ウルトロピカルな⭐️GT(ゲーム&トレジャー)島宇宙

南の島と上空の宇宙宮殿を舞台にTRPGや特撮ヒーローなどのおしゃべりブログ。今はFFゲームブックの攻略や懐古および新作情報や私的研鑽メイン。思い出したようにD&Dに触れたりも。

「モンスター誕生」攻略感想(6)

ダンジョンNG編

 

リバT『前回は無事にダンジョンを脱出して、外の世界へ一歩踏み出したキャプテン・モンスターさん。今回は、外の世界の探索を開始する前にダンジョンの未探索エリアを見て回りたいと思います』

 

アスト「ゲームブックでは、正解ルート以外の外れルートもあるもんな。運が良ければ、正解ルートを順調に進んでゴールまで行き着けて、外れルートの面白いイベントは知らないまま、解いた気になっているケースもある」

 

ダイアンナ「だけど、完全攻略のためには、グッドエンドではないバッドエンドなんかもチェックする必要がある、と」

 

リバT『とりわけ、ジャクソンの作品の場合、外れルートにも力が入って、味わい深いイベントが多いですからね。道を一つ間違えただけで、すでに攻略不可能になっているにも関わらず、物語自体は延々と引っ張って来るケースとか。ゲームクリアのみを考えるなら、外れルートなのにあっさりゲームオーバーにしてくれない作風は、意地悪な構造と言われがちなのですが(意地悪だけど面白いので、半分は褒め言葉)、物語の世界観を味わうには失敗したルートの魅せ方(当たりルートと比べても遜色ない描き方)が作品の奥深さに通じるのだと思います』

 

ケイP『だけど、外れルートと知りながら、プレイを続けるのは気分が乗らないッピ』

 

リバT『初見だと、当たりルートか外れルートか分からないので、正解を探るための試行錯誤が付き物ですが、プレイ済み、あるいは攻略ブログなどで擬似的に物語を体験済みの場合、何が正解かはおおよそ分かっているので、裏話的な失敗ルートを後から拾い集める楽しみができるわけです』

 

アスト「他人の成功話は参考にもなるし、そこに感情移入して自分も頑張ろうって前向きにもなれるが、成功話の裏の失敗譚はもっとヴァラエティ豊かで悲喜交々だからな。人生酸いも甘いも噛み分けるためには、失敗やバッドエンドのペーソスを経験しないといけない」

 

ダイアンナ「失敗があるからこそ、成功が引き立つってことだね」

 

外れルートの理由

 

リバT『当ダンジョンから脱出するために必要なのは3つ。「隠し扉を見つけるためのペンダント」「言葉の煙による暗号解読能力」「魔術師ハニカスからもらうダラマス殺しの指輪」です。それらを入手し損なうと、ダンジョンから外に出ることはできません』

 

アスト「最後まで行き着くためには、他に『水晶の棍棒』と『ザラダン伝記からの情報』『エルフの粉イベント』が必要だけどな」

 

リバT『ジャクソンの作品にしては、必要アイテムの数が多いのも、本作の難易度を上げている要因ですね。とりわけ「エルフの粉」を見つけるのが難解と思われます』

 

ダイアンナ「ペチャクチャ獣に誘われて、罠にハマるギリギリで違う窪みを探すというのは、なかなか思いつかないよ」

 

リバT『パラグラフを一通りチェックしてみないと気が済まない性格……でないと困難でしょうね。ともあれ、理性煙のイベント(382)を経験して早速のルート選択(西か東)で、西(51)を選ばないとペンダントが手に入らないので、その時点で攻略が詰んでしまいます。当記事は、そこから東(33)へ進んだ場合のイベントを網羅していきます。最終的には、道が5通りに分岐していきますね』

 

ダイアンナ「そんなに分かれるのか!?」

 

リバT『ええ。東西に分岐しながら北へ北へと進んでいくのですが、便宜上、西から順に第1〜第5ルートと呼称しましょう』

 

