ウルトロピカルな⭐️GT(ゲーム&トレジャー)島宇宙

南の島と上空の宇宙宮殿を舞台にTRPGや特撮ヒーローなどのおしゃべりブログ。今はFFゲームブックの攻略や懐古および新作情報や私的研鑽メイン。思い出したようにD&Dに触れたりも。

D&Dゲームシナリオの話

★休日のお買い物

NOVA「D&Dのシナリオが出たので買った」

ハイラス「少々高い買い物でござるが、資金繰りは大丈夫でござるか?」

NOVA「なあに、パスファインダーRPGに比べれば安いものだ。年末に買えなかったルールブックもようやくゲットだぜ」

ハイラス「それで、本日は買い物話をしたいのでござるか?」

NOVA「いや、今回のテーマは、これだな」

ハイラス「昨年の春に上映された映画と、その原作本でござるな」

NOVA「ああ、70年代から80年代のサブカルチャーネタがいっぱい詰まった作品だ。原作では、スパイダーマンレオパルドン初代ウルトラマンが登場し、映画の方は1stガンダムが登場して、メカゴジラと戦ったりする。まあ、メカゴジラのデザインは海外オリジナルなんだけど。そして、映画ではD&Dネタは映像で匂わす程度だったけど、原作小説では主人公が『恐怖の墓所』というダンジョンを探索する場面があって、これがいろいろワクワクさせてくれる」

ハイラス「『恐怖の墓所』とは、どのようなダンジョンでござるか?」

NOVA「1978年にD&Dの生みの親ゲイリー・ガイギャックスさんが書いたAD&D第1版対応の伝説のデスダンジョンらしい。俺はさすがにそこまでのマニアじゃなかったから、小説を読んだ際に初めて、その名を知って、どんな強烈なダンジョンなんだろう、とネットを検索して、その伝説の高難度ぶりを間接的に知ったわけだが……」

ハイラス「ふむふむ、それで?」

NOVA「第4版対応で、邦訳されていたんだな。こちらを参照。そして気づけば時代は第5版になっていて、伝説のシナリオは入手困難になっていたわけだ。ルールブックもプレミア価格が付いているのに、出版点数のはるかに少ないシナリオ集は伝説級なレア物だ。そう思って諦めていたら、今回のシナリオ集で、5版対応の『恐怖の墓所』が収録されていると言うではないか。手の届くところに伝説があって、自分がそれに非常に、キラやば的に興味を持っているとなれば、買うだろう。買わなければマニアじゃない。知らないとか、金がないならともかく、買える条件が整っているなら買わない方が一生後悔する。うん、買わずに後悔するなら、買って後悔しない方が幸せに決まっている。そして、買ったなら役に立てないとな。ブログ記事のネタとして……という話なんだ、今回は」

ハイラス「キラやば、は使わないはずだったのでは?」

NOVA「いや。この場合は正しい用法だぜ。何しろ、キラー(殺意満々)でヤバい(死者続出)デスダンジョンの話なんだからな。そう、こういうマニアックな極悪伝説なる物を形容する場合は、キラやばOKと主張するわけだよ。クトゥルフ神話の魔物を見たり、殺意あふれるドラゴンに遭遇したり、命や心の危険に遭遇して、それでも怖いもの見たさでワクワクドキドキした時の心境は、これキラやばなり、というものだ」

ハイラス「なるほど、つまりデスダンジョンシナリオをゲットしてワクワクしているNOVA殿の今の精神状態は、キラやばでござるな」

NOVA「オヨッ?」

 

★正気に戻って

NOVA「さて、冷静になってみれば、しばらくD&Dをプレイする予定もないのに、シナリオ集を買うのは無駄遣いと考えるわけだよな。俺もルールブックに興味はあるが、実のところシナリオコレクターではない。何しろダンジョンシナリオなんて自作すればいいだろう、と昔はそう考えてきたわけだ。TRPGって自作推奨なゲームだし、第3版で買ったシナリオもコンピューターゲームの背景であり、続編の『邪悪寺院、再び』ぐらいだな」

