ウルトロピカルな⭐️GT(ゲーム&トレジャー)島宇宙

南の島と上空の宇宙宮殿を舞台にTRPGや特撮ヒーローなどのおしゃべりブログ。今はFFゲームブックの攻略や懐古および新作情報や私的研鑽メイン。思い出したようにD&Dに触れたりも。

ワンダリンへ向けて(ワンデルヴァー1話)

★王立開拓団ソード・コースト遠征部隊の結成

 

 

ガイド役NOVA「今回からシナリオ本編に入る。まず、諸君はパグマイア王立開拓団に所属する犬だ。それぞれ異なる背景や目的を持っているが、開拓団の任務には忠実に励んで欲しい」

 

ハンターのバリー(アスト)「王家と任務に忠誠をってか? パグマイアというのは随分と堅苦しいゲームなんだな」

 

NOVA「まあ、最初にキャラの立ち位置を明確にして、そこから各自の要望に応じて、自由度を高めていくのが俺のGMスタイルなんだよ。TRPGは自由度の高い遊びだが、最初に何でもかんでも自由を認めると、GMとして制御しきれずにグダグダになるからな。縛ってから、自制のできるプレイヤーなら緩める。まあ、GM経験者で自分の物語を積極的に展開できるプレイヤーには、GMが誘導し過ぎると不評を買ったりもするんだが」

 

アーティザンのルビー(ダイアンナ)「いきなり文句を言っても始まらないので、まずはガイドの話を聞こうじゃないか」

 

バリー「ああ、女帝の言葉には従うぜ。俺は運命を導く女神と信じた女帝に、忠誠を誓うと決めたんだ」

 

ルビー「そして、あたしはお宝探しのために、王立開拓団に所属した方が得だと判断した。全てはお宝のためさ」

 

NOVA「そっちは犯罪者コンビだな。勇者コンビの方は、開拓団に忠誠を誓ってくれますね」

 

ストレイのアイアン(鉄太郎)「要は、光の国の宇宙警備隊みたいな組織だろう? だったら、任務に従うまでだ。その中で自己を鍛えて、子どもたちを救うための手掛かりを探す。理不尽な命令でない限り、王家や組織に忠誠を誓い、荒野の探索や開拓に励み、敵と戦うのは己が性分と言っていい」

 

シェパードのフリーダ(リバT)「私めは開拓団というより、ヒトの神、そして教会に忠誠を捧げています。また、アイアン様のお供として仕えるように、師匠から仰せつかっていますので。しかし、強圧的で人を縛る組織は嫌いなんですけどね。やはり、心の自由は認めて頂かなくては」

 

NOVA「開拓団は本来、自由度の高い組織なんだけどね。堅苦しく見えるのは、ガイドが俺だからだ。このシステムの扱いに慣れていないので、緊張もしているんだよ。最初に無軌道に、身勝手に振る舞われ、ルールやマナー違反を行うようなマネを許すと、みんなが楽しめないからな」

 

ガーディアンのモッサ(触手キング)「それで吾輩はどのように振る舞えばいい?」

 

NOVA「モッさんは、このチームのリーダーに任命されている」

 

モッサ「吾輩がリーダーでごわすか?」

 

バリー「こいつがリーダー?」

 

NOVA「当然だ。戦士がリーダーというのは日本のTRPGの王道伝統と言っていいし、しかもプレイヤーがキングの名を持つ男だからな。リーダーに任命して何が悪い?」

 

バリー「いや、てっきり鉄太郎の旦那、アイアン・ラビドッグがリーダーをやると思ってたからさ」

 

NOVA「チームリーダーと物語の主人公は異なることも多い。パグマイアの世界観的にも、ガーディアンは王国に最も忠義を尽くす騎士や警察犬の役割だからな。風来坊や犯罪者上がりよりも社会的信用度が高いわけで」

 

モッサ「そうか。吾輩がリーダーか」

 

NOVA「ああ。だから、しっかりパーティーをまとめてもらいたい。諸君らはこれより、ソード・コースト遠征部隊として行動してもらう」

 