第1ルート

 

リバT『東33から、北に曲がる道(311)と東に進み続ける道(390)の二つに分かれますが、北へ向かうのが第1〜第3ルートになります。通路を歩いていると、毛むくじゃらの獣(ヘルハウンド)の死体が転がっています。これを食べるという選択肢が出ますが、食べると腐っていて4点ダメージを受けてしまいますね。このモンスターさんは結構丈夫な胃袋を持っていますが、ダンジョン内で唯一ここだけが食当たりを起こすケースです』

 

ケイP『ここを通らなくて幸いだッピ』

 

アスト「腐った犬の肉なんて食べたくはないもんな」

 

リバT『その後、道は東西に分かれます。東(326)へ進むと第3ルートですが、今は西(353)へ向かいます。ここにはドブドロ川があって、さっき腐った肉を食べていれば、川の臭いと相まって、さらに2点のダメージを受けますが、川の橋はあっさり渡れて、道はまっすぐ西の第1ルート(149)と北へ曲がる第2ルート(172)に分かれます』

 

ダイアンナ「つまり東から北→西→西が第1ルート、北→西→北が第2ルート、北→東が第3ルートだと」

 

リバT『そうです。第1ルートだと、149で落とし穴に落ちて3点ダメージを負ってしまい、良いところなしのまま、パラグラフ257に到着します。隠し扉(237)に通じた場所なのですが、ペンダントがありませんので、発見できず。そこから西へ行って、言葉の煙イベントに遭遇する流れでしょう』

 

ダイアンナ「後でマッピングして欲しいところだね」

 

リバT『では、第2ルートを説明した後にでも』

 

第2ルート

 

リバT『第2ルートは、ドブドロ川を渡ったところで北に進むルート(172)ですが、すぐに頑丈そうな扉があります。その扉を開けると、15番の木箱部屋に入ることになりますね』

 

ダイアンナ「木箱部屋?」

 

リバT『こちらを参照してください』

 

ダイアンナ「ああ。魔術師ハニカスさんの次のイベントか」

 

リバT『では、ここまでをマッピングしてみます』

 

西から→373

    ↓

倉庫ー15木箱部屋→49橋

     ↑

257へ  172

 ↑   ↑

落とし穴ーー川橋ーーー326

          l

        腐った肉

          ↑

正解ルート←理性煙→33→390

 

 

アスト「木箱部屋からは東西南北4つの扉があったんだが、そこに入ると、強制的に東へ進むことになるんだな」

 

リバT『373番の通路から、ハニカスさんの部屋と15番の木箱部屋の位置関係を、(4)の地図では多少間違っていた部分があったので、今回、そちらも修正させてもらいました。木箱部屋の北が373からの通路につながっていて、西は何もないガラクタ倉庫、南が今回の172の通路につながっていたという構造ですね。また、第1ルートの場合は、落とし穴から落下して257へ到着するという形なので、地図ではつながっていないのですが、149の落とし穴では「下にわらがしきつめられてあった」と書かれてあり、257でもしっかりとわらの記述があって、話の整合性は保たれています』

 

ダイアンナ「違った番号のパラグラフから、同じ番号に合流した際の状況描写の整合性は、ジャクソンの場合、丁寧に描かれているみたいだね」

 

リバT『ゲームブックを解析する際に、分岐による話が上手く矛盾なくつながるのは当然ですが(そこが破綻していると興醒めである)、情景描写まで適切につながっていると、作者の丁寧な職人ぶりを味わえますね』

 

ケイP『ある部屋に一方から入っただけじゃ、よく分からなかった記述が、別の方向から入ったときに意味を帯びて来るというケースもあるッピね』

 

ダイアンナ「一つのシーンでも、どういう角度から見るか、どういう経緯でそこに至ったかで、違う見え方、感じ方ができるってことだね」

 

第3ルート

 

