●冒険のネタ切れ
聖獣グリフォンを奪われてしまったので、一人寂しく、緑の事件に挑んで、コツコツ経験値稼ぎをするレッドスコーピオン(S君)。
その間に、順調にキャラを強化していたNOVA(モック)と、T君(アスタラ)は、黄色の事件を攻略中。
S君「それにしても、どうして事件の補充が起こらないんだ!」
NOVA「追加カードのせいだな。モンスターが増えた分、イベントが出にくくなっているみたい」
解説しよう。
「ルーンバウンド」の事件は、マップに散りばめられたアドベンチャーカウンターの上で発生する。冒険者たちは、アドベンチャーカウンターの地点に駆けつけると、カードを引いて、それに記された事件を解決するのだ。そして、最初はマップ中にセッティングされたカウンターは、事件を解決するたびに減って行く。
時々、出てくる「イベントカード」を引けば、カウンターを補充するルールがあるのだが……。
S君「とうとう緑のカウンター、なくなったよ。シクシク……」
T君「黄色に挑戦したら、いいじゃないか」
S君「仲間もいないし、攻撃力も低いし、ダイス運も悪いし、勝てるわけないよ(弱気)」
NOVA「それでも挑戦するのが、男ってもんだ」
S君「いや、俺のキャラ、女だし……」
NOVA「……」
●これがレッドスコーピオンの生きる道
黄色でもなかなかイベントが発生しないので、NOVAはいち早く青の冒険に挑戦します。
と言うのも、最強の女戦士と名高い『勇猛なるジルタ』ちゃんをゲットしたから。
そして、ようやくイベントカードを引き当てます。
『解き放たれた大嵐』
世界中の川が大氾濫。「嵐を呼ぶ旋風児」と呼んでください(笑)。
その後、登場したモンスターは、『ルーンの嵐』。
本当に、嵐に見舞われ放題ですな。
このモンスター、「ルーンの魔力でしかダメージを受けない特殊モンスター」。
NOVA「うわ、ルーンの魔法なんて持ってないよ(魔法使い役なのに……)。撤退だ、撤退!」
イベント発生により、カウンターが補充されたので、嬉々として緑の事件をあさり尽くすのが、レッドスコーピオンでした。
小銭と経験値をちびちび稼ぐだけでは、強くなれないぞ……と思いつつ、グリフォンを奪ってしまった罪悪感があるので、言い澱むNOVAだったりします。
それに、プレイヤーのS君は実際、楽しそう。
トップ争いからは脱落してしまった感じですが、ダイス運に一喜一憂しつつ、ザコモンスターを倒してアイテムゲットに励んでいます。
S君「アイテム多くて、自分が何を持っているか把握できないよ(笑)」
またですか? と思いつつ、収集癖は強いけれど整理能力が低い……っていう点では、NOVAも人のことをとやかく言えず、非常に共感したり(笑)。
使わないアイテムも勿体ないと思って、どうしてもたまってしまうよね。
S君「大体さあ、他人を邪魔するアイテムばかり、こんなに持っていても、使わないしさあ」
NOVA「どうして? 邪魔したら、いいやん。こっちもグリフォンを奪ったんだし」
S君「でもなあ……」
いまいち、S君は「足の引っ張り合い」ゲームは乗り気じゃない様子。いい奴だ。
この辺は、「ゲームはゲームだし、ルールの範囲で競争して、勝ちを目指すのは普通」と考えるボードゲーマーNOVAからは、新鮮な感覚に思えたり。
まあ、NOVAの場合も、「勝ち負け」よりも、「ロールプレイとか、ネタ、会話の楽しさ」に重きを置くプレイスタイルだけどさ。
なお、S君は終盤、「相手プレイヤーの移動ダイスを変更する」アイテムで、思いがけない活用を見せてくれました。
普通、これは相手の邪魔をするのに使うのですが、S君はそれよりも「移動のサポート役」に、嬉々として励んでおりました。
NOVAにはグリフォンがいたから、それほど移動に不自由はしなかったのですが、T君にとってはかなりの恩恵になった模様。
ともあれ、競争よりも協力プレイの方が好きなのが、S君の属性と分かったので、今後プレイするゲームを選択するときにも考慮に入れようと思います。(つづく)