モッサ「心得たでごわす」

 

バリー「何だか、最初から不安だぜ」

 

★装備や戦闘データの確認


NOVA「次に、装備品の確認だ。キャラの持ち物は、作成時に天命や背景から与えられたものの他に、開拓団から何か一つ支給されるそうだ。それも含めて、各自の武装や特別な持ち物を表明して欲しい。他にも、希望のアイテムがあれば言ってくれ」

バリー「ハンターでも使えるファイヤーボールが100発撃てる杖、と言うのは?」

NOVA「当然、却下されるって分かっての発言だよな。魔法の物品は禁止ってことで」

モッサ「では、リーダーの吾輩から。ゴランドアーマーが1番のお宝であるが、何か特殊効果でも付いているのでごわすか?」

NOVA「そうだな。重装鎧は本来、【敏捷力】判定に不利を与えるんだけど、ゴランドアーマーは驚くほど軽くできているので、不利を与えないで機敏な行動を可能にする、というのはどうだろう?」

モッサ「おお、重い鎧なのに軽快に動けるのか。正に絶品」

バリー「おい、ガイド。そんなに大判振る舞いでいいのかよ?」

NOVA「キャラの特徴に見合ったサービスだからな。単純に防御力を上げるとゲームバランスを崩しかねないが、重戦士の欠点を補う程度なら、それほどバランスを崩さないと判断した」

モッサ「他には、ロングソードと盾を持っていて、戦闘データはこんな感じでごわす」


◉モッサ・トッサの戦闘データ
 スタミナ12、DC18(ゴランドアーマー、盾)
 武器:ロングソード(命中+5、ダメージD8+3+2斬撃)


NOVA「モッサは筋力で+3ボーナスの上、《戦闘スタイル:決闘者》の効果で片手武器のダメージが+2されているんだな」

バリー「クラシックD&Dだったら、初期状態で+5なんて考えられなかったぜ」

NOVA「いつの時代の話をしているんだ? 今は令和だぜ」

モッサ「他にも何か支給してくれると言うが、特に欲しい物を思い付かんので、そのうち思いついたら支給してくれるというのではいかんでごわすか?」

NOVA「支給品が届くタイミング次第ということだな。一応、『こんなこともあろうかと』判定といって、冒険中に必要なものをあらかじめ持っていたことにできるルールが存在する。その辺の処理は、適当でもいいか、と思ったりする」


アイアン「では、次に私の装備だ。特別な持ち物は『光のメガネ』で暗視効果を持っている。武器はロングソードと盾だが、遠隔投擲アイテムとしてアイスラッガーみたいなブーメランを支給して欲しい」

NOVA「ブーメランはパグマイアには実装されていないので、ハンドアックスのデータを代用します。では、こんな感じで」


◉アイアン・ラビドッグの戦闘データ
 スタミナ15、DC16(鎧なし、盾)
 武器:ロングソード(命中+4、ダメージD8+2斬撃)
   アイスラッガー(命中+4、ダメージD6+2斬撃、射程20/60)


NOVA「アイスラッガーはそういう名前なだけで、実質ただのハンドアックスなので、投げても帰って来ません。後から回収しないと失われます」

アイアン「帰って来るように強化できないのかね」

NOVA「『光のメガネ』を没収してもいいなら、リターニングの特殊効果付きハンドアックスにしますが」

アイアン「メガネか、アイスラッガーの二択というわけか。なら、メガネを選ぶ。アイスラッガーは現在、力を失ってコントロールできない状態ということで」


フリーダ「私めの特殊アイテムは聖印ですが、何か特殊効果はあるのですか?」

NOVA「術師のアイテムは、呪文が使えるというだけで特別な品物扱いなので、それ以外は考えていないんだけど、シナリオ中のアイデア次第で、神さまの奇跡を祈ってもいいことにする。特にルールとして明言はしないけど、いいアイデアがあれば柔軟に対処するようにするから」

