ウルトロピカルな⭐️GT(ゲーム&トレジャー)島宇宙

南の島と上空の宇宙宮殿を舞台にTRPGや特撮ヒーローなどのおしゃべりブログ。今はFFゲームブックの攻略や懐古および新作情報や私的研鑽メイン。思い出したようにD&Dに触れたりも。

クラシックD&Dドルイド呪文3

さあ、夏至前夜のドルイ道企画、続けて行ってみよう!

 

ハイラス「NOVA殿、いつにも増して、ハイテンションでござるな」

 

ああ、ちょっとした言葉による地鎮祭的なものだと思っている。

 

縁起を担ぐみたいだが、地震直後で風雨なんかも気になる頃合いだと、多少は神経過敏にもなるからな。そういうタイミングで、自然信仰のドルイドについて考えるのも、何かの縁だとは思うんだ。

 

俺は仏教徒だから、別に神様を崇拝するわけではないが、逆に神様を毛嫌いするわけでもない。あくまで仏が主で、神が従というスタンスを取るだけで、土着の神様を排斥するつもりもない。仏教徒にとっての神とは、仏を守護する諸天の加護を司る存在であり、護法神ともいう。

仏教は割と土着の信仰を大切にする宗教で、地元の神を教義体系の中に取り入れる形で発展・定着していった経緯がある。主従を取り違え、己の修行を蔑ろにしながら、都合よく神頼みだけするような輩は否定するが、自己の精進と、諸天への感謝は矛盾する考えではない。

 

まあ、宗教を理由にケンカっ早くなるのは、自分としては頂けないが、宗教に無知な輩が印象論だけで他人の信仰を批判するようなケースに対しては、否というスタンスを取らせてもらう。宗教戦争なるものも、要は他者の信仰や文化を排斥するところから生じたものだし、宗教は戦争を引き起こすから悪であるという短絡的な考えは、それ自体が宗教戦争を引き起こす者と同質の無知さ、傲慢さを宿していると主張する。

 

ハイラス「戦争を引き起こすから悪、という理論なら、結局、人間性そのものが悪と言っているのと変わらないように考えるが」

 

そういうことになるな。

もちろん、人間に善悪の両性が備わっているように、宗教というのも人間の文化活動の一種であるから、やはり善悪の両面があると見なすのは正しいと考える。そして、宗教的組織や、信仰心というものは内的正義心に突き動かされる強いパワーを備えているので、それが建設的に向けられたらいいが、破壊的な方向に向けられる危険もある。強すぎる力は何事であっても、注意深く運用しなければ破滅をもたらしかねないというのも真理である。

 

ハイラス「だからこそ、我々ドルイドは世界のバランスを重視する考えなのだ」

 

文明否定の自然信仰というものがバランスを重視しているかどうかは、議論の余地があると思うが、原始のアニミズム的な信仰はたいがい素朴で、陰謀的な悪意とは無縁なのは間違いないだろうな。ドルイドが武力を行使するのは、基本、自衛のためだとも聞くし、平和重視の隠者然とした集団が基本だと考える。

ただし、正義にしても、バランス重視にしても、立ち位置や視点が変われば、いろいろとうさん臭くなるのは、現実の歴史や各種のファンタジー小説から学んだ。そういう主張をしている人間に限って、客観性よりも主観的な判断で正義やバランスを定義づけているからだろうな。理性的に見えて、実は感情的な判断で大局を論じがちだったりして。

 

ハイラス「そういうNOVA殿も、結構、感情的に判断しているのではござらんか?」

 

ああ、そうだな。

そして、俺は自分が常に冷静で客観的で論理的で正しい、と主張したりはしていないぜ。

時には理屈を重視し、時には好き嫌いを主張し、「理性的に考えればこうだが、俺の感情がそれを是としない」といった感じに、両面で考えながら葛藤するスタンスだ。理性的な判断なのか、情緒的な判断なのか、それぞれの判断基準を割と自覚していたりする。だから、マルチ脳と自認しているわけで。

 

