ウルトロピカルな⭐️GT(ゲーム&トレジャー)島宇宙

南の島と上空の宇宙宮殿を舞台にTRPGや特撮ヒーローなどのおしゃべりブログ。今はFFゲームブックの攻略や懐古および新作情報や私的研鑽メイン。思い出したようにD&Dに触れたりも。

「モンスター誕生」攻略感想(8)

地上マップ(東部編)

 

リバT『トロール牙峠北部のバッドエンド地獄を散策中です』

 

ダイアンナ「それもこれも、ザラダン・マーが悪いんだよね」

 

リバT『ガレー船の食料調達罠は明らかにそうでしょうね。でも、ゾンビ地獄については、たぶん関係ないと思いますが』

 

アスト「妖術師ドナグってのが、ザラダン・マーの関係者という可能性もある」

 

リバT『可能性だけはね。しかし、証拠がありませんので、強弁はしないでおきましょう。それと、ドブドロ川上流に潜む悪魔髪もザラダン・マーとは関係ないと思いますが』

 

アスト「それもマランハの産物という可能性は否めない」

 

リバT『う〜ん、だったら、〈お化け森〉の木霊や、お化け蔦とか、森小鬼なんかはどうでしょう?』

 

アスト「そいつらは……森の原住生物だろうな。分かった。この地域の全ての害悪や危険をザラダン・マーのせいにするのは、無理ということを認めよう。しかし、ザラダン・マーの活動のせいで、この地域の混沌勢力の活動も活性化している可能性はあるだろう。言わば、間接的な影響で、ザラダン・マーに罪を押しつけても問題ないと言うことではないか?」

 

リバT『それは、本作の後で、トロール牙峠の周辺地域が平和になっていれば、ザラダン・マーが悪かったと言えるのですが、「サラモニスの秘密」でそういう言及があることを期待しましょう』

 

ダイアンナ「『トロール牙峠戦争』は考える材料にはならないかな?」

リバT『その小説は、ゲームブックの物語とはパラレルですからねえ。ともあれ、他のゲームブックの多くは、ラスボスを倒したり、冒険の目的を果たした後は、「おめでとう。これで世界はハッピーになったよ」的な祝祭エンドが多いのですが、本作と「アランシアの暗殺者」は、そういうキレイな終わり方をしていないんですね。

『主人公は、自分の正体を知って記憶を取り戻し、元の人間に戻った。ザラダン・マーの野望は打ち砕かれた。そこまではいいです。しかし、敵の拠点の中心でラスボスを倒した人間主人公は、その後どうすればいいのか。果たして、ガレーキープの船長としての立ち位置を取り戻すことができるのか。マーの部下は命令されるのに慣れているから、統率するのは簡単だと楽観的な記述はありますが、どこの馬の骨か分からないポッと出の男の話を誰が聞くのか。その辺が見えないまま、宙ぶらりんで断ち切られたエンディングが本作です』

 

アスト「ラストの後の話がどうなるかは、また後で考えようぜ。今は、ゲームとしての攻略を進めよう」

 

リバT『そうですね。先走りし過ぎました。では、前回攻略分のマッピングを示します』(Xマークはバッドエンド。緑字は記事内で未攻略な場所)

 

                 ドブドロ川

     下流←オフィディオタウルス←ーー→上流X

      ↓             ↑→茂み罠X

     茂み罠X          木こり

                    ↑

西の建物←墓地のある平地→よじれ樫の森→標識→訓練所

(正解)  ↑            ↓                                  ↓

    地下迷宮 迷宮転移X       茂み罠X

 

リバT『まずはオフィディオタウルスに乗らなかった範囲です。実のところ、訓練所とドブドロ川の位置関係は、北が訓練所で、東がドブドロ川(旧訳版)というのが、文章記述でも、トロール牙峠の地域地図の上でも正解だと思うのですが、新訳版では解きやすさを優先して、標識の示す方向を実際の方向とあまりズレないように調整した模様です。これが原書(昔のパフィンブックス版と、今のスカラスティック版)で既に変更されているのか、それとも原書はそのままで訳者が調整した結果なのかは未確認。一応、本記事のマップでは、新訳での変更に合わせた形です』

