ウルトロピカルな⭐️GT(ゲーム&トレジャー)島宇宙

南の島と上空の宇宙宮殿を舞台にTRPGや特撮ヒーローなどのおしゃべりブログ。今はFFゲームブックの攻略や懐古および新作情報や私的研鑽メイン。思い出したようにD&Dに触れたりも。

クラシックD&Dドルイド呪文5

MOS修練場にて

 

マイ・オウン・スペース(個人的な隔離空間)の異名を持つ〈事象の分岐点〉だが、多元世界の監視および通路として使える「次元扉の間(ディメンジョンドア・ルーム DDR)」以外に、寝室や資料室など、各種設備が備わっている。

ある意味、俺のリアルな部屋よりも充実しているところがあって、引きこもりライフをエンジョイできるわけで、こういう自分だけの理想郷を構築できるのもイモータルの特権って奴だな。

 

クラシックD&Dで提示されたイモータル像って、要はゲームの域を超えた「プレイヤー自身の理想郷をゲーム世界でイメージした境地」であって、そこには「ゲームプレイ以外に小説を書いたり、イラストを描いたり、各種のクリエイティブな作業に従事するゲームファンの活動」も反映されている。ゲームとリアルを混ぜ合わせたマニアの理想像こそイモータル、と俺は解釈している。

80年代だと、それがゲームサークル活動だったり同人誌活動だったりするが、21世紀だとインターネットの発展によって、自分のサイト構築やブログ記事などでせっせと自分ワールドを想像創造したり、同好の士と交流したり、そしてオンラインでゲームプレイすらできるようになった。

これこそ80年代では夢だったイモータルの姿じゃないか、と考えているわけだ。ゲームの枠を超えた世界の創造主とか、多元世界において自分の推す冒険者やヒーローの活躍を応援したり、見守ったり、語り合ったり、時には激しい討論を行ったりして、自分の理想を貫こうとする精神は正にイモータルのそれだ。

まあ、そういうメタゲーム的な存在を、ゲームのルールに落とし込んで、神視点の永遠の冒険を提示したものがイモータルルール。夢を続けることが、イモータルのファンタジーって考えたり。

 

そして、MOSというのが、NOVAのイモータルとしての架空拠点という位置付けだが、架空なので、どんどん施設を増やしてもOKというのが、リアルと違うところ(笑)。人によっては、言葉で描いた想像上の「秘密基地」と書けばワクワクするかもしれない。

 

で、習得した呪文の試し撃ちとか、バトルシミュレーションするための異空間、訓練施設が今回の舞台の「MOS修練場」というわけだ。

 

 

ハイラス「ほう、PBPにこのような施設もあったとは」

 

来たか。

ここに来たということは、逃げずに俺とやり合う覚悟ができたってことだな、ハイラスよ。

 

ハイラス「まさか、ここのブログまで、バトル展開になるとは思いもしなかったでござるが」

 

5月8日の記事を読み直してみろよ。

お前が初めて、うちのブログに登場したときだ。

ハイラスの性格の一つに、「交友や和合を台無しにしても言い争いに勝とうとしてしまうケンカっ早さ」が設定されているぜ。これに忠実に従うなら、いずれバトル展開に至るのは必然だと考えるのだが。

 

ハイラス「それが今ということでござるか」

 

ああ、お前はドルイドの名誉を掛けて、俺に立ち向かうがいい。

俺は「クラシックD&Dのドルイドは欠陥ルール」という信念に基づいて、言葉で応酬する。

お前のドルイ道が勝つか、俺の時空魔術が勝つか、やり合ってみようじゃないか。

 

オラ、ワクワクして来たぜ。

 

ハイラス「やれやれ。ケンカっ早いのがどっちなのか疑問を感じなくもないが、ドルイ道を歩み続けるためには、一歩も引くわけにはいかないでござるな。売られたケンカ、逃げるつもりはない!」

 

 

超時空ファイト、レディーGO!

 

★対決! 次元ドルイドVS時空魔術師

カーッ、答えろハイラスよ。ドルイド5レベル呪文コントロールウィンドは!

ハイラス「王者の風よ!」

違うわ、ボケッ!(スリッパでスパコーン)

ハイラス「い、いきなりスリッパとは! そんな手で来るなんて、私、聞いてないでござる!」

フッ、仮面ライダーWの鳴海探偵事務所伝統のツッコミ芸よ。
夢の世界では、所長が「なにわの美少女仮面」に変身したりもするが、もしかすると彼女も難波重工に関わりがあったのかもな。何せ旦那の照井竜が、女スリに扮した難波チルドレンと接触した事実もあるからな。
ついでに、声優の難波圭一も関係者かどうか現在調査中だ。彼の場合、圭一という名前の方もパトレン関係者なのか気になるところ。

ハイラス「本当にどうでもいいネタでお茶を濁すのはやめにしてもらいたい。これは真剣勝負の場ではないのか」

おお、俺は真剣にネタ語りしているぜ。

ハイラス「おのれ。ふざけおって。こうなったら、喰らえ、コントロールウィンド! 風を支配して攻撃に転用するでござる!」

そう、コントロールウィンドは、王者の風ではなくて、風を操るのだから「風の王者」が正解だ。

ハイラス「そんなの、どちらでも大差はござらん!」

何を言うか!
だったら、 お前は、次元ドルイドドルイド次元が同じだと主張するのか!

