ウルトロピカルな⭐️GT(ゲーム&トレジャー)島宇宙

南の島と上空の宇宙宮殿を舞台にTRPGや特撮ヒーローなどのおしゃべりブログ。今はFFゲームブックの攻略や懐古および新作情報や私的研鑽メイン。思い出したようにD&Dに触れたりも。

ダンジョン攻略は続く(ワンデルヴァー7話)

★ボスの部屋への裏道

 

 

ガイド役NOVA「ゴブネズミのダンジョンに突入した君たちは、敵のペットだった3頭の狼をアイアンさんの勇者パワーで浄化して、逃がしてあげたんだったな」

 

フリーダ(リバT)「そうです。まるでドラクエ5の主人公のように」

 

バリー(アスト)「そう言われてみると、ブロンズ像にされていたのを息子や娘に助けられた展開も、正にそんな感じだな」

 

アイアン(鉄太郎)「なるほど。ならばBGMはすぎやまこういちさんに依頼するかな」

 

NOVA「それは、セブンじゃなくて、新マンの主題歌ですから」

 

ルビー(ダイアンナ)「ところで、アイアンさんには子どもがいるってことだけれど、奥さんはどうなっているんだい?」

 

アイアン「それは非公開情報なので、今、ここで語ることはできん」

 

モッサ(触手キング)「個人のプライベート詮索はなしにして、この部屋に何か変わったものはないか?」

 

NOVA「そう言われると、あると答えよう」

 

バリー「〈探索〉は必要か?」

 

NOVA「いや、特に隠されているわけじゃないんだが、一応、隠し通路が設定されている」

 

バリー「どういう意味だよ」

 

NOVA「前回のマップを見たら分かるように、ペットの部屋と、ダンジョンボス・アナグマのクラーグの部屋は一応、つながっているんだよ」

 

ルビー「いきなり、ボスの部屋に行けるのかい?」

 

NOVA「そう。一見、このダンジョンの攻略は一本道のように見えるんだけど、いくつか仕掛けが用意されていて、違う展開も一応、可能なんだ。このペットの部屋はボスの部屋の下にあって、縦穴状の狭い裂け目で通じている。ボスはここから餌をペットに投げ与えている設定。よって、縦穴を逆に登って行くことでボスの部屋に行き着くことは一応、可能」

 

バリー「だったら、一気にスピード攻略だな」

 

NOVA「一応、可能とは言ったが、推奨するとは言ってない。縦穴を登るのに当然、判定が必要になるし、狭いので一度に一人ずつしか進めない。つまり、ここから登ると、ボス敵の前に一人ずつひょっこり顔を出す形になり、出てきたところを各個撃破される可能性が非常に大きいんだ」

 

ルビー「なるほど。不意討ちできる可能性は大きいけど、パーティー全員で一気に攻撃することはできないってことか」

 

NOVA「まず、1ラウンドに1人が飛び出して不意討ち。以降は、毎ラウンド1人ずつ加勢に入ることができる。ただし、縦穴を登る判定に失敗すれば1ラウンドロスする上、後続も足止めをくらう。メリットよりも、リスクが大きい作戦と言えるな」

 

バリー「そういう無意味なルートを設定する意味があるのか?」

 

NOVA「君たちはゴブネズミを尋問して、ダンジョンの構造を把握しているから、そういう判断ができるんだ。情報がなければ、『何だか上に行けそうな縦穴があるよ』と言われたら、盗賊系のキャラが試しに登って探索するって宣言する可能性も十分考えられる」

 

バリー「なるほど。それでボスと遭遇して、慌てて引き返すか、一人で戦って返り討ちにあう可能性もあるわけだな」

 

NOVA「あるいは、運良く不意討ち急所攻撃でボスに大ダメージを与えたり、魔法使いキャラがスリープやチャームの呪文でボスを無力化できる可能性もなくはない」

 

ルビー「そんな呪文、あたしは持ってないよ」

 

NOVA「君だけじゃない。パグマイアでは、その種の精神系魔法がないんだよな。ネコ用ルールならともかく、犬は精神を操る系の呪文が得意じゃないという世界設定らしくて」

 

モッサ「結論。ボスを単独で一気に無力化する手段を持たない以上、ここから登って行くのはリスクが大きすぎる。普通に正攻法で行くのが無難ということだな」

 

★ゴブネズミは信じられる?


