ウルトロピカルな⭐️GT(ゲーム&トレジャー)島宇宙

南の島と上空の宇宙宮殿を舞台にTRPGや特撮ヒーローなどのおしゃべりブログ。今はFFゲームブックの攻略や懐古および新作情報や私的研鑽メイン。思い出したようにD&Dに触れたりも。

D&Dゲームシナリオの話3

★ミスタラとフォーゴトン・レルム

 

NOVA「今回は、クラシックD&Dのコンパニオンルール用シナリオ1(C1)『大いなる試練』の話をしようと思うのだが……」

 

 

ハイラス「何か不都合でも?」

 

NOVA「ああ。クラシックD&Dの背景世界は、新和時代にはガゼッタワールドと言われ、その後、ミスタラという正式名称が付けられて、90年代のメディアワークス版やカプコンのゲームではそう紹介された。カラメイコス大公国をスタート地点として、悪の魔術師バーグルや、その背後にいるブラックイーグル男爵、そして犯罪結社アイアンリングを主な敵役とする公式設定が、日本のオールドファンにはお馴染みだと思う」

 

ハイラス「そうなのでござるか?」

 

NOVA「そうなんだよ。少なくとも、新和版の赤箱ルールブックを買った人間で、バーグルの名を知らない者はいないと思う。何しろ、ゲーム紹介の初ダンジョンで戦った相手だ。女僧侶のアレーナと出会って、冒険のレクチャーを受けたはいいものの、バーグルのマジックミサイルでアレーナが倒されて、その後は……ダイス目次第だな。バーグルにチャームパーソン(魅了)の呪文を掛けられて友人と錯覚したまま、まんまと逃げられるか。それともチャームに抵抗してバーグルを倒すか。そういうミニストーリーがD&D赤箱初冒険という人間は多いと思う」

 

ハイラス「ふむふむ、それで?」

 

NOVA「その後は、街のよろい屋のボルドウィックからプレートメールを買って、ダンジョンの未探索部分をソロアドベンチャー形式で探索しながら、ゴブリンと戦ったり、ラストモンスターに装備を錆びさせられたりするイベントを経たりして、さらにDMルールにあるバーグルのアジトの廃城ミスタメアを仲間と一緒に探索するのが、新和版D&Dの公式イントロというわけだ」

 

ハイラス「つまり、バーグルは定番の悪役だったでござるな」

 

NOVA「ああ。そして、俺の最初のD&Dワールドでは、レベル3ぐらいに成長した冒険者パーティーによって、バーグルは倒された。今から32年前の話だ。だけど、その後発売されたガゼッタ最初の本『カラメイコス大公国』において、バーグルがデータ化されたり、死んだはずの女僧侶アレーナがカラメイコス大公のご息女プリンセス・アレーナで健在だったことが後から判明し、何だか世界の整合性が保てなくなったんだな。当時は、公式設定と、自分たちの卓のストーリーが矛盾した際にどう受け止めるかのノウハウもなかったわけで。違う時間軸とか、並行世界なんて概念は決して一般的じゃなかったんだぜ、80年代はな」

 

ハイラス「それで、NOVA殿はどうしたでござるか?」

 

NOVA「カラメイコス大公国の話は別世界で、俺のD&Dワールドは俺独自のキャンペーン世界の物語『レンフィールド戦記』というタイトルで、リプレイ小説からオリジナルストーリーに展開して、ロードスやドラゴンランスの要素なんかも取り込みながら発展していった。その遺産の一つが、アーティファクトの〈光の杖〉改め〈白き栄光の杖〉として、もっぱら俺の塔のエネルギー源として活用している次第」

 

ハイラス「つまり、レンフィールドの設定は、今やNOVAバースの背景として当ブログにつながっているのでござるな」

 

NOVA「ああ。D&Dからの派生世界としてロードスがあり、それを参考にレンフィールド王国があって、その時の思い出を基軸にまったりと再構成しているのが現在のNOVAバースということになるか。そして、そういう思い出とは別に、ロードスもD&Dも現在進行形で紡ぎ出されているのが今年ってことになる。そして、困ったことになったわけだ」

 

ハイラス「何が?」

 