 

      オフィディオタウルス

          ↓

 トンネルX  山賊と森エルフ     茂み罠X

    l       ↓          l

茂み罠Xーーボロ家  ←414→銀の泉→ホビットーーお化け森の木霊X

     (毒ビン)


ケイP『これらの地図を見ると、矢印の行き着く先が全て赤いバッドエンドだって分かるッピね』

 

ダイアンナ「ボロ家とトンネルってのが、前回、解説していなかったね」

 

リバT『死に方だけ触れましたが、ボロ家を調べると(400)、中に骸骨があって、緑の液体の入ったビンを持っているんですね。正体不明のビンを持って行き、トンネルに侵入すると、前回語ったように、お化け蔦に絡みつかれ、脱出できずに死んだり、脱出はできるけど森小鬼に殺されたり、最後の手段と思って飲んだ緑の液体が毒で自殺行為だったりの3種の死に方ができるわけです』

 

ダイアンナ「それにしても、ダンジョンの外は至るところに死の罠が仕掛けられていることが改めて分かった」

 

リバT『幸い、訓練所の中は外に比べて、比較的安全です。ザラダン・マーを倒そうという大それたことを考えず、サグラフ隊長の下で軍隊の一員としての人生を過ごすなら、それなりに幸せな一生を過ごせますよ』

 

アスト「ゲームとしては攻略失敗だけど、一介のモンスターとしては、そういう暴力と略奪と美味い食事ができる人生も幸せかもな、という意見もあるほどだ」

 

訓練所

 

リバT『よじれ樫の森に入って、パラグラフ191番(新訳版では東。文章記述では「森の小道を曲がって北に進んでいった」とあるが、気にしないように)へ進むと、途中で運だめしで食べ物を探すこともできます。運だめし1回の成功で、2点の体力を補充でき、最大4点まで回復できますので、運より体力が大事なら利用するといいでしょう。

『そして、到達したパラグラフ229番が悪の軍隊に加入できる訓練所。ハーフ・トロールのサグラフが指揮官です。サグラフは、モンスターさんが番兵(技7、体9)と戦って、勝てば入隊させてやる、と宣言します』

 

ケイP『普通に勝てる相手だッピね』

 

リバT『FF世界では、普通の人間の戦士が技術点7で、8あれば腕が立つと言われ、9だとブラックサンドのトロール衛兵の1人ファットノーズさん、10だと最強のサワベリーさんと対等です』

 

ダイアンナ「主人公の平均が9から10だから、その辺の技術点だと、結構な強敵と感じるわけだね。技術点7は普通の戦士だけど、ヒーローとしてはお粗末な部類。素人ではないけど、そんな腕じゃ戦場で生き残るのは難しいと言われてしまうタイプ、と」

 

リバT『そんな11番兵に負けると、サグラフ隊長に呆れられて処刑されてしまいます。が、普通に勝てば、「大したものだ。お前なら立派な兵士になれるだろう。ホビットの肉を用意してやる」と食事をふるまってくれます』

 

ケイP『何ていい奴だッピ。サグラフ隊長にどこまでもついて行きたいッピ』

 

リバT『さらに、サグラフ隊長は武器の使い方を教えてくれます。「お前の体なら、剣よりも斧が向いてそうだな」と上質の斧を用意してくれ、訓練を施してくれた結果、技術点+1できるという恩恵付き』

 

ケイP『おお。このまま兵士としての訓練を真面目に積むと?』

 

リバT『ザラダン・マーの強力な兵士になるエンドですね。バッドエンドだけど、悪堕ちハッピーエンドでもある』

 

ケイP『他の選択肢は?』

 