フリーダ「つまり、グランドマスター、いや、ガイドのアドリブ任せということですね」

NOVA「呪文以外の神の奇跡って、ルール化してしまうと味わいがなくなるんだよな。本当に困ったときに、聖印に祈れば、何らかの奇跡をシナリオ1回だけ認めるってのはダメかな」

フリーダ「つまり、オールマイティーなミニ奇跡ってことですね。あと、シェパードは初期装備に軽装鎧しか持っていないのですが、中装鎧までは装備できるので、支給して下さい」

NOVA「いいだろう。武器はどうする?」

フリーダ「スリングとメイスが無難だと思います」


◉フリーダ・コリーの戦闘データ
 スタミナ9、DC15(中装鎧、盾)
 武器:メイス(命中+1、ダメージD6-1殴打)
   スリング(命中+2、ダメージD4殴打、射程30/120)
 基礎呪文:セイクリッドフレイム(対耐久SR13、ダメージD8光輝、射程60)


フリーダ「術師は、武器攻撃よりも基礎呪文を連発している方が戦いには貢献できそうですね」

NOVA「ああ。基礎呪文は回数制限がないから、パグマイアのシェパードは戦闘でセイクリッドフレイム発動機になってそうだ。まあ、命中ダイスを振れず、相手が抵抗ダイスを振るだけなので、ダイスを振りたいプレイヤーにはつまらないかもしれんが」

フリーダ「それでもダメージダイスは振れるのでしょうし、呪文を無効化する敵や、光輝ダメージの効きにくい相手を除けば、武器は必要ないのかもしれませんね」


ルビー「あたしの女帝カードも、呪文発動焦点具以外の特殊効果はなしだね」

NOVA「これは面白いアイテムだと思うので、シナリオフレーバーとしても有効利用したいと思っているんだけどね。敵の術師が、カード所持者という設定にアレンジして、因縁を紡ぐとか」

ルビー「なるほど。つまり、カードの持ち主を探知できたりするわけだ。武器はダガーだけど、基礎呪文のエレメンタル・レイを専ら使うことになりそうだね。それで当てにくい敵には、マジックミサイルを使ったりもするということで」


◉ルビー・ブラッドハウンドの戦闘データ
 スタミナ8、DC13(軽装鎧)
 武器:ダガー(命中+4、ダメージD4+2刺突、射程20/60)
 基礎呪文:エレメンタル・レイ(命中+4、ダメージD8熱、冷気、電撃から選択、射程60)
 1レベル呪文:マジックミサイル(絶対命中、ダメージD4+1力場3発、射程120)


バリー「最後にオレか。バリーの持つ特殊アイテム『危機感知の鈴』は、危機感知の判定を有利にしてくれる、ということでいいんだな。前回、手に入れた『運命の車輪カード』の方はどうなるんだ?」

NOVA「何かの特殊能力があるのかも知れないが、バリーは魔法知識を持たないので分からない。今のところは宝の持ち腐れといったところだな。ただ分かるのは、ルビーがその力をいずれ解明してくれるような予感だけだ」

バリー「全部ルビー任せかよ。まあ、だから彼女を護衛することで、自分の役割を果たそうってことだな。しばらくは女帝の便利な犬として振る舞うとするか。武器はロングボウとグレートソードだ。盾は持たない方向性で突き進む」


◉バリー・ザッシュの戦闘データ
 スタミナ11、DC16(中装鎧)
 武器:グレートソード(命中+4、ダメージD12+2斬撃)
   ロングボウ(命中+7、ダメージD8+3刺突、射程150/600)


バリー「他に欲しいものは、二つめの予備の矢弾だ。ハンターの矢の消費は、戦闘終了時の矢弾判定次第だからな。矢弾判定に失敗したら、予備の矢弾がなければ矢が撃てなくなる。そして、もしも戦闘が2回以上あっても予備矢弾が二つあれば、そうそう弾切れになることはない、と考える」

NOVA「なかなか巧妙なことを考える奴だな。まあ、俺も射手で巧妙なプレイをして、GMから露骨に嫌がられた経験があるわけだが。単純な戦闘を好むGMだと、射手は伏兵として意外に侮れなく感じるわけで」