NOVA「いや、俺は元々、現在のD&D公式ワールドとして継続中のフォーゴトン・レルムの話をしたかったんだけど、クラシックD&Dのシナリオ話に展開したら、過去の遺産であるミスタラの話に突入しちゃうわけだよ。特に、コンパニオン以降は背景世界のミスタラが明確になって、それを無視して語ることが難しい。しかし、ミスタラとフォーゴトン・レルムを同時に語って、読者は付いて来れるのかな?」

 

ハイラス「何を今さら。フォーゴトン・レルムの話をしながら、フォーセリアラクシアとの比較話をすでにしているではござらんか。多元宇宙の研究をするのに、複数の世界の比較をしているのが本ブログの現状ではないか。だったら、それを分かりやすく、面白い記事に展開するのがNOVA殿の仕事……というか、そういうごちゃ混ぜハイブリッドな記事は、プロによる公式では商業的な理由もあってなかなかできないので、アマチュアなマニアの趣味でやるしかなかろう」

 

NOVA「そうだな。ここは俺の流儀を貫かせてもらう。ともかく、今回はミスタラだ」

 

★ミスタラとミストラ

NOVA「ところで、そこそこマニアックなD&D追跡者が長年思ってきたけど口に出せなかったことを言っておく。ミスタラとミストラって、紛らわしいよな。何とかしてくれ」

ハイラス「何が違うでござるか」

NOVA「ミスタラは、クラシックD&Dの公式背景世界の名前。当時からのファンには、ガゼッタワールドの名前が定着しているんだが、SNEの安田社長曰く、『ガゼッタという新和訳は発音が間違っている。ガゼティアと記すべき』とのこと。まあ、新和訳の妙なネタは『ソードで普通に正解なのに、わざわざスウォードと表記して、英語学習者に誤解を広めさせた』とか、いろいろあるんだけど、とにかくミスタラは世界の名前。初心者的には、ミスタラ=カラメイコス大公国のある世界という認識でいいだろうけど」

ハイラス「では、ミストラとは?」

NOVA「そっちの方が先に登場した。フォーゴトン・レルムにおける魔法女神の名前で、初代の魔法女神はミストリルという名前だった。それがネザリル帝国の魔法暴走事件から世界を守るために自分を犠牲にして、その後、ミストラとして転生。これがデイル歴の紀元前379年の話。その後、〈災厄の時〉にまた女神ミストラが殺害されて世界が混乱。人間の女魔術師ミッドナイトがミストラの後継女神になったのがDR1358年。その影響で、魔法欠如地帯と魔法暴発地帯がレルムにできたらしい」

ハイラス「それが第2版の始まりでござるな。女神ミストラは、第4版の時にも殺されたと聞くが」

NOVA「ああ。宿敵のシアリックによってな。それがDR1385年で、〈呪文荒廃〉という大惨事を引き起こした。まあ、5版になって、またミストラが復活したので、昔ながらの魔法が戻ってきたんだけどな。そして、2版で死を司る神に昇格したシアリックが、復活したバール(べハル)に死の力を奪われ、単に虚偽の神になり下がったのは、個人的に『よっしゃラッキー』の痛快事だと思っている。昔から、シアリックって苛立つことばかりする悪党だったからな。バールの復活は、バルダーズ・ゲートの物語的に忌むべきことだけど、シアリックに人間時代のケレンヴォー殺しと、4版でのミストラ殺しの天罰が下ったようで、小説シャドウデイル・サーガ以来の因縁が少しは解消されたんじゃないかな」