リバT『十分強くなるまで訓練して、隙をついてサグラフ隊長を殺して、自分がこの場のトップになることを目指します』

 

ケイP『そいつは面白い。誰が最強か証明してみせるッピ』

 

リバT『技術点を、原技術点+2にして下さい』

 

アスト「マジかよ。技術点14になるんだが、いいのか?」

 

リバT『どうせバッドエンドですから、破格の強化待遇ですね。なお、サグラフ隊長の技術点は11、体力点は14。結構な強敵ですが、鍛えに鍛えた主人公モンスターさんには勝てません。しかし、即死ルールは適用されず、サグラフ隊長の体力を残り4点まで減らしたときにイベントが発生します』

 

サグラフ『ふん、おれにとって代わろうというのだろうが、そうはいかんぞ。ザラダン・マー様が、よそ者に訓練所をまかすようなことはお許しにならん。おまえはおれには勝ったかもしれないが、マーの軍隊に勝つことができるかな!』

 

リバT『そう言って、サグラフ隊長は呼び子を鳴らして、配下の部隊が指揮官を助けに次々と駆けつけるんですね。多勢に無勢では打ち勝つことができずに、バッドエンドです』

 

ケイP『う〜ん、下剋上はならず、だッピか』

 

リバT『ここの訓練所イベントは、ヒーローであるべき主人公が悪の組織の一員として成り上がっていくという珍しいシチュエーションを体験できますね。これも自分は誰で、何をすべきかというアイデンティティーや自我が曖昧な初期設定ゆえの展開で、悪の組織に創られた怪物(怪人)なら、そうなるべき帰結先かもしれません』

 

アスト「組織の忠実な構成員になることもできるし、力に溺れてレギュラーの武闘派幹部に成り代わろうとするも粛清されるゲストの幹部候補生(昭和のヒーロー物やロボット物では時々あった悪側のドラマ)になることもできる。いわゆる悪役をプレイできるゲームブックは少ないが、それだけに印象的なイベントだな」

 

ダイアンナ「だけど、別に悪の組織の一員になることが自分の目的じゃない、と考えるプレイヤーだっているだろう? 本来の目的はザラダン・マーを倒すことなんだろうし」

 

リバT『組織の中で出世して、首領の近くまで行ってから、反旗を翻して大願成就というやり方もありでしょうが、そういうことはできないようになっていますね。と言うのも、毎日の食事に含まれる操り草(ドローンウィード)の効果で洗脳されちゃいますから』

 

ダイアンナ「ザラダン・マーは裏切り者を許さない、と」

 

リバT『ええ。ここは自分の居場所じゃないと、訓練所を脱出しようとする選択肢もありますが、外に出たらすぐに茂み罠(57)に踏み込んでゲームオーバーですね』

 

ケイP『逃げられないッピか』

 

リバT『訓練所の新入りとして、他の兵士とコミュニケーションを交わす選択肢もありますね。タイタン世界では善の種族として知られるエルフが、ゴブリンといっしょに談笑してる光景も珍しいですが』

 

ダイアンナ「でも、『バルサスの要塞』ではドワーフがゴブリンと仲良く焚き火を囲んでいるシーンもあったぞ」

 

リバT『そういうセンスはジャクソンならではのものかもしれませんね。善の種族ではあっても、常識から外れたはみ出し者はどこにでもいるというか、リビングストンは割とその辺、王道ステロタイプを演出しがちなのに対し、ジャクソンの方は王道から外れた奇矯なキャラを用意して、しかもそれすら違和感なく世界に溶け込ませて来るというか、奇矯すらも世界の有り様の一部とさりげなく示してくれるように思えます』

 

ダイアンナ「そう言えば、サイ男はいないのか? 29番兵に手紙を渡したいんだが」

 

リバT『サイ男イベントは、会話イベントの377番から始まりますね。そのままだと、サイ男とオークがケンカするのを眺めているだけなんですが、+29して406番に進むと、目的の29番兵を見つけることができます。彼はベテランの老サイ男なんですが、主人公が「ガット・フーリーは〈クモの森〉の指輪を持って逃げた」と書かれた手紙を渡すと、こんな反応を示します』