ハイラス「うう、次元ドルイドは、次元の旅人となったドルイドを意味して、私の通称。ドルイド次元だと、ドルイドがいっぱいいそうな異世界って感じで、別物でござる」

ついでに、次元ドロイドだと、何だかSFっぽく聞こえるよな。
さらにおまけに、ルパンレンジャーの名称が公開されたとき、だったら次元レンジャーや五右衛門レンジャー、不二子レンジャーとか銭形レンジャーを期待したのは、俺だけではないはず。
ルパンコレクションだって、次元コレクションとか、五右衛門コレクション、不二コレクション、とっつぁんコレクションとつなげれば、何だか見たくはならないか?
特に、次元コレクションと聞くと、SFタームにも聴こえて、どんな凄いお宝なんだとワクワクしてくる言霊だ。

ハイラス「確かに。って、今はそれどころじゃない。コントロールに集中せねば」

そうやって、10分間、移動も攻撃もせずに待機しているつもりか?
ルールブックをよく読めよ。それは攻撃呪文ではなくて、単に術者のレベル×10メートル範囲の風の強さを変えるための天候操作系の呪文だ。しかも、大きく変えるにはやたらと待機時間が長い。
まあ、風の精霊を支配するのにも使えるが、実用にはならない。と言うのも、ドルイド自身は風の精霊を召喚するような術をなかなか使えるようにならないからな。

ハイラス「何と。それでは、この呪文は何のために?」

ドルイドであるお前が俺にそれを聞くか?
ドルイド呪文はお前の専門じゃないのかよ。

ハイラス「いや、私はアレクラスト出身にして、D&D5版でコンバートされた次元ドルイドであるため、そもそもクラシックD&Dとは似て非なる存在だからして」

そうなんだよな。
専門家の皮をかぶった知識足らずだったんだよ、お前は。
正に化けの皮がはがれたって奴だ。

だから、代わりに専門家の俺が解説してやろう。
まず、ソード・ワールドのコントロール・スピリットは3レベルのシャーマン(精霊使い)呪文で、精霊の召喚から支配まで自前でできる。
そして、 D&D5版のドルイドだって、精霊を召喚して制御するカンジャー・エレメンタルが4レベル呪文から備わっていて、レベル7から使用可能だ。
だがしかし、クラシックD&Dだと精霊の支配はできても召喚はできない。いや、最高位の7レベル呪文では、ようやくサモンエレメンタルが使えるんだが、それにはレベル17を要する。正直、遅いよな。
なお、魔法使いなら5レベル呪文に精霊召喚コンジュア・エレメンタルがあって、レベル9で使用可能。ドルイドの不遇さが分かるだろう。

ハイラス「と、とにかく、風を操作すれば、攻撃だってできるはず!」

だから、そういう呪文じゃないっての。
せいぜい、嵐が来るのを遅らせたり、一時的な嵐を起こしたりする程度。海上で船に乗っていたりするときは便利かもしれないが、野外で行軍中は「集中を要するので自分は歩けない」とか、制限が多すぎる。まあ、それも馬車に乗っていれば、何とかなるのだろうが、とにかく派手さの割に、実用性を考えると悩ましいわけだ。

ついでに言っておくと、魔法使いにもレベル12から使える6レベル呪文の中に、天候操作呪文のウェザーコントロールがあって、5レベル呪文の精霊召喚と合わせると、ドルイドにできることは魔法使いにもできるということになる。まあ、魔法使いの場合は呪文を自動習得する僧侶系と違い、呪文を見つけて魔法書に書き込む必要があるので、必ずしも目標の呪文が都合よく手に入るとは限らないのだが。

なお、ドルイドは6レベルで近くの天候を呼び寄せるサモンウェザー、そして最高の7レベルでようやく天候操作のウェザーコントロールが使えるようになるが、それぞれレベル12と17が必要だ。
まあ、ドルイドがレベル17になる経験値100万点で、魔法使いはようやくレベル13から14になる計算だから、厳密にはさほど劣化というわけでもないのだが、魔法使い呪文は9レベルまで用意されているのに、僧侶呪文は7レベル止まり。すなわち、ドルイドの最高位の天候操作が、魔法使いにとっては最大限できることの3分の2でしかないことになる。

これが、通常の僧侶だと、呪文体系が魔法使いのそれと違うので、住み分けが普通に可能なのだが、ドルイドは一部の呪文が魔法使いのものと被ってしまうので、比べられることになってしまう。そして、比べた場合、ドルイドには決定的な弱点が露呈してしまうわけだ。