ハイラス「それほどNOVA殿は、シアリックが嫌いであるか」

NOVA「そりゃ、仲間を裏切って殺した悪党の盗賊が罰を受けることもなく、神様になって好き放題な状態で、ずっと来ていたからな。同じように力を求めて仲間を裏切った盗賊だと、ロードスのウッドチャックもいるけれど、彼は別にギムを殺していないし(殺したのはウッドに憑依する前のレイリア=カーラ)、ある程度、同情できる背景もある。シアリックはそういう同情できる裏切り者とは別格で、しかもミストラを殺してレルムに大災厄をもたらしたとなれば、何らかの罰が与えられないとスッキリしない。そして、5版に入って、初めてシアリックが痛い目にあったような設定だから、昔に感じたうやむやがようやく解消された気分なわけだ。
「まあ、物語的な立ち位置だと、シアリックって北欧神話のロキみたいなトリックスターだったり、龍騎の浅倉威みたいに主人公にできない殺害者としてストーリーを活性化させる存在なんだろうけど、少なくとも日本ではシアリックに感情移入させるようなサイドエピソードが紹介されていないため、結果だけを見れば、姑息な絶対悪にしか映らない。シアリック信者と、権能を奪われたバール信者やベイン信者の暗闘がレルムで行われていたという設定を読んだときは、いつかシアリックが負けないかなあ、と感じていた次第」

ハイラス「つまり、フォーゴトン・レルム的には、4版がシアリック大勝利で、5版がシアリックの逆転負けという構図であるな」

NOVA「ああ。そして、魔法女神ミストラに何かがあれば、レルムの世界法則が大混乱してしまうわけだ。それだけ、レルムは魔法と深く結びついた世界ということだよ」


★ミスタラの魔法帝国

NOVA「レルムの話題は置いておいて、クラシックD&Dに話を戻すぞ。レルムとミスタラの違いを語るのは、少々難しいんだが、最大の違いはレルムの魔法帝国が古代に滅んでいるのに対して、ミスタラでは古代アトランティスの系譜を受け継ぐ魔法帝国アルファティアが健在ということだ。凄い勢力を持った魔法帝国が滅んでおらずに今なお健在である、というのがミスタラの大きな特徴と言っていい。そのことが初めて判明するのが、コンパニオンシナリオ『大いなる試練』という話で、本記事の始まりに戻るわけだ」

ハイラス「少し話を整理しよう。ミスタラ=クラシックD&Dで、レルム=AD&Dから始まる現D&Dでよろしいでござるな」

NOVA「ああ。そして世界の初出はミスタラが1981年で、レルムが1987年だから、ミスタラの方が早いけど、ミスタラって名前が付いたのは後年だから。要は、『帰ってきたウルトラマンが後からウルトラマンジャックと呼ばれるようになったもの』で、後付けの名前なんだ。そして、世界の紹介のされ方も違っていて、ミスタラはクラシックD&Dのルールブックやシナリオが展開するにつれて、次第に広がっていく拡張型の世界。一方でレルムは最初から大きな世界地図が公開されて、そこに細かい設定を後から組み込んでいく深化型の世界。ただし、日本ではミスタラがある程度拡張した後で、80年代後半ぐらいからほぼ同時に紹介されたので、単にゲームシステムの違いだけで理解されている面がある」

ハイラス「実際は違うのでござるか?」

NOVA「アルファティア大陸というのがあって、それが海底に沈むことになり、地上に避難した人たちがアルファティア帝国を築いた。その現存する魔法帝国と、新興の軍事帝国ジアティスの覇権を巡る戦争というものがミスタラの隠されたテーマだったりする。まあ、コンパニオン以降の後付けなんだが」

ハイラス「後付けでござるか」

NOVA「とりあえず、最初の舞台はカラメイコス大公国。ここは元々ローマ帝国に似た感じのジアティス帝国の属領だったんだけど、ジアティス貴族のステファン・カラメイコス大公が帝国での自分の所領と引き換えに、自分の独立国として認めて欲しいと皇帝に願って建国した新興国なんだ。だから、国内には未開拓な地域がいろいろあって、初心者冒険者が探索するのに非常に都合の良い環境になっている。この地だけでも冒険のネタはいっぱいあって、普通に遊ぶには十分なんだ。日本でのミスタラ紹介は、ほぼこの国だけと言ってもいい」

ハイラス「そこは典型的な中世ヨーロッパ風の国でござるな」

NOVA「まあ、フランク王国みたいなゲルマン国家に近いかも。元々、現地に住んでいたトララダラ人という人たちと、貴族的なジアティス人がいて、ちょっとした文化的な対立が残っていたりするけど、カラメイコス大公の融和政策のおかげで、激しい衝突にはなっていない。そして、D&Dの公式シナリオでは、カラメイコス大公国を中心に周辺諸国を少しずつ紹介しながら、地域漫遊的に展開されていき、やがてはアルファティアとジアティスの二大帝国の衝突に至って……と流れるはずだったんだけど、うやむやに終わった。『大いなる試練』は、その帝国激突編の初シナリオ的な立ち位置になるわけで」