 

29番兵『じゃあ、妹は生きているんだな? となれば、こんなおぞましい場所に長居は無用だ。ありがとう、見知らぬお方よ。わしはいますぐここを離れるつもりだ』

 

リバT『そして、「29番兵とともに訓練所を脱け出す」という選択肢が出ます』

 

ダイアンナ「ええと、状況がよく分からないんだが? ガット・フーリーというのが彼の妹なのか?」

 

リバT『29番兵に付き合う選択肢を選ぶと、背景事情を説明してくれますよ』

 

●彼と妹はベテランの兵士であり、数年前のサラモニス略奪の際には、すでにザラダン・マーの親衛隊に所属していた。しかし、彼は別にザラダン・マーに心酔していたわけではない。兵士としての優れた才能を発揮できる機会を享受していただけだ。

●しかし、真面目な兵士である彼は、組織の中で相応の信頼を勝ち得ていた。ただ、別のサイ男と酒を飲んでいるところを見つかって、運命の歯車が狂った。そのサイ男は、ザラダンの旧友だったが今は最大の宿敵であるバルサス・ダイアのところで働いている者だった。29番兵はスパイの汚名を着せられて投獄されて、激しい拷問を受けた。

●無実の29番兵は、証拠不十分のまま釈放されたが、裏切りや逃走を防ぐために、妹が人質としてザラダン研究所に閉じ込められた。しかし、妹が無事と分かった以上、もはやここにいる理由はない。

●29番兵は、主人公の正体を知っていそうな人物に心当たりがあり、うまく脱出できれば、そこに案内しようと約束してくれた。

 

リバT『だけど、仲間になってくれた29番兵さんは、訓練所脱出の際に茂み罠にハマってしまい、それを助けようとした主人公ともどもバッドエンドになります。29番兵を見捨てた場合だけ、さらに旅を続けることができて、森エルフのホワイトリーフが山賊2人に襲われているシーンに合流します』

 

アスト「FFシリーズのファンとして興味深い情報がいろいろと出たが、結局はバッドエンドなんだな」

 

ダイアンナ「バルサスのところで遭遇したサイ男と、29番兵の関係を想像すると、物語世界のリンク(クロスオーバー)が感じられて味わい深いよ」

 

ケイP『ところで、29番兵の妹のガット・フーリーはどうなったんだッピか? 〈クモの森〉の指輪って何だッピか?』

 

リバT『さあ。本作ではこれ以上、語られることはありません。サイ男の女性バージョンですから、「サイ女のガット・フーリーと、不思議な〈クモの森〉の指輪」をテーマにしたスピンオフ作品があってもいいと思うし、そういうのをAFFシナリオの素材としてディレクターが料理してもいい。だけど、ジャクソンさん自らが、このガット・フーリーのその後について言及してくれると、おおって感じ入るかもしれません』

 

アスト「あくまで枝葉のネタにしか過ぎないが、そこから想像力を膨らませるのも、楽しめるからな。まあ、サイ女が萌えキャラになるとも思いにくいし、老兵士の妹だから、肝っ玉おばさんみたいなキャラだろうな」

 

ダイアンナ「サイ女の老婆で、『昔は、あたしもザラダン・マーの親衛隊兵士として暴れたもんさ』というキャラが出たら、ガット・フーリーということだね」

 

ケイP『それよりも気になるのは、29番兵の本名だッピ。姓は妹と同じフーリーだとして、どんな名前がいいかなあ』

 

リバT『29番だから、ニック。ニック・フーリーという感じでしょうか』

 

アスト「……アベンジャーズかよ」

 

ドリーの三姉妹

 

リバT『バッドエンドルートにしては、いろいろなドラマ性豊かで面白い訓練所イベントを終えて、いよいよ正解ルートのスタート地点であるドリーの三姉妹との邂逅です』

 