バリー「ボス敵最短ルートは、リスクが大きすぎるということで、結局、先にゴブネズミの部屋に行くわけだが、やっぱり戦いになるのかね」

捕虜ゴブ『あっしに任せてもらえれば、皆さんをお通ししてくれるよう、リーダーのイーミクを説得して差し上げやしょう』

バリー「はん? そんな話を信じられるかよ」

捕虜ゴブ『いや、こう見えても、あっしは誰かを助けることを生き甲斐としてきたゴブ助と申します。元々は、平和な日常生活を送ってきた、気のいいゴブネズミなんでげすよ。あっしらが野盗風情に身を落としたのも、全てがギザ牙のアナグマたちに脅されてのこと。クラーグさえ倒してくだされば、あっしらの群れも元の平和な暮らしに戻れるというもの。無益な殺生はお控えくだせえ』

モッサ「ボスを倒せば、改心すると申すか」

捕虜ゴブ改めゴブ助『あっしはとっくに改心してますよ。だから、いろいろと情報を話したじゃないですか。しかも、あの凶暴な狼を容易く手懐けた不思議な力、そして囚われたものを逃がしてあげる優しさ。あっしは感動したんです。あなた達なら必ずクラーグを倒して、あっしらゴブネズミを元の平和な暮らしに戻してくれる、と』

フリーダ「嘘をついていないかどうか、〈真意看破〉で見抜けるんでしたよね」

NOVA「試していいよ」

フリーダ「出目は3。修正して8」

NOVA「嘘はついていないと思う」

ルビー「まったく当てにならない数字だねえ。〈はったり〉の専門家のあたしが、相手の態度が〈はったり〉じゃないかを見抜くってことはできないのかい?」

NOVA「そういう技能の使い方は想定していないんだけど、不利でよければ試してみてもいい」

ルビー「つまり、2回とも高い目を出せばいいわけだね。(コロコロ)14と4か。これは失敗かな」

NOVA「では、ルビーは半信半疑なんだけど、相手がこの状況で嘘をついても、あまりメリットがないであろうこと、そして、何よりも相手も命は惜しいのだろうとは思った。怪しいのは、『ゴブネズミが元の平和な暮らし』云々と言ったことかな。ルビーの立場として、官憲に捕まって許しを乞う時はどう言う?」

ルビー「悪いことは2度としませんから、見逃して下さい(テヘペロ)」

NOVA「本音は?」

ルビー「お宝を盗むチャンスがあれば、また試してみるけどね。今は殊勝に振る舞うのがお得さ」

モッサ「この女は……」

ルビー「犯罪者上がりは利に聡いのさ。逆に、しっかり利でつなぎ止めているうちは、自分を不利に追い込む悪さはしない。別に抑えられない盗癖を抱えているわけじゃないしね。ただ、知的好奇心で危険に手を出す可能性も常にあるわけで」

フリーダ「要は、相手の良心を信じるのではなくて、相手の利害込みの目論見を信じるということですね。その上で、このゴブ助さんが私たちを騙して、何の得があるかを考えろ、と」

バリー「ガイドよ。この辺はパグマイア世界の一般常識を確認したい。これがゴブリンスレイヤーなら、ゴブリンは邪悪そのものなので信じるとバカを見る、という世界観だ。D&Dのゴブリンと、パグマイアのネズミは行動原理が同じなんだろうか?」

NOVA「D&Dのゴブリンは欲と悪意で動いていて、強きにへつらい、弱きを痛ぶる『中立にして悪』の性質なのが一般的だな。この場合の中立とは秩序でも混沌でもないということ。組織を作ることは作るけど、必ずしも忠実ではない。
「一方、パグマイアのネズミは、そこまで悪党ではない感じだ。『生きるためには何でもする小悪党』というステロタイプはあるけど、せいぜいチンピラレベル。ゴブリンのような軍団規模の悪の尖兵とは違って、荒事よりはこっそり密やかに動くことを旨とする。一応、王都の犯罪区画でこそこそしながらも、小銭目当ての密偵として便利に動いたりもしている。賃金さえもらえれば、真面目に媚を売りながら働く側面もあって、ゴブリンよりは文明社会に適応している感じだ」

