ウルトロピカルな⭐️GT(ゲーム&トレジャー)島宇宙

南の島と上空の宇宙宮殿を舞台にTRPGや特撮ヒーローなどのおしゃべりブログ。今はFFゲームブックの攻略や懐古および新作情報や私的研鑽メイン。思い出したようにD&Dに触れたりも。

Zero to A

@空想(妄想)ウルトラタイム

 

 

ダイアンナ「ただいま❤」

 

アスト「今、帰ったぞ」

 

リバT『鉄太郎さま。この度は、まことにご心配おかけして申し訳ありませんでした。それと留守をお守りいただき、ありがとうございます』

 

鉄太郎「ああ、お前たちが帰って来たら、いろいろ言ってやろうと思っていたが、その前に、これだけは言っておかないとな。この度は、ご成婚おめでとう㊗」

 

零斗「よう、お前ら。今回はヤプール退治に手を貸してくれてサンキューな。それと、お前たちのウルトラ戦士入り歓迎するぜ。非公認という形だが、この時空のウルトラマンはお前たちだ。NOVA司令と協力して、時空の守りは任せたぞ」

 

アスト「おお、ゼロ師匠にオレ、いや、僕なんかがお声掛けいただけるとは(土下座)」

 

零斗「お前に師匠呼ばわりされる覚えはねえ。それと、ここでは零斗だ。川上鉄太郎の息子の川上零斗。それに、お前はこのアステロイド観測所、改めアステロイド宮殿(パレス)の主人だろう。客人に土下座なんてしてるんじゃねえ」

 

アスト「いや、ここの主人はアニー、クイーン・ダイアンナですから。僕はAにして、下僕キングでしかありません」

 

零斗「だから、僕なんて言うのもやめろ。お前、そんなキャラじゃないだろうが」

 

アスト「しかし、一人称オレだと、ゼロ師匠、いや零斗さんと被ってしまいますし」

 

零斗「ほう。一人称が同じだからと言って、このオレと本気で被れると思ってるのか? お前みたいな4分の1人前がそんなことを言うとは、20年早いぜ」

 

アスト「4分の1人前? 20年? それはどういう意味ですか?」

 

零斗「Zが3分の1人前なんだから、それより新参のお前たちが4分の1人前なのは当然だろうが。それに、お前たちは2人合わせて、半人前。だったら、一人一人はその半分ということで4分の1って計算だぜ。合ってるだろう?」

 

ダイアンナ「確かに、あたしたちはウルトラ基準からすると、4分の1人前かもしれん。しかし、4という数字は、このたび花粉症ガール4号に正式認定されたあたしにはふさわしい。ダディーからもらったQリングも、quarterって意味があるしな」

 

リバT『花粉症ガール1号の粉杉翔花さんの分身がミストレス晶華、その晶華さんの分身がクイーン・ダイアンナということで、初代花粉症ガールの分身の分身、半分の半分だからクォーターという意味合いでしたね。詳しい経緯は、この記事を中心にした20周年バトル5話分と、アフター話2話を読んでいただければ。念のため、私どもマーキュリー・バットの出番は3話からですので』

 

零斗「オレの登場も、その話からだな。司令のサイトの20周年、それに比べたら、オレが地球に知られるようになったのは11年だし、お前たちがウルトラの世界に踏み込んだのは今年になってから。だったら、司令に比べて20年早いってのも道理だろうが」

 

アスト「ゼロさん、いや、零斗さんって、こんな理詰めなキャラでしたっけ?」

 

零斗「NOVA司令の影響は否めないがな。それに今年はビヨンド学園だって運営していたし、弟子まで持つようになると、ノリと勢いだけじゃなくて、少しぐらい理知的な師匠ぶったことも言えないとな」

 

アスト「はあ。立場が人を変える、成長させるってことですね」

 

零斗「お前だって、結婚して夫と呼ばれる立場になったんなら、いつまでも這いつくばってるんじゃねえぞ。いい加減、面を上げろよ」

 

ダイアンナ「……勢い余って、結婚までしたのは勇み足すぎたかもしれない」

 