ハイラス「帝国激突編! 何とも壮大そうなシナリオでござるな」

NOVA「コンパニオン以降は、かなり風呂敷を広げている。このアルファティアというのが凄まじくて、『1000人を超える36レベルマジックユーザーの統治会議』なるものを有して、女帝エリアドナを支えている。そして、彼女が第2皇子エリコールに未開の地ノルウォルドを所領として与えることから物語が始まる。ノルウォルド王に任じられた青年君主エリコールは、自分に与えられた所領を治めるために協力してくれる同盟領主を求めて、英雄として急成長してきたプレイヤーキャラクターたちにも使いを送るんだ。その頃、カラメイコス周辺だけでは冒険の地として物足りなくなっていたパーティーが、さらなる開拓地を求めて、広大なノルウォルドに旅立つ流れになる」

ハイラス「それまで住み慣れた土地を捨てて旅立つところから始まるのでござるか」

NOVA「まあ、カラメイコス大公の下で、一つの都市を治めるだけで満足していてもいいんだけどな。コンパニオンレベルになれば、大公よりも強くなっているので、その気になれば大公国を乗っ取るとか、プリンセス・アレーナと結婚して公国の跡目を狙うことも可能だろうと思う。ただ、公式に設定された国をそういう形で終わらせることを望まないDMやプレイヤーもいるだろうということで、公式が広大な未開拓地ノルウォルドを提供してくれたということだ。
亀仙人がバックアップ役としてレベル不足になった後で、カリン様や界王様たちがバックアップ係を引き継ぐような感じで、カラメイコス大公みたいなパトロン役をエリコール王が引き継いだ、と言えば分かるかな。エリコール王は帝国の英才教育を受けて、レベル28の戦士として鍛えられてはいるんだけど、実戦的な経験が少なく、いい人で少し優柔不断。PCたちの的確な助言に対しては同意してくれるが、PCが意見を示さないと自分では正しいかどうかの判断に迷うキャラ。つまり、家柄やスキル的には有能なんだけど、判断能力を持たない人工知能みたいな便利キャラ。プレイヤーキャラは若き王を支える円卓の騎士集団として、共に試練を乗り越えるストーリーを想定しているわけだね」

ハイラス「なるほど。コンパニオン・ルールでは、成長した冒険者が城を建て、領地経営するプレイスタイルを推奨している。しかし、既存の文明地域を占領し、所領を広げて行けば、いずれは公式の重要人物と対立するか、それ以上の拡大を断念せざるを得ない。秩序の破壊者になるか、秩序のために成長を止めるか、の選択肢だったのが、『新しい未開拓の土地がいっぱいあるよ。ぼくを助けて、いっしょに開拓する人募集中』と言ってくれる都合のいい皇子さまが現れた。その皇子さまに付いて行けば、自分の土地を好きに増やせるかも、というゲームでござるな」

NOVA「うまく進めば、そんな感じだね。また、女性キャラならエリコール王の妃の地位に就ける可能性も示唆されている。そうなると女王プレイも可能になるわけだ。この辺はDMとプレイヤーの相談次第で、ノルウォルド王国内での自分の立ち位置をどうするか、いろいろ考える余地があったろう。ロードスでいうなら、第2部PCのシーリスが竜騎士の王国モスの若き王子レドリックと結婚して、竜に乗った戦う王妃になったケースもあるし。とにかく、このノルウォルドは、公式がD&Dプレイヤーに与えた新たな未開拓地域として、いろいろな可能性を秘めていたわけだ。次のマスターレベルのシナリオでも、ノルウォルド王エリコールがイモータルの陰謀に巻き込まれて窮地になるのをプレイヤーキャラが何とかするシナリオだったりするし」