ハイラス「それは一体?」

結局、使いやすいダメージ呪文を持たないんだよ。
ドルイドは「魔法使いみたいに派手な攻撃呪文の使える僧侶」と3レベル呪文の説明時に俺も書いたが、その後、研鑽を重ねるにつれて、それが間違いだと悟ったわけだ。
すまなかったな。ソード・ワールドの精霊魔法や、AD&Dのドルイドとイメージが被ってしまっていたようだ。

本当にコールライトニング以降は、ろくな攻撃手段を持たないというか、クラシックD&Dって見事に僧侶系はダメージ系の攻撃呪文を使えないようになっているんだよな。まあ、治療の逆呪文でダメージを与えたり、蘇生の逆呪文で即死させたり、物騒な技があるにはあるが、それらは総じて邪悪な僧侶の専売特許とされ、善良あるいは中立であることが求められる一般的な僧侶プレイヤーでは、禁じ手扱い。基本は敵キャラ用か、邪悪プレイという特殊な需要のためだ。
結局、クラシックD&Dのドルイドって、「制限された僧侶であり、新しく入手したドルイド呪文も、補助魔法としては有効な局面もあるが、ゲーム的に使いやすい、派手に活躍できそうなものは乏しい、地味で高度な使いこなしを要求するマニアックな職業」と言わざるを得ないわけだ。

ついでに、ダンジョン探索では有用度が大きく下がるので、参加しているプレイ環境が荒野の旅を中心にしている場合にのみ、お呼びがかかる。
あるいは使用プレイヤーが複数のキャラをプレイしていて、「今回の冒険は荒野が舞台か。だったら、この間、僧侶から転職させたドルイドを使いたいんだけど、それでいいかな。普通の僧侶は飽きちゃって変わったことをしたいんだ。メイン僧侶はもう一人、誰かやってよ。ぼくはサポートの小技担当に回るからさ」って感じで、補助的にドルイドをプレイするような局面かな。

ハイラス「つまり、クラシックD&Dでは、ドルイドは決してメイン職にはなれず、地味なサブ職でしかないということでござるか」

もちろん、クラシックD&Dは職業間格差の大きいゲームであって、壁役の戦士と、火力の魔法使い優遇、そして僧侶は前衛に立てる呪文職として安定して使用可能という個々のポジションを理解しないといけない。誰でも同じように活躍できるとは限らず、職業や種族ごとに出来ること、求められる役割を理解して、仲間の能力と有機的に結び付けることで連携を学べるゲームなんだ。
そして、ドルイドは僧侶の前衛近接戦闘能力を捨てたわけだから、立ち位置は当然、中衛や後衛となる。すると、どういう役割が求められるだろうか?

1.地味なサポート役として治癒や補助に専念。僧侶と異なる特殊呪文の研究を主体にする。
2.盗賊とは違う形で、荒野での偵察活動を任務とする。単独での行動に便利な呪文が多い。
3.動物を操作する獣使い。自分で戦わずに、ペットに戦わせる。専属ペットを飼わせてもらえるよう、DMと要相談。レベルに合わせて、狼やクマなどの動物を交換するなり、成長ルールを作るなりして、「前衛動物と、補助役の術者のコンビプレイ」で楽しむ。

パッと思いつくのはこんなところだろうか。
獣使いに関しては、クラシックD&Dには明記されていないが、呪文の組み合わせや、他のゲームのイメージから、DM次第で普通に実現可能だと考える。とりわけ、ポケモンなど仲間モンスターに戦わせるゲームが根付いた現代においてはな。
なお、クラシックD&Dのルールではサポートされているのに、日本のプレイ環境で活用されていないと感じるのは、「金を払ってNPC従者を雇うルール」。元々、DMルールの方に掲載されているので、それができることを知らないプレイヤーも多くいたのだろうし、リプレイなんかでもDM側がNPCサポーターを付けてくれることはあっても、プレイヤーの方からNPCを金で雇うことを提案するプレイは公式ではほとんど見られなかった。せいぜい、クリスタニアなんかで、読者の投稿キャラを傭兵団所属のボランティア団員として扱う程度。
そもそも、「金を払って人を雇う」という経験をした者が、80年代当時の日本の若者ゲームプレイヤーでほとんどいなかったわけだし、その後、召喚魔法とか仲間モンスターの流行で、「人間の雇われキャラ→人間以外のサポートモンスター」という形で定着するに至ったと考える。まあ、金を払って人をこき使うよりは、餌をあげてペットに戦ってもらう方が倫理的にも受け入れやすいとも思われ。


★よりみち創作論(ラーリオスと花粉症ガール)

ハイラス「術者自身ではなく、術者と主従契約を結んだ魔物を代わりに戦わせる……って、もしや、花粉症ガールとはNOVA殿にとって、そのような存在なのか?」

ああ、それは違う。
それは、むしろかつてのドゴラちゃん、今はケイPの立ち位置だ。人の社会のルールを知らないモンスターである凶暴な野良ドゴラを倒して、契約関係を結んで、アシスタントモンスターの立ち位置に付けたのは、正に仲間モンスターの物語に相当するな。
翔花は、ペットじゃなくて愛娘。自分にとってそういう物語は、何が起因かなとあれこれ考えてみたところ、コンピューターゲームの『プリンセスメーカー』が一番近いと最近思い当たった。俺は未プレイだが、「伝説の勇者が星から授かった娘を育てる」という部分に通じるものがあるかもしれない。他には『赤ずきんチャチャ』の影響もあると思うが、最初から意識していたわけではない。