@地球の明日を守る戦士


鉄太郎「それにしても、触手キングという男が懸念どおりヤプールに取り込まれ、邪神Kの器になった時はどうなることかと思ったが、お前たち2人がAリングの力とQリングの力を合わせて、新たなウルトラマンとなって、ヤプール撃退の立役者の一角になるとはな」

零斗「実際に、その場に居合わせたオレも驚いたぜ。さすが司令、この日が来るのを見越して、あらかじめいろいろ準備をしていたのかって」

鉄太郎「一応、ウルトラのキングの茶飲み友達ということだからな。この度のギャラクシーファイトのためにも、いろいろと準備していたみたいだし」

アスト「あれ? オレたちの指輪は、ヒカリさんが作ったんですよね」

鉄太郎「ああ。司令がヒカリと連絡をとって、来たるべき戦いに備えて発注し、私がそれをこの時空に持ってきて密かに渡していたんだが、お前たち用のアイテムだとは聞かされていなくてな。まあ、AとQだから、結果を見れば、お前たちが着用者になることは予想して然るべきだったが、正直この私もそこまでは見通せなかったよ」

零斗「しかし、姿形はエースとそっくりでも、中身はお前達だからな。変身しても同じようにエースって呼ぶのは、紛らわしいだろう。このオレがお前たちにふさわしい名前を付けてやる」

アスト「え? 零斗さんがオレたちに名前を付けてくれるんですか?」

零斗「ああ。うちのZの名付け親がエースだったという話を聞いてな。オレも誰かに名前を付けたいと思っていたんだ。ちょうどいい。このオレがお前たちの名付け親になってやる。ちょっとした結婚祝いって奴だ」

アスト「おお、これでオレたちも円谷公認のウルトラに?」

零斗「それはねえ。あくまで、この時空のみの話で、本家からは秘密にされている非公認のウルトラだ。まあ、いずれリブットみたいに後から認知される可能性も皆無というわけではないが、世の中、趣味の同人活動なんかでオレウルトラマンもいろいろ存在するしな。今さら一人ぐらい増えたからって、どうってことはない」

アスト「同人活動って、零斗さん、ずいぶん詳しいんですね」

零斗「そりゃ、いろいろな次元を飛び回っていたら、詳しくもなるさ。とにかく、お前たちの変身した名はウルトラマンアスト……だと、そのままだし、師匠の弟さんのアストラとかぶって紛らわしいからな。よし、ウルトラマンアースだ。明日の地球を守って斗うウルトラマンアース、これでどうだ?」

アスト「その名前だと、本当にエースのパチモンみたいですね。おまけにアース(Earth)だったら、イニシャルAじゃなくてEだし」

零斗「そんな細かいことはどうでもいいんだよ」

ダイアンナ「あたしは気に入ったぞ。今はプリキュアだって、キュアアースが活躍しているしな。キュアアースは、地球パワーが生み出した精霊みたいなもので、花粉症ガールに通じるものがある」

鉄太郎「それに、お前たちの変身には、リングの力だけでなく、大地母神ガイアの祝福も影響したようだからな。かつて、別時空の地球の力がウルトラマンガイアを生み出したように、この時空で地球人と精霊少女の分身がウルトラの光を身に帯びて誕生したウルトラマンアースか。出自を踏まえると、決して悪くはないネーミングだと思う」

零斗「だろう? 親父に誉められると、何だかくすぐったい気分だぜ」

ダイアンナ「それにしても、このあたしがウルトラや地球の光を浴びて、光の巨人の片割れになれるとは思いもしなかったぞ。何しろ、出自が闇属性のバットクイーンだからな」

鉄太郎「出自が光でも、闇に堕ちたベリアルやトレギアのような男もいるのだから、光と闇は固定した属性ではないのだろう。その本人の精神性次第で、光も容易く闇に堕ちることだってあるし、逆もまた然り。完全に相容れない混沌にして闇だと思われていたカオスヘッダーも、コスモスとの戦いで浄化されたのだし、あのティガだってティガダークとなった自分を乗り越えて光をつかみ直した」