この辺は、俺が信仰者だからかもしれないが、宗教って時には人間の感情を強烈に煽るときがあって、そのまま突き進むと暴走するような危険は常にある。そこで理性のブレーキを掛けないと、盲信に陥ることになり兼ねん。宗教に限らず、視野狭窄な人間はどこにでもいるが、自省できない人間は己の感情を下手な屁理屈で正義だと盲信し、突き進んで周囲に迷惑をかけることをしばしば行う。昔は俺もそういうやらかしを何度かして、失敗した経験から学んで、今に至る、と。

その上で、ファンタジー物語における神様とか宗教の話は、その民族における文化的遺産とか、歴史の伝播とかを示す史料として、学術的見地からも尊重したいと考えている。

そして、その延長上にウルトラマンとか、マジンガーみたいなヒーローやロボットも位置付けられると考えていたり。

 

ハイラス「どうやら、オチがついたようでござるな」

 

ウルトラマンマジンガーはオチかよ(苦笑)。

 

★4レベルドルイド呪文(ウォーミングアップ)

では、ここから本番だ。
クラシックD&Dの呪文体系において、1レベルは基本、2レベルは多少の変化球、3レベルは本領発揮の全力投球と俺はイメージしているが、4レベルから5レベルにかけては一つの完成形に至る道、と見ている。

ハイラス「つまり、どういうことでござるか?」

侍ジャイアンツの番場蛮に例えるならば、1レベルは殺人ノーコン豪速球時代、2レベルはノーコン改良特訓でストライクを投げられるようになった状態だが、3レベルでハイジャンプ魔球、4レベルでエビ投げハイジャンプ魔球に進化し、5レベルで大回転魔球になったようなものか。

ハイラス「その例えでわかる読者がどれだけいると考えるのか、NOVA殿は?」

いたら凄いよな。
何だかインターネットの世界で例えを使いたがる者は多いが、「◯◯はまるで□□みたいだ」で話を終えるものがたまにいてな。本人の中では、それで十分説明になっていると思っているらしいが、そういうのは総じて説明不足の言葉足らずという。「仮面ライダービルドの氷室幻徳は、キン肉マンのビッグボディみたいだ」と言われて、なるほど、と思える人間がどれぐらいいるだろうか。
まず、「キン肉マンのビッグボディ」を知らない者には意味不明だし、知っていたとしても、「どこがどう、みたいなのかまで説明しないと、書き手の意図が伝わらない。むしろ、おかしな誤解を招きかねない」ことは、文章の書き手なら考慮に入れて然るべきだろう。

この場合、例えるなら「氷室幻徳はビッグボディみたいだ。というのも、どちらも、かつては敵キャラとして登場したにも関わらず、何だか無能をさらし、ネタキャラとして愛される形で人気を博したが、最近になって非常に格好良く描かれるようになっている。幻徳はビッグボディほどの長い苦渋の期間を味わっていないが、それでも一部の人間の心ない批判の声にさらされたことは事実である。俺は、幻徳とビッグボディを応援する立場として、彼らに対する中傷の声には反論するスタンスを表明する。たとえ負けたとしても、幻徳とビッグボディの漢としての心意気ぐらいは認めてやらないと、ヒーロー物を語る資格はない、とまで主張してみる次第。ただし、幻徳ファッションショーまではギャグだろうから、無理に肯定する必要もないのだが。これでビッグボディまで妙なファッションショーを展開したりすると笑える。剛力ビッグボディが、友情パワーに目覚めて知性のスーパーフェニックスの闘技を披露するとか、キン肉マンだと割とありそうで期待する。まあ、花粉症ガール世界において、力と知力は同義だけどな」とまあ、ここまで説明できてこそ、例える価値はあると考えるぞ。

ハイラス「そこまで、話を展開するのはやり過ぎと思わなくもないが、要するに比喩は誰にでも分かるように語らないといけない。メジャーな作品を、その場では話題に挙がっていないという意味でのマイナーな作品で例える場合、自分が感じるその共通事項まで補足説明しないといけない。その共通事項を語って、読む者になるほどと思わせてこそ、例えることに意味がある、と言いたいわけでござるな」

相変わらず、ハイラスは俺の話をまとめるという意味で有能だぜ。話を展開する才には欠けるみたいだが、俺が展開した話を収束させる上では、重要な役割を帯びていると言えよう。

