ウルトロピカルな⭐️GT(ゲーム&トレジャー)島宇宙

南の島と上空の宇宙宮殿を舞台にTRPGや特撮ヒーローなどのおしゃべりブログ。今はFFゲームブックの攻略や懐古および新作情報や私的研鑽メイン。思い出したようにD&Dに触れたりも。

クラシックD&Dと5版とパグマイア

★経験値の話

 

 

NOVA「アストに流派・東方不敗風のマスターNOVAとして問う」

 

アスト「おお、あんたを師匠とはこれっぽちも認めていないが、ドモン・カッシュの気持ちになって答えるぞ。さあ来い」

 

NOVA「クラシックD&Dで、ファイターが1レベルから2レベルに成長する際に必要な経験値の量は?」

 

アスト「笑止。そのような基本知識で、このオレを試そうとはナメられたものだ。ファイター2000。シーフが一番早くて1200、その次にクレリックが1500。マジックユーザーが高くて2500。ドワーフ2200、ハーフリングが2000、そしてエルフが一番成長が遅くて4000点も経験値が必要になることは、クラシックD&Dファンの常識だ」

 

NOVA「なるほど、少しはやるようだな。ならば重ねて問う。クラシックD&Dにおいて、ファイターが最高の36レベルに達するのに必要な経験値の総計は?」

 

アスト「……お前さあ。どうして、いきなりそこまで飛ばすんだよ? この日本で、そこまでファイターを育てたことのあるプレイヤーが一体、何人いると思ってるんだ?」

 

NOVA「少なくとも、俺の知る限りはいないな。たぶん、SNEのメンバーの中にも、そこまでクラシックD&Dをやり込んだプレイヤーはいないと思うぞ。とりあえず、さっきの答えは348万点だ。1回のセッションで10万点の経験値をゲットできれば、35回の冒険で達成可能だろう」

 

アスト「1セッションで10万点なんて、どんな冒険をしてるんだよ。1万点だけでも凄いと感じるのに」

 

NOVA「緑箱コンパニオンルールによれば、その辺りのレベルだと3〜8回の冒険で1レベル上がるのが望ましいとある。これに基づくならば、1回で1万6000点から4万2000点の経験値が妥当とされる」

 

アスト「平均すると3万弱か。ならば、最高レベルに達するまでにおよそ116回のセッションが必要と。毎週プレイするなら、2年と少々になるから、アメリカの高校生なら入学してから卒業するまでには何とかなるかもしれないな」

 

NOVA「高校1年で入学の時に1レベルファイターだったのが、学生生活の中で経験を積んで、卒業式前に36レベルに達し、卒業式で晴れてイモータルに。その後、OBとして後輩の冒険に介入するという学園ドラマが作れそうだな」

 

アスト「アンデッドモンスターのエナジードレインを喰らって、レベルが下がってしまい、落第して同じ学年を繰り返すのもありだな」

 

NOVA「つまり、進級テストはアンデッドモンスター並みの脅威か。中にはレベルを吸い尽くされてキャラがロストしてしまい、退学を余儀なくされるプレイヤーもいたりして」

 

ダイアンナ「何だかよく分からないが、そういうネタをいっぱい集めれば『クラシックD&D学園』などというギャグ漫画が描けそうだな」

 

NOVA「上級クラスのアドバンスト・コースとか、有力ライバル校のトラベラー宇宙飛行士養成学校とか、名門校のルーンクエスト私学とか、これだけでいろいろ妄想が膨らむ次第」

 

★経験値話の続き


NOVA「さて、クラシックD&D学園はスポンサーのTSRが倒産したので、湾岸の魔術師さんが新しく理事長になって、マジック学園と併設する3版、3.5版、4版、そして5版にまで改装工事が行われているのが現状だな」