零斗「このオレだって、不覚にもベリアルに乗っ取られてゼロダークネスになっちまったことだってあるしよ。だが、仲間の魂の呼びかけが、オレの輝きを取り戻してくれた。だから、シャイニングな姿にだってなれたんだ。大事なのは、出自とか過去にとらわれることじゃねえ。今をどうやって生きるか、明日や未来をどう創っていくかってことだろう? ウルトラマンアース=明日ってのは、そういうネーミングじゃないのか?」

ダイアンナ「明日と言えば、未来のプリキュア、キュアトゥモローというのもいたなあ」

零斗「ギンガだって、詳細不明だが未来のウルトラマンらしいからな。いつの未来かは知らんが」

鉄太郎「さて、未来ということであれば、我々はウルトラの戦士として、直面すべき問題がある」

アスト「オレたちがウルトラの戦士と言われると、まだ実感が湧かないですけど、確かアブ何ちゃら・タルタロスって奴が暗躍しているらしいですね」


@打ち破れ! タルタロスの陰謀


鉄太郎「まずは、リブットを中心に、知られざる過去の話が始まったわけだが、我々はそこでアブソリュート・タルタロスの陰謀がどういうものか観察しなければならないのだ」

アスト「オレは未チェックなので、これから見させてもらいますが、そのタルタロスって、どういう相手なんですか? 今、分かっていることだけでも説明お願いします」

リバT『では、不肖この私めが。本来、タルタロスという名前はギリシャ神話に由来する神の名で、ガイア様の兄弟に当たる地獄の神、あるいは奈落の神と言われています』

ダイアンナ「冥府神ハーデスみたいなものか?」

リバT『実のところハーデスよりも格上になりますね。ハーデスは、神々の王にして雷神ゼウスや海洋神ポセイドンと同様、ガイア様の孫に当たる神で、簡単に言えばガイア様の子がティターン神族、ガイア様の孫世代がオリュンポス神族になります。そして、いわゆるギリシャ神話は、オリュンポス神族のゼウスが親に当たるティターン神族の王クロノスを打ち破った後の話が中心で、ガイア様の世代の神は原初神と呼ばれ、人格を持った存在というよりは、より抽象的な概念として扱われることも多いです』

アスト「概念?」

リバT『例えば、ギンガという言葉があって、これはウルトラマンの固有名詞にも、仮面ライダーの固有名詞にも、熊と戦う犬の名前にもなりますが、概念としては宇宙の銀河系(天の川銀河)、あるいは外宇宙のアンドロメダ銀河など無数の銀河が存在します。英語でいうギャラクシーが人格を持っているとは考えにくいですが、ここでギンガとかギャラクシーという名前のキャラクターがいたとして、我々はそれを宇宙の銀河と同一視するでしょうか』

アスト「普通はしないよな。固有名詞と一般名詞は分けて考える。もちろん、一般名詞にちなんで固有名詞が付けられる場合、何らかの意味の関連づけはあるだろうけどな。子供に『元気』と名付けたのに、その子が病気がちだと悲しいことになるが」

リバT『ギリシャ神話の時代は、あまりにも昔の話なので、その辺の固有名詞と一般名詞の区別が曖昧になっていたりもするのです。大地を含む世界を表すガイアと、ゼウスの祖母神としてのガイアが混同されていたりもしますし、そもそもアニミズム的な考えだと、万物に神霊が宿るという考え方ですから、身の回りの事物や現象の名前と、神の名前を同一視するような文化も見受けられるのです。そこに、さらに擬人法という修辞技法が加われば、「風が囁く」「風の噂」という言葉も、まるで風に人格があるように受け止める解釈もできるわけです。特に、ギリシャ神話は原典が叙事詩ということも多いですからね。ただの例え、修辞技法だったのが、人格を持った神の名として受け取られて、それにまつわる物語を二次創作、三次創作的に拡大解釈されて伝わったことも数多い』

ダイアンナ「ぶっちゃけると、ただの『花粉症』という現象に精霊少女の『花粉症ガール』という人格キャラクターを付与して遊ぶような創作が、ギリシャ文化でも行われて、後から神話体系化されたような話だな」

