ウルトロピカルな⭐️GT(ゲーム&トレジャー)島宇宙

南の島と上空の宇宙宮殿を舞台にTRPGや特撮ヒーローなどのおしゃべりブログ。今はFFゲームブックの攻略や懐古および新作情報や私的研鑽メイン。思い出したようにD&Dに触れたりも。

「危難の港」攻略感想(6)

魔術師ヤズトロモの話

 

NOVA「物語のゴールが見えた感じなので、一気に終わらせたい。ついにパラグラフ333番で、ヤズトロモさんと対面したわけで。しかし、その塔の外観は闇の魔力で、漆黒に変わり始めているんだな。主人公のリーサンは、闇の魔力の元凶がザンバー・ボーンの復活にあること(石工ホーレス・ウォルフの話)を伝えると、ヤズトロモさんは得心が行ったかのように2人の冒険者を塔内に迎え入れてくれる」

 

ダイアンナ「ヤズトロモさんか。話には聞いているが、あたしは会ったことがないんだよね」

 

NOVA「だったら、『運命の森』をプレイするか? 『危難の港』の次の選択肢は、FFコレクション1の『モンスター誕生』か、コレクション2の未プレイ作品『魂を盗むもの』にしようか、いろいろ候補を考えているんだが」

 

ダイアンナ「そうだね。あたしとしては、1巻の火吹山、2巻のバルサスの次は、3巻の『運命の森』がいいか、と考えてみたんだが」

 

NOVA「ただし、ヤズトロモさんの出番は、森に入る前にアイテムを売ってくれる序盤だけって感じだな。デビュー作は、ほとんど顔見せみたいなものだ」

 

アスト「旧訳は、俺口調で、老魔術師っぽくないからな。新訳が出るまで待った方がいいかも」

 

ダイアンナ「それは早くても1年先か2年先の話だろう?」

 

NOVA「まあいい。今は『危難の港』だ。キャラのリーサンは、早く夕食を食べたいだろうが、プレイヤーの俺はヤズトロモさんの書庫に興味があるので、パラグラフ241番を興味津々で読んだ。『魔王子』というタイトルの本の『スケルトン・デーモン』の章に、ザンバー・ボーンの過去が記されているが、要はこの記事にある通りだ」

アスト「元々は人間だったのが、ヨーレの森で魔術を修行していた際、ヤズトロモさんやニカデマスさんにライバル意識を持って、闇の魔術を学んでいたら、師匠に危険視されて打ち負かされた後、失踪して、再び姿を見せたら魔界の力を身に付けていたんだったな」

 

NOVA「ザンバー・ボーンはFF5巻のラスボスにも関わらず、ワールドガイドの『タイタン』にも背景情報が描かれていない謎キャラで、長らくアズール卿がボスだろうと見下されていたのが、ようやく過去の経歴が語られ、その脅威が取り上げられたのが本作なわけだ。アズール卿がザンバー・ボーンの手下だったという衝撃の事実で、これまでのFFファンの認識が引っ繰り返るほどの衝撃とも言える。ヤズトロモとニカデマスの善側2大魔術師が協力しないといけない状況が、ザンバー・ボーンの脅威をはっきり示していると言えるわけで」

 

ダイアンナ「なるほど、大変なんだな」

 

NOVA「だけど、リーサンはヤズトロモさんの作ってくれたキノコ入りの野菜シチュー、チーズとビスケットに夢中という。ハカサンと2人で、これまで食べた中で最も美味しい料理だとまで称賛する。ヤズトロモさんとの楽しい晩餐の描写の後で、翌朝、ハカサン抜きにポート・ブラックサンドへ行って、ニカデマスを連れて来るように、ヤズトロモ先生から仰せつかった」

 

アスト「何でだよ?」

 

NOVA「ハカサンは怪我をしていたから、今は長旅ができないとのこと。それに馬が一頭しかないからな」

 

アスト「馬だと!?」

 

NOVA「嬉しそうだな」

 