ハイラス「褒めていただいて恐悦至極なり。そもそも、NOVA殿の話は、全力であさっての方向に突き進んで、思いきりカーブを描いて戻ってくることが多いゆえ、時々はその軌道を確認してやらないとボールを見失い、気づけば宇宙空間にフワフワ漂って、そこから運良く流星群に乗って帰ってくることもしばしばだからな。そうなる前に、せめて大気圏内にボールを留めておかないと、巻き込まれた読者が宇宙空間で凍りついたり、大気圏突入の際の高熱で燃え尽きたりしかねんほどだ」

つまり、俺の記事について来ている読者は、それだけ過酷な試練に立たされているわけだな。勇者選別記事とでも言おうか。

ハイラス「いや、自画自賛も程々にしないと、ただのバカにしか見えないでござる」

ぐっ、バカはバカでも、俺は熱く燃えるストレートなバカを応援する男だぜ。マグマなモンキーとか、四文字熟語好きな突貫野郎とかな。まあ、俺自身は紆余曲折の急カーブな知性派を自認するバカだがな。最悪だ、と呟きたいが、同じバカなら、躍りゃな損ソンってなもんよ。

さて、たとえの話は、インターネットにおいて扱い注意ということは伝わったと思う。
そもそも、語り手は「◯◯の話を、□□に例えることによって、自分の知識や感性をアピールしたいという意図」もあるのだろうが、だったら、その先の説明まで語らない尻切れとんぼだと、知識も感性も示し得ないということになる。単語だけ示して説明の補足もないようでは、「ぼくの言いたいことを誰々さんなら分かってくれるはず」という甘えが露骨で、「そんなものは普通は分からねえよ、そこまでの忖度を他人に求めるな。自分の話の主張は、自分の言葉でしっかり伝えろ。意図不明な例えじゃ何も分からん」となる。
それじゃ、マニアックとは程遠いよな、趣味を通じた自己主張もろくにできないようじゃ。

ハイラス「しかし、ネット上で例える事例が多いのはどうしてだろうか」

そりゃ、自分の知識ジャンルや、現在注目している作品、好きなものを伝えるのにも有効な手段だからさ。
俺がD&Dの話をするのに、特撮ヒーローや古いマンガやアニメ、必殺シリーズなんかを例えに挙げるのも同じことだが、この辺は上手く回せば、同好の士の関心を惹くのにも有効だ。知っている者にはニヤリとできるからな。
つまり、何を何に例えるか、見立てるかも、その人個人の知識やセンスの表明にはなるのだけど、例えのジャンルも繰り返し同じものを何度も提示してこそ、その人間の個性アピールにつながると考える。

分かりやすいのは、シンカリオンの主人公のハヤトだ。
鉄道マニアの彼は、目に付くものや感じたものを全て、自分の好きな新幹線や鉄道ネタにつなげて語るギャグが定番で、仲間の中でも知識担当のアキタをして「さっぱり分からん」と言わしめるほどのマニアっぷり、鉄道への愛情たっぷりが描写されている。
大体、アキタは普段なら、人の話を聞きながら最後まで聞かずに「話は読めた」と断言して、自分の見解を語っちゃうキャラなのに、ハヤトの鉄道薀蓄だけは付いて来れないわけだ。
この描写だけで、「あのアキタをして、付いて来れないほどのハヤトのマニア度の高さ」を明示しているわけだし、逆に、その「ハヤトの深い知識に普通に、なるほど、と納得できる鉄道マニアな視聴者は、一種の自尊心をくすぐられる仕掛け」にもなっている。

ハイラス「NOVA殿がシンカリオン好きだということは分かったが、その例えで分かる人はどれだけいるだろうか?」

一人は確実にいるさ。
俺と別掲示板でシンカリオン話を毎週語っているし、ここを読んでいることもアピールしてくれているからな。

それはともかく、何かに例えることで自分の個性をアピールする手法はありだが、こういうのは繰り返して使うことで自分の持ち芸を固めるのと、その例えで自分は何を伝えたいのかを明言してこそ意味があるわけで。
知識や感性を伝えるにしても、「D&Dはシンカリオンみたいだ」で話を終わらせて、それ以上は語らないのでは、分かる人にすら分からないと思われ。

