ウルトロピカルな⭐️GT(ゲーム&トレジャー)島宇宙

南の島と上空の宇宙宮殿を舞台にTRPGや特撮ヒーローなどのおしゃべりブログ。今はFFゲームブックの攻略や懐古および新作情報や私的研鑽メイン。思い出したようにD&Dに触れたりも。

フォーゴトン・レルムの話2

★久々の魔術師とドルイドOP

 

ハイラス「ようやく、スパクロとやらの世界探索が終了したようでござるな」

 

NOVA「ああ、ご無沙汰だったな。あっちの世界でも、勇者や、魔神や、天翅や、世界滅亡の危機やらとで大変だったぜ。まあ、当面は小康状態で落ち着いた頃合いかもしれんが、まだまだ油断はできん。しっかり監視は続けないとな」

 

ハイラス「こちらの情報によると、ジオウの世界に破壊者が出現。その力によって、ジオウが未来に飛ばされるそうだ。ゴースト編の次にドライブ編が来るという予想は外れたようだ」

 

NOVA「何だと? 歴史が書き換わっているというのか? もしや、フルタンXの出現も、魔王の仕業だというのか?」

 

ハイラス「フルタンX? それは何者でござるか?」

 

NOVA「それについては、この動画を……って、ここは動画の貼り付けができないんだったな。しばらく機能不全状態だったアマゾンの商品検索機能も、管理維持ができないため終了したそうだし、大丈夫か、ここ? 不便が続くようなら、そのうち引っ越しも検討してもいいが、今すぐでというわけにもいかない。そうそう何度もブログの引越しをするほど、俺はパワフルでフットワークの軽い男じゃないからな」

 

ハイラス「とにかく、平成最後の大異変の背後に、その謎のフルタンXの存在があることを、異世界での数々の戦いの末に、NOVA殿は突き止めたのでござるな。さすがは時空魔術師の名に恥じぬ働き」

 

NOVA「いや、それは壮大な勘違いって奴だ。フルタンXは事象であって、原因ではないし、俺が戦った世界はフルタンとは無関係だ。まあ、Xといえば、放置しているスパロボがあるので、Tより先に、そっちをクリアしたいわけだが、その話も今は関係ない。今回はとにかくフォーゴトン・レルムの話の続きだ。このままだと本当に放置されたまま、『忘れられた領域』になるところだったぜ」

 

★プール・オブ・レイディアンス

さて、ここから地の文で作品紹介していきますな。

フォーゴトン・レルムの発表が1987年で、翌88年に同世界を舞台にした最初のコンピューターRPG『プール・オブ・レイディアンス』が登場します。自分は当時パソコンを持っていなかったので、プレイしたのは91年にファミコンに移植されたバージョンだったのですが、当時は「これからはAD&Dのルールブック翻訳も順調に展開し、TRPG業界もますます景気良く盛り上がって行くんだろうな」と無邪気に信じておりました。

88年に刊行されたばかりの富士見書房ドラゴンマガジンでも、ソード・ワールド特集の他に、ドラゴンランスを初めとするAD&D小説や、海外のコンピュータゲームの情報を、SNEの安田社長が精力的に紹介してくれており、自分はワクワクして毎号の情報を楽しみにしていた頃合いでしたな。

その後、『プール・オブ・レイディアンス』は続編の『カース・オブ・アジュア・ボンド』『シークレット・オブ・シルバーブレイド』『プール・オブ・ダークネス』と展開し、自分は未プレイながら、「いつか働いてパソコンを買って、それらのゲームをプレイしたいものだ」などと思ったりもしつつ、大学を卒業する辺りでバブルが崩壊し、何だか人生がいろいろと流転しながら、それでも教育業で食いつなげながら、趣味ライフを続けている現状。
まあ、30年を経てからもD&Dの話をできているのは、それなりに幸せなんだと思っています。必ずしも順風満帆ではなく相応の浮沈も経験しているのは、平成回顧録を語る上でいいネタになると思っているのですが、今こうやってフォーゴトン・レルムを語っていくのも、必然的に自分の思い出話にもなりますな。


さて、『プール・オブ~』の時期はまだAD&D1版なんですが、その後、『シャドウデイル・サーガ』なんかで描かれた災厄の時を経て、ゲームの世界観も2版に移ります。
そして、この2版の間にTSR社が経営破綻し、WotC社にD&Dの版権が移るわけですが、それによって、フォーゴトン・レルムのメイン舞台も内陸のデイルランズや月海周辺から、ウォーターディープを中心とする西海岸に移行したように見えます。これは、会社の位置が五大湖周辺のTSRからアメリカ西海岸のWotC社に移行したため、という説もあるとか。
もっとも、これは日本で紹介された関連作品の事情もあって、2版から3版にかけて、コンピューターゲームボードゲームの舞台は西海岸を中心に展開し、小説やTRPGサプリメントでは相変わらず内陸デイルランドなどのサポートも継続していたようです。よって、3版のワールドガイドを読むと、世界の大きな事件は内陸で展開され、いろいろと激動の歴史をたどっていたわけですが、日本語翻訳では断片的にしか伝わっていなかったという印象。