リバT『ええ。今あるゼロさんの物語だって、数千年後には歪められて、「ゼロ=虚無の力を操る戦士」と受け止められたり、Zさんや他のキャラと混同されて、「全てはゼロから始まり、Zに結実する。ゼロとZは不可分な存在で、原初にして終末の魔神を意味する。あるいは、翼を持った機械神、天使のようなイメージを持ち、未来予測も行える。また、ゼロは時にズィーロウとも発音され、不完全な良心回路を持ち、青と赤に区分されたボディ、半分人、半分機械という歪な姿をしているとも」とか、いろいろ融合した存在として伝承されているかもしれません』

零斗「イヤな伝承だな、それ。事実を知る者からすれば、噴飯ものだが」

アスト「ウイングガンダムゼロや、マジンガーZEROや、キカイダーのジローなんかが、同じゼロつながりなんかで、混ぜられて神話化してしまうということか」

リバT『十年単位、百年単位で、文献でしか当時を知らない人が増えると時代に合わせたいろいろな捏造や、美化、矮小化が行われたりするものです。ましてや、千年以上前の文化伝承なら尚更、当時を直接知らないゆえの誤認、恣意的解釈が行われて然るべきか、と』

鉄太郎「その場合、セブンの扱いはどうなるのだろうね」

リバT『グランドマスターNOVA譲りの妄想回路を働かせますと、「セブンはゼロの祖父で、ラッキーを司る幸運神。セブンは息子の若獅子レオを育て、レオはキングの称号を得て、セブンを飲み込んだ暗黒の星の使徒と戦い続けた。やがて、獅子王は光のハンマーを入手して、セブンを浄解することに成功。そして時経て、レオは妹にして妻のアストラとの間に王子ゼロを作るが、ゼロは偉大な父の尊厳に反発し、闇に染まる。やがて、ゼロは心の中の戦いの末、自分の闇の半身ベリアルと分離し、光の力を取り戻す」的な捏造融合誤解丸出しだけど、断片的には事実も見受けられる話が生まれますね』

零斗「恐るべきは妄想回路だな。親父とレオ師匠、オレの立ち位置が師弟関係から、親子孫の関係にすり変わっているじゃないか。おまけにアストラが弟でなくて、妹だと?」

リバT『アストラとは元々、ラテン語astrumやギリシャ語astronの派生語で、星を意味する中性名詞です。複数形がastraで、本来、中性名詞を女性名詞に置き換えることでもアストラ、あるいはアストリアと転化可能。まあ、いろいろアレンジされると、アンドロメダ瞬さんが女性キャラに改編されたように、レオ師匠の弟アストラさんが女性キャラと見なされる未来も、十分有り得るか、と。まあ、うちのグランドマスターは、原典を踏まえないアレンジは、真実を正しく伝えないとして、否定するでしょうけどね』

鉄太郎「とにかく、そのようにウルトラの歴史を歪めようとしている存在が、アブソリュート・タルタロスみたいなんだな」

零斗「野郎、絶対に許せねえ。よりによって、どうしてベリアルがオレの闇の半身なんだよ。嘘偽りもいいところだ!」

アスト「いや、その話をしたのは、タルタロスじゃなくて、リバT内蔵の妄想回路だと思うが」

零斗「そんな細かいことはどうでもいいんだ。奴がウルトラの歴史を歪めようとしていることには変わりがねえ。いつかブッ倒してやる」

リバT『ずいぶんと寄り道しましたが、タルタロスはガイア様と同じギリシャ神話の原初神という立ち位置で、その司るのは、地獄、奈落、神々や魔物さえ封じる監獄迷宮であり、大地の底深くを統べる恐るべき存在ですね。地下深くの迷宮は、この世と異なる法則が支配する原初混沌の領域とも言われ、そこでは時空も歪んでしまうとか。そこから派生して、タルタロスを時空を歪ませる混沌の邪神と拡大解釈する創作もあって、今回のアブソリュート・タルタロスも本来の迷宮や奈落よりは、時空改変を強調した敵キャラという扱いです。よって、時空の歪みの監視調整役の任を帯びた時空魔術師のグランドマスターNOVAにとっても、見過ごせない相手だと考えているようです』