ハイラス「その例えの真意はどこに?」

D&Dは進化理論。
ゲームシステムの版上げ進化もそうだし、そもそもRPGというゲームジャンル自体が、キャラの成長や進化を表現していて、RPG風味というと「キャラのレベルアップで表現される成長性を備えたゲームシステム」と同義で語られることも多いわけで。
まあ、これは仮面ライダーのフォームチェンジにも言えることだけど、主人公や脇キャラの成長や進化をしっかり描いている作品は、NOVAの感性にもフィットする。大人としては、子供の成長なんかを見届けたいと思うし、他人の進化を見ると、自分もまだまだ負けてられないと前向きな意欲も湧いて来るってもんだ。
もちろん、フォームチェンジみたいな見た目の分かりやすい成長は、メイン視聴者の子供にアピールする仕掛けだけど、大人の視聴者の場合は、そこまで明示されてなくても、ドラマ面でキャラの内面の進化や成長を感じられればいい作品だと考える。まあ、時にはファッションショーとかアイドル萌えとか、あさっての方向にコミカル進化? 堕落? を提示するキャラもいるが、それとて一回やって終わりではなく、繰り返してこそ個性のアピールにもなるのだと考える。
要はその場の思いつきだけでネタにするか、自分の持ち芸として意図的に展開するかで、トーク技として進化・発展を志しているかが分かる次第。

さて、言葉の技としては呪文もそうだな。マニアックな入り口に入ってきた4レベル呪文の話を展開するか。


★4レベルドルイド呪文(クライマックス)

ハイラス「やれやれ、ようやくでござる。ここまでマニアックに脱線しまくったD&D記事も前代未聞、本末転倒の甚だしさよ。ドルイド4レベル呪文は、『コントロールテンプラチャー(気温支配)』『プラントドア(草木門)』『プロテクション・フロム・ライトニング(避雷)』『サモンアニマル(動物召喚)』の4つではあるが」

一応、他の術師の同レベルの代表的な呪文も触れておくか。

魔法使いがレベル7になると使える4レベル呪文は、結構多彩だ。単純な攻撃ダメージ呪文は「アイスウォールと兼用のアイスストーム」で、これは以前コメント欄で「D&D世界は、炎よりも氷の方が上級で、初期のファイナルファンタジーもそれを踏襲したところがある」という記述の元ネタだな。要は火球と電撃が3レベルで、氷の方が4レベルで格上扱いと。
なお、これはドラクエでもメラよりヒャドの方が強力で、ウィザードリィでも火炎のマハリトよりも氷のマダルトの方が格上。
ただし、ギャグの世界では、場を冷やすよりも、場を温めるギャグの方が格上扱いとなる。俺は昔、冷気ギャグの使い手で、どうしても場を温めることができずに苦心したことがあるが、温めるコツは簡単。自分がバカを演じれるかどうかなんだな。距離を置いたクールな態度でボソボソつぶやいても空気は冷える一方で、まずは場の空気に溶け込む過程を経ないと、場は暖められない。その空気のつかみ方、自然との距離感を体得することで、場を温めることも可能になるわけだ。

ハイラス「なるほど。それがドルイド呪文の『コントロールテンプラチャー』に通じるわけだな」

いや、そういう展開を意図していたわけじゃ……まあ、いいか。上手くつながったなら、自分の無意識なセンスゆえのストライクを称えよう。

次に、魔法使い4レベルは移動系もあって、俺も得意とする次元門、「ディメンジョンドア」だ。3レベルのフライ(飛行)やヘイスト(加速)と相まって、時空魔術師のWhite NOVAが多用する呪文と言えよう。敵に接近された時の脱出技としては、かなり有用だしな。

ハイラス「ドルイドにとっては、プラントドアが相当するが、森の中での移動補助や隠密活動に最適なものの、NOVA殿のように自由自在とまでは行かず、かなり効果が限定されている」

その辺は、翔花みたいなドライアドも得意としているな。彼女たちは呪文ではなく、種族としての通常能力で普通に使用しているが、森での戦いと奇襲攻撃という局面なら、花粉症ガールはかなりのパフォーマンスを発揮すると言えよう。
実は正面からの接近戦ではなく、暗殺者としてなら、かなり優秀な能力なんだな。花粉症ガールってのは。