アスト「地上に出たら、最初に建物を調べて(123)、ドリーの三姉妹から『スカル藻探し』のミッションを引き受けないと、本作はクリアできないんだよな」

 

リバT『ドリー三姉妹は、不気味な風体の老魔女たちで、ザラダン・マーやマランハの秘術を生み出した本作の諸悪の根源みたいなエモ老婆ですが』

 

アスト「エモ老婆って何だよ?」

 

リバT『「エモい」の言葉の定義は、「感情が揺さぶられる」「(良い意味で)感動的」、古語で言うところの「あはれ=しみじみとした情趣がある」という意味で理解しておりますが、この三姉妹を見て、感情を揺さぶられない読者はいるでしょうか? まるで運命の三姉妹のように、背筋がゾワゾワする不気味さ、それでいて本質的に邪悪なのではなく、世界のバランスを保つように主人公モンスターさんに働きかけてくる姿は、まるで灰色の魔女の如し。今度の仮面ライダーでも、運命の三姉妹が少女の姿で敵役三幹部として登場したタイミングである以上は、今こそ日本のFFファンはドリー三姉妹をもっとプッシュするべきでは?』

 

アスト「普段は老婆だけど、本気で魔力を使うときだけ、短時間だけ若い日の萌え少女の姿を取り戻すという設定だと、ファンが増えそうだな。不気味さの向こうに、可愛い本性が見え隠れすると、一部のオタクはハマると聞くし」

 

ケイP『いわゆるギャップ萌えってことだッピな』

 

リバT『まあ、「萌える」という言葉は「草木の瑞々しい生命力、若芽の成熟するまでの初々しさ」が語源ですから、それを枯れ木のような老婆に当てるのは、定義からしておかしいということは理解しました』

 

アスト「ああ。あくまで『年若い少女を可愛く思う』程度の意味で、その後、『可愛い→惹かれる→多彩な性癖を刺激する』という風に意味が拡大していったから、老婆萌えというジャンルも一部は需要があるかもしれないがな」

 

ダイアンナ「日野木アリナみたいなものか?」

 

アスト「のじゃロリは、一つのジャンルだろう? 幼女の姿をした神さまで、浮世離れした無邪気さと、実年齢から来る達観を兼ね備えたギャップ萌えにも通じるキャラ性。見た目は子どもで、日常では相応にワガママに振る舞うこともあるが、いざという時には頼りになる知見を示し、スイッチが入ると秘めたる絶大なパワーを発揮することもあるが、ポンコツであっても可愛いから許されるというお得な属性」

 

リバT『ドリー三姉妹は、可愛さよりも不気味さに全振りした外見がいかにもなタイタン風味ですが、少しアレンジすると化ける素材に思えるんですけどね』

 

IFドリー長女『わたし、ロミーナ。魔法の勉強をしているの。予言や、愛情たっぷりの魔法薬や、病気の治療なんかの多彩な魔法の修行をしていたんだけど、ある日、すごい魔法を発見したの。その名はマ・ラ・ン・ハ♪  生き物を別の生き物に変える究極の変身術よ。これさえ極めたら、人魚になったり、鳥の翼を生やして空を飛んだり、妖精から人間になったり、獣の耳を生やしたり、いろいろと素敵なことができると思うのよ。

『お師匠さまは、それは生命の冒涜だから止めるようにって言ってるけど、冒涜って何? 難しいことはよく分からない。それよりも、人は未来への可能性に賭けるべきよ。マランハ・マランハ・マラランパ。ドッキンハートで、強くて優しいモンスターになあれ♪ これで、あなたも世界を救うヒーローよ。がんばってね❤️』

 

リバT『これぐらいアレンジすれば、ロミーナ・ドリーのファンだって増えると思うのですが』

 

アスト「イタすぎて、既存のFFファンが頭を抱えて、苦笑とともに逃げ出すわ」

 