バリー「後衛に魔法使いがいれば、それを落とすのがオレの仕事だ」


★ソード・コーストへの旅路


NOVA「では、開拓団からの支給品も合わせ、それぞれの装備を確認した君たちに、改めて指令が下る。簡単に言えば、王都から見て辺境に当たるソード・コーストと呼ばれる土地に向かい、ワンダリンの街に先行して向かったゴランド・ロックシーカー・マラムートと合流、彼の仕事を助けるように、というお達しだ」

モッサ「ゴランドは先に旅立ったでごわすか」

NOVA「ああ、少数の護衛と共にな」

モッサ「どうして吾輩を一緒に連れて行かなかったのだ?」

NOVA「シナリオの都合……と言うと、身も蓋もないが、モッサは2台の荷馬車を率いて後から来てくれるように指示されていたわけだ。荷物と一緒だと手間暇が掛かるので、ゴランドは自ら先触れとなって先方に交渉に出かけた。交渉が成立した頃合いに荷馬車が到着すると、順調に物事が進展するという段取りを考えてのことだ」

アイアン「本隊が到着する前に、リーダー自ら先遣隊として向かったわけだな。そのゴランドという男、ずいぶんとアクティブじゃないか」

フリーダ「私たちは荷馬車と一緒に参ればよろしいのですね」

ルビー「荷馬車の中にお宝の気配はあるのかね?」

NOVA「採鉱用の道具や、物資、食料の類だね。小麦粉入りの袋多数、塩漬け豚肉の樽、エール入りの樽、シャベルとかツルハシ、ランタンと灯油などなど。それらがお宝を生み出す可能性はあったとしても、今の段階でルビーが欲しがるようなお宝の匂いは感じない。宝石もマジックアイテムも含めてね」

ルビー「お宝はここではなく、向かった先にあるみたいだね。だったら、素直に馬車に乗り込む。バリー、お前は御者だ」

バリー「おお、〈動物使い〉の技能持ちだからな。ところでガイドよ、オレたちは知性化された犬という設定だが、パグマイアの世界には普通の動物はいるのか? 馬とか牛とか豚とか」

NOVA「いるよ。少なくとも、馬はルールブックにデータが記載されている。あと、知性を持たない普通のイヌもいて、狗(いぬ)と漢字表記されている。我々人間にとっての猿みたいな感覚らしい」

バリー「つまり、知性ある犬が知性のない狗をペットとして飼ったりもするわけか。しかし、どちらもイヌって言うのでは紛らわしいな」

NOVA「ペットの狗はCanineと英語表記されるので、キャニンと呼べばいいのかな」

ルビー「キャインって呼んだ方が、弱い犬って感じだね」

バリー「キャニンでも、キャインでもいいが、とにかく普通の動物もいることは分かった」

NOVA「動物がいなければ、〈動物使い〉の技能が役に立たないじゃないか」

バリー「それもそうだな。では、馬車の一台は、オレと女帝が乗った」

アイアン「すると、もう一台は私が御者を務めよう。〈動物使い〉は私も持っているからね」

フリーダ「ああ、アイアン様に御者をさせるなんて恐れ多い」

アイアン「いやいや、こういう仕事は好きなんだ。さあ、君も一緒に乗るといい」

フリーダ「では、お言葉に甘えて。ああ、お優しいアイアン様に惚れてしまいそうです❤」

モッサ「カップリングが成立しているみたいだが、吾輩はどちらに乗ればいいのか。うむ、問題行動を起こしそうなのは、聖職者ではなく、犯罪者コンビだと見た。吾輩は女帝と自称する女が怪しい行動をとらないよう、しっかり見張っておるぞ。ゴランドのおやっさんから預かった荷物にもしものことがあれば大変でごわす」