ダイアンナ「時空魔術師の敵である、邪悪な時空神か。決してウルトラ時空だけの話じゃないんだね」

アスト「しかし、話を聞いてると、本当にタルタロスって恐るべき敵のようだな」

リバT『一説によると、ウルトラアベンジャーズにおけるサノスのような存在とも言われていますからね』

アスト「サノスって、あの指パッチンで全宇宙の生命の半数を死に至らしめたという奴か?」

リバT『実際に、サノス級かどうかは作品を検証してみないと断定できませんが、少なくともヤプールが小物に思えるぐらい強大な敵だと想定しておくべきでしょう』

鉄太郎「うむ。今回、Z時空やこちらにヤプールが襲来したのも、裏でアブソリュート・タルタロスが糸を引いた可能性があってだな」

アスト「マジですかい、旦那。Z時空もこれからクライマックスとのことだが、どうして、そんな強敵がこんな辺境の地に興味を示すんですか?」

鉄太郎「時空改変能力を持った敵にとって脅威になるのは何か、君には分かるかね?」

アスト「う~ん、NOVAみたいな時空魔術師ですか?」

鉄太郎「部分的には正解だな。より大きく答えるなら、時空の外で熱心に観察している者の存在だ。君は、シュレディンガーの猫の話を知っているかね」

アスト「聞いたことは。確か、不確定性原理とか、観測者効果という言葉に関係するんですね」

鉄太郎「厳密には、それぞれ似て非なる概念らしいけどな。私は専門家ではないから詳しくは説明できないんだが、NOVA司令から聞いた話を簡単にまとめると、『シュレディンガーの猫』は量子という存在における例えで、量子は物質なのか、それとも実体を持たないエネルギーなのかを断定できないということを説明したらしい」

零斗「それなら、オレも説明できる。量子というのは、半々の確率で質量を持つ物質である状態と、質量のないエネルギー体を行ったり来たりする存在らしい。つまり、50%で存在し、50%で実体が消える。よって、量子が物質としてあるのかないのかは、観察して見るまで明らかにならないということだな」

アスト「ああ。だから不透明な箱に閉じ込められた猫が箱を開けて見るまで、生きているのか死んでいるのか分からないって話になるんだな。実際に観察して初めて状態が確定する、と」

ダイアンナ「生存確率50%、死亡確率50%の状態で、ダイスを振るまで生きているか死んでいるか分からないということかな」

リバT『アインシュタインは量子の概念を否定して、「神はサイコロを振らない(全てはあらかじめ定められている)」という言葉を遺したそうですが、現代物理学では量子の存在はほぼ信じられ、SFの世界でもしばしば取り上げられていますね』

アスト「とりあえず、『量子化』と言っておけば、攻撃を避けたり、分身したり、普通じゃ有り得ない事象を引き起こす魔法を科学のように見せかける便利概念ということだな」

鉄太郎「なお、『不確定性原理』は量子のそういう概念的状態から発展して、ミクロ的には素粒子の位置や運動の測定にはどうしても揺らぎが生じることを数式で証明した理論で、マクロ的には『ミクロでも定まっていないのだから、運命とか未来もちょっとした変化で大きく変わる。宿命などは定まっていない』とするSFドラマの科学っぽさを示すターム。
「一方の『観測者効果』は、観測機器などが持っている特有のエネルギー(熱や光)などに影響されて、物質本来のありのままを測定することは不可能に近い。観測された時点で何らかの影響を物質は受けてしまうという測定手法による誤差の話が飛躍して、観測者の存在が人の行動や物語の趨勢に影響を与えるという話になる。ファンの熱い想いや応援の声が、ヒーロー・ヒロインの力になり、神さえも動かし、世界の常識さえ捻じ曲げて勝利につながるという物語タームというわけだな」

アスト「凄え、鉄太郎さん。あなたの口から、そのような理論が聞けるとは思ってもいなかった」

鉄太郎「ロートルとは言え、『ウルトラセブン』は67年当時の最先端のクールなハードSF作品だったからな。私だって、それぐらいの勉強はするさ。さもないと恒点観測員の仕事は務まらん」