アスト「FFで馬の旅って珍しくないか?」

 

NOVA「珍しいな。それと、ヤズトロモさんの魔法で技術点を12にしてもらい、さらに金貨15枚を旅費としてくれた。本当に至れり尽くせりだよ。俺にも運が向いてきたと大はしゃぎのリーサン・パンザであった」

 

ダイアンナ「ただの食い詰めた残飯漁りだったのが、アランシアの命運をかけた勇者候補になったんだからね」

 

NOVA「ちなみに、ヤズトロモさんの強化魔法は、技術点を12にするか、体力点を10点増やすか、運点を12にするかの3択なんだが、技術点9じゃこれからの戦いでは生き残れないということで、非常にありがたい強化である」

 

ポート・ブラックサンド

 

NOVA「ヤズトロモさんが託してくれた馬の名は、ストームハート。道中の助言をもらって旅立つリーサン。しかし、いきなり助けを求める女の声が聞こえたので、見捨てることができずに飛び込んだら、技術点8の女ダークエルフ3人が待ち伏せていた」

 

アスト「罠ってことか」

 

NOVA「しかし、技術点12に強化されたスーパー・リーサンの敵ではない。〈悪魔の短剣〉をひらめかせ、血に飢えた猛獣のように闇の女どもを切り刻む。罠にはめた相手が悪かったようだ。金貨1枚、銅貨2枚、銀の鍵、のこぎり状ナイフを戦利品に、旅を急ぐのだった」

 

ダイアンナ「闇妖精VS悪魔剣士の凄惨な戦いなんだね」

 

NOVA「いやあ、技術点9と技術点12の違いをはっきり感じたバトルだったな。技術点8がザコに思えたわけで、相手が3人でも危なげなく勝てたのは快感だぜ。ヤズトロモさん様様って気分だ。そして、ストームハートを駆って、シルバー川とナマズ川の合流点のブラック橋に到達する。ヤズトロモさんから聞いたように、金貨1枚を料金口に投入すると無事に渡れるんだが、金を払わずに押し通ろうとすると、橋の床板がパカッと開いて、体力1点とアイテム2つを失ってしまう」

 

アスト「役に立たないゴミアイテムがいっぱいなんだから、別にいいんじゃないか?」

 

NOVA「確かにな。クリア後の再プレイなら。だけど、クリアする前は何が有用で、何が無用のアイテムか確信できないからな。無難に金貨1枚を払うに限る。その後、ブラックサンドの近くの村フラックスに到着するが、そこでクリスという女性にブラックサンドに入る裏ルートの話を聞く。それを断り、正門から入ろうとすると、性悪な衛兵に難癖をつけられて投獄ゲームオーバーだ。

「だから、クリスさんの旦那のドッドから、水路伝いに侵入するためのボートを借りて、さらに商人用の偽造通行証と偽装アイテムを買うといい。合計金貨10枚を使うが、ケチって金貨5枚のレンタルボートだけだとゲームオーバー確定になるので、金は十分使うべきだ。

「そしてストームハートをドッド夫妻に預けて、ボートに乗って川からブラックサンドに侵入する。盗賊都市の景観が解説され、プレイヤー的には懐かしい気分に駆られながらも、〈海老波止場〉から海賊たちのたむろする有名なブラックロブスター亭にたどり着くことになる。ただし、通行証を持たなければ海賊たちに捕まって奴隷にされるんだけどな。商人だけは大目に見てもらえる流儀だ」

ダイアンナ「ブラックサンドでも、ゲームオーバーが多いんだね」

 

NOVA「本家『盗賊都市』よりもゲームオーバーになりやすいな。正に『危難の港』というタイトルにふさわしい。ともあれ、リーサンの運命が決まったのがブラックロブスター亭だ。ここではサイコロ遊びをしている男たちがいる。ゲームの名前は『ダングルズ&ドラッグルズ』だ」

 

アスト「どこかで聞いたことのある名前だな」

 

