているんだ。
ロード・オブ・ザ・リングで例えるなら、高貴なガラドリエルの奥方はハイエルフで魔法使いキャラ。一方、もっとアクティブなレゴラスやタウリエルなど戦士系は森エルフに分類され、同じエルフでも格差があった。
「だから、4版でも魔法使い向きのハイエルフを別種族のエラドリンと呼称して、従来のエルフとは違ったキャラ性を付与している。具体的には、戦闘中に瞬間移動する特殊能力を持っていて、魔法使いが接近されても、さっと距離をとることができるし、リプレイでは海に落下しても、たちどころに船上に帰る場面が印象的だった。5版では、エラドリンが消えて、従来どおりエルフの亜種のハイエルフに統合されて、瞬間移動能力を失ったわけだけど」

瞬間移動能力か。
NOVA殿のような時空魔術師や、花粉症ガールの翔花殿も似たような技を使うのであるな。

リトルNOVA「ぼくの技はエラドリンの生来の能力より格上だよ。エラドリンの技は、せいぜい数メートルぐらいの短い距離を跳べるだけなんだけど、ぼくの次元移動能力と、それを活用した戦闘時の瞬間転移はもっと活用範囲が広いんだ。ただし、時空の歪みや乱れを引き起こす可能性があるので、気軽には使えないのが欠点だね。下手に扱うと天変地異を引き起こしそうだけど、リアル世界では使っていないので、最近の地震や大雨はぼくのせいではない……はずさ。
「翔花の場合は、花粉分解の生来能力から再結合することで瞬間転移しているように錯覚させているだけ。実際は花粉状態だから風に吹き飛ばされたりすると再結合するまでに手間取ったり、段差を超えて上に登るためには別に飛行能力が必要など、使うタイミングを考える必要があるよね。森の木に隠れ潜むこともできるけど、木から木へ転移することはまだできないみたい。それよりも、最近はぼくやヒノキちゃんにPONPON飛ばされまくっているせいか、次元間の長距離移動に慣れて来た感じだね。噂をすれば花粉症ガール、って妙な特技も身につけたみたいだし」

翔花1号「呼んだ? あれ、NOVAちゃんはどこ?」

リトルNOVA「(しれっと)ここにはいないよ。君は今、コンパーニュの塔にいるはずだろ。さっさと帰りなよ」

翔花1号「あれ、おかしいな。確かに、NOVAちゃんに呼ばれたような気がしたんだけど。あ、ハイラスおじさん。この前は火傷を治してくれてありがとう。NOVAちゃんがここに来たらよろしくね」

いや、翔花どの。
NOVA殿ならここに……

翔花1号「じゃあ、また」

消えたか。
夏の夕立のように、突然降って来て、瞬く間に駆け抜けて行ったでござるな。
NOVA殿が子供になっていることには、気付かなかったみたいだが、何とも慌ただしいことよ。

リトルNOVA「1号なら、そんなところだろうね。神出鬼没で行動派なんだけど、どこか鈍感なところがある。これが2号なら、妙に勘が鋭いんだけど、内にこもりがちで行動力を伴わないから、ここにひょっこり出現することはないだろう。闇に傾倒しそうなところがあるから、下手に知らせるのも危険だし」

確か、2号どのには認識阻害の術を施しているのでござったな。

リトルNOVA「子供には知らせない方がいい世界ってのもあるんだよ」

子供の姿で、そう言われるのも不思議な感じでござるが。

リトルNOVA「それよりも次行くよ。ドラゴンボーンも、ティーフリングも、5版で引き続き登場するようになった基本種族だね。ソード・ワールドでも2.0からリルドラケンやナイトメアという種族が出ていて、似たような種族が洋の東西を問わずトレンドになっているみたい。ドラゴンボーンやリルドラケンは竜人間って感じの種族で、パワー系で火炎などの竜の息を吐くことができる。ティーフリングやナイトメアは半人半悪魔と迫害されがちなダークヒーローっぽい種族で、知的で魔法に親和性があったりする」

ノームやハーフオークはどうなったでござるか?

リトルNOVA「4版でリストラされて、5版で帰ってきた。こう見ると、偶数版でリストラされたものが、奇数版で帰ってくるケースが続いているみたいだね。一応、4版の基本ルールでリストラされた種族も、プレイヤーズハンドブック2で掲載されているんだけど。プレイヤーズハンドブックは、4版は全部で3冊出ていて、種族と職業を一通り揃えたいなら、まずは3冊買わないといけないし、さらにサプリメントでいろいろ追加されるからなあ。全部揃えるのは茨の道だ」

4版の職業を改めて確認すると、ファイター、レンジャー、パラディン、ウィザード、クレリック、ローグの6つは既出だが、新しくウォーロックとウォーロードの2種が加わっているでござる。
例によって、新職業の説明をお頼み申す。