ハイラス「しかし、ノルウォルド王国はアルファティア帝国の版図にいずれ加わって行くのであろう。すると、対立国のジアティスが黙っていないのでは?」

NOVA「そうだね。カラメイコス大公はジアティス人なんだけど、トララダラ人寄りな考え方を示したので、本国との関係が必ずしも良くない。だから、ジアティス帝国の密偵とか刺客なんかが、それまでも敵キャラとして出てくることもあったんだけど、ノルウォルドでもジアティスの敵キャラとの戦いの可能性はある。それによって、アルファティアとジアティスの戦争がまた勃発する可能性もあるし」

ハイラス「プレイヤーの一存で、大国同士の戦争を発生させることができるのでござるか?」

NOVA「いや、戦争を引き起こすだけなら簡単だぜ。『キャンペーン中にエリコール王が死亡してしまったら、王位争いが結果として発生する。エリコール王の異母兄弟であるラーナルが王位を自分のものとして要求し、軍隊を蜂起させる。もし王が結婚していたら、女王が王位の正当な権利を持つ。王が結婚していなければ、アルファティファの女帝が2D6ヶ月以内に後継者を送り込んでくる』と明記されているので、ノルウォルド王位争奪戦の物語を遊ぶことも可能だろうな」

ハイラス「しかし、戦争を起こすのは簡単でも、終わらせるのは難しいのではござらんか?」

NOVA「そうだよな。まあ、普通はいかに戦争にならないように自分たちの利益と安全、あるいは社会的正義を守るようにプレイするかを考えるものだと思うけど、ゲームなんだから『ちょっと試しに戦争するか』って遊びもできなくはない。コンパニオンレベルって、それが許容されているシステムだし。
「一応、『大いなる試練』シナリオのクライマックスは、『王冠戦争』と呼ばれるイベントがあって、ジアティス軍がノルウォルドに侵攻してくるんだよ。プレイヤーキャラはエリコール王に味方して、自領の軍を派遣したり、現地のドワーフやバーバリアンから成る中立軍と交渉して味方に付けたりするなど、とにかく英雄らしく活動することもできるし、どさくさに紛れて逃げ出したり、ジアティスのスパイ(複数いて性格はカオティック)と共謀したりすることもできる。それはDMとプレイヤーたちの方針次第という自由さがシナリオにはあるわけで」

ハイラス「中立を旨とするドルイ道としては、アルファティアかジアティスのどちらに味方するか悩むでござるな」

NOVA「ああ、それならエリコール王に従っている宮廷ドルイドのターン・オークリーフというキャラがいてね。レベル24だから、ドルイドの先輩として進む道を示してくれるかも」

ハイラス「宮廷ドルイド! そんな役職があるのか」

NOVA「ノルウォルドは自然の豊かな未開拓地だから、エリコール王が現地の自然に詳しい人間を相談役として求めたんだ。少なくとも、エリコール王は現地の住人の反対を押し切って無軌道な開発を行う暴君じゃないから、必要以上の自然破壊は望まない。だから、ドルイドのターンさんは彼を基本的に信用するキャラになっている」

ハイラス「だったら、ドルイドとしては先達に従うのが賢明だろうな」

NOVA「うん。このように設定されたNPCとのやりとりも含めて、敵味方の交渉なんかも楽しめるんだろうな。他にも王の婚礼イベントとか、フロストジャイアントの襲撃イベントとか、探索できるミニダンジョンとか、国の行く末を示す占い婆の予言イベントとか、数々の物語ネタが散りばめられて領地経営に勤しむキャラクターの物語を彩ってくれる。それがコンパニオンレベル初シナリオということだ」

ハイラス「プレイしたことは?」

NOVA「残念ながらない。というか、コンパニオンレベルまでキャラを育てたこともないし、そこまでのプレイに付き合ってくれるゲーマー仲間との交流もなかったんだって。せいぜいエキスパートレベルまでで、それ以降、膨大な時間の掛かる架空の領地経営RPGに一緒にハマり込んでくれる暇な連れは今も思い当たらん。まあ、21世紀の今だともっと手軽な開拓ゲームもいっぱいあるからなあ。そういうゲームがしたければ、D&D以外を選ぶ次第」




ハイラス「昔よりも、開拓ゲームや領地経営ゲームの選択肢が増えたでござるからなあ」

(当記事完)