NOVA「D&Dだが、TRPGではないダイスゲームだ。相手が2Dで振ったダングル・スコアに対して、自分の2Dであるドラッグル・スコアが高いか低いかを宣言する。ゲームに参加するには、ルビーが1個必要だが、幸いトロール顔の偶像のところで手に入れている。あそこをスルーするとダメだったな」

 

ダイアンナ「ルビーをギャンブルの代償に使うのか?」

 

NOVA「ザンバー・ボーン必殺アイテムのフリントロック銃を手に入れるためだ。それに勝てばいい」

 

アスト「勝てるのか?」

 

NOVA「いやあ、相手がダングル・スコアで7を出したんだよな。俺としては6以下を出すか、8以上出すかを賭けなければいけない。ここで〈幸運の骨サイコロ〉を持っていたら出目+4できるので、2Dで4以上出せばいいから、高い出目に賭けるところなんだけど、リーサンは〈幸運の骨サイコロ〉を入手しなかったんだな。だから、完全に運任せで低い目に賭けたんだ。失敗したらどうしようか、とドキドキしながらダイスを振る。

「出目は6だった。つまり、リアルで賭けに勝った。これで負けていれば、フリントロック銃が入手できずに、〈悪魔の短剣〉が最後の希望になるところだった。さすがに勝率3分の1(1Dで5か6)で生きるか死ぬかの賭けはやりたくないよ。うん、ここで勝って、フリントロック銃をゲットしたときは、思わずガッツポーズを取ったね。俺のゲーム勘もまだまだ錆ついちゃいないってな」

 

アスト「そういう喜びは、セコ技では得られないよな」

 

NOVA「ああ。『火吹山ふたたび』で残り体力2でザゴールを倒したときと、『危難の港』で残り体力4でノルグルを倒したときに次ぐ、今年のゲームブック快挙だぜ。まあ、ソード・ワールドで6連続クリティカルを出した娘の快挙には勝てないと思うが。俺がGMだったら、呆然としているだろうな」

 

ダイアンナ「『神前TRPGの儀』の話題は置いておいて、フリントロック銃を海賊相手のギャンブルで入手したって話だな」

 

NOVA「なお、フリントロック銃はまだ壊れていて使えない。そして、酒場にはスリがいて、持ち物をランダムで盗みやがるんだな。その結果、リーサンが盗まれたのは『すべての鍵』。ちょっと待て。この後、鍵を使わないといけない場面があったら、どうするんだよ!? と自分の不運を呪ったね。この時点で、鍵がなくても何とかなることは知らなかったからな」

 

アスト「ラッキーでガッツポーズを取ったり、不運を呪ったり、この場面ではテンションの上がり下がりが激しかったんだな」

 

NOVA「まさに一喜一憂していたな。そして酒場のカウンター席に戻ると、そこではオイスターベイから来たマンゴという男がいた。おい、『トカゲ王の島』に登場して、早死にした主人公の親友じゃないか。お前、生きていたのか? いや、死ぬ前の時間軸かもしれないな。リーサンは何だか知らないけど、妙に懐かしい気分に駆られたわけだ。きっと遠い前世で知り合いだったんだろうな、と思いながら、白昼夢を見るのだった」

 

アスト「白昼夢って、どういう展開だよ!?」

 

NOVA「うん。気づけば、リーサンはマンゴの船〈ブルーマーリン〉号で、オイスターベイへの航海に出発していた。しかし、嵐に巻き込まれて運だめしをする羽目になる。運だめしに失敗すると船が難破してゲームオーバー。成功すると、何とかブラックサンドに戻って来て、マンゴは積荷が流されたり、船を修理したりで慌ただしくなって、航海の話は打ち切りになった……という予知夢を見て、ハッとリーサンは気付く。ザンバー・ボーンの件があるのに、船旅なんてしている場合じゃないって(爆)」

 

ダイアンナ「なるほど、ゲームのストーリーを考えると、あり得ない選択肢ってことだね」

 