アスト「3.5版の校長は首になって、仕方なく一部の職員と一緒に新設校のパスファインダー学園を作ったそうじゃないか」

ダイアンナ「パグマイアはどういう位置づけなんだ?」

NOVA「5版スクールをモデルにした動物訓練校かな。警察犬とか盲導犬とかを養成するような」

ダイアンナ「とにかく、学園ネタはこれぐらいにして、5版とパグマイアの経験値話に移ってくれないか」

NOVA「パグマイアの場合は簡単だな。パグマイアには経験値などという数字はない」

アスト「経験値がないって聞いたときは、結構、驚いたんだ。一体どういうRPGだよって」

NOVA「今さら驚くことか? トラベラーにも、ルーンクエストにも経験値とかレベルという概念は存在しないぞ。クトゥルフだってそうだ」

アスト「そうか。それらのゲームは初期のスキル制のシステムで、レベルアップじゃなくて、個々のスキルを別々に育てるんだったな」

NOVA「ファイナルファンタジー2や、ロマンシング・サガなどが、レベルアップとは違うスキル制を採択したコンピューターRPGだったな」

アスト「ああ、そう言われれば、結構あるか。キャラではなく装備を育てる系のモンハンとか、カードを入手してデッキを育てる系のシステムとかレベルアップや経験値にこだわってない成長システムはいろいろ考えられる、と」

NOVA「まあ、パグマイアはレベルアップがあるのに、経験値を撤廃したという点で画期的なんだけどな」

アスト「経験値なしでレベルアップって、どういうルールなんだ?」

NOVA「『ガイドの判断や物語の流れ次第で、自由にレベルアップのタイミングを決めていい』ということだ」

アスト「それって、ガイド任せということか?」

NOVA「そう。だから、俺が『君たちは前回の冒険で10レベルに達した』と言えば、いきなり10レベルに成長させることも可能だ」

アスト「そんなのでバランスが取れるのか?」

NOVA「取れるはずがないな。大体、いきなり10レベルに成長したキャラクターを与えられても、プレイヤーがうまく扱えないだろう。自分のキャラに何ができるかなんて、手慣れたプレイヤーでないとなかなか把握できないものだし、やはり最初は1レベルずつ順を追って成長させるのが普通だろうな」

アスト「ああ、オレもクラシックD&Dでネームレベル(9レベル)までのファイターなら扱えるが、それ以降に取得できるコンバットオプションを使いこなせと言われても無理だろうし」

NOVA「クラシックD&Dのファイターなら、何も考えずに突っ込むだけでも務まると思われがちだが、実際にプレイすると、マジックアイテムの管理とか、パーティーとの連携とか、リーダーシップを度々求められることとか、考えることはそれなりにあるからな。ルール上は特殊能力の少ない初心者向きと言われがちだが、実プレイ経験者だと『ファイターだからこそ求められる役割への責任感』とか考えるようになるらしい」

アスト「そんなものか。まあ、GMとかガイド役にも似たような責任感が求められる気がするな。だから、あまり変な裁定をしないで欲しいぜ」

NOVA「『君たちは前回の冒険で2レベルに達した。しかし、バリーだけはいろいろドジっていたので、1レベルのままだ』とかか?」

アスト「どうして、オレのキャラだけ不遇な目に合わせるんだよ」

NOVA「冗談だ。お前のキャラの一番の活躍シーンは、ダンジョンの入り口で見張りのゴブネズミを一矢で仕留めたことだと思うぞ」

アスト「弓はまだ当てられるんだが、グレートソードを使った時だけはダイス目が極端に低くなって当たらない。別に能力が悪いわけじゃないんだがな」

NOVA「では、バリーが初めてグレートソードを命中させたなら、記念にフォーチュンを一つやろう」

アスト「本当か? よし、その言葉、忘れないぞ」

NOVA「で、パグマイアのレベルアップのガイド向け推奨指針は一応、示されていて、2~3回のセッションで1レベルアップということだが、今回はファンデルヴァーの記述に従い、こっそり経験値を計算している」

ダイアンナ「そういうところはマメだな」

NOVA「表面上は大雑把に見えて、実は裏でマメに計算しているのが俺という男だからな。あまり露骨に示すと、性格が細かすぎると逆評価になったりするので、本質的には几帳面だけど外面は大らかに見せかけている次第。でも結構、根に持つし、内面はジメジメしている」

アスト「だけど、表面的には豪快でカラッとした爽やかさに憧れているってことだな。人は自分にないものを求めがちだし、理想像と本質が違うこともありがちだ」

NOVA「悪かったな。まあ、あるキャラに憧れたら、そう振る舞うように昔からロールプレイに務めているからなあ。さすがに、社交に不利なジメジメした内面は普段は隠しているさ。でも、ここぞというところで制御されずに出てくるので、本性が陰湿だと批判されても事実だから仕方ない、と開き直っておくぜ」

ダイアンナ「光に憧れるけど、内面の闇を制御できずに蝕まれている……って、よくある厨二病キャラ丸出しじゃないか」

NOVA「そういう自覚はある。が、今は経験値の話だ。ファンデルヴァーではまず、『ギザ牙族の隠れ家』に到着した時点で75XPになる。そしてダンジョンクリアで275XP。合計350XPになって、これで2レベルに到達できる計算だ」