ハイラス「決してパクリではないと?」

設定作成時に元ネタから引っ張って来たのは、パクリと言ってもいいだろうな。
『星輝士ラーリオス』という昔の共同企画は、明確に「仮面ライダーBLACK聖闘士星矢のパクリ」と言っていいだろう。そのことは企画段階から意識されていたし、原案者も深く考えずに「用語などを安易に漢字だけ置き換えた」形で使っている。もちろん、企画のスタート地点が、それらの二作品の要素を根幹設定にしただけで、そこからさらに何を取り入れてブラッシュアップしたかが、書き手それぞれの個性の現れと俺自身は主張するがな。

俺の書いた前日譚の『プレ・ラーリオス 太陽の失墜』の場合は、西洋ファンタジー風味と、必殺のハードボイルド復讐譚、そしてスーパーロボット風味の熱い魂とバトルギミックで色付けした。
その後というか、そのさらに前日譚に当たる『夜明けのレクイエム』の方は未完成だが、主人公をアメリカ人の少年に設定したので、アメコミヒーローやターミネータースターウォーズの要素を「主人公の好きなフィクション」という形で取り込んでいる。書き始めた2009年当時は、それらの作品が今ほどブレイクしておらず、過去の懐かし作品だったりも。逆にラーリオスでプッシュするのに呼応するかのように、ブレイクしたり、リバイバルしたりして、妙に同時代感覚を味わったりできたわけで。

念のため、レクイエムは「第3章」までなら結構熱く読めるので、今でもオススメだ。「4章」と未完の「5章」はNOVAの抱える未昇華な闇成分とか迷走やら破滅の起因などが描かれていって、書いていて辛いので断念した。
リアルな書き手の俺が闇を昇華してしまえば、過去に作ったプロットの闇に縛られ続けるのが厳しく感じられてな。文章って、そのタイミングでしか書けないものがあって、長編で先にプロットだけ立ててしまうと、書くタイミングを逸してしまった場合に、最後まで書けなくなることを実感した。頭の中の構想だけ大きすぎて、現実が付いて行かなかったケースだ。

ともあれ、ラーリオスの元はパクリ設定から生まれた作品で、そこは否定しない。
俺が原案なら、そこまで露骨にパクるような真似はしないと主張するが、原案者の創作に対する心構えとか技量がなっちゃいなかったんだろう。まあ、共同企画なんだから原案者一人だけを責めるつもりもないし、たかが創作ごっこのお遊びだというつもりで最初は目くじらを立てるつもりもなかった。ただ、書いているうちに俺の方が「昔とった杵柄」とかでハマりこんでしまって、原案者も未熟な中から何を生み出すか期待したわけで、俺自身もそこからいっぱい学ぶことができたと主張する次第。
興味があれば、下記のサイトをどうぞ。しばらく放置していたので、広告などが鬱陶しいかもしれないが。


http://wnova2ndneo.web.fc2.com/petinovel.html


で、花粉症ガールの方だが、何かをパクったというよりは、俺の中からいろいろ吹き出したというのが正解だな。
まあ、俺自身がいろいろとフィクションを楽しんだり、研究したり、またリアルでティーンエイジャーを教えたり、要するに現実と仮想世界の両方を一生懸命に生きているんだから、そりゃ影響もたっぷり受けるだろう。自分の内面だけに鬱屈して生きているわけじゃないからな。

その中で、無意識にも影響を受けていた作品があって、適当に整合性を考えながら文章を書いているうちに、何かとつながってしまって、自分でも「へえ、こんな料理ができたんだ~」と感じ入ることもしばしば。自由な気持ちで書いていたら、何だか「プリンセスメーカーみたいな要素も入ってました」とかだな。好きに作曲していれば、「自分が好きな曲のフレーズが一小節ぐらい混じってた」とか、「どこかで聞いた曲調だな、ええと何だっけ? ああ、あの曲か。へえ」って感じたり。

もちろん、会話リプレイ調創作ストーリーという時点で、「ロードス島戦記のオマージュ」でもあるし、「怪獣娘」を意識したり、クウガガメラなど、そのままパロディというか自分のファンとしての想いを物語テーマとしてつづったりもしている。その辺は隠しもしていないわけで。
こういうのを、パクリと非難するなら、そりゃパロディもオマージュも区別せずに、文化の継承すら考えたことのない素人考えも甚だしいと反論するよな。個人的には、パクリと蔑称で呼ぶのは、「元ネタに対する愛情や敬意が薄く、表面的にさらっと剽窃したもの。作者のオリジナルのアイデアや考察が薄く、元ネタのそれに寄り掛かったもの。新鮮味がほとんど感じられないもの」となるかな。模倣は文化継承の第一歩だが、そこに敬愛精神や建設的発展が見られなければ、あるいは作者の人生観なんかが反映されていなければ、非建設的な盗み(パクリ)ということになる。