NOVA「あくまで、ファンサービスの旧作懐古ネタってことだな。なお、スコラスティック版の復刻を含めたFFリストは以下の通りだ」

 

1.火吹山の魔法使い(2017、※1)

2.盗賊都市(2017、※1)

3.バルサスの要塞(2017、※1)

4.運命の森(2017)

5.地獄の館(2017、※2)

6.危難の港(2017、新作、※2)

7.モンスター誕生(2018、※1)

8.死の罠の地下迷宮(2018、※2)

9.サイボーグを倒せ(2018、※2)

10.トカゲ王の島(2018)

11.ソーサリー1:魔法使いの丘(2018)

12.死の門(2018、新作)

13.雪の魔女の洞窟(2019)

14.ソーサリー2:城砦都市カーレ(2019)

15.アランシアの暗殺者(2019、新作)

16.火吹山の魔法使いふたたび(2020、※1)

17.嵐のクリスタル(2020、新作)

18.ソーサリー3:7匹の大蛇(2022)

19.ソーサリー4:王たちの冠(2022)

20.巨人の影(2022年9月予定)

21.サラモニスの秘密(2022年9月予定)

 

NOVA「※マークはFFコレクションに邦訳された作品だな。パフィン版の34巻『魂を盗むもの』を除けば、基本的にスコラスティック版の商品展開に合わせる形で、新邦訳は動いている。となると、次の邦訳展開もここから予想できる部分も大きいわけだ」

 

アスト「なるほど。リビングストンは『運命の森』『トカゲ王の島』『雪の魔女の洞窟』『アランシアの暗殺者』と新作『巨人の影』が候補に挙がり、ジャクソンは『ソーサリー4部作』と新作『サラモニスの秘密』が候補に挙がる、ということか」

 

NOVA「もちろん、旧作から引っ張ってくる可能性もゼロではないが、確定情報が出るのはGMウォーロックの8号(たぶん年末〜年始発売)だろうな。まずは、9月のFF40周年記念イベントと新作2本の発売次第だ。

「話は寄り道したけど、『危難の港』の作品発表背景を考えると、『火吹山』『盗賊都市』『運命の森』を復刻させた同年になるので、それらの作品の後の話。そして翌年に『死の罠の地下迷宮』『トカゲ王の島』が復刻予定なので、それらの前日譚としてストーリー展開されたと考えると、しっくり来る。現に物語のラストで、これから『死の罠の地下迷宮』に挑戦しようとか、『トカゲ王の島』で死ぬ予定のマンゴが顔見せしていることもあるからな。

「もちろん、『トカゲ王の島』ではマンゴは死んでおらず、主人公からは瀕死の重傷を負って死んだと思われていただけで、実は後から復活したという脳内補完も可能だがな。この辺の公式見解はどうなっているのか、気になるところだ。まあ、俺的には『危難の港』の後で『トカゲ王の島』という時間軸で現状納得しているわけだが」

 

ニカデマス救出

 

NOVA「さて、ブラックロブスター亭でD&Dギャンブルに運良く勝って、フリントロック銃を手に入れたリーサンは、次に『フィンバーの花火店』に入る。ここで金貨3枚を払えば、黒色火薬を買って、銃の修理もしてもらえるので、是非そうすべきだ。フィンバーさんにお礼を言って、〈悪魔の短剣〉とフリントロック銃で武装したリーサンは、『腹ペコ悪魔海賊』と名乗ろうかとしばし悩む。英語風に言えば、ハングリー・デビル・パイレート(HDP)といったところか」

 

ダイアンナ「自分で『腹ペコ』を自称するのはダサくないか?」

 

NOVA「こういうネーミングは多少ダサいぐらいの方が、親しみやすさに溢れていいんだよ。まあ、本当に海賊団を率いたら、『腹ペコ海賊団』というのでは威厳に欠けるので『血肉に飢えし海賊団』とでもアレンジして箔をつけるんだろうが、今はそこまでの威厳は求めていない。それより、ニカデマスさんのいる〈歌う橋〉に向かっていたら、ニカデマスさんがアズール卿配下の衛兵たちに拉致されていく現場に出くわした」