リバT『さて、次はパラグラフ326番です。腐った肉を食べたあと、東へ向かうと、キーキーという音が聞こえてきて、警戒を強めます。西に戻って、第1もしくは第2ルートを選び直すこともできますが、そのまま進むと、道は北に折れて、パラグラフ441で東西への分岐に至ります。先ほどのキーキー音は「木の柱にぶら下がった標識」だったんですが、このルートだと何て書いてあるのか読めません』

 

ダイアンナ「言葉の煙イベントが起きていないからね」

 

リバT『それでもプレイヤー知識で読むと、イエローストーン金山はこちら」と書かれてあって、東が示されていますね。ここで西に進むとドブドロ川の橋があって、渡ると運だめしを要求されます』

 

アスト「例によって、失敗したら死ぬんだな」

 

リバT『例によらず、成功しても死にます』

 

アスト「何じゃ、そりゃ!?」

 

リバT『失敗したら、川落ちして汚い水に呑まれて、耐えられない死に方をします。成功したら、運良く落下の際、突き出した岩に頭をぶつけて気を失い、それ以上、悪臭で苦しむことなく、楽な溺死ができます。同じ死に方でも、苦しみながら死ぬのと、苦しまずに楽に死ねる違いですね』

 

アスト「そんなのは五十歩百歩じゃないか」

 

リバT『というか、このルートに来ている時点で、ゲームオーバー確定なんですから、どっちに転んでも結果は同じなんですけどね。まあ、川落ちが嫌なら、441から東へ進んでください。パラグラフ122から書斎とか狂獣の部屋に行けますよ』

 

ダイアンナ「言葉の煙イベントが起きていないから、情報は手に入らないんだろうけどね」

 

第4ルート

 

ケイP『何だか、どのルートを選んでも、あまりいい目に合わない感じがするッピ』

 

リバT『ヘルハウンドの腐った肉を食べたことで、呪われてしまったようにも見えますね。しかし、それなら最初に東の390へ進むといいでしょう。ここにはモンスターさんが何よりも欲しいものが見つかります』

 

ケイP『何だッピ?』

 

リバT『ホビットが3人います』

 

ケイP『餌だッピ♪  かっぱえびせんを見つけたオラのように、目を輝かせるッピ』

 

リバT『選択肢は、「敵が全員、油断するまで待つ」「即座に襲いかかる」「ホビットを無視して、部屋を通過して東の扉から出る」の3択なんですが、どれを選んでも、結局、ホビット肉の誘惑には抗えず、即座に襲い掛かってしまうんですね。理性どこ行った? っとツッコミ入れたくなるぐらいです』

 

ダイアンナ「ホビット肉の前では、なけなしの理性も勝てないってことか」

 

リバT『ホビットの技術点は5とか6で、もう好きなだけ倒し放題ですね。運悪くダメージを受けても、3体も食べたら体力点は全快で、このハッピーな祝祭に運点まで1点回復してくれます。さらに金貨12枚のボーナス付き。初見だと、大当たりのパラグラフだと言えましょう。ホビット万歳♪』

 

アスト「で、ホビット戦後は?」

 

リバT『北への道に引き返して、腐った肉と出会うか、東へ向かうことですね』

 

ケイP『腐った肉は嫌なので、東へ向かうッピよ』

 

リバT『東の153からはまた分岐ですね。北(232)へ向かうのが第4ルート。東(84)へ向かうのが第5ルートとしておきましょう』

 

ダイアンナ「まずは北か」

 

リバT『狂獣の部屋ですね。第4ルート終わり』

 

アスト「呆気ないな、オイ」

 

リバT『どうせ攻略失敗ルートなんだから、ここはあっさりですね』

 

第5ルート

 

リバT『ホビット部屋を抜けて、さらに東へ東へどんどん進むと、84から268番の部屋に入ります。ここで瞬いている光を調べると、それは目くらまし虫(ブラインディング・ビートル)が発するもので、目つぶし攻撃をくらって、黒い床罠にハマって死んだり、毒スライムにまとわりつかれて死んだり、死に方がランダムで選べます』