リバT『今こそ、「モンスター誕生」も「クリーチャー・オブ・ハヴォク」っていうタイトルで、萌えFF化して、ドリー三姉妹を可愛くアレンジしたイラストを付ければ、一部のマニアックなファンは買うかも?』

 

ダイアンナ「ところで、ドリー三姉妹の長女はロミーナというのは分かるが、妹2人の名は何て言うんだ?」

 

リバT『さあ。とりあえず、一人は盲目で、一人は歯がない。最後の一人は蛇のようにシューシュー言って、「し→す」「他のさ行→しゃ行」に変換すれば、会話が再現できる仕様ですが、実は誰がロミーナなのかもはっきりしないんですね』

 

アスト「登場順からすると、盲目なのがロミーナだと思うが、セリフのインパクトがあるのはシューシュー声だな」

 

リバT『もしも、シューシュー声がロミーナでしたら、先ほどの文章も書き換えないといけませんね。「わたす、ロミーナ。魔法の勉強をすているの」とか「しゅごい魔法」とか「おすしょうしゃま」とか……』

 

アスト「イタさがますます増して、萌えとはおかしな方向に突き進むから、読者代表として言う。やめとけ。ドリー三姉妹萌え化計画にうつつを抜かさないと、さっさと攻略話を進めてくれ」

 

リバT『仕方ありませんね。では、ドリー三姉妹の言葉を無視しても、前回話した「石を調べる」「森へ行く」の繰り返しですから、ここは素直にスカル藻探しのミッションを引き受けます。すると、親切な魔女さんたちはこっそり美味しい朝食を用意してくれて、体力点8点と運点2点を回復させてくれます。「主人公のためにおいしい朝ごはんを用意してくれる3人の魔女姉妹」ってシチュエーションですよ。実にエモいじゃありませんか』

 

アスト「確かに、ゲームとしては嬉しいよな。一宿一飯の恩恵のために、仕事をしようって気にはなる。一晩休んでいるはずなのに、体力がちっとも回復しない(時に減少すらする)某天空要塞に爪の垢を煎じて飲ませたいぐらいだ」

 

ダイアンナ「食事して回復、睡眠をとって回復、ってのはFFシリーズや多くのゲームにとって基本なんだから、そういう基本を外すと、不満要素にしかならないってことだね」

 

リバT『人に仕事をさせるには、相応のメリットや報酬を提示するのは、現実やフィクション問わず、重要なことです。もちろん、親切心や義侠心、共通の価値観や大義無償労働してくれる人もいるでしょうし、趣味人は楽しさの追求のために苦労もいとわないケースもありますが、まあ、ゲームだとメリットを追求しつつ、物語の楽しさを味わえる選択肢を選びたいものです』

 

アスト「ジャクソンは、リソースを上手く回復することで、プレイヤーを上手く誘導する技術にも長けていると思うな。飴があるからこそ、意地悪な仕掛けも許容できるし、バッドエンドに至るルートも物語性があって楽しめるから、攻略記事でもバッドエンド特集なんて見せたくなる……ってことか」

 

リバT『はい。ドリー三姉妹は「スカル藻を探せ」というミッションをくれましたが、それがどんな物で、どこにあるかは教えてくれません。ですから、この後の自由行動も選択肢を間違えると、バッドエンドだらけなんですね。まるで、決められたレールに乗る以外の自由な生き方とは、バッドエンドも許容する覚悟を持つことだと言わんばかりに』

 

モンスターの涙ぐましい旅路

 

ダイアンナ「それで、次はどこに向かうんだ? 南のコーヴンだったか?」

 

リバT『東西南北、どっちにでも行けますよ。本当に自由に進むことができて、そこから正解を探り当てるゲームです。とりあえず、東(304)へ向かってみましょう』

 

ダイアンナ「そっちには〈よじれ樫の森〉があるだけだろう?」

 