バリー「じゃあ、それを混ぜ合わせたゴブネズミは?」

NOVA「都市よりは荒野に適応したネズミなんだろうな。小部族単位で狩りや採集で生活しているけど、荒事に遭遇すれば、戦うより逃げるような連中だ。だから、ゴブネズミの野盗が活動するのは、それを強制させる荒くれ者が背後にいるのは間違いない、というのが、王立開拓団で教えられる常識にしておこう」

モッサ「……以上を踏まえると、戦うよりも威圧して、『悪いようにはしない。クラーグを排除してやるから、お前たちは手を出すな。その代わり歯向かうようなら殺す』とでも言えば、結果として丸く収まりそうでごわすな」

フリーダ「力で抑えつけるのはどうかと思いますけど」

ルビー「知能の低い獣は、まず、どちらが格上か分かりやすく示す必要があるのさ。甘いことを言って、ナメられたりしたら、それこそ交渉にもなりやしない」

NOVA「話し合いを推奨する社会なのに、交渉のやり方を公教育できちんと学ぶカリキュラムがないのは、片手落ちだと思っているけどな。相手の立場になって考えようというのは至言だが、それは相手を100パーセント受け入れようって意味じゃない。互いの自己主張の末に、折り合えるラインがどの辺にあるかを探るのが交渉ってものだ」


★さらば、ゴブ助


バリー「では、ゴブ助をひとまず信じることにして、ゴブネズミの部屋に『話し合い』に向かうか」

NOVA「君たちは、地図に書かれた橋の見えるところに至った。橋の高さは約7メートルぐらいで、木とロープでできた吊り橋になっている。ここから橋の下を通って、東のため池の方に向かうこともできるし、西の険しい登り坂を通って、ゴブネズミの部屋に行くこともできる。だけど、その前に……橋の上の気配に気づくことができたかの判定をしてくれ。全員、〈感知〉か判断力だ。(コロコロ)19以上を出せば反応できる」

バリー「惜しい、18だ」

アイアン「素で19出たあ」

フリーダ「私めは18ですが、〈鋭い観察眼〉が使えますか?」

NOVA「使っていいよ」

フリーダ「では、もう一度。(コロコロ)はい、21になりました」

NOVA「他の2名は失敗だね。すると、アイアンとフリーダだけが行動できる。では、イニシアティブを決めるか。こちらは12だ」

アイアン「勝った、15」

NOVA「では、フォーチュンをあげるので、こちらが先制する。橋の上から、2本の矢が飛んでくる。そのうちの1本は、フリーダを狙って(コロコロ)16だから命中。ダメージは5点」

フリーダ「痛いですの。スナミナが残り4点」

NOVA「では、アイアンの手番」

アイアン「アイスラッガーで橋の上まで届くだろうか?」

NOVA「ハンドアックスの近距離射程は20フィート、つまり約6メートル。橋の高さは7メートルなので、遠距離になるね。命中が不利になるけど」

アイアン「ならば、ショートボウにするか。弓は使い慣れないんだが、と言いつつ、命中は10」

NOVA「当たらないね。では、次にフリーダ」

フリーダ「相手はゴブネズミ2体でよろしいのですか?」

NOVA「ああ、ゴメン。敵の名前を言っていなかったね。その通り、普通に量産型のゴブネズミ弓兵だ。スタミナ7点だよ」

フリーダ「ならば、回復よりも攻撃で先に倒した方が早そうですね。セイクリッド・フレイムを放ちます」

NOVA「その呪文は、命中判定なしで、こちらが抵抗するんだな。(コロコロ)抵抗失敗。ダメージを下さい」

フリーダ「3点」

NOVA「では、残り4点と。さて、敵の放ったもう一本の矢だけど、ゴブ助の胸に突き立っている」

モッサ「何と。ゴブ助が?」

ゴブ助『う、うう。皆さん、短い間でしたが、あっしはここまでのようです。グフッ』

バリー「ゴブ助ぇぇぇぇっ! まさか、仲間の矢に当たって死んでしまうとは。おのれ、悪辣非道なゴブネズミ弓兵、絶対に許さん。仇は必ず討つぞ。次のラウンド。フリーダ、オレに順番を回してくれ」