★戦いは続く! そして試練の時

ハイラス「ハッ。思わず、話に聞き入ってしまったでござる。おのれ、NOVA殿。真剣なバトルの最中に、言葉でかく乱して、戦意を奪おうとする巧みな戦術。しかし、そうは行かぬ。我がドルイ道を守るため、私は翻弄されっ放しでいるわけには行かないのだ!」

あのなぁ。
何を言うかと思えば、脱線寄り道の起因は、お前の質問じゃねえか。
確かに、俺は時空魔術師として神出鬼没に立ち回るし、言霊魔術師として言葉を武器にするが、正々堂々とお前の質問に受け応えしているぞ。自分が集中できていないのを棚に上げて、こちらが卑怯に振る舞っているように勘違いしているのは、フェアとは言えないな。

そもそも、お前がしきりに主張している「ドルイ道」ってのは、一体何なんだ?
今度はこっちが質問してやる。
三行ほどで手短かに答えてみな。

ハイラス「そ、それは……ドルイ道とは自然を重んじ、バランスを重視する素晴らしき教え。文明と自然の調和を図り、それを乱す輩は成敗するのが本義」

そうか。
だったら、故郷の世界から転移し、多元世界を飛び回って来た次元ドルイドってのは、自然とは異なる矛盾した存在だよな。お前は、自分自身がドルイ道の定義から外れた存在であることを自覚しているのか?
お前の言葉に従うなら、お前自身が成敗されることこそ、ドルイ道の本義ということになるが、どうなんだ、えっ?

ハイラス「くっ、わ、私は……自分の不自然な状態を良しとせず、元の故郷に戻るべく研鑽中なのだ。そのことは、NOVA殿もご存知のはずであろう! そこを責めるとは卑怯なり」

甘えたことを言ってるんじゃないぞ、ハイラス。
敵なら、相手の弱点を責めるのが道理。そんな弱点を堂々とさらして、補強もせずに、理論武装も施さずに戦いの場に臨むことこそ愚の骨頂!
自然とかバランスとか言ったな。
だったら、どうして、お前は師匠のロウラスさんから違背したんだ?
お前は、お前のドルイ道を求めて、旅に出たんじゃないのか?
お前のこれまでの次元転移は、全て不自然な忌むべきものだと言うのか?
お前のバランスは、何に立脚するバランスなんだ?
お前はこれまでの人生を全て放棄し、ただ故郷に帰ることを望むのか?
お前はこれまでの旅から何かを学んで来たんじゃないのか?
それとも、全ては不自然な過ちと切り捨てて、安全な故郷に帰るだけの人生でいいのか?

ハイラス「そ、そんなに一度にいろいろ尋ねられても、こちらは対応できないでござるッ!!!(絶叫)」

だろうな。
俺の必殺奥義「動執生疑」だ。法華経に説かれるという、相手のアイデンティティーに疑念を生じさせ、動揺によって執着を断ち切る言霊術だが、メンタルの弱い者は錯乱状態に陥って、時に精神崩壊を起こすという禁断の化導法の一つ。
要は、相手の信じている世界観に疑念を突きつけ、心の立脚点を破壊し、強引に自分自身の真実を見つめ直させるという技だが、確固とした自分の拠り所を持たずに思い悩む人間がこれを受けると、フラフラとピヨり状態になり、たやすく洗脳されてしまうという。
具体的には、言葉によるスペシャローリングサンダー7連発。
その破壊力は、ウィニング・ザ・レインボーに匹敵し、精神に対する効果は幻朧魔皇拳にも引けを取らない。

ハイラス「あ、ああ……(白目)」

フッ、技が効いたようだな。
しばらく自己の精神世界で葛藤するがいい。
負けて精神崩壊するか、それとも試練を乗り越えて悟りに一歩近づくかはお前次第だ。

だがな、お前なら必ず自身の矛盾を乗り越え、強い信念と共に蘇ってくると信じているぞ。

その間に、俺はドルイドの術の研究を続けるとしよう。


★究極、高位ドルイド呪文!(地味か派手か)

5レベル呪文の「パスプラント」だが、これは結局、4レベルの「プラントドア」と、6レベルの「トランスポート・スルー・プラント」の系譜になる。要は、植物を介した転移呪文だが、天候操作系の呪文と同様、段階別に徐々に習得する形で、結局は同じ呪文効果を小出しにしたに過ぎん。
こういうのは、仮に「ファイヤーボール」と、少し強い「スーパーファイヤーボール」と、もっと強い「スペシャルDXファイヤーボール」という名前で呪文が登場すれば、「結局どれも同じファイヤーボールの亜流でしょ? 手抜きじゃん」と感じるようなもの。

具体的に効果を比較すると、プラントドアは植物の間をすり抜けたり、大木の中に隠れ潜む呪文で、転移効果はない。
これがパスプラントになると、最大600メートルの短距離テレポートを自分一人だけ行える。
さらにトランスポート(以下略)になると、植物間の距離が無制限になって、2体までの同行者を伴うことができる。
結局、冒険者パーティー全て(3人を超えるという前提)を伴った移動ができないために、単独移動用の呪文という結論になり、チーム行動を重視するなら使いにくくなるわけで。