ハイラス「レインボーマンダッシュ4、木の化身もそういうキャラでござったな」

ああ、レインボーマンをチェックしているとは、お前も勉強熱心だな。

ハイラス「NOVA殿が仏教の徒であるなら、その辺りの予習は必須と心得たゆえ」

まあ、あれは本流じゃなくて、釈尊への叛逆者ダイバダッタの魂を宿しているから異端なんだがな。どちらかと言えば、仏教をベースに大和魂とか真言密教陰陽道を混ぜこぜした感じだ。曜日という概念からして、陰陽五行に基づくものだし。とは言え、元祖フォームチェンジキャラとして、語るに値するキャラではある。
月光仮面レインボーマン、ダイヤモンドアイ、コンドールマン川内康範4大ヒーローは、日本の特撮ヒーローの源流の一つにして、究極のカルトの一翼を担っている。この系譜と、ビープロ、宣弘社を語れるようになれば、まあ、普通にマニアを名乗ってもいいんじゃないかな。
もちろん、東映のライダーと戦隊、円谷のウルトラシリーズをろくに語れないのに、そちらばかりを語っても、本末転倒と言えるが。

ハイラス「つまり、D&Dやソード・ワールドを知らないのに、ファンタズムアドベンチャーや、まじかるランドRPGを語るようなものでござるな」

お前が勉強熱心で嬉しいぜ。
さて、次の魔術師呪文だが、「チャームモンスター」が強力だな。まあ、今はポケモンモンスターボールとか、妖怪ウォッチなど科学の力を組み合わせて、子供でも普通に仲間モンスターや妖怪をゲットできる時代になったが、元祖はウルトラセブンカプセル怪獣や、悪魔くんなどの召喚魔術師に起因して、かなり高レベルの術者の技だった。それと、鉄人28号のように、少年の操る代理戦士という意味では横山光輝の方向性も踏襲しているのかもな。超能力少年と三つのしもべの系譜にもなるし。

ハイラス「それがドルイドのサモンアニマルに相当するわけか。ところでNOVA殿は、さっきから意図的にドルイド呪文とつながるように、魔法使い呪文を挙げていないか?」

さあな。
俺が魔法使い呪文を語り、お前がドルイド呪文を語るのが、得意分野の披露という意味で、いいんじゃないかとは思っているが。
なお、サモンアニマルと聞くと、思わず『百獣戦隊ガオレンジャー』の変身コール「サモン・スピリット・オブ・ジ・アース!」を連想するが、ガオレンジャーは動物の精霊を己が身に宿すのに対し、クラシックD&Dの方はそういう憑依的な能力は持たないんだよな。

ハイラス「もっぱら使役型の術者であるようだな。AD&Dでのドルイドは獣への変身能力を備え、月の加護を受けし憑依型の術者も存在し、私もそういう能力を使うようになったのだが」

俺はどちらかと言えば、霊感体質なのか、こっちが召喚しなくても勝手におかしなものが集まって来て、何やらうるさいから、きちんと扱い方を学ばないといけない事情があってな。
見鬼召鬼の類から、想像妄想を飛躍させて、まあ今に至るわけなんだが、自分と似たようなキャラに『仮面ライダー龍騎』の神崎優衣というのがいてな。要するにモンスター出現と、ライダーバトルの元凶になっていたんだが、そんな彼女が劇場版では自害して果てるという、なかなか過酷な結末を迎えたのは結構愕然とした。

こういう特殊能力じみた力を持つ者は、世を儚んで自分を滅しなければいけないのか? と考えると、なかなかいたたまれなくなってな。主人公すらも最終話前に死ぬことになったり、パラレルワールドで復活したり、一応の救いは与えられたが、ずいぶんと虚しさを覚えたわけだ。
その後のファイズでは、狼の化け物として覚醒してしまった主人公が、敵だらけの世界で「俺の道」を歩む威風堂々な姿に賛同したりした挙句、
響鬼さんの「鍛えてます」の一言で異能を制御してみせたり、
電王の「想像妄想の産物であるイマジン連中が、良太郎という特異点との出会いで、明るく楽しい仲間との交流劇を描く」ことで、ああ、過酷なだけでなく、こういう世界もあっていいんだな、と感じ入ったり、
そこから10年を経て、世間も随分、異能に優しいように改善されたと思うぜ、本当に。