 

アスト「そいつは見過ごせないな」

 

NOVA「ああ。助けに行こうとしたら、カオス・ウォリアーのクラッシュが立ちはだかるんだ。技術点10、体力点11の強敵だが、ヤズトロモさんの魔法でパワーアップしたスーパー・リーサンの手に掛かれば、たちまちコテンパンだ。ざまあ見ろってんだ、この野郎、この野郎って〈悪魔の短剣〉で切り刻む」

 

アスト「いやいや、やり過ぎだろう。それじゃあ、ヒーローとは呼べん」

 

NOVA「フッ、元快盗のお前にヒーロー云々をとやかく言われるとはな」

 

アスト「元快盗だからこそ、美学ってものを大切にするんだ。美学を失った快盗は、ただの悪党だ。オレは悪党にまで落ちぶれたくはないぜ」

 

ダイアンナ「それよりも、そいつが奪った【炎蛇の指輪】はどうなったんだ? 相手の命よりも、お宝を奪うべきだ」

 

NOVA「むっ、それは正論だ。そうとも、俺はトレジャーハンター。命の狩人ではない。さあ、【炎蛇の指輪】のありかを吐け、そうすれば命だけは助けてやる、とブラックサンドの流儀で脅迫したんだが、『もうアズール卿に手渡した。これで我が主ザンバー・ボーンを止める者はいない。アランシアはおしまいだ』と悪態をついたので、『ならば死ね』とトドメを刺した」

 

アスト「殺したのかよ」

 

NOVA「放っておいても死ぬから、楽にしてやったんだ。ついでに何か良いものを持っていないかな、と遺体を探っていたら、技術点+1の〈混沌戦士の籠手〉を装備していたので、悪魔海賊の箔をつけるために身につけた。さらに、こいつの懐に何と! 【炎蛇の指輪】が入っていたんだな。何だ、持っているじゃないかよ。最初からそう言っていれば、命まで奪うつもりはなかったのにな。つまらない意地を張りやがって、バカな男だぜ、クラッシュさんよ〜。まあ、この俺、リーサン様がお前の籠手を手土産に、アズール卿の宮殿に乗り込んで行ってやるからよ。すぐに、お前のご主人さまも地獄の道連れに送ってやるからな〜」

 

アスト「完全に悪役のセリフじゃないか。オレでも、そこまで言えねえぞ!」

 

NOVA「GM経験の賜物だな。まあ、あれだ。悪を倒すには、その上を行く極悪でないといけない仕置人の流儀だな。とにかく今はブラックサンドにいるんだから、これぐらいが郷に従っていると思うぜ。空気の読める男なんだ、リーサン・パンザは」

 

ダイアンナ「空気が読めるんだったら、さっさと衛兵たちに捕まったニカデマスさんを助けに行かないか」

 

NOVA「おっと、そうだったな。【炎蛇の指輪】は持ち主のニカデマスさんの手になければ機能を発揮しない、ただの宝の持ち腐れだと、指輪が喋ったような気がしたので、すぐに助けに行くぞ。金貨1枚で衛兵の行方を教えてくれると言う親切な少年がいたので、お小遣いをやると〈宮殿通り〉へ向かったそうだ。別の通りは〈川通り〉〈神殿通り〉〈市場通り〉〈糸通り〉だが、まあ、いろいろと推理して〈糸通り〉に向かうと、技術点6とか7の強盗3人に襲われる。命知らずのバカどもを悪魔の短剣のいけにえに捧げて、銅貨3枚と〈黒真珠〉をゲットした」

 

アスト「おお、〈黒真珠〉か」

 