あ、これは英文サプリメントを追いかけて、未訳小説までしっかりチェックしていたAD&Dマニアなら、また違った印象を持つのでしょうが、自分は日本に紹介された「普通に目に届く範囲」しか追いかけて来なかった者の視点で書いています。

さらに、90年代半ばは、それまで日本でサポートをしていた新和がD&Dから撤退し、SNEとメディアワークス主導で、クラシックD&Dの再展開を始め、世界観紹介もフォーゴトン・レルムから手を引き、かつてガゼッタシリーズと言われていたミスタラの再紹介を始めた時期。
ええと、カプコンからアーケードアクションゲームの『D&Dタワー・オブ・ドゥーム』が出たのが94年で、続編の『D&Dシャドウ・オーバー・ミスタラ』が出たのが96年なので、その時期はミスタラ推しで日本のD&Dは展開されたわけですな。


そういうわけで、日本のフォーゴトン・レルム紹介は、90年代頭に、小説とコンピューターゲーム中心に、本当に触りの部分だけを見せられた形になります。


って、ここまで歴史的経緯ばかりを語っていましたが、結局、『プール・オブ・レイディアンスがどういうゲームなのか』ちっとも語っていないことに今、気づく(苦笑)。

ええと、舞台は、月海(ムーンシー)周辺で新しく勃興したフランという街。
このムーンシーという地名が紛らわしくて、ほら、最初に翻訳されたレルム小説が『ムーンシェイ・サーガ』だったから、話がつながってくるかと思えば、全然違う地域だったりする。
当時は、レルムがどれだけ広大かもよく分かっていなかったので、「一つの主軸になる物語があって、その周辺に派生作が展開していったドラゴンランスやロードス」と違い、地域によって全く異なる物語や背景情報が乱立していたレルムの展開の仕方は結構、混乱していた記憶が。
というか、AD&Dの日本語展開そのものが、複数企業がそれぞれ別の立場で作品を出していて(新和富士見書房ポニーキャニオンと)統括する動きがなかったので、多様性と混乱こそがレルムのイメージで考えておりました。

で、フランの街も、同じような状態だったわけですな。
すなわち、多様性と混乱の最中にある、冒険の機会に満ちた新興都市。何せ、ドラクエなんかと違って、「街の教会が複数ある」とか「宿屋が複数ある」とか、まあ、リアルな街づくりですよね。さすがに、市役所は一つしかないけど。
そして、こんな事件のタネには事欠かない街にやって来た冒険者グループが、市役所でクエストをもらって、街の外にあるダンジョンとかでミッションを達成しながら成長し、やがて街を脅かす事件の黒幕だった悪竜ティランスラクサスをやっつけるという内容。
実は当時のファミコンRPGで、「ミッション達成して、経験値をくれる」「ミッションを解決する順番は固定されていない」「ミッション解決の手段は複数ある」という作品は少なく、そもそも大元のテーブルトーク版D&Dがそういうシステムじゃなかったのが、ずいぶん洗練されたなあ、と感じていました。

当時のコンピューターRPGで主流なのは、「モンスターを倒して経験値」「ストーリーの順番に合わせて一本道のミッション攻略」だったし、TRPGでも「ゲームマスターが用意したシナリオを攻略するのが普通で、ゲームマスターが複数のミッションを用意して、プレイヤーに好きな冒険を選んでいいよ、なんて太っ腹なケースは稀」だったはず。
まあ、後者はシナリオを用意するマスター次第なんですがね。凝り性のマスターだと、複数の選択肢を準備して、どれを選ぶかで、その後のストーリー展開に変化が生じるケースをあらかじめ想定するものですが、当時はそういうスキルを持ったマスターはプロみたいなものだった。
実際は、プレイヤーがマスターの想定していた以外の選択肢をとり、マスターが慌ててアドリブで処理したり、何とか用意したシナリオの流れに入るよう誘導テクニックを駆使したりするものですが、ともあれ、「親切心で人助け」とか「世界の危機だから、やむなく戦う」とか、そういうのも主流だったRPGに「仕事だから選ぶ余地もあるし、難しい仕事だから後回しにして、簡単な仕事で経験値稼ぎしてから改めて臨む」なんて自由度の高さ、も当時は割と新鮮に受け止めていました。

で、このプールのクエスト重視スタイルは、当時、並行して進められていたソード・ワールドなんかでも受け入れられて、ミッション達成経験値はその後のRPGの主流になっていったんじゃないかな。
プールなんかのシステムも参考に、92年のソード・ワールドPCから翌93年のソード・ワールドSFC、94年のソード・ワールドSFC2につながる流れがあったわけで。


ともあれ、当時はドラクエやFFといった世間一般の主流RPGの他に、ウィザードリィウルティマといった海外RPGの主流に手をつけながら、D&Dやソード・ワールドの流れに目を光らせていた楽しい時代だったということですな。何もかも懐かしい、というか。


では、当記事はこれまで。
次回は、バルダーズ・ゲートの話から、3版以降のフォーゴトン・レルムの話をする予定。
まあ、他のネタに目移りする可能性も高いけど。