ハイラス「NOVA殿も相当苦労されたようでござるな」

他人に見えないものが見える、感じられるってのは、良し悪しだぜ。きちんとコントロールできればいいが、そうでなければ、いたずらに疎外感だけを覚えることになる。見えるもの、感じられるものをどう表現できるかがコミュニケーションスキルの模索だと思うが、知覚できるもの全てを現実だと言ってしまえば、社会生活は営めないわけだな。だから、創作ということにしてしまえば、まあ、現実との折り合いが付けられるわけで、それも一つの自己防衛手段なわけだ。

魔法使いの4レベル呪文は、身をやつす呪文や幻術系の呪文も充実していて、混乱などの精神系呪文や、違う視点からの視覚を提供するウィザードアイなんかもある。割と自分のキャラの方向性なんかを意識した呪文選択が問われるわけだ。
低レベルだと、生き残るために必要な効率性重視の呪文選択に走りがちだが、この辺りになると、低レベル呪文の、例えばスリープなんかは敵にも通用しなくなるし、高レベル呪文との組み合わせもバリエーションが増えて、何をどう使えばいいのか、プレイヤーごとに異なる見解も生まれてくる。

ハイラス「つまり、正解が一つではござらんと?」

そういうのが個性化の始まりって奴だな。
つまり、小学生で個性云々言っても始まらず、社会に出るための常識や基礎的教養をしっかり習得させ、個々の特性に合わせた特技習得なんかは、基礎の習得が一段落してからでも遅くはないわけだな。その辺の何がその子の個性か見えてくるのは、昔はティーンエイジャーの時期だと考えられての義務教育やら高校受験だったのが、今はどうだろうな。
義務教育レベルの常識も持たずに世間に出て、個性の時代を自己主張しているバカが多く見られると思うし、そういうのをマスコミなんかでは持て囃す風潮だ。

普通の個性だとニュースバリューが低いからか、変わり者ばかりに注目が集まる時代だが、同時に変わり者はちょっとたがが外れたり、調子に乗ったりすれば、それまでの持ち上げぶりが一転して、バッシングを受けるのも世の中だ。
要するに、マスコミは常に持ち上げる対象、その逆に攻撃する対象を求めているからな。ハシゴに登らせてから、一気に外すようなことを平気でするし、そうされた人間の気持ちなど御構いなしで、話題として面白ければそれで良し、つまらないなら忘れ去るということだ。人の風評なんて、所詮はそんなもんだ。

ハイラス「なかなか含蓄深い言葉だと思うが、結局、何が言いたいのでござるか?」

マスコミなんかに踊らされない、確固とした自分の意志を持て、ということさ。
もちろん、情報収集源としてマスコミを利用するのは普通だし、世間で何が話題に上がっているかを知らずに、自己の世界だけに埋没するのは、引きこもり、世間知らずの謗りを免れん。だから、バランス良く情報収集に励みながら、自分の見識を高める。ここまではいいな?

ハイラス「つまり、事実認識のために世間の情報を知るべし。ただし、善悪などの価値基準まで他人の言動にいたずらに振り回されるな。そういうことがおっしゃりたいと?」

そうだ。
世の中には揺るがぬ価値基準の善悪は確かにある。
人を殺すな、とか、他人の悪口を言うな、とか道徳観に起因するものだ。人殺しの自由とか、悪口の自由なんてものは、個性として認めないのが社会の常識ってもんだ。そういう犯罪crimeの類と、道徳的罪sinを混同して「法律に書かれていないから何をしようが自由でしょ」などとバカな発言を真に受ける愚かさも、人にはあってな。
それを言う人間は、何もかもルールに書かれていなければ、自分の行為の善悪も判断できないのかよ、とツッコミたくなるわけで。

ただし、文化が変われば善悪の基準も変わるわけだし、日本の常識はアメリカその他の異国、異世界の常識ではないし、大人の常識が子供の常識とズレることもある。いわゆるジェネレーションギャップというのもあるわけだし、サラリーマンと自営業、フリーターの常識も別々だ。
だから、何が変わらぬ常識であって、何が立場によって変わる常識、個性の類かは冷静な判断が必要だ。