アスト「たった、それだけでいいのか?」

NOVA「5版では、300点で2レベルになるんだ。職業クラスごとの違いもなく、成長はみな平等。なお、3レベルになるには900点で、最高レベルの20には35万5000点で到達できる」

アスト「クラシックD&Dのファイター20レベルは?」

NOVA「156万点」

アスト「つまり、昔に比べると扱う数字の桁が1つ減った形になるな」

NOVA「昔だったら、35万5000点だとファイター10レベルぐらいだな。それぐらいまでなら、キャンペーンで成長させたことはあるから、割と現実的な数字だと思っている」


★ゴブリンの話


アスト「ところで、NOVAよ。今回のパグマイアでゴブネズミ(データは5版ゴブリン)と戦って思ったんだが、ずいぶん強くなかったか? オレのクラシックD&Dの記憶では、あんなに攻撃を当てて来る感じじゃなかったんだが」

ダイアンナ「バリーは初戦で、いきなり気絶させられたもんな」

アスト「ああ、クラシックD&Dなら、あれで一回、死んでたところだ」

NOVA「うむ。では、改めてデータを検証してみるとするか。アストよ、クラシックD&Dのゴブリンのデータを出してくれ」

アスト「オレはプレイヤー専門だぜ。細かいモンスターデータなんて出せるはずがないじゃないか。何となくの記憶でいいなら、HD1、AC6ぐらいだったような……」

NOVA「ほう、惜しいな。正確にはHD1-1、AC6だ。お前の記憶力も、なかなか捨てたもんじゃないようだ」

アスト「へへ、こう見えても、オレはスピードAと呼ばれた男だからな」

ダイアンナ「スピードと記憶力に何の関係があるかはよく分からないが、クラシックD&D素人のあたしにも分かるように解説してくれないか?」

NOVA「アスト、こういう基礎知識はお前に任せた」

アスト「おおよ。まず、HDはヒットダイスと言って、モンスターのHPや強さを決める基準の数字。ゴブリンの場合は、D8から1を引いた数字になるので、最大7、最小1ということになる」

ダイアンナ「なるほど。ゴブネズミはスタミナ(=HP)7だったから、最大値だったということだな」

アスト「クラシックなら、期待値3.5といったところなので、ほぼ倍か」

NOVA「まあ、5版やパグマイアの場合は与えるダメージも戦士系は+2ぐらい増えている感じなので、2、3点のHP差はあまり問題にならないと思う」

アスト「確かに、モッさんのダメージボーナスは+5だったもんな。ダイスで1を出さない限りは、確実に仕留めることができる」

NOVA「いや、俺がビックリしたのは、『殺したくないから触手鞭で縛って捕虜にするでごわす。(コロコロ)ダイス目1+5で6。残りHP1』という絶妙な手加減の仕方だ。まあ、殺さない宣言をしていたから、HP 0でも気絶で済ませようと思っていたのに、HP1だけ残すなんて見事すぎる芸だ」

アスト「普通の局面なら『どうして、とどめを刺せないんだよ』とツッコミ入れられるところだが、殺さないようにギリギリで止めたって感じの状況だったよな」

NOVA「俺がゴブネズミの立場なら、あまりの凄腕に、即座に降伏してハハーと土下座しようと思ったぐらいだ」

ダイアンナ「確かに、あの〈威圧〉も凄かった」

NOVA「俺はモッさんって、リーダーだけどドジを仕出かす3枚めキャラになるんじゃないかな、と思っていたんだよ。だけど、何だか見事に侮れない堅物警察犬としてキャラ立ちしてしまい、このまま成長すれば、デカレンジャーのドギーみたいなイメージを抱いてしまいそうだ」