リトルNOVA「やれやれ、本当にドルイド以外は他人任せなんだから。ウォーロックは、悪魔や精霊との契約によって魔術を使えるようになった魔法使いだ。多才でトリッキーで複数の敵を翻弄する術が得意な理論家肌のウィザードに比べると、ウォーロックの方はよりタフで、直接的な破壊の魔術を単体の相手にぶつける感じのアタッカーだね」

技のウィザード、力のウォーロックといった感じか。

リトルNOVA「そんな傾向はある。5版でも引き続きウォーロックは登場し続けるんだけど、こっちはソーサラーも復活したのでややこしいね。いわゆる魔法使いが3職もあって、勉強して魔力を得たウィザードと、祖先からの血筋で魔力を得たソーサラーと、異界の強力な存在との契約で魔力を得たウォーロック。4版は選択肢を絞って、5版は絞った選択肢をまた広げた感じだね。5版については、詳細は次回に回すけど」

そうでござるな。正直、覚えきれん。

リトルNOVA「じゃあ、次で最後だ。ウォーロードはいわゆる軍師で、集団戦闘のエキスパート。仲間の士気を鼓舞し、自身が行動する代わりに仲間に命令して行動させ、仲間の能力をフルに発揮させる支援キャラ。一応は戦士系なので、相応の武器戦闘能力を持つ。だけど本領は、自分が攻撃した直後に『今だ。俺が隙を作ったから、トドメを刺せ』と仲間に指令を与えて、余分に行動させることもできる優秀なサポート役なんだ。自分にとってはライダーマンかタキシード仮面のイメージ。5版では消えてしまったけどね」

どうしてでござるか?

リトルNOVA「ゲーム性の違いって奴かな。4版はチームの連携を重視したバトルゲームで、壁になる戦士役と、強力なダメージを与えるアタッカーと、チームをサポートする支援役と、複数の敵の行動を阻害する制御役といったチーム内の役割分担を重んじるオンラインRPG的な要素も濃厚だ。日本のRPGでも、オンラインRPG的な要素はFEAR社製のアリアンロッドなどで採用されたけど、D&D4版はよりバトルに特化したシステムになっていて、ストーリー性は二の次。ダンジョンに潜って、バトルしているだけで一セッションが終了してもOK。バトルのシーンだけを切り取ったシナリオ集も発売されるなど、ストーリーを重視する傾向の強かった日本のRPG事情とは真逆の進化を果たした作品になっている。
「その分、バトルのルールは濃厚で、それなりに時間も掛かるようにデザインされている。『ザコは俺が引き受けたから、お前は一気に敵陣に飛び込んで、厄介なボスの魔法使いに斬りかかってくれ』的なバトルも簡単に展開できるようになっている。ウォーロードが自分の手番を使って、仲間に2回分の行動を行わせたりしながらね。大勢の敵が押し寄せるのを防ぎ止めるような局面ではウィザードの広範囲呪文を連発させたり、敵ボスのHPを素早く減らしたいときはローグの奇襲攻撃を2連続で仕掛けたり、臨機応変に仲間の技を使ってもらうことで、効率よく戦闘を処理できるのがウォーロードの魅力だけど、5版はもっと戦闘が単純化されて、そういう連携で戦況が変わるようなシステムじゃない。というか、4版が特殊すぎるんだ」

3版は11種類の基本職業が紹介されていて、4版は8種類に減らされた。そこだけ見ると、退化したようにも思えるでござるな。一方、5版はそこを反省したのか12種類に増えている。

リトルNOVA「3版から消えたのが、ソーサラードルイド、バード、バーバリアン、モンクの5種類。それらが全部5版で復活して、さらに4版からウォーロックを引き継いだから、結局、3版と4版の両方をミックスさせたのが5版ということになるね。
「まあ、4版で消えた職業もモンク以外はプレイヤーズハンドブック2に掲載されているし、モンクもPHB3に載っているので、そこまでしっかりルールを揃えれば単純に消えたわけでもないのだけど、そこまで買わなかった身では、実感としてないも同然ということになる。逆に、4版の追加ルールに採用された種族や職業は、まだ5版には網羅されていないので、新版が出て前のルールと互換性がないと、不十分だと感じるのが代替わりの際の気持ちかな」

それにしても、4版のドルイドが気になるでござる。

リトルNOVA「ああ、分かったよ。4版は詳しく触れない方向で考えていたけど、これだけ語ったなら、折角なので、もう少し掘り下げてから、5版に移るとしよう。少なくとも、クラシックD&Dのイモータルに相当する4版の『神話級レベル』についても語っておきたいし。一応、次回がドルイドの道のアドバンスト完結編、と称して、話を締めくくるつもり」

(完)