そして、マスコミの語る常識が、世間の常識とズレることも大いに理解してほしいところだ。彼らは、総じて反権力の自分に酔い痴れ、新しさに飛びつき、伝統軽視で、普通というものに価値はないという視点で物事を語りがち。要はニュースになるかどうか、という視点で物を見がちな職業病に掛かっているからな。
だからと言って、マイノリティーに優しいかと言えば、そうでもなく、オタクやマニアという確固たる価値観を持ち、簡単に風評に左右されない人種には手厳しい。まあ、近年は風向きがだいぶ軟化したと思うが、それは芸能人にそういうオタク芸を売りにした者が増えたということもさることながら、「マニア相手の商売が金になる」と気づいたからだな。

マスコミが反権力の姿勢を示すのは構わないが、自分たちも第四の権力であることは自覚して欲しいし、過剰な報道合戦とか、バッシングでマイノリティーいじめを煽動している自分も戒めて欲しい。
そして、いたずらに、自分の価値基準も曖昧なままに、「世間ではこう言っているから、自分の言い分は間違いない」という無検証な言動は、ティーンエイジャーならともかく、自分の信念や個性を売りにする創作家やマニア、オタク志望の論者としては恥ずかしいわけだし、何かを質問するにしても、それが自分の言論活動においてどういう意義づけがあって、自分はどこまで論を組み立てたか、考えを構築したかすら示さずに、「ほんのちょっとした出来心で質問を連発」するんじゃ、快楽殺人者の言い分と大差ない。もちろん、質問という行為そのものは犯罪ではないが、起因となる精神性という意味合いにおいてな。
意味のある質問は当然有意義だし、その意味合いというのは、質問者本人の思考の過程やその後の研鑽意欲によって左右される。そして、意味のない質問ってのは、それを知った自分の思考の積み上げにもならず、掲示板の話題を盛り上げるでもなく、さらっと流れても誰も気にしない塵芥のようなもの。そんな塵芥扱いじゃイヤなのが人情だから、質問をブラッシュアップするのではなく、やたらとしつこく絡んで塵芥を擦り付けて来るような文面だから扱いに困るんだけどな。

ハイラス「しかし、今は掲示板では絡んでいないようだが?」

表面的にはな。
だから、メールで裏から絡んできたりして、こっちは裏でコソコソじゃ時間の無駄だから、できるだけ一般論になるようにブログで自己主張の契機に使っている次第だ。何か問題か?

ハイラス「私のドルイ道の邪魔になっては迷惑でござる」

そいつは悪かった。
まあ、俺の説教は小言オヤジのライトニングだと思って、プロテクションの呪文でしっかりガードしてくれ。

ハイラス「むしろ、NOVA殿が、そのような雑念、悪霊の類をニュートラライズポイズン(毒中和)するなり、P・フロム・イーヴィル(対邪悪防御)して、心を落ち着けてから書く方が望ましいでござる」

ああ、次からそうするか。
一応、俺も俺なりのブッディズム・プリースト呪文は使えるわけだし。まあ、俺のその手の呪文は、言霊魔術の方に分類管理しているんだがな。病は気からの類でメンタル面からの治療が重視されるわけで。もっぱら自分用で、他人にまで有効かどうかははっきりしないが、自己回復力を備えた人間の補助程度には役立っているかな、と根拠ありで自覚している。

ハイラス「少なくとも、私自身は救われているがな。人生の迷いという心の闇からはな。それなのに、NOVA殿の迷う姿を見せられると、いささか歯がゆい」

そこは気にするな。
俺の信じる仏は、迷いの娑婆世界で、自ら迷う姿を見せながら人を救うらしいからよ。俺も仏ならぬ凡夫の身だから、迷うのは当たり前。そして迷いながら光明を目指して頑張ってるわけだな、これが。

ハイラス「言葉は使いようでござるな。迷いさえも確信のように見せかけるとは」

これぞ嘘も方便って奴だ。じゃあな。ハッピー夏至、大ドルイドデー♪
(完)