アスト「いや、プレイヤーは触手キングだぞ。ドギーと一緒にしちゃ、声優の稲田徹さんに失礼だ」

NOVA「むしろ、鉄太郎さんがスコップで埋葬キャラという新境地を開拓したのも、リプレイならではだな」

アスト「今後は、あの大型スコップをアイスラッガーと称した方がいいのではないか?」

NOVA「すると、スコップが回転しながら飛んできて、ザクッと刺さるのかよ」

アスト「的を外しても、地面に突き刺さり、そこが敵の墓標になる。決め台詞は『お前の運命はスコップに聞け』とかだな」

NOVA「う~ん。互いにボケネタを連発すると、止めどころが分からん。とりあえず、スコップの件は後で鉄太郎さんと相談しよう」

ダイアンナ「一つ分かったことがある。ダディーとアストは、どちらもボケ始めると、相乗効果でボケスパイラルを発動するようだ」

NOVA「お互いに相手より面白いことを言おうと夢中になる関西人魂という奴か。それより、まだHDの話しかしてないぞ」

アスト「おっと、ACの話だったな」

ダイアンナ「最近またよく聞く公共広告機構の話か?」

NOVA「それも元々は、関西公共広告機構に端を発し、設立年は俺が生まれた1971年なんだ」

ダイアンナ「……いや、こっちが珍しくボケてみせたのに、マジレスを返してくるか、ダディーは?」

NOVA「フッ。ツッコミを期待したのかもしれんが、俺のもう一つの芸、場の流れに沿った薀蓄芸だ」

アスト「確かに、ただの薀蓄なら『今は関係ないだろう』で済まされるだけだが、関西人魂がどうこうと言っていたタイミングで、ACジャパンの起源が関西にある、と聞かされると、何だか話がつながっているような気がするから不思議だ」

NOVA「そう、場の流れに沿いつつズラすのが、俺の心の師匠の一人である斎藤孝先生の主張する対話術の一つだ。ただし、ズラし過ぎて向かっている先を見失ってもいけないので、ACの話に戻すぞ。これはアーマークラスの略で、クラシックD&Dでは低い方が防御力が高い。その後、もっと分かりやすく改変されて、『ACは10を基準に高い方が良い』とするのがこの20年ほどの定番だ」

アスト「すると、クラシックD&DゴブリンのAC6を今風に換算すると?」

NOVA「20から引けばいい。つまり、かつてのAC6は、今のAC14に相当する」

アスト「ゴブネズミのACは?」

NOVA「パグマイアでは、DC(ディフェンスクラス)と呼称するが、DC15だ」

アスト「DCと聞くと、究極ロボ・ヴァルシオンを連想するオレがいる」

NOVA「バカ野郎! スパロボの話は今、関係ないだろう。同じボケるなら、DCコミックにつなげる方が気の効いたギャグと言える」

アスト「どっちも変わりねえだろうがよ」

NOVA「アスト。お前のパグマイアのキャラ名は何だ?」

アスト「バリー・ザッシュ。それがどうした?」

NOVA「愚か者、まだ気付かんのか!? お前のキャラの名前の元ネタはスピードスターのフラッシュことバリー・アレンだ。そしてフラッシュはスーパーマンバットマンと同じDCコミック系のヒーロー。すなわち、バリー・ザッシュのプレイヤーであるお前は、DCと言えば、ジャスティス・リーグ系のヒーローを連想しなければならない立場なのだ。それに気付かず、唐突なスパロボネタに走りおって。スパロボから、パグマイアにどうやって話を戻すつもりか考えてみよ」

アスト「う、うう、スパロボから犬D&Dにどうやって話を戻せばいいと言うのだ? くっ、何も思いつかん」

NOVA「そうだろう。俺もスパロボにボケてから、その後の流れに戻す方法が読めんから、そう言うボケ方はしないようにしている。ボケる場合はその後のツッコミとの応酬も含めて、二手先、三手先を読めなければ一人前のボケ芸人にはなれんと知れ」

アスト「いや、オレはボケ芸人を目指しているわけでは……」

NOVA「バカ者。ボケ芸を磨かずして、人を楽しませることなどできん。お前も関西人に生まれたからには、自分のボケの才能を磨いて、喋るだけで人を笑顔にさせるボケファイター、ボケ・ザ・ボケの栄光を勝ち取るのだ。そうなった暁には、このわしの持つキング・オブ・ハートの称号を託すとしよう……とマスター・アジアなら言うだろうな」