リバT『いいえ、朝になってますから、人々が起きて活動しております。夜のうちに密かに移動するわけではないので、モンスターさんの姿を見た農夫さんが悲鳴を上げて逃げて行ったりします。勇敢な村人が、石を投げつけて来たりもしますよ』

 

ケイP『攻撃されたなら、怒って反撃するッピ』

 

アスト「おいおい。相手はただの村人だろう?」

 

ケイP『相手が村人なら、こちらはモンスター。モンスターは村人を脅かすのが仕事だッピ。ガオーンと吠え声を上げて、ケピピーンって攻撃するッピ』

 

リバT『そんなプレイも許容しちゃうのが本作なのですが、村人もバカではありません。モンスターが近づくと、ワッと逃げちゃうんですね。このモンスターさん、パワーはあるけど、動きは鈍重で移動速度は速くありません。村人たちはヒット&ランで石を投げ続けては退却をくり返し、モンスターさんだけがどんどん傷ついていき(合計2点ダメージ)、結局、東の森に逃げ込むしかない、と判断します』

 

ダイアンナ「思ったよりも、戦い慣れている村人なんだね」

 

リバT『この辺りの村人は、ザラダン・マーの軍隊の襲撃に怯えて、臨戦態勢をとっている者も多く、軍隊じゃないはぐれモンスターの一体や二体などは、きちんと戦術を構築して、応戦できるのです』

 

アスト「平和じゃないからこそ、鍛えられた村人たちってことか。接近戦しかできないモンスターにとっては、投石によるヒット&アウェイが有効戦術だと」

 

リバT『そのうち、落とし穴を作ったり、火攻めにしたり、冒険者を雇って数で圧倒したり、いろいろ対策をしてくるかもしれません』

 

アスト「ゴブリンスレイヤーのゴブリンになった気分と言ったところか」

 

リバT『ゴブリンは、一体一体は大したことなくても、経験豊富な指導者が出て来て、群れを作ると怖いというのがゴブスレの世界観ですからね。いくら強くても、一体だけじゃ大したことができないのがリアルというものです』

 

アスト「冒険者視点でものを見ると、少数精鋭で危険を突破する形だが、もっと広い視点でものを見ると、数の力は恐ろしいということになる。モンスター視点だからこそ、徒党を組んで石を投げてくる人間というのが、意外と対処困難ってことだな」

 

リバT『なお、村人の投げる石など大したことないと割り切って、悠々と畑を荒らし、トウモロコシをむさぼり食うこともできます。食事によって体力が3点回復し、一方、村人は石を投げ続けます。サイコロを1個振って6が出れば命中して、1点ダメージを受けます。それを6回くり返して、食事のあいだに受けるダメージを算出します』

 

ダイアンナ「期待値的には1点ダメージで、3点回復だったら元はとれるな」

 

リバT『どちらにしても、東へ行くと森に突入することになって、ミッション失敗ですね」

 

ケイP『当たりは南だッピ』

 

アスト「だから、北へ向かうのが完璧を目指す攻略記事ってもんだ」

 

 

リバT『北へ進むと(301)、チャブリーの木が生えていて、運だめしに成功すれば、おいしい木の実が落ちてきて食べることができます(体力4点回復)。モンスターさんは不器用なので、木登りができず、パワーで木を揺さぶって実を落とすしかできないんですね』

 

ダイアンナ「外の世界に出ると、人間の冒険者と違って弱点が次々と露呈してくるな。ランタンや松明などの明かりを使う知恵がないので、夜の旅は困難。村人よりも足が遅く、木に登ることもできない。力仕事と打たれ強さだけが取り柄か」

 

リバT『そして、北の端にドリーの村があります。ここに来ると、バッドエンドしかありません』

 

ダイアンナ「どんなバッドエンドだ?」

 

リバT『老婆に親切にすると、親切に薬をくれて飲まされます。でも、それが治療薬とか幸運の薬に見せかけた洗脳薬で、モンスターさんは老魔女をご主人さまと認識して、一生お仕えすることに』

 