フリーダ「はい、バリーさん。お願いします」

バリー「健康な方を狙うぞ。命中は11」

NOVA「残念ながら外れだね」

バリー「ここでフォーチュンを使わせてくれ。みんな」

モッサ「6点もあるのだし、まあいいだろう。必ずゴブ助の仇を討ってくれよ」

バリー「みんなの想い、受けとった。命中21。ダメージ5点」

NOVA「あと2点」

バリー「チッ、仕留め損ねたか。次、女帝頼む」

ルビー「確実に当てられるのはマジックミサイルだね。4回も使えるのだから、ここで1回使っておくか。ダメージは1発D4+1だから、スタミナ2の奴に1発、スタミナ4の奴に2発浴びせれば、ダイスを振るまでもなく確実に落とせる」

NOVA「では、光の矢が橋の上のゴブネズミを貫いて、両方ともゴブーッと悲鳴を上げて墜落した」

フリーダ「ゴブ助さんの治療は間に合いますか?」

NOVA「手遅れだ。ゴブ助は君たちに希望を託して、安らかな眠りに就いた。空にキラーンとゴブ助の笑顔が幻のように浮かんだ」

ルビー「ええと、ここは洞窟の中だよね」

NOVA「あっ。ええと、洞窟の天井にゴブ助の笑顔が浮かんだ」

モッサ「何だか呪いの天井画みたいでごわす」

バリー「もう、そんな下手な演出はいいから」

アイアン「とにかく、我々がゴブ助のためにしてやれることは一つしかない」

フリーダ「ええ、ボスのクラーグを倒して、ゴブネズミの皆さんを野盗生活から解放してあげることですね」

アイアン「それもあるが、もっと大事なことだ。背中に背負った大スコップをジャキーンと取り出して、おもむろに地面に穴を掘る」

NOVA「埋葬ですかい!?」

アイアン「うむ。我々に貴重な情報を伝えて、命を落とした勇者ゴブ助を偲んで、ささやかながら穴を掘ろう。犬だけに穴掘りをして埋めるのは基本だろう」


★ゴブネズミとの交渉


 戦闘後の後始末(ゴブ助埋葬の他に、矢弾判定やフリーダのスタミナ回復)を終えた一行は、ゴブネズミの部屋に向かった。
 ゴブ助の遺志に報いるために、戦闘ではなく交渉で事態を解決しようと思いながら。


モッサ「部屋に入る際に、先に大声で叫ぶぞ。『ゴブネズミの長、イーミクよ。武器を収めよ。我らは争いに来たのではない。交渉に参ったものである。我らが共通の敵、クラーグを倒すために協力して欲しい!』と」

NOVA「では〈説得〉判定をしてもらおうか」

モッサ「〈説得〉よりも〈威圧〉の方が得意でごわすが」

NOVA「友好的な話し合いなら〈説得〉になるな。武力で脅しつけるなら〈威圧〉だけど」

モッサ「〈説得〉は+3。ダイス目は6。合計9ではダメでごわすな」

バリー「諦めるな。こういう時にフォーチュンを使うんだよ」

モッサ「では、みなの期待を背負って、フォーチュンを使用させてもらうでごわす。フォーチュン残り4。ダイス目は19。すなわち合計22」

NOVA「ならば、老いた皺だらけのゴブネズミが『チチチ、武装した犬どもが、このイーミクに何の話があると言うのか』と精一杯の威厳を漂わせながら出てくるぞ。イメージとしては、シンケンジャーに出てきた『骨のシタリ』みたいな感じだ」

バリー「その例えで一体、何人の読者が分かると言うんだ? もっと、メジャーなキャラはないのかよ?」

NOVA「う~ん、ズル賢そうな爺さんと言えば誰がいるかなあ。ジョジョの第4部の吉良吉影の父か、ナックル星人の化けた宇宙電波研究所所長のイメージ。声は数々のライダー怪人を演じた沢りつおさんだ」