 

ケイP『ホビット肉が最後の幸せだッピ』

 

リバT『もう少し長生きしたければ、部屋を調べずに北に向かい、さらに途中の黒い床罠をいちいち調べて死ぬ危険を冒さなければ、ペチャクチャ獣の部屋に行けますよ』

 

西から→373         書斎   鉄格子からダラマスへ

    ↓           l        ↑

倉庫ー15木箱部屋→橋ーーーーー122→狂獣→ペチャクチャ獣

     ↑    死の橋←441ーーl         ↑                 ↓

257へ  172        l      l                  l

 ↑   ↑       ↑                       l           黒い床罠

落とし穴ーー川橋ーーーー326                     l                 ↑

          l                                   l                 l

        腐った肉    153粘液の気配ー268目くらまし虫   

          ↑           l           

正解ルート←理性煙→33ーホビットーーー

 

 

リバT『ということで、5つのNGルートの全てを(4)の地図とつなげてみました。面白いのは、第3ルートの死の橋と、第5ルートの黒い床罠ですね。木箱部屋から東へ行く際の橋は、運だめし成功で渡れるのですが、同じ橋なのに441から逆方向の西へは絶対に渡れないようになっています。ただ、違うパラグラフ番号(49と265)なので、地図でつなげてみないと同じ橋ってことが分からない仕掛けですね。

『また、ペチャクチャ獣の南の黒い床罠も同様です。南から北へは、罠をスルーして無害で通り抜けられるのですが、北から南へはスルーできずに絶対死ぬ仕掛けになってます。双方向で行き来できる場所もあれば、逆走すると容赦なく殺しにかかる場所もあって、作者の強制力が感じられるというもの』

 

ダイアンナ「ところで、目くらまし虫の前の粘液の気配って何だ?」

 

リバT『ああ、それは、この辺りでねばねばした液が不愉快だって記述があるのですが、とりあえずは実害がないんですね。ただ、目くらまし虫で目が見えなくなった際に、ランダムダイスを振って1〜3なら、北に進んで黒い床罠をスルーできずに死亡。4〜6なら、西から北に進んで粘液の発生源である毒スライムにまともに飛び込んで死亡という展開です。言わば、この辺が複合罠になっていて、単体では簡単にかわせる罠が失明というバッドステータスと組み合わせると途端に脅威になるという手の込んだ仕掛けですね。文章を読むだけだと、割と流し読みしてしまいますが、攻略記事のために解析したり、仮に自分でこのダンジョンを元にTRPGシナリオを作ってみようとしたなら、ジャクソンの仕掛けの巧妙さにおおって感じるわけで』      

 

イエローストーン金山

 

リバT『では、次にイエローストーン金山について見て行きましょう。ここもデッドエンドルートなので、最終的にはどう進んでも死んでしまうという袋小路なんですが、あまりに丁寧に作っているため、袋小路と感じさせない(気づくのに時間がかかる)という代物です。どうせ死ぬんだからと手抜きせずに、死ぬと分かっていても、そこに至る物語の流れがドキドキ面白く堪能できて、デッドリーな世界観をたっぷり味わえる。しかも、それがダンジョンだけでなく、外の世界に出てからも相変わらずデッドリーということで、ザラダン・マーの周辺の世界はいたるところで芳醇な死の匂いに満ちあふれているわけですね』

 

ダイアンナ「ダンジョンの外に出ても、こんな感じなのか?」

 

リバT『はい。このゲームブックは野外での行動自由度が結構高く、いろいろな場所を回って探索できるのですが、正解の道筋は一つだけなので、攻略自由度は高くないんですね』

 

アスト「行動自由度が高いのに、攻略自由度は高くない。矛盾しているように聞こえるが、事実そうなんだよな」

 