NOVA「ああ、これで〈ロータスの花〉〈魔女の白髪のロケット〉〈黒真珠〉をコンプリートしたので、後は〈銀の弓矢〉と〈一角獣の額の彫り物〉をゲットすれば、ザンバー・ボーンを倒しに行ける。『ベン・ボリマンの銀細工店』と『刺青師ジミー・クイックティントの店』はどこだ?」

 

アスト「それは別のゲームだ。『盗賊都市』はオレが攻略済みだ。お前は『危難の港』に集中しろ」

 

NOVA「おお、そうだったな。ブラックサンドにいるから、過去と現在がごちゃ混ぜになっていたぜ。今、目指すべきは〈宮殿通り〉だ。待ってろ、アズール卿。今、悪魔海賊が会いに行ってやる」

 

ダイアンナ「アズール卿に会えるのか?」

 

NOVA「いや、リーサンが駆けつけたら、ちょうど宮殿から例の暴走馬車が出発するところだった。走り去る馬車の窓越しに、ちらっと濃紺のローブ姿が見えるぐらいだな。顔は青い布で隠されていて見えない。相変わらず謎キャラだぜ。この続きの『アランシアの暗殺者』でついに対面の機会があるみたいだが、それは未来の話だ。今は、ニカデマス救出のために主人のいない宮殿への侵入作戦を開始する」

 

アスト「どうするつもりだ? こっそり壁を乗り越えるか?」

 

NOVA「リーサンは自称・海賊だが、盗賊ではないので、そんな器用なマネはできない。とは言え、正面から堂々と突入して、自分から不利な状況に陥るほどのバカでもないので、『衛兵を気絶させて、兜と鎧をゲットして変装する作戦』で行く。ショッカーアジトに潜入するために、一文字隼人や滝和也がよくやる手だ。戦闘員のコスチュームを着るのは潜入の基本だな」

 

ダイアンナ「例に挙げるのが昭和なのは、今の若者に分かるのかね?」

 

NOVA「だったら、海賊戦隊だってザンギャック帝国に同様の変装作戦をしたことがあったぞ」

 

アスト「海賊戦隊だって、もう10年前のネタだぞ」

 

NOVA「だって、ドンブラで潜入作戦なんて考えられないだろうが。まあ、ゼンカイではあったような気がするが、そんなことはどうでもいい。衛兵の後ろに忍び寄り、剣の柄で背後から頭を殴り、後ろに倒れた相手を抱き止めて、近くの小路に引きずり込んだ。そして衛兵の装備を身につけていると、物陰から見ていた盗賊の一団が『俺たちのために何かを残しておいてくれや。さもないと……どうなるか分かってるな』と脅しの声をかけてきたので、『欲しければ好きにしろ』と可哀想な衛兵の身柄を連中に引き渡してやる。何かと描写が細かいなあ、とプレイヤー心に思いながら、悪魔海賊から偽装衛兵に変装したリーサンはまんまと宮殿に侵入を果たす」

 

ダイアンナ「なるほど。昔の作品に比べて、ストーリー密度が高いんだね」

 

NOVA「だから、攻略記事も予想より長くなった感じだな。とにかく、何も知らない新兵を装って、囚人たちを収容する独房および拷問室のありかを聞き出して、そちらに向かうんだが、ここで建物に入るのに〈真鍮の鍵束〉を求められるんだな。ブラックロブスター亭でスリ取られていたから、やむなくノックして開けてもらうことになった。そこで今回のブラックサンドのラスボスと言うべき近衛兵トロール(技術11、体力11)が出て来る」

 

リーサン『へへへ。トロールの旦那。あっしは例の魔術師を拷問するために派遣された、〈残飯漁りのリー〉と申す者。身分証明のためにカオス・ウォリアーのクラッシュさんがこの籠手を見せよって渡してくれたんでさあ。牢の囚人はあっしにとって残飯みたいなもの。残り滓のスィーティーな悲鳴を味わうのが何よりも楽しいのでさあ。この〈悪魔の短剣〉で切り刻むのは至上の快楽なのですよ』