バリー「そんな分かる人にしか分からない例えはやめんか」

アイアン「私には分かったぞ。弟のジャックを十字架に張り付けた奴じゃないか。どう見ても悪党にしか見えん」

NOVA「沢さんは、いい人だって演じているんです。『勇者特急マイトガイン』の主人公の祖父・旋風寺裕次郎とか」

バリー「他には?」

NOVA「ええと、ウルトラマンAに出てきた伝説怪人ナマハゲとか、仮面ライダースーパー1に出てきたヤッタラダマスとか、アマゾンライダーの敵首領の十面鬼ゴルゴスとか……」

ルビー「どう聞いても、あまりいい人ってイメージがないよねえ、それって」

NOVA「うる星やつらラムちゃんのお父さんだったら?」

フリーダ「可愛い鬼娘の父親だったら、少しはマシになったというところでしょうか。鬼であることには変わりませんが」

NOVA「そりゃ、元がゴブリンのリーダーだったら、緑川さんや置鮎さんみたいなイケボ声優っておかしいでしょ? だからと言って、飯塚昭三さんとか柴田秀勝さんといった大ボスクラスだったら威厳があり過ぎるし。ここは、シオマネキングやハサミジャガーカニレーザーやザリガーナやクモナポレオンや磁石団長やサドンダスといった、昭和ライダー怪人最多出演回数を誇る沢りつおさんをプッシュしないと」

バリー「念のため、ゴブ助のイメージ声優は?」

NOVA「ええと、モグラ獣人の声を担当した槐柳二さんかな。しまった、だったらゴブ助もチュチューンと鳴かせるべきだった」

バリー「モグラかあ。だったら、墓を作って正解だったな」

ルビー「マニアックな怪人声優話はどうでもいいから、交渉しようよ」

モッサ「うむ。では、かくかくしかじかで、ボスを倒して来るから、ここを通してくれ」

イーミク『チュチューン。クラーグを倒すというのなら、止めはせん。しかし、お前たちが怪しい動きをするなら、我らが捕まえた犬の戦士の命は保証せんからな』

フリーダ「シルダーさんは、あなたが捕まえているのですか?」

イーミク『そうだとも。単細胞なクラーグは「そいつはもう用済みだから生かしておいても仕方ない。すぐに殺せ」と命じたが、わしは「いや、殺すのはいつでもできまする。生かしておけば、何かに使えるやもしれません」と命乞いしておいたのだ。むやみやたらと命を奪うばかりが能じゃないわ。おのれの欲望を満たすにしても、もっとマシな方法はいくらでもあるだろうに』

モッサ「念のために聞くが、ゴランドがどこに連れて行かれたかは知らんか」

イーミク『ギザ牙の城か。わしは外様だから、詳しい場所は聞かされておらん。だが、ゴブネズミのネットワークを使えば、何とか調べることはできるやもしれん。クラーグを倒してくれて、わしらを解放してくれるなら調べてやってもいいぞ。もちろん、ただとは言わんがな。ギザ牙に逆らうのは、かなりの危険を伴うしのう』

モッサ「では、シルダーの無事を確認させてくれ」

イーミク『ダメだ。あの脳筋犬は強情でおとなしくせんから、だいぶ痛めつけてやったからな。お前たちの顔を見ると、また興奮して暴れ回るかもしれん。わしらとしては、そんな危険は冒すわけにはいかんのじゃ。少なくとも、クラーグの首をとってきて、お前たちの誠意を見せてくれんと、うかつなマネはしたくない。お前たちがクラーグに負けたなら、わしらは今までどおり、クラーグの手下を続けるつもりじゃ』

ルビー「つまり、完全に味方をしてくれるわけじゃないけど、最低限の目こぼしはしてくれるってことだね。ゴブネズミにしては頭がいいじゃないか。そういうのは嫌いじゃない。変に味方面して、影で裏切るような奴より、よっぽど信用できるってもんだ。利害が一致しているうちは、協力してくれるってことだからね」

モッサ「では、クラーグを倒してくる。そうすれば、シルダーを解放してくれるってことでいいな。ゴランドの居場所については、その後の交渉次第だと」


 こうして、ゴブネズミとの武力衝突を避けた一行は、ボスのクラーグのいる部屋へ向かう。
 果たして、無事にダンジョンのラスボス戦を勝ち残ることができるだろうか?

(当記事 完)