ルビー「信用がないんだね」

モッサ「怪しい行動に出れば、直ちに捕縛するつもりだと〈威圧〉する」

ルビー「その疑惑を逸らすように〈はったり〉を試みるよ。まあまあ、お巡りさんだっけ。昔はどうあれ、今のあたしたちは仲間じゃないか」

NOVA「面白いので、対抗判定してみていい。勝った方が立ち位置が上になるってことで」

モッサ「リーダーの威厳で〈威圧〉+5。出目は18だから23」

ルビー「何て鋭い眼光だい。こっちの〈はったり〉は+3しかないし、出目も5なので、たったの8。くっ、この男に下手な言い訳は通用しないようだね。分かったよ、リーダーには逆らわない。こう見えても、あたしは犯罪者から足を洗いたくて、開拓団に入ったんだ。あんたの前で昔みたいな悪さはしないから、そう睨みつけるのはやめてくれよ。おっかなくて背筋がゾッとする」

モッサ「うむ、分かればいいんだ。吾輩の〈説得〉を素直に聞き入れてもらえて感謝する」

ルビー「……今のガン付けのどこが説得なんだい、と内心つぶやく」

NOVA「今のロールプレイに対して、フォーチュンを1つあげよう。これでフォーチュン3つだね。フォーチュンはパーティー全員に与えられ、ダイスの振り直しや行動順の割り込みに使える」

ルビー「だったら、さっきのダイスの振り直しもできるのでは?」

NOVA「フォーチュンの使用は、パーティー全員の了承を必要とする。つまり、パーティー内メンバーの鞘当てなんかには使えない」

ルビー「まあ、使えたとしても、23なんて威圧に打ち勝つには、こっちはダイス目20が必要だからね。運が悪かったとあきらめるよ。なあに、挽回するチャンスはまた来るさ」

バリー「なるほど。NOVAのフォーチュンGETのツボは、キャラの掛け合い、パーティー内で対決することだと見た」

NOVA「いや、別に仲違いを推奨しているわけではないんだが」

バリー「しかし、仲良く競い合うのはいいんだろう? 鉄太郎さん……いや、アイアンの旦那。ちょうどここには馬車が2台ある。御者として、どちらの腕が上か、レースで競うというのはどうだい?」

アイアン「私の〈動物使い〉技能は+3だが、君は?」

バリー「+4だ。こっちの方が上か」

アイアン「いいや、まだ分からんぞ。たったの1差で勝負は決まらん。運と勇気さえあれば、不利な戦いも打ち勝ってみせる。20面を振って勝負に乗ろう。(コロコロ)こっちは12が出たので合計15だ。さあ、そちらの番だ。振るといい」

バリー「(コロコロ)7だと? 合計11だ」

アイアン「4差で私の勝ちのようだな」

ルビー「ちょっと、アスト、何をやってるんだい? 代わりにあたしがダイスを振るよ。行け、マーキュリー・バット号! ほら、13が出た。これで+4して合計17。バリーの分と合わせて28だ。追いつけるもんなら追いついてみな」

アイアン「おのれ、こっちも振り足しだ。16が出て合計19。さっきと合わせて34。うちのポインター号の勝ちだ」

NOVA「あのう、君たちはどうして荷馬車でレースをしているんだ?」

バリー「フォーチュンが欲しいからに決まっているだろうが」

NOVA「……だったら、最後まで競い合わせてやろう。両チームでダイスを振り合い、先に総計100に達した方が勝ちということで」

フリーダ「荷馬車でレースなんて、シナリオに書いてあるのですか?」

NOVA「書いてるわけないだろう。ただのよくあるアドリブ処理だよ。さて、犯罪者チーム28。それに対する勇者チームは34。先に100に到達して勝利するのはどちらの馬車でしょうか?」