 

近衛トロール『お、おお、お前のような奴が来るとは聞いておらんが、まあ、いつものことだ。仕方ない。ついて来い。ただし、やり過ぎて殺すなよ』

 

リーサン『ヘイ。殺さずに痛めつける方法はたんまりと心得ていますので』

 

アスト「……って、そんなロールプレイかよ。リーサンの奴は」

 

NOVA「ああ、いざとなれば、いくらでも卑屈な悪党として振る舞えるぞ。プライドのかけらもないからな。小悪党演技はバッチリだ」

 

アスト「オレでも、そこまではできねえよ」

 

NOVA「俺も残飯漁りって設定がなければ、こんなキャラにはしなかったよ。仕方ないじゃないか、〈悪魔の短剣〉の影響で半ば狂気に冒されているんだから」

 

ダイアンナ「何とも酷い主人公だね」

 

NOVA「そして迫真の演技に騙された近衛トロールを不意打ちする。敵は強かったが、こっちもヤズトロモさんパワーで強化されている。普通では勝てない相手を何とか仕留めることができた。近衛だけあって、金貨22枚も持っていたので、ニッコリ微笑を浮かべつつ、牢屋の様子をざっと見渡す。捕まっているのは荒くれ船乗りの集団が多く、他に一人の女性と、それから老魔術師ニカデマスを発見。女性は亡きホーレス・ウォルフの妻のルアンナ・ウォルフ。アズール卿が石工のホーレスに儀式に必要な要石作りを強要するために、人質にとっていたんだな。ホーレスの死の話を打ち明けると、彼女はわっと泣き出す。

「ルアンナを慰める言葉を持たないので、意識を失っているニカデマスの方に集中していると、荒くれ船乗りが『俺たちを解放してくれたら、気つけ薬をやるぜ』と提案してくれたので、同意してニカデマスを目覚めさせた。そして、ニカデマスの指揮で、牢屋に捕まっている囚人を解放して、武装蜂起しようって話になったんだ。さすがは若い日に正義心に駆られて悪者退治の冒険を繰り広げたアラコール・ニカデマスさんだけあるぜ、ここぞというところでは肝っ玉が座っているなあ、と見直した」

 

アスト「『盗賊都市』では、もう年だから無理じゃ、お前に任せた、と仕事を丸投げした挙句、ボケた情報で主人公を困惑させて、とあるプレイヤーに『ニカデマスを殴ってやりたい』と言わしめたそうだからなあ」

 

NOVA「リーサンはそんなことを知らないので、てきぱきと指示するニカデマスさんを尊敬の目で見る。1分だけ時間を止められる〈時間停止〉の魔法も知っているし、やるな爺さん、と声をかけた。ルアンナさんも夫の仇討ちのために同行させてくれ、と訴えたし、ここにポート・ブラックサンドの大脱出作戦が始まった」

 

ダイアンナ「おお、盛り上がる展開じゃないか」

 

NOVA「ただし、一斉蜂起した船乗りたちに同行すると、気を取り直した衛兵たちがクロスボウを撃ち放って反乱鎮圧にかかり、自分も撃ち貫かれてゲームオーバーになってしまうから注意な。彼らに陽動を任せている間に、自分はニカデマスさんとルアンナさんを連れて、船で逃げ出すのが正解。こちらにもクロスボウの矢が飛んでくるが、運だめしに成功すれば無傷、失敗しても2点のダメージだけで済む。

「ともあれ、ブラックサンドを無事に脱出できたので、ニカデマスさんに【炎蛇の指輪】を渡して、いろいろと経緯を話す。ヤズトロモさんの同志の大ガラス、ヴァーミスラックス(師匠の名前にちなんで名付けられた)からの連絡もあって、これからヤズトロモさんの塔に戻って、復活したザンバー・ボーンを打倒する作戦が決行されることになる。今回はここまでだ。次の記事で完結するだろう」

(当記事 完)