零斗「さすがだぜ。ただの体育会系の風来坊じゃなかったんだな」

ダイアンナ「まさに文武両道の鏡といったところか。アスト、今の話は分かったか?」

アスト「まあ、大体はな。お前はどうだ、アニー?」

ダイアンナ「残念ながら、さっぱりだ。結論として、『不確定性原理』も『観測者効果』も何やら凄そうで、必殺技や特殊能力の名前に使えそうなこと。そして『シュレディンガーの猫』が生きていたら可愛い、死んでたら可哀想。可愛いと可哀想が半々といった感じだと言ったところか」

アスト「お前の攻撃は『観測者効果』で見切っているからな。『不確定性原理』を味方につけたオレには当たらない。そして、くらえ、必殺『シュレディンガーの猫』クラッシュ! この攻撃を喰らうと、貴様は50%の確率で、問答無用に死ぬ……という感じだな」

リバT『雰囲気だけ理系っぽいけど、専門家の人から見ると怒られそうな用語の使い方ですね。とりあえず、クイーンの場合は、魔法的な概念で理解した方がよろしいと思いますよ。「量子化」はミラーイメージで分身を作り、4体のうち1体が本物だとか、「観測者効果」は本物か幻かは触ってみないと分からないとか、SF用語を自分の知っている幻術のイメージに置き換えると、何となく理解できた気になります』

ダイアンナ「そうか。自分の得意分野に絡めるといいのだな」

鉄太郎「まあ、細かい話に流れたが、要は『時空を操る敵が何よりも恐れているのは、世界の外から観測している者の存在』ということだ。せっかく、自分が思いどおりに時空を改変しても、外からの干渉や観測効果で無効化されてしまう可能性があるからな」

アスト「なるほど。世界の外で邪魔をしそうな観測者を潰しておくことで自分の計画を万全にしようという策か。世界の外まで刺客を送り出して来るとは、何て恐ろしい奴なんだ、タルタロスってのは」

鉄太郎「逆に言えば、ここでヤプールを撃退して、新たなウルトラマン、その名もアースが誕生したことは、タルタロスの想定外ということになるだろう」

アスト「え? そうすると、オレとアニーもギャラクシーファイトに参戦しないといけないんですか?」

零斗「そうじゃねえだろう。2人合わせて半人前、1人1人じゃ4分の1人前のお前たちが参戦しても、あっさりタルタロスに葬られるのが目に見えている。お前たちの、そしてオレたちの強みは、この時空がヤプールの魔の手を撃退し、当面、安全な状態でタルタル野郎の陰謀を観測できるってことなんだ。それにオレたちはウルトラ族であると共に、この時空では明鏡戦隊メガネンジャーの力を使うことができる。この意味が分かるか?」

ダイアンナ「メガネンジャーの力……確か、100万の念、想いの力、空想妄想パワーを増幅できるということだったはず」

零斗「そう。人の思念、応援の気持ちや絆の力は、ウルトラ族の力を100万倍にも、いや時にはOO、インフィニティー無限大にも高めてくれる。外の世界から観測している者たちの熱い応援の想いや声こそが、ウルトラ時空で戦っている者たちの力になってくれるはずなんだ。アスト、ダイアンナ、お前たちウルトラマンアースは、この場にて応援してくれる地球の想いを中継するだけで十分、仕事をしたことになるんだよ」

アスト「つまり、見ているだけでいいと?」

ダイアンナ「いや、見て応援しないとダメなんじゃないか?」

リバT『まあ、世の中には作品を見てもいないのに、賢しらに何かを語ろうとして外す人もいるようですが、そういう人間には観測者効果は適用されず、何の恩恵にも寄与しない無用な雑音でしかないみたいですね。まずは見て、それから語れ、熱い想いと声援を呼びかけよう。そうすれば、闇に打ち勝つ力にもなる、という結論です』

アスト「……そういうことなら、早速、見るか。ギャラクシーファイト


 ということで、この場では、TRPG話以外に、ギャラクシーファイトネタも大いに語る予定。

 果たして、地球の明日を守る戦士ウルトラマンアースに選ばれたQ&Aコンビの想いは、タルタロス打破に役に立つのだろうか?
 坂本浩一監督が、NOVAたちの期待と想いに応えた作品を見せてくれることを100万倍の好奇心で応援しつつ。

(当記事 完)