次に5レベル呪文の「ディゾルブ」だが、魔法使い5レベルにも同じ呪文があって、やはり手抜き感が強い。
効果は、土や岩の地面を泥にしてしまい、移動を困難にしてしまう。
逆呪文の「ハーデム」は泥を固める効果があり、これは相手ごと固める凶悪な呪文となり得るが、最初から泥の中に敵がいる場合を除いて、「まずディゾルブで相手を泥に落とし、次のラウンドで固める」という、平安京エイリアンのような2回の技を行使する必要がある。
念のため、平安京エイリアンは1980年のレトロゲームで、碁盤のような迷路にはびこるエイリアンを、穴を掘って待ち構え、穴に落ちたら埋めることで撃退する内容。「掘る→埋める」の二段階アクションが特徴だが、やはりまどろっこしく感じる。
うまくハマれば強力だが、派手で豪快というよりは、粘着質を感じてイヤらしさを覚えるため、好きにはなれない系統の呪文。まあ、逃れるためには飛行能力があればよろしい、と。

そして6レベル呪文だが、「アンチアニマルシェル」「サモンウェザー」「トランスポート」は先に触れたので、残りは「ターンウッド」のみ。
これは固定されていない木製の物品に衝撃波を与え弾き飛ばす呪文で、木の武器や弓矢を無力化し、自分が乗る木の船の移動を速めたり、逆に相手の船を遠ざけたりなどの使用例がある。固定された建物や樹木は動かせないため、木製の扉を打ち破るのには使えないけど、倒れた木を相手にぶつけるなどの応用例も考えられる。
ちょっとした小技程度で遊べれば楽しい呪文かもしれないが、6レベルという高位の呪文でちょっとした小技程度のお遊びをするのも何だかなあ。同レベルの僧侶呪文で、普通に物品を動かす「アニメイトオブジェクト」の呪文があるので、わざわざ木製品限定の「ターンウッド」を選ばなくてもいいのだし、何というか他の呪文との兼ね合いをあまり考えずにレベルや効果を設定したように思える。

最後に7レベル。「サモンエレメンタル」と「ウェザーコントロール」は語ったので、後は「クリーピングドゥーム」と「メタルトゥウッド」の2つで終わりだ。

まず、前者は1000匹の虫を召喚し、10匹につき1点、総計100点のダメージを範囲内の全員に与えることができる。
さすがに最高レベルだけあって、かなり強力な呪文だが、5レベル僧侶呪文「インセクトプレイグ」の発展系となる。そちらはHD3未満の生物を追い立てる程度の効果しか持たないが、「クリーピングドゥーム(破滅の虫群)」は結構効果的なので、どう対処するかを考えるのが難しい。
最も簡単なのが、同じドルイド呪文の「アンチアニマルシェル」で、この場合のアニマルには、虫類も含まれるので、自分一人を守るだけなら完封可能だ。
「ファイヤーボール」の呪文で群れを攻撃することもできるが、この場合は一発で虫を100匹殺すことができるとルールに明記され、ファイヤーボールを10発撃てれば全滅可能だが、その前にこちらのHPが確実に尽きるだろう。
むしろ「スリープ」で群れごと眠らせるなり(虫にはHDが設定されていないので、範囲内の生物は全て眠ると解釈)、「ディスペルマジック」で呪文を解除したり、「炎の壁」でガードしたり、いろいろ対処できるかもしれないが、そもそも最初にいきなり虫群で攻撃された時点で大ダメージを受けて即死亡なので、結局のところ、うまく先制した方が勝つ、という形になる。
こういうのは、大味すぎて、何だかつまらなく思えるんだよね。

この辺は、90年代の『マジック・ザ・ギャザリング』以降のゲームで革命が起こったのだが、敵の仕掛けた呪文に対し、即座(インタラプト)に対抗呪文でガードするという戦術が現在では定番の概念となっている。相手が強力な魔法を撃ってきても、即座に対応して呪文を打ち消したり、従者を楯にしたり、先に割り込んで大技発動で返り討ちにしたり、術者同士の丁々発止のやり取りが可能だ。
80年代のD&Dには、そういうインタラプトの概念がないので、大技使い同士はどうしても先手必勝という形になり、戦術を語るなら、いかに敵の存在を早急に察知するかという索敵論になり、それを経て「やられる前にやれ」という奇襲攻撃万歳の理屈になるわけで。これはこれで、実際の戦争では間違っていない。先に奇襲攻撃を仕掛けられた側は抵抗する間もなく一気に殲滅される危険が高いので、仮想敵の動向を探る諜報活動が盛んになっていた時代背景もある。