モッサ「吾輩まで犯罪者チームに含めないで欲しいのだが」

ルビー「もう、こうなったら一蓮托生だよ。さあ、モッさんもダイスを振るんだ」

モッサ「仕方ないでごわすな。7+4で11。合計39」

ルビー「もっと早く走れないのかい」

モッサ「荷馬車に無理をさせないで欲しいんだが」

アイアン「よし、今のうちに引き離そう。フリーダ、ダイスを振るんだ」

フリーダ「はい、17が出ました。+3して20。合計54です」

ルビー「チッ、4ラウンド目に行くよ。バリー、行け。スピードAの名にかけて」

バリー「おお。出目は6。合計して49」

ルビー「遅い! のろま! もっとスピードを出さないか」

アイアン「こちらは出目11で、累計68だ。この調子なら勝てる」

ルビー「まだまだ。女帝の意地を見せてやる。よし、出目20キター♪ 一気に抜き去って73だ。20でクリティカルとかそういうのはないのかい?」

NOVA「だったら、勢いに乗って、もう一回振り足しができる」

ルビー「よし、一気に逆転だ。18出たよ。累計95」

アイアン「あの魔女め、侮れん。フリーダ、ここは聖女の力で何とかしてくれないか」

フリーダ「私めが聖女ですか? では、何とか。(コロコロ)ダメです、12しか出ないです。83、これでは無理ですね」

ルビー「最後のラウンドだ。95だから、何を振ってもゴールに到着できる。最後はリーダーが振るといい」

モッサ「では、6。これで+4して、105に達した。勝ったでごわす」

NOVA「いや、一応、勇者チームがあと1回振れる。現在83だから、ダイス目14以上で100に達する」

アイアン「14以上か。気合いを込める。(コロコロ)ダメだ、8。94にしかならない」

ルビー「決め手は、あたしがクリティカルを出したことだね」


★ゴブネズミの奇襲


NOVA「では、思いがけず始まった荷馬車レースに夢中になっていた御者のバリーだが、危険感知をしてもらおうか。目標値は……出目15に敵の隠密+6を足して21だ」

バリー「21って何だよ。そんなの出るわけないだろうが」

NOVA「判断力+2あるから、19を出せばいい。鈴も鳴っているので、2回チャンスをやろう」

バリー「無茶を言うな。10と5。失敗」

NOVA「じゃあ、同乗しているルビーとモッサも判定していいよ」

ルビー「〈感知〉は+2だからね。よし、19が出たよ」

モッサ「こっちも19を出したが、そもそも判定にボーナスがないゆえ、どうしようもなかった」

NOVA「ルビーは、道に縄の罠が仕掛けられているのに気付いて、とっさにバリーに馬車を止めるように指示できる。バリーは〈動物使い〉で15以上を出せば、上手く馬を操って急停止を掛けることができるよ」

バリー「出目11以上か。(コロコロ)よし、18出た。何とか、馬車を止めることができた。サンキューな、女帝。あんたの警告がなければ、危うく馬車を事故らせてたところだ」

NOVA「停止した馬車目掛けて、辺りの草むらからゴブネズミが群がって来る」

バリー「ゴブネズミだと?」

NOVA「D&Dのゴブリンをパグマイア流にアレンジした。ここでゴブネズミとのバトルが開始だ。1ラウンド目は、先行した3匹の犬VS4匹のゴブネズミ」

アイアン「我々は?」

NOVA「遅れてきた馬車の2匹が参戦できるのは、次のラウンドになってからだ」

バリー「何てこった。こんな奇襲攻撃があると分かっていたら、馬鹿げたレースなんてしなかったのに。こいつはガイドの仕掛けた罠だったのか」

NOVA「いやあ、シナリオにはゴブリンの奇襲攻撃については書いてあったんだけど、荷馬車レースについては、アドリブで利用させてもらった。ついでに今、シナリオを読むと、荷馬車じゃなくて、荷車を運んでいるのは雄牛だったよ。俺が勘違いをしていたらしい。ハハハ」

バリー「雄牛だったら、レースをしようって発想には絶対にならなかったはず」

NOVA「お詫びついでと、ハプニングがいろいろ面白いので、フォーチュンを1つ進呈するよ。これでフォーチュン4つ。何とか、ゴブリン、いや、ゴブネズミの襲撃を切り抜けてくれ」

(戦闘に突入するところで、当記事 完)