リバT『いろいろな場所を調べて回ることができるので、ストーリーが一本道とは感じにくい。ただし、正解じゃないルートがいっぱいあって、探索した挙句、バッドエンドとか脱出不能のループとかで、正解に運良く当たるまで、いろいろな分岐をしらみ潰しに調べてみる。逆に正解の道筋だけ通って、バッドエンドの寄り道をしないと、見えて来ない物語イベントがいくつも用意されているのです』

 

ダイアンナ「バッドエンドも含めて、世界の隅々まで探り当てて、初めて作品を感じ尽くしたと言える、と」

 

リバT『もっとも、バッドエンドのルートが面白いかどうか、正解以外の物語をチェックするのが楽しめるか不毛かは、作者の物語センスが問われて来ますね。その点、ジャクソンやリビングストンはバッドエンドにもユーモアや想像力を掻き立てる記述があって、解析し甲斐があるというもの。イエローストーン金山もその一つです』

 

アスト「イエローストーン金山に入る条件は、隠し扉発見のペンダントを持っているけど、言葉の煙で暗号解読の力を習得していない場合。またはハニカスさんから対ダラマス指輪をもらっていなくて、ダラマスを倒せずに逃げ出した場合。あるいはパラグラフ90に敢えて進まずにイエローストーン金山の方に興味を抱いた場合、の3パターンぐらいか」

 

リバT『暗号解読の方法を知らないまま、隠し扉で213から233に来た場合、90というパラグラフ番号を知らずに、イエローストーン金山へ行くことが正解と思いこむ可能性がありますからね。では、前回、79から南の螺旋通路は確認しましたので、今回は西の橋を渡った後の話です。パラグラフ番号は221。そこから西の扉(425)に進むか、壁から突き出した石が不安定な階段を構成している区画(313)に降り立つかを選べます』

 

ケイP『先に西の扉を確かめるッピ』

 

リバT『表札が掛かっていて、もしも言葉が読めたら、こう書かれています』

 

表札『イエローストーン金山。関係者以外、立ち入り禁止』

 

リバT『読めるかどうかに関わらず、モンスターさんは鍵のかかった扉を体当たりで強引に開けようとします。すると中から黒エルフが出て来るんですね』

 

黒エルフ『そう、かっかするな。いったい何の用だ? 仕事が欲しいのなら、明日来てくれ。今日、何人か死ぬだろうからな』

 

リバT『黒エルフの傲慢な態度が気に入らないという理由で、言葉が通じるかどうかに関わらず、モンスターさんは黒エルフをいきなり攻撃します。すると、襲われた黒エルフは呼び子を鳴らし、配下のカオス・ウォリアー(技9、体8)が出現します。このカオス・ウォリアーが無限ループで倒しても倒しても、どんどん後続が発生してキリがないんですね。便宜上、最初の1体をCW1と称すると、こういう流れになります』

 

・275:CW1(技9、体8)。倒すと256へ。

・256:CW2(技8、体7)。倒すと39へ。

・39:CW3(技9、体7)。倒すと397へ。

・397:CW4(技7、体8)。倒すと46へ。

・46:CW5(技8、体8)。倒すと39へ。

 

リバT『微妙に能力の違う5種類のカオス・ウォリアーと順ぐりに延々と戦っているうちに、やがてプレイヤーは思うわけですね。まだ出て来るのかよ!? いつまで戦い続けたらいいんだ? もしかして……とパラグラフ番号を記録したり、文章記述などからふと繰り返しが起こっていることに気が付いたりして、思うわけですよ。やられた、ジャクソンの奴め(苦笑)』

 

アスト「閉じ込められて出られない区画とか、延々と戦い続けることになるループとか(戦闘で負けて死亡する方が諦めがつきやすい)、本作は素直にバッドエンドとならずに、じわじわと自分が詰んでいることに気づくイベントが多いな」

 