もちろん、D&Dは中世ファンタジーなので、強力な広域殲滅兵器で大量殺戮って世界観ではそもそもないのだけど、高レベルの呪文使いだと、そういう能力を持っていても仕方ないわけで。ただし、物語性というものを真面目に考えるなら、「相手を瞬時に殲滅させられる高位の呪文使いに、いきなり問答無用の奇襲攻撃を仕掛けられる状況に、自分たちを追い込んでしまったプレイヤー側の対応の不味さ」の方を問われるだろう。
逆にもしも、そういう背景事情の説明もなしにDM側がそのような理不尽な襲撃を仕掛けて来たのなら、それは「プレイヤーとDMのゲーマーとしての信頼関係にヒビを入れる元になる悪行」であって、「DMはプレイヤーキャラに対して何でもできるけれど、何をしてもいいわけではない。プレイヤーを納得させられるだけのフェアプレーの精神が求められ、それに違背した場合、ゲームグループの崩壊の責任を問われることになる」というマナーレベルの対応。リアルの人間関係を共に楽しくゲームをするレベルの維持を図るなら、そうそう無茶はできないという形になる。
ともあれ、最高レベルの術使いともなると、与えるダメージのインフレ化によってパワーゲームの動向を示し、必殺技の連発で一気に殲滅を図る流れとなって、大味化は免れないため、そこでどうゲームバランスを維持するかがシステムの良し悪しやゲーマーのシステム運用の経験なんかに掛かってくると考える。

まあ、自分としては、そこまでインフレしたゲームはあまり楽しくないと考える人なので、「最高レベルの凌ぎを削ったやり取り」よりは、「次に成長したら、どんな呪文が使えるかなあ」と考えられる中間レベルこそが楽しいと主張してみる立場。
「俺強えって無双状態がこなせる人」には、相応の精神性も維持してもらいたいし、自身もそうありたいと考えたりするわけで。力を持った幼児性ほど戒めないとなあ、と感じる今日この頃。

そして、最後に「メタルトゥウッド」だが、最高レベルにしては、こちらは地味な呪文に思えたり。
金属を木に変えるという錬金術の逆効果みたいな呪文。ドルイドは金属を扱えないという制約を逆手に取ったかのような、「自分が使えないなら、お前たち皆、使えなくなってしまえ」という引きずり下ろし戦略。
まあ、流石にこういう形で、大切な魔法の武具をダメにされたら大変なので、「マジックアイテムは90パーセントの確率で呪文に抵抗できる」とされています。もちろん、ダイス運の悪さで10%が出てしまった場合は、ご愁傷さま。そこは、大ドルイドを敵に回してしまったのが悪い、と。
基本的に金属武具はあまり使わない魔法使いの身には、あまり怖くない呪文だけど、一応、現代社会に生きる者としては金属を伴う電化製品は必須なわけで、「うお、俺のパソコンやiPadが使えなくなってしまった。おのれ、文明の敵、ドルイド許すまじ」となったりもするわけで。

もしも、現代社会にこういう呪文が使えるドルイドが実際にいて、「人類は自然に帰るべし。金属などもっての外。文明など滅びるがいい。全てはデビルガンダムの地球再生に委ねるのだ!」と主張してしまえば、あっ、東方不敗マスターアジアだ。
なるほど、やはりドルイ道の実体は、流派・東方不敗だったか。ドルイド武闘伝は間違っていなかったわけだな(笑)


★覚醒! 次元ドルイドふたたび

ハイラス「う、うう、私は一体?」

ほう、無事に目覚めたようだな、ハイラスよ。

ハイラス「NOVA殿? 私は……何だか長い夢を見たようでもあり、ロウラス師匠との思い出が蘇って、そして、そうだ。次元ドルイドとしての旅の数々が思い出され、いろいろな経験が己の血肉になったかのように感じられて……あれは夢だったのか、現実の記憶だったのか定かではなく」

胡蝶の夢、邯鄲の夢って奴だ。
老荘思想無為自然の教えにも近くはある。
目覚めた今のお前なら、先の質問にも答えが出せるはずだが?

ハイラス「ちょっと待ってくれ。整理してみる。まず、私が師の教えに違背したのは、アレクラストの一角獣の森が自分の居場所ではないと感じたため。外の世界を見てみたかったんだ」

そうだな。
そして、お前は自分のドルイ道を求めて、次元の旅に出たんだ。
どうだ、お前のドルイ道は見つかったのか?

ハイラス「いや、まだだ。旅の道はまだ半ばにして、未だ真の悟りは得られず」

人は誰でも幸せ探す旅人のようなもの、希望の星に巡り合うまで歩き続けるだろう♪
きっといつかは、君も出会うさ、青い小鳥に♪

ハイラス「その歌は一体?」

俺の好きな歌さ。作曲は平尾昌晃氏で有名だが、作詞の橋本淳氏をここは推したい。すぎやまこういち氏の弟子とのことで、さらに超新星フラッシュマンのヒロインの一人、イエローフラッシュ・サラを演じた中村容子氏の師匠に当たるらしい。
60年代から70年代の多くの歌謡曲の作詞を担当したが、御年78歳になっている今も現役で創作活動を続けているそうだぜ。印象的なのは『銀河鉄道999』のOPEDの他、『ルパン3世 カリオストロの城』の主題歌「炎のたからもの」が挙げられる。共通するテーマは、夢、旅人、幸せ探し、燃える命や炎、星ってところかな。