アスト「言うか、ボケ。東方不敗師匠が、ボケ・ザ・ボケなどと言うわけがないだろうが」

NOVA「くっ、ならば、今しばらくは、ボケ・ザ・ボケの地位はわしの物と言うことか。早く、後継者を見つけねば……ゴホゴホッ」

アスト「うわ、咳を飛ばすな。こっちに寄るな。マスクを付けろ」

NOVA「マスクか。仕方ない、こうなったらゲルマン忍者のコスプレをして……」


ダイアンナ「あのさ。さっきから話が思いきり脱線しているんだけど、ダディーはここからどうやってパグマイアに戻ってくるつもりなんだよ?」

NOVA「フッ、ゲルマン忍者に届いたなら、容易いこと。よく見ろ。これがゴブネズミこと5版ゴブリンの主なデータだ」


◉5版ゴブリン

HP7(2d6)、AC15
シミターおよびショートボウ:攻撃+4、ダメージD6+2
技能:〈隠密〉+6


アスト「ちょっと待て。〈隠密〉+6って、何だよ、その異常に高すぎる数字は? バリーの〈隠密〉+5よりも高いじゃないか」

NOVA「フフフ、ゴブネズミこと5版ゴブリンの隠密能力は、ゲルマン忍者を想起させるほど高いのだ」

アスト「おまけに攻撃+4だって? バリーやアイアンの旦那の剣並みに当てて来やがる。5版ゴブリンのデータって、ずいぶんと恐ろしいことになってるじゃないか」

NOVA「そう。仮にクラシックD&Dのゴブリンがバリーと同じAC16(クラシックならAC4)に当てようとした場合、ダイス目は15が必要なんだが、5版だったらダイス目12でいいことになる。つまり、命中率30%が45%に引き上げられた形だ」

アスト「3回に1回当たる可能性が、2回に1回になったということか。道理で当ててくると思ったぜ。クラシックのザコゴブリンの感覚でナメてたらダメだったんだな」

NOVA「ゴブネズミの意外な恐ろしさが分かったかな。こいつらは隠密で気付かれないように周囲を取り囲んで、物陰から弓を連発させて仕留めるスナイパーで、しかもシミターで近接戦闘もカバーしている。シミターも弓もダメージ期待値は5.5。この意味が分かるか?」

アスト「スタミナ12のモッさんや、スタミナ15のアイアンでも3回命中すると倒される。他は2回でアウトだ」

NOVA「まあ、クラシックD&Dでも1レベルだったら、敵の攻撃が2、3回も当たると死ぬのは一緒だけどな。ただ、5版のゴブリンの方が、より当てやすくなっているわけだ」

アスト「データが分かると、昔の感覚を修正しないといけないって納得できたぜ。今のD&Dゴブリンは、クラシックの時よりも当てて来る。昔よりデッドリーなバトルになるわけだ」

NOVA「ただし、昔はHP0が即死亡だったが、今のルールだとHP0は気絶。HP11のバリーが死ぬのは、HPがマイナス11に達したときか、気絶中に行う死亡セービングスロー(ダイス目10以上で成功)に3回失敗した時だ。さすがに、ほぼ半々で成功する判定に3回とも失敗する確率は10パーセント程しかないので、よほど運が悪くなければ何とかなるだろう。さらに、昔よりも回復手段も充実しているので、継戦能力は明らかに高まっているな」

アスト「確かに、呪文の使用回数も昔みたいに1レベルに1回とか、クレリックは1レベルではまだ呪文が使えないといったこともないから、昔よりもリソース的に厳しいとは感じなかったが、その分、敵も強くなっているということだな」

NOVA「とりあえず、データ比較から、昔と今のD&Dの違いは分かってもらえたかな。なお、パグマイア本来のルールによるドブネズミの追い剥ぎのデータはこうだ」


◉ドブネズミの追い剥ぎ

スタミナ4、DC13
ダガー:攻撃+4、ダメージD4+2
技能:〈隠密〉+4


アスト「能力的には、こっちの方がザコだな。都会のドブネズミよりも、田舎のゴブネズミの方がワイルドな分、強いと考えられる。バリーはきっと都会の弱いネズミとしか戦ったことがなかったから、今回の失態を演じてしまったんだ」

NOVA「そういうことにしておこう。では、次回はこの話の続きで、主に魔法の話をしたいと思う」

アスト「そう言えば、ルビーのマジックミサイルがいきなり3発撃てるのは、クラシックの感覚だと凄いよな。昔は1発だけだったぜ」

ダイアンナ「そうなのか?」

アスト「レベルの上昇とともに、一度に撃てる矢の数が増えていったんだよ。レベル3で2本、レベル5で3本という感じに」

ダイアンナ「つまり、今のルビーの力は、クラシック版のレベル5相当ということに?」

アスト「いやいや、レベル5だとファイヤーボールが撃てちゃうじゃないか。さすがにそこまでは」

NOVA「……といった話をするつもり」

(当記事 完)