リバT『とにかく、金山の現場監督とか労働者頭っぽい黒エルフさんは倒せないということが分かって、南の313に降りて行くようにします。運だめしを要求されて、失敗したらドブドロ川に落下して死亡。成功したら、パラグラフ65番に降り立つことができて、そこから左(182)と右(424)への分岐があります』

 

ケイP『左に行くと?』

 

リバT『鉱窟で労働奴隷が働かされている現場を目撃しますね。奴隷労働はイヤなので、こっそり逃げ出すなら78へ。奴隷労働に興味を持って、中に紛れ込むなら94へ。なお、どちらを選んでも、ここに来たら最後、ゲームオーバーです』

 

アスト「バッドエンドの中身は、まあ聞かなくても問題ないか」

 

リバT『いいえ。どっちも意外な展開なので、聞く価値がありますよ。78番では、こっそり逃げ出そうとしたら、そこに何故かホビットが現れて、モンスターさんは思わず状況を忘れて、ホビットを捕まえようと騒ぎになるわけですね。結局、たくさんの現場監督に囲まれて、一生、労働奴隷にされてしまうエンドです』

 

ダイアンナ「ホビットを見ると、理性が吹き飛んでしまうせいで、バッドエンドかい。どれだけホビットが好物なんだ、と本作ならではのツッコミネタだね」

 

リバT『一方、自分から労働者として志願した感じの94番ですが、相棒のトロールさんと協力して大箱運びの力仕事を頑張ります。真面目に働いていれば、いつか明るい外の世界に出られるかも、と思いながら。しかし、度重なる過酷な労働でトロールさんが力尽きて倒れ、自分もつられるようにフラフラとバランスを失い、足を踏み外してドブドロ川に落下エンドという幕切れ』

 

アスト「ドブドロ川エンドって一体いくつあるんだろうな?」

 

リバT『攻略の最後に数えてみましょうか。とにかく、金山での労働は過酷なので、もはや生きて脱出はできないというオチです。一方、左の182ではなく、右の424へ進むと、真っ暗闇の洞窟探検をせざるを得ません。そして、光のある方向を目指すと、結局、182に合流しての労働奴隷まっしぐら。暗闇の右に進み続けると、108で泥にずぶずぶと踏み込んでしまい、そこに巣食う泥スライムの餌食になってしまうという顛末です』

 

黒エルフと

無限混沌戦士←221←橋←79←233

        ↓              l

       313        螺旋通路

        ↓

  金山での←65→暗闇で泥スライムの餌食

    労働エンド

 

リバT『そんなわけで、様々な死に方がたっぷり味わえるバッドエンドファンのためのアンハッピー物語をお送りしました。皆さまはどんな死に方がお好みでしょうか?』

 

アスト「ろくな死に方がないじゃないか。汗と泥にまみれて、惨たらしく死んで行くのは、オレの趣味じゃない」

 

ダイアンナ「まだ、カオスウォリアーと永遠に戦い続ける、モンスターの戦いは終わらない無限ループ・エンドの方が、戦士としては格好いいんじゃないだろうか?」

 

アスト「オレは戦士じゃなくて、快盗だからな。お宝をゲットして、満たされて笑みを浮かべたまま死んで行きたいと思う」

 

ケイP『好きな食べ物を食べて、思い残すことのない気分で死ねたらいいッピか』

 

ダイアンナ「とにかく、バッドエンドだらけのIFルート攻略はこれで終わりだね」

 

リバT『はい。次回からは「モンスター誕生」第2部と言うべきダンジョン外の世界にて、さらに怒涛のように押し寄せるバッドエンドの嵐をお送りします』

 

アスト「いや、バッドエンド以外の正解ルートを示せよ」

 

リバT『しかし、正解ルートは1本道なので物語のヴァリエーションに欠けるというか、バッドエンドの方がいっぱいあって分岐を楽しめると思いますよ』

 

ダイアンナ「いくつものバッドエンドの末に、正解のトゥルーエンドを見つけ出すのが、ゲームブック本来の楽しみだとは思うんだけどね」

(当記事 完)