お前の幸せ探しの旅は、忌むべきものだったのか?
そんなことはないだろう。
お前が真剣に生きて、感じて、考えてきたのなら、そこにはきっと忌みじゃなくて、意味があったはずなんだ。さっきまでのお前が受け入れて来れなかっただけで。
今の目覚めたお前なら、違う意味を見出せるはずだ。
それを語ってみろよ。お前の見てきた旅の真実とやらを。

ハイラス「私は、人々の愛情や、真剣に生きる姿を見てきた。そう、故郷を愛し、隣人を愛し、家族を愛する、そして守るべき者を守ろうとする強い意志。それらはいずれも眩しく尊いもの。私は自らが捨ててしまった故郷の大切さを思い知らされたのだ。そう、失って初めて気付いた故郷の森への想いにな」

そうだ。
お前は旅から、大切なものを学んだんだよ、ハイラス。
大切なものは故郷にある。だが、故郷に引きこもったままで、そのことに気づけたかな?
外の世界で思索を深めることによって、多くを見聞することによって、自分のアイデンティティーを意識させられる。それが、お前の旅の意義付けだったと考えられないか?
寄り道はしたが、旅そのものは忌むべきものでも、無駄な回り道でも決してない。お前の人生において必要なことだったんだよ。そう受け止められなければ、お前は故郷を捨てたのと同様に、旅の思い出すら捨てることになる。
つまり、全てを捨てた先にお前の幸せはあるのか?
お前はただ何のしがらみも責任もなく、遠い次元の向こうに幸せを求めるだけなのか?
それって単に今ある現実を受け入れられず、手に入らない物をひたすら求めているだけじゃないか?
このままだと、お前はただ現実から逃げているだけになってしまう。
受け入れろよ、お前の人生の来し方全てを。
過去の自分の延長に今の自分があることを見据えたとき、未来は見出される。俺はそう考えるがな。
過去も現在も否定して逃げ出す奴に、希望も未来も夢も紡ぎ出すことはできない。だって、自分の命で全てがつながっているんだからな。執着を断ち切るのはいい。だが、自分の命すら断ち切ってしまえば、そこに悟りは得られない。自分を見つめ直し、命の奥底で魂を目覚めさせた時、過去も現在も澄んだ鏡のように映し出した時、そして自分の心の中の水の一雫をつかんだ時、自身の折れた刀に鋭利な光を宿した時、人、それを明鏡止水の境地という。

もう一度問う。
お前の言うバランスとは、何に立脚するバランスなんだ?

ハイラス「それは私自身。私が自分の人生を肯定し、何物にも揺るがぬ強い自分の意志を確立した先に、自らを自らとして自立して自律した時に、バランスは見出せる」

そうだ。
それこそが仏教の背景にあるウパニシャッド哲学の言うところの「梵我一如」。
梵とはブラフマン、これ大宇宙なり。
我とはアートマン、己自身すなわち、これ小宇宙なり。
自分の歩みし人生を肯定できない者に、どうして宇宙の神秘を感じることが出来ようや。
まずは、宇宙と己の不可分性を知悉し、全てを受け止める強き自分を目指す。
そこから始まるのが、ヴェーダにおける究極の悟り、解脱の道だ。

ハイラス「なるほど。故郷が気に入らんと故郷を捨て、旅先でも悟りが得られないと旅からも逃れようとした、私の小我こそ、制御できぬ次元転移の根本原因であったか。では、つまり……」

自分の人生を肯定し、寄り道の中にも学ぶべき宝があることを自認し、日々の精進を無駄にしない建設的精神こそ、お前のドルイ道には必要なことだったんだよ、ハイラス。

ハイラス「うう、もっと早く気付いていれば……」

違うな。
今、気付けたことを喜びに感じるべきだ。
長い旅路の果てに、お前は一つの悟りの一歩に到達できたわけだからな。
そして悟りにゴールはない。イモータルの道にも、さらにその先があるようにな。悟ったと思い、そこから歩みを止めた途端、堕落は始まる。休むのも結構、立ち止まるのも結構。しかし、道がそこにある限り、俺もお前もまた進み続けなければいけない。
永遠に歩み続けることが、俺たちのファンタジーなんだからな。

俺は、俺の中の永遠、そして君の中の永遠を信じている。
命は輪廻転生を通じて、永遠なんだって信じているからな。
だけど、命を汚して、輪廻の輪から外れることを俺は恐れる。
それこそが世界のバランスを崩す悪霊であるからして、
そこに光を当てることこそ、花粉症ガールの使命。

ハイラス「って、NOVA殿自身の使命じゃないのかい!?」

うお、最後に大きな痛恨のカウンターを受けた気分だ。
成長したな、ハイラス。
完敗だ、グフッ!

(マスターNOVA、暁に死す 完)


今のは妄言。まだだ、まだ終わらんよ。By 白い新星のNOVA