ハイラス「では、クラシックD&Dでは、どんなシナリオを買ったでござるか?」

NOVA「初心者はまず『国境の城塞』から始めるのがセオリーだったらしいけど、俺はルールブック所収のシナリオから始めて、その後は自作で通してきた。ルーズリーフにダンジョンマップを書いて、そこにモンスターとトラップとお宝を適当に配置すれば、ダンジョンシナリオは完成だ。あとはプレイヤーを引き込むのが最大の難関って感じで、高校時代はTRPG仲間集めを頑張って、かなり楽しめたのは去年語ったとおりだ。そんな自作OKな意欲あふれるDMだった俺が、買ったベーシックレベルのシナリオって、結局『ラハシア』だけなんだ」


ハイラス「どうして、それだけ?」

NOVA「ドラゴンランスの作者の一人、トレーシー・ヒックマンの書いた傑作シナリオという宣伝文句に心惹かれたから。当時の自分は、D&Dの作者ゲイリーさんのことはあまり知らなくて、それよりもドラゴンランスの作者の方がネームバリューが高かったんだな。ゲームデザイナーとして宣伝されていたのは、ゲームブックスティーブ・ジャクソンとかイアン・リビングストンとか、そっちの方が印象的だったし、どうも当時(80年代後半)のTSR社はゲームデザイナーを持ち上げることを良しとせず、社のゲイリー下ろしの影響で日本でもデザイナーを宣伝する流れではなかったことが、昨年のゲイリー伝記ではっきり分かったわけだし」

ハイラス「それで、傑作シナリオの『ラハシア』とはどういう内容でござるか?」

NOVA「悪の神官ラヒブが封印された三人の邪悪な魔女を復活させようとして、三人のエルフの乙女を魂の器として誘拐しようとするわけだな。2人が拐われて、3人めとして狙われている乙女ラハシアが、冒険者一行に事件の解決を依頼して、ラヒブの潜むダンジョンに侵入する流れだ。乙女の肉体を乗っ取る邪悪な魔女って設定だけで、自分のツボにハマったりするわけだが、それはともかく。今、すごいものを発見した」

ハイラス「何でござるか?」

NOVA「うん。クラシックD&Dのガゼッタシリーズの邦訳版を昔、買っていたんだけど、書庫の奥に見当たらないんだよね。処分した可能性が高いなと思っていたんだけど、今、ラハシアの中身をパラパラとめくっていたら、こんな物が見つかった」


ハイラス「これは?」

NOVA「ガゼッタシリーズの一つ、『アルフハイムのエルフ』からの切り抜きだ。エルフ・ウィザードに関するルール部分と呪文リストだけ、切り取って残してあったわけだよ。こんな切り抜きだけ残っているということは、他の本は明らかに処分したんだと考えられる。たぶん、メディアワークスがクラシックD&Dのサポートをするから、カラメイコス大公国のガイドは無用と見なしたのかな。処分したのは残念だけど、持ってるのか捨てたのか、うやむやな状態が続くよりはいいし、何よりもエルフ・ウィザードだけで当ブログの記事ネタとしては十分だ。近いうちにクラシックD&Dのエルフ・ウィザードの記事を書くぞ。8ページもあれば、ネタ元としての分量も申し分ない。アルフハイムのエルフは、こんな呪文が使えるよ。多くはドルイドと共通するけどねって話だけで、楽しめそうだ」

ハイラス「おお。エルフ・ウィザードはドルイド呪文が使えるのか。それは親近感があるでござる」

NOVA「どちらも森や自然を大切に考える点で、近い立ち位置にあるからな。旧版ソード・ワールドだと、ドルイドはシャーマン&レンジャー技能を持っているし、エルフもみんなシャーマン技能持ちだし、やはり絡めることが可能。AD&D時代だと、ドルイドになれるのは人間かハーフエルフ限定だったけど、3版以降はエルフ・ドルイドもあり、なわけで。エルフとドルイドを絡めた記事書きの方向性が見えたような気がする」

ハイラス「すなわち、今年もドルイ道を探求する流れでござるな」

NOVA「戦隊の敵がドルイドンだから、時流にもかなっているしな。それにしても、かつては支配階級だった連中が虚空の彼方より帰ってきて、再度の支配権を要求して侵略活動を開始するのって、D&D4版のネザリル帝国に似ているよなあ。いろいろな物がネタつながりすると、記事書きするのも楽しいと感じる俺がいる」