アスト「相手が美少女だったら、ご褒美ととらえる層もいるだろうに、FF世界では魔女といえば老婆だらけで、魔法少女とかそういうキャラが希少価値すぎるよな」

 

リバT『とりわけ、ジャクソンの作品では美少女キャラがわずかです。美魔女と言えば、バルサス・ダイアの奥さんのルクレチアさんが一番有名で、その次に「トロール牙峠戦争」のヒロイン・リッサミナ(実は女神リーブラのアバターだったり)。他に萌えることのできそうな女魔法使いってどれだけいるでしょうか?』

 

アスト「さあな。とりあえず、老婆の奴隷エンドを避けようとすると?」

 

リバT『裏稼業っぽい男に言葉巧みに路地裏に誘い込まれて、男の仲間たち2人に奇襲攻撃を受けて網に絡みつかれます。抵抗むなしく、闇ルートに内臓や体のパーツを解体されて、魔法実験の素材にされてしまうエンドです』

 

ダイアンナ「ある意味、ポート・ブラックサンド以上に恐ろしい場所だな、ドリーの村は」

 

アスト「ブラックサンドには、入っても脱出することはできる。しかし、ドリーの村に入ってしまうと最期、ゲームブックでは絶対に脱出不能の罠だからな」

 

 

リバT『南は正解ルートになりますので、今回は西(299)に進んで終わりたいと思います。おそらく、あと2回の記事で終了すると思いますね。次回はザラダン・マーの拠点であるガレーキープに突入するまで。そして、次々回は最終決戦と、当記事オリジナルの後日譚の妄想。それから、おまけにバッドエンド・リストなどを網羅したEX記事で完結する予定』

 

ダイアンナ「ずいぶんと長い攻略記事になるね」

 

リバT『パラグラフが通常の400ではなく、460もありますし、ジャクソンの作品は仕掛けが多過ぎるうえに、とりわけ本作はストーリー密度も高かったですから。ともあれ、西に行くと非常に口の悪いオシャベリ鴉がいまして、「北のドリーの村へ行け」と追い立てて来るんですね。このまま北へ行きますか? それとも西へ進み続けますか?』

 

ケイP『北へ行くと、脱出不能の魔境であることは先刻承知なので、西へ行くのが当然だッピ』

 

リバT『西へ進むと(96)、次の選択肢は、さらに西の逆風平原か、南か、北か、という三択ですね』

 

ケイP『南ッピ』

 

リバT『南に進むとコーヴン方面ですね(330)。人の多い地域に近づくと、村人たちがモンスターさんに石をぶつけて来ます。1点ダメージを受けて、さらに運だめしに失敗すると、2点の追加ダメージを浴びて、なす術もなく、来た道を引き返すことになります』

 

ケイP『シクシク。オラが何をしたッピか』

 

アスト「罪状その1、ダンジョン内で冒険者をむさぼり食った。罪状その2、タイタン世界における希少種であるホビットの天敵となった。罪状その3、ザラダン・マーによって創造された怪物は潜在的に危険である……と言ったところか」

 

ケイP『モンスターには人権はないのか!』

 

ダイアンナ「たぶん、ないんじゃないかな。そもそも、アランシアで人権云々があるかどうかは怪しいものだが。そこまで文明的な世界じゃないだろう?」

 

ケイP『ですね。たぶん、モンスターがモンスターらしく生きられる世界って、ザラダン・マーの軍隊の中だけではないでしょうか』

 

ケイP『仕方ないので、安住の地を求めて、西の逆風平原へ向かうッピ』

 

リバT『そこは、草木一本生えていない不毛の大地と言われていますよ。とにかく、当作の西の果てはパラグラフ177番ですが、そこから結局、北に向かって、カエル沼に行ってもバッドエンドを免れませんので、次回は助っ人のグロッグさんを連れて行くために、南のコーヴンの街へ参りましょう。コーヴンに行かなければ、本作はクリアできないってことで』

(当記事 完)