ハイラス「もはや、シナリオ話が吹っ飛んだ感じでござるな」

NOVA「まあ、その辺は上手くまとめたいところだ」


★クラシックD&Dのベーシックシナリオ


NOVA「それで、ラハシアの何が傑作かという話なんだが、基本的にベーシックレベルのシナリオって『ダンジョン入って、お宝ゲットして、経験値稼いで一儲け』という内容だらけなんだよな。もちろん、ダンジョンの外観が、国境にある洞窟群だったり、神秘的な古の宮殿だったり、失われた都市だったり、いろいろ変化は付けられるんだけど、一度ダンジョンに入ってしまえば、やってることは同じ。そんな単純なシナリオだったら、誰でも作れると思っていた時期がありました。まあ、大人になると、シナリオを自作する時間もないので、市販のシナリオがあれば、それに越したことがないわけだし、昔と違ってネットでシナリオを無料ダウンロードできる時代だからね。ますます自作の必要性が薄くなる。もちろん、意欲的なゲームマスターはプレイヤーグループに合わせた物語を考えるんだろうけど」

ハイラス「そもそも、ダンジョンに入って、お宝探しをするのに、物語は必要なのだろうか」

NOVA「まあ、キャラの育成やバトルそのものを楽しむだけなら、物語なんてなくてもいいんだけどね。ただ、日本でTRPGが紹介されたときには物語性のあるゲームという形で宣伝されたわけだ。そんな中で、いわゆるハック&スラッシュ、モンスター倒して宝ゲットを延々と繰り返すスタイルは時代遅れの低級ゲームと揶揄されたりもしたんだよ。そういう世相の中で、『ラハシア』はストーリー性のあるダンジョンシナリオということで評価されたわけだ。単に悪いゴブリンが巣食っていたので倒しましたって話から、ダンジョンを探索していると物語の背景事情が次第に見えてきて、そして事件解決のためにしないといけないことが判明するって流れ。さすがに、こういう話は本腰入れないと作れないよね」

ハイラス「すると、NOVA殿はラハシアのみ購入して、他は全て自作でまかなった、と?」

NOVA「新和版のベーシックはね。だけど、その後、メディアワークス版が出た時には、文庫で『キングズ・フェスティバル』『クイーンズ・ハーベスト』『ナイツ・ダークテラー』の三部作が出て、これはしっかり購入した。2000円もする新和版シナリオに比べて、1000円以内で買える文庫版はお買い得だし。そして、自分が一番プレイというかDMしたクラシックD&Dはこの3部作になるね。それ以降のTRPGプレイは単発ものか、コンピューターRPGなどのソロプレイぐらいだったわけで。
「さらに、付け加えると、英語版の『In Search of Adventure』を購入した。これはベーシックシナリオの9作をまとめた総集編シナリオで、これさえあれば、ほぼ全部揃っているという正にお買い得バージョン。実際には、ダンジョン部分以外の要素はいろいろ割愛されているのだけど(国境の城塞の買い物できる拠点の紹介とか)、メインのダンジョンがあればプレイにほぼ支障はない。ただ一言言えば、ベーシックってレベル1~3までしか対応しないのに、9本もシナリオがあっても意味がないってこと。エキスパートレベルだったら、レベル4~14まであるのだから、全部使えそうなんだけど」

ハイラス「まあ、複数パーティーを運営するなら、冒険の舞台であるダンジョンはいくつあっても無駄にはならないでござろう」

NOVA「そこまでDMばかりやりたくねえよ。俺は昔からプレイヤーをやりたかったのに、結局、俺のためにDMやってくれる連れを育成することはできなかったよなあ。まあ、今は無駄になったシナリオ集も、ブログ記事のネタになってくれるのだから、もったいない感が少しでも和らいでくれているんだけどな」

ハイラス「それで、新しく買った5版のシナリオ集はどうであったか?」

NOVA「まだ読んでねえよ。プレイ予定もないのに、急いで読むものでもないだろうし。読んで、面白いネタが見つかれば、また懐古話といっしょに続きを話してやるよ」

(当記事完)